ドラゴンスクロール 甦りし魔竜
【どらごんすくろーる よみがえりしまりゅう】
ジャンル
|
アクションRPG
|
|
対応機種
|
ファミリーコンピュータ
|
発売・開発元
|
コナミ
|
発売日
|
1987年12月4日
|
定価
|
5,300円
|
判定
|
ゲームバランスが不安定
|
ポイント
|
攻略本必須の謎解き難度 ノーヒント(何もないところから現れるアイテム) 攻略情報有りでは超簡単 もう少しで良ゲーか?
|
概要
コナミが出したアクションRPG。
かつて良い竜(ゴールドドラゴン)と悪い魔竜(クロムドラゴン)がいたのだが、魔竜は封印された。しかしその8冊の封印の書が盗賊に盗まれてしまい復活した魔竜を人間の姿になったゴールドドラゴン(人間名フェナム)が倒しに行くというもの。シナリオはありがちである。
システム
-
基本システムはゼルダの伝説のようなマップ探索式のアクションゲーム。
-
攻撃と会話が兼用
-
その為、住人から情報を聞く際にも殺して情報を吐かせているようにしか見えない。
-
説明書には仲良く(?)語り合う住人と主人公の姿が描かれているが、実際には住人に触れるとダメージ。
-
ヒントを語ってくれる岩(魔法をかけられた人間)にも攻撃して吐かせる。
-
体力回復手段は限定的。
-
宿屋や教会といった回復施設は存在せず、レベルアップ時か、特定の宝箱を開けた時、それと「やみのとばくじょう」でMPを賭けたバクチで勝つ事しか回復できない。
-
マックスレベルは15。攻略本などの助けを控えめにプレイした場合、簡単に到達する。
-
体力がゼロになるとコンティニューかパスワードの選択。どちらでも魔力半減以外は持ち越されたプレイヤー状況でそのステージのスタート地点に戻る。
問題点
-
とにもかくにも謎解きの難易度が高すぎる。
-
謎解きに関するヒントがあまりに少ない(あるいは無い)ので、攻略本無しでの攻略はかなり厳しい。
-
例えば主人公の移動速度を上げるアイテムがあり、これが無いとスムーズにプレイするのが困難になるが、このアイテムの入手方法は「とある石像と石像の間でしばらく待つ」こと。位置が少しでもずれていると失敗するのに、入手方法はノーヒントである。
-
特に話題に上がりやすいのがクリアに必須の「魔法の鍵」の入手方法。
-
鍵のあるダンジョンへの侵入方法が複雑なのだが、非常に曖昧な情報しか入手できず、攻略情報なしではここで挫折した人も多い。加えて、いざダンジョンに入れば問題なく入手できるかと言えば、下手すると見過ごしてしまいやすい。
-
上述の通り情報をくれるキャラ自体は多いのだが、関係ない話や全くのウソ情報を話す輩も多いので、ゲーム内だけでは正しい情報を見極めることが困難。
-
とはいえ、偽のキーアイテムなどによる意図的な詰みが続出する訳ではないのが、救いといえば救い。
-
謎解きの難易度さえもう少し下がれば……或いはもう少し世界観・人物描写が丁寧なら……せめてプレイ序盤にゲームの根幹を伝える努力があれば……良作に化けていた、かも知れない。
-
無駄に広い探索範囲
-
壮大な世界観とそれに相応しい広大なマップ、数々のダンジョンや謎解きがあるのだが、
マップの殆どの部分は行かなくてもいい
。むしろ行くだけ時間の無駄。
-
空の宝箱しか置いてないダンジョンなど、意味ありげでも実は無意味、というポイントが多い。
-
ポイントを覚えていれば2時間もかからずクリアできる程。
-
終盤で、歩くとダメージを受ける床を通らなければならない場面があり、それに耐えられるだけのステータスをつけることは必須。しかしそれ以外のことは殆ど不要。
-
一応、ダメージ床は一定時間無敵になる「首飾り」で抜けるのがセオリー…なのだがその入手方法がノーヒント。
-
体力回復手段の少なさが少々面倒。
-
魔力半減以外にデメリットもないので大ピンチに陥った際は、さっさと死んでコンティニューした方が早いことも多い。
-
封印の書を盗んだ逃走中の盗賊たちが随所に現れ、主人公を見ると逃げる。そのときBGMも変わるし盗賊の居場所の座標がわかる水晶が出てきて、いかにも意味ありげだが、実は捕まえる必要があるのは
一人だけ。
-
攻撃ヒット時の敵のヒットストップが長く、1発当てればあとは連打するだけで倒せてしまう。
-
そのため射程が短い代わりに連射が利く初期装備の「魔術の杖」が一番使いやすい。ただ初期装備なので攻撃力は低く、敵を倒すのに時間はかかるが。
-
そこそこ長い文章が出てくるのに平仮名しかなく濁点・半濁点も一文字分のため読みづらい。
-
87年の後期だったらもうちょっとなんとかなったはず…。ちなみに本作は『DQII』(87年1月)よりも後の作品である。
評価点
-
グラフィックは当時のゲームとしては非常に綺麗。
-
各種敵キャラのグラフィックも綺麗で行動パターンも様々。魔法を使う事で行動パターンが変わる敵も。
-
不要とはいえ広大なマップと幅広い世界観がある。
-
地方の特色が色濃く、言葉の壁などもある。
-
ある地方では翻訳用アイテムがないと会話が成立せず、また別のある地方では会話文を逆から読む必要がある。
-
その為、探索しながら各地を渡り歩く楽しさはある。
総評
グラフィックやサウンド、操作性等、アクションゲームとしての基本的な部分の出来は良いのだが、とにかく謎解きが難しい。
曖昧な情報を元にしらみつぶしに探索をしなければクリアはまず出来ず、クリアには攻略本が必須と言われる事が多い。
また、広い探索領域はあれど探索する意味がない場所も多いなど、肩透かしを受ける点も目立つ。
光る点もみられるだけに、色々と惜しい一作である。
余談
-
コンティニューのパスワードに「かみなるめよりつかわれしひかりのうろこもつものしめいはたしこのちにねむる(神ナルメより遣われし光の鱗持つ者使命果たしこの地に眠る)」と入力すると、クロムドラゴンが敗れたと書かれた新聞が表示される。
最終更新:2023年10月14日 18:16