ホーンテッドカジノ
【ほーんてっどかじの】
ジャンル
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ギャンブル
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対応機種
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セガサターン
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発売元
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ソシエッタ代官山
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発売日
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1996年9月27日
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定価
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7,900円
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レーティング
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セガ審査:X指定(18歳未満禁止)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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ロード地獄 説明書手抜き クリアするとデータが消える
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概要
セガサターン最後の18禁ソフトとして発売された。洋館に住む魔女達とギャンブルで勝負するという内容。ディスクは3枚組。
特徴
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移動画面は主人公の一人称視点からなる。カジノは3階建てで、ディスク1枚に付き1階分の内容が収められている。
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1階をクリアすると2階へ移動する事になり、ディスク2に入れ替える事になる。2階もクリアして3階に移るとディスク3に移行する。
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特定の場所に入るとディーラーとの勝負・アイテム発見・トラップといったイベントが起こる。
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各ギャンブルで使われるコイン「ソウル」は主人公の命(HP)でもあり、0になった途端ゲームオーバーとなる。
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1階の対戦相手は3人で、それぞれヘルオアヘブン・ブラックジャック・ルーレットで勝負する。2階の相手はヘルオアヘブン・ブラックジャック・ポーカーの3人。3階の相手はラスボス1人だが、ポーカー・ヘルオアヘブン・ブラックジャックの3種類から勝負でき、どのゲームでも倒せばクリアとなる。
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勝つと敵は「服→下着→全裸」と3段階までグラフィックが変化していき、倒すとカードに封印される。そのカードを1階の映写室に持っていけば、ご褒美グラフィックが見られるが、コインを払う必要がある。
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2階から1階に戻ろうとすると、ディスク入れ替えは無いが映写室に直行するだけとなる。
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1度3階に登ってしまうと、他の階には戻れなくなり、エンディングを目指すしかなくなる。
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ご褒美グラフィックの静止画は、女キャラの大きな1枚絵が画面に表示され、顔・胸・尻(または股間)をそれぞれクリックするとその部分がアップになる。また、そのうち2箇所は更にクリックするとボイスかアクションの仕掛けがある。
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ちなみに、対戦相手ではないエレベーターガール(見習いディーラー)であるシンディー・メロウにもご褒美グラフィックが用意されており、ラスボス撃破と同時に入手が可能。
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ご褒美グラフィックを見るためのカードは、ディーラー1人に付き複数枚用意されているが、無条件で全て入手できるのはシンディーのもの(全4枚)のみ。残りのディーラーは、倒すときにいわゆるオーバーキルを行わないと1枚ずつしか入手できない。
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入手できるコイン数は有限で、稼ぎ場所は存在しない。周回プレイもできないので引き継ぎも不可能。
問題点
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移動画面では、1歩でも移動したり調べたりと「何か行動する」度にロードが行われるため、プレイに非常に時間がかかる。これが実に酷いもので、ご褒美グラフィックを見に行かない場合、プレイ時間の2/3はロード時間となる程頻繁及び長い。
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カジノ1階にいる間は、コンティニューする度に館に入る時の長い演出(10秒以上かかる)を見せられる。
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カジノ1階では部屋数も多く、調べると演出があるオブジェクトや即死トラップなど仕掛けも多いのだが、これで力尽きたのか2階では部屋数が激減する。イベントにしても廊下の特定の場所に立つと長~~いボイスが流れるというものだけになる。
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キャラデザは『サクラ大戦』でメカデザインを担当した永田太氏が手掛けているのだが、女性キャラ8人は全員顔も体型も同じ(いわゆるハンコ)。髪の毛と、尻尾などの細かいパーツが違う程度。巨乳も貧乳も無い。ちなみに胸のサイズは普通にある方ではある。
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ムービーは実は静止画を組み合わせたり拡大・縮小してごまかしているだけで、実際は動いていない。
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また、グラフィックも粗く、汚い。アップになるとブロック割れも度々起こる。スキップは出来るが一時停止は不可能。
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ラスボスを撃破しクリアするとご褒美グラフィックが見放題になるが、電源を切るとセーブデータが失われるため、強制的に最初からやり直しとなる。2周目などは無い。
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そもそも説明書では8人とも全裸イラストで紹介されている。ここで見せてどうするよ。
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バグが存在する。
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2階の宝箱のトラップに引っかかった時、敵のセリフが延々ループするバグがたまに発生する。
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マーメニアーという敵との戦闘中、その顔を見上げようとすると、タイミングによっては顔グラフィックがバグっていることがある。
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ユニティーという敵のみ、初対面時のセリフが流れない。
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敵を瀕死にしてから勝負を中断すると、どの敵も「潔く負けを認めろ」と発言する。口調からして強がっているのではなく、主人公が瀕死時に言うべきセリフを間違って再生しているらしい。
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説明書が異常に不親切。
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キャラ紹介とギャンブルゲームの操作以外については殆ど載ってない。移動画面についての説明はおろか、セーブの仕方すら書かれていない。
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ゲーム中もセーブの説明は全く無い。「ある事をするとオートセーブされる」というものなので、そもそもいつセーブされたかも気付けないだろう。
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また「セーブした場所」は記録されず、再開するたびにディスクごとに決まった場所からやり直しさせられる。特に2階では、上記の「長~~い台詞イベント」は見た事がセーブされず、同じ場所へ行くたびに聞かされることになる。よりによって「クリアの為には通らなくてはならない場所」で発生する。
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映写室での操作方法も記載無し。見るたびにコインを取られるのだがそういった説明すら無い。
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ギャンブル中に使える「ヘルプ」なる機能が紹介されているが、使おうとしても「ゲーム中は手助けできない」と言われるだけで、実際には使えない。
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実は移動画面(1階の特定の部屋のみ)では使えるのだが、コインだけ取られて役に立たない情報だけ貰えるという「自爆機能」なのである。
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ちなみに敵の1人の声優名が誤記されている。本作にはスタッフロールが存在しない為、正しい声優名はイラスト集を見ないとわからない。
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バトルで使えるアイテムも登場するが、個数や使用回数は表示されない。そもそも今持っているのかどうかも、画面上では確認できない。
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2階に鍵のかかった宝箱があり、同フロアの敵を全て倒すと鍵を入手できる。しかし鍵を手に入れる演出や説明は無く、いつの間にか手に入っている。入手したと気付かずそのまま3階に移動すると、2度と箱を開けられなくなる。
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もっとも開けても、はした金が入っているだけなのだが。ラスボス戦では焼け石に水にすらならない。この宝箱の存在理由自体が不明である。
評価点
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声優は一応豪華。ベテラン揃いなので演技も申し分ない。
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女キャラは対戦時は常に挑発的な口調だが、ご褒美グラフィックでは皆デレる。ギャップ萌えの人は楽しめるかもしれないが、対戦時はあくまでこちらを殺そうとする「敵」なので、ツンではないことに注意。
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キャラデザ自体は(リリース時期が時期だけに時代を感じるものの)悪くない。
ゲームに行き詰った場合、最悪説明書のイラストで済ませられ…なくはないかもしれない。
総評
とにかくロードが酷い。そして説明不足で何をどうしていいのかわからない。
それらを潜り抜けて勝負に勝っても、ご褒美グラフィックは視聴回数が決まっている&見放題になるとセーブできなくなる。
ラスボスを瀕死にしたデータをパワーメモリーにコピーするなどの対策が必要だろう。とはいえ「ラスボスを倒してから見放題になる」までは異常に長いロード時間とムービーが流れる為、数分は放置する必要があるが…。
余談
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イラスト集の社長インタビューによると「プレイした上で色々発見して欲しいから、あえて不親切な説明書にした」との事だが、色々発見するまでプレイする気にさせてくれるゲームなのか考えた方が良かったのでは?
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セガは1996年9月末を持ってX指定を廃止している。つまりこのゲームはX指定で発売できるギリギリ最後のタイミングで市場に出された、いわゆる駆け込み販売である可能性が考えられる。長いロードなど作り込みの甘さはそこが大きな原因ではないかという説もあるが真相は不明。
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開発側の理由はどうあれクソゲーを掴まされるユーザーには何も関係ない話であるが。
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本作と同じ日にX指定で『麻雀四姉妹 若草物語』も発売されている。こちらも評判はよろしくない。
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完全な余談になるが、本作の発売から翌年にはイラスト集が発売された以外に、同年に『ホーンテッド・カジノ』というタイトルで小説化もされている。
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ポーカーには必勝できる裏技が存在する。ラスボスはポーカーでも倒せるので、使えば楽勝である。
最終更新:2021年09月15日 20:12