ステッガー1
【すてっがーわん】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード
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販売元
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ビスコ
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発売元
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アフェーガ
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稼動開始日
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1998年5月21日
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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古臭さ全開のグラフィックとBGM 得点は撃ち込み点とアイテムのみ ゲームバランスも滅茶苦茶 ある意味神ゲー?
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概要
韓国製のシューティングを日本に輸出したという特殊な経歴を持つアーケード作。
『ステッガー1』は邦題で、韓国を含む海外では『Red Hawk』のタイトルで1997年に先行でリリースされている。
当時のシューティングと比べるのも可哀想なくらい劣ったゲーム性ではあるものの、一部のカルトゲーマーにとっては神のような存在として有名であり、アーケード界の『デスクリムゾン』と例えられることも。
アイテムとゲームシステム
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Pマーク。ショットのパワーアップ。最大4段階。
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Bマーク。ボンバーを1発補充。最大5発まで。
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小型飛行機。攻撃範囲の広い爆弾を落とすオプションをまとう。
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円盤。稲妻を前方に撃ち出すオプションをまとう。
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得点アイテム。地上物を破壊すると出現。表示では1,000点(実際は1,400点入る)。
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全8面構成で8方向レバー+ショットとボンバーの2ボタン制を採用している。
問題点
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1998年製なのだが、どう見ても1980年代のゲームとしか思えない古臭さ全開なグラフィックと音楽。グラフィックもお粗末な上、アニメーションパターンも非常に少ない。
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まずそもそも基板が当時としては時代遅れで、CPU構成だけでもMC68000(12MHz)+Z80(4MHz)という一昔前、もしくはそれ以下のスペックの基板を使っているのも古臭い原因の1つだろう。
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タイトルBGMが『雷電II』のステージ1BGMを
そのまんまパクっている
。当然ながらセイブ開発に許諾を取った痕跡は見当たらないため未許可で使用しているのは確かである。
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さらには本作の原語版フライヤー(広告)におけるキャッチフレーズまで『雷電II』そのまんま。
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キャッチフレーズがそれぞれ「"The Best Flyng Game Ever..."(雷電II海外版フライヤーにおけるキャッチフレーズ)」「"Two Player Simutaneous Action"(訳:2人同時プレイ可能!、雷電シリーズ及びライデンファイターズシリーズにおける売り文句の一つ)」となっている。
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ゲームバランスは大味である。同期のシューティングに比べ、敵の動きから攻撃パターンまで、とても90年代の商業ゲームとは思えない位香ばしい出来。同年に出ていた『エスプレイド』や『アームドポリス バトライダー』、『スペースボンバー』とは雲泥の差。
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選んだキャラの国旗がゲーム画面にデカデカと鎮座し、プレイの邪魔となってしまっている。
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何故か1Pと2Pで国籍が変わるがキャラクターは共通。韓国人であってもカナダ、イギリス人であっても日本といった感じ。
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スコアシステムもどこかおかしいのか「画面上に1,000点と表示されているが、なぜか1,400点プラスされる得点アイテム」や「敵固有の点数が存在せず、あるのはメインショットの撃ち込み点のみ」という仕様。
要はオプションの攻撃を当てた場合や溜め撃ちはもちろん、ボム攻撃では一切点数が入らない。
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「撃ち込み点のみ」という部分を、「上級者以外もハイスコアを狙えるかもしれない」と評価しようとする見方も有った。
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主人公レオナルドには
画面を埋め尽くすほどの溜め撃ちを連射できるバグ
(やり方は溜め撃ちを撃った瞬間にショット連打する)があり、
ザコだろうがボスだろうが何もかもが瞬殺可能
という致命的な不具合までもある。
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ゲームにあるべきストーリーがない。エンディングは何故かスタッフ全員の実写画像、おまけにスタッフロールの英語表記に誤植が有る始末(例:「HARDWARE」が「HAEDWARE」になっている)。
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ネームエントリーでアルファベットの「X」が存在しない、ネームエントリー終了用の「END」を入力すると「END」がそのまま一文字として認識される。
これを面白がってかランキング画面が「END END END」だらけになることも珍しくなかった模様。
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おまけにネームエントリーには制限時間がなく、しかもレバーを動かし続けている限りずっとこのネームエントリー画面が終わらない。終わらせるには一定時間何も操作をしないこと。過去にも『ボスコニアン』などでこんな失敗をしたゲームがあるが、これを今になって持ち出すとは…。
評価点?
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見た者の心に強い印象を与え、出回りの悪さの割にネット上ではよく話題になっていた。
総評
アーケード界の誰得ゲーといっても過言では無いだろう。
そのショボさを「韓国と言えばパソコン(MMORPG)先進国なのにアーケードでは何故こんな…」と驚く声も有った。
ただしリンク集が作られる等クソゲーすぎて逆に愛された節すらある。「アーケード界の『デス様』」とはよく言ったもの…かも知れない。
余談
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社名のアルファベット表記「AFEGA」は、本来の語源だと韓国語の「今後(将来)」の意味である"apega"であるが、後に「ART-FICTION ELECTRONIC GAME」の略称という後付けになる。なお、デモプレイ画面でも確認が出来る。
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当作を開発したアフェーガ社は元ドーヤン社で勤務経験のあった人物の兄によって設立され、後にその弟が会社を引き継いでいる。
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ドーヤンは日本のNMKと密接な関係があった為、アフェーガの初期の作品にはNMKのアーキテクチャが使われており、それどころかデッドコピー作品そのものまでもが作られている。
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日本ではかなり酷評されている当作品ではあるが、これでも国際レベルでは大ヒットと呼ばれる位に出回ったとされており、一万枚以上の基板が出回ったと公式で発表されていた。
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もっとも、その大半が中国で作られたコピー基板だったというオチだったのだが、この御時世でコピー基板が作られる程の需要があったという事実には特筆すべき点でもある。
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上記の結果、急遽開発された続編の『戦神』では金塊やコインを集めてステージクリア後にショットパワーやボム、1UPを買える要素が加わったが、基本的な部分はほぼ同様のかなり残念な内容である。
最終更新:2023年12月09日 23:11