タスマニア物語
【たすまにあものがたり】
ジャンル
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アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売元
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ポニーキャニオン
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発売日
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1990年7月27日
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定価
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3,090円(税別)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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原作完全無視の羊頭狗肉ゲー バイ菌みたいなキャラ 少なすぎるBGM
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概要
タスマニア物語とは
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オーストラリアにある雄大なタスマニア島で、その美しい自然に生きる父と子の心の対話を描いた映画である。小学6年生の男の子、正一が主人公。脚本は倉本聰の弟子である金子成人、父親役の俳優は田中邦衛、北海道と同様にタスマニア島もラベンダーの産地…などといった要素から、言わば南半球版「北の国から」とも言える作品である。
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…が、後述するように本作は映画の再現どころか適当に名前を拝借しただけの別ゲーとなってしまった。
特徴
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本作は主人公の正一少年を操作して、追いかけてくる4匹の「タスマニア・デビル」をかわし、時には爆弾で気絶させたり真上から踏みつけながら、ステージ内の植物を全て消す事が目的という、映画とは全く関係の無い内容となっている。
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それもそのはず、本作は1984年頃に同じ発売元であるポニーキャニオンからPC-8801やMSXなどの8ビットパソコンでリリースされた「フルーツパニック」のキャラ替え移植である。しかも内容はそれから少し劣化している。
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一応、絶滅したといわれる「タスマニア・タイガー(フクロオオカミ)」を見つけ出すという目的はある。
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『マッピー』と『パックマン』を合わせたようなドットイート型のゲーム。
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十字キー+Aボタン(爆弾をセット)で正一少年を操作。マッピーのように階層があるフィールド、および左右の端にトランポリンがある。
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マッピーとは異なり固定画面であり一切スクロールしない。
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各階層の床には、サボテンなどステージに応じた植物がびっしりと生えており、パックマンのドットのように、正一少年が通過する事で刈り取ることができる。
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各階層には穴が空いており、マッピーと違い下の階層へ飛び降りることもできる。
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フィールド上のすべての植物を刈り取ることができればステージクリア。
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Aボタンで正一少年がいる場所に爆弾をセットする。
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爆弾は初期10個所持。1ミスで10個増える。ランダムに出現する菱形状のアイテムを取ることで1個増える。
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爆弾は爆発しないし、タスマニア・デビルが接触するかステージクリアまで消滅しない。さらに、画面上に同時に1つしか設置できない。
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正一少年が下にトランポリンがない穴から飛び降りて上からタスマニア・デビルを踏みつけるか、設置した爆弾とタスマニア・デビルが接触すると、それを一定時間気絶させることができる。
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正一少年とタスマニア・デビルが接触するか、正一少年がトランポリンを連続4回跳躍して突き破ってしまう(これもマッピーと同じ)と、正一少年がじたばたして消えてしまい1ミスとなる。
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マッピー同様、トランポリンのある穴に飛び乗る間、もしくは飛び降りる間は無敵となる。ただし、マッピーやフルーツパニックと異なり、トランポリンへの乗り降りの瞬間に飛び跳ねず、歩行アニメーションが止まるだけなのでタイミングが分かりづらい。
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正一少年の残機をすべて失うとゲームオーバー。コンティニュー機能は無し。
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2面おきにアイテムとして「動物」が設定されている。全部で5種類。
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この「動物」は2面以内に指定回数(2面ごとに1ずつ増加)のタスマニア・デビルを踏んで気絶させることで画面端に出現する。ちなみに爆弾での気絶はカウントされない。
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10面クリア時点で5種類の動物をすべて取得していれば、エンディングとなりゲーム終了。
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未達成の場合、何事もなかったかのように1面に戻る。
問題点
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主人公の正一少年のグラフィックは黒丸に目と口がつき手足が生えているというもの。また有袋類である「タスマニア・デビル」は大きな黒いバイキンとして描かれているなど、映画を一切反映していない。
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というか、タスマニア・デビルの造形は、フルーツパニックの敵キャラクター「ニャンキー」ほぼそのまんまである。顔がデビルっぽく凶悪な面になっている程度の違いしかないし、デビルってそういうことでもない。
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このゲームに登場するグラフィックは、サボテンやコアラ、OP・EDに登場するタスマニアタイガーなど、背景以外は何もかもすべて黒く塗りつぶされている。とにかく何もかもが黒い。
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正一少年の残り残機を示すマークに至っては、足が生えたパックマンのような絵になっている。これは実はフルーツパニックのそれとまったく一緒である。元々フルーツパニックをベタ移植するつもりだったもかもしれないが、それでもそのままにしたのは理解しがたい。
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段差から飛び降りた正一少年に踏まれたり、セットした爆弾に当たったタスマニア・デビルは一定時間気絶するが、当然ながらこんな事象は映画に一切存在しない。あってたまるか。
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エンディングが見る条件が「動物を5種類全部集める」であることは説明書をよく読まないと分からない。条件を満たさない場合は何の説明もなく1面に戻るので、エンディングがないループゲームと勘違いしてる人がいてもおかしくない。
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「踏みつけ○回で動物が出現」すること、踏みつけた回数と集めた動物の数は画面に表示されているが、特に後者は
JS
00
とぱっと見よく分からない表記である。(Jの下が踏んだ回数、Sの下が動物の種類)
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しかもその肝心のエンディングはタスマニアタイガーが右から左へゆっくり通過したあとにENDと表示されるだけであり、BGMもグラフィックも後述のOPデモの使い回しのみ。「ゲームオーバーの電源を切らないといけないバージョン」との説も。
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正一少年やタスマニア・デビルはマッピーのようにトランポリンでジャンプできるが、ジャンプ中は「1フレーム(1/60秒)ごとに左右の向きを変える」という、すごいのか雑なのかよく分からない、荒ぶったアニメーションをする。
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当時の液晶画面は応答速度が低いので、ぶれてしまいよくわからないが、スーパーゲームボーイなどではそれが可視化されるのでとても奇妙な動きとなる。
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ゲーム中のBGMはOPデモを除くと1種類のみ。
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しかも1ループが短い。『ゲームボーイクソゲー番付』の中で「短い不協和音」「陰鬱」という辛辣な評価を受けている。
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ステージを進めても変わるのは集めるべき植物のグラフィックとボーナスの動物ぐらいで非常に単調である。
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面クリア自体は、2種類ある難易度のうちSLOWモードであれば理不尽な難易度というわけではなく、敵を1カ所に集める、段差をうまく使う、というようにコツがつかめれば攻略できないことはない。
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しかし、もう一方の難易度であるFASTモードは、タスマニア・デビルの横移動速度が2倍(正一少年と同じ速度)になるだけなのだが、クリアは極めて困難なものとなる。
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タスマニア・デビルは常に正一少年のいる階層に来られるように合わせてくるし、正一少年とタスマニア・デビルがトランポリンから同時に降りるとミス確定、さらに上からの踏みつけも移動方向とタイミングが極めてが限定されるうえ、後半ステージでは袋小路の道があるため簡単に囲い込まれる。そもそも画面が狭い割に速すぎる。正一少年と同じ速度になった影響は計り知れない。
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それでいて、このゲームにはコンティニュー機能は存在しない。動物を集めるどころか、ステージを進めることすら困難である。
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同梱のはがきで応募者の中から抽選で100名にぬいぐるみが当たるというプレゼントもあったが、応募に必要なキーワードを知るにはFASTモードのエンディングを見なくてはならない。100人も達成者がいたのかは非常に怪しい。
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実はこのゲームには無敵コマンドの裏技が隠されているので、これを使えばクリアは可能 (タイトル画面からタスマニアタイガーの画面に切り替わるまでAボタンとBボタンを押し続ける。その後スタートボタンを押し、難易度選択画面で上を押しながらスタートボタン、続いて操作説明画面で下を押しながらスタートボタンを押す)。FASTモードをクリアする唯一の手段といっても過言ではない。開発者もこの裏技でしかクリアを確認していないのではないか。
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ちなみに、応募キーワードは「○ッ○゚○アイランド」の○を埋めよ、という問題であるが、答えはタスマニア州の別名 (島がりんごの形をしていることから「アップルアイランド」) なので、クリアしなくても知識で応募することは一応可能。
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FASTモードをクリアすると、エンディング画面の下に大きめの正一少年の顔と「おめでとう! タスマニアタイガーのいるこのしまは、別名「アップルアイランド」ともよばれています。」というメッセージが挿入される。それはいいとして、そのときの正一少年の顔がやはり とにかく黒い。服も黒い。しかも白髪である。実はこのグラフィックは、白黒反転させる (画面キャプチャの加工の他、スーパーゲームボーイでも可) ことでこのゲームにしてはまともにグラフィックに一変する。タスマニアタイガーが走っている画面やその背景も同様で、このゲームのグラフィックが全体的に黒いのは、なんらかの理由で、描かれたグラフィックがグラフィッカーの意図に反して白黒反転しているためではないかと推測される。
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タイトル画面は、起動後OPデモの前に1度だけ表示され、微妙に長い間がありスキップできないという謎仕様。
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OPデモでは、タスマニアタイガーが走っている絵と、「●タスマニアタイガーは背中に10数本のしまのある有袋類 現在でも森の奥深く、ひそかに生き続けているという…。」という何か続きがありそうなメッセージが表示される。
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しかしOPはこの1画面しかなく、ここまできたらタイトル画面は2度と表示されないし、他に何か画面があるわけもないので、いくら待ってもタスマニアタイガーが走り続けるだけで一切画面が切り替わらないという謎の中途半端仕様。
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ちなみに、ゲームオーバー後もタイトル画面ではなく、このOP画面に戻る。
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ゲームオーバー表示中も、タイトル画面同様に妙な待ち時間があり飛ばせない。
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なんとゲーム中は一切ポーズできない。ステージ開始前にボタンの押し待ちがあるのみである。
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もたもたしているとあっという間にゲームオーバーになる。
評価点
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オープニングのタスマニアタイガーのデモは当時としては良く出来ている。
総評
単調で高難易度なゲーム内容、デモ以外見るべきところのないグラフィックとまったく評価すべき点が見当たらない。
原作映画が急ごしらえで作られたことを考えると、そんな映画と同時期に発売されたこのゲームがそれ以上の急ごしらえであったことは想像に難くなく、それも非常に納得できる出来である。
余談
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原作の映画「タスマニア物語」は、当時の東宝配給映画ラインナップの穴を埋めるために急遽企画され、わずか1年足らずの急ごしらえで制作された映画である。
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もっとも、映画は興行的には25.2億円の配給収入を記録し、成功を収めている。これは1990年の邦画では2位となっている。
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ゲームOPで生息を仄めかされているタスマニアタイガーだが、実際にはこのゲームの出る50年前以上には主に人為的な原因により絶滅済みとされている。
最終更新:2021年09月11日 14:12