用語集/ジャンル/システム

この項目では、プレイ形態やゲームシステム上のジャンル区分(アクション、シューティング等)について解説。
共通する特定の性質によるジャンル区分(キャラゲー、運ゲー等)は、五十音索引に掲載。
新たに項目を作成したい場合は、必ず用語集スレへ相談して下さい。相談無く追加された項目は発見次第、削除します。

※注意事項は用語集を参照。



単一ジャンル

アクションゲーム(ACT)

キャラクターを操作して目的(ゴールへの到達や敵の撃破等)を達成することを目指すジャンル。

アクションゲームは大まかに2Dアクションと3Dアクションに分類できる。
平面的に表現された空間でアクションを行うのが2Dアクションであり*1、画面構成によってさらに横スクロール*2や俯瞰視点*3に分類される。
3Dアクションは3Dグラフィックで描かれた空間でキャラクターを操作する。
従って360度自由な方向に移動したり、2Dでは表現が難しい様々なアクションやギミックを描くことを可能にしている反面、操作や情報の把握が難しく2Dと比べると制作側・プレイヤー側共にハードルが高くなりがちである*4
アクションゲームに限らないことだが、2Dの場合は画面に1点1点、点(ドット)を打つことでキャラクターや背景を描画し、プログラムで連続表示させることでキャラを動かす。
だが、この手法は全ての動きのアニメーションパターンを1つずつ人間が描き起こす必要があり、解像度の向上や手間のかけ具合に応じて単純にグラフィックコストが増大する。
しかし、3Dであればモデルを作ってしまえばアニメーションの手間は大幅に省けるため、グラフィックのみを3D化し、2Dアクションのゲーム性や操作性をそのまま踏襲した、通称「2.5D」と言われるような作品も多い。
他の分類軸として、足場に穴や障害物や罠があり、飛び移ることが中心の「プラットフォームゲーム」と、足場が基本的に平地で、攻撃手段を以て敵を倒して進むことが中心の「ビートエムアップゲーム」という分類もある。

近年のゲームの複雑化、複合化に伴い、特に曖昧になっているジャンルでもある。
例えば従来であればシューティングゲーム(STG)は「射撃(飛び道具)がプレイヤーの主な攻撃手段であるアクションゲーム」がジャンルの定義だった。
だが、近年では「近接・射撃攻撃の両方がほぼ等しく重みを持っている作品」などが少なくないため、他のジャンルとの明確な区別は難しい。
広義では、「アクション性」がある=リアルタイムでのコントローラー入力を必要とするゲームはすべてアクションゲームであるとも言える。
コマンド式RPGやノベルゲーム等のアクション性のないゲームと区別し、大雑把にゲームの特性を判別する手段と言えるだろう。

なお、アナログゲームにおいては、論理的ギミックではなく、物理的ギミックでプレイされるものを「アクションゲーム」と呼ぶ*5が、当Wikiではこちらの意味で使われることはない。

格闘ゲーム(FTG)

データイーストの『空手道』を始祖とし、『ストリートファイターII』を皮切りにアーケード界に一斉に広まったアクションゲームの1ジャンル。
狭義には対人戦要素をメインとする「対戦型格闘ゲーム」を指し、CPU戦をメインとするものは「格闘アクション*6」の名称などのFTGよりACT扱いの物の方が多い。

基本的に1対1でパンチ・キック等の通常技や、レバー入力とボタンを組み合わせて出す必殺技を駆使して相手のライフを0にするか、時間内に多くのライフを奪えば勝ちとなる。
1991年にリリースされた『ストII』が歩き・しゃがみ・ジャンプなどの基本行動、強弱に分けられた攻撃、ガード、コマンド入力式の必殺技など現在まで続く格ゲーのスタンダードを確立。
個性豊かなキャラクターの数々で、見知らぬプレイヤーとでも直接腕を競い合えるというそれまでのゲームには無かった斬新なゲームデザインで爆発的なブームを巻き起こした。
そのブームに乗じて様々なメーカーが格ゲーを制作し、市場に投入。特にSNKは『ストII』に影響されながらも独自の味を持つ格ゲーを多くリリースし、カプコンと共に格ゲーブームを牽引する役を担っていく。
また、アーケードで人気の格ゲーが家庭用ゲーム機に移植されたことで、ブームはそちらにも波及。アニメ・漫画を題材とした格ゲーが多く作られるなど、ブームはゲーム業界全体に広がっていった。
さらには格ゲーを題材としたアニメ・漫画が制作されたり、現実の格闘技の人気にも大きく寄与するなど、このブームはゲーム業界の外にまで影響を与えた。
オペレーター(ゲーセン等の運営側)視点から見ても、それまでのゲームに比べてはるかに高い回転率のおかげでインカムが稼げるという利点があり、格ゲーブームであった1990年代では1つのゲーセンで5~10タイトルの対戦台が設置される、という光景も決して珍しいものではなかった。
しかし1990年代終盤になると、プレイヤーの技術向上とそれに伴うシステムの複雑化・高難度化(それに伴う新規ユーザー取り込みの軽視)、一部の悪質プレイヤーによる初心者狩り、音楽ゲーム等別ジャンルの繁栄などが原因で次第に新規や初心者~中級以下のライトユーザーが離れていきプレイヤー人口が減少。
ブームの一端を担っていたSNKの倒産*7なども加わり、格闘ゲームブームは急速に収束・衰退していった*8
加えて、この辺りからインターネットの普及により家庭用でもネットワーク対戦可能なゲームが増えてきており、後年は良質な回線が普及してきた頃からはアーケードでプレイする必要性が薄れてきたのもアーケード格闘ゲーム衰退の原因となった。
とはいえ、大会開催や公正なプレイ環境の提供*9などの意味合いではアーケードゲームとしての存在意義はあり、未だ根強い人気を持つ対戦ゲームジャンルとして、今なおアーケード・コンシューマー双方で新作がリリースされ続けている。
現在でも「システムの複雑化・高難度化」の傾向は強く「初心者お断りのマニア向けジャンル」というイメージが強い。
一方で、簡単な操作系統*10・練習用モードの搭載・ゆっくりとしたゲームスピード・キャラ萌え要素を取り入れるなど、初心者が入りやすい環境を整えている格ゲーも存在している。

格闘ゲームはゲームバランス、特にキャラ間のバランスが重要視される傾向にあり、個性やある程度の強弱はあれどどのキャラクターでも勝機を見出せる事が大前提となっている。
その他、必殺技を含め複数の攻撃を組み合わせた連続技は、製作メーカーが想定していなかったものをプレイヤー達が開発することが往々にしてあるだけに、他のジャンルと比べてバランス調整に神経を使うことを要求される。
こうしたプレイヤーの努力は「研究」と呼ばれ、研究が進むことによりシンプルと思われたゲームが実は高難易度と認識されるようになったり、クソゲーからある意味名作に化けるなんて場合もあり、当然ながらその逆も存在する。
ネットワーク対応が恒常化した現在はアップデートで随時バランス調整の入るケースも増えてきている。

現在の格闘ゲームは、システム面から「2D格闘」「3D格闘」に分けられるが、これは(システム面の文脈の場合)グラフィックが2Dドットか3DCGかは無関係。
2D格闘ゲームは『ストリートファイター』シリーズに代表される通り、2Dの横画面で、ファイターがジャンプや飛び道具など画面内を派手に動き回ることが多いという特徴がある。
一方3D格闘ゲームは『バーチャファイター』『鉄拳』シリーズを始めとした別の方向性で、画面の奥や手前に移動できる3D空間で戦い、近接での肉弾戦がメインのものが多い。
なお、システムが2D格闘ゲームでグラフィックが3Dの場合はアクションの項で紹介されているように「2.5D」と呼ばれることもある。

ちなみに、格闘ゲームの話題となると日本の作品に言及される傾向があるが、世界最大の格闘ゲームフランチャイズはアメリカのNetherRealm Studiosが手掛ける『Mortal Kombatであり、同シリーズの累計売上は8000万本を超えている。

ベルトスクロールアクション

アクションゲームの派生ジャンルの1つ。名前通りベルト状の奥行きのある2Dアクションで、左右どちらかの方向へ進んで行く。縦方向に進むゲームは狭義のベルトスクロールアクションには含めない。
横スクロールアクションのシステムを基本にしながら、格闘ゲームのような細かい攻撃の操作性を併せ持っているのが特徴。
「攻撃ボタン連打でコンビネーション攻撃が出せる」「体力を犠牲にして緊急回避技を出せる」「道中にあるオブジェを破壊して様々なアイテムを手に入れる」等が定番システム。

1980年代後半から90年代序盤にかけて、カプコン・コナミ・テクノスジャパン等が出していた。
当初テクノスジャパンが『熱血硬派くにおくん』『ダブルドラゴン』等でこのジャンルの土台を作り、後からこのジャンルに入り込んできたカプコンが『ファイナルファイト』を先頭に同ジャンルの良作を多く送り出してきたことで市民権を獲得。
しかし、他の2Dアクションゲームと同様に「上級者にワンコインで数十分粘られるとインカムがさっぱり稼げない → 序盤を難しくして回転率を上げようとするも初心者離れを起こす*11」「格闘ゲームブームの到来」等で先細りしていき、現在はCS機/PCのDL販売でリリースする方向にシフトしている*12

ハンティングアクション(狩りゲー)

モンスターハンター』シリーズに代表される、アクションゲームにおける派生ジャンルの1つ。
具体的には「TPS視点で自キャラを動かし、強敵を倒して武具の素材を収集 → それを使ってより強力な武具を生産、装備することで自キャラが成長 → より強い敵に挑んで素材を…(以下ループ)」となる、広義的なハクスラ要素を含むアクションRPGの事。
いわゆるボス戦に特化した内容で、雑魚戦やマップ構成はあまり重視されない。
魅力的なマップや雑魚の存在は世界観に深みを出す上で重要な一方で、戦いづらいマップ構成や鬱陶しい雑魚は面倒な要素として批判されがち。
通信機能を活用して他のプレイヤーと共闘することが可能なタイトルが多く、コミュニケーションツールとしても非常に優秀なので、携帯ゲーム機の発達とともに台頭していった。
そもそものゲームデザインが「やり込み」というストイックさ、かつては非常にシビアなバランスだった『モンスターハンター』シリーズ*13の影響が強い。
そのためか、他のシリーズも難易度が3Dアクションゲームでは高めの作品が多く、シリーズを追うごとに進む難易度インフレも少々問題視されてきた。
また協力プレイを前提とした調整が施されている、いわゆるオンラインゲーム・ネトゲー志向の作品が多く、一人でのプレイには高難易度や長時間の戦闘による敷居の高さに輪をかけたハンデが付きがち。
その為、近年はNPCとの疑似協力プレイが可能になっている作品が増えている。
様々な事情で協力プレイができないユーザーもいるので、それを考慮しない作品やシステムは槍玉に挙がりやすい。

『モンハン』シリーズは元々は『ファンタシースターオンライン』に影響を受けたPS2の作品から始まったのだが、PSPで発売された『モンスターハンターポータブル 2nd』がミリオンヒットを達成したことを基点として知名度が大きく上昇。
その数年後から同シリーズなどに影響を受けた他のメーカーによる「狩りゲー」の追従作が多く現れ始め、『GOD EATER』や『討鬼伝』のように、シリーズ化やメディアミックスも果たした人気作品も登場した。
各社からも意欲作は度々登場しているものの、武器種や敵の強さといったバランス調整の難しさ故か、このジャンルにおけるゲームはノウハウと知名度のある『モンハン』シリーズが寡占状態となっている。

ワイヤーアクション

アクションゲームの要素のひとつ。その名を示す通り、ワイヤーロープの物理的原理をアクション要素に応用したものである。
またの名をロープアクション、ラバーリングアクションとも。
基本的にモノにひっかけて登ったり、振子状態になってぶらぶらして飛び移る等といったものが基本。
それから更に連続アクションを起こすことも可能で、爽快感があるのが特徴である。
通常のアクションと違って癖の強い代物であるために、これをメインとする作品はその原理や性質をよく理解していなければプレイが困難なものも多い。

コナミの『ロックンロープ』が元祖であり、その作者がカプコンに移籍して作った『ヒットラーの復活 TOP SECRET』で実装が定着。
それ以後、ワイヤーアクションの要素を含んだゲームが度々登場し、敵の装備をはがす・物をつかむ(主に『ミッキーのマジカルアドベンチャー』『スーパーメトロイド』以降)、8方向ショット(『海腹川背』)と言った要素が生み出される。
近年の3Dアクションゲームでも『ゴッド・オブ・ウォー』等、副次的な要素として採用されている事が増えたため、ゲームジャンルとして扱われる事は大きく減っている。

プラットフォーマー

空中に浮いた足場(プラットフォーム)などの間をジャンプで渡っていくアクションゲーム。
2Dサイドビューアクションで登場し、3Dになっても『Haydee』など、プラットフォーマーとしか言いようのないアクションゲームが存在する。

音楽ゲーム

「音ゲー」の略称で知られる、リズムや音楽に合わせてコントローラーを操作することで進めていくアクションゲームの総称。
一般的に、プレイヤーのアクションがリズムに合っているほど得点が加算されていき、曲の終了時にその得点などが一定値を超えていればクリアとなる。あまりにもリズムが外れている場合は途中でプレイを中断させられてしまうものもある。
ルールが単純なため、単体のゲームとして発売されるほかに、他ジャンルのゲーム内のミニゲームとして入れられているは場合も多い。
また、原則一人用であるほか、難易度を幅広く用意することも可能であるため、初心者でもプレイしやすく、上級者でも幅広く対応可能な点から、比較的制作が容易な割にボリュームを増やしやすいジャンルと言える。

1990年代後半、PS『パラッパラッパー』やAC『beatmania』の人気によりメジャーとなったジャンルで、特に『beatmania』を祖とするKONAMIの『BEMANI』シリーズがゲームセンターを"制圧"して隆盛を極め、格闘ゲームに次ぐアーケードのメインストリームとなった。
しかしかつてのSTGや格闘ゲームのように次第にシステムの複雑化や高難度化が進み、ライト層が離れることによる衰退が問題となり始める。

2000年代に入るとファミリー層向けにシステムを単純化したナムコの『太鼓の達人』がヒットし、それを皮切りにジャンルとしての人気・活気が徐々に盛り返されていくことになる。
しかし、そうした作品の中においてさえ難易度インフレは目立ち始め、さらにネットワークの発達により各々の成績が目に見える形になり、過去以上にプレイヤー間の空気も難易度も先鋭化する事となった。
とりわけネットワーク部分に関してはカードシステムと共に功罪となり、コンテンツの入手や店舗への筐体・ネットワークシステムそのものの導入など、プレイヤー、オペレーター側双方に経済負担増という新たな問題も招く。

その後、2009年に登場したユーザー参加型ネットメディアを主軸としたセガ『初音ミク -Project DIVA-』等を皮切りに、家庭用・アーケード問わず独自の要素を持つものやビジュアル面を強化したものなどが様々な企業から次々に登場。
コナミの保有する音楽ゲームに関する基本的な特許の保護期間がようやく満了したことに伴い、現状は新作ラッシュを迎えている。
「音楽・映像・入力すべてのタイミングがシンクロしていることが絶対条件(=処理落ちやラグがあってはならない)」「家庭用機やPCでコントローラーや音響面周りの環境を整えようとすると高額になることが必至」「ギャラリーに自分のプレイを見せつけることが目的であり快感」等の理由により、アーケード業界自体が衰退しつつある現在でも、あくまでアーケード本位として存続を続けているジャンルである。家庭用機やスマートフォンアプリからアーケード化され、それが市場の一角を担うシリーズへと成長した作品も。

アドベンチャー(ADV)

画面内にいる人物と会話したり、ある物を調べたりしてフラグを立て、ストーリーを進行させていくタイプのゲームをこう呼ぶことが多い。
ジャンル名は同タイプの始祖作のタイトルが『Adventure』であったことの名残である。
システムの都合上、推理モノとの相性が良く、80年代から90年代は数多くの推理モノの作品が発売された。
「ゲーム」として作る為に色々なシステムが模索され、意外性のあるシステムを組み込んだりして評価を得ることもあるのだが、今では快適なプレイが第一とされることが多い*14
近年では「アドベンチャーゲーム」というジャンルで発売されるものは、キャラクターを実際に操作して画面内のオブジェクトを探索するタイプのものが主流である。
だが、本Wikiではそれを「アクションADV」として独立した別ジャンルに分けている(それについてはこのページ下方の複合ジャンルの節を参照)。
この項目で言うところの「アドベンチャーゲーム」は『Adventure』の特徴であった「プレイアブルキャラクターを直接動かすという操作方法を用いずにゲームを進行させるシステムをもったもの」である。

体力や所持金などのパラメーターがあると、ほぼADVでもSLGやRPGに分類されていることもある。

一方、『Adventure』からの歴史と関係なく、そのまま「冒険」の意味で、「◯◯アドベンチャーゲーム」と名乗っているケースもある。
この場合◯◯部分がゲームシステムを指し、ADVゲームとは本質的には無関係なことがあるので混同しないようにしたい。

コマンド入力式ADV

自分の置かれた状況が説明され、それに対し動詞+名詞の組み合わせによりコマンドを直接入力して話を進めるタイプのゲーム。
そのシステム上、キーボードで容易に文字入力できるPCでの操作が前提となる。

黎明期の頃は完全に文字のみで進む「テキストアドベンチャー」作品がほとんど、且つプレイヤーにも相応の想像力が要求され、理不尽なゲームも珍しくなかった。
その後1980年にアメリカのシエラオンライン社が発売した「ミステリーハウス」で初めてグラフィック表示が取り入れられ、これがグラフィック表示の伴う「グラフィックアドベンチャー」の先駆作となった*15
この時代のコマンド入力式ゲームは「単語探しゲーム」とも言われており、シナリオはおまけで先へ進む単語を探すことだけに重きを置いているゲームも多かった。
有名なのが『デゼニランド』における「棺桶に十字架を"嵌める"」シーンで、「やる事は判っているのに正解が判らない*16」と言うプレイヤーが続出した。

このシステムの利点は「プレイヤーが行いたいと思った事を直接行動に反映させやすい事」「隠しコマンドを用意しやすい事」だが、前者を満たす為には膨大な辞書が必要になり*17、後者も発見されないまま終わって無駄になりやすい。
ADVの黎明期にはかなりのゲームが作られたが、「単語探しゲーム」を解消できないまま色々な方式のADVが増えていってしまった。
今では『Steins;Gate 変移空間のオクテット』のような「あえて昔風に作った物」か、「文字入力をどうしても組み込みたかった物」でもなければ作られることはなくなっている。

コマンド選択式ADV

オホーツクに消ゆ』で初めて取り入れられた方式で、「話す」→「人物名」のように既定のコマンドから行動を選択してゲームを進めていく。
ADV自体がシナリオ重視のゲームへと移り変わっていった結果、コマンド入力式のように単語探しでイラつかずに済むこと、そもそもキーボードを持たない家庭用ゲーム機ではコマンド入力自体が非現実的なこと*18、から主流となった。
ただしコマンド探しに費やす時間が無くなった分プレイ時間も短くなることと、単語探しのようにその要素自体をゲームの目的にできないため、文章の量も求められるようになっていった。

またプレイヤーの介入できる行動の幅が非常に狭い事が目に見える為、「遊ぶ」よりも「読む」という形になった。
この対策としてコマンド入力回数に制限を設けたり、「J.B.ハロルドシリーズ」のように選択可能なコマンドを膨大に用意したりする事でゲーム性が維持されてきた。
対策の中には『オホーツクに消ゆ』のように評判の悪いもの*19も存在する。

対策の一端であるコマンドの増加ではコマンド入力方式の隠しコマンドのような「遊び」を挿入しやすい。
菅野ひろゆきや蛭田昌人等うまく利用しているクリエイターもいたが、一方で不要なコマンドの際に「手間や退屈な文章が大量に増えるだけ」というゲーム性維持の為に退屈さを増す本末転倒なゲームも多かった。

「シナリオを読ませる」事に関して言えば下記ノベル形式の方が向いている事もあってこの形式も減っていったが、「自分で捜査する」感覚をプレイヤーに与えやすいことから主に推理ゲームにおいて今でも根強く残っている。

ノベル形式

コンシューマーゲームでは『弟切草』を始祖とする形式で、普段は小説のように読み進めていき、分岐が必要な時のみ選択肢を選ぶシステム(選択肢そのものを演出として使うこともある)で、紙の本でいうところの「ゲームブック」のデジタル版のようなもの。
単に選択肢によって物語の流れが変わるだけというものもあれば、クリア回数に応じて物語が「増える」ギミックがあったり、プレイを繰り返すと選択肢自体が変化していくなど、独自のシステムを持つ作品も数多い。
物語の内容さえよければシステムに大きく凝らなくても不興を買いにくいため、小規模なメーカーが多い美少女ゲーム市場では2000年代からはこの形式が主流となった。

ジャンル名としてはチュンソフトの「サウンドノベル」や、Leafの「ビジュアルノベル」が著名。
商標登録されているが、同人ノベルゲーム等ではこれらの表記が使われるケースもあり、後者はSteamのタグ等で使われている。

独自のジャンル名(あいとゆうきのおとぎばなし等)を除けば「ADV」表記が一般的。

ポイント&クリック形式

PCのマウスを活かし、画面中の人物をクリックして会話したり、物品をクリックして調べたり入手したりしてゲームを進める形式。
コマンド選択式よりはゲーム性があり、コマンド入力式と違いグラフィカルな表現方法のおかげで遊びやすさも残したそれらの中間のような形である。
しかし「タッチする場所によってメッセージを変えないと変化の少ない単調なゲームになりやすい」「その為にメッセージを多数用意するのも大変」「タッチ範囲の指定次第ではゲーム難易度が非常に高くなる」などの問題があった。
特に正解のクリック箇所の範囲が狭いゲームは「pixel hunt」として嫌われる。

さらに、コマンド選択式に寄せた「数を絞ったクリック箇所を画面内に表示する」等、遊びやすくする為の配慮のされたゲームも存在するが、それでも結局、コマンド入力式同様に遊びづらさの面でこの形式は衰退していった。
しかし「プレイヤーの気になる個所を直接的に調べられる」という明確な強みもあり、ゲーム内の一要素としては今でも使われることが多い。

部屋からの脱出に特化した「脱出ゲーム」や、ブラウザゲームに多い「探す」ことを主軸にした「アイテム探しゲーム(非表示のオブジェクト)」など、Webブラウザが浸透したことでこの形式を主軸にしたゲームも再び流行した。
さらに、現在はスマホの「画面をタッチする」という基本操作にもマッチしている事からスマホゲームにおいても今も作られ続けている。

脱出ゲーム

アドベンチャーゲームの一種。プレイヤーは「密室に閉じ込められた」という設定でそこからの脱出を目指す。
部屋の中から手がかりやアイテムを探し出し、それを使用・活用して新たな手掛かりや鍵を手に入れていくことがゲームの基本。また、多くの作品では暗号やパズルといった謎解き要素を織り交ぜている。
頭を使う以外にはクリック操作が主体であり、広義ではクリックアドベンチャーの一種となる。
フラグなどの構造がシンプルなので、当時のブラウザコンテンツで使用されていたFlashなどでもゲームを作りやすく、無料でお手軽に楽しめるブラウザゲームが数多く発表されている。

ジャンルを有名にしたのは、2004年発表のブラウザゲーム『クリムゾン・ルーム』で、当時はストーリー性がなく展開としては「いきなり見知らぬ密室からスタートし、脱出したら即終了」というものが珍しくなかった。
その後、'00年代後半あたりで携帯機中心にリリースされた商業作品では、一般的なADVと同様にキャラクターや物語を設定したものが出てきている。
ちなみに、世界初のグラフィック付きADV『ミステリーハウス (1980年)』も、設定の骨格は「謎の屋敷からの脱出」でストーリー性は無く、脱出ゲームと性質が似ている。
脱出ゲーム自体は2000年以降に流行ったジャンルだが、コンセプトや手法などは古くからあるゲームそのもので本質はむしろ古典への原点回帰的な部類に入るゲームだった。

ゲームの大部分をランダム要素がなくテクニックも不要な探索と謎解きが占め、ネタがばれていると面白みが少ないことからリプレイ性に欠けていることが最大の弱点。
有料の商業作品ともなれば解決策や緩和策を用意していたりもするが、中には室内に即死トラップなどを仕込んで難度を尖らせ延命を図っているものもある。こうした発想もまたどこか古典的。

この独特のシチュエーションやゲーム性は、映画界では『CUBE』『SAW』等が比較的早い段階で映像化している。また2000年代後半からは現実に脱出ゲームを体験できる大規模なイベントや、同様のテレビ番組なども企画・制作されている。

アクション性やリプレイ性が無いため、現在ではアナログゲームとして運営されるのが主流である。イベント毎に作り直すこともまた容易である*20為、規模の割に水増しすることや使い捨てることが容易なので、イベントとして好まれている。
イベントの内容によって、商店街(地下街)やそれ以上の範囲からキーワードやスタンプを収集する広域タイプと、特設会場を用いた演出重視の密室タイプに分類できる。前者は一般参加懸賞型、後者はTV番組などの参加者限定型や特設会場への入場料を取る有償型が多い。

hidden object game

背景に隠されたアイテムを見つけ出してクリックし、規定数収集することでゲームが進行するタイプのADV。
ブラウザゲームでは根強い人気があり、買い切り型のものもSteamなどで販売されている。
かつてはSteamで「hidden object game」の和訳として「非表示のオブジェクト」という、やや間違った訳*21が使用されていたが、2021年頃から「探しもの」と訳されている。

イマーシブシム

Wolfenstein 3D』の大ヒットによって一人称視点ゲームが「カジュアルに銃撃戦を楽しむ"FPS"」として定義される前の「難しい一人称視点ゲーム」を源流とするジャンル。直訳すれば「没入型シミュレーションゲーム」といったところ。
定義は曖昧なところがあり明確な基準は存在しないが、大まかに言えば「一人称視点の没入感を生かし、ただ銃撃戦をするだけでなくプレイヤーに様々な選択肢を用意する自由度の高いFPS」といったもの。
このため一言に「イマーシブシム」と言ってもTRPGのような個別パラメータによる育成やポイントクリックADVのような展開が変化する複数選択肢、平和から暴力まで複数用意された解決方法など様々な要因を含めている。
代表的なものとして、TRPGの自由度を色濃く受け継ぐ『Ultima:underworld (1992)』『The Elder Scrolls: Arena (1994)』に、あらゆる要素を作りこむことで没入感の向上を図った『System Shock (1994)』や、パラメータ調整によるプレイスタイル変化を狙った『System Shock 2 (1999)』と、任務を達成可能な手段を増やすことで自由度を高めた『Thief (1998)』『Deus Ex (2000)』『HITMAN 2: Silent Assassin (2002)』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (2017)』に加え、採った手段によって根本的なストーリーすらも変化する『Fallout: New Vegas (2010)』『Fallout 4 (2015)』『The Outer Worlds (2019)』等が存在する。

手段を複数用意するということは操作体系が複雑になりがち・推奨しない行動をすると難易度が高くなりがちであり、また自由度を高くするためにはあらゆるプレイヤーの動作を想定して作り込まなくてはならない。
このためプレイヤー・開発側ともに敬遠されがちであり、90年代後半のFPSジャンルの台頭後はその陰に隠れて評価されず、一時期は死に絶えたジャンルとも揶揄されるものであった。
しかし、幾多のゲームを経てFPSを快適に遊べる直感的な操作体系(フリーエイム・WASDやツインアナログスティックなど)が確立され、また大手ゲーム開発会社がオープンワールドジャンルの普及と共に「自由度」を謳い文句に大規模予算を注ぎ込んだイマーシブシムの製作を試みるようになった(近年では『サイバーパンク2077 (2020)』等)ことで、現在は再興の兆しが見え始めている。

シネマティックプラットフォーム

プレイヤーのジャンプ動作やダッシュに予備動作や慣性といった現実的な制限を設け、シネマティック、即ち映画的なゲーム演出を可能とするジャンル。
スーパーマリオブラザーズ (1985)』によってプラットフォーム(横スクロール)がシビアでなくより娯楽的(高いところから落ちても死なない・高く、操作できるジャンプ・機敏な移動)になった際にそれらとそれ以前を区分するために初めて普及した概念である。
代表的なものとしては『プリンス オブ ペルシャ (1989)』『Outer World (1991)』『Flashback (1992)』『Deadlight (2012)』『ASSASSIN'S CREED CHRONICLES: CHINA (2015)』等が存在する。
現在ではそのほとんどが『プリンス オブ ペルシャ』に準拠したゲームデザインとなっており、実質的なペルシャライクとも言い表せるジャンルである。
プレイヤーの機動性、体力ともに現実的な調整であることが多く、転落やトラップによる死亡も多いため難易度は平均しても非常に高い。
その反面、アスレチックやパズル要素について操作のパターン化が容易であることも重視されており、如何に正しい行動パターンを構築し実行できるかが試される上級者向けのジャンルとなっている。

敷居が高いため2Dプラットフォームの減少と共に廃れていったが、「動作や耐久力は現実的だが、計算ずくのアクションが可能な探検ゲーム」という概念は3Dゲーム普及後も『トゥームレイダース (1997)』や『Indiana Jones and the Infernal Machine (1999)』といった3Dアスレチックタイトルに受け継がれていった。

ウォーキングシミュレーター

アドベンチャーゲームの一種。初出は『Gone Home』の宣伝文句から。
ウォーキング=散歩の名の通り、無人のフィールドでナレーターの声を聞いたりボイスログや日記を取得するなどして世界を調べていくなど、環境ストーリーテリングの手法で物語を語る。
戦闘などの要素はなく、攻略するというよりは雰囲気を味わう趣きが強く、雰囲気ゲーと要素が近い。

言ってみればFPSやRPGやサバイバルホラーの探索パートだけ抜き出したような作品であり、様々なジャンルの作品にも要素を見出すことができる。
例えば『Portal』や『THE WITNESS』は「パズルゲーム」だが、ナレーションで進行したり過去のストーリーを解き明かすなど、「ウォーキングシミュレーター的手法」を使用している。

インタラクティブ・ムービー

「Interactive(双方向) movie(動画)」の通り、「触れられる動画」のこと。
ノベル形式が「小説ゲーム」だとすると、こちらは「動画ゲーム」と言える。
プレイヤーは映像を眺めながら選択肢やQTEなどで介入し、物語を見届ける。

特に実写の採用などで取り込み動画が多いゲームは「FMV (Full-Motion Video)」ゲームと呼称されることもある。
BDプレイヤーなどのメディアプレーヤーで再生可能なゲームとしても存在し、そちらは「プレイヤーズゲーム」と呼称される。
LDゲームはインタラクティブ・ムービーの祖先と言えるだろう。
視聴者が介入できるシステムを持つ映像「インタラクティブ・シネマ(ドラマ)」も、ゲームと動画の中間としては近い概念だろう。

映像としての趣が強いため、ゲーム市場では活発に語られるジャンルではない。
しかし、ゲーム媒体がムービーを扱えるようになった時代から実験的作品としてこのジャンルは存在していた。
3D技術の発展や大容量化など進化の恩恵も受けており、2020年代以降でも根強い供給がある。

  • 家庭用ゲームにおける先駆的作品として有名なゲーム……『Dの食卓

クイズゲーム(QIZ)

クイズの問題が出題され、プレイヤーがそれに解答していくことで進行するタイプのゲーム。
提示される2~4つの選択肢から回答を選ぶ形式であり、一定回数の誤答や時間切れでゲームオーバーになるライフ制が主流であった。

日本では少なくとも1980年代前半にはアーケード作品が存在したが、契機となったのは『アドベンチャークイズ カプコンワールド』(1989年)のヒット。
この頃はTVでも『アメリカ横断ウルトラクイズ』『アタック25』を始めとした早押しクイズ番組の人気全盛期であり、その流れでクイズゲームもアーケード業界で一定の勢力となる。
家族や友人をギャラリーとして連れて来れば、彼らの知識という援護射撃でプレイ時間を延ばせるのも他ジャンルに無い特徴だろう。
また家庭用機においても、クイズ番組を元にした作品が多数リリースされた。

しかし「新作が出ても演出が違うだけで、ゲーム性を代わり映えさせようがない」「やり込むと同じ問題を見かけるようになる*22」「プレイヤーにとって詳しくない分野の問題が連続すると、瞬く間に100円がパーになる」等の問題が目立ち始め、対戦格闘ブームの煽りもありこのジャンルは暗中模索する時期が続いた。

  • 1990年代のクイズ作品例
    • クイズ殿様の野望』: 主人公を特殊能力の異なる8人の戦国大名から選び、38国全ての統一を目指す。
    • クイズなないろDREAMS 虹色町の奇跡』: 『ときメモ』ブームを受け、7人の女の子との触れ合いを描いたストーリーが進行する。
    • 『子育てクイズマイエンジェル』: 女の子の育成要素を加え、正答したジャンルの傾向によって女の子の育ち方が変わる。

その後インターネット回線の普及により、「最新の時事問題などを素早く配信」「全国のプレイヤーとのオンライン対戦が基本で、ライフ制は廃止」「タッチパネルを用いた択一形式以外の問題も出題」「魅力的なキャラクター達」といった形で前述の問題を解消した『クイズマジックアカデミー(QMA)』(2003年)がヒット。
ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』(2007-2015年)と共に同ジャンルを牽引した。
後者のサービス終了後は、『QMA』シリーズのほぼ独壇場となっている。

シミュレーションゲーム(SLG)

想定した事象を擬似的に追体験するゲーム。よく間違えられるが「シュミレーション」ではない*23*24
黎明期に大ヒットとなった『信長の野望』から「SLG=戦争物」という概念が強いが、今では戦争の他に・経営・育成・スポーツ、恋愛体験等多岐に渡る。

戦略シミュレーションゲームの基本システムは、ターン制とリアルタイム制の2系統に大別される。
ターン制はコンピューター側とプレイヤー側がかわるがわる順番に行動を決定する。自分のターンで全ての行動を決定し、状況も一定したテンポで変わっていくので、理解しやすくプレイもしやすいものである。
狭義のSLG(SLW)であり、RPG同様に元々はアナログのボードゲームだった。実際人気シリーズの初期作もそれに倣った作りであるものが多い。
後者については「リアルタイムストラテジー」の項目で解説する。
また「通常時はリアルタイム制だが、敵との交戦時など特定の状況では時間の流れが止まる」といった「半RTS」と呼べるようなタイトルもある。

  • 戦争を題材としたタイトルの例……『大戦略』シリーズ、『信長の野望』シリーズ、『Hearts of Iron』シリーズ、『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ等
  • 経営を題材としたタイトルの例……『シムシティ』シリーズ、『Railway Empire』『Prison Architect』『Project Hospital』『The Tower』『RollerCoaster Tycoon』シリーズ等
  • 育成を題材としたタイトルの例……『ダービースタリオン』シリーズ、『プリンセスメーカー』シリーズ等
  • スポーツを題材としたタイトルの例……『ベストプレープロ野球』『Football Manager』シリーズ等
  • 恋愛を題材としたタイトルの例……これについては「恋愛シミュレーション」の項目を参照。
  • 「半RTS」と呼べるようなタイトル……『伝説のオウガバトル』『半熟英雄』シリーズ等

4X

「"eXplore(探検)"・"eXpand(拡張)"・"eXploit(開発)"・"eXterminate(殲滅)" 」の4つの性質を兼ね備えたストラテジーゲームのこと。
1993年の米誌Computer Gaming Worldにて、Alan Emrichが『Master of Orion』を紹介する際に用いたのが初出とされている。

  • 主な4X作品の例……『Sid Meier's Civilization』シリーズ、『Master of Orion』シリーズ、『Endless Space』『Stellaris』など

リアルタイムストラテジー(RTS)

リアルタイム制を採っている戦略シミュレーションを指す呼称。ここでは「時間経過の概念がリアルタイムでターン制でない戦略・戦術系SLG」全般を指す。
1vs1の対人戦に特化した造りの作品が多い。起源は『アート・オブ・ウォー』(1984年)と言われている。
当初は要求されるマシン性能の高さなどがボトルネックとなり広がりに限度があったが、1990年代後半にマシン性能も上がり、インターネット環境が整いつつある時期に後述するタイトル群が発売され、FPSと共にPCゲームの主流となっていった。

それでも勝つためには格闘ゲーム同様に知識と経験が求められるのはもちろんだが、PCゲームではさらに所有するマシンの性能の高さも求められるというケースが多かった。
例えばいくらプレイヤースキルで勝っていても、パソコンのスペックが低すぎて動作に支障が出たりラグが出るようでは勝利はおぼつかない。

制作側とプレイヤー側双方に要求されるハードルの高さ故か、日本ではあまり人気がないジャンル。
前述の「半RTS」の作品や、1Pアクション重視の『無双シリーズ』に加え、TCAG系タイトルの『WCCF』『三国志大戦』等、RTS要素を取り入れた複合ジャンルにはヒット作もあるのだが、
対戦格闘アクションと融合した『ギルティギア2』を含む純粋なRTSタイトルについてはマイナーゲーの域は出ていない。

  • 主なRTSのタイトルの例……『エイジオブエンパイア』シリーズ、『ウォークラフト』シリーズ等

マルチプレイオンラインバトルアリーナ(MOBA)

RTSのサブジャンルのひとつ。複数のキャラ・軍団等を同時操作するRTSとは違い、プレイヤー1名ずつが1体ずつのキャラを操って戦う。
その分、キャラは多彩な攻撃手段や特殊アクションが可能であり、RPGのようにスキルを習得して強化成長していく要素が重視されている。
操作方法自体は、1人のキャラを操る一般的なアクションゲームと大差なく、その意味ではとっつきやすい。
しかしながら、敵陣に侵攻する前段階として自キャラを成長させたり、パワーを貯めてMOB(味方NPC)を生産したり、マップ上に点在する拠点を破壊・防衛したりといった戦略的な要素も重要となっている。

複数プレイヤーvs複数プレイヤーのチーム戦が主体なので、味方同士でうまく連携して勝利したときの爽快感は大きな魅力となる。
しかし一方で、連携がうまく取れなかったり、味方チーム内に下手なプレイヤーがいたせいで負けたりした場合は、敵よりむしろ味方にヘイトが向く場合もあり、ギスギスを招きやすいゲーム形式でもある。
また、メジャー作品の多くは海外製であり、ユーザーの風潮などもそちら譲りというケースが多く、これもユーザー間トラブルや不快感の温床となりがちである。

MOBAの嚆矢は、『StarCraft』に収録されたマップ「Aeon of Strife」と言われている。
このマップでは資源収集などの要素は割愛され、プレイヤーは1体だけの軍事ユニットを操って敵施設を攻撃する。これが好評だったためか、後発のRTSのほとんどに、このタイプのマップが収録された。
そして、最初からこのスタイルのゲームとしてデザインされ、MOBAを一躍人気ジャンルに押し上げたのが『Defense of the Ancients (通称DotA)』である。
大ヒット作となった本作は「DotA系(DotAライク)」と呼ばれる複数の模倣作品を生み出すことになったが、商標権に関する揉め事の結果、現在では「MOBA」と呼ばれるようになった。
それ以降は『DotA』の続編である『DotA2』や『League of Legends』などのPCゲームが人気を集めている。

日本では、PCゲームと言うよりむしろ、アーケードゲームの1ジャンルとして定着した印象がある。
現在は『Wonderland Wars』と『LORD of VERMILION』シリーズの2作が、日本におけるMOBAの代表作と言えるだろう。どちらの作品も、ランダム排出されるカードを集める「ガチャ」要素を含む点が特徴的である。
しかし、1回のプレイ時間等をアーケードゲームとしての標準に合わせようとしている都合上、MOBAとしての完成度ではPCゲームの傑作たちより劣っているとする意見もある。
また『ボーダーブレイク』や『スプラトゥーン』ガチマッチなど、拠点制圧が要となる多人数アクションゲームは、多かれ少なかれMOBA的なチームワークと戦略性が要求されるものであり、本質的には似たようなものだと言えるだろう。

タワーディフェンス(TD)

RTSのサブジャンルで、プレイヤーの拠点に押し寄せてくる外敵を"タワー"と呼ばれる攻撃施設を建設して防衛するという図式のゲーム。
『Warcraft III』のMOD「Tower Defense」が起源とされている。その後、主にブラウザゲームでブームに火が付いた。
外敵の襲来はwaveと呼ばれる単位でまとめられており、最終waveまでの全ての外敵がフィールド上から居なくなるまで自拠点を防衛すればクリアとなる。
近年は形式が多様化しており、『Sanctum』シリーズはFPS、『Orcs Must Die!』シリーズや『Dungeon Defenders』シリーズはTPSと組合わさり、タワーだけでなくプレイヤーキャラクターが出陣してシューティングで自拠点を防衛するというものとなっている。
同様にシューティングが組み合わさった『Iron Brigade』『Sang-Froid』に至ってはシューティングが主でタレットは補助レベルの重要度に成り下がっている。
また、『Space Run』『Anomaly』シリーズのように、敵の防衛陣地に突入していく「逆タワーディフェンス」ともいうべきゲームもある。

恋愛シミュレーション

ときめきメモリアル』に代表される、「異性とのお付き合い、恋仲になるまでの過程など」の恋愛を題材としたシミュレーションゲームのこと。
ランダム要素や育成などパラメータ管理が主な要素である。コンシューマー初出のオリジナルタイトルはエンターブレイン恋愛シミュレーションシリーズなどが存在する。

シミュレーター

シミュレーションゲームのジャンルの一種。
実在する乗物などを細かく再現したもので、飛行機や電車といった乗り物や、パチンコパチスロなどの筐体の演出などを再現したもの。
前者では爽快感やゲーム性よりもリアリティを追求した作品が多いため、地味かつ難易度が比較的高め。
本来なら技能や資格なしでは触ることすらできないものを追体験する事ができるのがポイントか。

一方、飛行機を操縦するフライトシミュレーターの場合、戦闘機での戦闘要素が入ってくると実在の機体でもフライトシューティングとの境界が曖昧になる。

後者に関しては「ホール(パチンコ屋)で大量にお金を使うのはためらわれるが、元の盤面のファンなのでせめて演出だけでも見たい」といった際にも使える。
また、遊技機は基本的に3年で法的な寿命を迎える(修理や移設ができなくなる)為、古い台はこれに頼るしかない。一方で当然と言って良いのか実戦(ホール打ち)では役に立たないことが多い。

どれくらい現実に寄せているかによって「カジュアル」や「ハードコア」なんて段階分けをすることがある。
PS系ではハードコアシムの代名詞でもある「グランツーリスモシリーズ」は、PCのレースシムに当てはめるとカジュアルに分類されるなど、この区分けはハードウェアにもある程度左右されるので、あくまでもそのハードでの区分と思っておいた方がいい。

PC Building Simulator』も、金銭的に気軽に試せない行為の代行に当たるのだろうか。

  • 実在の乗り物の操作を再現したタイトルの例……『電車でGO!』シリーズ、『パンツァーフロント』シリーズ
  • 実在のパチンコパチスロの演出などを再現したタイトルの例……多数
  • 非実在の乗り物を題材にしたタイトルの例……『アーマード・コア』(初期のシリーズは「3D戦闘メカシミュレーター」と称されていた)

海外だと、経営シミュレーションや育成シミュレーション等も「Simulator」にジャンル分けされる。

ストラテジー(Strategy)

海外で使われているジャンル名。英語で「戦略」を意味し、戦闘に加え兵站、内政、経済、外交等、より大局的な要素を扱うゲーム。
上記例だと4x、RTS、『大戦略』『信長の野望』『ギレンの野望』等はこれに該当している。

タクティクス(Tactics)

海外で使われているジャンル名。英語で「戦術」を意味し、戦闘がメインのもの。オマケ程度に内政要素を含む物もあったりする。
日本でシミュレーションRPGとされるゲームはだいたいこれに該当。
いろいろと付随要素が多いとストラテジーとのジャンル分けは曖昧になる。
リアルタイム戦闘の場合、ストラテジーではないのでRTSではなくRTTと呼ばれたりする。

RTTの例……『Commandos』シリーズ、『Rasetsu』シリーズ、『Syndicate』シリーズ、『Shadow Tactics』、『伝説のオウガバトル

ミニスケープ(Miniscape)

海外で使われているジャンル名。箱庭内政や都市建設のゲームはこれに該当。オマケ程度に戦闘要素を含む物もある。

例……『シムシティ』『A列車でいこう』

プログラミングゲーム(Programming Game)

主に海外で使われているジャンル名。コンピュータプログラミングの要素を組み込んだゲーム。
アセンブリ言語、C言語などに似たプログラミング言語でコードを記述し、作成したAIに自律的行動をさせるというものが多い。
フローチャートの構築によって視覚的にAIを作成する作品もある。 低年齢層・初学者向けにプログラミングの基礎の学習する目的の作品も含まれるか。

  • コード記述型のタイトルの例……『コア戦争』『Crobots』『COMSIGHT』『HR2』
  • フローチャート構築型のタイトルの例……『Robot Odyssey』『ChipWits』『ロボットコンストラクションR.C.』『カルネージハート
  • 要素を部分的に取り入れた例……『Minecraft』のレッドストーン回路

シューティングゲーム(STG)

弾丸やレーザーなど、主に飛び道具によって敵を倒していくことを目的とするアクションゲーム全般を指す。
「撃つ」「避ける」「取る」という単純な要素(場合によっては「取る」が不要)で成立する為、演出やグラフィック、サウンド方面を中心に発展したものが多い。
多くのSTGが敵の撃破数やアイテム取得数などによって変動する、スコアアタックを主とするゲーム性になっている。

狭義でのシューティングゲームは「一発被弾すると残機を失う」形を取っているものが多いが、残機の代わりにライフ制などを採用している場合もある。
欧米では「Shooting game」と言わず、「Shooter game*25」と総称される。
この「Shooter」のうち基本的なゲームスタイルを踏襲したものは「Shoot 'em up (Shmup)」というサブジャンルに分類されることが多い、というような違いに注意。

その歴史は古く『スペースウォー!』に始まり、国内ではタイトーの『スペースインベーダー』こそが最初に一般に広まったゲームにして同ジャンルの始祖的存在といえる。
80年代にはタイトー・コナミ・ナムコ・東亜プラン・アイレム・カプコンといったメーカーが様々なSTGを輩出し、ゲームの主流を担う一大勢力を築いた。

全体的に難易度を高く設定する傾向にあったが、これはアーケードゲームのインカム(設置店舗の収益率)を上げるためである。
また、かつてはアーケードの方が家庭用よりも遥かにハードの性能が高かったため、アーケード基板の高価さや移植度に関する論争が生まれることもしばしばあった。
例えば縦画面STGの場合は横長のテレビ画面にそのまま移植することが難しいという問題も。
縦画面のアーケードゲームをCS機に移植する場合、性能が低かった頃は横画面にアレンジするか画面のレイアウトを変更する(ゲーム画面とスコアを分けて表示)のが主流であったが、CS機の性能が向上してからは縦画面を横画面に縮小表示するのが主流になっている。

しかしながらゲーム初期からシステム面の変化に乏しく、スコアアタックを主としたスタイルから脱却できないまま高難度化・マンネリ化が進み、1990年代初頭には格闘ゲームにゲーセンの主役の座を明け渡した*26
同時に家庭用向けSTG(特に家庭用オリジナル作品)も激減し、家庭用では依然好調だったACTとはこの時期に明暗が分かれた。
そして従来までSTGを製作していたメーカーの多くは苦戦を強いられ、東亜プランやUPLのように倒産するメーカーも相次いだ。

一方で、このあたりから台頭したケイブ・彩京・ライジングなどの新興メーカーは新しい方向性を提示し始め、中でもケイブが怒首領蜂で確立した「弾幕系シューティング*27」は日本のSTG業界に大きな変革を起こし、弾幕系が国内STGの主流を占めるまでに至る。

しかしその後は再度行き詰り、STGメーカーは総崩れ状態になり他ジャンルの片隅で細々と生き残るという状況から脱却できなかった。
この間にも幾つかの意欲作、ヒット作が散発的には出現していたものの、システム面や初心者への配慮と高難易度を望むプレイヤーとの兼ね合いに対する根本的な解決策が提示されないまま、次第に尻すぼみとなっていったのである。
2013年には弾幕系の総本山であるケイブがACSTGからついに撤退したことで、国内でのACSTGを作るメーカーはほぼ途絶えた*28*29
それでも汎用筐体を使用するNESiCAxLIVEやALL.net PLUS等により生き残ってはおり、商業作品から移植されたり同人作品が商業化されたりはしている。
また、コンシューマー(及びスマホ)においてはケイブを主として新作も出ている。
その他、PCでもSteamなどのダウンロード販売が主流になったことで、参入への障壁が比較的低くなったことから企業・インディーズによる新作や移植などが国内外を問わず、全盛期ほどではないがコンスタントに出るようになった。

一般的に「頭に何が付いてもシューティングは難度が高い」というイメージが浸透しており、実際に難しいものが多いのだが、見た目の難しそうなシューティングが必ずしもやってみて難しい訳ではない。
ひとたびその世界に足を踏み入れてしまえば、他のジャンルにも引けを取らない中毒性をもつ事もまた事実である。

スクロールシューティング

背景が巻物(スクロール)の様に流れて行くシューティングゲーム。 地上物・地形の概念を持つ背景がスクロールするシューティングゲームのことで、一般的には『ゼビウス』が元祖とされる。
「地形の概念を取り入れたSTG」としてはゼビウスより先に『ジャンプバグ(これはACT扱いされることが多い)』や『スクランブル*30』『ミッションX』等が存在するのだが、背景の圧倒的な美しさでゼビウスの印象が強かったのだろう。

大まかには画面のスクロール方向によって「固定画面(スクロール無し)」「縦」「横」「2D全方位」「3D全方位」「斜め」「奥」の7種類に分類される。
2Dシューティングの分類は背景のスクロール方式によるものも大きいが、基本的に現在の2Dシューティングゲームは極一部を除き全てスクロールシューティングである。
と言うのもスクロールすることで「進攻している」と言う爽快感が得られること、さらにはストーリー的な展開を描けることが大きい。
また、根本のゲームシステムが単純な分、現代でも美術・音響・演出が重要視されるジャンルであり、緻密なグラフィック、優れたサウンド、スクロールとBGMの同期といった面で高評価を得た作品も多い。
特に『メタルブラック』『レイフォース』『ダライアス外伝』に代表されるタイトーは演出重視のメーカーとして有名であり、多くのクリエイターに強い影響を与えた。

  • 主な固定画面(非スクロール)STGのタイトルの例……『スペースインベーダー』シリーズ、『ギャラクシアン』等
  • 主な縦スクロールシューティングのタイトルの例……『ゼビウス』シリーズ、『首領蜂』シリーズ等
  • 主な横スクロールシューティングのタイトルの例……『グラディウス』シリーズ、『ダライアス』シリーズ、『R-TYPE』シリーズ等
  • 主な縦+横スクロールシューティングのタイトルの例……『沙羅曼蛇』『もえろツインビー シナモン博士を救え!』等
  • 主な2D全方位スクロールシューティングのタイトルの例……『ボスコニアン』『バンゲリング ベイ』等
  • 斜めスクロール(クォータービュー)シューティングのタイトルの例……『ザクソン』『マックスウォーリアー』『ビューポイント

一方、3DSTGはスクロールの有無ひとつをとってもジャンル分類が大きく変わりやすい傾向にある。例えば、全方位スクロールは「フライトシューティング」として別ジャンルとみなされる等…。
リアルさ加減で、戦闘機シミュレーターとシューティング(フライトシューティング)に分かれる事も。

SF要素が薄いファンタジー寄りSTGの総称として、英語圏では"Cute'em up"(キューテムアップ)というジャンル名が存在する。

弾幕系シューティング

「弾幕」は元は軍事用語。多数の弾丸を一斉に発射して作る高密度の弾丸の幕で、制圧力や殲滅力を上げること。
シューティングゲームにおいては、画面を覆い尽くすほどの大量の敵弾が出ている状態を指し、それをゲームデザインの全面に押し出したシューティングゲームを弾幕系(弾幕)シューティングと呼ぶ。

一見しただけではとても避けられそうにない攻撃が頻発し、異常な高難易度に見える弾幕系シューティングだが、実は見た目ほど難しくはない場合も多い。
共通して
敵弾や自機の当たり判定のどちらかor両方が見た目よりも小さい
自機の移動速度を変えられ、自機が細かく動けるようになっている
時に、一定のアルゴリズムに従って連続射出される弾の軌跡は、画面上に美しい幾何学模様を形成する事もある
という特徴を持つ作品が多い。
これら全てを兼ね備えたシューティングを狭義の弾幕系シューティングとし、広義の弾幕系シューティング(敵弾が多いが上述した特徴を持たないシューティングゲーム)とは区別することもある。
敵弾を消せる攻撃や特定条件下で無敵になれるなどのシステムを搭載している作品も多く、それらのシステムを使いこなすことを前提にした作品も存在する。

これを明確にゲームデザインの前面に押し出したジャンルの先駆けはAC『バトルガレッガ』や『怒首領蜂』が挙げられる。
特に上述したの特徴を全て持った『怒首領蜂』は(狭義の)弾幕系シューティングの金字塔として知られ、シューティングゲームの歴史を大きく変えた。
当時は敵弾のスピードはそれほどでもなかったものの、とにかく弾の数が多く(敵弾の)密度が濃いインパクト重視の側面が強かった。
高速の弾を一度に多く滑らかに扱えるほどマシンパワーが向上した2000年前後から、同じような特徴を備えたゲームが増えていき、日本で展開されるシューティングゲームの代表系列として定着した。
国内外問わずインディーズゲームでの人気も高く、『東方Project』や『Crimzon Clover』のようにPC向けの同人ゲームから好評を博して規模を広げた作品もある。

なお、敵弾の間を潜り抜けられる設計ではないため、弾幕全体を1つの大きな攻撃とみなして大きく回避しなければならない(見た目だけでなく、本当に避けられない弾幕)、主な弾幕系STGの避け方と大きく異なるセオリーを要求されるようなものは弾幕系とは呼ばない。
例えば、横STGの『グラディウス』や『R-TYPE』は自機の当たり判定こそ1ドットと小さいが、実は弾の当たり判定を見た目以上に大きくして釣り合いを取っているため、高次周の弾幕は全体を誘導して退路を少しずつ消費しながらやり過ごすことになる*31
また、『バミューダトライアングル』のような巨大判定高耐久の自機で不可避な集中砲火を浴びながら耐久力が尽きる前に敵を殲滅していくタイプも弾幕の濃さとは無関係に弾幕系の定義から外れる。

ガンシューティング

銃型などの特殊なコントローラーを使ったシューティングゲーム。狩猟やスポーツ射撃をそのままゲーム化したものとも言える。
ビデオゲーム誕生よりも古いジャンルであり、世界初の家庭用ビデオゲーム機『オデッセイ』発売にあたり、既にこのジャンルでヒットを飛ばしていた任天堂からガンコントローラーを調達したことは有名。
鳩の人形を撃つ『シーバーグレイオーライト』から始まり、やがて『ワイルドガンマン』や『ダックハント』のように画面内の敵を撃つゲームとなり*32、今ではそれ以外のガンシューティングはほとんど残っていない。

大きく分けると銃が台座で固定されXY軸の向きで射撃方向が決定される「銃固定型」ものと、走査線を読みとったり*33、2点の赤外線の到達地点から射撃位置を測定する「銃非固定型」とがある。
エレメカではもっと様々な判定方法があり、主流は銃口から光線*34を出し標的に取り付けられた光センサーで感知する方式*35が多い。
だが、中には実際に弾(BB弾や水、メダル等)を発射して標的に当て、命中弾を感知する*36方式もある(近年のタイトルでは『ガンマニア』など。当Wiki取り扱い対象外なので注意)。

分かりやすい内容・大抵協力プレイ可能なことからプレイまでのハードルが低めで、TVゲーム全般初心者や集団(特にカップル)でも一緒に楽しみやすいからか、アーケードゲームの人気が下火となった現在でもコンスタントに新作が登場している。
しかし専用筐体が前提な為「値段が高い」「メンテナンスが大変」とオペレーター泣かせのジャンルでもある。
多人数で短時間を楽しむアトラクション的な味付けの作品が主流になっており、その流れやインカム重視しすぎたあまり、ノーミス・ノーコンティニューが不可能な無理ゲー難易度であることも珍しくない。
光学的な原理で動作している為、照明などにも気を使わねばならず、ネオンサインや筐体のイルミネーションなどが多くあると誤作動の原因となることも。
この為、外部光源を遮断した閉鎖的な個室型の筐体が用意されていることも多い。

なお、ガンシューティングゲームは広義ではエレメカに分類され、ビデオゲームとしては扱われない。ただし、当Wikiの取り扱い対象ではある為、記事作成は可能。
ただし、純エレメカである『コズモギャング』『クイック&クラッシュ』や、モニタこそついているが狭義のエレメカである『ガンマニア』などは対象外と考えていいだろう。
また一人称視点である点はFPSと共通していても、プレイヤーの進路を自由に決定できないという差異点が存在する。
そのことから海外では任意移動ができても進路が一定なFPS/TPSと合わせて「レールシューター」とも揶揄される。逆に開き直って、トロッコに乗った『レールチェイス』や、銃座で戦う『スターブレード』等も存在する。

また、遊技場区分として「射的場」というものがあり、空気銃でコルクを発射して的に当て、台から落とすことで落とした景品を獲得できるというものである。
これは景品を渡す関係上4号営業(旧7号営業)の許可が必要で、夜店などで問題になっている。
射的ゲームである『ファンタジーバンバン』は台の下にある支柱を撃ち、全ての支柱を倒すと景品が落ちる仕組みである。
この遊技機は発売当初人気を博したが、当局より「射的遊技機(風適法で定める「その他の遊技機」)であるファンタジーバンバンの設置運用には4号営業の許可を必要とする」という見解が出された。
その為、全国のゲームセンターより一斉撤去され、またメーカーサイトでも「海外向け商品」としての紹介となっている。
このように、「ガンシューティングゲーム」と「射的遊技機」は紙一重であるため、ちょっと設計を間違えただけでゲームセンターでは運用できなくなってしまう。

ファーストパーソンシューティング(FPS)

正式名称は「ファーストパーソンシューター」で、1秒間に表示される静止画の枚数を表す「fps (フレームパーセカンド)」と区別するため、略称は全て大文字で表記される場合がほとんど。

簡単に言うと「一人称視点で自キャラを動かしつつ、出現した敵を狙い撃つ」アクションシューティングゲーム。
移動はプレイヤーの任意であることが多い。武器は飛び道具が主体だが、最初期以外の作品では素手や近接武器で殴りかかることもできる。
シューティング要素がなくとも一人称視点のアクションゲームならばFPS(もしくはFirst Person Action)に分類されることが多い。
自分の分身が描かれない*37ことでゲームへの没入感が高いのが大きな特徴。一方で実体がないために距離感が掴みづらいという難点もあり、シューティング要素が多いのもその性質に起因する。

アメリカを中心とした海外では1990年代のPCの高性能化の流れに乗る形でid Softwareの『Wolfenstein 3D』や『DOOM』がヒットし、コンシューマーゲームの一ジャンルとしてFPSが定着する。
他にもフライトシミュレーションの簡略化とも取れる作りの3DSTGなども登場し、国内の「STG」とは異なるジャンルへと派生・進化する例が多かった。
一方で、日本では戦車型の自機を操るタイプのFPSが『サイバータンク』『TOKYO WARS』などアーケードを中心にリリースされており、こちらも独特の進化をしていた。

FPSは移動・攻撃と視点&照準移動の3つを同時にこなさなければならない基本操作、かつ3D描写が前提となっている作品がほぼ全てで、コンソール機のスペックが低くオンラインもない時代はパソコンが主なプラットフォームとなっていた。
また他のゲームに比べて操作が忙しいのと、チーム対戦要素が強いものについては、苦手な人がチームの足を引っ張ったりして、チームメイトに責め立てられてしまうなど、新規が近寄りづらい環境もあった。

そういった事情から他ジャンルと比較するとハードルが高いきらいがあったため、国内での人気は今ひとつ*38であった。
だが、2000年代には左スティック(またはWASDキー)で移動、右スティック(もしくはマウス)で視点と照準操作、右トリガーで攻撃(PCは主クリック)という3Dアクションに似た基本的な操作体系が確立された。
また、コンソール機のスペックが充分に向上してからは、『Call of Duty』シリーズや『バトルフィールド』シリーズのように国内でも一定のヒットを飛ばす海外製FPSも増えてくるようになった。

その一方で、2010年代は『Call of Duty』シリーズの世界的なヒットを受け、マルチプレイモードを搭載したFPSが増えた時期もあった。
しかし、ユーザーの多くは「オンライン対戦をやるなら人気のある『CoD』で充分」と考えており、『CoD』シリーズ作品ばかりに人口が偏ってしまった。
その結果、『CoD』シリーズの人気はFPS界隈において確固たるものとなり、世界最大のゲームフランチャイズにまで上り詰めることとなった。

2020年代に入るとコロナ禍に起因するゲームのオンラインプレイの需要増加、日本でのe-Sportsの人気上昇、『Apex Legends』『VALORANT』といった基本無料FPSが日本でも大ヒットするなどの要因から、需要が少なかった日本でもFPSが本格的に流行るようになった。
海外、特に北米では非常に人気が高く、『Medal of Honor』のヒットの影響もあって様々な戦争もの(それもミリタリー調)のFPSが発売されている。日本と比べて*39陸軍隊が身近にあり、銃の所有制限が緩いお国柄もあるのだろう。

id Softwareの『DOOM』で左右平行移動の操作が独立し、照準操作とプレイヤーの移動が分離。Raven Softwareの『Heretic』で左右だけではなく上下の照準も可能になり、idの『QUAKE』でフル3Dが実現。 Valveは『Half-Life』でWASD操作の確率・ゲーム性と演出を両立したアクションADVとの複合を成立させ、『Team Fortress』のベータ版で部位ダメージ(ヘッドショット)を実装。
Epic Gamesの『Unreal』では状況に応じて攻撃して来たり遮蔽物に隠れる賢いAIが実装され、FPSのシステム面での原型が出来上がった。
特に『DOOM』『Unreal』『Half-Life』はそれぞれのゲームエンジン(id Tech 1/Unreal Engine/GoldSrc)を再利用して派生ゲームを作成することがユーザー側でも可能、多数の派生作品を生みMOD文化を浸透させる貢献を果たしている。
『DOOM』の時点でオンラインマルチプレイ対戦において大きな盛り上がりを見せているものの、『Half-Life』の影響を大きく受けながらシングルプレイ重視のFPSというジャンルも育っていった。

最初はPCゲーム界隈というごく限られた市場で発展していたFPSにとって、商売としての大きな転換点となったのは初代Xboxのキラータイトルとして発売された『HALO』である。
PS3/360が発売されるとマシンスペックの面でゲーミングPCとの差がなくなってきたことや不正コピー回避を目的に、メーカーがPC版として発売された作品のCS機向け移植やPC/CS版の並行開発を行うようになった。
とりわけCS版の発売はユーザーの立場からしても、マルチプレイで不都合であるチートやMODをPC版よりも排除しやすく、全員同性能のマシンを使うことによる純粋なプレイヤースキル勝負になる*40という点により恩恵が相当大きい。

上にも記述があるが、3Dの高精細マップを大規模に展開する必要があるため、マシンパワーに絵画速度が非常に左右されやすい。それを利用してベンチマークソフト代わりに使われることも多い。
物によっては「(当時の)一般メーカー製PCでは最低設定でなんとか、自作PCでもハイエンド(Over50万)でならギリギリ60fpsで動く」的な作品もちらほら。

サードパーソンシューティング(TPS)

3D空間を動き回れるタイプのアクションゲームにおいて、射撃戦を主体としたゲームのことを、FPSと比較する形で「TPS (サードパーソンシューティング)」と呼ばれる。国内では「3Dアクションシューティング」と呼んでいた時期もあった。
実際のところTPSと呼ばれるゲームは、システム的にもプレイ感覚的にも3Dアクションゲームと変わらず、一方で操作体系はFPSのそれとほぼ共通である。何よりも、銃で戦うのが主体ならアクションゲームでなくTPSと呼ばれるだけであろう。
これは逆に言えば、TPSと呼ばれるゲームはFPSと同じ銃撃だけでなく障害物をジャンプしたり敵を殴ったりという「普通のアクションゲーム」的なことも違和感を与えることなく導入しやすいわけで、実際銃撃主体であっても豊富なアクションで戦場を駆け回ることが可能であるものが多い。
射撃に「塗る」&「塗ったインクに隠れる」という要素を加えた『スプラトゥーン』などはその極北でもあり、TPSならではの発想ともいえる。
端的にいえばFPSは「銃を撃つ操作をするゲーム」だか、TPSは「銃を撃つキャラを操作するゲーム」といえる。
欧米ではFPSの後塵を拝する形になっているが、日本では逆にTPSの方が広く受け入れやすい土壌となっている。

ちなみに、「セカンドパーソンシューティング (SPS)」というジャンルはない。
二人称視点=敵視点」なので、たとえあったとしてもかなりの色物扱いであろう。
また近接攻撃の存在を挙げたように、TPSであってもシューティング偏重の内容とは限らない作品も増えつつあり、3Dアクションとの区別が曖昧になりつつある。

タクティカルシューター

1990年頃から2000年代に普及した、銃弾一発で即死・もしくは各部位のダメージシステムを実装、複数の隊員に指示を出して作戦行動、広大で複数ルートの選択可能なマップといった極度に現実的なシステムを搭載した、リアリズム至上主義のFPS/TPSが該当するジャンル。
ただし、日本においてはタクティカルシューターという用語が輸入された際に「複数人チームで競い合うオンラインFPS」といった独自解釈がなされてしまったため、
北米における本来のタクティカルシュータージャンルの定義とは相容れないタイトルもこう呼ばれる場合がある。
GameSpewのデイビッド・トレハーンは、タクティカルシューターの定義について「現実的にシミュレートされた弾道と精度」「複数メンバーで構成される分隊ベース、または複数のアプローチが可能なゲーム進行」「低防御力・低体力・低身体能力・低射撃能力の現実的な人間キャラクターのみ登場」の4つの要素を満たすものであるとしている。

多くの場合、同ジャンルを一般的に知らしめたとされるのはシビアな難易度と自由度の高い突入作戦のプランニング要素が高く評価されたRed Storm Entertainmentの『Rainbow Six』第1作と、プランニング要素がリアルタイムで可能となり広大な1戦場が舞台となった同社の『Ghost Recon』第1作の2つとされる。
それぞれ前者は『SWAT』シリーズ、後者は『スター・ウォーズ リパブリックコマンド』等、複数のフォロワータイトルが発売された。

所持可能武器は少なく身体能力も低く、油断すればすぐ死亡し、隊員が死にすぎるとジリ貧となるなど全体的な難易度が高いため、決してFPS/TPS初心者向きのジャンルではない。
しかし、独特な緊張感や徹底したリアリズムが高く評価されカルト的評価を得たタイトルも多く、根強い人気のあったジャンルである。
2010年代以降は『Call of Duty 4: Modern Warfare』の大ヒットによって自然回復、大規模銃撃戦、進行ルート固定で単独操作といったよりカジュアルな要素が重要視されていった。
それに追随するかのように、『Rainbow Six』シリーズや『Ghost Recon』シリーズ等もそういった難易度低下の傾向に傾いていくようになった。
この為、一時期はジャンル全体が衰退していたものの、現在は再評価され『Rising Storm 2: Vietnam』等のリアリズムを重視した高難度シューターが複数登場している。
なお、2021年現在はBattlestate Gamesによって開発されたタクティカルFPS『Escape from Tarkov』が世界的に大ヒットしている。

バトルロイヤル / ハンガーゲーム

マルチプレイヤー対戦ゲームのジャンルの1つ。
多くのプレイヤーが1つの戦場に集まり、自分以外の全員が死ぬ、もしくは生存者が規定の人数になるまで戦うというもの。
語源は「1つのリングで3人以上が乱闘を行い最後まで立っていた者が勝者」と言うプロレスの試合形式。

FPS/TPSでは「敵をより多く倒す」ことを目的とするゲームが多いが、このジャンルでは自分ができるだけ長く生き残ることが目的になる。
突き詰めると誰ひとり敵プレイヤーを倒さなくとも、最終的に立ってさえいれば高順位を取れるゲーム。
逆に残機は基本的に存在せず、1回でもやられてしまうとその時点で敗北・ゲームオーバーとなる。
FPSではデスマッチルールのバリエーションとして1人が生き残るまで戦うゲームもあったが*41、近年になってそれをフィーチャー。
フィールドと参加人数を大幅拡大する形でリリースするゲームも増えてきた、比較的若いゲームジャンル。

「1回でもやられるとその時点で敗北」というルールは一見シビアに思えるが、実際は初心者からすれば何回も死ぬストレスが無いため、これまでFPS/TPSを遊んだことのないユーザーにも受け入れられた。
2017年3月にSteamでリリースされたPCゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』が世界的な大ヒットを記録し、その後に基本無料でリリースされた『FORTNITE』は低年齢層にも受け入れられ*42、バトルロイヤルは一大ブームとなった。
また、2019年2月に電撃発表された『Apex Legends』は僅か8ヶ月でEAの主力FPSとなり、2020年3月には『Call of Duty: Warzone』がリリースされ、そちらは本編シリーズを上回るプレイ人口を誇っている。
さらに『TETRIS 99』と言ったFPS/TPS以外のジャンルでもバトルロイヤルは採用されており、現在発表及び発売されている新作マルチプレイゲームの大半がバトルロイヤル制を実装している。
今や、バトルロイヤルは多人数参加型対戦ゲームのグローバルスタンダードと言えるだろう。

1990年代に隔離した地帯で学生などを殺し合わせるいわゆる「殺し合いゲーム(殺人ゲーム*43・デスゲーム*44)」を描いた『バトル・ロワイヤル』の小説・漫画・映画がヒット。
以降、ソロプレイ用ゲーム(特にノベル系アドベンチャーゲーム)にも『シークレットゲーム』等の「バトルロイヤル物(バトルロイヤル物)」が登場するようになった。
なお、日本映画である『バトル・ロワイヤル』の知名度が低い海外では小説・映画『ハンガーゲーム』や、映画『パージ』などに影響を受けている場合が多い(例:『Minecraft Hunger Games』等)。

  • バトルロイヤルゲームの例……『PUBG: BATTLEGROUNDS』『FORTNITE』『Apex Legends』『Call of Duty: Warzone』等

リアル系・スポーツ系

FPS(ファーストパーソンシューティング)やTPS(サードパーソンシューティング)におけるジャンル分け。
リアル系はその名の通り現実的な戦争を舞台に実銃や軍隊が登場するもの。加えて銃の反動(リコイル)が激しかったり、数発の被弾で死亡する、走ると息切れするなどよりリアリティも重視される。
スポーツ系(カジュアル系)はマンガ染みた派手でスピーディな動きが出来るものが多く、「足元に自分からロケットランチャーを撃って、その反動で大ジャンプ」「前転中はダメージ軽減」等の補正みたいなものもある。
登場する銃もレーザー銃やブラスター(熱線銃)、中には水鉄砲なんてものもある。キャラデザもアニメ・漫画チックな物が多め。
一般的にリアル系の方が内容が複雑な傾向にあるが、(非現実的な)特殊アクションが多彩なスポーツ系の方が操作難易度が高いことも少なくなく、対人戦がメインである作品に関しては最終的な難易度(敵の強さ)にリアル系もスポーツ系も関係ない*45
また、主にSF系では見た目はリアル系に通じるが動きがスポーツ系な場合もある。と言うか1990年代のFPSはこちらがメインであり*46、純スポーツ系は日本人受けを狙って作られた後発組である。

歴史的区分で見ると、このジャンル区分は操作体系故に縦横無尽に動けず、意図せずして「リアル系FPS(カバーアクション重視)」となった1992年の最初のFPS『Wolfenstein 3D』に始まる。
その後『DOOM (1993)』『QUAKE (1996)』『Unreal (1998)』とスポーツ系SFにジャンル全体が寄っていく。
だが、1998年にリアル志向のFPSアドベンチャー『Half-Life』が登場し大ヒットしたことで同じFPSジャンル上でも「QUAKE・Unrealを代表とするスポーツ系FPS」「Half-Lifeを源流とする地形・操作が現実的なリアル系FPS」の2つに分離。
1999年には『QUAKE III』と『Unreal Tournament』の2大スポーツ系FPSが覇権を握るものの、2000年を境に『Medal of Honor』『Call of Duty』といったスクリプト演出多用・史実重視のリアル系FPSが台頭。
この頃から本格的に広がりはじめたTPSジャンルも、このリアル系に傾倒するようになっていった。
しかし、その後も『Serious Sam』や『スプラトゥーン』等、ゲーム的な楽しさを重視してスポーツ系スタイルに回帰した作品も多く、依然としてスポーツ系の勢いも衰えてはいない。

ヒーローシューター

FPS・TPS内のサブジャンルで、PvPの場合多くはスポーツ系に分類される。
名無しの一般兵をPCとし、兵科や武器ごとの微妙な差異しかなかった従来型FPSに対し、格ゲーのように性能差の大きい個性的なキャラクターを選び、キャラごとに異なるスキルや必殺技を駆使して戦うゲーム。
PvPの場合、多くはMOBAの要素を取り込んでおり、従来型の作品よりチームワークや戦略性が求められるものが多い。
デザインもSF・ファンタジー風なものが多く、ミリタリー要素が強いものは後述の「タクティカルシューター」に分類して別扱いすることもある。

様々なジャンルで製作されており、『Overwatch』(アリーナシューター)や『Apex Legends』(バトルロワイヤル)などが代表例。

ただし、『Rainbow Six Siege』『Titanfall』などのキャラ性の強いリアル系を含めるかは賛否が分かれる。
その為、キャラの性能差に重点を置いていてもミリタリー要素やリアリティも重視している場合は、「タクティカルシューター」としてヒーローシューターの対義に置くことがある。

フライトシューティング

自機を実在する航空機かそれに近い特性を持つ架空の航空機とし、簡略化された物理法則と実機の搭載数から見れば無限に等しい量の兵器を搭載。
それがボタンを押しただけで発射され、単機で雲霞の如く押し寄せる敵ユニットを破壊するタイプの3Dシューティングゲーム。
主なタイトルは『エースコンバット』シリーズや『エアフォースデルタ』シリーズ、『Tom Clancy's H.A.W.X.』シリーズ、等。
2014年現在実用化されていない、宇宙戦闘機(艇)による戦闘を扱った「スペースコンバットシム」は近似ジャンルと言っていい。

2011年あたりから実在する戦闘機の開発スパンが長くなった事*47による登場する航空機のマンネリ化や『エースコンバット アサルト・ホライゾン』と言った、期待の新作がことごとくゲームとして微妙な出来であったことで、市場自体が縮小傾向にある。

フライトシューティングはフライトシムと比較するとゲーム性を重視する傾向にあるが境界線は曖昧である。
欧米圏のゲーム情報サイトでは『エースコンバット』をフライトシム扱いする程度に幅広いが、
逆に日本ではニッチなジャンル意識が強いのか、航空専門誌『航空ファン』の連載ではPC版しかない/PC版もあるソフトは実質3Dシューティングでもフライトシムとしている。
また、PC版が無いタイトルは実際の航空機の特性や機能を再現していてもシューティングにまとめた例も存在する。

なお、一部のフライトシムには仮想空間で航空機を飛ばす事に慣れるチュートリアルも兼ねたアーケードモードとしてフライトシューティング的な遊び方が出来る『Falcon 4.0』や『蒼の英雄 Birds of Steel』も存在する。

スペースコンバットシム

自由に空間を移動可能な有人宇宙戦闘機(艇)/全領域*48戦闘機(艇)による戦闘を題材としたシューティングゲーム。
日本ではほとんど馴染みのないジャンルだが、海外・特にアメリカではゲーム黎明期から多数の作品が存在している。
この背景には、演出面で惑星や隕石群以外のオブジェクトを作らなくても済んだことやアメリカで宇宙を題材としたSF小説・映画が商売として成り立つレベルで定着している事もあげられる。

しかし、PCの高性能化と元から高い傾向のあったユーザーの年齢にあわせて、作品の内容がフライトシミュレーター的な方向へと内容が高度化したのと、FPSの流行でゲームメーカーがそちらの開発に傾注した。
その為か、2000年代初頭から2010年頃にかけては衰退ないしよりカジュアルなフライトシューティングへの吸収の一途をたどっていたジャンルである。
代表的な作品に『X』シリーズや『FreeSpace』シリーズ等。現在において有名な例はスマートフォン及びPC対応の『Galaxy on fire』シリーズが挙げられる。
日本でも『スターラスター』や『プロジェクト シルフィード』等、このジャンルのゲームも数少ないながら出ている。
一時期は本当に見かけない空気ジャンルと化していたが、2010年代後半にはVRの本格的な普及によって「歩かず座りながらでも楽しめるVRアクションゲーム」という利点が判明。
活躍の場を変えて再び復権し、『EVE: Valkyrie』『Star Wars: スコードロン』など複数の作品が登場している。

スポーツゲーム(SPT)

実在のスポーツ及びそこからヒントを得た架空のスポーツを題材としたゲーム。
自キャラ(及びマイチーム)を操作して相手に勝つという点では対戦アクションゲームの要素を持つと言える。
ただし、「アクション性が全くないもの(例…『ベストプレープロ野球』シリーズ)」スポーツゲームとしてはみなされないことが多い(基本的に「(運営)シミュレーション」扱い)。

また、F1等のモータースポーツや三競オートを題材としたレースゲームも例外的にこの括りからは除外され後述のサブジャンルに分類されている。

  • 実在のスポーツを題材としたスポーツゲームの例……『ウイニングイレブン』シリーズ、『パワースマッシュ』シリーズ等
  • 架空のスポーツを題材としたスポーツゲームの例……『フライングパワーディスク』『ニューマンアスレチックス』『Rocket League』等

なお、「e-Sports」はコンピューターゲーム(e=電子=コンピューター)そのものをスポーツとみなしたもの*49なので、全く別の意味である。主に賞金の出るゲーム大会を指す。
ただ『FIFA』シリーズや『ウィニングイレブン』シリーズを使った大会があったりするので、色々混同しやすい。

レースゲーム(RCE)

車に限らず、あらゆる方法でレースを疑似体験するゲーム。疑似体験せずとも速さを競うゲームならばレースゲームと呼ぶ。
例えば代表的な『リッジレーサー』や『湾岸ミッドナイトMAXIMUM TUNE』に加え、架空のものである『F-ZEROシリーズ』等はレースゲームだが、
乗り物を主体としない『アルペンスキー』や『RCでGO!』などもレースゲームに分類されている。

要するに大抵の場合、プレイヤーが直接操作してレースの選手として関与できるゲームをレースゲームと呼ぶ。

カーレースが主要素になっているものには、ハード性能の向上とともにリアリティを追求した『グランツーリスモ』や『F355 Challenge』など「ドライビングシミュレーター」という新たなジャンルに派生しているものもある。
様々なカーレースゲームを遊び比べると、現実に近い挙動・もしくは走行快適感を損なわないという風に、車の挙動の違いを体験することができる。

「早くゴールすればするほど評価が高い」という、ゲームを短時間で終わらせる方がいいという価値観がアーケードゲームと相性が良く*50、完走(ゴール)自体というよりはその先の競争が主目的となっているは場合が多い。
ちなみに、「完走」という概念は『ポールポジション』から実装されており、それ以前のレースゲームは『ミニドライブ』に代表されるように制限時間内での到達距離を競うものだった。

『東京バス案内』『電車でGO!』等、速さを競うのではなくダイヤの正確さを求められるタイプの亜種もある。

デジタルカードゲーム(DCG)

TCGをコンピュータ上でできるようにしたゲーム。内容はTCGの項目を参照。
手札に直接何かの効果を与えたり、カードを無から生み出して山札を置き換えるなど、実物のTCGでやりにくいシステムも搭載しやすい。

昔からTCGの再現ゲームは存在していたが、近年では気軽に対人戦できるオンラインゲームであることが多く、
更にカードの入手が現実のTCGと同じくパックを引くことによるランダム入手、すなわち「ガチャ」であったりするなどして、
このWikiのソシャゲ禁止ルールに引っかかって扱えたり扱えなかったりするジャンルである。

トレーディングカードアーケードゲーム(TCAG)

バーコード・ICチップ等が組み込まれたトレーディングカードをアーケード筐体が読み込みプレイするゲーム。
筐体は専用トレーディングカードの自動販売機を兼ねている。
筐体設置が大規模なゲームは中央にライブモニターが設置され、観戦ができるようになっている機種が多い。

1プレイにつきカードが1枚必ず排出されるため、1プレイの単価を100円より高くしてもプレイヤーは満足感を得やすい。
オペレーター視点で見ても「回転率が高いので高収益が見込める」「リース物件の筐体なら驚くほどの低費用で設置・運営できる」といったメリットがあるためWin-Win(双方に利益がある)の関係が成立している。
その為、2000年代前半から人気の低迷した格闘ゲームに替わる主戦力としてもてはやされていた*51

通常のアーケードゲームのようにゲームセンターで展開されるものもあるが、『甲虫王者ムシキング』や『オシャレ魔女 ラブandベリー』のヒット以降、子供向けの小型タイトルも男児向け女児向け問わず多くリリースされるようになり、そうした筐体はデパートなどの子供達が入りやすい場所にも設置されている。
ゲームセンター以外に設置出来る理由はTCAGは法律上ゲーム機ではなく「カードの自動販売機」に分類されており、風営法の規制対象外となっているからである。
また、トレーディングカードアーケードゲーム(TCAG)の人気はソーシャルゲームにも引き継がれ、 『WORLD CLUB Champion Football』『甲虫王者ムシキング』『三国志大戦』等が携帯電話のカードバトル系ゲームの始祖であると語る人物もいる。

「お金を入れると最初に(ゲーム開始より前に)カードが排出される」「ゲームをせずにカードだけを買うモードがある」という仕様は、メーカー側が「これはあくまでもカードの自動販売機であり、ゲームの方はオマケ要素」と主張する為らしい。ある意味逆転の発想である*52
こうして自動販売機を名乗る以上、このジャンルはカード切れ状態で営業する(ゲームだけをプレイさせる)ことが出来ないものが多い。
かつては、初期『三国志大戦』等がゲームの成績でカードの1枚の値段が変動する*53ので「ゲームの景品としてカードが貰える」…つまりプライズゲームとして扱われており、カード切れ状態でも営業が可能だった。
しかし、現代では遊技の結果によって景品の内容が変化するという構造にすることは当局の指導により禁じられている。
そのため『艦これ アーケード』では、カード排出をゲーム料金とは別料金が必要な有料の商品とする、自動販売機型に似た仕組みにすることでこの規制を回避している。
また、当局の指導の結果として、『三国志大戦』シリーズでも「特別進軍」と称して勝敗無関係に割引コンティニュー(進軍)できるようになり、後続作品(『戦国大戦』等)でもコンティニュー料金が勝敗に影響しなくなった。
また『三国志大戦4』では勝利したときの無料進軍ではカードが排出されないようになり、カードを得るには有料で進軍しなければならなくなった。

最近はいくつかの事情からメーカーがプレイヤーやカードショップの利益を削る動きが活発で、『三国志大戦4』のようにプレイヤー(エントリーカード)とカードの紐付けを行うやり口*54*55も見られる。
また、自動販売機型においても、筐体は確かにメーカー負担だがその分カードの卸価格が高く仕切り率が高い*56
その上小売り価格がメーカーによって統制されているので、人気だからと値上げして利益を広げることも、不人気だからと値引きして在庫処分を図ることもできない。
また、カード在庫は設置店舗側の負担なので、在庫リスクは高めである*57。このため最近は、カード切り替え(新弾リリース)直前に旧弾在庫を抱えることを嫌い売り切れによる稼働停止*58を厭わない設置店舗が多い。
ただし、在庫リスク問題に関してはメーカー側も『モンスター烈伝 オレカバトル』以降は「カードをその場で印刷する」方式を採用する事で対策に乗り出している*59
もっとも家庭用プリンターに近い性能*60なので、「トレーディングカードとしての価値が低い*61」と言う弊害もあるほか、後述の「ソーシャルゲーム」の『ガチャシステム』よろしくレアカードの排出割合が不透明という問題もある*62

ハウジング

仮想住居に家具調度を設置することを楽しむゲームないし要素。
1990年代にはこの要素を入り入れた作品がチラホラ*64出現、さらに『ウルティマオンライン』等のオンラインゲームでは、「住居を造り、調度品を自由に配置したり他のプレイヤーを招待する」といったことが可能となっていった。
その後、家庭用機でハウジングに特化した作品が登場しており、現在ではひとつのジャンルを形成している。
操作面での腕が問われず、ターゲット層を選ばないことから他ジャンルのゲームにおけるサブ要素として取り入れられることも多く、手の込んだ物では本筋そっちのけで楽しむ人も多い。
作成したデータが膨大になり易く、家庭用機の場合ハマればハマるほどメモリーカードを食い潰すことからユーザー泣かせのジャンルであったが、記録媒体が内蔵ハードディスクに移行したことでこの問題も解消していった。

  • CSで発売されたハウジングゲームの例……『マイホームドリーム』『どうぶつの森』シリーズ等

パズルゲーム(PZL)

反射神経よりも頭を使う事が重要なジャンルの一種で、中でもジグソー「パズル」のように画面内に多数存在するオブジェクトを、ルールに則り並べたり取り除いたりする作品がこう呼ばれる。
大きく分けて「落ち物」と「それ以外」に二分される。落ち物については後述。
それ以外の一例として

  • 『上海』や『四川省』のようにフィールドから物体を取り去るタイプ
  • 倉庫番』『きね子』のようにフィールドの物体を決められた配置に並び替えるタイプ
  • ことばのパズル もじぴったん』『ピクロス』のように類推して単語や絵柄を作っていくもの

など、そのバリエーションは多岐にわたる。
「スクロールしない固定画面でも成立するゲーム性」「フラグ管理が比較的容易」などハード・ソフト両面でハードルが低く、「時間内にできなければ失敗(=ゲームオーバー)」という性質が(メーカーと運営側にとって)アーケードゲームとの相性が良い。
故に古くからコンスタントに作られ続け、いつの時代もゲームセンターの片隅でひっそりと、しかしながら堅実に稼働しているジャンルの1つである。
また、「忙しい操作が無く、見た目が簡単そうに見える為に女性やお年寄りにも訴求しやすい」ことから、アーケード・家庭用問わず幅広い層に支持されるジャンルである。

敵や障害物を避けながら操作キャラをゴールまで導くなど、アクション要素が強いタイプは「アクションパズル」と呼ばれる事も。

落ち物パズル

テトリス』『ぷよぷよ』に代表される、「画面の上からオブジェクトが落下してきて、同じ色を何個か並べる等の条件を満たすと得点と共に消える。
フィールドが埋まるとゲームオーバー」という基本フォーマットのアクションパズルゲームの総称。
『ぐっすんおよよ』『ジョイジョイキッド』のように、落ち物パズルのルールを(一応)使ってはいるものの、目的が別のところにあるゲームも存在する。

アーケードゲーム界隈では、人気タイトルのテトリスがセガによりACに移植され、さらに後発の『ぷよぷよ(AC版)』が男女を問わずヒット。格闘ゲームブーム前後にアーケードで小規模に流行した。

パズルボブル』『マジカルドロップ』のように、操作するオブジェクトは落ちてこないがフィールドが埋まらないようオブジェクトを消していくゲームも一般的には落ち物パズルとして認識されている。

3マッチパズル

落ち物パズルの亜種。
フィールド内にブロックが埋め尽くされた状態から、縦または横に隣接した2つのブロックの位置を入れ替え、同種のブロックを縦または横(作品によっては斜めも可)に3つ以上並べると得点と共に消えるタイプのもの。
元祖は2001年発売の『Bejeweled』であり、「システムが簡易」「反射神経が要求されない」「落ち物で連鎖を組むのが苦手な人でもプレイできる」といった理由でガワ替えブラウザゲームが多数リリースされた。日本では『ZOO KEEPER』が有名だろうか。
入れ替え操作がスマホのフリック入力と相性が良く、『パズル&ドラゴンズ』の大ヒットは記憶に新しいところ。

レーザーディスクゲーム(LDゲーム)

80年代にブームとなったゲームジャンルで、リアルタイムで流れるムービーの所々でプレイヤーに特定の操作を要求し、それによって分岐するゲーム。
ムービー中に「方向キーやボタンの入力指示」が発生し、タイミングよく正しい入力ができければそのまま次のムービーに進み、失敗するとバッドエンドのムービーに切り替わってミスになる。
これがLDゲームの基本スタイルで、要するに全編ムービー・リアルタイム制の覚えゲーである。

CD-ROMが登場する前の70年代に開発された、光学式ビデオディスク規格「レーザーディスク」の持つ当時としては大容量とランダムアクセス機能*65の両立によって実現できたゲーム性であった。
このことから、レーザーディスクの名称がゲームジャンル名として定着した。LDプレイヤーすら淘汰された現在も、同様のシステムのゲームに対して使われることがある。

まだゲーム機やPCの性能が低い時代だったこともあり、高画質・高音質・大容量の美麗なムービーを大きな売りとしていた。
しかしながら様々な制約から複雑なゲームを作ることは難しく、しかも基本的に専用筐体が必要。
そのうちCD-ROM、DVD-ROMが普及したことで短所だけが残り自然消滅した。
アメリカにおいては日本よりも受け入れられていてヒット作も誕生し、1990年代以降にもいくつかの新作が発売されている。

LD以前の類似した仕組みのゲームとして、任天堂の『EVRレース*66』のような例もあるのだが、テープのために手動で頭出しが必要、満足にゲームを作れる仕様でもないのでこの手のゲームはLD以上に少ない。
また、『THE野球拳』等のアダルト媒体としても利用され、脱衣麻雀末期には『AV麻雀』『DVD麻雀』といった、脱衣アニメーションの代わりに内蔵のビデオ映像が流れるといった使い方もされた*67
AV麻雀ではショー出展時に、テープが交換可能なことをいいことに、AVではなくエアロビクスダンスが収録されたビデオがセットされていた*68
だが、市場でこれを悪用して無修正の裏ビデオをセットして流した愛知県のゲームセンター運営者が摘発されたのを機に脱衣麻雀への規制強化とつながり*69、メーカーの日本物産株式会社はJAMMAを脱退することになった*70
ちなみに、DVD麻雀ではゲームソフトと映像ソフトが不可分となっており、裏ビデオと差し替えることができなくなっている*71

DVDが登場すると、ビデオの規格時点で分岐を作れる仕様が定まっているために、普通のDVDプレイヤーでもLDゲームと同じようなゲームが遊べるようになった。
BDにおいてはまともなプログラミングが可能になった為、(BDプレイヤーの性能に左右されるものの)普通のゲームも作れるようになっている。
かつてのような覚えゲーはほとんど消え失せ、制限の関係で普通のゲームよりユーザビリティも悪くなっている。
しかし、映画などをディスク化した際の特典や恋愛ADVにおいては、開発側・ユーザー側の双方にとって相性は悪くないのでLDゲームよりは普及している。
流通・宣伝の問題が大きいものの、PCへの投資が不要でソフ倫のような厳しい規制*72も回避できる為、アダルト媒体として需要がある。

ロールプレイングゲーム(RPG)

本来はテーブルトークロールプレイングゲームのことだが、日本では主にコンピューターロールプレイングゲームを指す。
TRPGにおけるゲーム進行を司る「ゲームマスター」や各種確率判定といった面倒な要素をコンピューターに担当させるなどすることで、1人でも遊べるようにアレンジしたものがそもそもの始祖である。

人間がゲームマスターをしている時と同等の柔軟さをコンピューターに取らせる事は現代の技術では不可能なため*74、ルール化された戦闘の部分を主軸に据え、敵との戦闘を繰り返して経験値を稼ぐなどの形で、キャラクターを強くしながらゲームを進めるスタイルが主流。
基本的にリアルタイムのテクニックよりも戦術・戦略面が要求されるので、アクション性の低いRPGには(ゲーム世代以前の)高年層のプレイヤーも多い模様。

ロールプレイングゲームのロールプレイとは「役割演技」の意味であり、RPGというジャンルにおいては「立場らしくor職種らしくorキャラクターらしく振舞うこと」をいかにゲーム体験に落とし込むかが重要視される。
TRPGであればキャラクターになりきった演技で遊ぶこともできるが、コンピュータRPGでモニターの前で恰好いいセリフを1人でしゃべってもゲームは反応しない。
なりきり演技などはしないで淡々とルールに沿って「役割」をこなすのも一般的な遊び方の1つ。
海外の作品においては、キャラクターの行動における自由度を高めることで「キャラクターらしい振る舞い」を選択できるチャンスを増やす傾向が強い。
古典的なところではモンスターだけでなく町民も含めてどんなキャラクターとも戦えるというものがある。
しかし誰でも殺して金品を奪い続けていくと番兵に追われることになる、という感じのもの。
ゲーム的にはプレイヤーにデメリットが多いが、これは「悪人の振る舞い」をしながらゲームを進行させることも可能なように、ということである。

近年ではオープンワールドを実装することがロールプレイの機会を増やす手段として使われがちである。
オープンワールドなら自由気ままに好きな所へ旅できるので、自分のキャラクターはこういう性格だからこんな場所に行きたがるだろうと想像したり、そこまで馬で行くのと徒歩で行くのはどちらが自分のキャラクターらしいかと考えたり、途中で出会った人々との交流を楽しむかクールに無口に徹するのとどちらが自分のキャラクターらしいかを考えたりと、旅の行先が自由になれば「自分のキャラクターらしい振る舞いは何か」を考えて表現していく機会が格段に増やせるというわけである。
逆に、ソーシャルRPGでは極限まで簡略化が進んでおり、マップシーンそのものが削除され、「受注するクエストの選択」→「会話シーン(既読シーンは周回時は省略)」→「戦闘」→「会話シーン」…を繰り返すだけという、逆説的にTRPG的な*75システムになっていることが多い。

一方、日本製RPGの場合はロールプレイ要素はそこまで重視されず、作りこまれたストーリー体験・グラフィック・BGM・演出をプレイヤーに提供し、ファン同士が感動を共有(シェア)し感想を語り合うことを楽しんでもらうという「映画的な娯楽」としてRPGが進化した歴史がある。主に海外市場で日本製のRPG(の一部)を特にJRPGと呼んで区別するのは、この作風の違いが理由である。

そして国内ではシナリオの比重がやや重く、ライトゲーマーも多いジャンルでもある為、ゲームバランス面では基本的に難易度が若干低めに設定されたほうが良評価を得やすい*76
一方でシステムや難易度調整が練られた難しめのゲームも、戦略性の高さからハードコアゲーマーの熱い支持を得る例は少なくない*77

また、RPGによってはMPではなく、HPを消費して使う呪文(魔法)を採用したRPG*78もある。

複合ジャンル

アクションシューティング

アクションゲームにシューティングゲームの要素を融合させたジャンル。
飛び道具・射撃を重点においたプレイヤーに、キャラクターの動き・画面表示・ステージ構成などアクションゲームの基本構造を取り入れたもの。
3Dアクションがベースの場合はFPSやTPSに非常に近いスタイルとなるが、とりわけ全体的にアクションゲーム寄りの性質を持っている場合が該当する。

このジャンルに該当する大抵の作品で射撃武器は多めに用意されており、これを好みや状況に応じて使い分けていく。
武装の多様性が華であり、ゲームの進化と共に派手な演出効果を楽しめるものが増えていった。

アクションADV(AADV)

アクションゲームのようにキャラクターを直接もしくは間接的に操作して謎解きや戦闘を行いながらストーリーを進める形式のADVゲーム。
ストーリーそのもので楽しませるよりも、逃げる、避けるというアクション要素のほうに軸足を移した作品もある。
上記の特徴から「アクションRPG」と共通点が多く、実際どちらとも取れる作品(『ゼルダの伝説シリーズ』等)もあるが、概ね「謎解きやストーリー進行がメインとなる。
その為、戦闘(を始めとするアクション)はあくまでもその手段か障害ギミックの一部」「単純に戦闘を繰り返すだけではキャラクターの成長につながらない」といったものを「アクションアドベンチャー」と呼ぶ傾向にある。

アクションRPG(ARPG)

アクションゲームのようにキャラクターを操作し、敵を倒しながらフィールドを探索するタイプのRPGを指す。本Wikiでもよく表記されるジャンル。
「フィールド探索」と「戦闘」の画面がわかれている一般的なRPGとは異なり、それらを同画面でシームレスに行うのが最大の特徴である。
基本的には『ドラゴンスレイヤー*81』『ハイドライド*82』から始まったとされている。同時期に『カレイジアスペルセウス』もあったが人気が低かった…。
一応、この手の戦闘は技のコマンド入力のような煩雑な操作は要求されないことが多く、直感的に行動が出来るようになっている作品が一般的。
レベル上げや装備、スキル構成の差異によって難易度が変化することから純粋なACTが得意でないという層からもおおむね受け入れられている。
また工夫による攻略上の抜け道が多いことから、純粋なアクションとしては高難易度な、いわゆる「死にゲー」になっている作品も見られる。
RPGから発展というよりはアクションゲームに経験値・アイテムといったRPG要素を追加したものが基礎と言えるだろう。

通常はトップビューだが、ボス戦がサイドビューという特性を持つアクションRPG『風の伝説ザナドゥ』もある。

ハードの進化に伴って『Fallout 3』のようにアクションRPGにFPS/TPSの要素を盛り込んだゲームも近年では増加傾向にある。
特に『Borderlands』を始祖とするFPS/TPSにハクスラRPG要素を組み込んだゲームは「ルーターシューター」と呼ばれる新ジャンルとして定着している。
この他、多数の人間が時間を共有するオンラインRPGは必然的にアクションRPGが多い*83

この定義にそのまま当てはまるのは『キングダム ハーツ』等だが、スクエニ公式は一貫してジャンルを「RPG」としている。
海外では『ゼルダの伝説』もアクションRPGとして捉えられているが、経験値レベルなどといったRPG要素は採用しておらず公称メーカー表記も「アクションアドベンチャー」となっている。
また、戦闘はアクションだがフィールド探索とシームレスでない『テイルズ オブ シリーズ』や、逆にフィールド探索はアクションだが戦闘がターン制の『ヴァルキリープロファイル』等もアクションRPGとは見なさない傾向にある。
ジャンルの垣根が曖昧なジャンルと言えるだろう。

シミュレーションRPG(SRPG)

戦争・戦略系シミュレーションゲームのシステムに、RPGのストーリー性や成長システムを加えたもの。

シミュレーションゲームにおいては、多くの場合ユニットは単なる「使い捨ての駒」である一方で、SRPGではそれぞれのユニットにキャラクター付けがなされており、経験値等を稼いで強くなる場合が多い。
また世界観やストーリーはRPG並みに設定されており、ユニット同士の掛け合いがなされたり、説得や寝返りなどによってユニットがその所属元を変えるなどのイベントが用意されている場合も多い。
一方で「戦略級SLG」に存在するユニットの生産や補給の確保などは、簡易化されているか省略されている「戦術級SLG」であることが多い。
とは言え、考えなしに細かな戦略要素を組み込んでも複雑になりすぎて面倒くさかったり面白くなくなったり物語の邪魔だったりするだけなので、ゲーム性やヒーロー性を考えればこの点を批判されることはまずない。

ファイアーエムブレム』は日本のコンピューターゲームにおいて、このジャンルを確立させた草分け的な存在として有名なシリーズ。
その他ではミリオンヒットである『ファイナルファンタジータクティクス』や、ハーフミリオンを達成した『タクティクスオウガ』や『サモンナイト』シリーズ加え、半アクション性を盛り込んだ『戦場のヴァルキュリア』シリーズ等が有名。

ユニットに性能上の個性を持たせることで一人のキャラクターとして表現しやすく、普通のRPGより多くのキャラクターを一度に登場させやすいということもあり、様々な作品のキャラクターが作者や企業の垣根を越えて集うクロスオーバーものとの相性もよく、版権もののSRPGも多く制作されている。
その中では、古今のロボットアニメに登場するロボットやそのパイロットたちが競演する『スーパーロボット大戦』シリーズが特に有名である。

オンラインゲーム

インターネットに接続することで、他のプレイヤーと共闘(あるいは対戦)できるゲームのこと。
古くはインターネット登場前の「パソコン通信」時代でも後述の「オンラインテーブルゲーム(プレイ・バイ・eメール)」「オンラインセッション」や、さらには『アイランド・オブ・ケスマイ*84』なんてのも存在した。
1990年代後半にインターネットの環境が整い始めると、オンラインテーブルゲームのUIが向上し、さらには『Quake』(FPS)や『ディアブロ』(MORPG)等の「アクション性(リアルタイム性)のあるオンラインゲーム」も登場するようになる。
そして、『ウルティマオンライン』『エバークエスト』といった「一つのサーバーに数百~数千ものプレイヤーが集まり、各々が冒険を繰り広げる」と言ったMORPGの進化形であるMMORPGが出現するようになった*85

ネットゲーム

略称は「ネトゲ」で、オンラインゲームの中でも以下の2種に大別されるアクションRPGを指す場合がほとんどとなる。

  • ロビーでメンバーを募り、数名で組んだパーティーで攻略していく「多人数同時参加型オンラインRPG」のこと。
    「MORPG (Multiplayer Online Role-Playing Game)」と呼ばれる。
  • ロビーフィールドではなくクエストフィールドに全プレイヤーが会する「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」のこと。
    「MMORPG (Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)」と呼ばれる。

共通してバージョンアップを重ねることで新規要素がどんどん追加されてゆくため、最終的にオフラインRPGとは比べ物にならない膨大な作りこみ・ボリュームに至る。
ただし「やれることが多い=膨大な時間を消費する」ことにもつながり、リアルの生活(仕事や学業等)そっちのけで没頭してしまう者も存在し、「ネトゲ廃人」「ひきこもり増長」といった社会問題にも発展した。
最近において国内展開されているものではスマートフォン期のソーシャルゲームに代表される基本無料ゲーム・有料アイテム/ガチャ課金のモデルが多くなっており、
マルチプレイRPG以外の線引が難しくなってきている。

アップデートの速さからネットゲーム/オンラインRPGの記事は「記事の肥大化」「記事更新が空き過ぎたせいで記載されている内容が現状とかけ離れている」といった問題が起こりやすい。
記事作成や追記に関する制限は無いが、記事を修正する執筆者諸氏は作業の際に前述の問題点を念頭に置いた上で行動してほしい。

F2P(基本無料ゲーム)

「Free to Play」の略で、基本プレイ無料のゲームということ。大抵の場合はあとに続く「Pay to Win」が省略されている。そもそも「完全無料」なら単に「Free」の一語で済むからだ。
メーカーが利益を得る仕組みとしては、「広告表示」「ストーリー・キャラ・機能を解放したり武器・コスチューム等の購入や広告撤去等の買い切り型課金」「ガチャやスタミナ回復アイテムやゲーム内資材などの課金」に分かれる。
元はアマチュアの自作ゲームやオンラインゲームが主流だったが、スマホの普及でソーシャルゲームが一般化したことにより爆発的に増えた。
現在ではPS5/XSX/PS4/One/Switch/PSV/3DS等のCS機でも、数多くのF2Pゲームタイトルがリリースされている。

余談:F2Pゲームの内部ジャンルと項目作成について

当Wikiではソーシャルゲームの項目作成が禁止されている。理由は「コンシューマーゲーム・PCゲームとは趣が大きく異なる」ため。
詳しくはこのWikiで扱う作品を参照。

この文章が追加されたのは2017年だが、オンライン前提のMMO、FPS、カードゲームなどを始めとして、1人用アクションやアドベンチャーでも「ガチャがある」「広告を見ると有利になる」などの要素があるだけの、「普通のゲームと遜色ないF2P作品」が増えた2020年代においては、単なるF2Pゲームがソーシャルゲーム禁止ルールにひっかかり、ややこしいことになっている。
2021/10/25の基準だとおおむね「基本無料かつ、ガチャでゲーム上必要な何かを入手するゲーム」が禁止。
判定が怪しそうな作品の項目を作る場合は掲示板で相談した方が良いだろう。

  • ガチャ入手品がゲームに必要な場合は、「基本プレイ料金」が掛かるゲームならOK 例:『ボンバーガール』『FGO Arcade
    • カードパック=「ゲームに必要なガチャ」となるため、基本無料の電子カードゲームはソシャゲ扱い。
      有料パッケージ版が発売されている『シャドウバース チャンピオンズバトル』はOKだが、
      原作となったスマホゲー『Shadowverse』や同システムの元祖『Hearthstone』はどちらも基本無料でもあるためNG。
  • 基本無料かつガチャ要素があるゲームでも、ガチャ入手品がすべてスキンなどプレイ内容に直接影響しないならOK 例:『Apex Legends

※以上の裁定は現行のもの。今後の議論やルールの変更によって変わる可能性がある。

コンストラクションソフト(ツールソフト)

自分オリジナルのゲームを制作できるソフトや、アクション/レースゲームなどで極稀に用意されているステージエディターなどを指す言葉。平たく言えば、「ゲームを作るゲーム」の事を示す。
ソフトウェアの開発支援ソフトを指す「ツール」や、「構造・組み立て」を意味する英単語「construction」が語源。
現・角川ゲームスの「〇〇ツクール」シリーズにちなんで、「ツクール系」と呼ばれることもある。

あらかじめ用意された素材を組み合わせる事により、プログラムや素材をわざわざ自作しなくとも手軽にゲームを制作できるのが強み。
もちろん「ありものの組み合わせ」に加えて表現力やシステム上の制限にひっかかりやすく、当然ながら本来の開発環境と比べると制作自由度(システムへの手の加えやすさ等)の面では大幅に劣る。
とは言え低工数で作品を完成させやすく(良い物を作ろうとするとやはり工数がかかるが)、バグで遊べない等の致命的なクソゲーも誕生しにくいという長所がある。
中には、本来想定していたジャンル以外のゲームを作れてしまうほどのポテンシャルを秘めつつ、その分実際のプログラミングに等しいレベルの知識・技術レベルを要求してくるマニアックな代物もある。

このジャンルのゲームにおける、重要なファクター(『制作側』の観点による)の一例を以下に挙げる。

  • 素材の導入制約
    • ゲームの構成要素である「グラフィック(戦闘背景・主人公・マップ等)」「音声(BGM・効果音・ジングル等)」は全て「素材」と称される。
      ユーザーは製作ソフト側が用意した、いわゆる「RTP(ランタイムパッケージ)」と呼ばれるデフォルトの素材と、グラフィックツールや制作ツールで自作したり、他人が制作し配布している、いわゆる「オリジナル素材」を用いてゲームを制作する。
      ただしソフトにより持ち込める素材の規約(サイズ、拡張子、色数等)があり、それにより製作難易度や、過去作用に作成・使用した素材の使いまわしができるかが定まっている。
      素材の規約は素材製作者人口の増減、つまりはその制作ソフトが広がるか、衰退するかの鍵を握っている。
  • 根気と知識
    • いくら優れた製作ソフトや素材があれど、肝心の製作者が飽きてしまったらそれまでである(俗にいう「エターナる」)。
      また、近年の作品は高度な設定ができるようになった反面、スクリプトを使いこなすにはプログラミングの知識が求められたり、自作の素材を扱う場合はイラストや音楽制作の知識が要求される。 この点に関してはメーカー側が関与できる要素ではないため、文献やネット、他ゲーム等からヒントを得るなど、各個の工夫によりモチベーションを維持するしかない。

RPG製作ソフト

一般的なゲームソフトが「メーカー側が設計・作成したゲームを遊ぶ」のに対し、「メーカーが作成環境を用意し、プレイヤーがその環境下で自分でゲームを作成するコンストラクションソフトの中の1ジャンルで、この系統は『RPGツクール』に代表される。
登場人物からフィールド、ダンジョンといったマップ、アイテム、敵キャラ、魔法、イベントまで一般的なRPGに登場する要素をほぼ全てユーザーの練った構想のもとに作っていき、オリジナルの「RPG」を制作できる。
あくまで制作ツールなので、それ自体にゲーム的な要素は皆無であり、作品制作を達成できたからといってエンディングが存在するわけでもない。

古くは1982年からこのジャンルの初代ソフトが発売されているが、PC-98シリーズとWindowsの初回作は設定できる項目が極めて限定的で、システムの根幹部分は変更できなかった。
しかし、それ以後の作品ではユーザーが変数を設定出来る様になったり、「スクリプト」と呼ばれるソースコードを修正することで、ダメージ計算式やメニュー画面構成、果てはフロントビュー/サイドビューといった、システムの根幹部分までをカスタマイズできるようにもなった。

ゲームエンジンと元は別物だが、近年はRPG製作ソフト側のスクリプト機能などの発展による高機能化、
逆にゲームエンジンのマニュアルやアセットなどの発達による初心者への制作支援により、差は埋まりつつある。

◯◯ライク

「~のような」の意味。RPGやアクションなど大枠のジャンル以上に、具体的なゲーム名を例にするのが最もしっくりくる場合に用いられる。
境界線が曖昧で勘違いされやすいが、システムなどを丸々流用したクローンゲーム、パクリとは区別される*86
単に流行った作品を模倣しただけで二匹目のドジョウ狙いの凡作以下から、原作に対するリスペクトを感じさせつつもオリジナルな発展性を全面に押し出した良作までその内容や出来は様々。
多くのフォロワー作品が登場し、長くユーザーに受け入れられていくと、やがて一ジャンルとして定着することになる*87

Wizライク

RPGのうち、ダンジョン探索型3DRPG『Wizardry』の基本的なシステムを継承・踏襲しているゲームの事を指す。
ダンジョン探索型3DRPGであるだけではWizライクとは言わず、「ストーリーを追うことよりもダンジョン探索やハクスラ(戦闘)&アイテム収集の面白さに特化している」「ダンジョンと拠点を往復しながら徐々にキャラを強化していく」といった特徴を持つものが該当する。
難易度もウィザードリィシリーズの特徴を踏襲している場合が多く、戦闘面においては他のRPGに比べると難易度が高く、序盤から常に全滅/ゲームオーバーの危険が付きまとうものが多い。
この特性上、ストーリーやグラフィックなどよりも「システム面での快適さ(インターフェース、テンポの良さ)」が重要視される傾向にある。

日本のアクションRPG(『ハイドライド』『ドラゴンスレイヤー』『イース』やアメリカ製の3DアクションRPG『ダンジョンマスター』から始まったシームレス方式*88が主流となった海外では「カビの生えた古臭いシステム」としてほぼ絶滅しかかっているジャンル*89ではある。
だが、日本ではリアルタイムで『ウィザードリィ』シリーズ(『5』以前)にハマっていたオールドゲーマーから常に一定の需要があるためか現在でもコンスタントに新作が発売され続けている。
また(アクション性以外での)高難度を好む国内プレイヤーにも好まれている。なお、海外ではレンタル制度等がある*90関係で、wizライクを抜きにしても日本製ゲームより高難度な作品が多い*91というのも一因のようだ。

カベールライク

ガンシューティングの派生ゲーム『カベール』(1988年、TAD)をベースとする区分。
一般的なガンシューティングと異なりプレイヤーキャラクターが手前に表示され、発砲と移動を同時にこなす(画面上の照準を動かすと同時にプレイヤーキャラクターも動く。
敵弾も表示されており、プレイヤーキャラクターが被弾するとミス)プレイスタイルが特徴。海外では同作がヒットしたこともあり、類似作に対し「カベールシューター(Cabal Shooter)」という呼称が使われることもある。
主なタイトルに『ブラッドブラザーズ』『NAM-1975』『WILD GUNS』などが存在するほか、アーケード版ロボコップやエイリアンズなどの一部ベルトスクロールアクションではミニゲームとしてカベールライクを採用しているものが存在する。

魂斗羅ライク

コナミの『魂斗羅』シリーズに強く影響を受けたアクションシューティング作品。
「数種類の個性的な武器を切り替えながら戦う」「多関節プログラムを駆使したギミックや大型ボス」が同シリーズの象徴であり、他にも「頭を捻らず敵をバリバリ撃ちまくる爽快感重視の作風」「一撃死と初見殺しによる高難易度」「どことなくバカゲー臭のする演出」などが共通点と言えるだろう。
俯瞰視点の『ネオコントラ』や日本未発売の3D作品が不評だった為か、旧来のオーソドックスな2D作品がほとんど。

日本では絶滅危惧種だが、「息抜きにサクッと遊びたい」という一定の需要と、製作のハードルが低い事もあり主に海外のインディー系から「Contra-like*92」としてコンスタントに発売されている。

  • 2015年以降に発売された作品例…『Blazing Chrome』『Super Cyborg』『Valfaris』『Biolab Wars』『Cuphead』等
  • ガンスターヒーローズ』…元コナミスタッフが立ち上げたトレジャーの処女作。

ゼルダライク

ゼルダの伝説』シリーズに影響された作品群。
「手持ちの武器やアイテムを駆使して謎を解きながらダンジョンを攻略する」「HPは数字ではなくハートなどの記号」「 経験値の概念なし」 などといった共通点がある。
ただし、

  • 初代『ゼルダの伝説』の時点で前述の共通点を確立し、後にアクションADVとして定着するジャンルの草分け的存在である
  • シリーズ初の3D作品である『時のオカリナ』(および『スーパーマリオ64』)は、3Dゲーム黎明期にして「3Dゲームとは、こうすることでこのような楽しみを提供できる」という定義をしてしまった程の傑作であり、後続の作品に与えた影響は計り知れない

ことから、ゼルダライクという呼称について「分類が大まか過ぎて分かりにくい」「既にアクションRPG/ADVというジャンル名に昇華されているのでナンセンス」という意見もある。

本家と同じく2D作品と3D作品に分かれるが、開発難易度の違いから2D作品の方が数が多い。下記はほんの一例である。

ソウルライク

フロム・ソフトウェアが開発した『DARK SOULS』を始めとした一連の作品の影響を強く受けているゲームのこと。
Bloodborne』も含めた「ソウルボーン(Soulsborne)」といった呼び方もされ、他社製のソウルライクと区別する際は「本家」とも呼ばれる。
大手企業は本家と同じ3Dアクションが多く、中小企業や同人/インディーズ作品では2Dアクションやコマンド式RPGが多い。
ほとんどは「高難易度」「近接戦闘メイン」「ダークな世界観」「初見殺しと死に覚え」などの共通点を持つため決してカジュアルプレイヤー向けのジャンルでないのは確かだが、
「とりあえず難しいゲーム=ソウルライク」という少し誤った使い方をされることもあり、それに対し熱狂的なファンが「ダークソウル(ソウルライク)警察」として突撃して否定し、炎上に発展する事態も度々起こっている。

また、『SOULS』シリーズ開発会社の『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』もソウルライクといえるが、優れた戦闘システムが別ベクトルで周囲へ影響を与えたためか新たに「Sekirolike (セキロライク)」という派生が一部で見られている。
特に下記の『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』はチャンバラの様子が『SEKIRO』の影響を受けたと言われている*93

  • 主なソウルライク作品……『Lords of the Fallen』『The Surge』『仁王』『CODE VEIN』『LET IT DIE』『Star Wars Jedi: Fallen Order』等

ちなみに、2D作品のソウルライク作品は「メトロイドヴァニア」の要素を含み、半ば混同され気味な傾向が目立つ。
これはそもそも『SOULS』シリーズ自体が3Dの迷宮探索型ゲームであることも関係しているのかもしれない。

Diabloライク

MORPG『Diablo』によく似たゲームの事を指す。
「クォータービュー」「弾避け・位置取り程度の簡単なアクション要素あり」が必須項目で、さらに「ダンジョン、アイテムがランダム生成」「ハクスラ重視」「マルチプレイ可能」といった特徴が当てはまる。

この手のゲームは本家本元の『Diablo』シリーズが「ほぼ一強」と言えるほどの圧倒的なシェアを誇っている。
だが、「少し飽きてきたから息抜きにオフラインのDiabloライクを遊ぶ」といったプレイヤー層を狙ったスキマ産業?が成り立っており、定期的にこの手の作品が発売されている。

  • 主なDiabloライクのRPG……『セイクリッド』シリーズ、『タイタンクエスト』『トーチライト』シリーズ等

無双系

コーエーの『真・三國無双』を起源とする、3Dアクションゲームの形態の1つ。
無双シリーズを祖とするが本家以外のメーカーも採用した為、似た傾向のものもまとめてこう呼ぶ。

特徴は3DCGで描かれたマップを自キャラが縦横無尽に走り回り、わらわらと寄ってくる雑魚をなぎ倒していく点。
そしてその雑魚の数はハードの性能向上により数十~百人規模に及び、それを「一騎当千」と呼べる勢いで自キャラがなぎ倒していく。
操作はおおむね簡潔にまとめられており、特別複雑な操作を要求されることはあまりない。
その他の要素もプレイヤー有利である場合が多く、あまりアクションゲームが上手くない人でも簡単に爽快感を味わえる。
それでいて物量を活かしRTS要素を取り入れた戦略性・幅広い難易度設定や縛りプレイ、ハクスラ系の流れを汲んだ成長要素&アイテム収集といったやりこみ要素も兼ねそろえられる、自由度が高めなジャンルの1つとなった。

ただしこのジャンルは爽快感が最重視されるため、雑魚敵の動きが単に棒立ちであったりただ適当に動き回っていたりという状況も皆無ではない。作り込みが甘い場合は尚更である。
低難易度でプレイすると殊更その傾向が目立つため、ただボタンを連打するだけの「連打ゲー」と称されたり「草刈りゲー*94」と揶揄されることもしばしばで、ゲーム性が低いヌルゲーと批判されることもある。
オプション設定などでゲーム難易度を上げれば大抵の場合はそこまでヌルゲーにはならないのだが、成長要素の存在や爽快感重視などから初期状態でいきなり高難易度モードに挑むプレイヤーはそう多くないため、ヌルゲーの印象が強く残ってしまうのは致し方ないだろう。

他の問題点として、キャラ表示数の制限のせいで、近くで突然現れるまで敵の視認や攻撃ができないステルス現象が避けて語れないものになっている。
試行錯誤を経て、据置ハードのスペック向上を経た今では目くじら立てて気にするほどではなくなっているが、携帯機移植においてはハードそのものが市場から引退するまで制限の強さを脱せないままとなった。

なお、他のジャンルでも、強い味方キャラクターが多数の敵を一人で撃破する遊び方を「無双」または「無双プレイ」と呼ぶことがある。

メトロイドヴァニア

メトロイド』や『悪魔城ドラキュラ(キャッスルヴァニア)』に似た2Dアクションゲームのこと。
〇〇ライクではないが、使われかたは全く同じ。
最大の特徴は「いくつもの部屋がつながったひとつの巨大なマップを持つ」という点。探索要素がフィーチャーされ、アイテムを探すために寄り道したり、能力を強化したりといったRPG要素が大小組み合わさったものも多い。
部屋(エリア)を切り替えて元の部屋に戻ると、敵が復活しているものも多い。
元祖の2作がそうだからか、暗く陰鬱とした雰囲気の作品が多い。

大手メーカー作品では由来となった2つのシリーズ以外にこれといった代表作が少なく、また元の2作ともにシリーズが停滞していたため希少ジャンルと化してしまっている。
その一方で、インディーズ・同人界隈ではフォロワー作品がかなり多い…のだが、実際は難易度的に実質ソウルライクと呼ぶほうが相応しいレベルの高難易度も多々あり、これらの2ジャンルについて混同が少なくない状況になっている。

Steamのジャンル名としても正式に採用されており、少し短縮して「メトロヴァニア」とも呼ばれることもある。
別会社のタイトル名ががっつり入っているのでKONAMI側は使用していないが、一方で任天堂は自社の宣伝動画で使用したことがあり、一般名詞化したためかユーザーに使われることは特に気にしていないようである。
とは言えメーカー側は大人の事情を気にしてかこのジャンルの正当後継作となった『Bloodstained: Ritual of the Night』ではメトロイドの名を入れず、より強いRPG要素を含む差別化を示す意味も込めてかこのジャンルを有名にした当作プロデューサーの名を使い「イガヴァニア」としている。

ラブデリック系

かつて存在していたゲーム会社「ラブデリック」が開発した『moon』や同社が携わった作品の内容が特異なものであったため同社が関するものや類する特徴を持つ作品がこう呼ばれることがある。ラブデリ系、ラブデ系とも呼ばれる。
その要素として「異色な題材」「会話の音声が独特で字幕付き」「戦闘を主軸としていない」「ブラックなネタ、社会風刺、パロディが多い」「ゲーム内時間があり、それに沿ってキャラクターが生活」といったものである。
(J)RPGやアドベンチャーなど一般のゲーム要素における「王道的なもの」とは一線を画する内容であることが多く、一種のアンチテーゼとも捉えられる要素も含むため好き嫌いが分かれやすい。ただそれ故に魅力に惹かれる者も少なくない。
ラブデリックの設立に携わったスタッフは『スーパーマリオRPG』の開発に関わった元スクウェアのスタッフである。
ラブデリック解散後はその縁か、任天堂でリリースしていることも少なくない。黒い任天堂と呼ばれるのも納得である。

ローグライク

CRPG黎明期のPC作品『ローグ』に似たシステムを持つRPGのこと。
「ダンジョンなどがランダム生成」「空腹度システム」「移動や各種行動を"1手"と数えて管理するターン制」等のシステムが特徴。
またハクスラ系であり、かつ死んだ場合のペナルティが非常に重い作品も多い*95
オリジナルが文字のみで表現されていたためか、日本では後年になっても文字による表現を重視しているものが多い。

日本でこのジャンルを語る時に絶対に外せないのが、日本におけるローグライクの伝道師と言えるソフトメーカー「チュンソフト」の存在であろう。
チュンソフトが開発、発売したDQシリーズスピンオフ『トルネコの大冒険』のヒットによりローグライクゲームの知名度が急上昇。
さらに自社オリジナル作品である『風来のシレン』を筆頭・ベースに、『ファイナルファンタジー』『ポケットモンスター』シリーズ等においても良質なローグライクゲームを多数開発してきている。

多くはターン制RPGだが、最近ではシミュレーションや各種アクションなど、別のジャンルに上記の要素を取り入れたものもローグライクと呼ばれることが増えてきた。

ローグライト

ローグライクのさらに広義な言葉であり、プレイヤーキャラクターが死ぬとダンジョンもしくはマップが自動再生成され、レベルがリセットされて再スタートとなるゲーム全般を含む。
RPGだけではなく、アクションゲームやシューティングゲーム、シミュレーションゲームにも適用される。

更にローグライト内の小ジャンルとして、カードゲームの要素を組み合わせた「Slay the Spireライク」が存在する。

参考資料:当Wikiでは取り扱っていないゲームジャンル

「遊ぶのに家庭用ハード及びPCを使用しない」「ブラウザゲーム・ソーシャルゲームに該当する」「賭博(ゲーミング)など、ゲーム性を楽しむのではなく射幸心を煽ることに主眼をおいている」といった理由により、当wikiの取り扱い対象外(このWikiで扱う作品参照)となっているジャンル。
もちろん、家庭用ハード及びPCに移植されている作品はこの限りではない。
また、ゲームやシステムについて語る際に参考として名前や特徴が記述されることもあるが、可能な限り湾曲表現を利用してぼかすことが望ましい。

アナログゲーム

アナログゲームとは、遊ぶ際にコンピュータを必要としないゲーム(カードゲーム・ボードゲーム等)を指す言葉。
「非電源ゲーム」とも呼ばれ*96、性質上戦略性に偏重したゲームが多い。
当wikiはコンピュータゲームソフトウェアを扱うものであり、アナログゲームは一切が取り扱い対象外(記事作成禁止)である。しかしアナログゲームをコンピュータで再現したゲームソフトは、その限りではない。
アナログゲームの多くが2人以上のプレイヤーを必要とするため、「何時でもコンピューターが相手をしてくれる」と言うのがコンピューターゲーム化の最大の利点である。
また、1人用ゲームのソリティアだったり、多人数ゲームでプレイヤーが揃っている際でも「道具かかさばらない」「面倒な準備や複雑な処理を自動でやってくれる」と言う利点がある。

テーブルゲーム(TBL)

将棋、囲碁、麻雀、オセロ、トランプ等、机の上で行われるゲームの事を指す(テーブルテニスの類はこのジャンルに含まれない)。
近年ではDeep Fritz・Ponanza・AlphaGo等の世界チャンピオンさえ負かすAIが出ているゲームが多く、将棋や囲碁などの運(乱数)が絡まない分野ではAIの裏を突くか*97、CPU側が手加減しないと人間が勝てない時代が訪れている。
「コンピュータ〇〇」などのより強いAIを作成することを競う分野もある。

実体験するのが不可能なRPGやAVG/STG等とは違い、テーブルゲームは道具と人数さえ揃えば簡単に実体験することができる。
1人プレイならまだしも、物と人数によってはコンピューターゲーム版でプレイするよりも実物をプレイしたほうがいいというケースもありえるのが悩ましい。
一方、インターネットの普及により離れた相手とも気軽に対戦できるようになってからは「インターネット対戦をやりたいがために環境を用意した」なんて話も珍しくない。
昨今では「インターネット対戦で腕を磨きました」と言うプロ棋士も登場するようになっている。
余談だが、かつては「プレイ・バイ・メール(PBM)」と言って、チェスの1手を書いては対戦相手に手紙を送る、と言うやり取りで対戦をしていたと言う話もある。当然郵便の速度を考えれば対戦終了までに年単位の時間が掛かることだろう。

テーブルトークRPG(TRPG)

テーブルトーク・ロールプレイングゲームの略称。
自分で作成したキャラクターになりきって進めるという遊び方から「役割を演じるゲーム=ロールプレイングゲーム(Role Playing Game)」と呼ばれるようになった。
テーブルトークはコンピューターRPGと区別するために作られた言葉で、「大勢でテーブル(卓)を囲んでトーク(会話)する」というプレイの様子を指して名づけられたもの。「会話式RPG」とも呼ばれる。
この呼称自体は日本で『ザ・ブラックオニキス』『ドラゴンクエスト』と言ったコンピューターRPGがヒットした後に、その元ネタとしてTRPGが紹介された*98と言う順番であった事から後付けで作られた和製英語である。
その為、テーブルトークRPGを原初としてコンピューターRPGを生み出したと言う歴史を経験している欧米でRPGと言った場合は、常にこのTRPGを意味することになる*99

一言で言えば、コンピューターRPGの前身にあたる「アナログRPG」である。
キャラクター作成から武器防具の設定、攻撃・防御・調査・発見のルールなどを取り決めた冊子・書籍*100を用いる。
一人のプレイヤーが1人のキャラクターを受け持ち、シナリオとルールを管理するゲームマスター(GM)と呼ばれる人に、キャラクターの行動を伝え、GMはルールに基づいてプレイヤーの行動の結果を判定する。

このゲームがコンピューターゲームにまず見られない最大の特徴は、参加するプレイヤーやGMによって内容や結果が大きく変化するところにある。
例えば「村外れに住みついたゴブリンが畑を荒らすので何とかしてほしい*101」というあらすじ・シナリオが敷かれていたとする。
素直にゴブリンを退治して終わることもあれば、裏事情を知ったことで別の展開をたどることもある。遠いところに移住するよう勧告したり*102、話術に長けたプレイヤーなら村人を説得して共存に向かわせることも可能だろう。
このようにその場に応じたアドリブが利くことが最大の特徴であり、GMがそれらの行動に対し柔軟に対処できるのならば、理論的にTRPGはCRPGとは比較にならない程の展開の多様さを誇っていると言える。
ただし、余程荒廃した設定でもない限り良識や自治も存在しているため、CRPGからTRPGに入ったプレイヤーが「勝手にタンスを(ry」などとやろうとすればGMからの注意は入るし、実際にも衛兵に捕まって牢屋に放り込まれるといった展開は十分ありえる話。
このように、生身の人間同士でのプレイなので自由度とアドリブ性が非常に高く、自分たちで作成したキャラになりきってプレイヤー各々がキャラを演じる「ごっこ遊び」的要素も没入度を高める要素として大きく作用している。

ちなみに、プレイヤーがGMに「勝つ」ことは基本的に不可能。
そもそも「GMの決定はルールブックよりも優先される(ルールブックはGMの裁決を手助けするための指針でしかない)」とするゲームも少なくないので、GMとプレイヤー達は敵対関係ではなく、むしろ GM+プレイヤー全員で協力してひとつの物語を創りあげるような心構え が望ましいとされる*103
GMはその気になればいつでもプレイヤーキャラを問答無用で皆殺しにしてゲームオーバーにできる権限を持つ。逆にいうと、GMは敬意を払われるべき存在としての行動を求められており、敬意を払うに値しないGMの卓にプレイヤーは集まらない。
このことからか不特定多数のプレイヤーが集まって多くの卓を立ててTRPGをプレイするイベント(コンベンション)でも、プレイヤーは参加費が必要だが、GMとして参加するなら参加費を免除されることが多い。

しかし、判定のためのダイスロールや計算が非常に面倒だったり、楽しく遊ぶには最低でも2人以上(GMとプレイヤー)が必要*104な上、日本では「マニアックなゲーム」と見なされているため*105愛好者が少なくメンバー集めが大変なうえ、さらに負担の大きいGMの成り手は少ない、と言う難点が存在する。
さらには「GM>ルールブック」な場合はハウスルール(卓独自のルール)も多く、経験者でも卓に慣れるまでは他のメンバーと常識が違っていたりして、数ある"遊び"の中でもハードルが極めて高い。

また最も注意しなくてはならないのは、すべてのGMが想定外のことに柔軟に対処できるスキルを持つわけではないことである。
想定外のことに対処できないならGMは「ごめん、そういう行動はやめてくれ」と言うべきであり、GMにそういうことを言われたらプレイヤーも素直に従うのがTRPGの「最低限のマナー」である。
TRPGには無限の自由度があるとかいう言説はただの理想論であり、実際は「そのGMのスキルで対処できできないことはやりようがない」のが現実である。
そしてTRPGのスキルはGMだけに求められるものではなく、プレイヤーもGMが困っているなら「こういう展開にすればどうかな」とアイデアを出してあげるフォローもしてあげるべきだろう。
上述した「GM+プレイヤー全員で協力してひとつの物語を創りあげるような心構え」とはこういう気遣いも意味している。
TRPGはGMがプレイヤーを「楽しませてくれる」ゲームではなく、GMもプレイヤーも全員が「みんなを楽しませて、自分も楽しむ」ためのゲームであることを忘れてはいけない*106*107

こちらもインターネットの普及でチャットを使用した「オンラインセッション」と言うものが登場して、離れたプレイヤー同士で遊べるようになっており、円滑なプレイを進めるための支援ツールも数多く存在している*108
またこのジャンルでもPBMも存在しており、そのネット版である「PBeM (プレイ・バイ・eメール)」と言う物も一部の企業が運営している。
同好の士を見つけるのも大変だった地方在住のTRPGファンにとっては、かつてのTRPGブーム時代*109よりも遊びやすくなったと言えるかもしれない。

なお、「人気を博したCRPGがTRPGとして展開される」といった先祖返りにも似た事例も存在する。

  • TRPGを原作としたコンピューターゲームの例……『ダンジョンズ&ドラゴンズ』『ソードワールドPC/SFC』『ロードス島戦記』等
    • PBMを原作とした例……『8th Angel 終末の天使』等
      • 読者参加企画(個別返信の無い投票型なので、PBMとは言いづらいが)を原作とした例…『女神天国』『シスタープリンセス』『ラブライブ』等
  • TRPGの原作となったコンピューターゲームの例……『Wizardry』『真・女神転生』『世界樹の迷宮』等
    • 特殊な例……『ANGEL-GEAR*110』『艦これTRPG*111

トレーディングカードゲーム(TCG)

『マジック:ザ・ギャザリング』から始まったカードゲームの一種。
カードが封入された中身の見えないパック等を買い、希望のカードを揃える為に同好の士とカードを交換できる「トレーディングカード」でゲームができるようにしたもの。
決められたカードで構築されたスターターデッキと中身の見えないブースターパックを発売するTCGの一般的な販売方式である。
また、開封されたカードから特定のカードだけ(シングル)を購入するプレイヤーも多く、シングルを扱うTCG専門店も数多く存在する*112
シングル販売はメーカーの直接的な利益にはならないが、間接的にパックの売上が伸びる等の副次的な効果が大きく、黙認しているメーカーがほとんどである。
むしろ、専門店とメーカーが協力して大会を開催したり、限定グッズを販売することも珍しくない。

従来のカードゲーム(『UNO』やポーカー等のトランプゲーム)が1つの山札(デッキ)を全員で共用していたのに対して、各プレイヤーが自分だけのデッキを持参すること、それはルールの範囲内ならば持っているカードで好きなように組めるということが斬新であった。
そのような性質上、プレイ前のデッキ構築が勝敗を大きく左右する。
また、多かれ少なかれ運が絡むゲーム性であり、デッキ構築の段階で運の要素を減らす事も重要となる。

多くのTCGでは、プレイヤーはデッキから4枚~7枚程のカードを最初の手札として取り、あとは自分の手番が来るたびにデッキから1枚のカードを引く(ドローする)。
多くのカードは戦闘ユニット(戦士やモンスター)を表している。パワー等のステータスが高いカードも低いカードもあるが、ステータスが高いカードは場に出す(or場に維持する)為に相応のコストや制限を必要とすることがほとんどである。
また、各戦闘ユニットは強さを表す数字だけでなく、色々な特殊能力(効果)を持っているカードや使い切りのカード(呪文や魔法カード等と呼ばれる)も多い。
カードの効果は必然的に戦術・戦略の核を担うことになる。時に、基本ルールすら捻じ曲げる効果を持ったカードが登場する場合も少なからずある。

現在、ほとんどのTCGはプレイヤー2名による1vs1対戦形式が基本である。
あくまでも基本であって、『MtG』のように「2v2専用ルール」や「最大何人でもプレイ可能なルール」等、多人数戦を正式にサポートしているタイトルもある。
専門店等では対戦スペースを用意してあることも珍しくなく、規模の小さい大会なら専門店で行われることが多い。 「プレイヤーを探しやすい」「少人数でもプレイできる」「様々な戦術を練れる」といった点がTCGの大きな利点と言える。

このジャンルの多くはカード毎にレアリティ(希少度)を設定していて、基本的にレアリティが高いほどパックへの封入率が低く、カード効果も派手になる(または複雑になる)傾向*113にある。
また、レアカードは「イラストに特殊な加工がされる」「文字が箔押しになる」といった仕様のTCGも多く、見た目的にも派手になる。 他、複数のカードを併用して相互作用させることにより、それぞれを単独で使用するよりも遥かに強力な効果を発揮する場合もある。
こういった「コンボ」もしくは「シナジー」の中には、成立すると勝利が確定するほど強烈かつ鮮やかなものもあり、それが決まる瞬間はまさにTCGの華と呼べる。

一方で、カードプールや新規ルールの追加等によって問題が発生しやすく、バランス調整やルール整備が難しいジャンルでもある。
「カードパワーのインフレ」「処理順の複雑化」「テキストの不備*114」「拡張パック(セット)の販売促進として露骨な強力カードの追加」「開発側が想定していなかった強力コンボの発覚」「大幅なルール変更が物議を醸す」など、混乱を挙げると枚挙に暇がない。
これらの問題に対しては「特定カードの使用禁止や枚数制限を設ける」「一定期間内に発売されたカードのみを使えるルールを制定する*115」「特定のカードをエラッタ(テキスト変更)する」「カードの記述に優先する公式ルールや裁定を発信する」「強力な対抗馬の追加」「ゲームのルールを変更する」等の形で対応される。

また、環境で勝ち抜いていくのを目指すとなると、プレイングやデッキ構築の腕前だけでなく経済力もかなりのウエイトを占める。
こうしたことから所持するカードを「(カード)資産」と呼び、カードの相場が乱高下することを「株取引」に例えられる。
強力なデッキを構築するためには相応の投資が要求されることは珍しくなく*116、特に新規参入する際の初期投資はどのTCGでも高額になりやすい*117
このことがプレイヤーの新規参入を妨げる要因となっており、メーカーも必須(人気)カードを定期的に再録して入手しやすくする、拡張パックで新テーマ(コンボ)のキーカードを低レアリティに設定する等の工夫を行っている。
ただし、高額カードの再録は既存プレイヤーやショップの資産を減らす行為にもなり、結果としてプレイヤー離れを起こす要素にもなる為、匙加減が難しい要素でもある。
こちらには、一定期間は再録しなかったり*118、再録の際にレアリティを変更するといった形で対応する事が多い。
しかし、カード価値の過剰な保護の結果、いわゆる札束デッキどころか、1枚で高級車が買えてしまうような高額カードを扱うような事態も起きてしまい、「真正の実物カードでデッキを組んでゲームを行うこと自体の金銭的リスク(紛失、盗難、破損、汚損等)が問題になっているゲームも存在する*119

新規参入のハードルの高さから、一般に「TCGの掛け持ちは難しい」とされており、
掛け持ちする場合でも、本気でデッキを組むTCGを絞るなどして全てを全力で楽しむプレイヤーは少ない。
そのため、新作に手を出すことのリスクがメーカー*120としてもプレイヤー*121としても非常に高いため、市場の発展性が絶望視されている。

コンピューターゲームにも既存TCGのデジタルゲーム化から完全オリジナルまでいろいろとリリースされている。
そして21世紀に入ると、アーケードゲームにおいて「トレーディングカードアーケードゲーム(TCAG)」と呼ばれる複合ジャンルが登場し、さらに最近ではスマートフォン向けのデジタルTCGが増えている。
デジタルTCGはTCGと区別する形で「DCG (デジタルカードゲーム)」と略される。
既存のTCGのコンピューターゲーム作品はシミュレーターとして評価されている作品もあるが、基本ルールを覆す効果を持つカードの存在がバグの温床になったり、それを避けるためにルールそのものが簡略化されていたり*122、そもそもAIが低品質で対人戦の練習にならなかったり、等の話も多い。
また、コンピュータゲーム版では「物理的なイカサマが出来ない」という特徴があり、プロプレイヤーを重視する『MTG』は『Magic Online』や『MTGA (Magic: The Gathering Arena)』等のゲーム版を制作、トップレベルの大会をこれらのゲームを用いて開催している*123

ドミニオンクローン

TCGの要素を持ったボードゲームで、始祖はジャンル名の通りドミニオン。
当時は「~ライク」という言い方より「~クローン」という言い方が多かったのでこの名称が使われている。

特徴としては
・各リソースはカードの形になっている。
・初手は買い物のためのリソースカードと、勝利点カードのみ渡される。
・ターンの流れは「アクション ⇒ 購入 ⇒ クリーンアップ(手札のリセット)のABCが基本」
・アクションと購入の権利は通常1回のみだが、アクションカードによって増強が可能。
・ドローやアクション権、購入権を増やすアクションカードやリソースカードを買い物をしていって各個人がデッキを作る。
・最後は勝利点カードを購入して、ゲーム終了条件を満たした時に勝利点を一番集めた人が勝利。
というデッキビルディング型のゲーム。

TCGに近いカードゲームではあるが、各カードはセットでまとまっているため、誰かが基本セットを1箱買えばプレイ可能なため、カードを用いるボードゲームと紹介するサイトも多い。
アクションカードは1セットに入っている全種類が1ゲームで使われるわけではないので、毎回違った環境でプレイ可能。TCGでも「リミテッド」と呼ばれるパックを開けてすぐにデッキを作るルールに近い偶然性がある。
人によってアクションカードを優先するのかリソースカードを優先するのかが分かれる。アクションカードの組み合わせによってはどちらかに偏る場もあるが、両方共に成立する組み合わせになった場合、どちらに寄せるかで駆け引きが起こる。
基本的に勝利点カードは手元に来ても役に立たないデザインとなっているため、どのタイミングで勝利点カードを集め始めるかなど、
戦略性が非常に高いことから大ヒットした。

なお、本家ドミニオンのカードイラストやカード名を変えただけで、ルールやカードの効果は変更されていない「本物のクローン」も存在する。
例としては本家&上海アリス公認の『東方ドミニオン』があったが、カードサイズや裏面が本家とは違うために混ぜてプレイすることはできなかった。

ボードゲーム

様々な情報の書かれたボード(盤)上で、コマやカード等を用いて遊ぶゲームの総称。
ボードゲームとは単に形態だけを見ての区分であり、実際のゲーム内容はゴールまでの速度や総資産を競う以外にも、推理あり駆け引きありアクションあり協力プレイありと、沢山の種類がある。
日本では、マス目で区切られたルートをルーレットやサイコロを使って進みながら指示されたイベントに従うすごろくタイプのものが馴染み深いだろう。
コンピューターゲームオリジナル作品では、すごろく式の資産構築ゲームである『いただきストリート』や『桃太郎電鉄』が有名。
アナログ版の原作がある『人生ゲーム』『モノポリー』等も度々コンピューターゲーム化されている。
なおボードゲーム自体の歴史は古く、2022年1月には中東の遺跡から4000年前のボードゲームが発掘されている。

エレメカ

正式名称は「エレクトロメカニカルマシン」で、エレクトロニクスとメカニカルを掛け合わせた造語である*124
アーケード筐体の一種であり、アナログゲームの一種でもある(ただし、無電源ゲームとはみなされない)、ビデオゲーム・メダルゲーム・ピンボールを除くアーケードゲームがこれに分類される。
それ以外にももぐらたたきやエアホッケー、パンチングマシーンやゲームとは呼び難いキャンデーマシンやポップコーンメーカーもエレメカに分類される。
かつてのゲームセンターの主役であり、現在でも主に『UFOキャッチャー』シリーズなどのプライズマシンとして生き残っている一方、確率機禁止などのプライズマシン規制強化*125により、エレメカ専業メーカーにとっては致命的打撃となり、こまや製作所やゆうえんちのトーゴなど老舗メーカーが相次いで倒産する事態に至っている。
プライズマシンについては2017年に悪質店舗が摘発を受けた事例により、規制強化の動きが強まっており、その前段階として大阪府でそれまで黙認されていたレトロ機などの景品払い出し機能の停止や、いわゆる「たこやき」「くじキャッチャー」に代表される二次交換系の営業の中止が改めて警察による指導で徹底され、また規制強化についてはセガなどの大手には予告があったらしく、2018年にセガから出た声明では好調なプライズマシンに対してかなり悲観的な見通しを示している*126

ビデオゲーム開発メーカーがエレメカに転進する事はそう珍しくない。しかし成功するかどうかは別問題である。
あまり注目を浴びる事の無い存在だが、熱烈なマニアがいるコアなジャンルのゲームでもある。
2018年になって、バンダイナムコエンターテインメントが『コズモギャングズ』(1990年)や『シュータウェイ』(1977年)を復刻再販売する等、すこしずつではあるが復興の兆しはある。特に『シュータウェイ』は現代に合わせてCG化するのではなく、当時同様の方式での映像投影と光学的判定を行っておりこだわりが見える。

ピンボール

ビデオゲームよりも古いゲームジャンルの一つ。
実は日本で狭義にピンボールと呼ばれている種類の正式名称は「フリッパーピンボール」略称「フリッパー*127」であり、ピンボールの中では最もゲーム寄りの種類になる。ピンボールはもっと広義な意味なのだが*128、本項ではフリッパーピンボールに絞って説明することになる。
というのもピンボール全般の歴史は「ゲームとギャンブルの関係」の歴史も内包している為であり、この点はカジノゲーミングに関わるならば囓っておいて損はない。ちなみに、ギャンブル寄りに進化したものがパチンコやビンゴピンボール、アレンジボールなどである。
法規制関連にも大きく関係しており、州法や連邦法で規制され、今でも法的に設置不可能な州もあれば、金銭の払い戻しが許されている州もある*129。もちろん風適法でもピンボールを念頭に置いた規制が存在し、そもそも名指しで規制対象に数えられている。

プレイヤーがフリッパーを操作し、金属のボールを打ち込んで得点を稼ぐゲームが「ピンボールゲーム」として有名で、様々なギミックが特定の場所にボールを弾く事で動くようセッティングされている。
かつてはセガ・カプコン・データイースト*130等も手を出していたが、1990年代には安易な版権モノばかりになり、ゲーム機というよりは高価なキャラクターグッズのような扱いになっていった。
2000年代に生き残っていたのはアメリカのStern Pinball社ただひとつだったが、同社が題材にする版権選びに慎重になったりゲーム性を地道に改善したことなどという努力の結果である。
2010年代になるとJersey Jack Pinball社やSpooky Pinball社などが新たに参入し、ピンボール業界にはそれなりに活気が戻っている。

ピンボールのビデオゲーム(ピンボールエミュ)も多くあり、単純なシステムで老若男女楽しめるゲームジャンルとなっている一方で、旧来どおりのスコアアタックしか楽しみ方がないため、遊びの幅(自由度)はほとんど無い。
そのためか日本国内での評価は高くないが、海外では熱狂的なファンが多くいる。特にラスベガスにあるピンボールの殿堂の物量は圧倒的である。
残念ながら現在日本国内にはメーカーが存在せず正規代理店もほとんど存在しないため、大半の新作を遊ぶ(または設置運営する)には個人輸入以外に入手方法はないが、様々な法的規制により素人には全く手が出せない*131
しかも重量が非常に重い・メンテナンスの良し悪しがゲーム性に直結する・故障しても日本では部品を取り寄せようがないなど…極一部を除くと企業ですら最早手に負えない代物となっている。
また、ナムコが『ジービー』をリリースする際、「本当はピンボールを作りたかったが、特許でがんじがらめなので諦めた」と語っているように、ピンボールはパチンコ機並みに特許で固められていて新規参入が絶望的であることも付け加えておく。

ピンボールを設置しているゲームセンターは日本でも少ないながらも存在しているが、むしろ地方の温泉街なんかの方が高確率で見かけたりする辺り、流石は対象を選ばないゲームと言える。
もっとも、温泉宿のはビデオゲームもひっくるめてメンテナンスが行き届いていない物も多いので注意が必要だが。
特殊な例としてはメダルゲーム『スピンフィーバー』等で、ピンボールから抜粋したギミックを採用している*132

なお、「実機による」ピンボールゲームは、当wikiの取り扱い対象外とされている(このWikiで扱う作品参照)。コンピューターゲームおよび実機のシミュレーターの記事作成はOK。

パチンコ

ピンボール機の一種で、鉄球を盤面に打ち出し、セーフ穴*133に入賞すれば規定数の鉄球が払い出される遊技機を指すことが多い。
アミューズメントパークにおいては、玉を循環させる仕様にしてその店の風営法営業内に収まるようにすることで設置していることがある。
近年の機種は、特電機といって、始動口*134に入賞すると抽選し、画面上に絵柄が揃うと大入賞口*135が開放して多くの鉄球を得られる構造のものが主流。

風営法でぱちんこ店とされる専門店では、最終的に手元に残った鉄球で景品を交換し、その商品を換金ができる賭博性の非常に強いものとなっている。
だが、様々な裏事情・合法脱法両面での対策・根拠などから、認可されている店では現状賭博として取り締まられることはほとんどない。
一方で、「パチンコ依存症(ギャンブル依存症とも)」に陥ってしまう人などの問題もある。

この亜種で比較的ピンボールに近いのがスマートボールである。
入賞口に書かれた得点がそのまま賞球数となるタイプの他、1ゲーム(16球)での得点により配当が決まるメダルタイプ、4×4の穴の開いた盤面の穴を玉で塞ぎ、ラインを揃えることで配当を得られるメダルタイプがある。
遊技場に設置されているものは自動化されているが、縁日などで使用される、単純に盤面に穴が開いているだけの、役の判定やリセット*136を係員が手動で行うタイプの器械もある。 ちなみに、パチンコもピンボールも元々は無電源ゲームである*137

アミューズメントベンダー

ゲームセンターに設置されている、ゲーム性を持たない特殊な自動販売機*138
自動販売機とはいえ単純に商品を売るのではなく、ゲームセンターに設置されるに値する「遊び」が付加価値として与えられていることが多い*139
簡単な質問に答えていくとプレイヤーに合わせてアロマオイルを機械が自動的に選んでくれる『アロマ倶楽部』やプリントシール機の元祖『プリント倶楽部』のように実際に商品の出るものもあれば、占い機(バイオリズム診断機等)のように診断結果を印刷してくれるだけのものもある。
かつてはタイトーがおつまみ(豆類やあられ等)やおみくじを販売する無電源の自動販売機を喫茶店に設置したりしており、これが縁となって喫茶店にテーブル筐体が置かれ、インベーダー喫茶を経て今ある専業のゲームセンター*140の基礎となった。
ゲームセンター以外に設置される例では、『千社貼札』(アピエス)や、記念メダル刻印機などがある。ジュークボックスもこの一種といえる。
基本的に規制対象外機。ゲーム性がないので、当然ながら当wiki取り扱い対象外。また、自動販売機型のTCAGもこのカテゴリに入る(こちらは取扱対象)。

LSIゲーム

内蔵されたLSI(大規模集積回路)によって制御される、小型液晶画面などを使用した携帯型のゲーム機。最も有名な例は任天堂の「ゲーム&ウオッチ」シリーズだろうか。
「ゲーム機」というよりは「玩具」であり、家庭用ゲーム機の発展に伴ってシェアを失っていったが、時として「たまごっち」「ミニテトリス」等の社会現象クラスのメガヒットが飛び出す事もあり、まだまだしぶとく生き残って行くであろうジャンルである。
全盛期は数千円もする高価な物であったが*141、技術の陳腐化に伴い現在ではガチャガチャで売られるほど(=300円以下)安くなったことも強みになっている。
その携帯性から拡張現実ゲーム(『たまごっち』や『ポケットピカチュウ』等)と相性がいいとされるが、スマホの普及(『ポケモンGO』等)によりシェアを失っている。
そのため現代では(ガチャガチャ以外だと)「成りきり玩具」に内蔵されるミニゲームがメインだろう*142

ゲーミングマシン

賭博機。ゲームを開始するにあたって金銭を投資し、ゲームの結果に応じて金銭を払い戻すタイプのゲーム機。
日本では法的な規制により運用は困難であるが、法律の様々な湾曲解釈により、実質的に運用可能にしているのがパチンコやパチスロ*143である。
日本のメーカーだと、コナミゲーミング(コナミアミューズメント=旧高砂電器産業)がゲーミングマシンの製造を行っている*144
一方で、ゲーミングマシン製造から始まったセガは様々な経緯によってゲーミングマシン市場から排斥されており、今でもセガブランドのゲーミングマシンは製造できない状況にある(代わりにサミーがゲーミング分野を担当している)。

日本でも、広告で「ゲーミングPC (賭博用PC)*145」等という触れ込みの機械が売られていることがあるが、違法なので絶対に購入してはならない。最悪、常習賭博罪で投獄されることとなる。

欧州や中華圏などでは、ゲーム機(普通のアーケードゲーム)とゲーミングマシンを同一視していることも少なくない。
例えば、台北市では条例によってゲームセンターが営業できない。かつて日本のパチンコ機による賭博が問題になってゲーミングマシンが規制されたときに、ゲーム機が同様に規制されたからである。
一方で、台南市のゲームセンターでは、日本製のパチンコやパチスロ(転用機)やメダルゲームが換金営業されている傍らでビデオゲームやオンラインゲームが普通に営業されていたりと、やはり同一視されている。
欧州では、通常のビデオゲームでもリデンプション機として払い戻し要素を前提にゲーム設計されていたりする。
これに対し、日本や北米ではゲームマシンとゲーミングマシンは明確に区別される傾向にある。北米ではゲームセンターにゲーミングマシンが置かれることはなく、カジノでビデオゲームが遊べるようなこともない。
これは、ピンボールの歴史にもあるように、ゲームとゲーミングの関係の歴史は州法による規制の歴史でもあり、この歴史の中で、ピンボールメーカーでもゴットリーブのように決してゲーミングマシンを作らなかった会社と、バリーのように昔も今も積極的にゲーミングマシンを製造している会社に分かれているが、前者の払った多大な努力の結果である。
また、SNK(プレイモア)が中共資本に買収された時にはゲーミング事業(遊技機事業)が売却されている。
これは中共で賭博関連の事業は「人民の勤労意欲を削ぐ国家反逆行為」として、確実に銃殺刑が避けられないほどの重罪とされているためである*146

ブラウザゲーム

インターネットブラウザ上で動作するゲームのこと。
大半のブラウザゲームは、インターネットに接続できる環境さえあればパッケージの購入等による特別なプログラム(クライアント)を必要としないものが多い。
基本無料で遊べる事が多いが、これは目的が「ゲームを遊んでもらうこと」だけではなく、「話題を作って注目してもらう(関連商品などを売って利益を上げる)」「Web上に関連商品などの宣伝広告を載せる」といった事も狙っている場合が多いため。つまり無料放送のTV番組と同類である。

また基本無料で遊べると言っても、課金をすることで機能が拡張されたり、無課金時よりも有利になる等の特典を得られるものがほとんど。
運営に直接利益をもたらしてくれるのは課金プレイヤーなので彼らを優遇するのは当然だが、大多数を占める無課金プレイヤーたちも、課金プレイヤーの優越感をくすぐる比較対象として不可欠な存在とされる。またそもそも、課金・無課金を問わずプレイヤー総数が増えてくれないとゲームは盛り上がりを欠き、課金意欲も薄れるというものである。
ヒットした「基本無料のネットゲーム」は、そのあたりのバランスを上手く取ることに成功していたと言う事である。

また、逆に広告を多く踏んでリンク先のサイトで買い物をすることによってゲームプレイに必要なポイントを得られ、ゲーム結果で得た得点で金品(電子マネー等)を得られるアドウェア型のブラウザゲームサイト(「edyもらえるモール」など)もある*147

今や国内運営のネットゲームはクライアント型ゲームでも基本無料が多数を占めるようになり、月額制だった作品やシリーズが基本無料に変更される事も少なくない。

余談だが「課金」とは本来「(運営がプレイヤーに)料金を課する」と言う意味なので「(プレイヤーが運営に)料金を払う」事を「課金する」と言うのは正反対の意味で誤用なのだが、今やネット上では誤用の方が一般化している。語呂が良いのと独特な支払い方法がマッチして定着したのだろう。

厳密にはGREE、モバゲー、mixiなどの「ソーシャルネットワークサービス(SNS)」によって提供されたブラウザゲームのことを「ソーシャルゲーム」と呼ぶ。
これについては別項目を参照。

ソーシャルゲーム

一般的には「ソシャゲ」と呼ばれている。本来は「SNS(ソーシャルネットワークサービス)で提供されるブラウザゲーム」のこと、つまり厳密にはSNSアカウントを必須としているものがこう呼ばれていた
そこから転じて現在ではモバイル端末向けの、もしくはガチャをゲームの中核に絡めたF2Pゲーム全般をソーシャルゲームと呼ぶようになった。
2020年代以降はモバイル機・PC(ブラウザ及び専用アプリ)・家庭用ゲーム機などマルチプラットフォームの「ソーシャルゲーム」も増えており、もう何が何なのかわからない状態になっている。

原義のソーシャルゲームは2007年にFacebookが公開した「Facebook Platform」から世界的に市場を広げていき、日本では2009年からモバゲーの『怪盗ロワイヤル』が流行、次いで2010年にコナミの『ドラゴンコレクション』がヒットしてカードバトル系ソーシャルゲームへの流れが加速、2011年にはリメイク版『探検ドリランド』『神撃のバハムート』『アイドルマスターシンデレラガールズ』などタイトル数も急速に増加していった。
余談ではあるものの、ソーシャルゲームの始祖に関して、元スクウェア・エニックスの安藤武博は「ここ10年の携帯電話などのカードバトル系ソーシャルゲームの始祖はセガの『DERBY OWNERS CLUB』『WORLD CLUB Champion Football』『甲虫王者ムシキング』『三国志大戦』であると思っている」と言っており、 また、元任天堂の川口博史は「ガチャをゲームに組み込む発想の元祖」は任天堂の『ポケットモンスター』であるとも言っているが、これを更に遡るとTCG『マジック・ザ・ギャザリング』に行き着く。

初期は、高い普及率を誇っていた携帯電話(フィーチャー・フォン)を用いたWebサイトゲーム作品が主流であり、お手軽さがプレイ方法やゲームシステムにも含まれている節がある。
フィーチャー・フォンの操作性と性能の都合上ゲーム性が乏しい(プレイヤーが介入できる部分が少ない)ものの、その分ルールが単純かつ短時間でプレイ出来る事が魅力であり、低予算かつ小規模でも開発が可能、プレイ層も幅広い事からその市場はまさに業界の金鉱脈であった。

ただ、フィーチャーフォン時代のソーシャルゲームはアンロック型(ゲームを進めるには課金が必須)や広告課金型の方が数としては主流であり、ガチャ全盛となるのはスマートフォンの普及後である。

スマートフォンが台頭・普及して以来はブラウザからiOSやAndroidのアプリへプラットフォームを移し、その性能を活かしてパズルやアクション、リズムゲーム等との複合作品が増えていった。
また、コンシューマーゲームで名を馳せた大手ゲームメーカーが参入する事例も増えていくようになる。
それによりかつてフィーチャーフォンでの課題だったゲーム性や演出面の乏しさを改善し新風を吹き込むことに成功したのだが、ここから基本的な収益モデルがほとんどガチャシステムになり、かつこれらがゲーム性の根幹に深く食い込むようになった。
このため結局の所は運良く強レアを引けた者・お金を使った者勝ちである部分は変わらず、かと言って逆にお金を使っても必ず強くなるわけではない為、抜本的な改善には至っていないのが実情。
また、人気シリーズの続編がソーシャルゲーム(のシステム)というケースも増え、期待したシリーズファンを落胆させる事例も見られるようになった。

モバイルアプリへの移行後は「キャラをガチャやランダムドロップによって集め、合成によって育成させる」「運や単純な数値だけで勝敗が決まる」等といった基本的なゲーム性の乏しさや、大手ゲームメーカーのソーシャルゲーム注力による人材流出*148及び技術力低下*149・それに伴うコンシューマーゲームの開発縮小がヘビーゲーマーから批判の的になっていた。
また、全盛期には主要メーカーの関係者による挑発的な発言やお粗末な運営等も度々あった為、特に企業態度を槍玉に挙げられやすい傾向がある。

ソーシャルゲーム市場が活況化した理由の1つに、2000年代に入ってからコンシューマーゲームの開発が大規模化して、開発にかかる時間やコストが利益に見合わなくなった中小メーカーが増えたことも背景にある。
作り手側からすれば「低予算かつ小規模でも開発が可能」というのが大きな魅力の一つで、新しいゲームメーカーが数多く立ち上がり、またコスト増大にあえいでいた中小規模のコンシューマでのゲーム開発会社もソーシャルゲームにフロンティアを見出した。
しかし、ソーシャルゲームの主戦場がフィーチャーフォンからスマートフォンに移行した2012年ころはすでに市場のレッドオーシャン化が加速してきており、
ブームに乗っただけの粗製濫造が増えた結果、タイトル数が供給過多を極め飽和状態に陥ってしまった為、ユーザーの奪い合いが加速し数多くのゲームタイトルが終了してしまう。
そして、スマートフォン時代になるとハードウェアの進化からゲーム開発にかかる時間とコストはコンシューマーゲームと同等以上の規模に至り、今日ではオープンワールドを謳う作品やコンシューマーゲームに引けを取らないグラフィックやサウンドを持つ基本無料+ガチャ課金式のものも登場した。
現在では、スマートフォン黎明期に成功を収めた作品が現在でも長く愛されている一方、新しく出る作品が巷に名を刻みつける存在にまでのし上がれるようになるには資金・開発力のある大きなメーカーがバックについていないときわめて難しくなっている。
ユーザーからするとプレイしていたゲームがサービス終了すると投資と時間がすべて水泡と帰すので、ユーザー側も売り上げに敏感にならざるを得ず、結果として一般受けしなさそうなニッチ嗜好のゲームには興味はあっても手を出しにくい傾向になる。
このソーシャルゲーム界の構造的問題によって現在ではコンシューマ市場よりもさらに格差の激しい市場となっている為、フィーチャーフォン時代にソーシャルゲーム開発で活躍した中小のメーカーが、Steamやコンシューマのインディーズゲーム市場に活路を見出そうとするという、かつてと逆転した現象が起こっている(カイロソフトやケムコなど)。

雑誌、関連書籍、関連商品にゲーム内でアイテムを貰えるコードが付属してプレイヤーがアイテムの為にグッズを買うという風潮も一時は広がったものの、『モンスターストライク』がAppleの警告を無視して2015年8月にAppstoreからリジェクトされるという事件を機に、招待コードや特典コードのシステムを撤去するアプリが続出。
Android版・ブラウザゲーム版・公式サイト等でコード入力できるようにしているアプリがそれ以前と比べて激減し、それに伴ってソシャゲ原作の漫画が打ち切られたりグッズが売れなくなるケースも増えた。
二次利用による利益獲得が難しくなったことで、ゲーム本体での課金額を上昇させるための努力がよりいっそう払われている。

何れにせよ国内においては、フィーチャーフォン時代は他のネットコンテンツにも増して出会い系サイト代わりに用いられる等の治安の悪化、スマートフォン時代以降はガチャシステムなどを用いた天井知らずの課金制等といった双方のモラル低下も問題視されていた。
ガチャ要素については「コンプガチャ騒動」等から是正の動きを見せたことはあり、業界による自主規制の流れもできつつある。
その結果かは定かではないが、近年は一定額相当の回数分を引くことでピックアップ対象のキャラを入手できるいわゆる『天井』を導入したガチャは増えてきている。
ただし、その上限は(課金で賄うと)数万円単位であるなど、コンシューマーゲームからは桁違いの重課金を前提とする設定が定着している。

そしてクリエイター・企業側の意識の問題なのだが、ゲーム自体が優良であるアーケードゲーム・コンシューマーゲームに、この基本無料ゲームに影響を受けた要素が搭載されて物議を醸す事もある。
特にガチャ要素といった運が根底に絡むシステム(海外では「ルートボックス」と呼ばれ、強い批判にさらされた)、現実の時間経過を待つ必要があるシステム(特に長時間の物)、救済措置アイテムのDLC販売などが槍玉に挙げられやすい。

問題点は決して少なくはないが、プレイヤーやゲーム環境の変化*150に伴う業界の縮小化もあり、泡沫タイトルやメーカーの淘汰は進んでもゲーム業界では依然として強い影響力を放つ要素である。

課金要素(ガチャ)規制の是非を問う議論は2018年頃から国際的に開始されており、
それ以降は対人対戦が主体のゲームを中心に、ガチャはキャラクター衣装を変える「スキン」系メイン、ガチャのコストやゲームの利便性を上げるアイテムは多少の無料供給を行うと言う形で収益の柱を崩さない作品も現れるようになった。
主にバトルパスなどと呼ばれる「一定のシーズンごとに課金すると、得られる報酬がよくなる」というMMOの月額課金制との中間のような形にしている作品もある。

なお、ソーシャルゲーム(モバイルゲームまたはブラウザゲーム)を原作とした作品がコンソール機やアーケードに登場するケースも幾つか出ている。
特にゲームへの課金形態自体が大きく変わるアーケード進出初期はそういった従量課金要素を大きく軽減し、ゲームバランスを大きく変化させたものも見られた*151

  • ソーシャルゲーム系/基本無料ゲームがアーケード向けにチューニングされた例……『ぷよぷよクエスト』『パズドラ バトルトーナメント』『crossbeats REV.

プライズゲーム

ゲームセンターに設置されている機械のうち、景品を払い出す筐体のこと。
風適法では5号営業では景品を提供してはいけないこととなっており、プライズゲームはあくまでも例外であるため、射的場等で景品を提供する場合は4号営業の許可を得て営業している(いわゆる「その他の遊技機」区分である)。
現状、当局からの有権判断で「プレイヤーの介入できる機械的動作で直接獲得できること」「市価*152 800円以下*153かつ遊技料金の3倍以下*154であること」等を守っている限り「粗品レベル」として「景品提供とはみなさない」=黙認する、という形になっている*155
あくまでも黙認であるため、高額景品等を使用していたら摘発もありうるし、摘発を受けると黙認を撤回されて「プライズ機設置は一切まかりならん」「プライズ機の設置運営は4号営業の許可を取れ*156」という話にされうるということである。
直接獲得が絶対条件なので、ビデオゲームやピンボールなどの得点に応じて払い出す等ということはできず、「獲得できる景品は1回の遊技につき1個まで」という制限もある*157

使用できない景品として、「トレーディングカードなど何が入っているかわからない景品*158」「アダルトビデオ、エロ本等のポルノ」「女性用下着」「酒類またはそれを模した景品」「たばこ、喫煙具、またはそれを模した景品」「有価証券類、富くじ類*159、地域通貨(店内でのみ通用する引換券やメダルも含まれる)、チケット類、またはそれを模した景品(子供銀行券等)」等。

ちなみに、還元率(投入した金額に対する、払い出した景品の市価の割合)は良心的な店で10~30%(菓子類な等、原価率が低く、さらに賞味期限のある食品類は還元率が高めであることが多い)といわれている。
もちろん原価ベース(原価率)はもっと低いし、悪質な店では5%以下、中にはゼロの店も存在し*160、この数値は4号営業で使用される遊技機と比べても圧倒的に低い。
三競オートはおろか宝くじよりも低い数値であり、コインを入れた時点で赤字確定のようなものなので、利益を期待して投資するには値しない。

なお、機械的動作で直接獲得するものではあるが、「ファンタジーバンバン」のような射的遊技機は「プライズゲーム」ではなく、風適法4号営業の「その他の遊技機」区分となる。
4号営業の区分として「その他の遊技場」として「射的場」が含まれ*161、「ファンタジーバンバン」は射的場のサービスを自動化しただけだからであり、4号営業の許可が必要なのでプライズゲームのように10%特例*162で無許可営業をすることはできない。
そもそも、プライズゲーム自体が5号営業(旧8号営業)が定義されていなかった頃の、4号営業(旧7号営業)の例外*163で、射的遊技機はこの例外として認めないという当局の判断である。
ゲーセンにあるプライズマシンは「子供向け」という建前で、遊技場(4号営業)は「大人向け」なので、射的場にはたばこ、酒類といったゲーセンでは出せない景品が用意されている*164

ゲーム性は度外視され、いかに射幸心をあおるかと景品を見栄え良く見せるかが主軸に制作されていることが多い。エレメカ*165の時点で執筆禁止な当Wikiでは当然取り扱い対象外。

メダルゲーム

ゲームセンターに設置されている機械のうち、硬貨ではなくメダルを投入して遊ぶ筐体のこと。
顧客は「メダル貸出機」にお金を投入して出てきたメダルを「借り受け*166」て、それを使ってさまざまなマシンで遊ぶ。
古くから存在するのはポーカーやスロットに、競馬ゲーム*167、プッシャーマシン、子供向けの至極簡単なゲーム。

しかし、今ではローグライクや競走馬育成等の本格ゲームも登場している。ただし、メダルゲームなので(悪く言えば)「札束で殴る」ルールに改変されているが…。
またプッシャーマシン等にパチンコ(デジタルフィーバー台)のルールを導入したお陰か、パチンコ代わりに通うお年寄りも増えている*168
家庭用ゲーム機の高性能化や、家庭用インターネットの普及で自宅に居ながらも対人戦が出来る様になったことでアーケードビデオゲームが衰退した今では、プライズゲームやTCAGと並びゲームセンターにおける稼ぎ頭の1つとなっている。
ただし、パチンコ店が貸玉料金のダンピングを行い、それに対抗するために大手アミューズメントパークがメダル料金のダンピングを行った結果、これに合わせてメダルの消費が激しくとても楽しめるようなバランスではない設定のマシンが増え、結果として運営は厳しくなっている模様。
これは、「換金できないメダルが換金できるメダルより高い料金では客は来ない」という理論に基づいた現象である*169

最近では、賭けるメダルの枚数が多くなりすぎて実物メダルを使用すると補給や回収が煩雑になりすぎる*170為、メダルバンクから筐体に直接メダルを転送することで実物メダルを使用せずに済ませるシステムも構築されている。
ただしメダルバンク自体のデータ管理や、「紙幣を投入できる構造のゲーム機を設置してはならない」という法的規制回避のために手順はかなり複雑になっている*171
ちなみに、遊技機では実物の遊技球(遊技メダル)の使用が義務付けられているため、このようなシステムは採用されない。

ちなみに、当然ながら元はカジノにあるゲーミングマシンがモデルであるが、台南市などにある、日本製のマシンをそのまま使っているようなところならともかく、現在のカジノゲーミングで硬貨を投入したり払い出ししたりするようなマシンは既に駆逐されており、紙幣、チケット*172、もしくはカード(クレジットカードやデビットカード)を入れて、払い出しは通常バーコード入りのチケットが払い出されてカウンターで換金するシステムが一般的となっている。
なお、課税対象となる当たり(ラスベガスでは1200ドル以上)が発生するとAP*173となるのは日本のマシンと似ている。

リデンプション機

アーケードゲームで、ゲームの結果に応じて金品と交換可能なチケット(キャッシュアウトバウチャー)を払い出す機構を持つゲーム機。
昔のエレメカのように、直接景品(箱型の景品や、カプセル型の景品等)を払い出す場合もある。
現在の日本の法律では運営ができないが、州法等の規制に対応する為、景品を再ゲームに置き換える設定も可能となっており、日本で稼働している機種はそのすべてが「再ゲーム」などの設定となる。

現在、欧州で「アーケードゲーム」といえば、基本的にこれを指す。 ゲーム内容は単純かつ運に大きく左右されるものであることが多く、また払い出しを行う*174関係上、極めて短時間で終わるように設計されている*175

標準では搭載されていないが、オプションで設定可能になる機種もある(カプコンボウリング等)。

電子ゲーム

『ゲーム&ウォッチ』等で知られる、ソフトウェア内蔵型の小型携帯型ゲーム機を指す。「ICゲーム」「LSIゲーム」とも呼ばれる。
かつては『ドンキーコング』『パックマン』など、ゲームセンターで人気を誇ったビデオゲームを模した電子ゲームも多数発売されるほど人気を得ていたが、ゲームの交換が可能など汎用性の高いコンシューマーゲームの普及により*176衰退していった。
しかし技術の陳腐化により、ワンチップでゲームが作れ、液晶も安価になったため、当時と比べるとはるかに安価で作れるようにはなっている事から「超小型の専用機を作れる」「筐体デザインにも凝れる」とメリットがあるため、コンシューマー全盛期でも『たまごっち』『ポケットピカチュウ』等のヒット作が稀に登場している。
また『どこでもいっしょ』『ぽけかの』のような電子ゲーム機(というか『たまごっち』)を意識した作品*177も登場している。
…と言っても、ゲームボーイに代表される携帯ゲーム機の登場や、近年ではスマートフォンの普及によりかなり存在意義が薄れてきている。
ただし「それらと比べ物にならないほど消費電力が低い=電池持ちが良い」のも売りの一つではある*178
『たまごっち』のような拡張現実ゲームと相性が良かったが、それですらスマートフォンに代替されるようになり、今ではキャラクターグッズの一環として作られるか、子供向けの玩具として制作されるのが主であろう。

フリーゲーム

主に、インターネット上から無料配布されているPC用インディーズゲームを指す。
制作者のサイトやSNSアカウント、ソフト公開サイト、「ふりーむ!」や「夢現」等のフリーゲーム投稿サイトを通じてダウンロードして遊ぶ。
JavaScriptやFlash等のスクリプトを使ってブラウザ上で遊ばせる無料ゲームもあるが、それらは「ブラウザゲーム」に含まれ区別されることが多い。

「フリー」と冠するだけあって、課金要素はもちろん広告等の収入はゲーム内に一切無く、完全な趣味として作られている。
また、個人による作品及び『RPGツクール』や「ティラノビルダー」等の既存制作ツールを用いた作品も非常に多い。
その為、出来については商業ソフトに匹敵するものから一発ネタ作品までと非常に幅が広く、玉石混淆の傾向が特に強い。

特に、2000年代は『RPGツクール2000』のヒットから、ネット界隈で大きなフリーゲームブームが起きた。
超大作から小作品まで、プロ並みのクオリティから素人がお試しで作った作品まで、多数の作品が「Vector」等のソフト登録サイトに登録されていた。
現在はブームは落ち着いているものの、『ツクール』シリーズと使用作品ともに定期的に新作が出ており、制作や公開を支援するサイトもあることから、一定の製作者は出続けている。

洞窟物語』『レミュオールの錬金術師』等、人気作の一部は商業化(企業作品化)にも至っている。
Steamで販売もしくは無料配布されるようになったものもあれば、ゲーム機へと移植発売されたものまで存在する。

ただ、「フリーゲーム」という言い方は「無料」という結果ありきであり、企業ゲームと対比する観点ではあまり適当ではない用語と言えなくもない。
使用された当時ならともかく、その後は企業発の無料ゲーム(基本無料含む)も大幅に増えていることから、それと混同しやすくもなっている。
インディーズゲームを有料作品として販売する行為の萎縮にも繋がることから、メディアや企業サイト等の公式的な場ではあくまで「インディーズゲーム」と呼ばれることが多い。
もっとも、ブームを経験した世代については「フリーゲーム」という呼称の方が馴染みが深く、むしろそちらの方がニュアンスが伝わるケースもしばしばである。
ネット上における非企業運営の投稿サイト等では、未だ「フリーゲーム」の呼称が一般的となっている。

同人ゲーム

版元を通さず主にコミケ等のイベントや通信販売で頒布されたり、同人ショップで販売されたりする(PC用の)アマチュアの個人もしくはサークルが製作したインディーズゲームを指す。
ただし「ソフトベンダーTAKERU」を介した販売など、商業作品と同様のルートで流通している同人作品は古くから存在するため「流通手段による分類」ではないことに注意。
「同人=二次創作」という誤解が少なくないが、本来は「同好の士の集まり」と言う意味でしかないので『月姫』『ひぐらしのなく頃に』『東方Project』等の一次創作作品も数多く存在する。
かつては「アマチュア作家による一次創作ゲーム」より「商業作品の二次創作ゲーム」の方が宣伝力やブランドの差で圧倒的に強かったが、2010年代中盤~後半辺りからは一次創作とそう差はなくなっている。
特にR18エロ同人ゲームは一次創作のオリジナル作品が圧倒的勢力を誇る*179

主に小規模な開発環境でも作りやすいAVG(特にアダルトゲーム)、ツクール作品、STGが多く、一次創作作品だけでなくクローンゲームやアニメ等の二次創作ゲームも多い。
出来についてはフリーゲーム同様に玉石混淆であり、ゲーム業界で活動するプロが作った作品、アマチュア制作ながら商業作品にも劣らないハイクオリティな作品、選択肢すら存在しない単なる紙芝居(CG集とほぼ変わらない)同然の原始的な作品、動作に不備のある未完成レベルの作品まで存在する。
プロ志向のあるサークルが作った本格的なゲームや、「商業ベースでは開発許可が出ないから同人で作ろう*180」あるいは「市場にないなら自分で作ろう」的な動機で作られた本格的な作品は、パブリッシャーがついて商業展開されることもある。同人サークル時代のゲームフリークが制作し、ナムコに持ち込まれて結果として発売された『クインティ』などが商業展開の例である。
近年では家庭用ゲーム機やSteamにおいてダウンロード販売されるケースも多くみられ、インディーズゲームとほぼ同義のものとなっている。

ちなみに、「ソフトウェア」はあくまでも「ハードウェア」の対義語でありゲームに限った言葉ではないので、コミケでも「同人ソフト」と称した場合、音楽CDやアニメ作品なども含まれる。コミケ等に出展されているかは怪しいが「同人製作のビジネスソフト*181」なんてのも存在する。
逆に単に「同人ゲーム」だとボードゲームやTRPG、TCG等の非コンピューターゲームを含む場合も。同人ゲームの多く集まる「ゲームマーケット*182」に出品できるのは非電源ゲームに限られるので注意。

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最終更新:2024年01月12日 18:33

*1 ただし、グラフィック自体は2Dであっても、クォータービュー等で擬似的な3D空間を構築したアクションゲームも存在している。

*2 『スーパーマリオブラザーズ』のようにキャラクターを横から観た視点。

*3 『ゼルダの伝説』のようにキャラクターを上から観た視点。

*4 あの有名な『マリオ』シリーズですら、アクションゲーム初心者には易しいとは言い難く、アクションゲームが苦手な人からは敬遠される場合も多い。

*5 例えば、エレメカはアナログゲーム的にはすべて「アクションゲーム」である。

*6 『ストリートファイターII』が出るまでは、ほとんどが「格闘アクション」を称していた。

*7 2001年のSNK倒産後はプレイモアが知的財産権を引き続き、その後2016年にSNKに改名。つまり現在のSNKは2代目である。

*8 なお、格闘ゲームブーム以前のアーケードにおける主力ジャンルであるシューティングゲームも、プレイヤースキルの向上とそれに応じて難易度が急激に引き上げられていったことで似たような繁栄及び衰退の道を辿っている。

*9 横行する悪質なチートや回線切りを嫌い、ゲームセンターまで足を運ぶ熱心なプレイヤーもいる。また、さまざまな事情により据置機を購入できない人にとってはアーケードゲームの方が好都合である。

*10 初心者向けに一部操作を簡略化するシステムも存在する。

*11 特に『ファイナルファイト』以降、カプコンのアーケードゲーム2面ボスは「初心者の壁」「100円を奪いにくる鬼門」「伝統の2面殺し」などネタ込みでゲーマーから散々な言われようだった。

*12 特に大手がほとんど新作を作らなくなり、インディーズデベロッパーがこの手の作品をリリースしやすい環境が整ったことも一因。

*13 シリーズを追うごとにライトユーザーでも遊びやすいように工夫されている。

*14 例えば単語探しゲームは単に物語を読み進める分には面倒くさい。

*15 ちなみに、のちの1982年に同タイトルかつ同システムでシナリオも類似した作品がマイクロキャビンの発売により日本国内でリリースされており、日本での知名度はマイクロキャビン版「ミステリーハウス」の方が高く、海外ではシエラオンライン版の方が高い。

*16 全て英語入力だが、一般的な「insert」や「put on」ではハズレである。

*17 後述の「CRPGがTRPGに劣る点」そのままな話である。

*18 1シーン毎にドラクエのパスワード入力をやらされ、9割方「パスワードが違います」では、カセットを地面に投げつけたくなるだろう。

*19 推理をせずにコマンド総当たりでクリアしようとすると「偽物の証拠を掴まされ(以後、本物の入手は不可能)クリア不可能」という詰みに気づけないままゲームオーバーにもならない形。

*20 謎部分を作り直して、スキンを違う版権に差し替えればそれで新イベントになる。

*21 隠されているだけで表示されていないわけではないため。

*22 電源を入れ直すと、また最初から同じ順番で出題される作品もあった。

*23 英語では"simulation"なので、shumiでは母音のuとiの位置が逆になってしまう。

*24 出来の悪いSLGを揶揄する意味で、あえて「シュミレーション」と書く場合はある。

*25 なお、日本ではシューターと言うとSTGプレイヤーを意味する。

*26 熟練者がプレイするとワンコインで長時間遊べてしまう、オペレーター泣かせな仕様であったことも影響している。

*27 画面を埋め尽くすほど大量の敵弾が発射され、自機の被弾判定が非常に小さいSTG。欧米では "Manic Shooter" "Bullet-Hell Shooter"などと呼ばれる。

*28 TPS・FPS・ガンシューなど、広義においては存続。

*29 一部のケイブ社員が独立してタノシマスを設立して制作した『アカとブルー』はAC版も稼働した。しかし出回りなどを考えると前途多難であるが……。

*30 ファンからは同社の『グラディウス』の元ネタとも言われている。

*31 この2つシリーズにおいて、地形に対する当たり判定がゆるいのはこの仕様による。

*32 これらは共にアナログ式のゲームの移植であるが。

*33 ブラウン管モニター前提のシステムの為、ブラウン管モニターが廃れた現代では新作は作られていない。つまり、ファミコン時代のガンシューティングを入手したとしても、同時にブラウン管モニターも用意しないと遊べないと言うことである。

*34 初期は可視光線だったが、現在では赤外線が主流。

*35 ビデオゲームの場合は逆で、走査線を銃口にある光センサーで読み取る。

*36 昔のエレメカだとボールを発射してピンボールのようにターゲットを倒すような形式。

*37 自機が人型なら両腕と手に持っている武器、戦車型なら砲塔や無限軌道、飛行機型ならコクピット窓や計器類等一人称視点でも視界に入るものは描かれていることが多い。

*38 かつてヒットしたものではN64の『007 ゴールデンアイ』などの任天堂ハードに登場したものが有名だった程度。

*39 日本で「戦争もの」というと、戦闘機や軍艦の印象が強い模様である。

*40 PCではスペックによってゲーム性に影響が出る程の差が出る。ただし、「ネット回線の差」に関してはCS版であってもユーザー側の対応が必須となることは変わらない。

*41 当時のプレイヤーにはバトルロイヤルではなく「ラストマン・スタンディング」と呼ばれていた。

*42 その為か、2022年9月から放送されている国民的特撮ヒーローの最新作『仮面ライダーギーツ』は、バトルロイヤルを主題とした物語となっている。

*43 「(一方的に)人を殺すゲーム」や、いわゆる「人間狩り」を意味する場合もある。

*44 プレイヤーが死ぬゲームなら、プレイヤー同士で殺しあわなくてもデスゲームと呼ばれる場合がある。

*45 一応、プレイヤーのガチ度の差でリアル系の方が上だが、カジュアル系で憂さ晴らしなんて話もよくある。

*46 当時の技術ではリアルな表現が難しかったため、(スペースコンバットシムと同じく)SF設定で誤魔化していた。

*47 第二次世界大戦当時は、設計開始から初飛行まで9カ月から24カ月だったものが、F-22では20年かかっている。

*48 光の届かない深宇宙から地表すれすれの大気圏。

*49 パズルゲームを「頭の体操」と言うのと同じ。

*50 1コインで長時間遊びたいという欲求に対して逆方向に圧力をかけられる為。

*51 御多分に漏れず、市場縮小著しい現在ではメーカーとオペレーターの関係は半ばzero-sumの関係となっており、このことが完全予約限定初回売り切りという筐体の売り方や、カードのアカウント紐付けなど現場に利益を許さずメーカー側が大半を吸い上げ、リスクは現場に一方的に負わせるようなビジネスモデルを成立させているのが現状である。

*52 似たような話としては「玩具付き菓子(いわゆる食玩)」がある。特に高級食玩タイプは食料品店で玩具を売る為の方便として、申し訳程度に菓子を入れて「玩具付き菓子(値段比的には菓子付き玩具だが)」を名乗っている。ただし、最近は景品表示法改定により、玩具部分に何が入っているのかパッケージから見えるようにされることが多くなり、ガチャ要素はほぼ排除されたと言える。

*53 本来1プレイ300円でカード1枚だが、勝利からのコンティニューで2プレイ500円(1枚250円)、3プレイ600円(1枚200円)まで下がる。

*54 このような方式は『オーナーズリーグ』などで「TCGなのにトレード出来ない」としてプレイヤーから総スカンを喰らった方式ではあるが、中古カード売買防止(違法ではないがメーカーや設置店舗の利益には繋がらないので嫌われる事もある)・不正防止も兼ねている。

*55 アナログTCGを展開しているにもかかわらずこの措置を行った為、それらの取り扱い店舗が激減することとなった。中には、他社製品の版権TCGでもセガ版権の物だけ不扱いとするショップもある。

*56 データカードダス系でだいたい65%程度と言われており、玩具としてはかなり利益率が低い部類である。

*57 あまりに売り上げが悪いと、メーカーが一方的に筐体を引き揚げてしまうということも含めて。

*58 もちろんメーカー側にも在庫リスクはあるため、需要はあるのに終売になって仕入れできない場合もある

*59 なおTCAGとして最初に始めたのは『オレカバトル』だが、TCAGに限らなければ最初に始めたのはTCAGが登場する以前の作品『ときめきメモリアル 教えてYour Heart』である(あくまでも記念品扱いだが)。

*60 偽造防止のため用紙とインクは専用品を使ってはいる。

*61 「ゲームカードとしての価値」ではない。あくまでも「カードの絵を見て楽しむ(画集扱いする)には印刷の質が低い」という意味なので、「ゲーム的に弱いカード」「紐付けの所為で使用出来ない」とは別の話。

*62 既存の「印刷済のカードを払い出す形式」であれば、出荷された時点で割合が決定されるので、売り切れるまで全部買うなどすればおおよその割合を類推することもできるが、「その場で印刷」の場合は、メーカーが自ら公表しない限り排出割合は完全に隠蔽されたパラメータであり、しかも近年のマシンはオンライン接続されているため、何時でも自由に確率を変更することが技術的に可能なこともプレイヤーに不信感を募らせる原因となっている。

*63 データカードダスシリーズの一種であり、各種タイトルの頭に「データカードダス」を冠している。

*64 SFCソフト『メタルマックス2』が最古と思われる。

*65 記憶装置にアクセスする手法の1つで、読み書きしたいデータの場所をインデックスなどの位置情報をもとに割り出し、直接その場所にアクセスする方法。この機能により簡単かつ確実に映像の頭だしを行えることを利点としてアピールしていた。

*66 文字通りEVRという古い仕様のビデオを用いたメダルゲームでの競馬ゲーム、テープ交換によりレース種類が変更でき、カーレースもあった。

*67 基板でCG描画して脱衣アニメーションを表示するよりも安く、高画質の実写映像も使えるようになるメリットがあった。

*68 AMショー・AOUショー(当時)では、出展時に脱衣シーン等が出せなかった。そのため、脱衣麻雀では取説にない隠し設定で脱衣をさせない設定が可能になっている。例えばビデオシステム系の機種では、取説上では未使用とされているディップスイッチの一つが脱衣オフ設定に使われていた。

*69 当時はJAMMA/AOUの自主規制であったが、風営法が風適法になった時に正式に法規制となった。この為、現在では『[[ボンバーガール]]』レベルでも当局の指導が入る。某音ゲーの全裸バグの時は緊急メンテが入り、メンテ中強制的に稼働停止する措置がとられた。

*70 JAMMA非加盟であれば自主規制の影響を受けない為。代償にメーカー系等の大手との取引ができなくなった。

*71 これは、AMショー・AOUショー出展することがなくなったため脱衣しない設定が必要なくなったことも影響している。

*72 いわゆる「消し」「モザイク」の濃さなど、商品としては割りと致命的な制限。

*73 FC版が有名だが元はこちらもLDゲーム。死にゲーなのはどちらも共通

*74 大量のPC(プレイヤーキャラクター)と、サーバの有人運営により限りなくそれに近づけたものがMMORPGである。

*75 省略できるものはGM裁量で「じゃあ○○に着いたでいいよ」「勝ったら道中は何もないから冒険者の店までシーンを飛ばすね」を徹底して極力省略したという意味で。

*76 例として『幻想水滸伝』シリーズ全般、『ポポロクロイス物語II』『マール王国の人形姫』が挙げられる。

*77 例として『女神転生』シリーズのほとんどや『サガ』シリーズ全般、『Demon's Souls』といったフロム製ARPG等が挙げられる。

*78 例として『ファイアーエムブレム 外伝』『レナス 古代機械の記憶』『レナスII 封印の使徒』等が挙げられる。

*79 システムそのものはコマンド選択型だが、三人称視点の完全な客観視点でグラフィックが構成され、コマンド選択の方式をマウスの操作に置き換えた直感操作によってキャラクターを間接的に移動させられる点を活かしたイベントや謎解きが用意されている。

*80 シエラオンラインの「King's Quest」シリーズの流れを汲んでおりカーソル指定により直接キャラクターを操作し、フラグ立ては予め限定されたクリック可能箇所から正解となるポイントをクリックしていくことで行う。

*81 『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』シリーズとメーカーは同じだが全くの別物(元祖ドラスレ(及び『ドラゴンスレイヤーII ザナドゥ』)の人気にあやかって命名しただけである。今では英雄伝説の方が有名だが)。

*82 後世に定着しなかったが、メーカーは「アクティブRPG」を名乗っていた。

*83 もしターン制にするとしても1ターン30秒等の時間制限をつける必要がある。

*84 多人数プレイ可能なローグライク。なおアスキーネットが行っていた『ローグ』は唯のオンラインランキングであって、多人数プレイには対応していない。

*85 ただし、獲物の奪い合いによる揉め事を嫌って「MMORPGよりMORPGの方が好き」と言うプレイヤーも少なくはない。

*86 システムをある程度真似ただけでも、「DOOMクローン」のように○○クローンというジャンル名で括られる場合もある。

*87 2020年代の現在、FPSが「DOOM系」「DOOMクローン」と、対戦格闘ゲームが「ストIIライク」と呼ばれることはない。

*88 フィールド画面から戦闘画面への切り替えが無く、そのまま戦う方式。

*89 そもそも『ウィザードリィ』自体も『6』以降は別物となっている。

*90 アーケードゲームと同じで簡単に解かれては商売にならないから。

*91 曰く「日本のハードモードは海外だとノーマルモード以下の扱い」とか。

*92 海外では大まかな分類として「RUN&GUN(Style)」という呼び名もあるが別の固有名詞と混同されることも多いため、このジャンルで最も影響力の高い『魂斗羅』の名がよく使われる。

*93 ただし、開発時期を考えた場合、『SEKIRO』に影響されて開発が始まったというわけでないだろう。

*94 ほぼ動きのない雑魚敵を雑草に見立て、それを倒していく様を例えた所から来ている。

*95 その為、損害を最小限に抑えるために途中で引き返して「逃亡」「撤退」することが選択可能な物も多い。

*96 エレメカやピンボールなど、電源を使うアナログゲームも存在する。

*97 ただし、初めてチェスの世界チャンピオンに勝利することに成功したDeepBlueは、対局の度に改良が許されたこともあり、世界チャンピオン側の奇策を全て無効化してしまった。一方DeepBlue側も奇策を使ったとか((ただし、狙ったものではなくバグによるものが偶々うまくいっただけと開発者は話している。))。と言うか、現代ではコンピューターの性能向上に伴う「ディープラーニング(24時間休み無しに一人将棋を打ちまくって全ての棋譜を記憶する)」によりほとんどの奇策が「想定内」になってしまったとも。

*98 日本でTRPGの普及に最も貢献した作品である『ロードス島戦記シリーズ』もパソコンゲーム誌『コンプティーク』出身である。それ以前にも『タクテクス』と言う専門誌(エロゲーブランドの「タクティクス」とは無関係)もあったが、ボードゲームマニア向け雑誌だったためか知名度(発行部数)が低かった。

*99 あえて区別する場合は「ペーパー&ペンシルRPG」と言うそうな。

*100 「システム」や「ルールブック」と呼ばれている。

*101 「ゴブリンは餓えた子に食事を与えるためにやむを得ず畑を荒らした」という裏設定があるが、当初はプレイヤーに伏せられている。

*102 移住するゴブリンを過激派から守る展開だってありうる。

*103 『パラノイア』等の例外もあるが、『パラノイア』はディストピア世界を楽しむ不条理ギャグの側面を持った作品なので、難癖つけて殺されても笑い飛ばせる「上級者以外お断り」な作品である。

*104 システム(ルール)にもよるが、4~5人で遊ぶのを前提としたものが多い。一応、いわゆるゲームブック型のシナリオも発売はされており、そちらなら1人で遊べないわけではない。

*105 ちなみに欧米では認知度は日本より高いが、その分「暗いオタクの趣味」というネガティブな認識も強い。一般向けの有名映画『E.T.』にも登場しているが、その演出自体がゲーム自体も有名であると同時に主人公は暗いオタク少年(英語では「ギーク」)だという暗喩である。

*106 いわゆる「マンチキン」は「おれさえ楽しめればいい」という我儘プレイヤーを指す。

*107 「TRPGにおける勝利とは、シナリオ終了後にGMとプレイヤーが楽しかったと笑って話せることである」と言ったことが明言されているシステムも存在する。

*108 簡単にいえば、TRPG向けのさまざまな機能を搭載したチャットツールのこと。例をいくつかあげると、映画的なシーン管理やノベルゲームのようなキャラクターの立ち絵表現ができる『ココフォリア』や、ゲームボードやミニチュアやカードなどをデジタル上で3Dで再現する『ユドナリウム』や、実況動画との連携が意識された『TRPGスタジオ』などがある。一方で多くのTRPG解説サイトで未だ使用前提扱いされている「どどんとふ」は2020年のFLASH終了と同時に終了しているので注意が必要である。

*109 日本でTRPGブームを作った『ロードス島戦記・誌上リプレイ』の始まった1988年からTCGブームに取って代わられた1995年ぐらいまでの間の事。

*110 未発売のコンピューターゲーム(『ANGEL-CORE』の続編)が原作。

*111 原作はSLG。更には原作の主人公(提督)がGM扱いである。

*112 ただしシングルは中古販売なので、一定の相場こそあれど店舗や時期、カードの状態によって値段は異なる。なお、専門店は未開封パックとシングルの両方を扱う店舗が多い。

*113 レアカードに強いカードのも事実であるが、必ずしも「強いカード」や「汎用性が高いカード」が設定されるとは限らない。

*114 複数の解釈ができる、本来なら書くべきテキストが省略されている等。

*115 同時に古いカードも使えるルールを制定することが多い。

*116 カード資産次第では多少軽減できるが、ゲームハードが買える程の費用を要求される場合もある。

*117 安く組めるデッキも存在するが、そういったデッキで大会を勝ち抜くにはプレイング、デッキ構築共に難易度が高い。

*118 一部のTCGでは希少カードの価値を保護するために二度と再録しない「再録禁止指定」を行う例まである。

*119 もっとも、ここまで高額なカードは稀であるが。

*120 初動でプレイヤーの囲い込みに失敗するとショップからも仕入れを絞られるので存続が難しくなる。

*121 手を出した新作が早期終了した場合、集めた資産が文字通り紙くずとなって忘れ去られることとなる。

*122 なお、『MTG』や『アクエリアンエイジ』には原作の方でも「初心者向け」と称したルールが存在しており、初コンピューターゲーム化はそちらが採用されている(アクエリに関してはキャラだけを流用した非TCGが既に出ていた)。

*123 開発時代より古すぎるカードなどは収録されないため、アナログの大会も縮小していない。

*124 そもそも「メカ」と言う短縮形自体が和製英語であり、今や欧米で「メカ」と言うと日本のアニメやゲーム由来とした「架空の機械(主に搭乗型人型兵器)」を意味する言葉になっている。

*125 機械的動作によって直接獲得するもの以外認められなくなった。具体的には、ゲームの結果によって「払い出し」出来なくなった。

*126 通常、成長傾向の分野で悲観的な予測をする企業はそう多くない。

*127 プレイヤーのボタン操作で玉を弾くアームの事。

*128 「ピンボール=釘・玉」なので、パチンコやスマートボール、コリントゲームも全てピンボールである。

*129 それに合わせて、末期のマシンでは「スペシャル」をリプレイ、エキストラボール、ボーナス得点、チケット(キャッシュアウトバウチャー)から現地法律に合わせて選択できるようになっている。ちなみに、チケットを選択する場合は通信機能とチケット印刷機能を持ったチケット発行ユニットが必要。このチケットは、スロットマシンで使われているものと同等である。

*130 ビンゴピンボールに限ればシグマも参入していた。

*131 素人ではそもそも通関すら難しく、まず電気的仕様を日本基準に合わせなければならないため、電気機器の知識や改造技術を持っていなければお話にならない。

*132 鉄球とピンボール用のジェットバンパーが使われている。もっともフリッパーはないのでパチンコに近いが。

*133 他には、ハズレであるアウト穴と、入賞した玉1個を返すファール穴がある。

*134 特定のセーフ穴またはファール穴。まれにゲートであることも。

*135 通常よりも入賞しやすく、多くの賞球の得られるセーフ穴。

*136 係員が穴の底になっている板を引くとずれていた穴が貫通して玉が穴に完全に落ち、遊技客の手元に玉が戻る構造。

*137 パチスロも、元のスロットマシンは最初は無電源ゲームから始まっている。レバーを引いた時のバネの力と機械的動作だけでリールを動かし、止めて、判定して、払い出しまで行った。物理メカとして考えればかなりすごいものである。

*138 ICカード販売機などのことではない。

*139 もちろんそうでない機種もある。ボウリング場やゲームセンターでは定番の『セブンティーンアイス』(グリコ)等。

*140 それ以前にあったものは、温泉など観光施設や、デパート屋上遊園などの併設施設がほとんどである。

*141 「ゲーム&ウオッチ」発売時の大卒初任給は10万円程度である。葉書は20円。

*142 ゲームこそ出来ないが「変身アイテム」の音声コールもこの流れではある。

*143 遊技機であるという建前上、リールをプレイヤーの操作で止めなければならないというルールがあるが、賭博機である一般的なスロットマシンではプレイヤーがリールを止める操作をすることはまずない。

*144 コナミアミューズメントは日本向けの遊技機を製造しているが、かつては高砂電器産業も海外向けのゲーミングマシンを製造していた。

*145 いわゆる「ゲームをプレイすることに特化したカスタマイズPC」とは全く別物なので注意。

*146 中共だけでなく、台湾国(中華民国)でも賭博は違法である。

*147 賭博にあたらないように、得点の再投資や課金(現金投資)はできないようになっている。

*148 有力な人物がソーシャルゲーム部門に異動、大手ゲームメーカーを退職して独立、振興のソーシャルゲーム会社に移籍するといった事態が起こっていた。

*149 ソーシャルゲームに注力する事によって、大規模なゲームに対するノウハウの欠如など。

*150 格ゲーブームの終息以降「遊びにまで努力や向上心を強制されたくはない。または複雑な操作を覚えたり、戦術を練るのが面倒」と考えるライトゲーマーや、進学や就職に伴いプレイ時間を確保できなくなった元ヘビーゲーマーが増加している。

*151 上述した『三国志大戦』などのTCAGを先例とする形で、ガチャを導入したアーケードゲームもいくつか稼働している。

*152 原価ではないことに注意。逆に言えば新古品に対し市価が低いと主張することも。

*153 なお、『ときめきメモリアル』等の景品が全盛期だった90年代後半の頃は500円以下とされていた。UFOキャッチャーブームが起きた1980年代後半の頃は300円以下。

*154 遊技料金の3倍以下というのは、風営法規制対象となる前からの基準である。遊技料金20円ならば市価60円まで、といった具合である。

*155 4号営業の許可を取っていれば消費税別市価1万円までの景品を提供できる。

*156 4号営業では年少者の入場が全面禁止になるため、ファミリー客をまるごと捨てることになる。そのため、ゲーム業界としては決して受け入れられない条件である。『ファンタジーバンバン』を4号営業の許可を取得してまで設置継続した店舗が皆無であることで察しよう。

*157 スイートランドなどのプッシャー型プライズ機における「お菓子タワー(崩すと一気に払い出し口に落ちて大量獲得になる)」等は厳密にはアウトなので、警察の立入検査などの際は崩される。

*158 このようなものは、景品表示法の関係で食玩などでも厳しい規制を受ける。某シール付きチョコウエハースが30円から内容そのままにいきなり80円に値上がりしたのもそのせい。そのため、最近は何が入っているかが外装から見える食玩が主流である。逆に、菓子類のオマケから始まったトレーディングカードやトレーディングフィギュアは菓子に添付という形態を廃止し、単体で販売されるようになった。

*159 三角くじが大量に入っていて当たりくじを獲得したら景品と交換できる等もアウト。「何が入っているかわからない景品」にも該当するし、直接獲得の前提にも反する。

*160 この店は2017年12月に摘発を受けて営業停止処分を受け、従業員も検挙された。

*161 実際に射的場は4号営業の許可を得て営業している。非常設の露店であっても例外ではない。

*162 風適法の例外規定。客室面積の10%以下であれば5号営業の許可を得ずにゲームセンターの営業が行える。ただし、メダルゲームについては1台でも許可を得るように求められる可能性が高い。

*163 当局の有権判断。当時は「遊技料金が30円以下で、景品価格が遊技料金の3倍以下の子供向け遊技機は(風営法の)許可を必要としないものとする」だった。子供向けなので当然喫煙具や女性向け下着はアウト。

*164 アダルトビデオやエロ本は4号営業でも出せない。

*165 直接獲得が条件である以上、エレメカか射的しか存在しない。

*166 あくまでも店側は「借しただけ」と言うのが賭博禁止法的に重要。当然メダルからの換金は不可能。また「100円でメダル10枚なら、一回100円のゲームをメダル10枚でやらせろ」に応えるのもNG(メダルゲームが金券を使った賭博とみなされる為)。

*167 「オッズだけ」を頼りに順位を当てるので、ゲーム性はルーレットと大差はない。

*168 絶対に得はしないが大損はしない娯楽として楽しんでいる模様。

*169 遊技機の方はダンピングされたからと言って一度に多くの玉やメダルを消費するようにはなっていないので、メダルゲームだけが一方的に遊びにくくなっているだけである。

*170 これは、カジノゲーミングにおけるポーキーマシンやマルチハンドポーカーのような、一度に数百点~千点近く駆けるようなゲームでも同様であり、そのようなマシンでは100ドル紙幣を入れると1万点など、まとまった金額を入れられるようになっており煩雑さが解消されている。高レートであればカードから直接入金できる。

*171 メダル貸機からメダルバンクに転送 → ICカードに登録 → ICカードをゲーム機にセットしてメダルバンクから転送等。

*172 セキュリティ上マシンに現金を入れるのを嫌うハウスの場合、カウンターでチケットを購入することが多い。他のマシンで払い出したチケットも使用出来る。

*173 「Attendant Pay」の略で、打ち止めとなり係員による支払いとリセットが必要となり、その際に課税手続きと税額分の控除が行われる。

*174 ほとんどの場合、ゲーミングマシンと見なされないように何も払い出されない「完全ハズレ」は発生しない設計となっている。

*175 この辺は日本のプライズマシンに似ている。

*176 厳密には、ゲームの交換が可能なコンシューマーゲーム機の登場は電子ゲーム登場よりも早かったが、当時のゲーム機は性能が低く、特に電子ゲームの液晶画面よりも表現力が低いという致命的欠点を抱えていた。

*177 多機能メモリーカード(セガならビジュアルメモリ、ソニーならポケットステーション)が電子ゲーム機の代わりとなっているものも含む。

*178 『たまごっち』等は24時間起動している事が前提のゲームである。一方で似たような前提条件のスマホゲームである『ポケモンGO』は「電池がいくらあっても足りない」と言われている。

*179 なお、同人界隈でも「同人ゲーム」や「同人誌・同人イラスト」などのジャンル違いでは更に一次と二次のバランスが変わってくる。

*180 不謹慎ゲームや著作権問題のある作品、(非18禁作品の会社に勤める者が制作した)18禁作品、は言うに及ばず、斜陽ジャンルなので開発予算が下りなかった作品、予算は降りたものの完成品を見た上層部や営業部に「こんなクソゲー売れるか」と言われて商品化を逃した作品等の場合もある。

*181 高機能すぎた同人製CADが「営業妨害だ」とイチャモンつけられた事もあるとか。

*182 実際には同人でなくても出品可能。