ヒラメキ! 絵柄しりとり
【ひらめき えがらしりとり】
ジャンル
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絵柄しりとり
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対応機種
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ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)
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発売元
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甲南電機製作所
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配信開始日
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2011年6月22日
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価格
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200DSiポイント
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プレイ人数
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1~8人
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セーブデータ
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1箇所
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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発想力が試される絵柄しりとり 分かり難い絵柄多し
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概要
DS(3DS)のダウンロードソフトメインのメーカー、甲南電機製作所からリリースされたソフトの一角。
ジャンル的には「絵柄を選択して、その絵柄の名称を繋げていく」タイプの"しりとりゲーム"に該当する。
オートセーブ方式。1人プレイの他、通信機能を利用して最大8人までのプレイも可能。
主なルール
共通ルール
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ゲームの流れ。
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「絵柄を選択して"しりとり"する」、本作の内容は基本これだけである。
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本作はターン制による"しりとり"解答方式を採用している。
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下画面内に24枚(縦列6枚 × 横列4枚)の絵柄がランダムで表示されており、そこから適切だと思われるものタッチペンで選んでいく。
レイアウトの関係上、画面内にすべての絵柄を表示する事はできない(縦列3枚 × 横列4枚まで)。十字キー押しかスライド操作にて、スクロールによる絵柄表示切り替えが行える。
選んだ絵柄はすぐさまに別の絵柄へと差し替えられる。但し"しりとり"として成立しない絵柄を選んだ場合は差し替わらずにそのまま。
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絵柄の名称が"しりとり"と繋がっていれば「正解」、そうでない絵柄を選んでしまうと「不正解」となる。
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正解解答をすれば、それ相当のスコアボーナスと微量のタイム加算ボーナスが得られる。また、時折ヒントアイテム(下記)が入手できる場合もある。
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適切ではない絵柄・もしくは名称の終わりに「ん」が付いてしまう絵柄を選んでしまうと不正解として、双方共にタイムロスのペナルティが発生してしまう。
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絵柄の名称について。
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ほとんどの絵柄は、「同じ絵柄でも全く違う名称」として扱われる場面が多い。
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例えば「りんご」の絵柄の場合は、「りんご」と「あっぷる」の両方の名称に適用しているといった具合。
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絵柄によっては「複数の絵がまとめて表示された」ものも存在する。この場合は、その中の1つの絵柄の名称・もしくは絵全体の意味を示す名称の双方共に適用している。
例えば「青ネギ・玉ネギ・トマト」の絵柄の場合、「あおねぎ」「たまねぎ」「ねぎ」「とまと」「やさい」のいずれかでも適用可能となる。
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従来のしりとり同様、文字の読みによっては繋げ方に特殊な法則が採用される。
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絵柄名称の頭文字が濁音・半濁音系である場合は、非濁音・濁音・半濁音の両者共に"しりとり"対象となる。例えば「は」の場合「は・ば・ぱ」のいずれかでも適用可能
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絵柄名称の終わりが「ー」だった場合、その前の文字が"しりとり"対象として扱われる。
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絵柄名称の終わりが小文字だった場合、次の絵柄名称の"しりとり"対象は大文字として扱われる。
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全く同じ名称の連続選択・もしくは絵柄名称の読み仮名が1文字であっても"しりとり"は成立する。
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オプション設定について。
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一人プレイ時では、ゲーム開始前に以下のオプション設定が行える。
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「ゲームモード」…タイムアタックモード・チャレンジモードのいずれかを選択できる。
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「制限時間」…ゲーム開始時の制限時間を90秒か180秒のいずれから選択できる。
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「ヒントアイテム」…ゲーム中にヒントアイテム・ヒントイベントを使用(出現)させるか否かを選択できる。
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ヒントアイテム・ヒントイベントについて。
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ヒントアイテムON時ではゲーム中に適切な絵柄を選ぶと、時折ランダムで「ヒントアイテム」の入手や「ヒントイベント」が発生する。
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入手したヒントアイテムは画面右下にあるアイコン一覧をタッチする事で任意使用ができる。ヒントイベントに関しては出現後に強制効力となる。
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ゲーム開始時においては、既にヘルプアイコンが1つストックされた状態となっている。また、ストックできるヒントアイテムは最大4つまでとなる。
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アイテム・イベントとは無関係で、絵柄表示中は常に簡易なヒント情報が表示される。これを参照にするもの攻略の一環となるかもしれない。
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ヒントアイテムの種類は以下の通り。
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「ヘルプアイコン」…適切な絵柄に関する詳細ヒントが表示される。ゲーム開始時は最初からこのアイコンが1つストックされている。
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「縦ヒントアイコン」…絵柄選択画面の縦一列に !マークが付き、この中に適切な絵柄がある事を示してくれる。
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「横ヒントアイコン」…絵柄選択画面の横一列に !マークが付き、この中に適切な絵柄がある事を示してくれる。
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「シャッフルアイコン」…絵柄選択画面の24枚すべてを総入れ替えする。
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ヒントイベントの種類は以下の通り。
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「タイムボーナスイベント」…制限時間が多めに回復する。チャレンジモード限定イベント。
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「シャッフルイベント」…絵柄選択画面の24枚すべてを総入れ替えする。
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スコアランキング・称号について。
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一人プレイ用のモードを終えると総合スコアに応じて、ベスト3までのスコアランキング登録・及び「称号」の獲得ができる。
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ランキングにはスコアの他に、適切な絵柄・不適切な絵柄を選んだ総回数も併記される。なお、ネームエントリーは対応していない。
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ゲーム終了後には必ず何かの称号を得る事ができる。これは下記のデータベースへと登録される。
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スコアランキングはオプション設定の組み合わせにより別モードとして扱われる。すなわち、「モード2種 × 制限時間2種 × ヒント有無2種」の総計8モード別のランキングが用意されている。
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データベースについて。
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ゲームタイトル画面にて「データベース」という項目を選ぶと、以下の情報が鑑賞できる。
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「カード」…ゲーム内で選択した絵柄や名称を五十音順で鑑賞できる。画伯専用(下記)の絵柄や、「ん」で終わる名称も鑑賞範囲となる。
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「称号」…上記で述べた称号の数々を鑑賞できる。全45種類の称号が存在する。特定条件を満たさないと獲得できない称号あり。
モード別のルール
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タイムアタックモード
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制限時間内でどれだけのスコアを稼げるかに挑戦する一人用モード。
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制限時間が尽きるまで延々と一人"しりとり"を行っていく。このモードにおいては、制限時間が延長されるボーナスは一切発生しない。
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制限時間が0になるとゲーム終了。その後はスコアランキング登録・称号の授与がされる。
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チャレンジモード
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CPUと擬似対戦を行う一人用モード。全5ステージ構成。
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「プレイヤー ⇔ CPU」の交互ターンによる"しりとり"を、勝敗が付くまで繰り返していく。
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ヒントアイテムのON・OFF関係なしに、適切な絵柄を選ぶ度に制限時間が微増するボーナス。タイムボーナスイベントを獲得するとより多いボーナスとなる。
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CPUがギブアップ(ターン放棄)すればステージクリア。逆にプレイヤーの制限時間が0になるとゲームオーバー(コンティニュー不可)。
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次ステージに進むと、前ステージにおけるヒントアイテムストックはそのまま・及び制限時間が少し延長された状態で引き継がれる。
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ゲームオーバになるか、オールクリアするとゲーム終了。その後はスコアランキング登録・称号の授与がされる。
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対戦モード
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通信機能を使った2~8人用モード。
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人数分のプレイヤーがターン方式で"しりとり"を行っていく。制限時間制だが、このモードでは制限時間が延長されるボーナスは一切発生しない。
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制限時間が0になったプレイヤーは脱落となる。ゲームは制限時間が残っているプレイヤーが一人になるまで続けられる。
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ゲームを終えると成績発表となり、スコアの高いプレイヤーは表彰される。なお、本モードではスコアランキング登録・称号の授与はない。
評価点
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直感的に分かりやすい絵柄しりとり。
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『ワギャンランドシリーズ』のボス戦といった前例はあれど、「絵柄"しりとり"がメインのゲーム」は皆無であり、そういう意味では貴重な作品といえる。
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説明書抜きでも即効で入り込めるお手軽さを持ち、画面レイアウトも分かりやすい。
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テンポ感も至って軽快であり、プレイの快適さという意味でも優秀な部類に入る。
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登場キャラが可愛い。
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出番は多くないものの、ゲーム中に登場する各キャラの仕草や言葉使いが"どことなく"プリティで和む。
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主人公らしき女の子がゲーム全般のナビゲートを務めてくれる。ごく普通の女の子でこれといった特色は薄いが、これはこれで素朴可愛い。
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チャレンジモードにおける敵キャラはステージ順から「猫」「リス(キツネ?)」「パンダ」「フクロウ」「ライバル関係だと思われる人間の女の子」が担当する。
最後の女の子は「自身が手書きした下手っぴなイラストを絵柄の一部としてゲーム内に混ぜてくる」というインチキ(?)行為をしかけてくる。
ちなみにこの下手イラストは「画伯専用絵柄」として、データベースのカード内で確認できる。まぁ、ある意味では画伯的な絵柄ではあるのだが…。
問題点
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何の絵柄なのかが感覚的に理解し辛い。
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絵柄のイラストはわかりやすいデザインで描かれているものの、いざプレイすると「これ何て名称の絵柄?」と疑問を抱かずにいられない場面が数多い。
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例えば「ラーメン」の絵柄の場合、「たまご」「なると」の他に、「ちゅうかそば」「でまえ」といった広範囲での名称も含まれる。
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「青虫」「チョウ」「アメンボウ」の絵柄の場合は「むし」という名称が適用されるが、虫であるはずの「セミ」の絵柄にはそれが適用されない。
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「ギター」の絵柄は「がっき」として適用されるが、「バス」「飛行機」の絵柄は「のりもの」として適用されない。
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以上の通り、一体どういう範囲で名称の適用・非適用が定められているのかが大分曖昧であり、「何故この名称がOKで、あれはNGなの?」と混乱してしまいがちである。
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この曖昧な範囲の名称の定義がゲームの難易度を過剰に高めている。
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ヒントアイテムがない状態で、どうしても名称が分からない絵柄に出くわしてしまうと、もう総当りで絵柄を選んでいくしか道がなくなってしまう。
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総当りが外れると結構な勢いで制限時間が減り、最悪制限時間が尽きるという結果となるのは一種のお約束といえる。
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とはいえ、何度もプレイすれば絵柄の名称を覚えてくるので、さほど理不尽という難易度でもない。そういう意味では覚えゲーの一面が強い作品である。
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"しりとり"としての問題点。
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"しりとり"のルール的に「同じ名称の繰り返しや一文字名称」を成立させていいものだろうか?
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従来の"しりとり"でこんなルールが認められてしまうと不正し放題になってしまう。まぁ、24枚しか表示されない絵柄では、選べる文字が大幅に限られてしまうのだが…。
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その割には「ん」で終わる文字はNGと従来通りのルールを採用している。変則ルールが許されるならば、「ん」文字繋ぎのルールを採用しても問題ないのではなかろうか…?
賛否両論点
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豊富すぎてコンプが大変なデータベース。
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本作には200円相当のDSiウェアとは思えない程にデータベースが豊富に用意されている。
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しかし、表示される絵柄がランダムである関係上、すべての絵柄に出くわすには相当な運が絡む。よって、途方のなきプレイ回数を繰り返さなければカードが一向に埋まらない。
しかも、絵柄だけではなく選んだ名称単位での登録となる為、「絵柄の名称に空欄がある」という、もどかしい状態になってしまう。
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画伯専用絵柄はチャレンジモードのステージ5内でしか出現しないので、他の絵柄以上に出くわす機会が少ない。コンプ目的だと相当面倒な事に…。
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称号に関しても45種類と莫大なものが用意されている。もちろん、別のプレイでも同じ称号がダブるなんて事態が頻繁に起こる為、天文学的レベルのプレイは避けられないだろう。
総評
要するに『ワギャンランド』の「しりとり」である。若干の付加要素こそあるものの、ほぼそのまんま。あれだけ取り出して遊べるようにしたゲームと思えば間違いない。
「ワギャン」では特定ステージのボス戦限定でボリュームも控えめだったあのミニゲームを、こちらでは最初からそれだけ、そのぶんボリューム増量で堪能できる。価格もわずか200円と極めてお手頃。
権利的な面でこれ大丈夫なのか? という疑問はわくが気にしたら負けだ。
絵柄の名称がいまいち分かりにくい問題こそあるが、絵柄"しりとり"としてごく無難に楽しめる出来なのは間違いない。『ワギャン』で知ってる方にもそうでない方にも、一度は触れてみて欲しい。
データベースを埋めていくやり込み要素など、何度でもプレイしたくなるような配慮がなされているのも嬉しい。ただし本気で埋め尽くそうとすると、気の遠くなるような時間を要するが……。
最終更新:2023年10月03日 00:35