判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。


遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずえいと はめつのだいじゃしん】

ジャンル カードバトルロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
発売日 2003年3月20日
定価 4,800円(税別)
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント システムを見直した結果理不尽な難易度に
終盤はラーを先に出せるかどうかの運ゲー
何故か大きく劣化したゲームテンポ
キャラゲーとしては意外と良好
結局カードのおまけ扱いされたナンバリング作品最終作
遊☆戯☆王 関連作品リンク


概要

人気漫画原作アニメのゲーム化『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』シリーズ第8作目。
前作同様、マップを移動して対戦相手とデュエル(カードバトル)をしてストーリーを進める「カードバトルRPG」として発売された。
本作のストーリーは原作バトルシティ編の後日談に位置するオリジナルストーリーとなっている。

前作の大きな問題点として、「難易度が低すぎる」「ボリュームが無さすぎる」というものがあった。
これに対してメーカーが取った改善策は「封印されし記憶以上の超高難易度化」という大邪神を降臨させることであった。
結果的に、本作はシリーズのナンバリングを破滅に導いてしまった。


ストーリー

バトルシティでの戦いの後の話。

「デュエル特急」で行われる大会に参加しようとしていた主人公、城之内、遊戯の3人。
しかし、千年パズルと共にもう一人の遊戯が姿を消してしまう。
パズルを探す3人のもとにイシズが現れ、恐ろしい事実を語る。

何者かが大邪神・レシェフをこの世に復活させる儀式を行ってしまったこと。
その影響によって3枚の神のカードが力を失い、石にされてしまったこと。
大邪神を封印するためには、世界中に散った千年アイテムを取り戻し、3幻神に再び力を与えるしかないこと。

この世界を大邪神から救ってほしいというイシズの頼みを聞いた主人公たちは、千年アイテムを探す旅に出る。
しかし、大邪神を復活させた男・天馬太陽が刺客を送り込み、主人公たちに挑戦してくるのだった……。


前作との共通点

前作からの続き物という位置付けのため、そちらの記事も参照されたし。

  • 主人公はゲームオリジナルの人物。容姿や設定は前作と異なる。
  • マップを移動してAボタンで会話、Rボタンでデュエルを申し込む。デュエルはキャラによっては断られたり、普通の会話と反応が一緒だったりすることもある。
  • デュエルごとにもらえる通貨「ドミノ」を使ってカードショップでカードを売買できる。
    • デュエル前にカードを賭けて勝つと相手のアンティカードを貰える。
  • アンティカードは対戦相手ごとに抽選で決まる。低品質のカードをアンティに出すと、全キャラ共通の低品質カードテーブルからの抽選になってしまう。
    • 前作からの問題点として、どのアンティカードが貰えるかを試合前に知ることができない。調べたところでほしいカードを持っているキャラと延々と戦う問題は今作も健在。
  • カードごとにコストが決められており、強いカードほどコストが高くなる。
    • プレイヤーのデュエリストレベルより高いコストのカードはデッキに入れること自体ができない
  • デッキのカードの コスト合計がデッキキャパシティを超えるようなデッキは組むことができない
    • デッキキャパシティはデュエルを繰り返すと上がっていく。
  • 属性の他に魔族相性の概念があり、相性が悪い魔族と戦闘になった場合、ステータスに関係なく破壊される。
  • 融合モンスターは存在しない。高レベルモンスターはフィールドから生贄に捧げて召喚する古典スタイル。
    • 必要な生け贄は OCGとは異なり 、1体~ 3体 までの幅がある。*1
  • バトルで破壊されるなどして捨て札になったカードのうち、モンスターカードは各プレイヤーの最後の1枚だけ「墓地」にあるカードとして、特定のカードの効果で再利用することができる。
  • 魔法・罠カードはフィールドに5枚まで置ける。
  • 神のカードはコストが0に設定されている。
    • 効果によって破壊したり、コントロールを奪ったりすることができず、攻撃力アップ・ダウンの効果しか受け付けない*2

前作からの改善点

  • イベントシーンの演出が強化。
    • フキダシを利用した感情表現や、会話ウィンドウに表示される顔グラフィックに表情差分が追加されたりしている。
      • ただし、会話時のグラフィックはバストアップからウィンドウ形式になって縮小され、口パクのアニメーションもなくなってしまっている。
    • モンスターの攻撃演出も、カットインが入って必殺技を繰り出す、といった演出がなされるようになった。
  • クライマックスでは遊戯・海馬・城之内が揃い踏みする演出もある。
  • 遊戯・城之内はプレイヤーについて歩くようになっている。双六のゲーム屋に戻ると対戦も可能。
    • 前作から本田が最弱のスパーリング相手として続投しており、それに加えて御伽とも対戦可能になった。
  • 前作にも登場した「デュエルロボ」は初級・中級・上級の三段階の難易度が選べるようになり、獲得カードも強さによって変わるようになった。
  • 通信ケーブルを利用しての対戦・カード交換が復活。とはいえ神を出したもの勝ちで大味なことに変わりはない。
    • そうでなくてもデッキキャパシティの都合から地味なのにもかかわらず。
  • 神のカードは最終的に3種類全てがプレイヤーの手に渡るようになった。特に《ラーの翼神竜》は原作に登場した3形態が別々のカードとしてすべて再現されている。
    • ただし、《ラーの翼神竜 (スフィアモード)》についてはデュエルで全く役に立たないアイテムのような扱いになっている。
  • 起動型効果だけだった効果モンスターに永続効果・墓地発動効果が追加された。前作から登場している効果モンスターも一部が永続効果に変更されている。
    • これに伴い前作では中途半端な再現だった《ウィジャ盤》はOCG同様、ターンごとに1文字ずつ死のメッセージが場に揃っていく仕様となった。
  • クリア後もデータが保存されるようになった。
    • クリア後は隠しマップ「永遠の間」に挑戦することができる。ラスボス戦を再度行うこともでき、そのバトルで手に入れたカードもセーブすることが可能。
  • アニメ声優によるボイス演出のあるキャラが前作より増えた。
    • ただし、遊戯だけは一切ボイスが無くなってしまった。
      • CVを担当している風間俊介がSMILE-UP(元・ジャニーズ事務所)所属である事が理由と推測される。

前作からの改悪点

いくつかの追加要素がゲームテンポを下げている。

  • 連戦でライフポイントが回復しなくなった。
    • デュエル中の体力であるところのライフポイントは8000から始まり0になると負けだが、
      本作では 減った分のライフポイントは次のデュエルに持ち越される 一方で、 デュエル終了時、8000を超えた分は持ち越されない
      • ライフポイントを回復するにはデュエル中にライフポイント回復カードを使うか、自宅でセーブポイントをチェックしなければならない。
        結果、連戦が辛くなったばかりか、稼ぎ目的のデュエルもやりづらくなった。
    • 2連戦、3連戦、中には6連戦までもあるのにこの仕打ちは凶悪。
      ほとんどの対戦相手のデッキに ライフポイントに直接ダメージを与える魔法 が投入されているのは、クリアさせるつもりがないと言われても仕方がないだろう。
  • 永続効果を処理するためなのか、カードを出す・攻撃するなどの一手を打つごとにカーソルが高速で盤面を巡回する。その間は操作不能となるため、細かく待ち時間が発生して鬱陶しい。
    • さらに永続効果を持ったカードがあると、効果発動のメッセージが行動のたびに毎回挿入される上に、エフェクトもカットできない
      ---こんな仕様になっているのは後にも先にも本作だけである。
  • 神のカードの1枚《オシリスの天空竜》の発動エフェクトは咆哮になっているため、さらに鬱陶しい。
    • 何かする→「ギャー!(永続効果発動時の鳴き声)」→何かする→「ギャー!」……以下、どちらかが勝つか《オシリス》の破壊までループである。
      本作の《オシリス》は耐性持ちかつ「攻撃力4000に加え、手札1枚につき攻撃力1500アップ」という原作以上の凶悪さで、使いたいのが鬱陶しさとトレードオフ。
  • カードゲームでのマナー違反行為に、手札や場に伏せたカードをしつこく触って試合を遅延させる行為がある。
    1人用ゲームでそれに近い気分を味わわされるためストレスが溜まる。
  • 通信機能追加によるハマリ回避のためか、カバンに1枚しかないカードは賭けることも売ることもできなくなった。
    • カードを賭ける時の手間が増え、いらないカードの処分もできなくなった。
      • デッキに入れているカードは計算に入らない。4枚あっても3枚フル投入すると 余った1枚は処分できない
  • 枚数ソートは存在するものの、こっちはデッキに入っている枚数も数えるため上記の仕様はスルーできない。
    • 過去作では『使用できるカード枚数』やデッキキャパシティが少ないと通信モードで遊べない仕様だった。
  • カードの総数は全800種類と、実は前作より減っている
    • 前作は絵違いカードも収録されていたのだが軒並み削除されてしまった。
      • 有名所であるパンドラ仕様の《ブラック・マジシャン》は収録されておらず、遊戯と同じ絵柄のカードを使用してくる。
  • 「スライムモンスタートークンを特殊召喚する効果」を持つ《スライム増殖炉》は、本作では何故か《チェンジ・スライム》が特殊召喚されるようになっている。
    《チェンジ・スライム》はトークンより能力が低い為、実質的に弱体化である。
  • 儀式魔法カードのほとんどが削られており、《カオス・ソルジャー》などごく一部の例外を除いて儀式モンスターは通常モンスター化している。
    • これらのモンスターは全てコスト999となっており、プレイヤーはまずデッキに入れることができない。何故収録した?
  • カードが墓地に送られると発動する効果は、「すてる」コマンドで手札から捨てたときも発動できるため実質フリータイミング。
    • 「すてる」コマンドは手札が5枚制限であり、使用出来ないカードで埋まってしまった場合の救済として用意されているもので、DM3から存在していたもの。
      • といってもOCG準拠の5と6には存在しておらず、採用したということはルールが退化して先祖返りしてしまった事を補強してしまうわけだが。
  • 神のカードの1枚《ラーの翼神竜 (フェニックスモード)》にもこの墓地発動効果があるため、手札から捨てるだけで《ラーの翼神竜 (バトルモード)》になって場に召喚される。
    普通に召喚しようとすると3体の生け贄が必要なのだが、この効果のため手札に引くだけで神が場に降臨する。
    • 神のカードは戦闘破壊以外の除去を受け付けないため、《フェニックスモード》を捨ててしまえば勝利が確定したも同然
    • 相手の苛烈な除去手段に耐えられない神以外の上級モンスターは投入するだけ無駄なため、文字通り「神頼み」になる。
  • 《バトルモード》の効果は「自分のライフポイントを1になるよう減らし、その分ダメージ」のため、相手よりライフポイントが上ならその時点で勝利が決まる。
    • とはいえ《ラー》を使えるようになる頃にはある理由によりそのチャンスが少ない。
  • このカードが手に入るのは、ゲーム終盤。そこまでは自力でクリアしなければいけない。
    • 《フェニックスモード》を手に入れるには、その後の6連戦イベントの後、ある隠しパスワードを入力しなければいけない。
    • なお、このパスワードはゲーム中ではノーヒント。公式サイトにそのパスワードが記載されていたが、今となっては閉鎖されている
  • クリア後に永遠の間で闇マリクから手に入れることも可能なのだが、《フェニックスモード》を入手しなければ出現しない上、制限カードであるため手に入れようと努力する意味はない。
  • 他に同様の効果を持つカードとして《黒炎の騎士-ブラック・フレア・ナイト》が存在している。こちらも制限カードに指定されており1枚しかデッキに入れられない。
    • 技術不足による仕様を認識してフォローしていると思われても仕方がないだろう。
  • 制限カード(デッキに1枚または2枚までしか入れられないカード)に指定されているカードが前作より増えた。
    • 相手は制限を無視して投入するのにこちらだけ不利を被っているだけの仕様。

問題点

カードゲームとして「理不尽」の一言に尽きる
簡単すぎた前作とは間逆に、すべての要素がプレイヤーにとって不利に働くように改変された。圧倒的不利を楽しめるような調整をしているわけでもなく、単に手を抜いたのだろう。

  • デッキキャパシティが増えづらくデッキが非常に強化しにくい。
    • 初期レベルは72、デッキキャパシティは1600とやや高そうに見えるが。
  • 獲得ポイントは1回に3が最大、何度も戦える相手は1に減らされた。
    • レベルは前作同様、デッキキャパシティが3上がるごとにレベルが1上昇。しかしエンディングを迎えるにあたり無理なく稼げるのは400ポイント、130レベル前後が限界。
  • 本田相手に6時間頑張っても200戦が目一杯。たった一枚のカードを入れる渋さではない。
  • 通信対戦ならば勝利で10、敗北で5ポイント獲得できるのだが、他のプレイヤーを探すかソフトを2個用意しなければならない。
  • 通信環境が許すならトレードで無を送信しあい、デッキキャパシティを2ずつ増やす方が時間効率的にも良い。
  • スタグフレーションする金銭周り
    • 今作は双六の店「亀のゲーム屋」が買い物先。DDMでもかなり渋い価格設定になっていたのだが、スタッフは双六に何か恨みでもあったのだろうか?
  • カードの値段が前作の 10倍 に値上げされた。ワイトのようなバニラ、低レベルでも 640ドミノ
    • 獲得出来るドミノは本田クラスだと10ドミノも貰えず、強い相手でも800ドミノ前後が限界。つまり強敵相手に這々の体で1回勝利して買えるカードが ワイト1枚レベル
  • 在庫枚数により値段変動はするものの微弱、一方で買い取り価格は普通に下がる。
    • 買い取り価格は前作と同様に売値の20分の1。ぼったくり。
  • 魔法・罠カードは軒並みコストが上がり100で安い方。便利で汎用性のあるカードは200を超えることも。
  • 店に売られるカードは、全カードから完全にランダムなためお金を頑張って溜めても使えるカードが売っていないこともよくある。
  • パスワード入力ですら1000ドミノが必要。
    • 入力に失敗しても戻ってこない上、前作に存在したデッキキャパシティとドミノボーナスのパスワードは消滅。
  • 前作と同じで、入力しても店で買わなければいけない。高額で買う権利をお前にやろうと言われているようなもの。
  • 敵は前作に比べ格段にパワーアップしている。
    • レベッカのイベントデュエルが完全に初見殺し。
      • 注意したいのが「 負けイベントではなく 」、シナリオを進めると消滅してしまう事。
    • ゲームを初めたばかりで海馬コーポレーションに行くとイベントが発生するのだが、彼女のデッキはコスト4053、初期デッキでは太刀打ち出来ないレベル。
  • そんな彼女を筆頭に序盤から高コストの魔法カードを発動してきたり、前述のコスト999モンスターを3枚投入するデッキが対戦相手として押し寄せる。
    • プレイヤーはなかなかレベルが上がらず、新しいカードも買えないため、常に劣勢を強いられる。
  • 一方で伏せカードを警戒しないなど単純すぎる思考はゲームボーイの旧シリーズレベル。コンピューターの頭の悪さを圧倒的なカードパワーの差で埋めているようなもの。
  • ライフポイントが回復しないので、連戦の1戦目でライフポイントが底をつきかけており次の対戦で直接ダメージ魔法を喰らって瞬殺されてることも起きる。
    • これに対しライフポイント回復の入れる事も視野にいれたくなるが、
      まともに回復に使えるカードはコスト50でLP2000回復の《天使の生き血》、コスト100で5000回復の《治療の神 ディアン・ケト》くらいでほかは雀の涙。
      一回の攻撃で2000程度は持っていかれるため、敵を盤面から消す魔法・罠カードを入れたほうがいい。カードによってはモンスター除去の方がコストが低いこともある。
  • ストーリーが進むにつれ相手のデッキは凄まじい勢いでパワーアップし攻撃力1000~1500以上のモンスターが次々と出てくるが、こちらは四苦八苦な状態がずっと続く。
    さらに、地形が最初から相手のモンスターに有利なものになっているデュエルも日常茶飯事となる。
    • 魔族の傾向を把握し属性を固めるか、罠で生贄モンスターを確保し召喚するかぐらいしか対策がない。
  • 最終盤は攻撃力2000の下級モンスターがぞろぞろ出てくる他、初期LPが10000以上、投入制限を無視したデッキを使うなど堂々とルール違反をしてくる。
  • ラストバトルはよもやのLP20000とLP40000の連戦。相手のデッキコストは10000を越し、プレイヤーは1枚使うのがやっとの凶悪カードを次々に繰り出してくる。
    正面突破は無理に等しいので魔族相性で時間を稼ぎ、引き当てたラーの翼神竜を召喚するのがセオリー。
  • ただ後半戦は相手も神を投入しているため、ドローが事故ってまごついていると敗北必至。
  • 連戦で立て続けにラーを早く引き当てるのは難しく、ラーを引き当てたとて、ライフポイントを直接削る 火炎地獄 を打たれたり、相手がラーを召喚して倒されることも頻発する。
    何故開発はこれでいいと思ったのか。
+ ラスボス後半戦のデッキレシピ。これを見てもらえば本作の理不尽さの一端がわかるはず。
名前・枚数 コスト 効果
闇晦ましの城×3 493 守備力2500。フィールドを闇に変え、モンスターを伏せ(効果再利用可能)にする永続効果。OCGとは違い制限カードとなっている(違反)
闇魔界の覇王 331 攻撃力2600(OCGでは2000、ゲームでは原作と同じなので2600)。生け贄が1体必要で、同クラスのモンスター中最強の攻撃力を持つ
秒殺の暗殺者×3 319 攻撃力2000。OCGのデメリット効果はない
オベリスクの巨神兵 0 神のカード。攻撃力4000、相手モンスター全て破壊+4000ダメージ。初期ライフ8000なので、相手が回復してない限り、上記の闇晦ましの城と合わせてまた効果を使えば勝利確定。
オシリスの天空竜 0 神のカード。攻撃力4000+手札一枚につきさらに+1500。最高5枚なので、11500までアップする(永続)
ラーの翼神竜 (バトルモード) 0 神のカード。上述のように相手よりLPが多いと召喚時点で勝利確定
ブラッド・ヴォルス×3 289 攻撃力1900
サンダー・ボルト 150 相手モンスターをすべて破壊。制限カード
火炎地獄 100 相手LPに1000ダメージ。制限カード
光の護封剣×3 300 3ターン相手の攻撃を封じる(神のカードでも無効化できない)。制限カード(違反)
メカ・ハンター×3 274 攻撃力1850
ダーク・ヒーロー ゾンバイア×2 350 攻撃力2100。攻撃力を500下げる代わりに相手モンスターを1体破壊
死者蘇生 250 相手の墓地にいるモンスターを蘇生させて味方にする。制限カード
巨大化×2 200 モンスターの種類に関係なく使える強化カード(攻撃力・守備力500UP)。制限カード(違反)
ハーピィの羽根帚×2 100 相手のセットした魔法・罠カードをすべて除去。制限カード(違反)
女邪神ヌヴィア×3 319 攻撃力2000。OCGのデメリット効果はない
激流葬×3 200 相手が攻撃すると起動し、相手のモンスターを全滅させる罠。制限カード(違反)
心変わり×3 500 相手モンスター1体を奪って自分のものにする。制限カード(違反)
強欲な壺×3 150 カードを2枚ドロー。制限カード(違反)

※制限カードリストは本作独自のルールに基づく。ちなみに、初期フィールドは「闇」となっており、相手の殆どのモンスターはさらにパワーアップしている。

  • この最強の敵に勝つための方法は、攻略本曰く「神の高速召喚が鍵となる」。
    • 出せるまで運ゲーを繰り返せと言っているようにしか聞こえない。
    • 漫画版の「神のカード」のストーリーラインに沿ったシナリオで、神のカードを使ってもらいたいという気持ちは理解するが、 相手も同じ事をしてくるのでは意味がない
  • なおこのボス以外は三幻神が召喚できれば基本的には勝ちが決まる。
    負け筋はライフポイントを払った後に仕留めそこなって、ライフポイントに直接ダメージが入ることぐらい。
  • クリア後の「永遠の間」では闇遊戯や海馬、バクラらと戦えるがライフポイントが30000および60000とラスボス以上。
    • だが連戦で無い上、神のカードを召喚できれば勝率は飛躍的に高まる。
      倒せば大量のDCとドミノを入手できるため、クリア前に解放されていれば稼ぎに使えたのだが…。
  • 全体的に炎魔族が冷遇されている。後半戦での相性で有利な森魔族使いのデュエリストはほとんどおらず、逆に相性で不利な水魔族が多い。
    • OCGでも2023年に入るまでは収録数の少ないカテゴリーだったため、仕方のない不遇ではあるのだが。

お使いばかりのストーリー

世界各国が舞台になるなど物語のスケールは大きく、ボリュームは前作に比べると増えている。しかし、お使いイベントばかりで相変わらずの一本道。

  • 隣町まで出かけるような感覚で海外に渡航する。リアリティや世界滅亡の危機感はまるで無い。
    • 日本→イタリア→中国→カナダ→ガラパゴス→エジプトと世界を転戦するのはだいぶ違和感がある。
      おまけに海馬瀬戸ならいざ知らず、主人公ら一行他、羽蛾や骨塚などの面々も海外で遭遇する事になる。
  • 移動手段に加え、国を跨ぐ移動における金銭や時間的な感覚も全く考慮されていない。
    • 仲間や世界の危機が迫っていようともライフポイント回復の度に日本の自宅までいちいち帰ることも多い。せめて回復・セーブぐらいは渡航先で出来るようにしてほしかったところ。
  • 各千年アイテムを手に入れるには、その地方の「千年守護兵」というオリジナルキャラクターを倒す必要があるのだが、この千年守護兵はどういう設定なのかサッパリわからない。
  • 幕間で本田や御伽、杏子、静香らのサブストーリーが存在するが、本田の「サルロボ騒動」のイベントはキャラクターへの侮蔑に近い。
  • 本田が行方不明になり、双六の店から去っていったサル型ロボットを見て「本田がロボットに変えられてしまった」と思った主人公という導入から始まる。
    • もはやシナリオライターが人間の思考を無視してやる気がないとしか言えない。
  • なぜか「デュエルが一番弱いのが本田だ」と決めつける城之内。熱血直情型だがそこまで馬鹿ではないだろう。
    さらに城之内は一番弱いサルロボを連れ帰った後、みんなにこれが本田だと証明しようと「本田、俺のいうことがわかるなら3回鳴いてみろよ」と命令する。*3
    最後には「本物の本田が食事から帰ってきて、勘違いだと判明する」というもの。
  • ガラパゴスと日本を往復して登場するサブストーリーがこのレベルである。あまりに 程度が低い
  • これは最底辺だが、幕間は全体的に「世界が破滅しようとしているのに、こんな事してていいのか? 」と言いたくなるようなものばかりである。
  • 他のストーリーの演出やテキストは全体的には気合が入っておりコメディとしての体裁は成り立っている。
  • 世界各国といっても、1箇所につき2~3画面分のマップしかない。
    • 一般人の数やセリフが変化する回数も少ない。世界中を飛び回ったはずなのに、まだ「今日はデュエル特急(ゲーム序盤に挑むイベント)」と言っていたりする。
  • 中国、ガラパゴス諸島、エジプトには一般人すらいない。特に中国は無人になっていることのほうが多い。
  • 復活した悪のデュエリスト集団「ネオ・グールズ」の団員は前作のグールズ同様、倒しても画面を切り替えると復活する。
    • あるキャラクターに話しかけるたびに何度も登場したり、倒したそばから補充されるケースも。
  • ゲームシリーズ共通のオリジナルキャラクター「シモン・ムーラン」が本作でも登場するが、彼との戦いは6連戦になっており、本作でも屈指の難所となっている。帰ってきたファッ〇ン6
    • 彼に勝たないと《フェニックスモード》を解禁できないため神の御業には頼れないのが難易度に直結する。
  • 今作オリジナルの登場人物「天馬太陽」の手下である「天馬団」は緑色の体に赤いマント、「ガウーリニーガ」という鳴き声を発するなど、某キャラクターを意識したデザインである。
    • 天馬団団員は画面を切り替えると復活するうえ全員LPが10000。だが、こいつらとの2回目の連戦(迷宮兄弟前)のどちらのルートも1.2人目は、マップの不備でスルーできてしまう。
  • ストーリーでは仲間からそれぞれの主力カードを託されるが、 デッキキャパシティの制限から使えない事が多い
    • 一方で神のカードはコスト0であるため入手直後から問題なく投入できるのが唯一の救いか。
      • 神のカードの特別感を出す目的もあったと思われるが、これを他の貰えるカードにも適用して欲しかったところ。
  • ところどころに選択肢があるが、直後のセリフが変わるだけという内容も多く、意味のある選択肢が少ない。シナリオ上正しいほうを選ぶまでループする選択肢もいくつかある。
  • エンディング後にイシズから神のカードを返すかどうか問われるが、前作同様返さないと話が進まない。
    • エンディングを迎えてからのコンテニューはラストバトル直前からの再開となるため、永遠の間に神のカードを連れて行く事は可能。
  • 序盤のイベントで遊戯か城之内を選んでタッグデュエルをすることになるが、 双方がシングルデュエルを行うだけ。 相方に選んだ方がデュエル後に感想を言う程度の違いしかない。
    • 迷宮兄弟や闇と光の仮面も同様に選んだ方としか戦えず、もう一人は相方が倒すことになる。
      • ゲームデザイン的に倒してくれたほうが有り難いのだが。
  • イベントシーンの処理が稚拙。
    • 複数キャラが映っていても、一人ずつしか移動できない。人数の多いイベントシーンは無駄に時間がかかる。
      • 要するに「イベント中に複数のキャラを同時に動かすことができない
        上記のデュエル中の処理演出といい、ナンバリングが8まで進んでいる作品にしては技術力が致命的に欠けている。

評価点

  • 前作同様キャラクターの特徴はしっかり掴んでおり、喋り方がおかしい、このキャラクターはこんなことしないだろう、といったことはほとんどない
    • ただし、インセクター羽蛾だけはそのままの性格で出すのは少々問題があったためか、原作・アニメのような悪事は働かない上、語尾に「〜ひょ」と付けるキャラになっているのは違和感。*4
      扱い自体は悪くなく、ある後半のイベントからツンデレならぬ「ツンひょ」と呼ばれることも。 可愛くないのが残念だが
  • 原作漫画、アニメに登場したキャラクターがモブ扱いで多数登場。
    • 井守、海馬邸の執事、ストリートファイター等といった原作ではデュエルしていないキャラクターも採用。
      ゾンバイア花咲や「真崎杏子16歳!」で有名な《ペンギン・ナイトメア》はイベント化までされている。
    • アニメGXやOCGで登場して話題になった「カイバーマン」も本作が初出。ただし海馬の側近である磯野が扮している。
  • クリア後には乃亜やシャーディーともデュエルすることも可能である。
  • シャーディーは前回不在だったため2年ぶりの登場。
    OCG準拠でなければ「DM3」以来3年ぶりとなる。
  • 原作とアニメで差し替えで登場していた「死者の腹話術師」と「死の物真似師」が両方登場しているのは今作品のみ。
  • 井守は二戦目はセリフから闇井守になっていたりする原作要素も。
    • セリフ以外に違いがないので気づきづらいが。
  • 未OCGカードも多数収録。
    • 賢者ケイローンのようなOCGに先駆けたカードや、ペンギン・ナイトメア、ジャイアント・レックスなどオリジナルデザインのカード、
      精霊王ルクランバのようにアニメオリジナルでOCG化されていないカードも収録されている。
    • またキラー・パペットやタロンズ・オブ・シュリーレンなど、ゲームオリジナルカードが続投しているケースも。
  • ストーリーや雰囲気そのものはどちらかというと原作漫画に近いが、アニメDMオリジナルキャラやオリジナル設定をアレンジしつつうまく取り入れていたりするのも地味ながら悪くない。
    • ダイナソー竜崎やゴースト骨塚など明らかにアニメではなく原作準拠なキャラが多いことからもアニメDMがベースでないことはわかる。
  • EDも前作のあっさりしすぎたものとは打って変わって、それまで戦った一部のデュエリスト達のその後が描かれ、個別のストーリーだけはちゃんと作ろうとした気配がある。
    高難易度のこのゲームをクリアした時の達成感が感じられるだろう。
  • BGMは使い回されたものの、新しく追加されたもの。どちらも良BGMである。また、前作から流用されたBGMでもアレンジされている曲も存在。

総評

そうでなくても劣化したクソゲーの続編。
ヌル過ぎた上ボリューム不足だった前作で、それでもプレイヤー有利だった部分が軒並みオミットされたことで難易度だけが上昇し、別方向のクソゲーとなった。

強いカードが「ラーの翼神竜」以外ないも同然の中で相手が平然とルール違反をしてきたり、回復されないライフポイントで連戦が強制されるなど無理ゲーを終始強いられることに始まり、
カーソルがフィールドの全カードをチェックするという旧作にもあったテンポの悪さが復活。
とどめにデッキ強化も難易度が上がるなど、ユーザーに一方的に不利益を押し付けるシステムでプレイせざるをえない。

特に中盤からは相手は常に完璧な手札をしていると想定した上で行動せざるを得ず、こちらが最善の初期手札をしていて やっとスタートライン というヘイシーンも真っ青のゲームバランスで、
ユーザーのストレスは「付属カードのおまけ」で晴らされる内容では無くなってしまった。

心の拠り所としては原作である『遊☆戯☆王』が完結間近となりブームが去りつつあった時期に発売されたためか、知名度がやや低く被害者が相対的には少なかったのだけが唯一の救いか。
されど興味本位で今このゲームをやるぐらいなら、本家OCGや、遊戯王マスターデュエルという王道のカードゲームに興じるべきである。


余談

  • 次回以降のDMシリーズはナンバリングされなくなった。カードゲーム作品はOCGルールへ完全に移行したためと思われる。
  • 本作のラスボス《大邪神 レシェフ》は、本作の2年後にOCGカード化された。
    本作ほどの極悪な強さではないものの、相手モンスターのコントロールを奪える効果付きの儀式モンスターとなっている。
    • 「光属性・悪魔族」という当時のOCGにしては珍しい組み合わせを持った1枚でもある。このゲームを意識したのだろう。
    • また、PSPのタッグフォース1~3ではゴエモンデッキというコナミネタデッキ使いのキャラがデッキに入れている。
    • 海外でのみ放映されたアニメ版DMの番外編「Yu-Gi-Oh! Capsule Monsters」では、ラスボスが使用するモンスターの1体として登場した。
  • 神のカードの1枚《ラーの翼神竜》は、OCGカード化から数年後に《球体型 (スフィア・モード)》と《不死鳥 (ゴッドフェニックス)》としてOCG化され、本作同様に3形態別々のカードとして再現された。ただし、各形態の効果は本作とは全く異なる。
  • ゲームの本体こと付属カードのうち、評価されているのは《サテライト・キャノン》と《賢者の宝石》。
    • 予約限定カード《ブラック・マジシャンズ・ナイト》は《騎士の称号》の効果で特殊召喚に成功した場合のみフィールドのカード1枚を破壊するという微妙な効果で、《騎士の称号》も予約していないと死に札である。
      • 後に全て再録されている。
  • 海外では「Yu-Gi-Oh! Reshef of Destruction」の名称で発売されており、前作とセットにしたダブルパックも発売されている。テキストとボイスが英語になっている以外の違いはない模様。
  • 本作は、実は前作と話がつながっていない。前作では主人公が《オベリスクの巨神兵》の所有者になっており、海馬は手にしたことすら無い。だが、本作では海馬が原作やアニメ同様《オベリスク》を所持していた事があるということになっている。また、前作では《オベリスク》が最初に手に入る神のカードであったが、本作では最後に手に入るカードになる。

タグ:

V5mK473GRh
+ タグ編集
  • タグ:
  • V5mK473GRh

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月22日 18:38

*1 このゲームの仕様や、アニメなどの演出に影響を受け、レベル9を超えるモンスターの生贄は3体必要という勘違いが長らく存在していた

*2 例外として、《オベリスクの巨神兵》と《ラーの翼神竜 (フェニックスモード)》の効果で相手フィールドの神を破壊することはできる。また本作ではドラゴン族である《オシリスの天空龍》が《ドラゴン族・封印の壺》の効果を受けるといった穴もある。

*3 これは初期遊戯王で性格の悪い時代の城之内らしさはある

*4 原作では「ヒョヒョヒョー!」という独特な笑い方を見せているほか、驚く場面で「ヒョ?」と呟くこともあったため、それで良かったのでは