怒首領蜂大往生 ブラックレーベル EXTRA

【どどんぱちだいおうじょう ぶらっくれーべる えくすとら】

ジャンル シューティング
対応機種 Xbox 360
発売元 5pb.
開発元 アクアシステム
発売日 2009年2月19日
定価 7,140円
判定(パッチ導入前) クソゲー
劣化ゲー
シリーズファンから不評
判定(パッチ導入後) 良作
改善
ポイント 元は劣化移植でパッチ配信により改善
まさかのソースコード盗用
パッチ適用後はロード以外大きな穴は無し
アレンジモードで可愛くなったショーティア達
備考 現在はパッチ導入済み
ケイブSTGシリーズ


概要

2002年に稼働した、色々な意味で伝説となった『怒首領蜂大往生』。
既に出来のよい移植版がPS2にあったものの、初心者向けに調整が為されたブラックレーベルは移植されていなかった。
そこで、5pb.からオリジナルモードを搭載し販売されることになったのが当タイトルであり、さらにケイブシュー360移植の先陣を切る作品でもあった。しかし……。


問題点

+ 発売当時~パッチ導入まで

不穏な空気

  • とにかくバグとフリーズと不親切点だらけ。タイトルのローディングは重く、メニューでボタンが効かないなど挙動が怪しい。
  • 全て列挙するととんでもない量になるので、外部サイトへのリンクに留める。
  • 一覧すると特にオリジナルモードやブラックレーベルモード、インターフェイス面などに不具合が多く、無印版には少ないことが分かる。この理由は後日発覚することになる。
  • また、バグやフリーズを抜きにしても初心者向けのはずのXモードが解禁に6時間かかるなど、仕様そのものに不自然な点も散見された。

出荷停止

  • プレイヤーたちがバグとフリーズに悩んでいた2009年3月頃、突如当タイトルの出荷停止が発表される。
    • 恐らく後述のソースコード盗用が原因と思われる。

ソースコードの盗用発覚

  • そして『デススマイルズ』も発売された2009年6月19日、アリカとケイブの追及により何と本作にソースコードの盗用があったことが明らかになる。
    • オリジナルバージョンにバグが少なかったのは、出来のよい移植であったPS2版を盗用していたからだった。
      • ローディングが遅いのも「存在していないメモリーカードにアクセスしているから」等と噂されている。

そしてパッチ当てへ

  • 盗用発覚と同時に、被害者であるアリカによるパッチ製作も発表された。非常に時間が掛かったものの、2011年1月17日に完成。ver1.8となっていれば最新版。
  • 全てではないがほとんどのバグや不親切点が修正され、ついに遊べる出来になった。
  • ついでにXモードも最初から解禁されている。
  • ゲーム開始前・ギャラリー等のロードが異様に長い。
    • 一方、ゲーム本編プレイ中に長いロードや処理落ちに悩まされるということはない。
  • メニュー画面及びギャラリーが縦画面に対応していない。

評価点

  • 家庭用未移植だったブラックレーベルが遊べること。
    • 元のアーケード版は数量限定生産であったため出回りは少なく、極一部の店舗でしか遊ぶことが出来ないというレアな作品であった。
      再現が完全ではないとはいえ、遊べる環境を広げたという点では本作の存在意義は決して小さくないといえる。
  • Xモードは結構大雑把だが、当時未移植だった怒首領蜂大復活っぽい感覚で遊べる。
    さらにAC版では販促用ポスター用イラストを担当した井上惇哉氏*1の書き下ろしたキャラクターや並木学氏のアレンジBGMが追加等なかなか手の込んだ作り。
    • Xモードではハイパーモード時、エレメントドールによる強化対象の武装がほぼすべての弾を一方的に掻き消せる状態へとさらに強化される。
      • ショーティアはショット、レイニャンはレーザーがそれぞれハイパーで弾消し可能になる。この2人にはさらにオートボム(レイニャンのみボム最大数限定)も搭載されてかなり使いやすくなった。
      • エクスィはハイパーの弾消しが両武装に対応するが、アイテムストックが2以上でないと有効にならないため、より背景設定を反映した*2上級者向けの趣が強まった。
      • Xモード専用の新キャラ「パイパー」は「パワーを重視しすぎたせいで人格が不安定な最新型」という設定に合わせ、「常時通常ハイパー状態だがボムなし」「弾消しハイパーはアイテム1つで両ショット共に可能だが持続時間は他より短い」という安定感を犠牲にした圧倒的な火力を誇る。イメージとしては『大復活』のパワースタイルにも近い。
    • Xモードでは出撃時の台詞が完全に謎の言語だった原作と違い日本語で書かれるようになり、キャラクターの口調が判明した。
      • 丁寧口調のショーティア、普通の女の子のようなレイニャン、キツい物言いのエクスィ、そして何を考えているのか読めないパイパー…と、多くの人のイメージ通りで、キャラクターのイメージを一切損なってはいない。
    • Xモードのキャラクターデザインは『デススマイルズII』に近く、リアル寄りだった原作に比べてかなり幼い絵柄で描かれているため賛否両論だが、「これはこれで可愛い」という声も多い。
      • キャラデザはもとより、クリア時の1枚絵やEDなど全て新規書き下ろし。新キャラ・パイパーにももちろん専用のEDが用意されている。
      • ショーティアだけ靴がブーツからフリルソックスと厚底のストラップシューズ(いわゆるロリ靴)に変化する等、より『デススマイルズ』を彷彿とさせるデザインへと変わっている。
    • 並木学氏のセルフアレンジによるBGMは原曲のメロディラインを強く残しながらも、大きく雰囲気を変えた曲が多い。
      • 特に4面BGM「錯節」は重厚だった原曲から一転、中盤~後半にかけてギターによる泣きメロがほぼ新規で続くという驚きの展開。1ループが長すぎるのでループし終わる前にボスに到達してしまうのが玉に瑕。
    • アーケードモードと異なり1周エンドで固定。ステージ5ボス「黄流」を倒した後は2周目専用ボスである「黄流第二形態」「緋蜂」と連戦になる。
      • 「緋蜂」は弾消しの存在で原作での強さが嘘のように楽に倒せる……と思いきや、発狂である程度ダメージを与えると突如「緋蜂」がハイパーを発動し、弾が変色して弾消しが無効になるという初見殺しギミックが用意されている。
        この「敵がハイパーを使ってくる」「お互いハイパーモード同士の総力戦」というありそうでなかったシチュエーションについては評価する人はそれなりにいる模様。
  • ギャラリーモードは必要か不要かは別として、後のケイブ移植にはあまり存在していない要素である。ただし一枚ごとのロードが長い。
    • 後『ケツイX』にも同様のギャラリーが搭載、ロードもかなり短くなって見やすくなった。
  • 無印、BL、X共通でエクストラオプションが搭載。
    • コンボゲージの維持時間やハイパーゲージの溜まり具合などを細かく設定できる。

総評

「ソースコード盗用」と言う罪深いタイトルではあるものの、周囲の対応により商品未満のまま放置されることを免れた、これまた珍しいタイトルに最終的に落ち着いた。
出荷停止に加えて、パッチ導入すれば幅広く楽しめる作品ということもあってか中古新品の価格が上がっている。


余談

  • 5pb.は他にも『ケツイ~絆地獄たち~』の移植も販売する予定だったが、このタイトルの騒動を受けケイブと結んでいたライセンス契約を剥奪され、無期限延期。
    • 発売中止かと思われたものの、後にケイブ監修の下で5pb.より無事発売され、出来も問題なしであった。こちらはロードも短く快適な出来。
  • ケイブシュー移植第一弾である当タイトルの出来がアレだった為、後続の『デススマイルズ』の出来まで不安視されることになったが、そちらはケイブ直々の移植によって杞憂に終わり、DLC同梱でプラチナコレクション化されるほどのヒットタイトルとなった。
    • 最終的に近年のケイブ製タイトルはほとんど360に移植され、むしろタイトルに困ったのかPS2に移植済みだった『虫姫さま』もさらに移植度を上げて移植される事になったりもした(やはり鋳薔薇は無視)。
  • 本作の盛政樹プロデューサーは当時徹底したソニーアンチで、PS2版のスタッフを挑発しまくっていたが蓋を開けてみればこの有様。その上『キモかわE!』が売り上げで惨敗、当時の自身のブログを慌てて閉鎖し逃げる様に表舞台から姿を消した。
    • その後暫くして突如舞い戻りオリジナル作品の『バレットソウル -弾魂-』を発売。新たにブログツイッターアカウントを立ち上げ莫迦にしていたソニーにも配慮する様になった。
      • 発表のタイミングがよりによってパッチ前であったため、疑問を抱かれるだけでなくかなり叩かれてもいた。発売後はスコア稼ぎと攻めに特化したゲームデザインと丁寧な作りが好評を得て汚名返上を果たし、後にバージョンアップ版が製作された。
      • が、『ファントムブレイカー:バトルグラウンド(オーバードライブ)』ではDLCを“するする詐欺”で打ち切るなどやはり態度の悪さを見せている。
      • また、未だにソースコード盗用について何も語っておらず謝罪は無い。
  • 2023年にPS4/Switchで発売された『怒首領蜂大往生 臨廻転生』は本作の評価点を継承しつつ、問題点を改善した内容になってる。
    • ソースコードの盗用は一切なく、アーケード版を元に独自のソースコードは新規に作られてる。
    • ロード時間は起動時のみで全体的に早い。
    • ギャラリーモードは引き続き搭載に加え、拡大に対応した高解像度化、ギャラリーモードに縦画面対応、当時のポスターとインストラクションカード、業務用基板取扱説明書の収録。
    • パイパーのリストラ。
    • ブラックレーベルを遊ぶ環境の確保。
    • 臨廻転生版の公式イラストのデザイナーが『ブラックレーベル EXTRA』同様井上惇哉氏の書下ろし。
    • リアル寄りとは別の可愛い絵柄の存在。
    • 「スーパーイージーモード」が『ブラックレーベル EXTRA』のXモード同様1周エンドで緋蜂との戦闘。
    • BGMのステレオ対応。
    • オンラインランキングとリプレイ機能の引継ぎ。
+ タグ編集
  • タグ:
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  • ケイブ
  • 5pb.
  • 首領蜂

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最終更新:2024年03月10日 16:50

*1 AC版でのキャラクターデザインは春畑睦月氏が担当していた。

*2 ショーティアは標準型、レイニャンは人間に近い心を持つ新型、エクスイが強力だが癖がある旧式という設定となっていた。