明治維新

【めいじいしん】

ジャンル アドベンチャー+シミュレーション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 ユース
発売日 1989年9月29日
定価 6,200円(税別)
配信 プロジェクトEGG
2019年9月17日/500円(税別)
セーブデータ 3個
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 時代考証を無視したネタ要素が強め
気軽にセーブもできない
ADVパートの移動が面倒&終盤の敵が鬼畜
システムの穴を突く事前提の難易度のSLGパート


概要

タイトル通り明治維新を題材にしたゲーム。坂本龍馬が主人公である。
幼少時の龍馬が弱虫だったり、岡田以蔵と幼馴染な設定など、当時連載されていた漫画「お~い!竜馬」の影響を強く受けている。
龍馬の旅立ちから挙兵までをテーマにした第一部(ADVパート)と土佐藩の同士とともに戦う第二部(SLGパート)の二部構成となっている。


ストーリー

時は幕末、黒船と呼ばれるアメリカ「ペリー艦隊」の浦賀来港により、江戸幕府215年にわたった「鎖国策」は崩壊。
日本は大きく乱れ、まさに激動の時代を迎えました。

ちょうどその頃、大きな夢を抱いて、土佐から江戸へ向かった一人の若者がいました。
その若者は坂本龍馬といい、世界を見つめることのできる広い視野と卓抜な行動力を持っていました。
江戸へ出た龍馬は、より良い日本を築くために、新しい政府をつくろうと考えるようになりました。
そのためには、まず江戸幕府を倒さなければなりません……。
はたして龍馬の行く手には、どんな出来事が待ちかまえているのでしょう。

プロジェクトEGGの紹介ページより)


特徴

第一部(ADVパート)

  • 一般的なコマンド選択式のADV。『ポートピア連続殺人事件』のように進行役に命令する形(思想などの主張時は龍馬自身が言う)で話が進む。
  • 別の場所へ移動する際には道を歩くシーンが挿入される。
    • 移動中、前から人が歩いて来ることがある。ゲーム序盤は町人がメッセンジャーとして情報をくれるのだが、中盤以降は敵とのエンカウントが含まれるようになる。
    • エンカウント時、木に隠れて逃走する事ができる。左・中央・右の三択で敵に探し当てられると失敗する。
    • 後ろから肩を叩かれて呼び止められることもあり、その場合は敵とのエンカウント以外にゲリラから援助金を受け取ることもある。ADVパートにおいてイベント以外でお金(単位は両)を手に入れる唯一の手段である。
  • 戦闘はQTEのような形式。龍馬自身が戦うか仲間キャラに戦わせるかを選択できる。基本は1対1だが、敵が複数いる場合は最大で3連戦になる。
    • まず画面左下の活力と呼ばれるルーレットをAB十字いずれかのボタンで止めて相手に与えるダメージ量を決定する。
      • ダメージ量はルーレットの周回数(数字で1~4)×操作キャラの力の値で計算される。0で止めてしまった場合は攻撃を命中させても相手にダメージを与えることができない。
    • 敵グラフィック上に表示される赤い球が破裂したらその方向のボタンとAボタンで攻撃、緑の球が破裂したら敵の攻撃が来る前にその方向のボタンとBボタンで防御する。
      • これらを繰り返し相手の命の値を0にすれば勝利。
        こちらの命の値が0になると敗北。龍馬の場合は所持金が半分になり後述のお寺に送られる。仲間キャラの場合は戦闘不能になり移動パートが続行される。
  • 江戸の道場では剣術の認定試験に合格して龍馬の段位を上げることができ、ルーレットの周回速度が速くなり活力を高くしやすくなる。
    • ゲーム序盤は戦闘のチュートリアルも兼ねて段位を得るまで何度か強制的に認定試験を行うことになる。
  • 各国には下町があり、共通の施設を利用することができる。
    • 団子屋:命の値を回復するアイテムの団子を購入できる。
    • お寺:戦闘不能になった仲間の復活(団子が3つ必要)と、ゲーム進行に応じて龍馬の命と力の最大値を有料で上げることができる。
    • 宿屋:セーブポイント。宿泊して命を回復することもできる。
    • 占い屋:次に行くべき場所を占いで示してくれる。雑貨屋で買える占い券が必要。
    • 雑貨屋:団子以外のアイテムが買える。移動速度が倍になる革靴、仲間キャラを復活させる薬*1、エンカウントを無効化する隠れ蓑、占い券の4種。
  • 同志がある程度集まった後は「会議」コマンドで任意のタイミングで挙兵ができ、第二部に移行することが可能。
    • ただし物資・藩主の能力値などの戦力はADVパートを最後まで終わらせた場合よりも落ちる*2。最速で挙兵した場合はまともに行動することもできない戦力になってしまう。
    • 移行前にセーブができるが、このデータでの再開は挙兵前のADVパートとなるため、宿屋以外のセーブポイントとして利用することも可能。

第二部(SLGパート)

  • 戦争や外交で倒幕派の藩を増やしていき、江戸城を攻略して幕府を降伏させるとクリア。
    • 1853年に開始。ターンは春夏秋冬の季節ごとで1880年を迎えるとタイムリミットでゲームオーバーとなる。
  • 戦略画面で操作できるのは藩主(最大で坂本龍馬・桂小五郎・西郷隆盛の3人)のみで、1ターンにつき3回までコマンドが実行でき、実行時にはそれぞれに与えられた「知力」「体力」「説得」の値を消費する*3
    • 減少した「知力」「体力」「説得」の値は「修行」コマンドで「気力」を消費して回復できる。気力が0になった状態で次ターンを迎えると藩主は死亡する。龍馬の場合はゲームオーバー。
    • 龍馬のみ「外交」「記録」が行える。
      • 前者はまず成功せず、京都・江戸に対しては行えない。さらに選択肢を間違えるとゲームオーバーになるイベントが発生することがある。
      • 後者はセーブを行うが、気力(2ポイント)を消費する。
    • 藩主以外にも藩士が何人かいるが、戦争時の指揮官に任命できるだけで藩主のいない藩に移動させてもコマンドを実行することはできない。
  • 各藩には石高・商業値といった概念はなく、兵士を藩作り(金の入手)・米作り・生糸作りの役に割り振ることで秋に収入を得ることができる。割り振った兵士を戦争用の兵隊に戻すことも可能。
  • 「炭鉱へ行く」コマンドで売買用物資の石炭を入手できるが成否はランダム。
  • 「取引」コマンドで米・生糸・石炭の売買や武器・弾薬の購入が可能。後者はぐらばー(グラバー商会)が担当する。
    • ターン経過や取引によって売買レートは変化する。また在庫切れで購入できない場合もある。
  • 戦争はマス目・ターン制の戦術SLG。30ターンの時間制限あり。
    • 戦争を仕掛けた藩の武装度(武器の数×10の数値)によって部隊の兵科が歩兵隊・鉄砲隊・大砲隊に変化する。後になるほど攻撃の威力が高く射程が長い(最大3マス)。
      • ただし鉄砲隊と大砲隊はそれぞれ「弾1」「弾2」の物資がないと攻撃できず、弾が無くなると自動的に歩兵隊に弱化する。
    • 兵士数によって部隊数が最大3つに分けられ、第1部隊は指揮官が率いる。第1部隊が撃破されると敗北・戦死となる。敵も同様で第1部隊を撃破すれば勝利となる。
      • プレイヤー側の兵糧が尽きた場合も敗北・戦死扱い、敵ならプレイヤーの勝利になる。
    • 戦争に勝利した場合はその藩が所有していた金や米、武器などの物資や残りの兵士をそのまま入手できる。

評価点

  • ADVパートの人物グラフィックは良好。特徴を上手く捉えたうえで程よいデフォルメがされている。
    • 瞬きや口パクもしてくるなど、キャラの演出も細かい。
  • ADVパートで選択肢を間違えてもペナルティがほぼなく*4、歴史に疎い人でも問題なくストーリーを進められる。
    • 勝海舟・中岡慎太郎・桂小五郎・西郷隆盛など歴史上の偉人が数多く登場するが、実体験としてそれらの人物と会うことで、所属藩や立場などを覚えやすい。
      • ただし、賛否両論点で詳しく説明されている通りギャグ要素やフィクションも含め多くの脚色がされているため、全部をそのまま事実として語るのは避けた方が良い。
  • ADVパートには次の目的地を教えてくれる「占い屋」があるため、どこに行けばいいかで迷うことはない。
    • ただし「占い券」を余分に買っていない場合、雑貨屋→関所など→占い屋と無駄に歩く必要がある。
    • 移動中に現れるメッセンジャーが進行フラグになっていることがあり、そこまでは占い屋でもカバーしてくれないのが欠点。敵と間違えてエンカウントを回避していると行き詰まりがちになってしまう*5
  • Aボタンを押しっぱなしにするとメッセージが早く流れる。
    • 同じ事を何度も聞いたりするゲームなのでここはありがたい。
  • 龍馬が明治まで生き延びたifの未来を見ることができる。
    • エンディング前に選択肢があり、それによって展開が変わるマルチエンド。全て見るのも大した手間ではない。
  • クソゲーのお約束だが、BGMは良く、雰囲気も合っている。

賛否両論点

全体的に時代考証を無視したネタ要素が強め

  • 旅立ち前の龍馬がかなりのヘタレに描かれている。
    • ゲームを始めた瞬間「よわむしけむし」「ねしょーべんばかりたれとった」と言われてしまっている。
    • 元服前でまだおねしょが直らない*6ので江戸まで修行に行かせられる、という導入。
      • 修行を嫌がると父親に反抗して「ぐれてやるー」と言い出しゲームオーバー。最初からやり直しで、冒頭のへたれなシーンをもう一度見させられる。
    • 龍馬の自己紹介も段位を得るまでは「ぼくはとさのしょーべんたれだい」となっている。何も道行く人にまで言わなくても…ちなみにペリーに言うと日本語の意味がわからないはずなのに笑い出す。
    • 浦賀に行くと黒船ではなく海の広さに戸惑う。土佐出身のはずなのに。
    • 戦闘の前に誰が戦うかを選ぶが、前の戦闘から続けて龍馬を選ぶと「また わしかい?」と文句を言う。
  • 他にも変な個性付けをさせられている人物がいる。
    • 一緒に江戸に行く事になる溝淵広之丞も龍馬同様弱虫な設定で、最後はゲームの進行役を中岡慎太郎に丸投げし雲隠れしてしまう。
    • 西郷隆盛は「おいは馬鹿なので1回聞いただけではよくわからん」と物覚えが悪い性格にさせられていたり、国民から年貢を取り立てることに躍起になっている*7
  • SLGパートの開始年が1853年の春であり、本来ならペリーが浦賀に来航する前の時間である。
  • 江戸城を攻略して幕府を降伏させるとクリアであるが、史実では江戸城は無血開城したことや、そもそもそれ以前に龍馬は暗殺されたといった史実は完全無視の超展開である。
    • ただしこれは龍馬が暗殺されず倒幕まで生き延びたifの未来、と見ることもできる。
  • 時代背景完全無視の表現も多い。
    • 道場に「闘魂」の文字が額装されていたり、偽名に「だけたてつや*8」「ばくしんたろう*9」を使ったり、ペリーがカタコトな日本語で龍馬に開国の手伝いを頼んだり*10、勝海舟が戦艦大和の模型を持っていたりなど。
    • 勝海舟の「バックアップ」というメタなセリフから始まり、ジョン万次郎の「デリーシャス*11」、溝淵広之丞の脱落時の「バイビ~」、龍馬が「世紀末救世主*12」と言われたりなど。
  • これらのネタ要素は歴史に興味が薄い層に対し親しみやすくするためのデフォルメと取る事もでき、必ずしも一方的に否定する要素ではないだろう。

問題点

第一部(ADVパート)の問題点

  • 最初にセーブできるまでが長い。
    • 通行手形を手に入れる→関所を通り抜け江戸へ行く→道場に入門し級を上げる→浦賀でペリーに会う→江戸城へ行く→日米和親条約締結→段位を得る→勝海舟に会う→土佐に戻り同士を集める→中岡慎太郎と会う→敵に襲われる→ここでやっとセーブ可能に。最短の選択肢を選んで進めても40~50分ほどかかり、チュートリアルも含んでいるとはいえあまりにも長すぎる。
      • 前述通りゲームオーバーもあるので、それをやるとまた最初からやり直し。もっとも、序盤も序盤なので大した手間にはならないが。
      • この段階ではセーブ地点の宿屋だけでなく寺や団子屋にも行けない。行く必要のない寺はともかく、あらかじめ団子を買っておくことができないのは後述の詰みポイントに繋がる。
  • 移動シーンが全体的にかったるい仕様。
    • 一回の移動につき序盤のエンカウントなし状態でも13~14秒ほど時間をとられる上、中盤から敵とのエンカウントがほぼ確実に発生。多い時には一回の移動で3回もエンカウントする。
      • 木に隠れての逃走は三分の一で失敗する上、ゲリラからの援助金を逃してしまう事がある*13
    • 団子屋→宿屋のように下町の施設から施設への移動はできず、わざわざ関所などに戻ってから別の店に行かなければならない。セーブ地点が宿屋にあることやお寺で倒れた仲間を復活させてもらうのに団子を3つ買ってくることを考えると面倒。
      • 団子屋と雑貨屋は別の店なので両方立ち寄るのが大変。移動中に倒されると所持金が半減するため、大金を持ち歩くのは危険。どちらかの店に行ったら所持金を全額投入し、もう一つの店は次の収入があってから改めて行くことになる。
    • 雑貨屋で買える「かわぐつ」は移動速度が上がるが、同じ店で売っている「かくれみの」でエンカウントを回避したほうが安全確実かつ目的地に早く着くので存在価値が無い
      • しかも靴なのになぜか使い捨てである。これが永続ならば移動のストレス緩和のために買う価値もあったのだろうが…
    • そしてこのシーン、どこを歩いても距離は一緒で背景も田舎道のまま変化しない。江戸の街中を歩いている時であっても、江戸の関所~薩摩の関所であっても。
  • 戦闘がとっつきにくく難度が高い。
    • 「敵に表示される球を見て攻撃か防御をする」前に「左下のルーレットを何らかのボタンで止めて活力を決める」というルールが解りづらく、慣れないうちは敵に攻撃を当ててもダメージを与えられない、という事が起こりがちになる。
    • 敵は攻撃力が全体的に高い上に、活力の周回数を上げにいく傾向にあるため1発当たるだけでも大ダメージになりやすい。また、敵の攻撃速度は敵の段位でも決まり、上位になってくると防御タイミングはかなりシビア。
    • AとBを両方押すと攻撃と防御の両方ができてしまう。なので方向さえ合っていればよく、球が赤だろうが緑だろうが関係なくなってしまう。
    • 仲間は最初からそれなりの段位と攻撃力を持っているのだが、ラスボスは龍馬で戦うことになるので結局龍馬も鍛えなければならない。
      • 段位認定と寺で祈るだけでいいので、初期の弱い時期に龍馬が無理に戦う必要はない。基本的には龍馬と仲間どちらか強い者が戦えば良い。
    • 段位を上げるとルーレットの周回速度が速くなり活力を高めやすくなるが、そのぶん狙った位置で止めるのが難しくなり、失敗して活力0で止めてしまう機会も多くなる。上げすぎも禁物。
    • 通常の敵は1~3人で出てくるが、こちらは1人で全員抜きしなければ勝利にならない。
  • レベルを上げられるタイミングが不明。
    • 龍馬の成長方法として「江戸の道場で認定試験に合格して段位を上げる」「各地の寺で祈って命と力を上げる」があるのだが、いつ行けば上げられるのか教えてくれない。
      • 段位を上げるには、雑魚敵をある程度倒して修行を積んでおくのが大前提。仲間で倒した分もカウントされる。
        認定試験は実戦形式で、失敗に終わると「あまい!しっかくぢゃ」とだけ言われる。修行が足りないのか試験に落ちただけなのかは教えてくれない。
        攻撃・防御を5回づつ成功させれば試験終了となるが、道場での師範はこちらの攻撃の成否に関係なく必ず攻撃失敗時のポーズ*14になりダメージを与えられないため、攻撃が成功したかがわかりにくい。
      • 命と力はストーリーの進行度に応じて上げられるようになる。こちらは修行を積む必要はない。
        ただし寺で祈るにはお金(10両)がかかる。時期が早過ぎると祈っても無駄に終わり、お金も戻ってこない。
  • 西郷家の前に出現する固定敵「風虎隊」が強い。
    • ボスクラスの敵にもかかわらず、普通に道端で雑魚敵と同じ方式でエンカウントする。
      • 困ったことに名前は雑魚敵によくいる「○○隊」であり、顔グラも雑魚敵の使いまわしなので、ボス敵だと気付きにくい。死んでから気付いたなんてことにもなる。
    • ボス敵なので当然戦闘回避は不可能。隠れても必ず見つかり、回避アイテムも無効化する。
      • 仲間に戦わせて倒されると戦闘終了するが、直後にまた襲ってくるので仕切り直しになる。
    • こちらの戦力は二段の仲間が1人いるのみで、龍馬も二~三段になるかならないかという段階。なのに敵は三~五段もある。
      • おまけにダミーの緑球や赤球を出現させるというフェイントをかましてくるので攻撃を当てづらく見切りづらい。 活力の溜まり具合も早く、攻撃を受けるとほぼ一撃死*15。こんなのが3人で襲ってくるのである。中盤の難所と言えるだろう。
  • 戦闘できるようになってからすぐの序盤と、終盤で詰む可能性がある。
    • 序盤では仲間のほうが強いので頼れるが、もし負けると復活のために団子が3個必要になる。序盤はアイテム所持数が少なく、団子が足りないと龍馬で敵を倒して稼がざるを得なくなる。
      • 初期の龍馬は非常に弱い。龍馬がまだ一段でも敵は二段、三段と格上の敵も出てくる。格上相手だと活力をためている間に敵に攻撃されてしまう。活力1で攻撃するしかないが、力が1だと攻撃が成功しても1ダメージしか与えられない。この段階でも敵の命の値は7~10もあり時間がかかる。そんなのが3人も襲ってくると…。
      • さらに龍馬が負けると所持金半減で命の値が1で復活。このような状態では敵を倒す事も難しく、稼ぐに稼げなくなる。うまくゲリラに会えても団子屋に行く途中で倒され寺に送られ、そこから関所を通って団子屋に行く途中で倒され…と無限ループに陥る。
    • 更にストーリーを進めると、出現する雑魚敵が強化されていく。地域に関係なく日本全域で強化される。八段・九段など後述のラスボスに匹敵するような強さの敵が3人フルで現れるようになる。
      • 逃げまくったり段位認定試験を怠ったままストーリーを進めていくと、龍馬の段位が低いままなのでラスボスに勝てなくなる。
        一応段位が比較的低かったり、段位の高さの割に球の表示速度が甘かったりする敵も出てくることがあるが、終盤で鍛えるのは難しいことに変わりはない。
  • ストーリーが進むと団子屋・雑貨屋の物価が値上がりする。
    • 敵を倒した数に応じた援助金の額は変わらない(1人につき約12~14両ほど)ので、敵を倒しやすい時期にアイテムを買いだめしておかないと前述の敵の強さもあり、ストーリー後半は進行困難になる可能性がある。
      • 終盤で仲間がもう一人増えるが、既に雑魚敵がとんでもない強さになっているので頼りにはならない。というかこの頃になると、仲間復活用の団子3個を買う事すら大変なため龍馬に倒されてもらって所持金半減のほうが被害が少なくてすむ
  • ラスボスが異様に強い。
    • 瞬きする間もない感覚で攻撃が早く、こちらがどんなに鍛えていても一撃喰らえば戦闘不能になる。さらに、タイミングが合わないとこちらの攻撃をかなり高い頻度で受け止めてくる。
    • 負けてもすぐに再戦可能なので勝つまでやり直すことが容易なのが救い。どうせ一撃で戦闘不能になるので命を回復させる必要もない。

第二部(SLGパート)の問題点

  • 基本的に敵藩の戦力が異様に高い。
    • 全ての敵藩の兵数・武装度・米などの物資の数はADVパートを最後までクリアした状態での倒幕側の各藩よりも多く、兵や物資を1つの藩に集中させてようやく対抗できるレベル。
      • 要所である京都や最終目標の江戸城の戦力は兵数5000~7000と凄まじく、正攻法での攻略は困難を極める。
    • 戦争時、敵は最初から最大射程のユニット「大砲隊」2~3部隊でガン待ちしてくる。こちらも物資をかき集めて大砲を用意することはできるが、移動と攻撃が同ターンに出来ないため、どうしてもこちらが攻撃する前に一撃を許すことになってしまう。
    • 大砲の攻撃力は異様に高く、同程度の兵士数でも一発で1部隊が撃破されてしまう。さらにこちらの攻撃は敵部隊に損害を与えられない事がある。
  • 商人が扱う品物の相場は一度「取引」を選ばないと確認できない。
    • 選ぶとキャンセル不可で、たとえ売買をせずに終わらせてもコマンド実行回数を消費し、藩主の能力値も減る。
  • 龍馬専用コマンド「外交」が役に立たない。
    • こちらから外交する場合、弱い勢力が相手でもさっぱり成功しない。
    • 相手からの外交を好意的に受けると毒を盛られて死ぬこともある。当然ゲームオーバー。
      • 実質的に外交はやるべきではなく、武力で藩を攻め落としていくしかないという力押しスタイルになる。第1部では説得上手だった龍馬なのに、なぜこうなってしまったのか。
    • 締めとなる江戸城に対しては外交を行う事もできないため、無血開城は不可能。
  • 一応、システムの穴を突くようなやり方で難易度を下げられる。
    • こちらから攻めた場合、敵部隊は動かないので鉄砲隊以下なら大砲隊でアウトレンジから一方的に攻撃できる。
      • 「全部隊を大砲隊にして第2・第3部隊を同時に敵の大砲隊の射程内に侵入させ、片方の部隊を犠牲にしてもう片方の部隊で撃破」という戦法が定石になる。
      • 敵の兵が減れば敵藩の武装度も下がるため、敵部隊を削って撤退すれば大砲隊を配備できなくなる。
      • 兵糧攻めも可能。冬なら米の消費が倍になるので効率的。ただし待機だけを繰り返す以上非常に時間がかかる。
    • ある程度の兵数*16があれば敵から攻め込まれない。
    • 敵に攻め込まれても退却すればこちらの米がゼロになるだけで追い返せてしまう。自ターンで米を買い直せば金がある限り防衛が可能。
    • 店の品物は品切れになることがあるが、一旦店を出て他の店に入ったりする*17と買えるようになることがある。
    • 米を売買すると、個数0でも相場が変動する。これを繰り返せば異様に安く米を買ったり、高く売ったりできる。
      • 米相場を0.9以下にしてから米を金1を超えない数で買うとタダで買えてしまう。
    • セーブをすると行動回数と気力を消費してしまうが、リセットして再開すると行動回数と気力の減少を踏み倒せる。
      • 敵の藩に天災が起こるまでやり直したりすることもできる。
    • 秋の収入は現在所持している金や米などの物資の数に対し藩作りなどに当てた兵の割合によって乗算される。上記の攻め込まれない仕様を利用し、能力を消費しない「他藩の様子」コマンドだけで数年経過させれば倍々ゲームの感覚で増やせる。下記の災害が起こることも多いが。
  • 面倒な仕様が複数ある。
    • 藩主のステータスの「気力」の回復手段は戦争に勝利すること(10ポイント)のみ。上記の通り敵は異様な強さなので無駄な行動で気力を消費した状態でセーブしてしまうと、気力不足→敵倒せない→気力回復しないのループで八方塞がりになる可能性がある。
    • 操作中の藩以外の自勢力の藩の情報を見ること行動回数を消費する必要がある。
    • 藩主がいない藩の兵士・物資を移動させる際には藩主を移動させてから命令を下す必要がある。
    • 当時大流行していた事を反映してか、ころり(コレラ)による災害の自勢力の藩での発生率が高い。兵士だけでなくあらゆる物資が割合減少してしまう。
  • 戦争時、処理落ちのせいでBGMのテンポが一定しない。

総評

ADVとしては頻繁に挟まれる移動シーンが煩わしく、序盤のセーブ不能期間の長さや戦闘システムのとっつきにくさなどの不親切な点が目立つ。
敵は次第に強くなり、反射神経を要求されるゲームが苦手な人にとってはどうやっても無理なレベルに達してしまう。
プレイ状況によっては八方塞がりになり、この時点でプレイを断念した人も少なくはないだろう。
漫画「お~い!竜馬」からシリアス成分を抜いて時代考証無視のパロディ要素を強めたような物語も賛否が分かれるところである。

たとえ上記の内容を乗り越えて好条件でSLGパートを開始しても、敵戦力が強大すぎて仕様の穴を突かざるを得なく、かなり歪んだバランスになってしまっている。
純粋にSLGとしてのクオリティも低い。様子見だけで金や物資が増えていく、外交はほぼ不発、戦争も射程外から蜂の巣にするか兵糧攻めの2択という、ゲームというより作業的な流れになってしまう。

ゲームパートは2つに分かれているが、どちらもゲームデザインとゲームバランス、その両方で失敗しており、相乗効果で致命的な出来のゲームになってしまった例と言える。


余談

  • ゲーム序盤に勝海舟の協力要請に「いいえ」と答え続けていると、「バックアップの いのちが ほしけりゃ はいと いいな!!」と脅迫してくる。
    「はい」と答えてシナリオに従う必要があるが、「いいえ」と答えてしまうとすべてのデータが消される
    • ただし、この問いは最初のセーブポイントよりも前に出てくるので、初回プレイではなんの影響もない。
    • セーブ可能になった後にもう一度協力要請を受ける場面があるが、ここでも同じことが起こるので今回は被害が出る。
      • ただしバックアップが消されてしまっても、すぐにセーブしなおせば大丈夫。
  • 第2部の内政システム「1年が季節毎の4ターン」「1ターンに3回命令できる」「命令すると統治者の能力が減り、回復には修行が必要」「国造りは住民の割り当て制」「同志の人数が有限」などは光栄の『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン*18ほぼそのまんまである。ただしオルドは無い
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最終更新:2023年12月04日 23:08

*1 ゲーム終盤にならないと購入できず、1個までしか持てない。

*2 ADVパートを最後まで終わらせた場合の藩主の能力値は各200。

*3 他藩の様子を見るコマンドでは「知力」「体力」「説得」の値は減少しない。

*4 ゲームオーバーになるのは冒頭だけ、バックアップを消されるのは明らかに忠告を無視した自業自得。

*5 再登場はするので詰みにはならない。

*6 「13歳で寝小便している」というのは明治時代に土陽新聞で連載されてた『汗血千里駒』を元にしたネタだろう。ただし信憑性は低いと言われている。

*7 一応若い頃は藩の年貢徴収の監督補佐である郡方書役助に就いていた。また、薩摩藩自体も八公二民と言われるほど年貢率が高かったことで有名である。

*8 「おーい!竜馬」原作者の武田鉄矢と思われる。

*9 「幕臣」と勝海舟の幼名「麟太郎」をかけていると思われる。

*10 実際にはペリー来航時点の龍馬は浦賀ではなく品川の警備に呼ばれており、まだ英語は理解できないはずである。

*11 万次郎はある程度英語も喋れたが、日常会話に英単語を混ぜる点はむしろ「おーい!竜馬」の影響が濃い。なお史実では二人は出会っていない。

*12 幕末は19世紀半ばであって世紀末ではない。

*13 隠れるとそのまま通り過ぎる。

*14 「キーン」と言いながら刀を動かす

*15 たまに活力0でノーダメージということもあるが、それはこちらも同じことが言える。

*16 ADVパートクリア時の各藩の兵数144で確認。

*17 取引コマンド自体の終了ではない。

*18 FC版は同年発売だが、PC版は4年前に発売されている。