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ファンタシースターオンライン2

【ふぁんたしーすたーおんらいんつー】

ジャンル MMORPG




対応機種*1 Windows 10/11 64bit 日本語版
プレイステーション・ヴィータ
プレイステーション4
Nintendo Switch
発売・開発元 セガゲームス
正式サービス開始日 Win 2012年7月4日
PSV 2013年2月28日(サービス終了*2)
PS4 2016年4月20日
Switch 2018年4月4日
定価 基本プレイ無料
アイテム課金制
判定 なし
ポイント キャラクリエイトの自由度は業界屈指
肥大化したコンテンツの整理不足
杜撰なシナリオにライターの私物化疑惑
ファンタシースターシリーズ


概要

『ファンタシースター』シリーズ25周年記念作品。
「無限の冒険」「オンラインRPG最高峰のアクション」「究極のキャラクタークリエイト」「境界を超えるRPG」という4つのゲームコンセプトを掲げていた。
Switch・PCでプレイ可能なクラウドゲーミング版は『ファンタシースターオンライン2 クラウド』という名称となっているが、クライアントが別になっている以外はサーバー含めて完全に同一のゲーム内容であるため、本項でまとめて紹介する。


主な特徴

「無限の冒険」

  • 従来のシリーズ作は、戦闘フィールドは複数のパターンを用意する固定マップ方式であった。
    • だが、今作ではいくつかのパーツをランダムに組み合わせ、同じクエストでも毎回違った地形となる「ランダムフィールド」システムを採用。
      • クエスト中に突発的にサイドミッション「エマージェンシートライアル」が発生することもある。*3これらの要素を組み合わせることでクエスト内容に変化を持たせる試みがなされた。
  • パーティ編成は従来作同様に最大4人までだが、今作では複数のパーティが合流できる「マルチパーティエリア」があり、シリーズ最大の12名同時プレイが可能。
    • 多くのクエストにマルチパーティエリアが組み込まれているので、ソロパーティでも必ずマルチパーティエリアに合流するようになっている。そのためパーティ編成をせずとも手軽にマルチプレイが可能となっている。
  • ロビーに警報が鳴り響き、突発的に発生する「緊急クエスト」は、受注可能な時間はわずか30分と短く内容も通常のクエストに比べて高難易度のものばかりだが、その分相応の見返りを得ることが出来る。

「オンラインRPG最高峰のアクション」

  • 今作でついに「ジャンプ」を追加し、立体構造のマップや巨大ボスなども実装するなど、RPGというよりはかなりアクションゲーム然とした方向性となっている。
  • 前身作である『ファンタシースターユニバース(以下PSU)』にも存在した「主観視点」が、今作では「肩越し視点」となり、平行移動しながらの狙撃が可能となった。
  • もちろん「フォトンアーツ(PA)」も引き続き実装。今作では打撃・射撃武器毎のPAと、法撃クラスをセットしたときのみ使用できるテクニック*4の二種類に大別されるという形態になっている。

「究極のキャラクタークリエイト」

  • 種族は通常の人間体である耐久重視のヒューマン、エルフのような尖った耳を持つ法撃重視のニューマン、機械生命体で物理攻撃重視であるキャスト、オッドアイと角を持つ攻撃力重視のデューマンの4種族。
  • 以前のシリーズでも優れたキャラクタークリエイトシステムを持っていたが、今作ではさらに様々な部位のモーフィング設定が可能になり自由度が増加。
  • 現在はプラットフォーム問わずサーバーを共有しており、異なる機種間でパーティーを組める。
    • 『PSU』で問題になっていた機種格差はPS4版においては限りなく抑えられている。
  • iOS/Androidのアプリ『ファンタシースターオンライン2 es』とデータ連動。24時間あらゆる形で『PSO2』に触れることができる。
    • データが連動している都合上、Win/PSV版とiOS/Android(スマートフォン版)で、同時にinすることはできない。

評価点

オンラインRPGとしては導入ハードルが比較的低い構造

  • ソロでもマルチパーティに合流するようになっている性質上、非常に手軽に多人数プレイに参加できるコンテンツとなっている。
  • ストーリーのNPCや、フレンドや他のプレイヤーを呼び出してNPCとして使え、これによってもある程度手軽にパーティを組める。

基本プレイ無料というスタイルながら重課金要素のないモデル

  • Lvや受注クエストに課金による制限は掛からず、課金ユーザーとの垣根は比較的低め。基本的に課金要素はファッション関連の比重が高くなっている。
    • プレイ自体は無課金でも支障が少なく、やりこみ勢向けの補助アイテムやファッション(スキン)での課金に重点が置かれているという運営モデルは、後年に流行したバトルロワイヤル系TPSゲーム群の多くにも通じる部分がある。
  • ACスクラッチ(ガチャ)の景品はそのほとんどが全てマイショップで販売できるため、ゲーム内マネーでもACスクラッチの景品は入手可能。

シリーズ伝統の高機能なチャットシステム

  • おなじみのフキダシ表示、『PSU』から追加されたカットイン表示に加え、旧作『PSO』で存在したシンボルチャットも「シンボルアート」と名前を変え、グレードアップして復活。

美麗なグラフィック

  • キャラクターのカスタマイズ性に関しては一般的なゲームの範疇では(非オンラインやコンシューマー機向けを含めてさえ)上位に位置する。キャラカスタマイズに特化したツールと比較してもさほど引けを取らない。
    • それでいて、とかく複雑化…というより大量の線形スライダーに終始しがちなキャラクリエイトのUIにダイヤ型スライダーを採用し、直感的な調整ができるようにまとまっている。
    • 衣装と複数箇所に装備出来るアクセサリ*5を上手く組み合わせることで版権キャラの再現を行ったり、中にはアクセサリの組み合わせだけでバイクやヘリコプターに特定のロビーアクションをすることで変形するなどと言ったことも出来るほど自由度が高い。
    • 後述のようにストーリー面での批判が目立つNPCの多くも、その造形自体には一定の評価がある。
  • キャラクターだけでなく、武器のビジュアル・エネミーやステージに至るまで細かく描写されている。
    • 惑星によって敵やフィールドの傾向がある程度決まっており、原生種の徘徊する自然が広がる惑星ナベリウス、「竜族」が過酷な環境に文明を築くアムドゥスキアなど、多種多様なモチーフのステージが用意されている。
    • ボスエネミーもそれぞれで印象に残りやすいビジュアルをしている。それだけでなく、プレイヤーの腰の高さほどもない小柄なエネミーでも細部まで精巧に作りこまれており、見ていて飽きない。
    • 今となっては1世代ほど前の機種(PS3相当)に相当するスペックを想定したソフトで、ポリゴン数が少ないこともあり、カメラを近づけるとキャラクター等が角ばったようになってしまうという弱点があるが、それを感じさせない作りとなっているものが多い。

豪華な声優陣

  • プレイヤーキャラクターのボイス設定や味方NPC、果ては敵のキャスティングまで、声優陣は著名な面子が揃っており演技の質は高い。
    • 若年層に人気のアニメ作品で主人公役やヒロイン役を演じる若手人気声優や、有名番組のナレーションや往年の名画の吹き替えを手掛けたベテラン声優まで、幅広く多彩な声優を起用している。

賛否両論点

緊急クエスト

  • 緊急クエストは突発的に発生するゲーム内イベントの1つ。レイドボスか攻略タイプ、もしくはその両方。
    • 最大の問題点として緊急クエストにコンテンツが偏りすぎており、恒常の各クエストでやれることが少ないため、多数の問題点の一因となっている。
    • ここでのコンテンツにはレアドロップも含まれ、緊急クエスト限定の装備ドロップも相当多数に及んでいる。
  • 緊急クエストの発生スケジュールは公式サイトである程度「予告緊急」として発表されている。
    • 年齢層が高く忙しい社会人プレイヤーも多いタイトルであるため、初期は完全ランダムが基本だったもののプレイできる時間帯が限られている等の要望を受けた上で現在のような様式になったという経緯があるのもあり、致し方ないと許容されている。
      • とはいえ「予告緊急のために人が集まるブロックを先に入場しておき放置する」「常設クエストが周回されない一要因」などの問題に派生してしまっている。
  • 緊急クエストの発生を待たずとも、緊急クエストトリガーを入手することで任意の受注は一応可能である。
    • ただし、入手には半有料のスタージェム(以下SG)が必要である上、目当てのトリガーが陳列されるかはランダムである。
    • ランダムで発生する緊急クエストの数があまりに多く、時期を逃せば諦めるしかないのが実情である。

アイテムの取引制限

  • EP6以降は改善傾向にあるものの、高レアリティ装備や一部アイテムにはマイショップ取引不可の制限がかかっている。
    • 高レアリティの武器を拾っても、様々な理由で機会を逸してしまった型落ち品なことも珍しくない。
    • NPCショップでの装備の売価が低すぎる」「特定の特殊能力の価値が高い」といった事情もあり、金策においてのレアリティは実質飾りである。

特殊能力追加

  • 本作で追加された新要素の1つ。装備に能力を追加するという強化要素であり、他のゲームで言うところの所謂エンチャントに相当するシステム。
  • 任意の装備と素材となる装備数個を用意する事で、装備に付加される「特殊能力」を付け替えたり、上位の能力に変化させたりすることができる。
    • しかし、「特殊能力を付与するための組み合わせ条件がすべてブラックボックスである」「能力継承のスロットごとに成功率が存在する」の2点が問題となっている。
    • とにかく複雑で情報量が極端に少なく、リストアップされる/されないこと、また成功率を上げる手段に対して調査や考察が出来るプレイヤーでもない限り、まともに触るのは不可能なコンテンツである。
  • 成功率についても、効果量が大きい能力の成功率は10%や20%と極度に低くなることがある。
    • この機能は相変わらず初期の旧式武器と同様、交換やスクラッチなどで得られる補助アイテムやブーストイベントなどを活用して成功率100%にすることが実質前提となっている。
      • 基本成功率が50%を下回っている能力については不可能、もしくは非現実的。
    • 減る一方の能力数を増やすために「エクストラスロット」を使おうとすると、通常スロットを含む全スロットに対して一律で成功率が減衰する。最終的には0.4倍や0.3倍の補正が掛かる。
      • 一度スロットを減らされてしまうと、挽回は尻上がり的に厳しいものとなる。

スクラッチの内容が激しく偏っている

  • 女性キャラ向け衣装こそ豊富ではあるものの、男性向けは非常に少ない。キャスト男女に至ってはパーツ配信は一切無しといったことも多々ある。
    • ゲーム内の人口比が著しく偏っているということが原因でもあり、実際にロビーのほとんどは女性の人間型キャラで埋まっている。
    • また、カラバリも、衣装だけとっても別アイテム扱いの色変えは相当数に及んでいる。
  • プレイヤーの多数を占める女性キャラ使用者にとっては楽しみが増える反面、男性キャラ使用者やキャスト男女使用者は追加衣装が少なく不公平感を感じる。
    • そういった事情から、マイショップにおいて女物は高値で、男物は安値で取引される傾向がある。
  • この手の問題は本作に限らず、アニメ文化の影響を受けた国産またはアジア製のゲーム全般に共通した物なので仕方ないとも言える。
    • また、本作の衣装は性能に一切かかわらないアバターでしかないというハクスラ要素のあるRPGとしてはかなり稀有な形態をとっているため、ゲームをプレイする上での有利不利は発生しない。

ダークブラスト

  • 『PSU』の「ナノブラスト」や『PSPo2i』の「インフィニティブラスト」に相当する要素。特定の条件を満たすと4種類の各ダークファルスの姿を模した「ダークブラスト」に変身する。基本的な姿形は各フォーム全プレイヤー共通。
    • 全体的な火力の底上げとして実装された、プレイヤーの強化形態である。しかしそのストーリー上の設定を問題視するプレイヤーが多く現れた。
      • 具体的には「他者の魂(しかも敵)を主人公の体に宿らせる」「主人公自体の容姿と声(セリフ)が完全に上書きされる」という要素を受け入れ難かったユーザーが多く、加えて実際のストーリー上でも勝手に体を乗っ取ったり自分の都合のいいように行動を制限したりなどその側面を強調するような描写が多かったことも火に油を注ぐ格好となり、結果的にキャラクリやキャラ性を重視してきたプレイヤー層を多数失うきっかけになってしまった。
      • 後のアップデートで変身後のボイスミュート機能実装及び姿を変えないよう設定にすることが可能になった。

エキスパート対象者

  • ソロプレイでのクエスト攻略など、いくつかの実績条件をクリアしたプレイヤーだけでマッチングが可能となる仕組み。
    • ランダムでマッチングする都合上、プレイヤースキルが非常に高いプレイヤーと非常に低いプレイヤーがマッチングされる場合があるという弊害がある。サービス開始から時間が経つにつれてお互いの立場のプレイヤーとって不都合な場面が目立つようになり棲み分けができていない事が問題視され、結果としてサービス4年目のEP4期にエキスパート対象者という仕組みが実装されてある程度の棲み分けが用意されることになった。
      • だがその後も線引きの問題などが続き、プレイヤーの実力とマッチングの齟齬に関する課題は長期間にわたり残っていた。

サウンド

  • 作曲者は最早シリーズ恒例となった小林秀聡氏の他、ソニックシリーズでサウンドディレクターを務めた経験のある床井健一氏など、セガ作品の人気タイトルの楽曲を手掛けた実績あるスタッフが参加している。
    • フィールド戦のBGMは、『PSO』『PSZ』と同様に戦局によってBGMがシームレス変化する仕様が復活。大ボス戦でも形態変化や部位破壊など、最大5通りの変化が用意されている。
  • 初期からBGMは概ね好評ではあったのだが、次第にゲームの特性や運営の意向と噛み合わない点が指摘され始めるようになった。
    • EP5を機にゲームスピードが急加速した事も、この一因になっていると言われる。
  • 効果音については評価が低い。弱点が絡まない限り、打撃と射撃のヒット音はそれぞれ1つしかないなど、戦闘の音だけとってもPSUシリーズよりも劣化している。

簡略された金策

  • EP6のタイミングで金策手段が大きく簡略化。1週間に付き1回までという制限はあるが、最適化すれば10分ほどで200万強のメセタを稼ぐ事が可能となった*6
    • 稼ぎやすくなったぶん、装備強化はしやすくなった。同時期には他項目で記述されている「型落ち武器の入手難度低下」も顕著になり、ある程度の水準までを楽しむライト層にとっては武器や装備の強化に取っ付きやすくなることでステップアップの導線が改善されたという側面はある。
    • 反面、メセタのインフレが進行。マイショップで高額化したアイテムを求めるため、10キャラや20キャラでの金策に走るディープ層も現れた。
    • EP6は本作最終エピソードでもある。その終了後、『NGS』へプレイヤーごと移行する*7企図は当然あったと思うべきで、良くも悪くも運営終盤の加速措置だったと言える。
  • ACスクラッチアイテムがマイショップに出品できるという利点は、課金者と微課金のプレイヤーにおいては非常に大きい要素である
    • 結果としてこれは「プレイ時間の投下でメセタを得るか、現金の投下でプレイ時間を得るか」という、似通った基本無課金プレイ形態を謳うソーシャルゲーム系で潮流になるバランスを、僅かに先取りしたかのような構図を生み出した。

高頻度のコラボ

  • 2013年からコラボが始まったもののコラボ企画の実施が非常に高頻度。
    • Wikipediaにおいて記載されている分だけでも64件あり、社内およびグループ会社を除いても50強は他社。再コラボやゲームハード関連のコラボを除外しても30強は新規コラボである。
    • 最も少ない2015年で5件、最も多い2018年で13件。コラボ企画が実施された2013年~2020年だけで平均8件であり、単純計算で1.5か月に1回は何かしらコラボ企画が実施されていることになる。さらにWikipediaに記載されていないセブンイレブン、エースコック、ハローキティなどのコラボもあり、実際のコラボ数はもっと多い。
      • あまりに節操が無さすぎると感じるプレイヤーもいた一方でそのカオスとも言える状況を本作の一つの醍醐味として受け入れて楽しむプレイヤーも多く、好みが分かれる部分だった。

問題点

全体の問題

  • プレイヤーに対してストレスを与える露骨な設計が非常に多く、プレイ開始初期の段階からでもストレスが常に付きまとう状態となる。
    • 賛否両論で挙げた「時間制限に偏重しすぎた要素」の他、「ゲームバランスの悪さ」「渋い運要素」の3点が挙げられる。
    • さらにタチが悪いことに、激渋な運要素のうちレアドロップ装備は後々ばら撒かれるという事例が頻繁に発生する。

コンテンツの過疎化

  • 9割近いクエストが最大参加人数と同じ人数のプレイヤーで進行する事を前提とされている。
    • 少人数ないしソロ進行を全くといっていいほど考慮しない、面倒臭い内容の割にドロップ品が大したことないクエストなど、必然的にそっぽを向かれるまでが早いクエストも多数出やすくなっている。
  • EP5以降では少人数進行を見据えた敵の調整も行われるようになったが、例によって過去実装済みのクエストに後から施される例は稀である。
    • また調整のあるクエストにおいても、1人でスタートした場合にクエストによって敵HPが下がる場合があるが、敵の出現パターンや挙動どころか攻撃力すら一切緩和されないため、アドバンテージとしては不足している部分もある。

多くのユーザーが望んだコンテンツが実装されない

  • コンテンツの量自体は大きいもののプレイヤーに面白味に欠ける内容と評されたものも多く、質が伴っていない節がある。
    • 特にライディングクエスト・バスタークエストなどが総スカンを食らったものとして知られる。これらのクエスト群では内容の低評価がそのクエストのプレイ人口の減少に繋がり、上記したコンテンツの過疎化による諸問題が悪化し、その結果さらに人口が減少し…という悪循環に陥った。
  • ユーザー間では初期から探索クエスト等のマルチパーティエリアで狩りをし続ける(通称「マルぐる」)プレイスタイルが流行っていたが、運営に新コンテンツや下方修正などで潰される傾向にあった*8
    • EP6ではコンセプトの原点回帰の一貫として「マルぐる」を開発陣としても肯定する方針転換がなされ、それを視野に入れたコンテンツとして高難易度版の探索である超界探索が実装されたが、EP6後半はテコ入れがなされずステージクリア型の新クエストや期間限定常設クエストなどに流れてしまい過疎化してしまったという事例もある。このように運営がクエストのコンセプトや方針を上手くコントロールしきれていないという節もあった。

高頻度更新に追いつかない品質管理

  • 本作のアップデートは2週間に1度と、PC向けオンラインゲームとしては高頻度の部類に入る。 しかし、その多くは使いまわしや目玉の実装が滑って総スカンを食らったことも多く、肥大化しすぎた実装量に対しユーザーの期待に応えられるようなシステム構築やデバッグなどが間に合っていないのでは?という意見が上がっている。

平等すぎる報酬

  • 前作までと違い「手付け*9」の概念が一切存在しない。クエストクリアへの貢献を全くしていなくても経験値やドロップアイテムを100%獲得できる。
    • ゲームに慣れていなくても一定の成果が得られるが、一方でクエストへの貢献が低いにもかかわらず成果が得られる問題もある。
    • この仕様を悪用したプレイヤーを悪質プレイヤーとして通報しても運営側で対処しない為、寄生行為が横行している。
    • ただし運営側としても「寄生なのか用事があって放置せざるを得ないのかの区別をつけるのが難しく、そうそう簡単にBANする事はできない」と回答されている。

システムの問題点

ガバガバなブラックリスト

  • ブラックリストは存在するものの、マルチパーティーのマッチングでは適用されない。
    • 一応、ブラックリストに登録しているプレイヤーに対して、ビジフォンからの名前検索でヒットしなくなる仕様がある。
    • だが、言い換えればヒットしなければブラックリストに登録していることが相手にバレる謎仕様となっている。
    • 今作は「アークスカード」という自己紹介カードにプロフィールを書くことができる機能がある。
    • このアークスカードのキャラクター名の項目には現在ログインしているキャラクター名が表示される仕様のため、悪意のあるプレイヤーにもログインしている事実が分かってしまう。
    • ブラックリストに登録すると、相手からはアークスカードは非公開設定の扱いとなり閲覧は不能になる。
      • しかし、ブラックリストに登録されていないアカウントから検索すれば閲覧はできるため、意味の分からない仕様となっている。

コミュニケーションコンテンツの少なさ

  • 本作も過去作と同様にチャット機能自体は優れているが、コミュニティ機能は希薄。
    • ゲーム内にはチーム機能はあるが、ゲーム内掲示板やメガホンなど、オンラインRPGでの定番機能が全く用意されていない。
    • 特に公式掲示板が無いことによる弊害は大きく、全コンテンツのパーティー募集、トリガー持ち寄り募集、マナーの悪いプレイヤーの情報共有ができないなど、プレイヤーに負担を強いているだけになっている。代替としてTwitter(現X)などゲーム外でそれらプレイヤーの自発的な交流がされたが、プレイヤーの自発的行動及び外部サービスに依存した結果コミュニティやプラットフォームが分散したことによるデメリットはやはり大きいといえる。
  • EP6にてグループチャットが実装されたが、仕様上グループチャットを作成したフレンド同士でしか会話できないため、コミュニティーとしては狭いものとなる。

ゲーム内で完結できないパーティーメンバー集め

  • 1つのパーティーを組めるのは4人までとなっているが、8人用と12人用のコンテンツでも同様に1パーティー4人までである。
    • これによりゲーム内で4人を超える攻略メンバーを集めることが事実上不可能であり、4人を超えるメンバーは外部ツールで募集するしかない。
      • コミュニケーションコンテンツの少なさで触れたように、ゲーム内掲示板やメガホンが無いため事前募集もできない。

プレイヤー間で起こりうる様々な問題

  • よく問題となるのは緊急クエストの寄生行為の他、その寄生や低級装備プレイヤーを見てクエストを破棄するプレイヤーなどが挙げられる。
    • 下記の要因も相まってクエストの難易度は激化の一途をたどっており、これらのプレイヤーが複数いるとクリアそのものが不可能になるものも多々ある。
  • プレイヤー間での(主にファッション系の)貴重なアイテムの転売が最も効率の良い金策となってしまい、それによってスクラッチ品の買い占めや値段の吊り上げが常態化している。

ゲームバランスの問題点

アクションゲームとして理不尽的な大味仕様

  • 高難易度帯へ無暗に放り込まれやすい本作は、過去作以上にと感じられるほどにプレイヤーが脆い。
    • プレイヤーが脆いことを前提としたバランスを取る3DアクションRPGも多く増加し、それらは敵の動きを見てガードや回避したり、攻撃を差し込んでいくというのが基本に据えられているのだが、本作の敵にはこの要素を完全否定する理不尽仕様がやたらと多い*10
      • 延命に寄与するスキルのほとんどが「ハンター*11」「エトワール*12」のどちらかのクラスでないと使えず、セッテイングが極端に縛られるため、輪をかけてバランス問題が深刻化している。
    • ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』や『デビルメイクライ』シリーズなどのハイスピードなアクションではないが、被弾することに対する影響が非常に重く設定されている節がある。
  • 全体的にエフェクト過多で画面がとにかく見づらい「マザー」など、視覚面でプレイヤーの目にリアルダメージを与えてくるボスの存在も無視できない。
    • エフェクトを軽減する設定はあるがそれでも見づらい場面が存在する。

プラットフォームごとの問題

メインとなるWin版も含め機種ごとに固有の問題があり、どの機種でも安定して遊べない可能性がある。

Win版

  • 現状でも理不尽な接続切断を喰らいやすい傾向にある。630エラーで接続が切れても再度ログインを試みるとあっさりログインできることが多い。
    • 大半の場合はセキュリティソフト『nProtect GameGuard』が起動しているかどうかのチェックプログラムに存在する不具合、および本作に実装されている不正な操作や挙動を検知するシステムの誤検知が原因とされている。
    • 破棄ペナルティやボーナスキー等、補填されない要素が多々あるため、PC版ユーザーとしては非常に迷惑な存在となっている。
  • オプション設定の保存箇所が、「サーバー側/アカウント毎」と「パソコンなどの端末側」が不規則に混在している。
    • 例えば、操作設定だけとっても、「ロックオンのトグル/ホールド設定」や、「マウス移動の割り当て」は端末側だがボタン設定はアカウント毎にサーバー側である。
  • AMDのCPUとGPUへの最適化が大きく不足している。Intel CoreシリーズとnVidia GeForceシリーズと比較すると1~2グレードほどの性能差が出ており、本作におけるAMDの製品は不利となっている。

PS4版

  • アップデートが進むにつれ、フレームレートが低下する頻度が徐々に多くなり、最終的にフレームレートが延々と1桁になるまでに至っている。
    • フレームレート問題は悪化と改善を繰り返しているのが実情である。グラフィックエンジン更新後はフレームレートを重視した設定でもfpsが不安定なため快適なプレイは望めないままである。
    • しかし、PS4は2013年11月15日(※日本は2014年2月22日)、PS4 Proは2016年11月10日に販売が始まった物であり、ハードの性能と新グラフィックエンジンが求める性能が釣り合っていない可能性もある。
  • 2022年4月6日以降、PS4版で購入したAC(アークスキャッシュ)は他のプラットフォームで使用できなくなる等、PS4版でのAC(アークスキャッシュ)の使用に大幅な制約が設けられた。
    • この仕様変更はソニーハードでの課金部分を独立させる事により後述のクロスプラットフォーム問題を解消するための準備段階だったと思われる。

Switch版

  • クラウドゲームという形態を取ることになったのだが、そのために通信負担と入力遅延が決して少なくない。
    • 本作は良くも悪くもアクション性が非常に強いため、一定以上の通信遅延を強いるクラウドゲームとは本来は相性が悪い。
  • 公式サイトに記載されている操作方法で同じ操作ができないという報告が上がり、後日に「Win版で変更した操作設定がそのままSwitchにも適用される」と仕様が発表された。
    • 要するに仮にPCとSwitch双方で遊ぶ場合、機種を変えるたびにいちいち設定しなおさなければならない。
  • 回線の速度が下がると、「回線速度が低下しています」という趣旨のお知らせが表示されるのだが、画面上のド真ん中かつ戦闘中*13であっても問答無用で表示され、視界を妨害してくる。一応アップデートによりかなり小さくなったが、それでも画面の中心に表示されることは変わらない。
  • PS4版/PSV版から遊んでいるプレイヤーとは一緒に遊べず、いわゆる隔離ブロックとなり、チャットで会話することもできない。
    • ただこれに関しては運営が「大人の事情である」と公式生放送で発言しており、ゲームハードメーカー側の問題があったとみられている。
    • 特にソニーはSwitch版リリース時の2018年頃は他社ハードとのクロスプレイに消極的な態度を崩しておらず、本作に限らず他の有名作品でもPS4が関係するタイトルでは完全なクロスプレイの実現を断念するというケースが続出していた*14。本作もその例に漏れなかった可能性が高い。
  • サービス開始当初からずっと過疎の状態であり、Switch版でのプレイは基本的にソロプレイを強いられたが、2022年8月3日メンテナンス後Switch版を含めたクラウド版についてもバトルアリーナ以外ではクロスプレイが可能となり、これにより境界を越えたRPGはようやく完成した。

ストーリー・世界・シナリオライターの問題点

  • 言い出すとキリがないのだが、「常用外の言葉や造語をやたら使いたがる」「設定が安定しない」「書きたい場面しか書かれていない」という3点は指摘されがちである。

ファンタジー スターオンライン2となったEP4とEP5

  • EP3でストーリーに一段落がつけられた後、EP4~5はライトノベル界隈での流行り物を取って付けたような世界になったことで批評が目立った。
    • 異次元からの介入と言う設定ではあるが、EP4は2010年代の現実をベースとした地球*15、EP5は中世風の異世界が舞台である。
    • これらは展開がいわゆる「なろう系」を意識されたものと思われており、意外性も真新しさも乏しい。
    • また、EP5では「時間を止めるとブラックホールに潰されず中に突入できる」「国境が完全に封鎖されているにもかかわらず国外へ流れる主人公の噂」「まだ浄化していないはずの人物がいつの間にか浄化されて出てくる」など矛盾点や設定が宙に浮いているものが多い。
  • 初期4部作などをモチーフに取った要素もいくつか登場するのだが、古参シリーズファンからの評価は乏しくない。
  • その後のEP6では宇宙に原点回帰した上で全ての元凶といえる敵との決戦が描かれ、これをもって本作のストーリーは完結となった。こちらは比較的人気が出ていたキャラ達の活躍を多くするなどの要素でep4〜5よりは評価されている部分もあるが、やはり説得力に欠ける展開や設定が多く、完結しても問題点や疑問点や謎は多く残ったままである。

基礎となる設定が薄い

  • プレイヤーは「オラクル船団のアークスの一アークス*16」という役としてゲームを進めていく。
    • しかし、その「アークス」に関する設定は『PSO』以降で根幹的な要素だった「フォトン」さえも含めて長らくほとんど開示されなかった上に整合性がまともに取れていなかった。
    • 劇中描写からは「アークスはフォトンが使える武装集団」「フォトンはすごい」程度しか分からない。
    • ストーリーが進む中でアークスの来歴や組織体制、存在理由、そしてこれらがほとんど語られなかった理由については明かされていったが、フォトンについてはEP5までほとんど触れられることがなかった。
    • 触れられた内容も「フォトンは万能」というもので、後のストーリーにも影響を与えることはなかった。
      • 主人公の特殊な能力にしても描写がエピソード毎にブレており一貫しておらず、これらがすべて「主人公のフォトン能力」の一言で片づけられてしまう。
    • 種族設定も同様。特に機械生命体のキャストについて、その正体が過去作のような「アンドロイド」ではなく「サイボーグ」だった事実が公表されたのは、サービス開始から2年近くも経ってからのことだった。
      • 特に当種族は前作より「機械らしい」デザインができたというのもあり、「アンドロイド」という通例の解釈をしたプレイヤーも少なくはなかった。
  • つまるところ基礎設定からして曖昧であり、そこからさらにキャラクリゲーと相性が悪くなっていくという、『PSU』シリーズの反省が生かされていないものだった。
    • それはプレイヤーキャラに対し後付された固定設定の多さにも現れており、賛否両論の項目で扱ったダークブラストの登場前の時点でも、既に自分のキャラクターの設定で公式との解釈違いが起こるという事態に見舞われたユーザーが存在していた。

シナリオライターの問題行為

  • メインライターの宇野涼平氏にはシリーズを私物化していた疑惑があがっている。
    • 具体的には「彼がセガ入社前に作った同人ゲームのキャラクター・設定・プロット(あらすじなど)が、そのままほとんど使いまわされて無理やりねじ込まれている」という、倫理的に言語道断な行為が 本作以前から 行われていたことである。
    • 一例として本作の重要人物のひとりとして「マトイ」や「六芒均衡」に属する「レギアス」というNPC、過去作『PSPo2i』の登場NPCに「バスク」がいる…そして、件の過去の同人作品には「六紡均衡」に属する「バスク=レギアス=ヴァンハット」というキャラがおり、加えて別の同人作品にも「進藤纏」「クラリスクレイス=メーレンネンカ」といったキャラ名が存在していたことが判明している。
    • 名前が被ること自体は昨今の創作では避けられないものではあるが、明らかに数作のシリーズに渡って無関係の過去作2本程度から流用し続けてきたこと自体の他、本作については流用のしわ寄せでストーリーや世界の設定に無理が生じているとする見方も強い。
  • 流用問題を無視したとしても、上述通り本作のテキストには言葉の誤用や重言、常用外の言葉や解説の無い無駄な造語の多用など、悪い意味での「厨二病」が強く現れているきらいがある。そういう文章をまとめて「ウノリッシュ」という蔑称まである*17

運営陣の様々な問題点

ユーザーの声に応じてはいるが説明不足であったり運営が掲げたコンセプトとは程遠い的はずれなコンテンツの実装など問題点が多い。

多数派と新要素に忖度しすぎた、極端過ぎる仕様変更

  • EP5まで追加された新要素により既存要素の需要を軒並み駆逐するケースが常態化していた。
    • 主流となっていたアクションやクラスが、文字通り新登場のものの完全下位互換に成り下がる状況がかなり頻発している状況にあった。
    • のみならず、そんな下方修正・下位互換化を補うような新要素は最高難易度にしか実装されない場合も多い。
      • そのため、成長途上のプレイヤーの方が(新規プレイヤーも含め)余計に弊害を被りやすい。
  • 使用率が高く明らかにやりすぎなクラススキル・武器種やPAにさらにアッパー調整や追加要素が入る。
    • それに対し使用率が極端に落ち込んだクラスや武器のアクションは修正すらないまま放置されることなどザラにある。
    • ナーフに関しても納得がいく説明がなされず、とばっちりを受けるクラスも存在する。
  • 強引に使用率の少ないクラスの使用率を増やすために、既存のクラスコンセプトを全否定する調整が入り、ゲームバランスが崩壊する要素を搭載する事も珍しくない。
    • 結果としてプレイヤー層が移動するだけで根本的な解決になっていないどころか、ブームが去ったあとはクラスデザインが完全に崩壊したクラスが残る。
  • このようなプレイヤーキャラのバランスについてはEP5の上位クラス「ヒーロー」が最も悪名高い事例として、それまでのユーザー間で有名になってしまっている。
    • ヒーローのアクション自体はそこそこの評価を得ていたため、この件については既存クラスの元々の不自由な操作感に加え、それらが「バランス統一化の一環」という名目でヒーロー実装時に軒並み下方修正された影響の方が大きく、一概にヒーローだけが原因ではないことも併記する。
  • クラスシステムは『PSPo2』より制約が厳しく、使える武器種もスキルも2つセットしたクラス以外のものは使えないため(さらにメインクラス限定の要素も多々ある)、クラス間の火力差と敵が苛烈すぎて強迫観念を負いやすい環境と相まって構成の自由度に乏しい。
    • 運営に冷遇される武器種しか使えない(独自制約の多すぎるクラス「サモナー」など)は当然まともに見向きされることがない。
    • スキルは「取得総数=レベルキャップの都合で全て取得・最大強化できない」「ツリー制で余計なものを取らされることがある」にもかかわらず「高難易度が「全てそれらありき」で作られているととれる」など多くの理由から調整が上手くいったためしがない*18

最前線層にしか見向きしない体制

  • 新コンテンツのほとんど(ドロップアイテムの形で追加されるものはほぼ全て)は最前線・現行ではウルトラハードにいるやり込み層・上級者を対象としたものがほとんどを占める。
    • 上限の難易度だけはむやみにインフレしているのにもかかわらず、プレイし始めて間もない低レベルプレイヤー、少しやり込んだ程度のプレイヤーに関し、次の難易度への足がかりになったりプレイの幅を広げようとするような対応はあまり取られていない。
    • クエスト自体の難易度は4~6段階あり、低レベルプレイヤーでも上辺を楽しむことだけはできる。しかし低難易度帯の人口問題なども絡んで、新規プレイヤーはクエストの本質はおろか、そこまでの導線に触れるのが容易では無いのが現実である。
      • 一応、EP5からは最低難易度であるノーマルから準最高レアリティの★13装備がドロップするというクエストが増えたり、高レアリティの装備が手に入るトークンの追加、比較的容易にレアな素材アイテムが入手できる「ミッションパス」(所謂バトルパスに相当するシステム)の登場など、新規・復帰プレイヤー向けの施策自体は一定程度なされるようになったがそれでも不十分さは残った。

「無課金と課金者で差が付かないようにする」という運営方針の矛盾

  • 当初開発陣は外部のインタビューで「無課金と課金者で差が付かないようにする」と発言していたことがあったが、現実として課金周りの評価も厳しい傾向にある。
    • 課金することで手に入る「プレミアムセット利用権」というアイテムを使うと、専用の倉庫やマイショップへの出品が使用可能などの大量の特典が付く*19
    • ログインボーナスが2倍、各ブロックに設けられたプレミアムスペースが開放・スクリーンショツトの撮影に便利な機能がプレミアムセット専用など、一部からは不満の声も上がっている。
    • 獲得経験値やレアドロップ倍率を増加させるブーストアイテムもどんどん高倍率化。加算型であるうえ不定期に配布されることも多く、大きな影響は出ないとはいえ、これらのアイテムを極限まで複数併用すると2倍近い差が出るのも事実である。
  • EP6以降はACスクラッチから排出されたアイテムを大量に消費することで、取引不可に設定されている装備強化に関連する強力な補助アイテムも交換できるようになっている。
    • ACスクラッチのアイテムはゲーム内取引可能とはいえ、インフレに対応するために課金が避けられなくなっている。
  • それ以前にも難易度激化に対するスケープドールの有料化、アイテム種類の水増しに対する拡張倉庫・素材倉庫、プレイヤーを振り回すクラス調整に対するスキルツリー追加/リセットなど、課金を煽るような要素が相当数出ている。

お詫びの内容が酷い

  • 改善されている部分はあるものの、総じてお詫びの内容は大きく不足していることが多い。
    • EP6の新要素および緩和により、お詫びで配布されるアイテムの価値が大幅に低下したことで、お詫び配布の質低下が起こっている。お詫び配布が実質なしという現象も発生している。
    • 期間制アイテムの残り時間の延長対応がされるようになったものの、臨時・緊急・延長のケースでもメンテナンスを実施した時間分しか延長されない。不具合の内容によってはそもそもこの期間延長の対応が無い事もある。
  • 臨時メンテナンスなどで予告緊急の振り替えが発生する事があるが、振り替え先の時間帯に配慮が足りない。
    • 例えば金曜21時に予定されていたものが振り替えにより、土曜日16時や月曜日18時、追加分は日曜日15時や火曜日17時など、無関係な時間帯ににねじ込まれる事が多い。

運営が起こした様々な事件

  • そもそも本作はこれまでのシリーズとは比較にならないほど企業問題が著しいという側面が存在し、大きく取り沙汰された不祥事が1年に1回以上という高い頻度で存在する。
    代表的な事件を列挙すると
    • 2012年 「必滅の呼び声」事件(必滅アップデート)
    • 2013年 「追憶の熱砂」事件(HDDバースト*20)
    • 2014年 ダンボー事件、装備強化イベント終了後に特定武器の大幅弱体化、チェインバグ
    • 2016年 幻創戦艦・大和の騒動、入手難易度が非常に高いアイテムをNPCが販売、新規プレイヤーの大量脱落
    • 2017年 「固定を組む努力を怠っている」、バスタークエストの失敗、ダークブラスト実装、「散れ非英雄」*21など終わりの見えないクラスのバランス調整
    • 2018年 CEDEC 2018における酒井Pの問題発言
    • 2019年 「錬成の導き」における騒動(特殊能力追加の成功率100%が失敗する不具合)

『NGS』後の『PSO2』について

  • アップデートという形ではあり従来の『PSO2』とも一部互換性を保っている。『PSO2』側もそのまま並行して運営されている。
  • 『NGS』はグラフィックエンジンやゲームシステムなど根本的な要素が刷新されており、事実上の新作として扱われている。
    • 新グラフィックエンジンについては『NGS』開始に先行して『PSO2』に実装された。
  • 『PSO2』専用ブロックと『NGS』専用ブロックに分割。『PSO2』のデータは任意ダウンロード制となった。
    • 『PSO2』で入手したアイテムおよび『NGS』で入手したアイテムはファッション関連を除いて互いにもう片方では使用不可となっている*22
  • アークスミッションや、おすすめクエストを高ランククリアした時の初回限定報酬は上方修正されたものの、そのほかの部分はそのまま。
    • オフラインのRPGにおける終盤や追加DLCなどで見られるような、半ばお遊び要素に近いようなインフレや壊れ方をするようになったという訳ではなく、本当に『PSO2』が好きな人向けとして残されているだけである。
    • 全コンテンツを事実上のソロ進行となるため、ソロだとクリアが厳しいクエストや、PSEバーストなどは死に要素と化すため、一部の稼ぎやアイテム入手は非現実的となる。
    • ランキング機能は停止されず継続されている。ウィークリーランキングのためだけに日課ならぬ週課をこなすプレイヤーも。
  • ACスクラッチおよびSGスクラッチで配信したものを全て詰め込んだスクラッチを配信しているが、バリエーションはオリジナルカラーおよびオリジナルバージョンのみ。別カラーのものは入手不可。
    • エンジン更新後からすでに始まっているが、NGSバージョンに置き換えたものが随時配信されているため、復刻されていない別カラーバージョンの追加は100%無いと考えられる。

総評

賛否両論ながらもより未来的となった世界のモチーフ、アバター性の大胆な自由度とそれをゲーム性に阻害させにくい構造など、無下にするには惜しい貴重な個性がいくつか存在する。
しかし、内面に大量の問題点が残され続けた本作は、深くゲームまたはシリーズに触れた経験者ほど本作を低く評価する傾向が強くなっている。

ゲーム自体だけ見れはアクション面、キャラクタークリエイトやグラフィック、BGM、マップ自動生成など、様々な要素が大きな進化を遂げているのは事実である。
しかし、運営態度が当初謳っていた「10年間のノウハウ」はおろか前身作の反省すらないレベルで悪い。
そのせいでゲームバランスはあらゆる面においてかなり理不尽に歪められており、難易度も無闇に高いものと化してしまった。

とはいえ、大型オンラインゲームで主流派とさえ言える「基本無課金は肩書きだけ」と化す作品群とは一線を画した、課金による差が著しく低く、万人が細く長くプレイしやすく出入りもしやすい運営姿勢の和製MORPGであるという特異性は長年堅持されている。
2021年を以て本作のアップデートは終了宣言が為されたものの既存コンテンツは概ねプレイ可能で、また続編『NGS』にもその運営姿勢が引き継がれていることは、プレイヤーサイドの好評価に十分値する稀なオンラインRPGと言える。
時間における上下が極めて激しいとはいえ日別の同接数、売り上げやオフラインイベントなど、商業面においての極端な失敗がそれほど多いわけではないためか、本作のサービス開始直後から『NGS』に移行した現在に至るまで、セガゲームスの商業面では長年に渡って重要な立ち位置にあるシリーズとなっている。


余談

ここでは『PSO2』の評価へ間接的に影響を与えている/与えた部分について記載する。

CEDEC 2018における酒井Pの問題発言

  • CEDEC 2018より以前にも問題視される発言が見られたが、その時点では批判はありつつも一部のプレイヤーからネタにされているぐらいの物であったことは明記しておく。
  • 2018年8月22日に開催されたCEDEC 2018内のパネルディスカッション「オンラインゲームのこれまでとこれから」にスクウェア・エニックスの斎藤陽介氏、コーエーテクモゲームスの川又豊氏、カプコンの宮下輝樹氏、そしてセガゲームス代表として酒井氏の4名が登壇。
  • そのディスカッションにおける酒井氏の言動、具体的にはユーザーの意見を文句扱いしていると窺える等の数々の問題発言や司会を無視して他の登壇者に話を振る等の問題行動に対し、多くの批判が寄せられることとなる。
  • 後日、公式生放送の冒頭にて録画映像での謝罪が行われた。そして後に2018年12月をもって共に表舞台から大きく遠ざかる事になった。
    • 合わせてシリーズディレクターの木村裕也氏も表舞台から長らく消えることになったが、酒井氏の件とは別件であり、自らMCを務めていた『PSO2』の公式生放送番組内にて運営側の本音や木村氏の一個人の考えなどを何度もぶちまけすぎたことが原因とされている。
      • その中でも「固定を組む努力を怠ってる」「僕らが損をしてしまう」発言は、本作を揶揄するネットミームと化した。

その他

ゲームマニアックスでの記事削除騒動について

  • ゲームマニアックスが行った酒井氏へのインタビュー記事における騒動。
    • EP5初期の一連の騒動によりインタビュー記事のコメント欄は、EP5に対する批判やプレイヤーの悲痛な叫びで埋め尽くされ荒れに荒れた。
    • その記事が一旦削除されたことにより、この前後でも疑われていた運営による隠蔽工作の疑惑に拍車をかける事になる。
    • 実際はコメント欄の荒れ具合から、ゲームマニアックス側の判断で記事を削除した事が両者から発表された。
    • この騒動を受けて、酒井氏はEP5の騒動について公式ブログで謝罪している。

本作品外

外伝作品

  • 本作と同じ作品内世界を共有するシリーズ作品『ファンタシースター ノヴァ』(PSV)が2014年11月27日に発売。インターネットマルチプレイには非対応。

海外版『PSO2』

  • 本作は台湾版、東南アジア版(タイ版)でも展開していたが、それぞれ2017年4月、2017年5月にサービスが終了している。
    • 台湾版、東南アジア版で実装されていたオリジナルアイテムは逆輸入され順次実装された。
  • 2019年に北米版が再始動。2020年4月にOne、続いて5月にWin10にてサービス開始。2020年8月5日にSTEAMでも配信開始され、これを機にサービス対象地域を大幅に拡大し、グローバル版となった。また、2021年2月17日にはEpic Game Storeでの配信も開始された。

アニメ版

  • 本作は2016年と2019年に2回アニメ化されている。
    • テレコム・アニメーション制作による2016年版は「近未来の日本で高校生たちがPSO2を遊ぶ」という一見するとゲーム本編とは直接関係の無い内容だが、本編のEP4(前述の通り近未来の地球が舞台)と地続きの世界での物語でありEP4の前日譚でもある。全12話。
    • GONZOによって制作された2019年版アニメ『エピソード・オラクル」は、原作シナリオEP1~3を再構成したオリジナルストーリーとなっている。全25話。

スマートフォン版『PSO2es』

  • スマートフォン展開であり本作と連動する『ファンタシースターオンライン2 es』は、2014年4月7日からAndroid版が、5月15日からiOS版が正式サービス開始されている。
    • アカウントやキャラはPSO2本編と共有されたり、本編での作業の一部を『es』経由で済ませることが可能、『es』で入手したアイテムは原則として本編にそのまま持ち込める…など、PSO2本編と一体的にプレイすることを前提に設計されている作品である。ストーリー面もPSO2の外伝的な内容となっている。

『イドラ ファンタシースターサーガ』

  • スマホRPG。『PSO2』の外伝ないし補助アプリとしての側面が強い『PSO2es』とは異なり、世界観もシステム面も含めて独立した作品であった*23が、こちらも本作との連動要素が用意されていたり本作のキャラクターが登場する等の関わりがあった。
    • 2022年1月12日サービス終了。

『PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS』

  • 2021年6月10日に実装*24された超大型アップデート。
    • NEW GENESIS(新世代)の名が示すように時代は『PSO2』の1000年後となっており、舞台も設定も一新された。
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最終更新:2024年03月03日 01:42

*1 2014年4月9日にWindows XPのサポート終了に伴い、PSO2でも同日をもってサポート終了。2016年1月12日にWindows 8(.0)のサポート終了に伴い、PSO2でも同日をもってサポート終了。2017年4月11日にWindows Vistaのサポート終了に伴い、PSO2でも同日をもってサポート終了。2020年1月14日にWindows 7のサポート終了に伴い、PSO2でも同日をもってサポート終了。2022年3月3日定期メンテナンス開始をもって、32bit版Windows 8.1/10のサービス終了し、以降クラウド版のみでの展開になる。2023年1月10日にWindows 8.1のサポート終了に伴い、PSO2でも同日をもってサポート終了。

*2 2020年9月16日定期メンテナンス開始をもって、プレイステーション・ヴィータ版のサービス終了。

*3 ボスとの対決で内容が固定されているクエストなど、サイドミッションは絶対に起こらないが演出としてエマージェンシートライアルが発生するという場合もある。

*4 ファンタシースターシリーズにおいては、魔法(マジック)を模した技術という意味合いで「テクニック」の名がついている。

*5 かつては最大四箇所までだったが、後のアップデートでコスト製に変更され、最大で十二箇所までアクセサリを装備出来るようになった。小さい物ほどコストが安く、サイズの大きな物はコストが高いと言った感じになっている。

*6 この金策は''キャラクター毎に挑戦・クリアが可能。さらに無料で3キャラクター、有償で最大30キャラクター作成できるため、1週間で最大6000万メセタ獲得できる。

*7 『NGS』にはメセタ等は持ち込めず、本作最強装備も『NGS』では序盤で力不足になる按配で、本作プレイヤーの資産引き継ぎによるゲーム性としての優位はごく僅かだった。

*8 下方修正については負荷対策の一環ではあるが、運営の想定が甘い部分が多すぎた要因の方が大きい。

*9 撃破する/されるまでに敵に攻撃しておくこと。

*10 スキが少ない、ガード不可、1ヒット目を回避すると2ヒット目で必ず追撃されるなど。

*11 ダメージを割合で軽減できるフラッシュガードなど。

*12 受けるダメージを最大70%軽減する代わりに回復に制限がかかるスキルなど。

*13 クエスト中、バトルアリーナ中など状況を一切問わない。

*14 例えば『Minecraft』ではPC/Xboxハード/Switch/モバイル端末でのクロスプレイが実現する中で、PS4のみが対象外とされた。数少ない例外として『ドラゴンクエストX』があったが、そちらは長年に渡り任天堂ハード&PCという体制で運営されてきたタイトルを後発でPS4に対応することになったという特殊な事情があり、長年ソニーハード&PCの体制だった本作とはちょうど真逆である。

*15 一応舞台は2028年の近未来でとあるオーバーテクノロジーが普及している世界という設定になっている。

*16 誤字でも何でもなく、「アークス」という組織に所属する「アークス」という役職のキャラである。「宇宙を旅する集団の名称」がアークスで、「そのアークス内の民間を除いた軍隊に当たる組織名」もアークスで、「その軍隊の構成員個人を指す呼称」もアークスで、「"人類" に相当する生物種の名称」もアークスというとんでもない設定。

*17 本作とは別の方向性で厨二病が指摘されがちなFFシリーズのシナリオを揶揄するワードである「ノムリッシュ」をもじった単語。

*18 ツリーリセットで課金させるという魂胆が見え見えなのだが、一応スキルポイントの緩和やツリーリセット券の配布はされたこともあった。

*19 ネットカフェからの接続に限り、プレミアムセット利用権が一時的に強制有効化される。

*20 PSO2をインストールした同じドライブに保存されているデータが削除されてしまったバグ。

*21 EP5のキャッチコピー「集え、英雄」を捩ったもの。上級職として実装された『ヒーロー』が、既存職とは文字通り一線を画す、使い勝手の良さとキビキビした動作とお手軽な高火力を持ち、更に運営の露骨な意向により一強状態を維持され続けた事から「ヒーロー以外は人権なし」といった揶揄を含んでいる

*22 厳密には全て持ち込めるが使用や出品などに制限および無効化される。一方でSG獲得チケットなどの、無効化すると利便性が下がるアイテムについては制限されていない。

*23 ストーリー面では実はPSO2と同じ世界であり太古の昔にアークスが介入した惑星が舞台だったことが判明していたが、それ以上の歴史などは語られることなくサービス終了を迎えたので詳細は不明。

*24 当初は9日開始だったが、メンテナンスが長引き日付を跨いでの実装となったため、便宜上10日と表記。ちなみにメンテナンス終了日時の告知において唯一30時間制表記が使用された。