ジャンボウ

【じゃんぼう】

ジャンル ブロック崩し
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ケイ・アミューズメントリース
開発元 マイクロニクス
発売日 1987年7月18日
定価 4,980円
判定 クソゲー
ポイント ブロック崩しと麻雀を融合したはずが…
異常に長い読み込み
麻雀を知っていても死ねる難易度

本作はアーケード版とファミコン移植版が存在しますが、本項ではファミコン版を中心に解説します。



概要

SNKが出していた同名アーケードゲームからの移植作。漢字表記は『雀棒』。
なおAC版の開発はアルファ電子による外注作であった。

本作は、ブロック崩しに麻雀のルールを組み合わせたゲームとなっている。

ゲーム内容

十字ボタン+2ボタン(ボール発射&捨牌選択、押しっぱなしでパドルの高速移動)で操作。全36面。

ブロックは点棒及び麻雀牌となっており、牌はボールを1度当てると表になり、もう1度当てると画面下に落ちてきて、パドルで取得できるようになる。

牌を取得するたびに牌をツモった事になり、十字ボタン左右で捨牌を選び、Aボタンで決定。何らかの役が出来ればその場でクリアとなり、完成した役に応じたボーナス点が入る。
ブロックを全て消しても役が完成しなければ「流局」となるが、最終面を除き次の面には進める。

アイテム扱いの特殊牌もあり、取得すると「親になる」「エクステンド」「弾の落下が遅くなるバリア」などの効果が得られる。


問題点

  • 「落ちてくる牌を集めて役を完成させる」という麻雀部分の達成が困難。
    • ボールを落とすとミスになり、さらにボールの挙動も容赦がないため、そちらを追うので手一杯になりがち。
    • 麻雀を熟知したプレイヤーでないと拾うべき牌を瞬時に判断するのは困難で、判断できるとしても拾う余裕などない場合も多い。
    • チー、ポン、カンといった「鳴き」は存在せず、お目当ての牌を落とすと流局になる可能性が高い。
    • 最終面以外は手ナシでも流局クリアになるため、スコアアタックでなければそもそも役を狙う意義も薄いが。
      • ただし、流局クリアの場合、パドルが短くなるペナルティ(パドルの1万点棒が千点棒に変わる)があるので、ペナルティ回避のためには役を作る必要がある。
  • ブロック崩し部分もかなり難度が高い。
    • 通常ではパドルの動きはかなり遅いが、ごく短い時間でボールと牌を追う必要があるためか、Bボタンを押しながらだと極端に高速化する。パドルにボールを受ける位置で反射角を調整する必要があるにも拘らず、微調整が非常に難しくなる。
    • 天井にボールを当てるとボールも加速する。牌の上部と天井との間でボールが連続反射してしまった場合などは、牌を拾うどころではない剛速球になって帰ってくる。
    • 牌を拾うと捨牌選択になり、その間はゲームの動作が止まる。が、高速のボールを拾おうとしている場合などは強制停止が邪魔になる場合も多い。
  • 最終面は役を完成させてクリアしないと32面に戻される。裏技でコンティニューは出来るが、パスワードコンティニューといったものは存在しないので、余程の根気がないと全36面をクリアするのは非常に困難だろう。
  • ステージ開始時のブラックアウトが約13秒とやたら長く、CD媒体のロードの長いゲーム並みである。一体何のデータを読み込んでいるのか心配になる。
    • おそらく、ランダム配置の配牌とブロック牌の配置を抽選しているものと思われる。
  • タイトルはパンダが麻雀棒を振っている絵が表示されるのみ。BGMは一切ない。ゲーム中もBGMはなく効果音のみ。
    • アーケード版でも同様。当時流行したブロック崩しリメイクではBGMのないゲームが多かった。
  • アーケードにあったご褒美の脱衣グラフィックは丸ごと削除されている。これ自体は止むを得ない面もあるが、表現を緩めた差し替えグラなども一切ないため寂しさを感じてしまう。

一応の評価点

  • バリアアイテムを拾うとまともな難度になる。
    • バリアは一定の高さに配置され、落ちてくるボールを低速化し、垂直落下軌道に変える。制限時間はなくその面のクリアorミスまで持続する。バリアアイテム自体も出やすい。
  • 配牌(面の開始)の時点で、極端にアガリが遠い状態(いわゆるクズ手)はあまり来ない。

総評

ブロック崩しと麻雀の融合に挑戦した意欲作(?)ではあるが、融合できているとは言い難い。むしろバリアがなければ両立不能のレベルにまで分離している。
役作りを重視しないのであれば高難度のブロック崩しとして遊べなくもないが、そもそも麻雀に興味のない人間が手に取るようなゲームではない。
狙った牌を撃てるよう「シューティング+麻雀」にした方が食い合わせが良かったのでは? と思える程である。


余談

  • ブロック崩しと麻雀を組み合わせた全く新しいゲーム……という訳でも無く、実は日本初のアーケードビデオ麻雀ゲームとして登場したIPM(後のアイレム→アピエス)の『PTリーチ麻雀ゲーム』の時点で麻雀牌を使ったブロック崩しという内容だった。
    • さらに元を辿れば、パチンコ機種『雀球』がその原型となっている。
    • ただし、本作『ジャンボウ』はそれらよりもブロック崩し要素をより強めた内容となっている。
  • アーケード版は同年に続編として対戦要素が加わった『雀棒其の2(ジャンボウII)』がリリースされたが、出回りが非常に悪過ぎて幻の作品となっている。
  • こんなマイナー作ではあるが、タイトル画面のパンダは同年稼働の『サイコソルジャー』繋がりもあってか、2000年稼働の『THE KING OF FIGHTERS 2000』において「白湯(パイタン)」と名付けられ、サイコソルジャーチームの鎮元斎のアナザーストライカーとしてゲスト出演を果たした。
    • その後、白湯は『THE KING OF FIGHTERS XI』のサイコソルジャーチームのエンディングにも登場している。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年02月14日 16:19