イノセントライフ ~新牧場物語

【いのせんとらいふ しんぼくじょうものがたり】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 マーベラスインタラクティブ
開発元 アルテピアッツァ
発売日 2006年4月27日
定価 5,040円
判定 クソゲー
牧場物語シリーズリンク


概要

マーベラスインタラクティブ(現:マーベラス)の看板作品「牧場物語シリーズ」の派生シリーズとして企画された作品。従来の「牧物」にはない独特な世界観、有名イラストレーターを起用しキャラゲー色を前面に出していることが特徴で、SFの『イノセントライフ -新牧場物語-』と、ファンタジーの『ルーンファクトリー -新牧場物語-』の二作が発表された。
本作はその「新牧場物語シリーズ」の一作目として発売された。当時、本家シリーズは焼き増しやリメイクが多く不満を持つファンがいたことから、心機一転した本作を期待する動きがみられ、なおかつ開発もドラゴンクエストシリーズ製作に関わっていたアルテピアッツァが担当したことで、順風満帆なシリーズ開始になるかと思われていた。だが、その出来は…

特徴

  • 牧場物語シリーズは牧歌的な雰囲気が支持されてきた作品であるが、本作の舞台は科学技術や古代文明が非常に発達した世界。
    • 牧場は、家畜の世話から出荷など全般に渡って機械化されている。各施設への移動はエレベーターで行う。

問題点

  • ルーンファクトリーシリーズのようにプレイヤーが任意でシナリオを進められず、基本的に毎週日曜日ごとにイベントが発生する。
    • ロボット主人公の行動範囲が徐々に広がっていく事になるのだが牧場経営が退屈で間延び要素にしかなっていない。
  • 牧場経営がとにかく退屈の癖に見回り要素がある。
    • 特徴要素でもあるのだが、牧畜も農業もロボットで自動化されている。農業は手動でも可能なのだが、ならば牧畜も毛刈りや搾乳を手動で出来るようにすればよかった。
    • 犬の糞に不具合かと思う仕様がある。作物の上にされると枯れる。
    • 牧畜はシリーズ恒例、放置しすぎると病気になる。ロボットでお世話してるのに。
    • おかげで日曜日がくるまでプレイヤーがすることは牧畜に声をかける事くらい。ならば街に繰り出して交流を図るのが主目的のゲームなのかと思いきや。
  • イベントがかなり少ない。
    • 牧場シリーズおなじみのシーズンイベントも数が多くない。全くのゼロではないのだが、そもそも町の人と交流を図る意味もないので参加する意義もあまりない。
    • それだけでなくシリーズおなじみの恋愛要素もない。…というより、主人公がロボットである都合で友好度システムそのものが存在せず、町の人間と仲良くなるという要素自体がない。勿論プレゼントもない。
    • 好感度による台詞の変化もなく、季節ごとに台詞が少し変わるぐらい。
    • 事情があるとはいえ、拠点たる遺跡(=牧場施設)から町への距離も遠く、交流しに行く理由もないため自然と足が遠のいていく。結果的にイベント以外では自宅で日曜日を待つ事が増える。
  • 作物の使い道が少ない。
    • プレゼントも無ければ料理の材料としての使い道も無いので、数少ないイベントを除いてはほぼ換金のみの用途。
  • お金の使い道が少なく、種や農具を買うくらいしかない。
    • シナリオ進行で用いる花を育てるぐらいが必須項目。
  • 料理の存在価値がない。
    • 人間らしさという要素には関わるようだが、所詮ロボットのため主人公には寄与しない。
  • 釣りの存在価値がない。
    • 一番問題なのが、魚が反応したかどうかがわからない事。適当な時間糸を垂らし、引き上げて釣れてたら良かったね。という話。
    • レシピの入手が出来るが、魚そのものはすぐ逃がしてしまう。料理も無意味だしプレゼントも無いから良いのだが。
  • キャラデザも「ドラクエもどき」と言われおおむね不評。同じ新牧場物語としてDSで展開された『ルーンファクトリー』とは真逆の評価となった。
  • 進行不能を含むバグが多い。
    • 特定のイベントをスルーしてしまうとシナリオ進行せず完全に詰みになる要素がある。
    • フリーズしたりグラフィックが飛んで進行不可能になるバグが起きやすい。
    • その他、表示上の細かいバグも多数ある。明らかにテスト不足感が漂っている。
  • 操作決定の入力ボタンが○、△、×でバラバラになっている。会話が優先されないようになどの配慮もあるのだろうが、誤入力の原因。

評価点

  • グラフィックの評価は高い。おそらく牧場物語シリーズの中でもトップクラス。
    • 地域、季節ごとに移り変わる島の景観は美しい。ギミックは少なくゲーム的に面白いとは言い難いものの、観光としては楽しい。数少ない良点。
  • 牧場経営や交流に手がかからない
    • 基本的に機械任せ、自分が最低限しないといけない事は牧畜への会話とシナリオだけで楽。牧場物語における、プレイ時間が伸び作業を簡略化したりサボりたいと思う事はない。
    • もっともそこまで楽したいならシリーズをプレイするのに向いていないという事にもなるが……。

総評

  • 牧場物語シリーズの新たな展開の一つとして期待されたものの、ボリュームダウンした牧場要素や交流要素、中途半端に制限のかかる冒険パートなど無い無い尽くしで完全に失敗作。
  • トドメに進行不能のバグがあるなど再現性のある不具合もあり、新展開の片割れたるルーンファクトリーと大きな溝を開けられての低評価となった。

余談

  • キャラデザ担当は後にあの『オプーナ』を生み出すアルテピアッツァ社長の眞島真太郎である。
  • 後にPS2に移植された。しかし人気が出ることはなく、以降シリーズ展開は行われていない。
    • 一方、『ルーンファクトリー』もバランス荒削りのバグゲーだが、システムはウケたため、牧場物語シリーズから独立して継続中。
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  • 2006年
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最終更新:2022年04月04日 05:58