中華大仙

【ちゅうかたいせん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
販売元 タイトー
開発元 ホット・ビィ
稼働開始日 1988年
プレイ人数 1~2人(交互プレイ)
判定 なし
ポイント コミカルチャイニーズシューティング
シューティングとしては良くも悪くも普通
何故か2回もリメイク化
中華大仙シリーズ
中華大仙 - 極楽!中華大仙 - 新・中華大仙 ~マイケルとメイメイの冒険~


概要

1988年にタイトーからリリースされたアーケード用横スクロールシューティング。

システム自体は非常にシンプルかつオーソドックスな作品だが、タイトル通りコミカルで中華風味な世界観が特徴で、当時としては結構珍しい外見であった。

自機であるマイケル・チェンが非常に孫悟空そっくりな容姿(筋斗雲のような雲に乗っている)だったり、沙悟浄似のボスが登場するなど、西遊記をモチーフにしたような中華風の世界観とキャラクターが特徴となっている。

1~2人交互プレイ用、全5ステージ構成。


主なルール

  • 特に複雑なシステムは持っていないシンプルなシューティングである。
    • 使うボタンはメインショットと法術の二つで、双方とも使用制限は一切無い。
  • 各ステージに登場する中ボスを倒すと扉が出現する。その扉に入ると4つの法術から一つが選べ(選ばない事もできる)、選んだ法術を即使用できる。
    • 法術は専用の攻撃ができるもう一つのショットといえる存在であり、使用時のリスクやデメリットなどは特にない。
  • ステージ中に登場するアイテムは「力(パワーアップ)」「強(二段階パワーアップ)」「速(スピードアップ)」「連射(ボタン押しっぱなしでメインショットを連射できる)」「命(1UP)」の5種類が存在する。
  • ミス条件は「敵及び、敵弾に自機が触れる」「地形の壁とスクロールに自機が挟まれる(壁に直接触れただけではミスにはならない)」
  • 残機制で、ミスすると戻り復活、全部なくなるとゲームオーバー。

評価点

  • わかりやすいシステムで、プレイヤーを問わないお手軽さを持つ。
    • 各法術も、着弾すると弾をまき散らす爆弾や、宙に停止する円形の炎を出すなど、なかなか独創的。
  • コミカルなキャラが可愛い。
    • 餃子や麻雀牌、亀や猫など様々な敵がいる。
  • 当時の基準で見れば、グラフィック、BGMのクオリティはそれなりのレベル。
    • 特に水墨画を意識した背景は個性的。

問題点

  • ミスするとすべて初期状態になるので持ち直しが困難。
    • プレイヤーの腕前によっては半詰み状態になる恐れもある。
    • 終盤は[連]を持っていてもザコを無視し中ボスにずっと攻撃し続けないと時間切れで逃げられてしまう、これを倒さないと法術が得られず復活が困難になるので、ますますハード側の高速連射が求められる。
  • 自機の当たり判定が縦方向に大きい(乗っている金斗雲の部分にも当たり判定がある)ため、プレイヤーとしては避けたつもりでも擦りヒットでミスになるケースがわりと多い。縦棒のような判定をもつ本作の回避感覚は他作品にない独特なもので、弾幕ゲー感覚ではあっというまにやられてしまう。
  • 法術が最強状態になると、中ボスを倒しても法術を得る扉が出現しない。
    • ミスしない限り法術が変更できなくなる。また扉に入ることで緊急回避にもなるので、それが必要な人には困りもの。
    • 具体的には、法術を3回取得・変更した後に扉に入った時に鳳仙花・乱月光・貫地弾が選択肢に出た場合、どれか4つ(炎四宝なども含め)の装備を選んでしまうと扉が出てこなくなる。選ばずにEXITするとまた扉が出る。
  • ショットや法術の種類は様々ある一方、まともに1周攻略しようとするとその選択肢は非常に狭くなる。
    • ショットはウェーブを出さないように途中までに調整する。ウェーブを出すと一見強力だがボス系の硬い敵が更に硬くなるので見た目ほど恩恵は得られず、腕にもよるがボス相手に大きい判定の弾避けを長時間強いられ攻略が余計困難になる。
    • 法術で役に立つのは道中に炎四宝かボスに乱月光のみ、法術の選択は4回までで何かを取得しないと選択肢は変更されない、臨機応変に法術を変更出来ないので計画性が求められる。
  • アーケードゲームとしてはステージ数が少ない。
    • 1ステージの長さも普通で、慣れれば短時間でさらっとクリアできてしまう。
  • 特にゲームの出来が悪いわけでもないが、本作独自の凝った作りがなく平凡で地味。

総評

当時のタイトーは、誰を狙ったかのかよくわからない地味な作風のアーケードゲームをリリースしていた頃があり、本作もそのうちの一つである。
コミカルで個性的な世界観や音楽が特徴ではあるが、取り立ててプレイヤーを強く惹き付けるほどの大きな魅力といえるものもない、素朴で華のない作品である。


家庭用移植、リメイク

  • 『中華大仙』(MSX2 1988年。GA夢(ホット・ビィ))
    • AC版の開発元でもあるホット・ビィが自社ブランドで発売した。
    • グラフィックの再現度は高い。ハードウェア横スクロール機能のないMSX2で擬似的になめらかスクロールを実現しており、MSX2というハードの性能を考えるとかなりレベルの高い移植と言える。
  • 『中華大仙』(ファミリーコンピュータ版 1989年9月22日発売。タイトー)
    • ステージ6と隠しステージが追加され、クリア後のゲームが続く周回制となっている。
    • また、各種扉内の法術のラインナップがAC版から変更されている他、扉の出現回数も撤廃されてたりと、若干アレンジが効いた移植になっている。
  • 『Cloud Master』(セガ・マスター​システム版 1989年発売 ホット・ビィ/オペラハウス開発 セガ販売)
    • 海外のみリリース。ただし、日本語テキストのデータが内部にあり、FM音源への対応も為されている。
  • 『中華大仙』(X68000 1991年1月25日発売、シャープ/SPS)
    • ほぼ完璧な移植。自機の強化などが任意に出来るデバッグモードが追加されている。
  • 『極楽!中華大仙』(PCエンジン版 1992年3月13日発売。タイトー)
    • 純粋な移植ではなくリメイク作として発売された作品。
    • 新システムとして左右への自機振り向き動作が導入された。主人公とバックストーリーの刷新の他、ステージ構造もかなりの変更がなされ、基本システムと世界観以外はほとんど別ゲーである。全6ステージ構成。
  • 新・中華大仙 ~マイケルとメイメイの冒険~』( Wii 2007年9月6日発売。スターフィッシュ・エスディ)
    • ゲームタイトルは『新・中華大仙 マイケルとメイメイの冒険』、AC版登場から約20年後に登場した二度目のリメイク。
    • 二人同時プレイやWiiリモコン傾けによるスクロールスピード調整などの新システムが導入されている。グラフィックやBGMは今風にアレンジされている。
  • 『タイトーメモリーズII 上巻』(PS2)
    • オムニバスソフトへの移植。ほぼ完全移植。
  • 『中華大仙 / Monkey King:Master of the Clouds』(PS4/Windows/Switch 2018年9月14日、 Retroism/スターフィッシュ・エスディ)
    • AC版をベース*1にHD解像度仕様向けの調整をしたアップグレード移植。16:9の画面に合わせたレイアウト、ローカルでの2P協力プレイ、オンラインランキングが追加されている。DL配信のみとなっている。
    • 尚、オプション設定はBGMと効果音と残機数の設定しか出来ず、難易度設定は存在しない。

余談

  • 『竜の子ファイター』にマイケルそっくりなキャラが登場する。
  • 『タイトーメモリーズII 上巻』に収録はされたが、Wii版には著作権表示にタイトーの名前はなく、正当な権利者がスターフィッシュ・エスディの模様。
    後に2023年12月21日発売予定の『イーグレットツーミニ アーケードメモリーズVol.2』で収録される『中華大仙』の権利表記に「スターフィッシュ・エスディ」の名前があり、正式な権利者の模様。
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最終更新:2023年08月25日 08:07

*1 この内、Win版はランク上昇が日本版より早いことや攻撃パターンが異なっていたり、日本語ローカライズもされてないことから海外版ベースではないかと目されている。