美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY

【びしょうじょせんしせーらーむーん あなざーすとーりー】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売元 エンジェル
開発元 アークシステムワークス
TNS
発売日 1995年9月22日
定価 11,800円
判定 良作
ポイント セーラームーンのゲームで唯一のRPG
原作者が脚本とゲームオリジナルキャラクターデザインを担当
セーラームーンシリーズ歴代キャラクター大集合
美少女戦士セーラームーンシリーズリンク


概要

  • 90年代に一大旋風を巻き起こした少女マンガ・テレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』のRPG化作品。
  • オーソドックスなフィールド見下ろし型+ターン制バトルRPG。セーブは町やダンジョンに設置されているルナPボールを調べるor特定のイベント後に可能で、セーブデータは2つまで保存可能。全滅すると、最後にセーブしてから起こったことはなかったことにされるタイプ。
  • 物語の時期はデス・バスターズ編の後の設定。運命を操る組織「ヘル・デスティニー」がセーラームーンたちが今までに戦ってきた敵を復活させるというストーリーで、全五章で構成。
    • 原作者の武内直子が本作のストーリー及びオリジナルキャラクターデザインを担当した。
  • アニメ版と同じく有澤孝紀が音楽を担当。『美少女戦士セーラームーン (SFC)』と『美少女戦士セーラームーンR (SFC)』のBGMが使われている場面がある。
  • 本作はゲームバランスが不安定であると批判されることがあるが、RPGとしての総合的な内容や、キャラクターゲームとしての出来栄えは良質である。
  • 初回特典として、後述のLV16からスタートする裏技のコマンドを記述したスペシャルカードが付属された。

戦闘システム

  • 味方のステータスは、HP・EP(一般的なRPGのMPに相当)・LAP(後述のリンク技の威力に影響。リンク技を使うと成長)・攻撃力・防御力・素早さ・特殊回避(状態異常耐性)の7つ。
    • それぞれの最高値は、HPは999、EPは12、後のステータスは255まで(戦闘中に能力強化すれば255を超える)となっている。
    • レベルアップによるステータス上昇値の幅はキャラごとに決まっている。レベルは99でカンスト。
  • 敵のステータスは基本的に味方と同じ仕様となっているが、LAPと特殊回避の概念がなく、HPとEPの上限は文字通り味方とケタ違いである。
  • ステータス異常は、しびれくん(毒。ターン経過で割合ダメージ。戦闘終了後も継続)・いねむり(ダメージを受けると治る)・カチンコチン(石化。全員石化で全滅。メンバー入れ替えで全員石化のパーティにしても戦闘に突入しなければ全滅しない。戦闘後も継続)・わがまま(混乱。敵か味方に通常攻撃する。ターン経過で治る)・うっとり(味方にのみ通常攻撃する。ターン経過では治らないので、全員うっとりになると事実上全滅確定)の5種類。
    • ウラヌスはうっとり、ネプチューンはいねむりになりやすい特性を持つ。
    • 戦闘参加メンバーが1人しかいない(他のキャラクターが戦闘不能ではなく、本当に1人だけ)状況では、毒以外の状態異常にならない。
  • レベルアップするとHPが完全回復し、気絶(HP0)しても戦闘が終了するとHP1で復活する。また戦闘が終了するとEPが完全回復する。
  • アクセサリー(装備品)は3つまで装備できる。
  • 味方パーティは最大で5人まで戦闘に参加できる。敵は最大で4体同時に出現する。
  • 「フォーメーションシステム」があり、選んだ陣形と位置により攻撃・防御力が割合増減(カンストしていても突破する。下限値は0を突破?)し、被攻撃対象率も変化。
  • 戦闘コマンドは、通常攻撃・必殺技・リンク技・フォーメーション技・アイテム・防御・逃走の7つある。
    • 通常攻撃の攻撃対象選択時にRボタンを押すと味方を対象にできる。サターンのみ敵と味方で攻撃モーションが変化(敵=サイレンス・グレイヴで切る。味方=ミドルキック)する。
    • 必殺技は、EPを消費して通常攻撃より高威力もしくは敵全体を対象にした攻撃や回復・補助を行う。「熟練度」という隠しパラメータがあり、使いこむと効果が強力になる。
    • リンク技は、自分と自分以外の味方(自分を含めて最大で3キャラクター。誰かが毒か瀕死以外の状態異常だと使えない)のEPを消費して攻撃・回復・補助を行う技。協力した味方の攻撃力(LAPも?)も影響する。リンク技に協力した味方のターンを消費することはない。
      • リンク技はどのキャラクターの組み合わせでもできるというわけではなく、全部で37の技がある。
    • フォーメーション技は、陣形に応じた威力と消費EPの技を全員でする。ムーンと内部四戦士の組み合わせでのみ最強のフォーメーション技「セーラー・プラネット・アタック」が使える。この技は本作で最高の威力を持つと思われる。
      • リンク技と似ているが、発動後にまだ行動していないキャラクターもターン終了、並び順で一番上のキャラクターのみ(ムーン+内部の技は別)使用可能という点で異なる。
    • ゲーム開始時から所持しているアイテム「ムーンカリス」や「ムーンカリス2」を使うとムーンとちびムーンがスーパー戦士に変身する。スーパー変身するとフォーメーション技が使用不可能になるが、HPが全快して強力な必殺技とリンク技が使える。後述のメンバー組み合わせによるダメージ倍率変化にも影響する。
    • ゲーム中の「『防御』すると受けるダメージが半分になる」という情報は大ウソ。実際は防御力そのものを上げるため受けるダメージが大幅に軽減される。
    • 本作の「逃げる」はボス戦でないかぎり確実に成功する。
      • ちなみに、逃げるのに失敗した場合、そのキャラクターに合わせた台詞が出る。
  • ダメージ計算式は「(自分の攻撃力-相手の防御力)×技の倍率=最終ダメージ」*1となっている。
  • ダメージのカンストは9999。プルートの必殺技「タイム・ストップ」のみ999でカンスト。
  • 味方の攻撃のみクリティカルがある(演出は無し)
  • 戦闘中の味方各々の攻撃力と防御力は、味方全員の攻撃力と防御力に影響される。おそらく自分自身の能力値を基準にした上で生存者の平均値で最終的な値が決まる。
    • 攻撃と防御が150が1人+攻撃・防御10のキャラ4人パーティより、攻撃・防御100が1人+攻撃・防御50が4人パーティの方が明らかに全員の与ダメが高くて被ダメが低い。
      • ボスの強い技を食らうと食らうとわかりやすい。
  • パーティメンバーの組み合わせや戦う敵によって通常攻撃のダメージ倍率が変化する。
    • たとえばムーン+内部四戦士のパーティの場合、クリスタルトーキョーのザコ戦での倍率はムーンは低下しマーキュリーは上昇、ラスボス戦ではムーンの全ての(?)攻撃の倍率が高くて他の戦士の倍率は通常になる。後述のLV99の裏技プレイ時にやると分かりやすい。
    • ムーン+外部四戦士のパーティでラスボスに挑み、外部戦士全員がHP0になるまで全員ガードすると(条件はもっとゆるい?)ムーンの攻撃力(倍率?)が跳ね上がる(1000ダメ程度から9000ダメ以上になるほど)。バグにしては出来過ぎているので意図的に設定されたと思われる。
  • 攻撃力と防御力が変動する「運勢システム」があるが実際には何の変化もないと思われる。運勢にまつわるウワサは多いが真相は不明。
  • 一般的なRPGと同様に「属性システム」があるという説があるが、熟練度や後述のステータス・倍率変化があるため、本当に「属性システム」が存在するかどうかは怪しい。

評価点

  • LV16でスタートする裏技がある。これならRPG初心者の少女でもゲームクリアできるだろう。
    • LV16と言っても、元々初期LVが16のプルートを含め、全キャラのステータスが通常ではありえない値となっている。中には本来のLV16より能力値が低くなっている能力もあるが、全キャラクター共通で攻撃力・防御力・素早さがとても高くなっている。
  • LV99でスタートする裏技がある。ここまですれば多分どんな人でもゲームクリアできると思われる。
    • 全ステータスが最高値になっている。必殺技の熟練度が最大になっているかは不明だが、シャボン・スプレーは熟練度がまったく上がっていないと思われる。
    • 本作には負けイベントが1度あり、LV99の裏技をもってしても勝つことはおそらく不可能である。
  • アイテムを持ちこせる裏技がある。高LVスタート技と組み合わせれば、少女が通常通りのLV1スタートでプレイしてもゲームクリアできるだろう。
    • ラスボス戦時に装備していたアクセサリーと一部のアイテムは消滅してしまう。
    • 「リターンのみず」という気絶回復アイテムを持っていると、スタート時にリターンの水の欄が1つ増える(ゲーム開始時から既に持っているため?)。同じアイテムは99個しか持てないが、リターンの水はこの現象によって100個以上持てる。
    • 売却不可のムーンカリスとムーンカリス2が1つの欄に個数を足さずに、欄自体を1つ増やしている。これは後述の確実にフリーズするバグに大いに関係するため要注意。
  • 二章以外は、ザコと全く戦わずにボスから得た経験値だけでゲーム進行に差し支えないレベルになる。
    • そのかわり装備・陣形・戦術をしっかりしておかないと一瞬で全滅してしまうだろう。
    • 二章は内部四戦士が各人一人で冒険する。防御力重視+大量の回復アイテムでゴリ押しできないこともないが非常に時間がかかる。
  • シャボンやタイム、レベルの偏りを無視して自由にパーティ編成しても大丈夫。
    • 低防御力キャラクターだけのパーティでも陣形と3人リンク技を上手く使えばどうにでもなる。低攻撃力キャラクターだけのパーティでもリンク技で火力を補える。
  • 味方同士の戦闘能力バランスが良い。役割が完全に被っていることがなく、役立たずなキャラクターがいない。
  • ザコと戦うメリットがしっかりと残されている。レベル・熟練度上げしたほうが当然楽。高確率でアイテムを落とすので使用・売却して戦力を強化できる。宝箱からの入手個数が限られた有用なアイテムを落とすザコもいる。後述するパズルシステムも戦う意義になる。
  • リンク技のバランスがよい。2人リンク技は倍率が低いが、攻撃力が低いキャラクターには重要な攻撃手段。3人リンク技はいずれも強力。
  • フォーメーション技の使い道がある。倍率が高く、素早さを調整すれば、他のキャラクターで敵のHPを削ってからトドメを刺すという使い方ができる。この戦法はザコ1ターン撃破に有効。
  • レベルアップ必要EXPと獲得EXPにメリハリがありバランスが良い。積極的に強敵と戦う必要性があり、レベルの差が開きにくい。
  • 五章の暗黒城とクリスタル・トーキョー(時空の塔の最深部も?)の出現敵がパーティのレベルに応じて変わる。
    • 四章中盤の敵が現れるので、あまりにもレベルが低くないかぎり「ボスどころかザコにも勝てなくてゲーム進行不可能」ということはなくなる。
      • 同じレベルでも五章本来の敵と四章の敵のどちらも出現することがある(混成はしない)。平均レベルか先頭キャラクターのレベルか確率で決まるのかは不明。
  • エンカウントバランスがよい。障害物に向かって移動(キー入力)してもエンカウント率が上がり、メニュー画面を開くなどの画面切り替えを行うとエンカウント率がリセットされる。
    • 本作は地図がなく(空飛ぶ箱舟操作時はマップが見れる)フィールドがそこそこ広くて道がやや複雑だが構造自体は難しくない。このため上手く調和できている。
  • 映画版のキャラクターも含めて新旧キャラクターが登場するにもかかわらずストーリーが破綻していない。なお、本作はエンディングが2種類ある。
+ ネタバレ
  • ラストバトル直前のイベントで、ムーンがちびムーン以外の戦士の内4人とラスボスの破壊神アプスー(反セーラーチームのオポシティオ戦士の一人であるシンが敵組織の親玉アプスーと同化した姿)と戦いに行き、残ったちびムーンたちがネオ・クィーン・セレニティたちを守ることになる。
  • ムーンたちがラスボスに勝利するとグッドエンド、ムーンたちが敗北したらちびムーンたちがラスボスと戦い(ラスボスのステータスは大幅に低下している)勝利するとバッドエンド。ちびムーンたちも全滅すると正真正銘ゲームオーバー。
  • グッドエンディングは、アプスーを消滅させ、シンたちアプスーの手下と和解し、シンの弟アンシャルが恋心を抱いているちびうさにちびうさの落し物のペンダントを渡し、ちびうさからキスされる。ラストは、ごはんの時間が来てうさぎとちびうさが家に帰る。
  • バッドエンディングは、アプスーを消滅させたが、アンシャルやシンたちはアプスーと関わり合わなかった運命に戻り、ちびうさたちのことは忘れてしまう。何年か経ってからでないと、アンシャルたちと関わることで再びアプスーが誕生する危険がある。ちびうさとアンシャルは町で偶然出会い、アンシャルはちびうさのことを忘れていたがペンダントを大事にしていた。ラストは、シンと一緒に楽しそうに歩いていくアンシャルを見届けたちびうさが「私もアンシャルが好きだったよ」と告白する。
  • 魅力的なオリジナルキャラクターたち。
    • 本作での敵組織である「ヘル・デスティニー」のオポシティオ戦士たちは、いずれも個性的な面々が揃っており、武人肌なキャラやひたすらにお馬鹿なキャラなど、愛着の湧きやすいキャラクターが多い。
    • 敵組織でありながらセーラー戦士の一人に恋をするアンシャルや、悪の貫録たっぷりな親玉アプスーもセーラームーンシリーズらしいキャラクター性で物語を盛り上げている。
  • 原作のみの必殺技が多数登場する。
  • アニメ無印セミ最終回が最後の登場だった浦和良が奇跡の復活。扱いも良く、序盤と終盤で亜美が見る「理想の夢」で亜美は浦和良と思わしき男性と結婚している。
  • ダーク・キングダム四天王のゾイサイトは原作とアニメでキャラクター性の違いが大きく、原作では女装して暗躍するシーンなどもあるがあくまでノーマルな男性、アニメ版では同僚のクンツァイトを愛するオカマなのだが、本作では前世のゾイサイトは原作準拠のノーマルな男性、現世のゾイサイトはアニメ準拠のオネェ口調でセリフにハートマークを付けるオカマとして描写されている。
    • 本作のストーリーはアニメがベースだが一部で原作の要素が混じっており、四天王の設定は原作と同じ。「四天王とヴィーナスたち内部太陽系戦士は前世では恋愛関係にあった」という、原作では明示されなかったいわゆる裏設定も取り入れられている。
  • 原作のみのザコキャラクターが登場。ゲームオリジナルザコも数種類いる。
  • パーティを入れ替える意義がある。リンクやフォーメーション技の存在もあるが、各人専用セリフがあるイベントが多く、特定の組み合わせでのみ発生する会話もある。
  • 町の人たちとの会話でストーリー進行のヒント(次にどうすればよいのか)が聞ける。
    • ラストバトルがある場所のみ町の人からヒント(具体的な地点)が聞けないため、ラストバトル直前のイベントの会話内容(ラスボスのいる場所を言う)を覚えなければいけない。
  • ゲーム進行上絶対にお金を払わなければならない状況(バス運賃180円。本の値段300円)があるが、お金がなくてもストーリー進行できる救済措置がある。
    • 神社近くのバスの運転手にバス代が足りないと言われてから神社でお参りすると祈りが通じて300円もらえる。
      • お参りしてもらった金でアイテムを買うことを繰り返して溜めたアイテムを一気に売れば大儲け。
      • ちなみにお金がなくてバスに乗れなかった直後にバス停近くの人に話しかけるとバス代が貰える。バス代がなくても「まぁ、乗っていいよ」とタダ乗りできたりする。
  • グラフィックが中々の出来である。
    • 3頭身ほどにデフォルメされたキャラクター達は愛嬌があり可愛らしい。また、顔を赤らめたり黒コゲになったりと、グラフィックパターンもかなり豊富である。
  • アイテムやリンク技などの凝った説明文。
    • よくある無機質な説明文ではなく、妙にほのぼのとした面白い文章になっている。中には、ウラヌスとネプチューンのリンク技の説明文「このわざにせつめいはいらないわ」のようにニヤリとするものも。
  • 音楽はアニメや今までのゲーム作品で登場したものやアレンジがあって、効果的・違和感なく使用されている。
  • 操作性が良い。
    • 本作では、Bボタンでの通常ダッシュの他に、L・Rボタンで凄まじい速さでのダッシュが可能。広い町中を移動するのに便利だが、道路を走る車を余裕で追い抜くうさぎの姿は少しシュールである。
  • 戦闘の演出は派手なものとなっているが、演出スピードは遅い訳ではなく、テンポがよい。

問題点

  • 本作のダメージ計算式は前述のとおりだが、必殺技どころか通常攻撃でさえ倍率が高い。結果的に攻撃・防御力が少し増減しただけでダメージ量がかなり変化することになる。
    • 味方が味方を攻撃したときの計算式は上記のものとは異なる。敵を攻撃してもノーダメージだが、味方を攻撃したら4ケタダメージを叩き出すことがある。
  • フォーメーションによる攻撃・防御の増減が大きいため、攻撃型ステータスキャラ・防御型ステータスキャラを、装備品やフォーメーションでそれぞれの能力に特化させると、敵味方のダメージのインフレとデフレが発生しやすい。
  • マーキュリーの「シャボン・スプレー」とプルートの「タイム・ストップ」がゲームバランスを崩壊させている。
    • シャボンの効果は「敵一体の攻撃力を下げる」で、タイムの効果は「敵全員を2ターンの間なにも行動できなくさせる」
      • シャボンは一度に一体にしか使えずダメージを与えられず重ねがけできないが、消費EPがたったの2であらゆる敵に対して確実に成功する。タイムは消費EPが12でダメージ倍率が敵味方の中で最も低いが、あらゆる敵に対して確実に成功する。*2
      • コロン(全員EP全快)とトワレ(全員HP・EP全快)が高額だが無限に買えるのでタイムの連発が可能。一種類につき99個まで持てるので使いきる前には勝利しているだろう。最終的にトワレは入手できなくなるがコロンで十分。
      • プルートは初期ステータスがかなり低いためLVを上げてもステータスが低く、一撃でHP0になることが珍しくない。しかし、防御力が高くて打たれ強い(HPより防御力の方が重要)マーキュリーのシャボンと組み合わせると解決できてしまう。
    • 逆にシャボンとタイムを使わなければ少々苦戦するだろう。
    • 公式ガイドブックの袋とじにラスボス攻略法とEDのネタバレが記載されており(最終局面を迎える前にこの袋とじを開けるという禁忌を犯す者には災いがふりかかるであろう、という旨の文章が記述されている)、「どうしても勝てないなら、シャボンで攻撃力を下げてからタイムを使おう」と、シャボンとタイムが強力コンボであると公式で認めている。
  • 戦闘終了後にEPが完全回復するので、通常攻撃をする機会が少な目。
    • ただし戦闘のテンポ、フォーメーション技の有用性、回復アイテムの消耗の激しさのバランスを考えると妥当とも考えられる。
  • 入手期間限定のアイテムが多い。強力なアクセサリーを取りこぼすと確実にバトル難易度が上がってしまう。
    • キャラクターごとに強力な専用アクセサリーが用意されているのだが、一部のアクセサリーは入手難易度が高く、取り逃がしてしまったキャラクターは二軍落ちしかねない。特に、パーティー加入率の高いセーラーちびムーンの場合ほぼお荷物確定である。
  • 魔界樹編のキャラクターが登場しない。ただし、ボス「だいそうじょう」と「ディメンジョン・ツリー」は魔界樹編に登場するヤーマンダッカと魔界樹と同じ姿である。
  • デス・バスターズ幹部のウィッチーズ5とカオリナイトの扱いが酷い。
    • ウィッチーズ5は少し喋ってバトルして死ぬ間際にもう一度喋るだけ。固有必殺技持ちはユージアルのみ(しかもファイヤーバスターではなくユージアルバスター)。
      • 直前のボスのオポシティオ戦士たちと比べて、低ステータス・平凡な特殊技・連戦ではない(途中で回復も買い物もレベル上げもセーブもし放題)とゲーム的にも冷遇。
      • そのかわりゲーム序盤に戦うミストレス9より断然強く、ウィッチーズ5のあとに戦うボスはおそろしく弱い上にザコ戦のBGMで、そういう意味では少しはよい扱いをされている。
    • カオリナイトはミストレス9より強い戦闘力だが、土萠教授に呼ばれていきなりバトルとなるだけで戦闘画面にしかグラフィックが存在せずセリフが一言もない。
  • 背景に隠れた宝箱、ツボやタルの中に隠されたアイテムが多い。町人から隠しアイテムの存在があると聞ける以外はまったくノーヒント。
    • ツボやタル、視界が遮られる場所が多く、調べていると時間がかかりまくる。すべてのアイテムを自力で探し出すのは困難。
      • 隠しアイテムの中で店で買えるアイテムは1個だけで、それ以外は非売品かつ有用なアイテムばかり。
  • 「パズルシステム」があり、パズル(のピース)を集めて一枚絵を完成させると、終盤である人物に話しかけると強力アクセサリーを10個貰えるが、パズル完成難易度が高い。
    • パズルは戦闘勝利時にランダム・特定の人物と話すか設置物を調べて入手。戦闘での入手可能数には限界があり、戦闘以外で最低2つ入手しなければ完成できない。
      • 終盤には隠しパズルが1つもないので、ストーリーを進行させ過ぎると完成は不可能。しかし前述の通り隠しアイテムを見つけるのは厳しい。
  • バグがやや多い。無害・有害問わず、普通にプレイすれば発生しないor気付きにくいものがほとんどだが、中には必ずフリーズするバグがある。
    • 所持アイテムの欄が一定以上のときに戦闘中にアイテム画面を出すと100%の確率でフリーズする。
      • アイテム持ちこし裏技をすると売却できないアイテムの欄が増える。つまり本作をやりこめばやりこむほど、絶対にフリーズするバグに確実に接近していく。
  • 一部のテキストがおかしい。
    • オポシティオ戦士たちとの最終決戦で各人「ヘルズ・○○」という必殺技を使うが、炎を操る戦士ネルガルのみ「ヘルズフ・レイム・バード」という変な必殺技を使う。アイテムの効果説明文がフィールド中とバトル中で違う、ルナが「今なら敵もいないわ」と言うが普通にエンカウントする、ザコの総称(妖魔、ドロイド、ダイモーン)を間違える、はるかが敵組織の親玉の名前を聞いただけで女だと決め付ける(実際女だが、名前の元ネタとなった神は男性神なので名前だけで女性と判断することは難しい)、「ちかけない」といったセリフやアイテムの一つに「リターンかんめ」がある(正しい日本語としてはちかけない・かんめである)などいくつかある。
  • 音質が悪い。『セラムン(SFC)』『セラムンR(SFC)』の流用曲は本作は本作で味があるが、比べるとあきらかに音質が劣っている。
  • 一部のボイスが『美少女戦士セーラームーンS 場外乱闘!? 主役争奪戦』の使い回しと思われる。
  • 説明書での地味なネタバレ。
    • ゲーム中盤までは明かされないラスボスの顔や、とあるモンスターのイラストがキャラクター紹介の項で普通に描かれてしまっている。

総評

RPGとしての難易度自体は、一部に難度の高い場面があるが、低レベルでも戦術を工夫すれば十分クリア可能で、レベル上げすれば誰でもクリアできるため全体としては安定感がある。
シャボン・スプレーやタイム・ストップもRPG初心者への配慮と考えられる。
操作性や戦闘演出テンポなどに致命的な欠点は無く、総合的なRPG要素は良好である。
シナリオ面でも『セーラームーン』のキャラゲーとしての評価は高く、セーラームーンを見て育った人には一度はプレイして欲しい一作である。


余談

  • 取扱説明書に「カイネスのぼうし」などの実際のゲーム中では確認できない(カイネス村に行っても、ショップに売っていないどころか帽子の話しさえ聞けない)情報がいくつか掲載されている。
    • データ上には入手不可能なアイテムやアクセサリが数種類存在するが、カイネスの帽子のデータは完全に消去あるいは変更されたようだ。
  • 北極の宮殿で王様の両隣に宝箱が1個ずつ置いてあるが、宝箱にたどり着く前にイベントが発生して、モブキャラたちに宝箱までの道をふさがれてしまう。
    • 後述のデバッグモードで確認すると、中身は「せいなるみず」と「リターンかんずめ」のようだ。
  • ゲーム中のあちこちで冒険の助けとなる旅の商人・クスリ売りと遭遇するが、その出現場所が真夜中の学校内だったり敵の空中要塞内部だったりと突っ込みどころ満載でよくネタにされる。
  • 電源オン直後のイントロ中に隠しコマンドを入力するとレベル99になる裏技は有名だが、同じくイントロ中に特定のコマンド入力によりデバッグモードに移行する裏技の知名度は低い。
    • この裏技により、任意のマップへの移動、座標の表示、イベントフラグの管理、障害物を無視しての通行が可能となる。
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最終更新:2023年12月05日 03:34

*1 本当はもっと複雑だろうが、この計算式でも的外れではないだろう

*2 有名ゲームでたとえるなら、ロマサガ2で言う所のクイックタイムである。