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魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-

【まほうしょうじょりりかるなのはえーすぽーたぶる ざばとるおぶえーす】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ウイッチクラフト
発売日 2010年1月21日
定価 リリカルBOX版:13,629円
通常版:5,229円
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント シンプルすぎる作り
あの技が死に技
悪夢のW商法
はやてとリインフォースの強さが(初心者にとっては)チート
ストーリーやマテリアル娘自体は好評


概要

  • アニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズのTV版第2期作品、『~A's』(エース)を題材にした3D格闘ゲーム。通称『なのポ』*1
  • 原作では消滅した初代リインフォース(アインス)が延命したという設定のパラレルストーリーが展開される。

問題点

本作がクソゲーになっている理由は、ほとんどが戦闘部分にある

  • 高速で飛び道具を撃ち合いヒットアンドアウェイを繰り広げる遠距離戦と、打撃・投げ・当て身の三すくみから成る近距離戦から構成されるのだが、高さの概念はなく「ジャンプができず、障害物のない劣化『バーチャロン」といった感覚。
  • 一人プレイ時の敵AIは賢いとは言えず、やり応えには欠ける。
    • 対人戦環境に恵まれていないユーザーの場合、楽しみ方は限定されてしまう。'
  • 現在の対戦事情では、ギリギリまで攻撃を引きつけてガードすることで様々な恩恵を受けられる「EXガード」のマスターが必須となりつつある。これができないとはやて戦などはフルボッコの対象であり、格ゲーマー・非格ゲーマー間のキャラ性能における認識の違いにも繋がっている*2
    • シンプルでハードルが低いように見えて、結局そうなってしまうのは対戦格闘というジャンルの宿命でもあるのだろうか…。
  • コンボゲーではないように見えて、永久コンボが4キャラに発見されている。
  • 原作(A's)で戦闘が可能なキャラクターの中ではユーノとアルフとリーゼ姉妹は不参戦。一応、うち前記2名はストーリーモードの会話には登場するが本当にチラッと出るだけ
    • まあユーノは実質的には非戦闘キャラである為*3、出しても性能調整しだいでは批判される可能性も高いが…。
    • 非戦闘参加キャラとしては他にリンディとエイミィがわずかに姿を見せる程度で他のキャラクターは話の上でも名前があがらない。初めてのなのはゲーとして期待した層にはガッカリ度合いが強い。
  • キャラによって色んな意味で格差あり。
    • 特にシャマルはかなり不遇。性能的には上級者向けの下位キャラで、ストーリーモードのシナリオも他キャラと比べて盛り上がりに欠ける。
      • 原作でも後方支援キャラだから戦闘部分に関していえばキャラゲー的には正しいのかもしれないが…。
    • 他にもシナリオでの扱いが微妙なキャラクターがちらほらと。
  • 原作での大技は高火力の超必殺技として再現されているものの、(キャラにもよるが)システム上の理由から実戦では使いづらい。
    • 特に主人公なのはを象徴する必殺技「スターライトブレイカー」は、攻略Wikiで「見たければCOM相手にどうぞ」とまで言われるほどの使えなさ
  • この時代の格闘ゲームではほぼ常設されているトレーニングモードがない。「木偶相手にコンボを研究するゲームではありません」ということなのだろうか?

その他の問題点

  • 勝利ポーズが一種類のみ。対戦ツールとしての評価には無関係だが、キャラゲーとしては寂しい。
    • ちなみに、クロノは後述の「エターナルコフィン」でトドメを刺すと、デバイスがS2U*4からデュランダル*5に変わるという事が発生する。
  • キャラゲーとして痛恨のミス
    • クロノの必殺技である「エターナルコフィン」は、本来は冷気で凍りづけにして詠唱しつつ攻撃するのだが、今作では詠唱もせずに氷塊で攻撃するという物になっている。
    • ストーリーモードでなのはがレイジングハートを右手で持っているが、なのはは設定上左利き。
  • 後述するアレンジBGMに、原作終盤の名場面での挿入歌として人気の高い「SNOW RAIN」がない。
  • アーケードモードをクリアしてもストーリーを振り返ることが出来ずEDで使われたCGが見れるのみ。
    • そのCGモードの作りは数世代前のエロゲーレベルの代物
  • ゲームを購入していなくても買えるとはいえ、これに合わせて発売されたDLCは明らかにぼったくりでバンナム商法とオタク界隈で評判の悪いなのは商法の融合体になっている
    • 特定キャラクターが動き回る環境ソフトとふた昔前のJava脱衣ブロック崩しに脱衣要素をなくしたようなもの、そして適当な雑誌で拾える話で800円

賛否両論点

  • 良くも悪くも操作形態はシンプルな構成。キャラ一人あたりの技数は少なく、多彩な行動で幅のある攻防を…とはいかない。
    • 反面、自キャラの操作・相手キャラへの対策ともに覚えることは少なくて済むだろう。
    • 中段下段といったガード属性の概念もない。良く言えばシンプルでハードルが低く、悪く言えば底が浅い

評価点

  • 原作ファンから見たストーリーモードのシナリオは概ね好評。
    • 原作では第1期(無印)が「友達」、『A's』が「家族」というキーワードを持っていたが、今作では「己自身と向き合うこと」がその位置に置かれている。
    • 最終戦では原作の主題歌と挿入歌である『ETERNAL BLAZE』と『BRAVE PHOENIX』のアレンジBGMが流れるという王道演出で盛り上げてくれる。
    • 使いまわし部分が目立つマテリアル三人娘だが、コピー元とは大きく異なった面白い性格付けをされており、独特の魅力があるキャラとして愛されてはいる。
      • 一方でシナリオ内の一部キャラの言動などにおかしな部分がちらほらと見受けられ、一部ファンなどからは批判もある。また、あまりひねりのある話ではないため意外性には欠ける。
    • 原作が第3期『StrikerS(StS)』から雰囲気がガラッと変わっているため、『A's』以前を好んでいた層から過大に評価されている部分もある。
    • 主題歌はアニメ版と同じくフェイト役の水樹奈々氏がOPを、なのは役の田村ゆかり氏がEDを担当しており、どちらもアニメ版に劣らない楽曲である。
  • クソゲーと言われて仕方がないCOM戦に対し対人であればそれなりには遊べる。
    • もっとも、キャラバランスに関してはかなり厳しい組み合わせがあるのだが…。
      • ダイヤ8:2や9:1が存在する地点でバランスについてはお察し。攻略本にて開発者は格ゲー経験があるような発言をしているが、とてもそうとは思えない。
    • アドパなどの各種通信機能を使ったネットワーク対戦は(二人部屋でも)処理落ちやラグが激しい。たった数フレーム遅れただけでもゲーム性が著しく損なわれる格ゲーでは致命的と言わざるを得ない。

総評

作りが粗すぎるのでクソゲー判定になっているが、おおむねファンを失望させるような作品ではなかったのは間違いない
実売では10万本に届いており、新規キャラゲータイトルとしては出色。
しかし、純粋な格ゲーのひとつとして出されていたらフルボッコは免れなかっただろう事は想像に難くない。

そもそも本作の発表前に『なのは』シリーズのファンコミュニティが公式無批判層と「『A's』までのファン・『StS』以降はアンチ」という層の真っ二つに割れてしまっていたため、本作の購買層には『なのは』ならなんでもいいという者が大半を占めていたのが事実である。

続編

  • 続編として発売された『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』では本作の問題であったバランス面がある程度は改善されキャラゲーとしてならば許容範囲という程度になった。またキャラの大幅追加*6、モードの追加などにより決して悪くない程度の出来に向上している。
    • シナリオの大まかな評価も悪くは無い。ただし、キャラクターごとだった本作に対しチャプター制として時系列ごとの流れになっているため繋がりに問題がある部分が存在するとも。またキャラクターの扱いのばらつきは目立つ。新キャラクターに対する評価は本作に比べると分かれている様子。
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  • 魔法少女リリカルなのは
  • 判定不一致
  • 2010年

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最終更新:2024年04月07日 22:30

*1 続編GOD発売後は『なのポBOA』。

*2 前述のはやてやリインフォースは初心者や非格ゲーマーからはしばしば最強・卑怯キャラ扱いされている。

*3 攻撃魔法に関する詳細設定はなく、またそのうち砲撃魔法(なのはが主に使う攻撃魔法)は使えないとされている。かわりに防御魔法は強いとの劇中評価があり、魔術師としてのランクはメインキャラと同等との設定がある為、ファンからは攻撃せずとも互角と評価される(殆どの攻撃からダメージを受けない)ほどの高レベルの防御力とも予想されている。また様々な補助用魔法を使うキャラである。もっとも、それを再現するとタイムアップ必至のグダグダキャラになるが…。

*4 無印から使われている、クロノの本来のデバイス。名前及びクロノ自身は原作である『とらいあんぐるハート リリカルおもちゃ箱』から由来している。

*5 終盤、グレアムからクロノに託されたデバイス。対・闇の書の闇に使われた。

*6 本作に登場しているキャラは全員続投している。