ロマンシング サ・ガ

【ろまんしんぐ さが】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1992年1月28日
定価 9,500円(税抜)
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年11月24日/800Wiiポイント
【WiiU】2013年12月18日/800円
【New3DS】2016年11月21日/823円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
アイコン:犯罪
※バーチャルコンソール版のみ
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 当時の他RPGとは一線を画す自由度
バグの塊
イベント作りかけ
通路を埋め尽くす敵
肩透かしばっか
自慢から始まる悲喜劇
これら全てひっくるめて多大な魅力となる
サガシリーズ

概要

ゲームボーイから始まった『サガシリーズ』の第4作にして、シリーズ初のSFC作品。
魔界塔士Sa・Ga』および『Sa・Ga2 秘宝伝説』のスタッフが制作してはいるものの、同シリーズはおろか他のどのRPGにも見られない斬新なシステムの数々が盛り込まれており、実質まったく別のゲームとなっている。
キャラクターデザイン・イメージイラストも幻想的な絵柄の小林智美氏が担当となり、世界観も近未来的なものから中世ファンタジーに方向性が変わっている。


ストーリー

創造神マルダーによって作られたマルディアスと呼ばれる世界。
人間が世界に生まれてまだ間もない頃、デス、シェラハ、サルーインという三柱の邪神がいた。
この兄弟神たちは恐ろしいモンスターを率いて神々の王エロールと人間たちに戦いを挑み、
激しい戦いの末にデスとシェラハは降参したが、サルーインだけは戦いをやめなかった。
人間の英雄ミルザは、神々の王エロールから与えられた10種の宝石「デステニィストーン」によって
その命と引き換えにサルーインの封印に成功したのであった。
時が経つにつれ邪神の存在は伝承上の存在として語られるのみとなっていったが、邪神はひそかに復活の気配を色濃くしつつあった。

そんな中、運命に導かれし8人の戦士たちがデステニィストーンを巡る戦いに身を投じていくことになる。


特徴・評価点

  • このゲームの大きな特徴は、シナリオ・システムの両面でプレイヤーの選択の自由度が高いことである。自由度の高さゆえに、プレイヤー1人1人がそれぞれ異なったプレイ体験を持てるように設計されている。
    • 主人公は8人のうちから1人を選ぶことができる(ただし、初期イベントとEDくらいしか違いはない)。
    • パーティー人数は最大6人までと多めで、また仲間も十数名のキャラ(他の主人公候補7名+α)から自由に選ぶことができる。あるいは仲間を入れない1人旅も可能。
    • レベル制でなく、戦闘で使用した技能によって能力値が上昇するというスタイルも健在。キャラを魔法使いにするのも、戦士にするのも自由。
    • また、ゲーム開始からクリアまでに、一本の決まった流れはない「フリーシナリオ」である。
      ゲームの最終目的はラスボスを倒すことだが、それに関わるイベント以外はクリアしなくてもいいものが大半。
      大体のイベントは手を付けず無視したり、途中で投げ出したりしてもゲームクリアが可能である。
      ひたすら戦闘を行っているだけでも、そのうちラストバトルへ向かうイベントが発生する。
      • もちろん、イベントはなるべく多くクリアしたほうが報酬も手に入って良い。
    • イベントの選択肢や攻略スタイルも複数用意されていることが多く、選択次第で盗品を横領したり殺人を行ったりと様々なプレイ体験を持つことができる。しかも、本作では「悪事」に対するペナルティが比較的軽めで、「悪いことしちゃったからゲームオーバー」というような明らかな「作者罰」は存在しない。
      • これらのプレイヤーの選択が終盤のイベントに影響することになる。
        悪行を幾つも行うと、冥府で死の王と仲間の命を代償に取り引きができる展開に、人助けなどの善行を多く行っていると、光の神から勇者となるための試練を受ける展開へ向かったりする。
  • 序盤から移動可能地域が広い。
    • 本作では同時期のドラクエ・FF式のフィールドは存在せず、世界は地図で表現されており、地図上に表示されている地名を選択するとその場所(都市、ダンジョン)に直接移動できる仕組み。
      • ただし地図は地域別に分割されており、地域ごとに地図を持っていないと移動可能にならない。特定のキャラを仲間にしたりして地図を教えてもらえば、序盤からあちこち移動できる。
    • そのため、一般的なRPGのように「ストーリーが進んで次の町に行けるようになってそこで新しい装備を買い換える…」を繰り返すスタイルとは少し異なる。序盤から行ける町でもう準最高レベルの武器や防具が購入可能である。代表的なのが、アルツールの町で販売されているアイスソード。
  • シンボルエンカウントを採用しており*1、以降のサガシリーズでも引き継がれている。ダンジョンを徘徊している敵シンボルに接触することで戦闘となる。
    • 敵シンボルは鬼、悪魔、骸骨、虫、植物、魚などの種族分けがされており、種族シンボルによって戦うモンスターの中身も異なる。
    • 敵シンボルは操作キャラ(主人公)目がけて接近してくる。敵シンボルの種類によって移動速度も異なり、基本的にはゾンビ系は遅く、有翼系はプレイヤー操作キャラの移動速度を上回る高速で追い回してくるなど、種族の特徴もある程度反映されている(ただし場所によっては逆に有翼系がゆったりと動いていたり、ゾンビ系がこちらと同じかそれ以上の速度で追い回してくるといった様になっていることもある)。
      • 特定の種族を狙って戦闘したり、テクニック次第で敵との戦闘を回避していくことが可能になった(もっとも本作では敵を避けるのはまだ難しいものであったが)。
  • 戦闘回数の増加によって時間の経過を表現するシステム。
    • 戦闘回数が一定に達することで一部のイベントの発生あるいは終了が決まる。先述したように、適当にただ戦っていたらいつのまにか邪神の復活間際まで時間が進んでしまうこともありえる。
    • 多くイベントをクリアしたいなら、イベントが終了しないよう戦闘回数は適度に抑えなければならない。一種の制限時間のようなシステムだが、このような時間経過を取り入れたのは少々珍しかった。
    • ちなみに、戦闘から逃げ出しても戦闘回数はカウントされてしまう。
  • 戦闘回数が増加すると通常モンスターはだんだんと強くなっていく。敵シンボルの中身は戦闘回数の増加でどんどん入れ替わっていき、弱いモンスターは消え、より強いモンスターが現れるようになる。
    • このため、多くのRPGで行われる「序盤から雑魚との戦闘を沢山こなしてキャラを成長させて、ゲームを楽に進める」という方法はしづらい。
    • 別の言い方をすれば、ザコ敵の強さは戦う地域によって決まるのではなく、戦う時期によって決まるということ。敵の強さに地域差がなく、パーティーの成長に合わせ変化するため、世界各地をどのタイミングで回っても敵が弱すぎ、または強すぎるといったことがないように調整されている。
  • 後発作品と違い、敵の強さと時間の経過が明確に連動しているため、納得感はそれなりにある。
    • 世界観として、モンスターの侵攻が熾烈になっていくさまがはっきり描写されている。
  • 装備した武器を使えば、その武器の熟練度レベルが上がって武器固有の技を使えるようになっていく。
    • どの武器もレベルは最大で15まで上がる。Lv3で初級技、Lv6で中級技、Lv10で奥義、Lv15で秘技を覚える。「飛翔脳天撃」「皆死ね矢」など技名は独特なセンス。
    • 武器欄は複数あり、いくつも武器を持てる。
    • 熟練度は武器毎に独立しているため、強い武器を入手しても0から育てる必要がある。一応、同系統の武器の熟練度が高ければ、上がりやすくなるようにはなっている。
    • 装備から外した武器は熟練度が初期化されるため、入手した武器は使い回さず、1人に装備させたまま使い込ませるのが基本となる。
  • 戦闘はFFシリーズと同じサイドビュー式になり、隊列が視覚化された。隊列は前・中・後列の三段階が存在し、前列のキャラが倒れると後列のキャラが前に出る。隊列の概念は敵にもあり、敵前列を全部倒すとパーティーキャラが歩いて背景と敵が右へとスクロールして、敵側も前列へと自動詰めされる。
    • 武器には射程があり、剣や斧は前列で近接する敵のみ攻撃可能だが、槍は1列先の敵を、弓など遠距離攻撃は後列でも全ての敵を攻撃可能。戦闘中に前進や後退が可能であり、射程に入れるため前進したり、敵の標的から逃れるため後退といった戦略性がある。ザコ戦でいちいち位置移動に1~2ターンも費やす無駄を避けるため、遠距離攻撃できる技や術の価値が相対的に高くなる。
  • 戦闘時の陣形を自分で設定することができる。3x3のマスに最大6人のキャラを配置し、側面や背後から襲われた場合にはその方向から見た距離に初期位置が変化する (配置設定は縦3x横3で同じ列は3人までだが、戦闘では加入順に上から並ぶ縦6x前中後3に展開され他の仲間との前後関係はない)。これによって正面火力は強いが側面+後方が無防備な編成や、正面火力を落としても側面までカバーしやすい編成、L字に3名をおいただけで側面時のロスを減らす編成、面倒だから全員弓…等、プレイヤーの好みに合った編成が可能になった。
    • このためか、本作ではLRを押すことでキャラの向きを固定したままの移動(ムーンウォークやカニ歩き)が可能である。任意の方向を向いたまま敵と接触することも可能。
    • ちなみに最前列が空列だと自動で詰まる。これを利用して、前列と中列のみの編成も可能。
      • 4人以下なら、どの方向からでも後列が発生しない配置が可能。
      • 5~6人のL字陣形では、側面からでも前列1人か後列1人なので、前列1人が下がれば自動詰め、または後列1人のみに2歩のロスor遠距離攻撃、のように前列と中列のみの編成に近い運用をできる。
      • 敵もプレイヤー同様に距離制限を受けるため、敵前列1体と敵中列2体のとき、前列を残して遠距離攻撃で後ろの敵を狙う戦術が有効な場合もある。
    • 前列に近接武器のキャラを3人並べると、側面や後方からの戦闘の際に移動の回数が増えてロスが大きい。近接武器×2、槍×2、弓×2を上段か下段を空けて前2中2後2で配置すると、側面からでも近接武器を持ったキャラ1人の1歩分しかロスは発生しない。ただし後方からだと近接2人に2ターンのロスが発生する。側面エンカウントの想定を片方に絞って、片側を壁に付けて移動する等の小技も有効。敵を回避しようとして失敗した結果側面からの戦闘もよく発生するため、陣形にはその事態も想定しておくべし。
    • このシステムにより戦術性は高まるものの近接武器の使いづらさや戦闘ごとにいちいち武器を変えなければならない煩わしさ、移動のためのターンロスに繋がってしまい敵の多さと相まってプレイしづらい要素ともなっている。
  • 本作を語る上で欠かせない、やたら印象的なセリフ。
    • 「かえれ!」「まもってあげたい タ! イ! プ!」 「なんだー おめーたちはよー」「おおー しんじられぬー」など、ネタ成分が強くシュールな言い回しが多い。
    • 特に、選択肢セリフが「ざけんじゃねえよ」「なめてんじゃねーよ」「たたきころす」「はい どうぞ!*2」「かっこいい男!ぜひなかまにせねば」「なんだこいつ 助けてやったのに!もうしらねー」「てめえが つよすぎるんだよ 大女め!」「人のみらいを かってにきめるなよ」など妙に乱暴だったりで異様。
      • 会話の中で「はい」・「いいえ」だけの単純な選択肢が当たり前だったRPGが多かった中、前述の「かっこいい男!ぜひなかまにせねば」のように実際のセリフとしては不自然だがプレイヤーの心境を表すかのようなネタ成分の強い選択肢の採用は新鮮であった。この路線は続編にも継承される。
    • 余談だが「いっきょく いかかですか」「しごとを ひきうてくれないか?」「かいぎの みとうしは きびしいぞ」「なにお! ゆるさーん!!」「おまえが やったんじゃないんですか?」など、誤字・脱字やおかしな表現もやや多い。
    • 説明書とゲーム内の台詞を見比べると会話用に想定していた領域をオーバーしてしまったのか、言い回しを短く削ったりした形跡が見られる。
  • 衝撃的な展開を見せるイベント。
    • 先述のアイスソード(両手剣)を要求されるイベントがあるが、アルツールへ買いに行くと、既にガラハドというキャラが買ったあとで売り切れている。
      + ネタバレ
    • ねんがんのアイスソードをてにいれたぞ!」と自慢するように喜ぶガラハドに対し幾つかの選択肢が表示されるのだが、「そう かんけいないね」「ゆずってくれ たのむ!!」に混じって「 殺してでも うばいとる 」という物騒な選択肢が。
    • 戦闘は発生せず「な なにをする きさまらー!*3」とだけ叫んであっさり死んでいくガラハドが哀れで、プレイヤーに強い印象を残し、もはや伝説となるほどにネタとして弄り回された。
      • 余りにもぶっ飛んだ展開ゆえ、どうしてもネタ要素が先行しがちである当イベントであるが、「英雄として活躍するも悪人に成り下がるのも全てプレイヤーの自由」という当作ならではの独自性を正に体現したものと言える。
      • なお冥府で死の神デスに謁見することで、殺してしまったガラハドを生き返らせてもらうことも可能。
  • モニカという女性を訪れ、合い言葉と依頼主は誰かを話す必要がある。
    + ネタバレ
  • そこで依頼主の名前を間違えると「私 ウソつきって だいきらいなの!あなたの いままでのどりょくを すべて むだに してあげるわ」と言われ、画面がブラックアウト。
  • これはすぐに直り「ってね! じょうだんよ! でも もういちどやったら ほんとうにやるわよ」と言われる。
  • が、さらに間違えると「2どめはゆるさないって いったのに!バカ!!」と言われ本当にゲームオーバーになる(その時に「○○たちは まけた・・・・」と表示されるのがシュール)。
  • ラスボスは味方の強さに応じて強くなるため、一筋縄ではいかない。
    + 条件ネタバレ注意
  • 戦闘開始から一定ターンにラスボスに与えた累積ダメージでラスボスの強さが決まる。
    • これにより、最強武器で熟練度を極めたキャラを揃えても、そこまで及ばず市販武器メインのPTでも、技ポイントが尽きるか、尽きてから数ターン後という非常にハラハラするタイミングで勝利する事が多くなっていた。条件を知ってしまえばそれまでだが、非常に優れたバランス調整と言わざるを得ない。
  • その他
    • SFC初期の作品であり、グラフィック面は全体的にまだ粗いが、戦闘時のモンスターグラフィックはなかなかのもの。フレイムタイラントやラスボスは特に迫力と威厳がある。
      • モンスターグラフィックは単純な色違いをあまり使わず、各部を変えてあるものが多い。
    • 実は世界の神々や神話、各国の成り立ちや歴史などは細かい設定があるのだが、ゲーム中ではあまり多くは語られていない。NTT出版の攻略本や『ロマンシング サ・ガ大事典』などの書籍で設定資料を知ることができる。
      • ディレクターの河津氏のTwitterによれば、本作は「本格的なファンタジーRPGを作ろう」と意気込んだプロジェクトだったらしい。舞台設定は緻密に作られており、リアリティが感じられる世界が出来上がっている。以降のサガシリーズも舞台設定の作り込み・魅力は評価が高い。
    • ちなみに本作ではキャラクターのセリフが漫画のフキダシで表示されるという若干新しい表現を行っており、従来のメッセージウィンドウよりもキャラクター同士の会話が視覚的に自然なものになっている。
  • 『秘宝伝説』に続き伊藤賢治氏の担当したサウンドは高評価。勇壮で熱いバトル曲からダンジョン曲まで人気を得た。
    • ゲームボーイのサガシリーズで使用された植松氏作曲の『涙を拭いて』が本作でも一部のイベントにて流れる。
    • 下水道や一部のダンジョンで流れる曲が、下水道のBGMとしてはあまりにもかっこよすぎるため「世界一かっこいい下水道」と呼ばれ愛されている。ちなみに曲名はそのものズバリで「下水道」と直球なネーミングとなっている。
      • 伊藤賢治氏曰くフィールドマップ用のBGMとして製作したが、ロマサガにはフィールドマップが無いのでダンジョンに使われたとのこと。
      • 後にサガシリーズのバトル曲アレンジアルバムに収録。バトル曲でもないのにアレンジ収録であり、楽曲の人気具合がよくわかる。

問題点

バグ

本作には発生しやすい上に数知れないバグ・不具合がある。

  • 愛や魅力といった一部のパラメータの効果が説明書の表記と違う。
    • 詳述は省くが、上の2つは実質的にほとんど無意味なパラメータである。説明書の記載では、回復術法の効力に関わる重要そうな能力値なのだがそんなことはなかった。
    • これらのステータスが上昇した時、ひねりを入れた後にキックポーズを決め、「愛がアップ!」「魅力がアップ!」というセリフを発するというシュールな光景が拝めることがネタとして取り上げられることがままあるので、そういったモノとしては愛されている要素ではあると言えるかもしれない。
  • 術法関連は非常にバグが多い。
    • 多くの回復術が戦闘中は能力が低くても全快できてしまう大きな回復量である(フィールド上では正常な回復量)。
    • ある回復術だけは効果量が使い物にならない少量。設定資料集に自動回復付与術の扱いと思しき記述があるため少量の回復が毎ターン続くのが本来の意図だったと思われる。(なお自動回復効果がある装備をしている場合のみ、自動回復量上乗せという形で本来の効果が発揮される)
    • 召喚系の術法を使うと、元の姿に戻れなくなることがある。また、敵が召喚系術魔法を使って無敵になることがある。
      • 召喚アイテムでもバグは起きる。
      • 召喚は最悪の場合、セーブデータ消去を引き起こす場合がある。そのため後期ROMでは戦闘中におかしくなったらすぐリセットを押すよう注意書きがある。
    • 戦闘中だけ強めの武器を出現させる術「スターソード」を、消えずに残るようできてしまう。
    • 戦闘中に分身使用状態から本体に戻るため一時的に出現するコマンド「もどす」を戦闘終了後にも残すことができる。さらに、この「もどす」を利用して装備品増殖まで出来てしまう。
    • 武器の補助技の効果量を決定付ける要素が、なぜか火術8種類のどれを覚えているかのラインナップで決まり、調整次第でカウンターストップまで育てた同名の補助術より強くできてしまう。
    • 「回避率を上げる(自分を攻撃した敵の命中率を下げて計算する)」補助術がバグのせいで「(自分の)攻撃時の命中率を下げる」という完全な役立たずになってしまっている例もある、など。
  • 竜特効技のはずの「竜破剣」や鳥特効技のはずの「燕返し」「鳥殺弓」、悪魔&不死特効のはずの「撃魔斬」が、即死効果もなく対応している種族に1ダメージしか与えられない。
    • 「一文字斬り」や「一文字突き」は即死効果発動時に同時に1ダメージ表示になるという挙動なので、同じように1ダメージ表示になりつつ即死させるのが本来想定された挙動だったと思われる。*4
      • なおWSC版では「竜破剣」「燕返し」「鳥殺弓」「撃魔斬」の種族特攻は微妙な防御無視効果になった。
  • 同系統武器の武器LVが高いと武器LV上昇率が上がるのだが、同系統武器LVが高くて育成中の武器が低LVだと255を突破して逆に上昇率が下がってしまうという事態がしばしば起こる。*5このため上昇率の仕様を完全に理解した上でなら有効活用出来るかもしれないが、武器LVを上げる際は上げたい武器と同系統の武器は外しておいた方が無難と言えるかもしれない。
  • 最速攻撃できる技「ハヤブサ斬り」「ふどう剣」を選択し、キャンセルして別の行動を選び直しても最速効果が残る(通称「ハヤブサキャンセル)。
  • なお、バトル担当プログラマーが設定資料集で戦闘関連バグの多さに謝罪していたりする。
    + ...

    吉枝悟 バトルプログラム
    Battleを担当したProgrammerの吉枝です。Battleで発生する数々のBugはすべて私の責任です。懺悔します。スーファミの☓☓☓(自主規制)だから気力が萎えてしまったとか、HyperCard2.0やSystem7が出たものだから遊んでしまったとか、言い訳してるけど私の責任に相違ございません。

  • 直前マップの宝箱がフラグだけ残っており、同じ座標を調べれば前のマップにある宝箱を開けられる。
  • 一部の移動しない固定シンボルのモンスターの戦闘で逃げると、そのシンボルが消滅する(画面切り換えで復活)。
  • 同じキャラを2人以上仲間にしたり、最大人数の6人を越えてパーティーにキャラを加入できる。逆に一人旅なのに仲間と別れたり。
  • バグマップを経由して様々な現象を引き起こす青メルビル
    • 没キャラへのグラフィック変更も可能。
    • また没アイテム入手や基本的に敵専用である闇術や邪術の習得にとどまらず、敵専用の技なども装備アイテムとして入手可能。
  • 特定のダンジョン内でのみ仲間になる(ダンジョン脱出で離脱するはずの)キャラを連れ回せる。
  • 一部のイベントでは依頼を受けて事件を解決しても、依頼人がいなくなるため何も貰えない。
    • データ内には礼金を貰える展開は存在しておりフラグミスの様子。
  • 戦闘回数が10,000回を超えると、ラストダンジョンに入れなくなる、仲間が突然いなくなる、一部のイベントキャラがいなくなる、メルビルから人が消えるといった深刻なバグが発生する。
    • とはいえ普通にプレイすれば、ラストダンジョン突入までの戦闘回数はせいぜい1,000回程度なので、影響を受けた人はほとんどいないだろうが。
    • 一応ラストダンジョンに関しては、冥府にいるデスからサルーインに関しての話を聞けば再突入可能ではある。
    • また戦闘回数が65,535回を超えるとカウントがリセットされてしまい、敵の強さがゲーム開始直後の状態に戻ってしまう。
  • 上記以外にも大小様々なバグが山のようにあり、どこまでがバグでどこまでが仕様の範疇なのか判別に困るものも多い。普通なら仕様で済むものでも、こうバグが多いと「これも何かの設定ミスでこうなっているのでは」と勘ぐってしまう。例えば……
    • 複数の敵に攻撃できる技は必中効果がある。ゲーム中や攻略本ではそういった説明は一切ない。
      • これだけならまだ仕様の範囲と言えるのだが、レイピアなどの単体必中攻撃もこの複数体への攻撃と同じフラグを使用して必中効果を表しているため、いくつかのバグの温床となってしまっている。
    • 通常の武器と弓のダメージ計算式が違う。「弓は威力が小さい武器」と購入時に説明されるが、計算式の関係上、中盤では大剣や斧などより大ダメージを出せることが多い。一方で装備直後の状態だと力が99あってもほとんどダメージが通らない(簡単に言うと弓系は武器LVに比例して威力が上昇し、逆に力は殆ど計算に関わらない仕様になっている)。
    • 「王者の剣」は全ての雑魚敵および一部のボス敵を100%即死させる技(攻略本等によれば敵全体を逃走させるという効果の技)だが、そのあとに覚える「光明剣」が単なる全体攻撃であることを考えるとちょっと強すぎる。なお後続の作品における全体即死技は命中率が低めに設定されいたたり、アンデッドには無効化されるなどの欠点を抱えるようになった。
    • 「防御法」という術法(使用ターンのみダメージ半減の効果)は、唱える前から効果が発揮されている。
    • 本作は強い敵と戦うと能力値が上がりやすいのだが、ほぼ全ての固定敵(必ず同じ敵が出現する敵シンボル)が「直前に戦った敵」と同様の強さと判定される。そのため強い雑魚敵を倒してから、海賊などの弱い固定敵を倒し続けるだけでガンガン強くなれる。
    • 敵も味方と同様にさまざまな武器を装備しており、遭遇するタイミング次第で使う技が決まる。しかし折角装備しているのに全く使わない武器が結構な数存在する。そのせいで通常プレイではエフェクトを拝めないものも。
      • などなど。普通にプレイしていても膨大な数のバグ(らしきもの)の影響を受けることになる。

未完成な要素

  • 納期までに完成出来なかったあるいは容量の都合などで中途半端に放棄されたと感じてしまうようなイベントやダンジョンもあり、思わせぶりなくせに実は何もなかったという肩透かしが度々ある。
    • 設定資料集にはいろいろ書かれていてもゲーム本編をプレイしただけではなんの説明もないので謎の場所だったりと中途半端。
      • バーバラ編のOPでナタリーという少女の存在が紹介されるも、その後一切登場しない。
      • エスタミル下水道に謎の地下神殿がある。設定資料集によるとシェラハ神殿ではなく、正しくはかつての邪神としてのデスではなく現在の冥府の神としてのデスを崇拝するデス教団の神殿。リガウ島の拠点を置く邪神としてのデスを崇拝して地上への再来を信じるデス教団「冥府を説く」との抗争により衰退しており、近年は「冥府を説く」によるテロ事件も各地で勃発している設定だとという。せめて生き残った神官に台詞は欲しかったところ。
      • ブルエーレの屋敷についてもゲーム中に説明はない。
    • この辺りはイベントの前振りの予定だったのではなく、作った設定をゲームに反映したもののゲーム中では描写不足なだけという感じもある。
  • 三柱神の1人シェラハに至っては、ゲーム中にはまったくイベントが用意されていない。
    • 過去の戦いで力を封印され記憶を失って人間の女シェリルとして各地の酒場を転々としながら働いているが、酒場のカウンター内に居るので話しかけられず会話などはない。
    • シェリルに関しては邪神シェラハと戦闘できるイベントを用意する予定だったのに作りきれなかったことが明言されており、WSC移植版でイベントが追加された。
  • バグの中には、発生させるとボツアイテムやボツキャラが現れるなど、開発中のボツ設定を考察できるものもある。
    • 三邪神もパーティーキャラになる予定だったのではないか、ガラハドからは戦ってアイスソード奪う予定があったらしい、など。

ゲームシステム

全体的に突き放したゲームであり、初プレイヤーはまず戸惑う。

  • 戦闘ではお金があまり手に入らないため、イベントのクリア報酬やダンジョンの探索で入手するのが基本である。これを知らないと、序盤から金欠に陥る。
    • 船による移動では結構高い船賃がかかる(しかもパーティー人数が多いほど高い)ので無駄な船の使用は控えたい。
    • 逆に中盤以降では、敵の持っている資金や宝箱の資金も増え、更に敵のシンボル数も増える為戦闘回数もかさむ結果、所持上限の9999をオーバーする事も頻繁に発生する。
      • オーバーした分は消えてしまう。それを避けるためには店で何かアイテムを売却して「ジュエル(金1万の価値)」に換金するか、適度に高価なアイテムを購入して所持金を減らすことになる。ほとんどの武器の上位装備は店買いが可能にもかかわらず異様に高価なので、買い物の際も煩わしさがある。
      • しかも本作の宝箱は8割方金が入っている。宝を取り尽くすためには何度も換金作業を繰り返し、そのたびにダンジョンへ出入りしなければならない。
      • 逆に、ダンジョンのどこら辺から回収していけばクリアで丁度9999あたりになるか…と計算してみたり、使用方法・換金頻度・購入売却のバランスを考慮していくのは腕の見せどころでもある。冒険RPGにそんな考慮が必要かについては議論のあるところであるが。
  • 自由度が高すぎて、次にどうすればいいのか迷いやすい。
    • 熱心に町の探索や聞き込みなどを行わないと、現在どのイベントが発生しているか、どうすればイベントをクリアできるかわかりにくい。戦闘回数がイベント発生条件になるので敵を避けまくっていると本当に今起こせるイベントがなかったりすることも。
      • 一本の決まったストーリーが無く、基本的に序盤の主人公固有イベントを終えた後は自由な進行である。その都度「次はこうしろ」と教えてくれる配慮は薄く、プレイヤーが自分から各地を回ってイベントを探していくことになる。
    • イベントの謎解きやクリア方法に関しては、どうすればいいか完全ノーヒントなイベントはあまりない(ヒントを見つけられるかがポイント)。
  • 地図が増やせず序盤には「どこにも行けない」という状況になりやすい。
    • 仲間によって地図を得ないと移動できる場所が増えない。しかし、全体的に仲間にできるキャラが少なく、仲間が何処のPUBにいるかは現在の戦闘回数で決まっておりどこのPUBだと仲間が得やすいかも偏っているため、PUBへいってもなかなか仲間が得られない。世界中を回れず倦怠感に襲われることもある。
    • とりあえず仲間がPUBにいない時は、ある程度戦闘回数を上げてみてからPUBに仲間が現れたか確認、というのが解決方法。
    • ただし仲間の中にはあまり役に立たない地図を持っているキャラも何人かいるので、ただ仲間を増やせばいいという訳でもないので注意が必要。行動範囲を広げたい時は、地図や町の情報を多く持っているグレイとバーバラを仲間にすることが重要である。仲間が増えれば戦力増強になるので全く無意味と言うわけでは無いが。
    • 金さえあれば船である程度は世界を回れることが多い。船では行けないがある程度の戦闘回数があれば詩人から貰える地図などもある。
  • 主人公によっての差異は序盤の専用イベントとテーマ曲だけであり、中盤からはED以外にほぼ違いがない。ラスボスも共通であり終盤の展開も結局三つにしぼられる(しかも実はそれぞれ両立も可能である)。これはほとんど後作の『ロマンシング サ・ガ3』にも言える。
    • また仲間にできるキャラは主人公候補がほとんどを占める*6。誰を主人公にしてもメンバーが似てくる。
    • しかも主人公候補以外の仲間は、パーティから一度でも外すと基本的に二度と仲間にできなくなる。
  • 武器の熟練度を上げることで覚える技は、後の作品で言う「技力(WP)」によって管理されている。しかし今作では技力が明示されておらず、一見すると技ごとに独立した使用回数を持つような表示になっているため分かりにくい。
    • 技ごとに消費量が決まっており、表示されている数値は現在のWPを消費WPで割った結果の数値なのである。
      なので技を使うと他の技における残り使用回数もそれに応じて減少していく。
    • 技力は武器ごと個別に設定されるので、他の武器の使用回数が減るようなことはない。おかげで余計に理解しづらくもなっているわけだが。
    • 大抵の武器種では最初に覚える技における消費WPは1であるため、そういった武器における最初に覚えた技の残り使用回数が現在の残りWPということになる。
      ちなみに本作のWP成長限界値は99となっている。
    • 術の残り使用回数においても同様の仕様だが、こちらは法力の残量と最大値が表示されている。また、こちらも術の系統ごとに法力が存在する。

ゲームバランスにも問題がある。

  • 本作はランダムエンカウントではなくシンボルエンカウント方式なのだが、敵が通路を埋め尽くすほど配置されており、しかも皆こちらを追尾してくる。
    • 敵の多さに関しては流石にうんざりしてしまうところ。また、ダッシュ機能も搭載されていないので(一部の野外ステージでは馬や馬車が使えるが)、敵を避けていくのは難しい。
    • 敵から逃げてもシンボルは残るため逃げるのも難しい上、本作では一人ずつ「にげる」コマンドを選択して順次逃げるシステムであるため時間がかかってしまう(一応同社のFFシリーズの様にLRを同時押しすると「逃げる」を一発で選択出来る様にはなっている。が、本作は一人一人逃げる選択をしなければならないので結局のところやはり時間はかかる。逃げると素早さが上昇することがあるので、素早さを上げたいキャラだけを逃す際には役に立つかもしれないが)。
  • また、戦闘回数に応じて消滅するイベントもあるため、敵をひたすら倒していけばいいというものでもない。
    • 基本的には戦闘回数制限の厳しい初期のイベントは、主人公に選んだキャラによってクリアしやすいイベントになっていたり、主人公が別のキャラの場合はそのキャラを仲間にできたりと言った形で、ストーリーラインが表現されているとも言える。
    • 中盤以降のイベントは制限があまりなかったり、報酬も特に目立たないため、完全コンプリート狙い等で無ければ戦闘回数を抑える必要はない。
  • 一撃でこちらを殺す技を持った敵が思い出したように出てくる。序盤から終盤まで
    • 最後だとやたら素早く、全体攻撃一撃でこちらを全滅させる敵が出る(ラルバ・スカルゴイル・イフリート・フルフル・風の精霊等)。
      • こいつらを倒さないと脱出できない場所が何ヶ所もあり、多くのプレイヤーを絶望の淵に追いやった。強力な全体攻撃を属性無効化の装備や召喚で防いだり、即死技で一撃で倒したり、といった対策をとる必要に迫られることも多い。
    • 逆にこちらが使える即死攻撃も豊富。弱点属性の攻撃をするだけでも「クリティカル」と表示されて即死効果になったりする。
  • キャラのHPが0になって気絶してしまうと、その戦闘中は回復する方法がないのも結構シビアである(戦闘終了後はHP1の状態で回復している)。
  • 武器熟練度は通常攻撃でなければ上がらない。そのためザコ戦では技を控えることになってしまう。
    • さらに、能力成長確率上昇効果も通常攻撃のみで、技には付いていない。
    • 武器が通常攻撃を強いられる分、相対的に全体攻撃やクリティカル即死などを気軽に出せる攻撃術が使いやすい面はある。
  • 術法は店で購入して覚えるのだが、役立たずな術が多くあり、攻略本でも効果がハッキリしないと書かれているものがいくつもある始末。
    • 直接的な攻撃術法はそのほとんどが武器による攻撃と比べ明らかに弱く、「最強の攻撃術法」ですら威力が「最強武器による通常攻撃」と大差ない。当然のように法力も消費するため、ダメージ源としては明らかに微妙。
      • 全体攻撃や、即死の追加効果を持つ攻撃術などは利用価値もあるが、それですら武器による技と比べ、積極的に採用するほどかというと疑問符が付く。
    • その一方で、「幻影/身代わりを作り戦わせる」ことで技や術の消費0になる上に種類によっては特定属性無効化付きで倒されても本体が無傷で復帰する圧倒的すぎる効果の術、敵の能力依存で強力な反撃ダメージを与える術、弱い攻撃術を最強攻撃術以上の強さにできる補助術など、バグ以外でも術法関連の混沌ぶりは簡単には説明しがたい。
    • また前述の通り、術は使いこむことで法力や能力値が成長するため、武器による技よりも気楽に選択しやすいメリットはある。成長させたところで武器の通常攻撃より弱い術法が大半だとか、最弱の術であっても法力を消費するのでガス欠になりやすいとかいったデメリットも大きいが。
  • 防具の中で、盾は防御力ではなく回避率を上げるのだが、あまり役に立たない。
    • 正確に言うと装備している防具が重いほど盾の回避率が下がる・両手を使う行動をとっていると盾が使えないという設定になっているのだが、このこと自体はもちろん防具の重量も表示されないために盾の効果を実感できなくなっているのである。
    • またこの仕様は『2』や『3』でも同様となっているのだが、本作では盾での回避に成功した場合の演出すら表示されない。
    • 付け加えるなら、戦闘中に入力するだろうほとんどのコマンドは「両手を使う」ものと判定される
      • 多用するコマンドの中で片手行動と判定されるのは、「片手武器による通常攻撃」のみと言っていい。片手武器でも技を使うと両手判定になり、盾の効果が発揮されない。
      • 他に盾が有効となる行動は、パンチ系の技の一部*7、雨雲の腕輪による攻撃術レインコールの効果、隊列移動くらいのもの。
      • それ以外の技・術法・アイテムがすべて両手行動扱いになっているため、強敵相手の戦いになるほど役に立たない。
    • 上述の様に盾は有効活用出来る装備とは言い難い代物となってしまっている。両手剣を購入する際に「盾が使えません」と大きなデメリットになってしまうかの様に店員に言われるのだが、正直なところ気にする必要はないレベルの話となっている。続編においては効果が発動した際にしっかり盾で防御する動作が表示される様になり、防御効果も十分に機能する様になったので本作においてはまだまだ発展途上のシステムと言えたのかもしれない。
  • なぜか大半のボス敵が弱い。
    • 雑魚モンスターが全体的に強いのに反し、ボスとして配置されたモンスターは、その大半が拍子抜けするほどに弱い。
    • いつでも戦えるタイプのボスならば、時間の進行により周囲の通常モンスターの方が強くなっていても納得は行く。しかし時限イベントのボスですら同時期の雑魚より弱いというのは理解に苦しむ。雑魚モンスターの強さとイベントの時間管理は、完全に連動している仕様なのだが。
    • たまに思い出したように強いボスも出てくるが、シナリオ上の描写やマップ配置上で強そうな扱いのボスが強いとは限らない。なんでこんな位置の奴が強いの?とか、なんであいつの後でこんな弱いのが出るの?といった不可解な配置が頻繁に出る。
    • 幸いにして、ラスボスはちゃんと強い。
  • 河津氏いわく「3回目が一番楽しくなるように調整してある」とのことだが、2回クリアして3回目を始めるプレイヤーというのは想定のハードルが高過ぎる。
    • しかし同時に、当時からある程度の人気と批判を受け、一部にコアなファンを獲得していた。現在ではプレイヤーの好みに合えばスルメゲーといった評価になっているのは、ある意味狙い通りと言った所だろうか?
  • フォントが 漢 字 だけきくなっておりみにくい
    • リ ガ ウ 島 する」のように漢字以外に大きい文字が使われる箇所もある。
    • なお上記のリンク先では勘違いされているが、四倍角文字(通常の文字サイズの縦2倍x横2倍の文字)ではない。
    • 同様の対応をしているゲームは他にもあるが、ひらがなだけよりは誤解も少なく読みやすいので「出来る範囲で頑張った」結果とも言える。
    • ちなみにOPではゲーム中のものと異なるフォントが使用されているが、そちらは全ての文字が大きいサイズで作られている。

重要アイテム(?)

全10種類*8あるという「デステニィストーン」。
これはかつて銀の騎士ミルザに与えられラスボスを封印するために使われた宝石で、OPデモやゲーム中でもいかにも重要アイテムであるかのように扱われているのだが、実際はすべてを揃える事は不可能かつ1つも取らなくてもクリアできる

  • 説明書には、長い年月の中でいくつか*9消失したデステニィストーンがあるためサルーインが復活、サルーインは自分の力を更に強力にするため力を封じている残りのデステニィストーンも破壊しようとしている筈なので一刻も早く探し出すよう書かれている。
    • つまりプレイヤーに示されているデステニィストーン入手の目的は、ラスボスの力がこれ以上解放されないようにするためのデステニィストーンの保護である。
      • ナイトハルトや魔道士やシェリルなどによる所持も、保護された状態とはいえるのかもしれない。
    • なお作中で敵の手に落ちるイベントがあるのは「邪のオブシダン」と「火のルビー」の2つのみ。なお「闇のブラックダイヤ」は実は既に破壊済みという設定。
      • 邪のオブシダンはラスボス戦に影響するが、火のルビーは影響しない。
      • ちなみに説明書によればデステニィストーンはサルーインの対になる属性の力を封じている設定*10。闇と邪気を司り火術を得意とするサルーインにとっては破壊して力を取り戻してもあまり足しにならなそうな属性ばかりだったりする。そのためか邪のオブシダンは自身で装備して使うという形になっておりラスボスのグラフィックに反映される。
    • 後にリメイク版(ミンストレルソング)で、破壊される形ではないが、ディステニィストーンを捧げられることで封じられた力を取り戻していくサルーインが実現することになった。
  • 性能自体も役に立たないものが殆ど。装備すれば特定の魔法を無効化するという触れ込みだが、実際はプログラムミスのため有効なものはアクアマリンとアメジストのみ*11。これと武器であるオブシダン以外はイベントアイテムでしかない。
    • その中でアクアマリンは依頼で取りに行ったものなのだが、律儀に返した場合に得られる報酬はショボイ。多くのプレイヤーは借りパクする道を選ぶ。
    • 手強い中ボスを倒してようやく入手できるオパールは、装備しても防御力が1上がるだけの頭防具。
    • 散々イベントをクリアしてようやく貰えるルビーに至っては何の効果も無い。酷い。
    • ムーンストーンも防御力1の腕防具だが、こちらはイベント時に解呪の特殊効果を見せる。
    • トパーズも防具としては無価値ではあるが、地底人たちとの会話に必要になる。
  • 10種類のうち3つは絶対に入手できない
    • 前述した通り、デステニィストーンをすべてを揃える事は不可能。上述の通りブラックダイヤはサルーインの手下が破壊したという設定だが、ダイヤモンドとエメラルドは個人が所持しており、いかにも手に入りそうな描写があるにもかかわらず入手できない。特にエメラルドは「それを取りに一度しか行けない島に行く」というイベントがあるにもかかわらず入手できずに帰ってくることになり違和感が強い。
      • WSC版ではダイヤモンドとエメラルドを入手可能になった。ただし追加イベントなので、他の7つを集めるのが前提になっているなど条件は厳しくなっている。
    • なおSFC版の攻略本には、ダイヤモンドは戦争で消失し、それがサルーイン復活の原因となったと書かれたものがあり、設定の変更があったことが窺える*12
  • また、敵ボスキャラの一体・ジュエルビーストは「10種類とは別のサルーインが作ったデステニィストーン・サファイアが埋め込まれている」という設定だが、倒してもサファイアを入手できるといった事はない(そもそもアイテムデータが入ってすらいない)。
    • 『ミンストレルソング』では「ディステニィストーン10種類(の複製品)が埋め込まれている」という設定となり、サファイアの設定そのものが無くなっている。こちらでも倒しても消滅して入手はできない。
    • なおソーシャルゲーム『ロマンシングサガ リ・ユニバース』では、術無効化に特化した11個目のディステニィストーン「無のサファイア」としてミルザが存在を語るが、サプライズバースデーパーティのための作り話だった様子。
  • 後に、河津ディレクターは『ミンストレルソング』の攻略本で「ディステニィストーンは全部入手できるとプレイヤーは全部取らなければならないと思いがちなので、最初から全部取れないから集めなくてもいいんだよという感覚だった」と語っている。
    • またTwitterでも「全部集まると、集めるのが正解になってしまいます。それが嫌だったのです。集めても集めなくても良い、を明確にする為に全部集めを放棄しました。」と語っている。
  • ちなみに資料集によると、サルーイン封印用の結界を作成するために神によって使用され、ミルザは戦闘には用いたが封印に関してはサルーインを神が作成済みの結界に追い込んだだけという形。
    • ミルザは耐性防具としてだけでなくデステニィストーンを介して各種術法を使用した設定。ゲームではこのような使い方はできない。
    • なお一部のデステニィストーンは、戦いに使ったのではなく修行に使用した設定。
      • 邪のオブシダンはゲーム的には気術の成長を妨げるのだが、ミルザは気を抑える性質を逆利用して爆発的に気を高めた(なおミルザは死後、気を司る神になっており、気術もミルザ神殿で売られている)。ゲームではこのような使い方はできない。
      • 闇のブラックダイヤは闇の力の恐ろしさをあらかじめ知っておくために用いられた。

総評

多くの問題点と強い魅力を併せ持ち、人によってがらりと評価が変わるという毀誉褒貶が著しい作品。
サガシリーズにバグが多いのはいつものことだが、本作は普通にプレイしていても発生するほど頻度が高く、モロに戦闘バランスに影響を与えているのが問題。
しかしその一方で、当時既に異彩を放っていたスクウェア音楽スタッフ陣のBGMも相まって、今尚その魅力の虜となっているプレイヤーも少なくない。
単純にクソゲーと断じられる作品でないことは、一度ならず二度までもリメイク*13された事実が物語っている。
散々な評価をされながらも数知れぬファンサイトを持ち、その一部ではよくわからないカルト的な人気を誇る作品でもあり、挙句本家から複数回のリメイク…というこの異様な経歴こそ、まさに「クソゲーと人気作は紙一重である」ということを非常によく表しているソフトの1つと言えるだろう。実際、バグ多発、新しい試みが多いという点で同時期に生まれたクソゲーと共通点が多いのである。

また本作はまだ荒削りの感が強いが、シンボルエンカウント制や陣形・地相の概念など、本作から採用され、後のシリーズでより改良と発展が加えられていったシステムも多い。野心的なシステムを導入した方向性自体は失敗とも言えない所である。

主人公にアイスソードをしてでも奪い取られる悲喜劇の男・ガラハドや数知れぬ迷台詞(「な なにをする きさまらー!」「おおー しんじられぬー」「てめえがつよすぎるんだよ 大 女 め!*14」など)、それに数々のネタ(アルベルトにハルベルト、伝説の武器の「レフトハンドソード」というネーミング、命名の仕様で名づけられやすいキャプテンキャプテンホーク*15など)も未だに人々に愛される要因である。


移植・リメイク

  • 後にワンダースワンカラーで追加要素を加えて移植したWSC版『ロマンシング サ・ガ』が発売される。詳しくは下記参照。
    • オリジナル版で絶対に入手できないダイヤモンドとエメラルドについてはフォローが入り、シェラハのイベントも追加。
    • 一部バグが修正され愛や魅力といったパラメータも機能している。しかし、新たな別のバグも生まれてしまっている。
  • その後、バーチャルコンソールと携帯電話アプリで配信された。
    • なお、VC版はSFC版、携帯版はWSC版がベースとなっている。
  • リニューアル作品として『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』がある。
    • 本作が未完成な状態で発売となってしまったことは開発スタッフとしても不満足だったらしく、WSC版を経て『ミンストレルソング』でシェラハやデステニィストーン関連のイベントはようやく完成といったところ。

関連作品

  • 1994年に漫画版が発売された。作者は紺野さおり。全2巻。
    • アルベルト(愛称「アル」)をメイン主人公とし、8人の主人公全員とガラハドとミリアムの活躍が主に描かれる。ディアナやナイトハルトの扱いは原作と大きく異なる。
  • 『Sa・Ga』シリーズの3作目をGBで作るかSFCか開発班で議論していたところ、上から両方作れとお達しが来た結果、1つの開発班で2本同時に作るのは無理があるので、本作『ロマサガ』とスクウェア大阪による『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』の開発ラインが同時に走ることになった。
    • 結果的にどちらもサガでありながら前作『Sa・Ga2』から派生してそれぞれ別の方向へ進んだことになる。
  • 『ロマサガ』の名を冠するシリーズとして、後に『ロマンシング サ・ガ2』・『ロマンシング サ・ガ3』が発売されている。
    • 本作とは世界観的な繋がりはないものの、タイトル画面のテーマ曲や旅の吟遊詩人などは共通して登場する要素となった。
    • PSにて『4』も発売される予定だったが、そちらは最終的に『サガ フロンティア』と名を変えて新たなシリーズとなった。サガフロンティアの攻略本に開発時の資料として、ロマサガ4として作成されていた時のタイトル画面が載っていたりもした。

その他

  • NTT出版から出た3冊の攻略本はゲームには活かされてない記述ばかりであり、ゲーム中での思わせぶりな演出の数々も相まって「これは入手できるのか!?」「これって本当に可能なのか!?」という数々の疑問や憶測を生み出してしまった。
    • 擁護しておくならばこの攻略本、世界観を楽しむための副読書として見るならば悪くはない。イラストや画面写真が多用されており、ファンブックと割り切る分にはなかなかに楽しめる。
      • 単純に「攻略」本としてもミスの多さから要検証要素が多いだけで、ゲーム攻略の参考には十分なる。信じすぎると痛い目を見る攻略本ではあるが…。
  • 奇抜すぎたり難解だったりする仕様に加え、明かなバグや設定ミスと思しき要素も多々あることから、露骨に嫌われることも少なくない。そういった人々からは「わけのわからないゲーム」「狂ったソフト」と呼ばれ、また『クソゲー白書』という書籍の「あなたがクソゲーだと思うゲーム」のRPG部門では最悪のクソゲー扱いを受けていた。
    • ただし十数票でワースト1位というような、票数が少な過ぎてあまり意味のない「最悪」に依拠したクソゲー扱いである。おかげで、その書籍のランキングを統計的に全く無意味な例として題材に使った論文まで存在する始末。
  • タイトル画面とEDで「1991」と表示されているが、実際の発売は1992年1月となった。
  • 初期構想ではグラフィック面なども含めてキャラメイキングできる予定だったとのこと。しかしスペック上の問題で無理になり、名残として利き手・両親の職業を選択する程度の要素になった。
    • 目の色なども選択できる予定だったとのこと。
    • 細かくキャラメイキングできるなら主人公の性別選択があればいいだけなのに、なぜか当初からそれぞれ背景設定を持つ男4名女4名の主人公を用意してしまったという。(自由にメイキング可能でもサンプルとして何人かメイキング済みのプレジェネレーテッドキャラクターを用意してあること自体は珍しくはない)
  • 当初の予定では各武器に8種類ずつ技がある予定だったが、容量不足のため半分の4種類になった。
  • 本作においての虫系、ひいては全モンスターの中でも最弱と言える敵として「コロコロムシ」というキャラクターが登場する。非常に小さな虫(ダンゴムシに似ている、もしくは何かの幼虫?)といった外見のモンスターで攻撃力もかなり低く、特殊な行動として糸を出してこちらの素早さを下げるなどしてくるが大したことはないという、愛らしい(?)見た目も相まってロマサガのマスコットと言える存在なのかもしれない(ドラ○エシリーズにおけるスライム的な)。
    • と、いった様に妙に印象に残るキャラであり、後のサガシリーズのマスコット的な存在になっていくのかと思いきや、シリーズにおいては本作以外には一切登場していない。なんとリメイク作である「ミンサガ」においても、である(一応「ゴロゴロ虫」という敵が「ミンサガ」と「スカーレットグレイス」に登場する。ただしコロコロムシと違い戦闘力がそこそこあり、同じ感覚で挑んだ本作の経験者を手こずらせたという話題も存在するキャラとなっている)。
    • しかし妙な印象を残した存在だった為か、同じスクウェア作品への外部出演がそこそこあるキャラクターだったりする。特に有名なのは「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」と「ライブ・ア・ライブ」であろう。「半熟英雄」においては本作同様に最弱クラスのキャラ(何故か分類は強力なモンスターが多い「スーパーエッグ」)となっているのだが、「ライブ・ア・ライブ」においてはかなり強力な敵キャラへと変貌を遂げており(名前が「ころころムシ」表記に変わったからなのだろうか?)ロマサガ経験者を驚かせた。なお両作品とも時田貴司氏(サガシリーズの河津秋敏氏と同期)の代表作である。時田氏はコロコロムシがお気に入りなのだろうか?
    • 決戦サルーイン!がMAD曲に使われてしまい、ニコニコ動画の曲がある動画ではある動画のコメントが大量に使われてしまう。

ロマンシング サ・ガ (WSC)

【ろまんしんぐ さが】

ジャンル RPG
対応機種 ワンダースワンカラー(専用)
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 2001年12月20日
定価 5,200円(税抜)
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 原作にあった多数のバグはほぼ全て削除
デステニィストーン関連イベントなどいくつか追加要素
ハードの関係で劣化点あり
作りかけイベントの一部が放置されたことに不満意見も

概要(WSC)

SFC初のサガシリーズで、非常に野心的な作品としてシリーズの新しい方向性を示す画期的な作品であった一方、そのあまりに多いバグ・プログラムミス・イベント作りかけなどの中途半端ぶりでも良くも悪くも有名になってしまったソフト『ロマンシング サ・ガ』のWSC移植版。
原作から約10年経っての移植であった。
後に同作が携帯アプリに移植された際は、本作を元として製作されている。

当時のWSCへのスクウェア作品移植計画「スクウェアマスターピース」の一環であり、他の移植作品と同様、大きな追加要素は少なくあくまで忠実移植に近いものである。


改良点

  • 多くのバグが修正された。
    • 山のようにあったバグはおおむね消失しており、SFC版のバグはほぼ一掃されたと言ってよい。
    • 回復術の回復量がおかしい、特攻が正しく発揮されないなど高確率で遭遇するものから、レイディバグなどの意図的に起こすものまでほぼ全て直っている。
    • 耐性やダメージに関するバグなども直っているため、ゲームバランスにも色々と影響を与えている。
      • 苦労して手に入れるデステニィストーンも、ようやく耐性を得るアイテムとしての価値を得られるようになった。
    • バグなので修正されるのは仕方ないが、修正されたバグにはゲームを有利にできるものも多かった為、残念に思う声も多かった。
  • ゲームバランス
    • バグの修正とは別に、ゲームバランスに関して各所で調整が行われている。
    • ラスボスを含めた一部の敵の行動パターン変更、HPの上昇率の変更など。
    • 種族に特効の攻撃は、微妙な防御無視の効果へ変更された。
  • 追加要素
    • 原作では10種のうち7種しか入手できなかったデステニィストーンだが、「エメラルド」と「ダイヤモンド」が新たに入手できるようになった。
      • 残る「ブラックダイヤ」は本作でも入手できないが、これは上記の通り元々既に破壊されているという設定である。
    • 三邪神の1人である「シェラハ」と戦えるようになった。条件を満たして酒場のカウンターから話しかけると戦闘でき、隠しボスらしく非常に強い。
      • もっとも、イベント内容は非常に簡素で、二言三言の会話のあと選択肢を選ぶとセリフもなく唐突に戦闘が始まるというやや投げやりなものだが。
      • ここでの戦闘曲として、原作と同じ伊藤賢治による専用の新曲「決戦!シェラハ」*16が追加されており、曲の評価も高い*17
    • 後述の通り追加内容に問題はあれど、追加イベントがあるだけでも御の字ともいえる。
  • 快適性の向上
    • 文字サイズが漢字もそれ以外も同じ大きさに統一され、読みやすくなった。
      • 誤字脱字の修正が行われているほか、画面が狭くなったことで若干のセリフは削除や漢字変更などの措置が取られている。
    • 高速機能の追加
      • Bボタンを押している間、マップ上の敵味方などあらゆるキャラクターが速く動くようになる。
      • ダッシュ機能として使うことになるが、敵も同じように高速化するので厳密にはダッシュではない。シンボルエンカウントなので、自分だけ速く動くと敵避けに利用できてしまうが故の措置だろう。
    • 戦闘時のコマンド選択のレスポンスが向上した。

その他変更点

  • 一部のキャラやモンスターの名称が変更された。
    • キャラクター名では、「アフマド(SFC) → ドマファ(WS)」、「ハルーン(SFC) → ルーハン(WS)」がある。
      • 前者はイスラム教の開祖ムハンマド、後者もムハンマドの叔父の子孫であるアッバース朝第5代カリフの名前が語源であり、問題を避けるために変更されたという説が有力である(イスラム諸国はムハンマドに大変敏感)。
      • SFCのVC版でも同様に、アフマドからドマファ、ハルーンからルーハンに名称が変更されており、更にグラフィックも元の中東風の衣装(ターバン姿)から一般的な西洋風兵士の姿に差し替えられている。
    • その他、「ゲルショッカー(『仮面ライダー』に同名の敵組織がある) → ショッカージェル」、「スレイブオーガ(「スレイブ(奴隷)」という言葉遣い) → オーガバトラー」、「めつぶし → くらやみ」、「いなづま → いなずま」等、細かい名称変更がいくつかある。
      • もっとも、シナリオ上の「どれいしょうにん」などはそのまま残っているので、果たしてこのような変更が必要だったかという疑問は若干残るが。あるいは名前の借り元であるミニチュアゲーム絡みで訴訟リスクを避けたのかもしれない。
  • 戦闘関連の効果音がいくつか変更された。

賛否両論点(WSC)

  • ゲームバランス
    • 凶悪な攻撃の使用確率が減っているなど調整された部分あり。
    • 特にラスボスの攻撃などは調整がぬるすぎるという意見も。
      • サルーインソードや撃剣波を使う確率が1%程度。
      • 当初の数ターンで与えたダメージの半分がHPから減る。そのためSFC版で仕様を知らず普通に戦った場合に比べてWSC版のHPは大幅に少ない。
  • バグ修正
    • 種族特効系属性がある技に追加効果が設定されておらず対象種族に対して1ダメージになるだけのデメリットになっていたのは解消された。しかし追加効果が、SFC版で本来設定される筈だったであろうクリティカル効果ではなく、微妙な防御無視効果になってしまっている。
  • 全体的な突き放した造りにも、良くも悪くもフォローは入っていない。

問題点(WSC)

  • ハードの性能ゆえに劣化した点もある。
    • BGMは音源にあわせリアレンジされている。ゲームボーイの音に近い。
    • 画面にキャラクターが多く表示されると処理落ちにより動きが悪くなる。
      • 高速機能を使っても、それでやっとSFC版並の速度になる、というほど処理落ちする場面もある。
  • 追加イベント
    • 追加されたイベントなどが少なく展開も強引。
    • エスタミル地下神殿の穏健派デス教団の神官のような、中途半端な存在もそのまま。
      • 宗教の教派による抗争と過激派によるテロ事件という、モチーフがヤバげな背景設定なのが問題だったのかもしれない。
  • バグ
    • 従来のバグは消えたが、新たに「ショートカットバグ」「キャラ外しバグ」「足バグ」「穴バグ」といった複数のバグが発生してしまっている。
      • 後者2つは意図的に行わなければまず発生しないものだが、前者2つは状況は限られるが偶然起きてしまうこともあり得るもので、場合によってはデータが飛ぶ。
      • もっとも、ゲーム全体を覆うような重大バグがいくつもあった原作よりは随分と穏やかなものではある。
      • バグを利用すればフラグなどのデータ値がアイテムとして表示され、消費することで値を減らすことも可能になるため、各イベントをクリアした上で高くなってしまった善行値を減らして三地点制覇といったことも可能。
    • 他のサガシリーズでもそうだが、バグを利用した裏技で遊び方の幅が広がるものに関しては歓迎するプレイヤーも多い。

総評(WSC)

バグだらけで、普通にプレイするだけでも多数のバグと遭遇していた原作からバグはほぼ全て取り除かれており、新たなバグもあるがそこまで遭遇しやすいものではなくなった。
半熟英雄』や『魔界塔士Sa・Ga』と同様、追加イベントの導入やインターフェースの強化もありがたい。
ハード性能による音源や処理の劣化が残念だが、やるべきことはやった及第点レベルの移植作品である。
マイナー機の作品であるため今からやる機会は少ないだろうが、後のリメイクである『ミンストレルソング』とはまた違う味が出ており、プレイには十分耐えうる。

惜しむらくは、おざなりな部分が多かったイベントの仕様に修正が入らなかったことだが、忠実移植が念頭に置かれている「スクウェアマスターピース」のブランドの趣旨を考えればやむを得ない部分でもある。遊び易く調整を施した点だけでも評価に値する作品と言えよう。


参考:携帯アプリ版

  • 2009年配信の携帯電話アプリ版(iアプリ・S!アプリ・EZアプリ)は基本的にWSC版をベースとしている。なお、2018年をもって「スクエニモバイル」サービス終了に伴い配信終了している。
    • 変更点として、移動中のキャラクターが若干描き直されて大型化され、一部のサブキャラクターのドット絵がデザイン案に近づける形でリニューアルされている(特にコンスタンツ・モニカ辺りが顕著)。
    • また、敵モンスターのシンボルの数が減少し、移動ルーチンもある程度近づかなければ敵に察知されない、ソフトリセットが無い代わりに「タイトルに戻る」が追加されている等、携帯電話の操作性に合わせて変更されている箇所がいくつかある。

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最終更新:2024年04月01日 19:32
添付ファイル

*1 ゲームボーイのサガシリーズにもシンボルエンカウントはあったが一部の場所のみで、基本的にはランダムエンカウントだった。

*2 「仲間の命を貰うぞ」という恐ろしい状況で出てくる選択肢がこれ。

*3 ちなみに主人公一人の場合「な、なにをする きさま!」となる。細かい。

*4 敵が即死する効果はクリティカル効果によって起こる。「一文字斬り」「一文字突き」は即死属性とクリティカル効果の両方を持つが、「竜破剣」「燕返し」「鳥殺弓」「撃魔斬」は種族特攻だけでクリティカル効果が設定されていない。

*5 [敵グループLV0~20+ 同系統武器の最大LVと使用武器LVの差0~15 + 戦闘中の通常攻撃使用回数÷2]x10という計算が行われて、260以上だと256引いた値になってしまう。

*6 8人の主人公以外でどの主人公でも仲間にできるのはミリアム、ガラハド、ゲラ=ハ、ラファエルくらい。

*7 「クロスカウンター」と「ソニックブーム」は技でありながら片手行動。他2つのパンチ技は両手行動。

*8 本作に登場する術法の種類と対応している。

*9 実際には1つだけ。2つという案のあったものかもしれない。(後述)

*10 つまり設定上では、闇のブラックダイヤを破壊すれば「光」の力が戻り、邪のオブシダンを破壊すれば「気」の力が戻り、火のルビーを破壊すれば「水」の力が戻る。

*11 アメジストは唯一の防御力がある首飾りでもある

*12 同じ出版社の別の本にはシェラハの人格を封印しているという設定が書かれていて、後に出た設定資料集でもこちらの設定が書かれている。

*13 発売当時から否定的な評価ばかりだったわけでは無く、ゲーム雑誌の読者投稿も賑わい、ファンも多くいた。だからこそリメイクによるキャラクターデザイン変更に多大な反発があった事を記憶している人も多い事だろう。

*14 前述のとおり、漢字の文字サイズが大きいので「大女」が大きく表示され、なかなかシュール。

*15 海賊のホークが説明書に「キャプテンホーク」と紹介されており、名前入力も最大8文字でぴったり収まってしまうため、「キャプテンホーク」という名前で入力してしまうとOPで「レイディラック号の船長、キャプテンキャプテンホーク!!」とマヌケな紹介になってしまう。なお彼を仲間にする際の名前は「ホーク」となっている

*16 後にリメイク作品『ミンストレルソング』でリメイク再録された際には、『呼び醒まされた記憶』と改題。

*17 ちなみに、この曲は直前で発売した『ワイルドカード』の「真真・最後の戦い」のセルフアレンジとなっている。