デビルマン
【でびるまん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ナムコ
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開発元
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制作: イスコ 開発: 不明
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発売日
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1989年4月25日
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定価
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5,500円(税別)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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操作性に難あり ダンジョンの難易度は高い 漫画版ベースの作品としてはシナリオの評価は高い
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少年マガジンシリーズリンク
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概要
漫画版デビルマンをベースにアニメ版・小説版の要素を加えたアクションゲーム。
この当時のナムコは漫画・アニメ・映画のゲームを積極的に出しており、本作もその流れで発売された作品とも言える。
特徴
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ゲームはサイドビュー形式のライフ制スクロールアクション。ライフの回復はデーモンを一定数倒すか、イベントを経験することで行われる。
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特殊なフィーチャーとして人間形態で敵を倒していったり怒りを誘うイベントを経験すると怒りゲージが貯まり、デビルマン状態のときに怒りゲージを消費して飛び道具で攻撃できるようになる。
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また、人間性を示したゲージがあり、デーモンにつかまった人間の救出に失敗したり見捨てたりすると消耗し、完全になくなると強制的にゲームオーバー。
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パスワードコンティニュー式だが、パスワード表示画面中になぜかデビルマン度チェックが行われる。
問題点
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操作性が今一つでもっさりしており理不尽な死に方をすることも多い。
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上記の怒りゲージによる飛び道具攻撃も通常攻撃も同じ攻撃ボタンで発動するため、デビルマン形態時に怒りゲージが残っているときは結局飛び道具攻撃しかできないのがネック。
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いろいろと理不尽な場所に正解となる隠し通路などがあるため、行き先が分かりにくい。
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セレクトボタンからのメニューでデビルマン変身/変身解除を行うのだが、移動用のデビルウィング発動はデビルマン状態からさらに巨大化変身して行う必要があり、説明書がないとやり方がわからず進めないことも。
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ステージ構成も非常に迷いやすい構成になっているので先に進むのも一苦労することが多い。
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前述の人間性ゲージの関係で救出が間に合わず徒に人間性ゲージを消耗してゲームオーバーになることもしばしば。
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敵の強さにも少々問題があり、強い敵はとことん強いが弱い敵はとことん弱かったりもする。
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特にシレーヌとカイムが合体した時の弱さや悪魔王ゼノン攻略時の安全地帯の存在などには落涙を禁じえない。
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また、ジンメンやサイコジェニーが恐ろしく強くトラウマもの。
評価点
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BGMはモノフォニー調のおどろおどろしいものが多くグラフィックも漫画版準拠のため、原作の雰囲気を十分再現しているといえる。
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特に画面いっぱいに描かれる悪魔王ゼノンの迫力は相当なもの。
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それゆえに人を選ぶ側面もあるにはある。まあ、漫画版を愛読している人なら大丈夫だろうが。
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シナリオの進行上他の登場人物(牧村美樹、ドス六、山野辺博士など)を操作することが可能。
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一般人や不良がビンタや木刀、ドスなどで悪魔を屠り、壁をぶち破る姿はなかなかにシュール。
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仮にも一般人が、悪魔や、悪魔特捜隊(重装備の人間)を倒す姿はいろいろ突っ込みたいだろうが……あえて流せ。
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シナリオは漫画版とアニメ版のいいとこどりをなしえており、限られた容量ながらも要所要所を押さえて漫画版原作の物語を最初から最後まで再現している構成は見事。
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序盤こそデビルマン変身後に飛鳥了が行方不明になってからいきなり悪魔特捜隊が出てくる、悪魔特捜隊の基地になぜかデーモンが放し飼いにされて暴れ回っているなどの急展開はあるが、その後は比較的じっくり進む。
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漫画版原作で悪魔特捜隊の指揮をしていた雷沼教授をぶん殴ることができるイベントあり。原作の鬱憤をここで思いっきり晴らしたい。
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本作はマルチエンディング制をとっており、漫画版準拠のエンディングもあるのだが……。
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エンディングのネタバレ
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本作では漫画版準拠の滅亡エンディングのほか、原作の雰囲気を残したままうまく人類を救済できるエンディングが用意されており、条件を満たせば見ることができる。
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理由付けも十分しっかりしており、エンディングの一枚絵の完成度も含めて漫画版の読者でも十分納得できる結末になっている。
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総評
漫画版原作をベースにしたストーリーの完成度の高さは、ファミコンソフトという限られた環境ながらも評価は高い。
それだけにもっさりした操作性と複雑な構成のダンジョンのためにハードルが高くなっているのが惜しまれる。
最終更新:2021年02月01日 23:31