Custer's Revenge
【かすたーず りべんじ】
ジャンル
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アクション
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※パッケージに不適切な表現があるため一部修正しています。
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対応機種
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ATARI2600
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発売元
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Mystique
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発売日
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1982年8月13日
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判定
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クソゲー
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備考
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18歳未満禁止ソフト相応
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ポイント
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商品仕様からして危険物レベル 全方位に喧嘩を売るが如きの内容 ゲーム自体も極薄でまさに誰得 北米版クソゲーワースト3位
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WARNING!!!!!!!
本作はエロ要素のあるゲームです。
概要
史上初の家庭用ゲーム機用エロゲーとでも言えばいいか。
※史上初のエロゲーではない点に注意。詳しくは後述。
題名の「カスター(Custer)」とは、南北戦争とインディアン戦争で活躍したアームストロング・カスター中佐のこと。
ゲームの内容・問題点
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「(おそらく全裸の)人型のドットを空から降ってくる矢を避けつつ右へ進ませて、画面右端にいる(おそらく全裸の)女性のキャラクターと性交する」というもの。「腰を動かしている回数」が得点になる。
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矢は落ちてくる途中で消えるため、あとは推測して避けなくてはならない。そして、性交中であろうが矢は普通に飛んでくるので、回避せずに性交し続けていると当然ながら矢に当たってミスとなる。
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なお、50点取るごとにプレイヤーは強制的に左端に戻され(おそらくステージクリアの代わりだろう)、再度右端の女性に向かって進み、性交するという流れを
ゲームオーバーになるまで永遠に繰り返す
。ちなみに左端に戻される回数が増えるに連れ、矢が飛んでくる速度も高速になり必然的に難易度は上がっていく。
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こう見えても残機制であり、矢に当たればミスとなり残機が1人減る。残機0でミスすれば当然ゲームオーバー。ちなみに残機は100点で1人増え、以降は50点ごとに1人増える。
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スクロールはしない。キャラクターに顔がほとんど無い。
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そもそも、わずか十数ドットで描かれた「自称」人間は全く性的に見えない。
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そのくせ、カスターのアソコだけはきちんと描写されており、しかも
勃っている
。そして、
矢に当たるとアソコがしぼむ
。
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抗議殺到のゲームデザイン。
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「
カスター将軍が全裸のインディアン女性をレイプするゲーム
」というインディアン、女性、カスター将軍の遺族など様々な団体を馬鹿にしている内容は、当時としても酷い物であり、コンプライアンスの欠片も感じられない。
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ゲームの存在だけで不愉快と思われても仕方ない内容である。
評価点
一応、矢を避けるというゲーム性はある
ただしATARI製ソフトの中では断然ゲーム性に乏しい。もう少し有名なゲームでたとえるなら、前年に日本で発売された任天堂ゲーム&ウオッチの『ヘルメット』・『オクトパス』あたりを思いきり劣化させた感じである。
総評
当のアメリカ人も、このゲームにはさすがに我慢がならなかった様で、今でも『E.T. The Extra-Terrestrial』、『Pac-man (ATARI2600)』と並んで史上最悪のゲームランキングの上位に食い込む。
上記のとおり、北米版クソゲーワースト3位にもなっている。
本作の反響
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このソフトは、子どもが誤って買うことがないよう、皮製のケースに収められ、店のカウンターの奥でひっそり売られていたという。パッケージには「If the kids catch you and should ask, tell them Custer and the maiden are just dancing.(もし子供が本作について尋ねてきたら、カスター将軍と少女がただ踊っているだけだよと教えてあげてください。)」という指示が書かれていた。しかし内容があまりにもアレだったため、このように人目に触れない販売形態をとっていても、女性団体・人権団体・教育委員会とありとあらゆる団体から非難を浴びた。
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だが一方で話題性も手伝ってか全米で8万本売れた(ソース:ファミ通)。過剰な反対運動が、却ってそのゲームに似つかわしくない売り上げを与えてしまうのは、どこの国も同じである。
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当時のATARIは「ソフトがあればあるほどいい」と制限やプロテクトを設けなかったためソフト会社が乱立し、このようなアレなゲームが多く産み出された。
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本ゲームを制作したMystiqueも『Kaboom!』や『ブレイクアウト』といった名作ゲームのキャラを男と女に変えてエロ要素を混ぜただけのゲームを乱造して荒稼ぎしていた。このような粗製乱造のソフトを黙認していたことも、「アタリショック」を引き起こす要因の一端となったと言えよう。
こういったソフトの系譜はやがて「非公認ソフト」として裏で生き続けることになる。
余談
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カスター将軍とも呼ばれるが、これは戦争中に戦時特例で一時的に将軍位を与えられたためであり、南北戦争終了後は若輩なのを理由に将軍位を解かれている。が、インディアン戦争が始まると名誉将軍へと返り咲いた。
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北軍(黒人奴隷解放派)として南北戦争で活躍した人物だが、戦後は紆余曲折もあって当時の政権の方針に従いインディアン(ネイティブアメリカン)虐殺を繰り返した。しかし部族同盟軍の逆襲によりリトルビッグホーンの戦いで戦死した。
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遺族共々マスコミを上手く利用したので当時は英雄扱いされていたが、現在はネイティブアメリカン虐殺などの行いが問題視され評判が割れている。
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ただし、あくまでも当時のアメリカ政府の方針に従ったものであり、彼だけが悪かったわけではない。当時は白人の多くが「良いインディアンは死んだインディアン」と考えていた。
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映画『ナイトミュージアム2』に登場している。
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史上初のアダルトゲームは定義によって変わるが、少なくとも本作以前にそれらしきPCソフトは存在している。(参考記事:ファミ通)
外部リンク
最終更新:2024年01月15日 16:40