サンリオタイムネット 過去編/未来編

【さんりおたいむねっと かこへん/みらいへん】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
発売元 イマジニア
開発元 トーセ
発売日 1998年11月27日
定価 各3,500円(税別)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 満遍なく破綻したゲームバランス
広すぎるマップ
良くも悪くも個性的なモンスター達
ストーリーやBGMは良好
サンリオキャラクターシリーズ


概要

発売当時人気絶頂の『ポケットモンスター』を大いに意識した、いわゆるポケモンフォロワーの1作。
ポケモンと同様に、モンスターをアイテムで捕まえて手持ちとし、育成と対戦を行うRPGである。
以下の記述にはポケモンとの比較が多々あるが、ご容赦願いたい。

主人公はオリジナルだが、タイトルに「サンリオ」とある通り、脇役などにサンリオキャラクターが多数登場している。
ポケモン同様、「過去編」「未来編」の2バージョンで発売され、児童誌などで宣伝も打たれていたが、その内容はお世辞にもあまり良いとは言えないものであった。

ストーリー

ある日、主人公の元へ一通のメールが届く。
その送り主である老人は「消滅の危機にあるタイムネットの世界を救って欲しい」と頼む。
どうやら、タイムネットの世界を司る「時の柱」が何ものかによって壊され、
世界が過去と未来の2つに引き割かれてしまったらしい。
そして主人公はタイムネットの世界へ旅立ち、散らばっていった時のかけら(モンスター)を集め、
時の柱を直しつつ犯人を突き止めるための冒険にでるのであった。


特徴・問題点

全体的にゲームバランスが悪い。

  • モンスターや技の属性は全14種あるのだが、とにかく無駄に多い上に分かりづらい
    • ほのお・みず・かぜ…など一般的な物もあるが、ボム・レーザー・ヒート等弱点を連想しがたい属性がある。
      • 特にほのお属性があるのに熱的なモンスターが該当するヒート属性は存在自体がツッコミどころ。
        ヒート属性に該当する敵は中華調理人・教育ママ・電子レンジなどがモチーフだが、それぞれほのお属性・ESP・マシン等他に分類できそうな属性もちゃんとある。
        ちなみに技の方は「発熱をうつす(39度8分・熱うつし)」「熱い蒸気(高熱スチーム)」など、火を伴わない熱攻撃はまだ分かるが「かれいな テクで れんぞくこうげき(鉄人の技)」とどこに熱要素があるのか分からないものや「 熱い豆 で攻撃(ビーンズショット)」など無理やり熱要素をつけているものもある。
      • また、ボム属性は名前でわかる爆発攻撃以外に毒ガス系の攻撃(悪臭ガス・すかしっぺ)もこの属性である。どこにボムの要素が…?
      • そのくせほのお・みず属性はあってポケモンで言うくさタイプに相当する属性がないので植物系のモンスターと技は全てつち属性扱いになり、見た目に反してほのお技がかえっていまひとつになる*1
    • ポケモンでは相性によるダメージ倍率がばつぐん・等倍・いまひとつ・無効と4段階だが本作は6段階存在し、かなり複雑で相性を覚えにくい。
      • 0.5倍と0.75倍の時は「へいきなようだ」と「あまりきいていない」となのでまだ分かりやすいのだが、2倍弱点を突いたときは「じゃくてんを ついた!!」で1.5倍の時は「にがてなようだ!!」とだけ表示されるため、文面だけ見るとどちらがより高威力なのか分かりにくい。
  • モンスターに技を覚えさせるためのアイテムである「スキルパック」と、特定属性の攻撃を吸収できる「パワーマーク」は、どのモンスターにも自由につけ外しができるため、モンスターの個性を消している(ただ能力が高いモンスターに強いスキルパックと弱点属性対策のパワーマークをつけるだけで良い)。
    • とくに強力なスキルパックが相手を一定確率で「ひんけつ」状態にできる「ライトビーム」。このゲームは「ひんけつ」状態になるとHPがどれだけ残ってようとその時点でモンスターが瀕死になるのだが、一部のモンスターが使うと回避されない限りほぼ100%でひんけつ状態にできてしまう。
      そのためライトビームでひんけつを引き起こせるモンスターを見つければあとはほぼ無双ゲーと化す。
    • これだけの超威力ながらライトビームのスキルパックは「難しい条件の報酬となっている隠しアイテム」ではなく、攻略上必ず訪れるマップに落ちているため、取りこぼすことも滅多にない。
      • ちなみに裏ダンジョンの一部の敵などには通用しない相手もおり、他の貧血になる技は100%貧血にならない。
        ライトビームの説明文にも「 たまに  あいてを ひんけつにする レーザーこうげき」と書いてあるためこの現象はなんらかの設定ミスかバグが原因と思われる。
      • 他にも貧血状態にできる技はあり、自力習得するモンスターがいる。こちらは100%とはいかないものの、当たればそれなりの確率でひんけつにできてしまう。
    • パワーマークは対応した属性攻撃を吸収して回復してくれるのだが、これの影響でどのモンスターも弱点が実質ほぼ無意味なものになっている。
      • 通信対戦をやり込もうとすると相手がどんなパワーマークをつけているか想像もつかないので戦略もあったものではない。ポケモンのように流行らなかったため問題になっていないが。
      • ちなみに「にばいがえし」というポケモンでいう「カウンター」と同効果の技があるのだが、 パワーマークでダメージを吸収してもこの技はちゃんと発動する
        このため回復しながら倍ダメージというとんでもコンボが使える。ちなみににばいがえしも例によってスキルパックが存在する。
  • 他にもえげつない技は存在し、例えばマメタンとアランというモンスターが覚えるビーンズショットという技はまさかの 8回 連続攻撃となっている。
    • この手の技はポケモンのとげキャノンやおうふくビンタのように「低威力で連続攻撃」を連想するかもしれないが、実際は「それなりの威力で8回攻撃」。つまり相手は死ぬ
    • 更にマメタンは最終的にグランブレイズというほのお属性最強クラスの技も使える。マメタンは名前通り豆炭に手足と目玉・口をくっつけただけのマヌケな姿なので完全に見た目と強さが合っていない。
      この壊れ技を持ちながらマメタンは比較的序盤に登場する。
  • 以上のように当たればヤバい技がある反面、とにかく技が当たりにくい。5回連続当たらないと言う事もザラでバトルはグダグダ。
    • 他にも、麻痺などの追加効果がある技で相手モンスターを攻撃して倒すと、わざわざ「○○になった」と出てからやられる。無意味なうえにテンポも悪い。
    • モンスター同士でのバトルを仕掛けてくるNPCも、序盤から普通に回復薬を全てのモンスターに使ってくる奴や、体力が減ると交代を繰り返す奴が多く鬱陶しい。
      • ポケモンと違い中ボスという概念がないせいか、そこら辺にいるNPCですら5~6匹持ちなので余計に辛い。
  • 敵のレベルが突然跳ね上がることがある。
    • スタート地点にある洞窟に、いきなりレベル10台のモンスターが出る。NPC等による警告がない為、うっかり迷い込んで全滅した者多数。
    • 通常エンカウントで、レベル20台程度の敵しか出ないはずの所でいきなり40台の敵が出現する。
      • また、進行状況によってレベル40台の敵が出現するようになるエリアがある。スタート地点もその一つ。
      • レベル60台のモンスターが出現するハナダのどうくつ的な裏ダンジョンに中盤から行けてしまう。もちろん誤って迷い込んだら終わり。
  • ラスボスのレベルは99。しかも二連戦。その前に戦うライバルは40台なのにもかかわらず、である。
    • とはいえ、これは強く見せるためだけに設定されたものであり、ラスボスの戦法を理解していればレベル60程度のモンスター+十分な回復アイテムがあれば勝てる。
      • ラスボス戦では敵味方ともに状態異常が発生しない仕様のため搦め手は通用しないが、第一形態は無意味な状態異常攻撃・第二形態はダメージの無いすばやさ上昇技を使うので隙があり、こまめに回復していれば即死することはほとんどない。
      • しかし問題なのがラスボスは両形態ともに3ターンごとにしもべのモンスターと交代し、しもべと戦っている間は回復してくること。
      • しもべを一撃で倒せる火力があれば回復されない。逆に火力が足りなければ絶望的で、お互いに回復し続ける泥仕合となってしまう。そのうちこちらの回復アイテムが尽きて負け。
      • 両形態ともにレーザー技を使用するのでエースにレーザー属性を吸収するパワーマーク7を装備していれば大分勝機は出てくる。パワーマーク7は隠しダンジョンに隠されており入手場所の攻略本の記載が間違っているためノーヒントでも攻略本込みでも入手が難しいというおまけつきだが。
      • ちなみにラスボス戦後イベントが進行するまで若干間があるのだが、その瞬間にAボタンを押してしまうと 戦後イベントが正しく進行せず、再びラスボス戦になってしまう という致命的なバグがある。
        後述のシナリオ面の攻略難度からまずラスボス戦までたどり着けない人の方が大半なのでこの現象に遭遇する人は相当希少だが。
  • バトルの技のエフェクトは、どれも同じような物が多い上、大技らしき技でもあまり迫力がない。
  • ダンジョンや町がただっ広い。それでいてエンカウント率が高く、ポケモンでいう自転車に相当する「ソーラーバイク」で移動する事を前提として作られているようにも思える。当然ソーラーバイクのない序盤は苦労する。
  • メニューでダンジョンの情報を得ることが出来る項目があるが、一部は選択した時点で100%フリーズしてしまう内容もある。
    • そしてRPGでは基本安全地帯のはずの町でも普通にモンスターが出現するので、探索が大変。
    • しかも戦闘中の逃走が困難で、ポケモンでは確実に逃げられる位のレベル差があっても一度では逃げられない場合が多い。エンカウントを阻止するには店に売っている消費アイテムを使用する必要があるが、膨大に移動する必要がある今作においては雀の涙程度の効果時間しかない。
      • そもそもそのアイテムの効果も、自分と相手のレベルに10以上の差があるにもかかわらず発揮されないという有様。
      • 元スタッフによると、これらの安全地帯なし・逃走が困難という仕様はプロデューサーの「 緊迫感がなくなるから 」という鶴の一声に逆らえず、やむなくこのような仕様になってしまったとのこと。
        高難易度が評価される高年齢層向けのPCゲーム等ならまだしも、どう考えてもサンリオゲーを買うような女児向け作品でやることではない。
  • モンスターを捕獲するのには使い捨てのゲットカードというアイテムかデジカメ(何度でも使用可能)を使う必要があるが、何故かゲットカードはレベル10までのモンスターしか捕獲できない。
    • デジカメは何度も使えてレベル制限は無いのでデジカメ入手後はゲットカードの存在意義がなくなる。だったら初期装備でデジカメを持っていてよかったのでは?
      • ごく短期間ではあるがレベル制限のせいでデジカメ完成までモンスターを捕獲できない期間がある。
    • 終盤デジカメの捕獲率が上昇すると説明文に記載されている「パワーモジュール」というアイテムが入手できるのだが、ユーザーの解析によるとこれは設定ミスで実際は上がらない。
      • 後述のフライトマシンのパーツに何故か捕獲率を上げる隠し効果があるので恐らく内部のコードを取り違えた物と思われる。このパーツはシナリオ進行で失われるので結局デジカメの捕獲率の恒常的な上昇には使えない。
  • 時の柱を直す為に集める事になる時のかけら(モンスター)達は、普通に万人受けしそうな物もいるとは言え物体に顔や手足をつけた程度の物が多く、顔の潰れたばあさんの「おしぶババァ」、大便に顔と体をつけた「ウンチンボーヤ」*2、化粧の落とし跡の「ガンタク」等、一部はかなり異色で好みが分かれる。
    • ちなみにこのウンチンボーヤ、進化体はウンチンボーヤ→ウンチンライダー→ウンチンセンムとなる。つまるところ出世してもずっとウンチである。あろうことか、このウンチンボーヤの進化系であるウンチンライダーが、未来編のパッケージに堂々と描かれている(上画像参照)。
      サンリオを名乗るな
  • これらのデザインも元スタッフによるとこんなキャラデザでもサンリオ側の大御所デザイナーがデザインしたため拒否できなかったとのこと。
    • ちなみに初代ポケモンのキャラデザについては、複数の社内デザイナーが数百近い案を出し、それを基にデザイナー以外のスタッフ含めて投票を行い人気が高かった150匹に絞ったとのことである。
      対して本作はサンリオとの歪な力関係やポケモンブーム中に急いで出す・後述のタイアップの都合上延期できない等の理由からリテイクが行われなかったという開発事情が容易に想像できる。
  • また主人公に勝負をしかけてくるNPCも殆どサンリオキャラクターが担当しているが、イメージにそぐわない口調で襲いかかってくるので印象ブチ壊し。しかも、前述した奇妙なモンスターたちを出してくるのでさらに不釣合い。
    • なぜかハンギョドンだけは終盤に登場するモンスターとして扱われており、進化によってヒーロー的な姿の第二形態「グレートハンギョ」、人型ロボットに乗り込んだ姿の最終形態「ハンギョドンロボ」となる。確かにハンギョドンは「ヒーローになりたがっている」という設定のキャラクターだが、進化形態は元絵とかけ離れていて似つかわしくない。
      • しかもハンギョドンはここでしか捕獲機会がない。倒しても捕獲するまで何度でも再戦可能であるが、何故か通信交換に出せないので間違って逃がしたら二度と入手できない。
    • 終盤に「星型CD」を入手するイベントがあるのだが、そのイベントの中身がエンジェルキティに星型CDを盗まれたのでそれを取り返す必要があるというもの。
      • エンジェルキティは本作オリジナルキャラであってキティちゃん本人ではないとは言え、 サンリオの看板キャラの派生キャラに強盗まがいのことをさせる というのはどうなのだろうか。
  • 手持ちのモンスターにはニックネームを付けられるのだが、ゲーム中の表記は「モンスター名・名付けたニックネーム」という妙な仕様である。
    例えば先に挙げたハンギョドンに「ハンギョ」と名付けた場合、ゲーム中では「ハンギョドン・ハンギョ」となる。進化すればよりおかしな表記になるのは言うまでもない。
    • この一方で、「クリキンJr.」や「チョー・ちん」のようにモンスター名の時点で「.」や「・」が入ったものも存在している。見栄えや語感の悪さもそうだが、せっかく考えたニックネームが事実上のミドルネームとなるのはいかがなものだろうか。
  • クリアへの導線が悪い
    • ほぼノーヒントの謎解きや、ヒントはあれど抽象的で分かりづらいものが多い。
    • それでも中盤まではそれなりに行き止まりにぶつかるため、行き止まりになった地点で進行フラグを探していけば進めるのだが、中盤からは一気にラスダン以外のほぼ全てのマップに行けるようになってしまう。しかし行動範囲の広さに反して、モブキャラとの会話などでフラグを建ててないとイベントが発生しない地点が多く、進行フラグを取りこぼしやすい。
      • 例えば初代ポケモンは進行ルートこそ自由だが、ジムリーダーを倒せばバッジが手に入る・ロケット団を倒すというおおまかな目的はあるため迷いにくい。対して本作はこうしたシナリオ中の進むべき目標地点が分かりにくい。
    • 特に、シナリオを進める上でフライトマシンを動かすための重要アイテム「ウイングクリスタ」入手で詰まりやすい。
      • ウイングクリスタに関して作中に「池の方にクリスタルが流れてくのが見えた」という会話があるが、 このヒントが初めて聞ける時点では貯水池に行ってもウィングクリスタ入手フラグとなる人物が池にいないため、ウィングクリスタを入手出来ない
        このため池で探しまくったまま分からずじまいでゲームを投げた人も多いと思われる。
      • この一連のイベントはフライトマシンの本体を作成するイベントがウイングクリスタの入手タイミングよりもかなり前の段階であるため、特に攻略の順序を間違いやすい。クリスタを持ってないと本体も渡して貰えない・本体入手タイミングをクリスタとほぼ同タイミングにする、等にしてくれればよかった物を…。
    • 進行上、複数回会う必要のある重要人物がダンジョンの奥にいるため、敵のエンカウントも相まって一々会いに行くのが苦行。
    • フィールドに表示されないアイテムは「おたからたんちき」というアイテムで拾うのだが、アイテムのある位置は教えてくれないため、シラミ潰しに調べ歩かなければならない。
      • ちなみに本作の攻略本には、どのマップにアイテムがあるかは書かれているが、具体的な位置は掲載されていない。たとえ攻略本を見ても、結局は該当マップでシラミ潰しに探す事になる。
  • ウォッチという何度でも使えたり恒常的に効果を発揮するアイテムがあるのだが、どれも入手が後半~終盤に固まっている。一番使いたい序盤~中盤に使えない。
    • 特にポケモンでいう「そらをとぶ」ができるウォッチがあるのだが、上述したウイングクリスタ入手のために複数の場所でフラグを立てる時点ではこのウォッチは入手できないため、不便極まりない。
  • 物語途中で過去/未来へ行ける展開となり行き来出来るのだが、またその後のストーリー展開で自由に行き来出来なくなる。
  • 時の柱を直すためには「種類を問わず、のべ161体のモンスターを捕獲する」ことが必須条件となっている。
    これをクリアしなければ終盤のシナリオが進められないのだが、「のべ161体」…つまり「種類問わず161匹分集めればよい」ので条件自体は複雑なものではない。
    しかしながらモンスターの種類も161種類であるため紛らわしく、「161種全てのモンスターを集めないとクリアできない」と勘違いし挫折する人も多かった。
    • 作中ではライバルに「ときのはしらの修理に必要な数と全モンスターの種類の数は同じ( 同じモンスターが重複してはいけないとは言っていない )」時の老人には「161匹のかけらを集めるのじゃ( 同上 )」とだけしか説明されない。
    • もちろん勘違いしなくても100体以上自力で捕獲する必要があるので簡単な条件ではない。
    • ちなみに全種類集めるとエンディングの台詞が変わり*3、その後クリア後に時の老人に図鑑を見せるとポケットプリンタ対応の認定書画像が得られる(参考スレッド)という要素もあった。その一方で、配信限定(とされた)モンスターが4種類もいるため、今となっては図鑑完成は不可能とされていた。
      • 通常プレイで入手できるモンスターの中でも「レクスウォーカー」というモンスターの入手方法がやたら難しい。
        最初にもらえるモンスター(過去編、未来編3体ずつ)の第二形態6体すべてを手持ちに入れた状態で中盤のダンジョン(普通なら最終形態で臨むのが適切なレベル)の特定のスポットに行く、という条件。
        後述の通り最終形態ならいくらでも手に入るのだからそちらを条件にすればまだよかったものを…。
      • 近年になって判明したことだが、実は配信限定モンスターを入手できるコマンドがゲーム内に存在している(後述)。そのため、過去編・未来編の両ソフトと通信交換可能な環境さえあれば、一部モンスターの入手難度は別としても図鑑コンプは可能となっている。

評価点

  • 主人公が男女で選べる。
    • 当時のゲームでこれはまだ画期的だった。ちなみに選ばれなかった方の性別の主人公はライバルとなる。
  • ゲームを始めるたびにこれまでのあらすじが解説されるので久々に起動した時でも話を思い出しやすい。もちろんスキップもできる。
  • 全体的にBGMの出来がいい。また、バトルでは状況により曲がシームレスに変化していく。
    • 戦闘曲は未入手モンスター戦、入手済みモンスター戦、対NPC戦、ラスボス戦の4種×各々優勢・互角・劣勢用の3曲で実質12曲存在する。しかもこれらが状況に応じて変化するというのはゲームボーイではこのゲームぐらいなのではないか。
    • ポータブルMDというアイテムを入手すればサウンドテストとして使えるが、入手には高レベルの敵が出現する隠しダンジョンを攻略する事が必要。
  • 戦闘でNPCに勝利した場合、相手の手持ちモンスターから一匹好きなモンスターを奪取できる。即戦力強化できる他、普通に戦っていくだけで時のはしらの完成度をある程度上げることができる。また、この方法でしか入手できないレアモンスターもいる。
    • この他にも通信交換で進化するものや、アイテムを使うと進化するものなどもいて、収集欲を刺激してくれる。
  • パワーマーク・スキルパックは(好意的に解釈するのであれば)戦略性に幅を持たせ、見た目が気に入ったが性能が物足りないモンスターでも活躍させることができる。これらは使い捨てではないので流用が効くのも嬉しいところ。
    • エースとして1体だけ育てるプレイスタイルは本作攻略の上で有効である。属性相性の悪い相手だろうとレベル差で叩きつぶせるし、ラスボスも1体のみで勝てる。
      • 逆に言うと、ポケモンのように相手によって色々な属性のモンスターを使い分けるスタイルではレベル不足になりがち。そしてラスボスに火力不足で詰む
  • ゲームセンターではバイクレースとスロットのミニゲームが遊べる。特にバイクレースは結構面白い。
    • ゲームセンターの商品には過去編では未来編、未来編では過去編で最初にもらえるモンスターの最終形態が入手できる他、ここでしか入手できないポリゴン的なモンスターもいる。
    • さらに、能力値をアップするアイテムまで景品として入手可能。
  • ストーリーはSFとファンタジック要素がいい具合に混ざり合っており、ここにタイムスリップと世界の崩壊というファクターが加わることで独特の雰囲気が生まれている。
    • 要素色々混ぜすぎ、というツッコミが飛んできそうではあるが、少なくともストーリー面で大きな破綻は無い。ゲームバランスは破綻しっぱなしだが。
    • 過去世界にあったものが未来世界では別の物になっているというケースが多く、意外性がある。
    • また、モンスターに上記のような意味不明な物や不気味な物がいるのは、メタ的にはほぼ「大人の事情」としても、詳しくはネタバレになってしまうが作中世界の真相から来るものと解釈することも出来なくもない。
  • サンリオキャラはすでにモンスター・マップにかなりの容量を割いているのに60人程度も登場し、図鑑も存在する。ドット絵のクオリティも悪くない。
    • 有名所だけではなく初出がかなり古いものやマイナー所も押さえている。以降のサンリオゲーはたいていメジャーキャラしかでないため、資料的な価値はあると言える。
    • ラスボスはサンリオに版権があるのかすら曖昧だった意外なものが元ネタとなっており、かなりのサンリオマニアしか知らないであろう通な選出となっている。

総評

全体的な面で「劣化ポケモン」という評価は否めないが、評価の高いBGMや個性的な趣がある雰囲気など光るものが全く無いわけではない。
サンリオキャラクターのグラフィックも可愛らしく再現されており、また、ラスボス戦からエンディングにかけて一気に盛り上がるシナリオなどからコアなファンもそれなりにはいる。

本家ポケモンの様なクオリティには届いていないものの、駄作と切って捨てられるべきというほど出来が酷いというわけでもなく、それなりに魅力もある。
また、元スタッフの証言を見る限り問題点のいくつかは所謂大人の事情に振り回された結果によるものでもあり、その点では不憫ではある。

とは言え致命的なバグや不親切過ぎる説明等擁護しきれない部分が多々あるのも事実。ゲームバランスに関しても技面のちゃらんぽらんさが重い。

総合的に言うと ポケモンの二番煎じのマゾゲー といったところに落ち着くだろう。


余談

  • 本作はモンスターのデータがかなり特殊な構造となっており、特定のコードを基にモンスターデータが呼び出されるのではなくステータス側の情報を基に生成されるという大変珍しい仕様になっている。
    • これにより、仮に改造プレイでレアモンスターを出すとしても先にそのレアモンスターの正しいステータスを知らなければならないという仕様になっており、 通常プレイの難易度も高いが改造プレイの難易度も高い
  • シナリオは、当時まだ無名だった直木賞作家の桜庭一樹氏*4が執筆していた。
    • その他、後にあのVtuber事務所『ホロライブ』を設立する谷郷元昭氏がディレクターとして本作に関わっている。
  • 漫画版が『冒険時空タイムネット』という題名で小学館の学年誌に掲載されていた。原作と違いサンリオキャラクターは登場しない事と、所々にお色気やグロテスクな描写があるのが特徴。
    • 全2巻の単行本が出版されているが現状絶版であることと、原作としてクレジットされている山田桜丸(桜庭一樹)氏が小説家として大成したこともあってか、現在アマゾンでは1万円近いプレミア価格が付いている。
  • 本作と連動するニンテンドウ64ソフト『サンリオタイムネットワールド』の発売が予定されていた。
    • 当時公表されていた発売予定時期は1999年3月。『ポケモンスタジアム』のように64GBパックを利用するのは容易に想像できるが詳細は不明。
  • 後継作品として、2001年3月16日にGBCで『スペースネット』というRPGが発売されている。
    • サンリオとは無縁のオリジナル作品だが、今作のレアモンスター(時のかけら)の一体『レクスウォーカー』が主要キャラとして登場する。また今作の効果音や音楽が使い回されており、シナリオも山田桜丸氏が担当している。
    • 更に難易度の高さ、ラスボスだけレベルが突出して高いなど、今作の欠点までほぼそのまま引き継いでしまっている。
    • 『サンリオタイムネット』発売と共にイマジニアとサンリオは共同でキャラクターの版権管理を行う タイムネット株式会社 を設立しており、本作の権利表記はタイムネット社とイマジニアの連名となっている。
  • 上記で開発上の都合に触れているが、当時のプランナーが本作の解説として開発中の内情を語っているブログが存在していた。現在リンク切れにつき、魚拓になるが詳細はココ
    貴重な証言であるが、やはり出来は納得のいくものではなかったらしい。また、残念ながらブログの解説は2回で打ち切られた模様である。
  • 長らくイベント配布キャラクターは当時のイベント限定でしか入手できないと思われていたが、発売から約21年後の2019年に隠しコマンドが発見され入手可能になった(コマンド初出のサイトは閉鎖済)。通常プレイで攻略が難しいと感じるプレイヤーにとっては救済措置となるだろう。
    (参照:YouTube - サンリオタイムネット 隠しコマンド紹介 / 5ch - サンリオタイムネット攻略スレ Part2 / サンリオタイムネット Wiki)
    + コマンドネタバレ注意 タイトル画面でセレクトを押しながら下記の隠しコマンドを入力。効果音が鳴ればときのはしらに出現する。
    一旦セーブを挟んでリセットすれば何回でも実行可能。
    プラネッタ ↑ ↓ ← → ↓ ↑ → ← ← → ↓ ↑ → ← ↑ ←
    プラネスタ ↑ ↓ ← → ↓ ↑ → ← ← → ↓ ↑ → ← ↑ →
    スターダスト ↑ ↓ ← → ↓ ↑ → ← ← → ↓ ↑ → ← ↑ ↑
    タイムサーファー ↓ ↑ → ← ↑ ↓ ← → → ← ↑ ↓ ← → ↓ ↑
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最終更新:2023年09月06日 10:48

*1 通常、ゲームなどで植物の属性が単独でない場合は風属性の兼任が多く(風属性の色が緑だったり、花弁や葉を飛ばして攻撃するなど)、地(このゲームでは「つち」)属性設定は異例。

*2 しかも過去編では最初に選ぶ3匹のうちの1匹となっている。序盤からパンチが強すぎる。

*3 通常のエンディングだとEND……?と表示され、「全ての時の欠片を集めよう」と言われる

*4 本作を含めゲームのシナリオライターとしては「山田桜丸」のペンネームを使用している。