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Another Century's Episode:R

【あなざーせんちゅりーずえぴそーど あーる】

ジャンル ロボットアクション

対応機種 プレイステーション3
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 フロム・ソフトウェア
発売日 2010年8月19日
定価 8,379円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 待遇に差がありすぎる参戦作品
マクロス無双(悪い意味で)
肩透かしのストーリー・薄いクロスオーバー
ロックオン関連を中心に過去作から劣化した操作系
最強の敵「Not Skip Movie」
過去のACEと比べてしまうとガッカリゲー
アーマード・コア』ファンへの衝撃のサプライズ
Another Century's Episodeシリーズ


概要

前作『Another Century's Episode 3 THE FINAL』で一旦は完結したシリーズから3年ぶりの新作。
本シリーズは『アーマード・コア』のフロム・ソフトウェアと『スーパーロボット大戦』のバンプレスト(後にバンダイナムコゲームスに吸収合併。現在はバンダイナムコエンターテインメントのブランド)がタッグを組んだことで話題になり、多数の作品から集結したロボットをリアルスケールで操れることや、フロム恒例の「OP詐欺」(無論良い意味で)など細部までこだわった作りこみで人気を博した。
本作はA.C.E.シリーズ初のPS3用ソフトとなり、ストーリーや設定も一新されている*1

発売前

PS2で完結したA.C.Eシリーズの最新作
その一報はゲーム誌に掲載されるやいなや、多くの人々を驚かせた。完結したはずのシリーズの最新作にかつてのファンが喜んだのは勿論、それ以外の層の人々もこのゲームに注目を集めることとなった。
それは、参戦作品が大きくクローズアップされたからである。今までのクロスオーバー系のゲームでは常連とは言えない作品群の参戦に、その作品のファンは大きく心踊らせた。

発表当時、スパロボ未参戦であった『コードギアス』『マクロスF』。据え置きスパロボ未登場だった『フルメタル・パニック!』や、漫画を原作とする『機動戦士クロスボーン・ガンダム』など…。

これらゲームへの露出が少ない作品のファンは歓喜した。しかしシリーズの常連であった『機動戦艦ナデシコ』『ブレンパワード』などのリストラや、ややクオリティの低いグラフィックに不安を感じるファンも少なくなく、そんな多くのファンの期待と不安を集め、この作品は発売された。


問題点:システム

  • この作品は前作から大きく操作法やシステムを変更しており、それによって多くのファンが戸惑うことになった。

歪な難易度曲線

  • システム周りの変化なども含め、前作のプレイヤーにさえ最初のプレイはEASYが推奨されるというほどの難易度。チュートリアルはあるが、それでも操作法に慣れないプレイヤーたちには最初から大きな重荷となってのしかかる。
    • 問題は、序盤戦となる各作品の導入ステージ。大抵の作品は序盤らしい低難度なのだが一部の作品は難易度設定がおかしく、該当作品のファンは最序盤から苦戦を強いられるハメになる。
  • 最初から多くの雑魚に囲まれ、それを掃討したら自機と相性の悪いボスとの戦いとなるクロスボーン編一話「大地に潜む宇宙海賊」や、いきなりチェイスモード(後述)からスタートし、最後は強力な原作ボスとの一騎打ちとなるマクロスゼロ編一話「マヤンの空」とフルメタ編一話「ワン・ナイト・スタンド」*2も初見殺しのオンパレードだが、もっと酷いのはコードギアス編第一話「紅の奇襲作戦」。
    • ギアス編最初の搭乗機・紅蓮可翔式が格闘向きの機体で使いにくいのに加え、かなりの装甲を誇る戦艦を雑魚の猛攻の中何隻も落とさなければならない。しかも戦艦はパーツを順番に破壊しないと撃墜できないのだが、そのことはプレイヤーには説明されない。
    • 戦艦のロックオン箇所は一箇所のみなのだが、ロックオンサイトは破壊可能な箇所を自動的にロックする。そしてそのパーツを破壊すると次の破壊可能パーツにロックが切り替わる仕様になっているので、初見の人には分かりづらい。当然、既に壊したパーツはいくら殴ってもダメージは通らない。
    • 射撃が弱い紅蓮は必然的に戦艦に格闘を仕掛けることになるのだが、攻撃中は無防備で雑魚に撃たれっぱなし。
      そして戦艦含む敵を掃討すると原作通りナイトオブラウンズ3人(スザクのランスロット・コンクエスター、ジノのトリスタン、アーニャのモルドレッド)と3対1を強いられる。この中から一体を倒せばいいのだが、前哨戦で削られた体力と不慣れな機体ではそれも苦行である。つまりは初見殺しと高難度の合わせ技であり、どう考えても初心者には辛い。
    • 共通ルートに入ると選べる機体が増えることもあって難易度は落ち着くのだが、その後も、無限湧きの雑魚の集中砲火をかわしながら、味方の旗艦に接近する高耐久の敵戦艦を何隻も撃沈していかなければならない「騎士達の選択」や、選んだルート次第で使用機体が限定される上に、中ボス戦を含む前哨戦の後に初見殺しの大型ボスとの戦いというイヤらしい構成の「秋夜の果て」「二振りの秋水」など、難度の高いミッションが定期的に襲ってくる。
    • かと思えば、全編チェイスモード、かつ機体の強化具合と選択難易度によってはゲームを完全に放置してもクリアできる「二人の歌姫」や、3体の人型ボスしか出現せず、あるサポート攻撃を使えばあっさりと攻略できる「仮初めの樹」など、難易度の低いミッションがまとまってラストステージ直前に配置されていたりと、全体的に難易度曲線がいびつ。
      • また、「二人の歌姫」は難易度とは別に大きな問題を抱えている。これに関しては後述。

ロックオンシステムの改悪

  • 操作方式が左スティックで自機を動かし、カメラは常に自機の背後へと移動する方式に変更された。
  • それに伴い、右スティックでのロック解除&視点操作が廃止され、好きな方向に一瞬で振り向ける快適な操作性が損なわれた。これが序盤からプレイヤーを戸惑わせる要因の一つになっている。
  • L2ボタンでロックの変更、長押しでロック解除するのだが、敵の大軍の中から一体を選んでロックオンすることは難しい。この作品はマップによるが、敵は『無双シリーズ』のようにウジャウジャ湧いて出てくる。
  • デフォルトでは敵を捉え次第オートロックするため、ゲームを始めるにあたってまず推奨されるのがオートロックのオフ。これで(多少は)改善される。
  • また、一部のミッションでは敵の強力な攻撃に応じて「WARNING」の警告とともに、攻撃しようとしている敵へと、プレイヤーの意志に反して強制的にロックオンが移る。この際プレイヤーがダメージを与えられない背景やオブジェクトにロックオンが移ってしまうこともあり、回避はしやすい反面攻撃の後にまたロックオンをやり直す手間がかかる。

ブースト関連の変更

  • 今作ではブースト関連には大きな調整が入り、主な高速移動手段は回避運動を兼ねる「ステップ」と高速で移動する「ハイパーブースト」の二つに分けられた。
  • しかしどちらの移動手段も少し使いづらさが目立つ仕様になっており、ステップは連続使用回数がパイロットのパラメータで決まるので低レベルだと移動手段には使いにくく、ハイパーブーストは速過ぎる上に小回りがきかず移動中に攻撃することができない。要はどちらも「帯に短し襷に長し」といった塩梅なのだ。
  • しかもハイパーブーストは「ロックオン対象に向けて移動する」性質があり、好きな方向に移動するには「ブースト開始→方向転換」という手順を踏まなければいけない。ロックを解除すれば好きな方向にハイパーブーストできるが、こちらもロック解除の一手間が入ってしまう。

通常射撃&格闘の弱体化

  • 今作では全体的に通常射撃の威力が低めに設定されており、機体によっては雀の涙程度のダメージしか与えられない物もある。
  • また、各機体ごとにメイン射撃が「単発」「ボタンホールドで連射」「タイミングよく目押しすることで連射」の三つのタイプに分けられたのだが、この中の「目押し式」が非常に扱いづらい。
    • 肝心の目押しのタイミングがチュートリアルで一切説明もされないし、ゲーム中で目安となるようなものも一切ない。その為プレイしながら感覚で掴むしかなく、中にはタイミングが非常に測り辛い機体もある。
    • 一応「攻撃を発射したすぐ後を目安にボタンを押せ」という説明はあるが、当てはまらない機体も少なくない。
    • また前述の「ステップ」は左スティック入力+×ボタンで発動するため、目押し連射しながらのステップが非常に厳しい。
  • また、格闘も前作の○ボタンと□ボタンの組み合わせで変化する方式から、レバー入力やディレイ等を組み込んだ格闘ゲームのコマンド入力のような仕様に変更されている。
    • コマンド入力が必要な格闘は「激しく動き回るため、相手に妨害されにくい」「多段ヒットし、テンションを一気に稼げる」など性能が高く設定されており、狙って出せるようになると戦術の幅が広がる。ただ、使い勝手のいい格闘を出すのに複雑なコマンドを必要とする機体が多く、咄嗟に狙った格闘を出すには練習と慣れが必要。
    • 例:[↓↑△]→[↑↓D△]→[↓↑△](Dはディレイを表し、上下の矢印は方向キー入力を表す) ハイスピードな戦闘中にこんなコマンドを入力しろと言われるのは厳しいだろう。
    • かといって格闘連打で出る攻撃はほとんどがその場で連続攻撃するものなので、敵の集中砲火を食らう危険性が高い。
    • 格闘を仕掛けたときに敵も格闘を発動させていた場合、多くの場合こちらが一方的に敵の格闘を食らってしまう。さらにオリジナル敵の幹部が使ってくる大型機も、ある仕様のために格闘攻撃を受け付けにくい(後述)。
  • また機体の格闘モーションが全体的にもっさり気味に調整されており、旧シリーズに比べると格闘中に横槍をもらう危険性が増加している。動作も緩慢になっておりプレイヤーからは「爽快感に欠ける」と不評。

テンションシステム

  • 今作では初の試みとして各機体の武器から弾数が撤廃され、メイン武器と格闘を除く全ての武器は、専用のゲージ「テンション」を消費して発動する形式に一新された。このシステムもどちらかというと否定的な意見が多い。
  • テンションを溜める方法はキャラクターによって「敵機にダメージ・撃破で増加」「時間経過で自然増加」に分かれているが、基本的には攻撃で能動的にゲージ溜めができ、上記の多段ヒット格闘でテンションを稼ぎやすい撃破増加系のほうが立ち回りやすい。
    • ただし撃破増加系は「敵を倒さないとテンションが大きく溜まらない」システム上、ボス戦ではゲージ稼ぎが非常に面倒。多くのボスは取り巻きと同時出現するか破壊可能部位が設定されているためゲージを全く溜められないということはないが、ボスに大技を打ちたければ「前哨戦でテンションを稼ぎ温存しておく」といった工夫が必要となる。
    • 自然増加系は能動的にテンションを溜められないため、大技を出すのに手間がいるという難点が目立つ。ただし、テンション管理の手間が多少省ける点や、撃破増加系とは逆にボス戦、特に後述の大型ボス相手にゲージを利用して立ち回りやすいという利点がある。
  • システム自体の問題ではないが「マクロス系や各種ガンダムなどリアル系の機体がテンションで武器を撃ち放題になる」というのに違和感がある、という意見もある。
    • 従来は使えない武装でもメイン武装が弾切れだった時やお遊び的な意味で使う余地はあったが、今作ではテンションを消費する関係上使ってもデメリットしか存在しないので、これまで以上に使える武装、使えない武装の差が広がった。
    • もっとも批判ばかりではなく、「弾数」というものが無くなったことで「テンションさえ貯まれば強力な武器がバンバン使えて楽しい」という擁護・賛成意見もある。
  • 上記の擁護・賛成意見も前作3では「 機体をフル強化した場合に弾数制限が無くなり撃ち放題になる 」仕様があった事を考えると劣化と言わざるを得ない。ゲージ制に変更する事で単調なゲーム性を変えたかったともとれるが、過去作ファンを納得させる出来とは言えず作り込みの甘さが目立つ点でもある。

チェイスモード

  • 機体の操作が簡略化され、3DSTGのような視点と操作方法に変化する特殊モード。
  • ロックオンなどはなく、ノーロック射撃で敵を撃墜する必要がある。武器は基本の射撃武器しか使えず、飛行形態のある機体はその姿に固定される。
  • しかし「テンポが悪い」「弾がそれて思うように当たらずイライラする」「思ったよりスピード感がない」と不評が目立つ。特に基本射撃武器の性能が死んでいる機体は苦行でしかない。

その他

  • これらの仕様に追い打ちをかけるキーコンフィグ設定不可。
  • クリア済みマップでもそれ以降に取得可能となる機体の使用が解禁されなくなっため、自由度が劣化している。クリアしてどのミッションも選べるようになっても個別シナリオではそちらで定められた機体しか使えず、機体制限のあるミッションの機体制限も撤廃されない。
    • まあ前哨戦を過ぎてシステムへの理解が深まり、機体も強化できるようになってくると、システムへの愚痴はあれどゲームを楽しめるようになってくる。しかし問題はこれだけではない…。

問題点:作品別の扱い編

  • クロスオーバー作品の常として参戦作品の扱いには大小の格差があり、参戦作品の優遇・不遇は激しい。
  • 今作は「同じ世界観かつ、離れた時代のキャラの共演」という組み合わせが多い。
+ 参戦作品一覧
作品名 操作可能キャラクター
オーバーマン・キングゲイナー ゲイナー・サンガ、シンシア・レーン
機動戦士Ζガンダム カミーユ・ビダン、クワトロ・バジーナ、アムロ・レイ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア アムロ・レイ(スポット参戦)
機動戦士クロスボーン・ガンダム キンケドゥ・ナウ、トビア・アロナクス
機動戦士ガンダムSEED DESTINY キラ・ヤマト、アスラン・ザラ、シン・アスカ
超時空世紀オーガス 桂木桂、オルソン・D・ヴェルヌ、アテナ・ヘンダーソン
フルメタル・パニック! 相良宗介、クルツ・ウェーバー、メリッサ・マオ、ボン太くん(『ふもっふ』から参戦)
コードギアス 反逆のルルーシュR2 ルルーシュ・ランペルージ(ゼロとして)、紅月カレン、C.C.、枢木スザク
創聖のアクエリオン アポロ、シリウス・ド・アリシア、シルヴィア・ド・アリシア
ピエール・ヴィエラ、紅麗花、つぐみ・ローゼンマイヤー
ジュン・リー、リーナ・ルーン
マクロスゼロ 工藤シン
マクロスF 早乙女アルト、ミハエル・ブラン、ルカ・アンジェローニ
オズマ・リー、カナリア・ベルシュタイン、クラン・クラン
スーパーロボット大戦OG マサキ・アンドー、リュウセイ・ダテ、キョウスケ・ナンブ
オリジナル オータム・フォー
  • 以下、作品ごとの解説。

マクロスF

  • 今作で最も優遇されている作品。そのため、よく批判の槍玉にあげられる。
    • 他の作品を差し置いて、後半シナリオの実質的な軸となってしまっている。公式ネガキャンとまで言われるほどに超過剰優遇状態。
      • 多くの作品はサブキャラを置いてきたまま異世界に転移してくるのだが(アーガマを置いて転移してきたカミーユたちや、鳥の人と共に転移に巻き込まれたシンなど)、マクロスF勢は母艦であるマクロス・クォーターと共に転移してくる。ここまでならまだわかるのだが…。
      • とあるミッションで入る「キラッ☆」カットインや、異常に多いボーカル曲の収録数、一作品だけ五話ある個別シナリオなど、前半からすでに優遇の兆候が見せ始める。そして後半…
      • 敵の攻撃で異世界からマクロスFの世界に転移し、原作終盤の再現を丸々やるハメになる。クロスオーバーの調理が上手ければ、前作『A.C.E.3』の「アクシズ落としを阻止する各作品の主人公たち」のような熱いシーンになったかもしれないが、原作のトレースで面白みがない。
      • このゲーム最大の敵と揶揄される「N.S.M」(後述)もマクロスF絡みの内容なため、批判を加速させた。
      • NSM程ではないが前述の「キラッ☆」のカットインも、何と戦闘の真っ最中の画面ど真ん中に画面半分を覆う範囲で表示されるため、「戦闘の邪魔」「ウザイ」「イラッ☆」と専らの評判である。
    • ついでに、機体バリエーションも最も多い。確かに多いことはいいことだが、他に比べて圧倒的すぎる。
      • ざっと書くと、マクロスFは新生スカル小隊の面々のVF-25が4機+それらのスーパーパック装備バリエーションで4機+アルトとオズマの機体のアーマードパック付きで2機+クァドラン・レア、アーマードクラン、ケーニッヒモンスターで計13機。
        VF-25のパック装備は基本的に上位互換(ベース機とはほぼ同キャラ)であり、さらに宇宙ステージでしか使えないという制約があるが、コンパチを除いても7機と、参戦機体数としては最も多いことに変わりはない。
      • 少ないところではマクロスゼロが隠し含めて2機、キングゲイナーやスパロボOGが3機。どれだけ多いかおわかりいただけただろうか。
    • このように単に優遇されるならまだしも、それらが明らかに間違った方向に発揮されており、プレイヤーに悪印象を植え付ける結果となっている。実際プレイヤーからは「ここまで来るとむしろ一種のネガキャン」「制作者はマクロスFが嫌いなのか?」という意見が出ており、前述の「公式ネガキャン」と呼称されるに至った。

マクロスゼロ

  • 同じマクロス世界の物語だが、割を食ったのか空気気味。
    • スカル小隊隊長、ロイ・フォッカーの不在。登場するのは個別シナリオの最初だけである。オズマとの時を超えたスカル小隊隊長コンビならず。
    • VF-25のバリエーションの多さに反して、VF-0はゴーストブースター付きの特攻突撃仕様が使えるのは個別シナリオの最初だけで、リアクティブアーマーなどのバリエーション機体にいたっては存在しない。転移した状況が状況なので使えないのは仕方ないことかもしれないが…。
      • 後半で原作を再現した鳥の人との対決シーンがあるのだが、今作の鳥の人は別固体という設定で、サラは不在。シンもそうだが、倒されたイワノフとノーラが不憫でならない。
      • 挙句の果てに、クリア後にはマクロスFの世界に転移してそのままエンディング。シンを彼らしい「飛ぶ」というフレーズを使って励ますアルトとのやり取りや原作にない「サラとの再会」という可能性を提示したエンディングを評価する層もいるものの*3、「投げやり」「元の時間軸に戻れないことへの葛藤がない」など、否定的な意見も少なくない。
      • 使用可能機体数は最も少ない隠し込みでもたった2機。また、フォッカー仕様のVF-0Sが使用可能だが、何故かシンが乗る。ただでさえ少ないのに、序盤で使用可能だった特攻突撃仕様を何故スーパーパックのように使用させてくれなかったのだろうか…?

スパロボOG

  • 正真正銘の空気。発売前の公式アナウンスで「おまけ程度の参戦」と言われていた通り、原作の敵勢力等は一切登場せず、インターミッションでも数える程しか会話が無いなど、もはやスポット参戦の域に達している。
    • 本作の発表当初は登場する事が伏せられていたが、PV第2弾で登場が明らかとなった。
    • 時系列としては『スーパーロボット大戦OG外伝』と『第2次スーパーロボット大戦OG』の間であり、EDでマサキが『スーパーロボット大戦EX』序盤と同じセリフを発することは、後の展開(『第2次OG』)を予感させるものとなっている。

コードギアス 反逆のルルーシュR2

  • 異世界に飛んでいくのはスザクとルルーシュの和解前、原作の「太平洋 奇襲 作戦」から「神虎 輝く 刻」の期間に当たる。
    そのためルルーシュとスザクは和解していないが、敵の攻撃により一時休戦協定を結び、旗艦アヴァロンでアーク・アルファに同行する。
    • でしゃばらない程度に出番は多く、ネタ扱いされがちなルルーシュの有能な面も描写されている。機体もそれなりに網羅しており扱いは決して悪くない。
      しかし、原作においてその時期には登場していなかった番組後半の主役機、「ランスロット・アルビオン」「紅蓮聖天八極式」の扱いには不評の声が大きい。
      • 原作では、その時点でのスザクとカレンの機体はランスロット・コンクエスターと紅蓮可翔式であり、どのようにして二人が原作後半の乗機に乗り換えるのかは発売前から話題となっていたのだが、その実態は中盤のあるミッション攻略に伴い、自動解禁されるというあまりにあっさりしたもの。ロイドやラクシャータが第9世代の技術に言及することもなく、本当に「使えるようになるだけ」である。この雑すぎる扱いには不評の声が相次いだ。
      • C.C.最後の乗機、ランスロット・フロンティアも同様に「ミッション攻略で自動解禁」形式。しかし、原作でも特に重要な機体ではなかったため、主役の2機ほど批判されることは少ない。
    • 一応物語の最後はうまく原作とつないだ終わり方になっている。しかし、最終決戦では主人公を差し置いて大活躍しすぎたという意見もある。
    • また、その終盤ではルルーシュ(ゼロ)の代名詞と言える「ギアス」が活躍するのだが、ギアスを機体(蜃気楼)の視界越しにかけているようにしか見えないシーンがある
      ギアスは「相手の目を直接見ないと発動しない」という制約があり、機体のカメラ越しに命令することはできない。原作ではこの制約から「いかに、狙った相手にギアスで命令できる状況に持ち込むか」という策略が重要だったのだが…。

フルメタル・パニック!及びキングゲイナー、超時空世紀オーガス

  • 一応ストーリーの根幹に関わる設定を持っているのだが、やっぱり空気。
    • オーガスは「特異点という設定を利用するためだけに参戦したのか?」と思ってしまうくらい出番がない。インターミッションでは特異点、特異点と彼らの存在は重要視されるが、いざ本編となるとあまり出番がない。
    • フルメタも同じく、やや出番薄。途中イベントでテッサとかなめが敵にさらわれ、その時は大きく取り沙汰されるのだが、その後は別のイベントでうやむやになってしまい、オーガスの面々と同じく「かなめのウィスパード設定を利用するために~」と邪推してしまう*4
      • また、全作品の中で唯一フルメタとOGのみが「一緒に異世界に飛ばされた敵キャラ」がいないため、影の薄さに拍車をかけている。
    • キングゲイナーも「ブリュンヒルデが時空の歪みに関連する」という着眼点は良かったが、オーガス・フルメタ同様空気感が強い。オーガスの「特異点」やフルメタの「ウィスパード」などのストーリーの根幹に絡む設定が無く、シンシアとの合流も前半で済んでしまうため、先に述べた二作よりも更に存在感がない。
      • 加えてキングゲイナー勢はクロスオーバー期間が作中の前半であり、ゲインの番組中盤からの愛機であるエンペランザが使えず、ガチコは登場するがプレイヤー機としては使えない。ゲインはキングゲイナーの「もう一人の主役」とでも言うべき人気キャラクターであり、プレイアブルで使えないことには不満が多かった。

各ガンダム勢

  • 『SEED DESTINY』は、原作終了後の設定。原作『DESTINY』は非常に混沌とした物語だったので、途中から上手くゲームに組み込むのは難しかったのだろうか?
  • 原作終了後という事でシンは普通に親しくキラやアスランと話している。分かりにくい発言や暴言が綺麗になくなり、まともなキャラになっており概ね好評。
  • 『Ζ』は「キリマンジャロの嵐」のあたり。同話で戦ったヤザンは登場するが、カミーユの名ライバルであるジェリドやラスボス・シロッコは登場せず、人気キャラのハマーン様もいない。
  • 『クロスボーン』は原作における21~23話「緑の激戦地」「大地に死の風は吹くか?」から本作オリジナルの展開へと派生する。そのためクロスボーンガンダムX1は改装済みであり、X1改として参戦している。
    • やはりというかガンダム勢は全員、見事に空気である。クロスボーンには死の旋風隊との再戦があるが、どうも大きなイベントとしては力不足な感は否めない。
    • 『DESTINY』は先述の通り本編の後なので、敵となるライバルキャラがいない。そのため名無しパイロットのデストロイガンダムがその役を務めている。このため他のガンダム2作品に比べてさらに空気感が強まってしまっている。*5
    • ただ、オータム・「フォー」に反応するカミーユやシンの「運命を切り開く」というオリジナル台詞、『クロスボーン』の名台詞をアレンジして引用するなど悪くないものも多い。
    • 原作がストーリーの途中の『Ζ』と『クロスボーン』はうかつに大ボスを出して異世界で決着をつけるわけにはいかなかったのが、つくづく悔やまれる。
    • 余談だが、本作のインタビューで「クワトロは裏切りません」と『スーパーロボット大戦MX』同様に事前アナウンスされたのは有名。

創聖のアクエリオン

  • 設定の根幹に関わり、かつ空気化を免れるというそこそこのポジションに付いた。
    • 原作通りパイロットによって使用できる技が細かく変わるなど、原作再現面も上々。また不動GENは相変わらずの名言メーカーなので原作ファンには嬉しい要素。

シナリオそのものの評価

  • シナリオは大雑把に言うと
    • 各作品のキャラクターが謎の転移現象により、物語の舞台である「惑星エリア」に集結、オリジナルキャラでこの作品そのものの主人公のポジションにあるオータム・フォーと旗艦アーク・アルファに合流し、この世界の異変を探るという個別シナリオ~前半
    • 黒幕が暗躍し始め、主人公たちは元の世界への帰還手段と打倒黒幕を目指し行動するという中盤
    • そしてこの星の歴史と黒幕の真の意図を知った主人公たちが敵の攻撃で一旦マクロスの世界に転移、マクロスFのシナリオをなぞった後にラスボスと対決する終盤に分けられる。
  • 正直シナリオは期待するとがっかりするレベルである。この手のクロスオーバーものに付き物な、原作再現シナリオもほとんど存在しない。
    • ゲームオリジナルの主人公ポジションに当たるオータム・フォーは、記憶喪失の設定を生かしきれていない。劇中でもキャラに「都合のいい記憶喪失」と言われてしまうほど。物語自体がそんなに長くないので、記憶喪失のギミックが生きていないのだ。
    • 具体的には、中盤の記憶回復イベントまでは「主人公たちがピンチになる」→「オータムの記憶と本来の力(の一部)が戻ってピンチを脱出するが、謎を解く手がかりになるような記憶は封印されたまま」という流れを二回ほど繰り返す。
    • 彼女自身は沢城みゆき氏の演技もあって可愛らしい面も多く、魅力的なキャラなのだがシナリオ的には生かしきれていない感が強い。
    • 敵キャラの設定もやや定番気味。いわゆる「テンプレ」気味(武人肌の筋肉男、無邪気で残虐な幼女、コピーである主人公を抹消しようとするオリジナルなど)なのは否めない。それがいいという声もあるが…。
    • クロスオーバー要素も少ない。ちょくちょく小さなクロスオーバーはするのだが、見物と言えるようなクロスオーバーは殆ど無い。
      • 一応これは「A.C.Eシリーズ自体、ストーリーやクロスオーバーを目的としたゲームではないから」という擁護意見もある。
      • ただし、シナリオのクオリティはシリーズを追うごとに上がっており、前作『A.C.E.3』はシナリオゲーとしてもそれなりの評価を下せる出来だっただけに、さらなる飛躍を期待したファンをガッカリさせたこともまた事実であった。
+ 前作との関連
  • 惑星エリアは「別の世界の地球」からの移民が住んでいた星であったが、アグレッサーと呼ばれる宇宙から攻めてくる敵に悩まされていた。そこでエリアの住民は「ACEシステム」と呼ばれる惑星の防護システムを構築。惑星全体を覆う巨大な外殻とイコンと呼ばれる防衛兵器群を建造、そしてそれを管理する「シーズン」と呼ばれるアンドロイドを作り上げた。
  • ところが、シーズンたちはある日人類に反乱を起こす。既に人類の創り上げた兵器はシーズンに管理されており、手も足も出なくなった人類は、平行世界へのジャンプを可能とする装置「バルドナ・ドライブ」とそれを搭載した人型兵器「アルファート」、及びその運用のための母艦「アーク・アルファ」、そしてその管理用アンドロイドである「オータム・フォー」を作り上げ「平行世界への脱出」を最後の希望とするも、人類は滅んでしまったのである。
  • なお、『ACE3』に登場したシステムと同名のバルドナドライブについては原理以外掘り下げられない。原理自体も時空干渉可能な粒子を利用して、転移可能な存在にアクセスして時空間ゲートを開くもので、『ACE3』のバルドナドライブを単機で発動できるようにしたものといえる。住人であるオータムが(記憶喪失状態だが)地球の存在を知らず、この星が地球でない証拠がほとんど提示されないため、『ACE3』とのつながりがあるかは不明である。
    • 唯一、「星の運行などが違う」という証言があるが、この星の天体情報はある理由から当てにならないため、結局詳細は闇の中である。
  • EDではさりげなくスプリング・ワンだけが生き残っている(機体が写り込む)。『OG外伝』のデスピニスといいSRチームは幼女が好きなのだろうか?



問題点:演出など

演出も十全とは言いがたい。

  • 前作のフルボイスからパートボイスに変更され、アクションパートとその合間のムービーのみにボイスが入るようになった。インターミッションでの会話がボイス無しとなり、この点は単純に前作から劣化している。
  • グラフィックはせいぜいPS2以上PS3未満レベルで、PS3のスペックを生かしきれていない。
    • ただ、目につくほど汚いわけではない。オーガスのコクピット内までちゃんと描かれているなど、悪いわけではないのだが…。
    • ユニットビューアでは味方の機体しか閲覧できない。そのため敵のオーバーマンやKMFなどはさっぱり外見がわからない。3Dモデルの完成度が高いだけに惜し過ぎる。
  • 攻撃演出も全体的に地味。マクロスF系機体の乱れ飛ぶミサイルやΖガンダムの巨大ビームサーベルなどそれなりに派手なものもあるが、過去のACE3部作と比べてもモーションが全体的にもっさりしているのも相まって地味さは拭えない。
    • 特に酷いのが蜃気楼の「拡散構造相転移砲」。原作では「射出したプリズムに向かって蜃気楼がビームを放ち、放ったビームがプリズムで全方位に拡散し同時に多数の敵を撃破する」という蜃気楼を象徴する大技であったはずが、今作では耳障りな金属音めいた音とともに小さい粒弾を一定時間周囲に撒き散らすという原作再現を放り投げたダサい技になってしまっている。全方位に散る粒弾はミサイルのように誘導するわけでもなく、原作初陣のように敵を一掃するなど夢のまた夢である。
  • 各機体には「バースト」という強力な攻撃が搭載されているのだが、エフェクトは通常の射撃とほとんど同じ。実用性という点を考えればそれでも問題はないのだが、あまりに演出がショボすぎて肩透かし。
  • また、全機体共通でバーストと対をなす格闘系の乱舞必殺技「リミットブレイク」が搭載されているのだが、どの機体も動作がこぢんまりしていたり、派手さや演出に欠け、あまりかっこいいとは言えない。子どもが駄々をこねているようにしか見えないモーションの機体もある。流用も多め。
  • また、前三部作の目玉の一つだった「コンビネーションアタック」が削除された。
    • これを引き継ぐように、一部の僚機がサポート攻撃として「マルチショット」を始めとする演出系の技を持つようになったが、これはすべて「プレイヤーのチームが陣形を組み、適当に並んだ敵機を順番に攻撃する」というお粗末なもの。この際、『フルメタ』のASのような地上で活動する機体も敵味方問わず空中に引っ張り出されるため、まるで空中に立っているような不自然極まりない絵面になってしまう。
    • 機体の組み合わせで特殊な攻撃が発動したり演出が入ったりはしない。『A.C.E.3』では原作内で存在した組み合わせはおろか、作品の垣根を越えて特殊な攻撃や演出が発生していた為、それらの削除は多くのプレイヤーを落胆させた。
      • ゲイナー・レントン・ガロードの「恋する少年達」や、ギンガナムと東方不敗の「Wフィンガー」、フォッカー・アムロ・ホランドの「リーダートリオ」など、原作ファンをクスッとさせるコンビネーションネタが無いのは残念。
  • 他にも「会話のムービーが長々と続いてテンポを阻害する」という問題がある。
    • アクションゲームでありながらムービー中の会話テキストが下手なSLG並に長く、かつフルボイスで喋るためテンポが非常に悪い。しかもムービー中は敵味方共に棒立ちで会話している事が多いため見た目的にもかなり不自然。後半のムービーは特に顕著。
    • この点はスパロボでの会話イベントの方式をそのまんまアクションゲームに当て嵌めてしまったが為に、この様な見栄えの悪い出来になってしまったとの推測がある。
    • 「ムービーを見るのは一周目だけ、二周目は作品個別のムービーだけ見てあとは飛ばせばいい」と考えるかもしれない。だが、このゲームはそんなプレイヤーの生ぬるい考えをたやすく否定する。

最強の敵 N.S.M.

  • プレイヤーから「このゲーム最強の敵」と揶揄される「N.S.M」が、上記のプレイヤーの考えの前に立ちふさがる。
    • これはスキップ不能のムービー「Not Skip Movie」の頭文字と『マクロスF』に登場する民間軍事プロバイダー「S.M.S」をかけたスラングで、即ち「ムービーこそが最強の敵」というネタである。
    • NSMはゲーム序盤の個別シナリオで出現する他、ゲーム後半でプレイヤーにその牙を向く。
  • ちなみに当初ネットで使用した際は別にS.M.Sにかけているつもりはまったく無く、余りの酷さに話題に上げまくるものの「Not Skip Movie」といちいち書くのが面倒だったのでただ単に『NSM』と略して書いただけである。
    • そこから、「何の略だか言われなくても解るのが悲しい」と拡散していき、いつの間にか、響きが似てる&後述の「二人の歌姫」の影響もあってS.M.Sにかけて『N.S.M』と表記されるようになった。

最強(狂)のNSM「二人の歌姫」

  • 最強最悪のN.S.Mとして名高いのは、ゲーム後半のマクロスF最終話を模したミッション「二人の歌姫」。このミッションは全編チェイスモードで構成されているのだが、ミッション開始前やチェイスの合間にムービーが挿入され、それらのムービーは全てスキップできず、とても長い。
    • それでいてチェイスモードも前述の仕様ゆえストレスが溜まる。他のチェイスモードにはボタン連打で敵の拘束を振り切るシーンがある場合もあるのだが、二人の歌姫にはそれすらない。ステージの難易度ははっきりいって 「一切操作しなくても勝手にクリアできている」 ほど低い。まさに「見て楽しめ」と言わんばかりのステージである。
    • その癖バトル・ギャラクシーとバジュラ女王は倒せずムービーで処理される。マクロスのステージなのに…
    • それらを全て含めて、このミッションひとつに約13分かかる。軽い食事が済んでしまうし、ちょっとコンビニにだって行ける。それ故、プレイヤーの間ではそれらが正しい攻略法としてネタにされていた。
  • これが、周回プレイを阻む最大の壁となる。勿論、プレイヤーのやる気を削ぐという意味で。
  • しかもこのステージには原因不明のフリーズが発生する危険がある。PS3本体にフリーズの条件が依存しているのか、発生する人としない人に分かれたがその報告数は多く、このステージを最強最悪たらしめる一因となってしまっている。
  • 挙句の果てには、トロフィーの入手条件の一つが、このミッションを隠しを含む選択可能な機体「全て」でクリアしろというものがある。全作品合わせて数十機にも及ぶ全ての機体で、である*6。当然獲得するとなると凄まじく時間がかかり、しかもステージ自体やる事も少ないため、もはやプレイが苦痛の領域に達する。
    • 一応必須条件ではなく、トロフィーの入手は自由意思なので放置したい人は放置していいのだが…。

ボスキャラに関して

  • シナリオの途中で、オリジナルキャラクターが搭乗する大型ボスと戦う事になるが、攻略法に問題がある。
  • どの大型ボスも共通して「各部位の弱点を破壊」→「剥き出しになったコアに攻撃を仕掛ける」→「一定時間で部位が復活するので、再び部位を攻撃してコアを攻撃」という手順を繰り返すというアクションゲームにありがちなものなのだが…。
    • 前述した劣悪なロックオンシステムと操作法のお陰で、思うように弱点を狙えずストレスが溜まる。破壊可能な部位が復活することのないジオスタンドコアはともかく、シースタンドコア・エアスタンドコアは破壊可能な部位が一定時間で復活するため、すぐにコアをロックオンできない。
    • またコアは一定時間経つと閉じられてしまうので、テンションゲージが溜まっていないと機体によっては貧弱な通常射撃でチマチマ削るしかなくこちらもストレスが溜まる。
    • さらに、この手のボスはコア・部位ともに無限拳、アカシックバスター、サポートアタックなどのムービー付きで攻撃する技は一切効かない。それどころか発動すると演出ムービーだけ流れ、テンションも消費する。
    • 上記二つはプレイヤースキル次第である程度回避可能だが、それとは別の問題として、大型ボスに接触すると大きく弾き飛ばされるという謎の仕様がある(通称トランポリン)。この為格闘が仕掛けにくくなっており、更には多段ヒットするはずの攻撃も何故か1回しかヒットしない。格闘主体の機体で挑むと泣きを見る羽目になる。このシリーズ自体格闘機体への不遇が顕著だったが、ここで更に増してしまった。

敵デザインに関して

  • 当初はいかにも機械然とした敵が、ウィンター配下のイコンのみ生物、特に昆虫を連想させるフォルムになっている。後半に登場する敵の母艦は明らかに昆虫のようなアゴが付いているし、敵もぎょろりとした目玉のついた、昆虫の出来損ないのような敵などが現れる。整合性や世界観はどこに行ったのだろうか…。
    • これに関しては、「4人いる敵幹部がそれぞれ惑星の別のエリアを支配している」という設定があるものの、他の3名に共通点があってウィンターだけ違うのは奇妙。
+ ラスボスのデザイン
  • 敵の中枢である「ACEコア」も、ウィンター配下の機体とは異なるベクトルではあるが後半以前の敵勢力とは全く異なる異形のデザインになっている。その姿は簡単に言えば「円形の胴体の上に彫像のような人間の顔が乗っかった、隻腕の上半身だけの異形」。全身にあしらわれた骸骨めいた意匠も相まって、どう見ても「人類を守るシステムの中枢」には見えない。どちらかと言えばデビルメイクライとかのノリである。

問題点・その他

操作機体について

  • 以前の作品と比べて大幅に少ない。一作目と比べても減少している。
  • 隠し機体は出現条件がすべて周回の総勢14機。しかも、全機体を出そうと思ったら11回NSMと戦わねばならない。
    • そんな苦労して出した隠し機体も、既存機種のコンパチが半分以上。
    • 例えば「宗介仕様のM9」は「アルとラムダドライバのない劣化アーバレスト」で、「クロスボーンガンダムX1」は「微妙にX1改からパラメータが変わり、スクリューウェッブがシザーアンカーに変わっただけ」。こういう機体が7周目以降も平然と出てくるのである。
  • かつてのACEだと「敵機体が隠し機体として使える」などのサプライズがあったが、今作にはない。敵機体が使えないのは公式のアナウンスでそれとなく仄めかされてはいたのだが、やはりそういったサプライズがないのは痛い。

機体の格差問題

  • A.C.Eシリーズ恒例の問題だが、使える機体と使えない機体の差が激しい。
    • 全体的にマクロス・オーガス系のユニットが強力。原因は搭載武装のミサイルで、これが最低のテンション消費(1消費)に見合わない強さを誇るため。
      • ミサイルは原作通り、多数の敵をロックオンして攻撃できるマルチロック武器だが、単一の敵を複数ロックして発射することで使用テンションに見合わない威力をたたき出せる。このせいで「雑魚を散らしてテンションを稼ぐ→ミサイルを撃つ→ミサイルが敵を撃破してテンションが溜まる→その溜まったテンションでミサイル~」のループが成立してしまう。追尾能力もあるので命中率も高い。
      • 宇宙でしか使えないが、アルト・オズマのアーマードバルキリーに至っては原作通り大量のミサイルを発射できるため、ミサイルのヒット数次第で多くのテンションを回収できる。このため、上記のミサイル無限ループが成立しやすい。
    • 他にも「SEED発動」で機体性能を強化でき、ドラグーンがよろけ属性付きなので人型ボスの行動をほぼ封じてハメ殺し状態にでき、さらにSEED発動中はテンション1で多くの敵を攻撃できるハイマットフルバーストが使えるストライクフリーダム、同じく「オーバースキル・加速」で原作通り自機を強化でき、拡散手投げ弾をフルヒットさせればボスに対してもコンスタントに高火力を発揮できるキングゲイナー、格闘が多段ヒットするおかげでテンションが溜めやすく、必中必殺技のアカシックバスターや範囲攻撃のサイフラッシュを持つサイバスターなど、強い機体はとことん強い。射撃に重きをおいた機体が強い傾向にある。
    • だが使いものにならない機体や使いにくい機体もまた多く、射撃武器がガンポッドしかなくゴーストも使えないRVF-25*7や、あらゆる武器の性能が低水準かつ使いにくい上に耐久力も低いと、隙のない弱さで原作ファンに涙を流させた蜃気楼、格闘は強いが、格闘以外の武装が軒並み弱いか、使いにくいものしかないクロスボーン・ガンダムX3など、使い込もうと思ったらめげない心が必要、とまで言われる機体も少なくない。
    • アクエリオンは各ベクターマシンを全て出撃させないと合体しない。全機出撃させないとベクターマシンのまま戦うことに*8。つまり、アクエリオンを出撃させると僚機なしと同じ状態になる。アクエリオンと同じく異なる3機のマシンが合体する形となる前作の真ゲッターは普通に使えたのに…。
      • また、各形態ごとにHPが処理される影響で、それぞれの形態のHPが他の機体に比べ明らかに低い。機体が大きく回避しにくいのとあわせて機体が脆い。僚機もなくサポートもないので集中攻撃をうけるとあっという間にHPが減る。
      • 更に、原作ではメインの形態であるはずのソーラーアクエリオンが他の形態に比べ明らかに使いにくい。格闘・メイン射撃ともに使い勝手が悪い。覚醒後に使える無限拳はテンション消費1で必中と強いのだが、覚醒には消費5と大量のテンションを消費する。初期の状態では覚醒するだけで息切れしてしまう。他形態で戦おうにも覚醒後に形態変化すると覚醒は解除されてしまうのでソーラーのまま戦うしかない。
      • 唯一の救いはアクエリオンルナ。メイン射撃の使い勝手が良く、範囲・威力共に優秀なムーンサルトアタックが消費2で使えるため雑魚戦もボス戦も楽に対応できる*9
    • 尚、今回バルキリー系列の機体は三つの形態がどれも癖がある仕様になっており*10、形態を使い分ける必要があるのだが普通のユニットの機動特性を、それぞれハンデをつけて三つに分けただけ。それは差別化とは言わない。
    • また、本作の宇宙ステージは個別シナリオを除くと後半の最終ステージを含む数ステージしかないにもかかわらず、宇宙でしか出撃できない機体がいることにも不満の声が多い。
    • 逆に、ボン太くんは宇宙でも活動可能である。ボン太くんはぬいぐるみのはずなのだが…中の人が宇宙服でも着ているのだろうか?

その他

  • ゲームの進行を阻害したり、ゲームバランスを破壊するような極端なバグはないが、ある条件を満たすことで強化ポイントをMAXに出来てしまう重大なバグがある。
    • もっともこれは前述のゲームバランスと、操作自体もごく簡単な条件さえ満たせば知っている者なら誰でも簡単に再現できるような代物であるため、概ね「フル強化してゴリ押しで進めるための救済策」として捉えられている。
      • しかしこれを使用し始めてからフリーズが増えたとの報告も少なくないので油断は禁物。

評価点

  • シナリオの優遇・不遇はあれど、やはりこれまでのシリーズで登場していない機体を操れることは純粋に嬉しい。
    • ギアス・フルメタ・オーガスの機体や、SRW出典のサイバスターやアルトアイゼンがフル3Dで操作可能となったのは本作が初。当時ギアスのKMFやフルメタのASが自分の手で操縦できるゲームもこれ一本のみだった。
    • 発売前から危惧されていた問題として「地上戦主体のフルメタ勢や、飛行機能を搭載していないKMFはおいてけぼりにされるんじゃないか?」という問題があったが、一部のミッションを除き、彼ら地上戦主体の機体も独自のアクションを活かしてほぼ飛行可能な機体と対等に渡り合える。
  • セレクトタイトルの導入
    • 従来のA.C.E.シリーズではストーリーモードが進むごとに機体やパイロットが順次仲間になるシステムだったが、今作ではゲームスタート後に本作に参加する11作品の中から1作品を選択することで、各作品ごとに異なる第1話が開始するようになっている。様々な作品のスタートから集束していくルート展開は、これまでのシリーズと比べて好きな作品でのスタートからプレイできる事から良い評価を得ている。
  • 味方AIの性能向上
    • 前作では、ほぼ空気であったりコンビネーション要因でしかなかった僚機だったが、本作ではボスすら落とすほど積極的に攻撃してくれるようになったため、仲間と共に戦っている感じが強く受けられるようになった。
  • ボーカル曲はマクロスFのみになってしまっているが、本作にはPS3本体に取り込んである音楽をゲーム中で使用することができるカスタムBGM機能がある。
    • この機能を使えば実質、好きなBGMで本編を楽しむことが可能。
    • またオリジナル曲も全体的に良質。例を挙げればメニュー画面(機体選択時)のBGMなどが特に評価が高い。
  • 意外なキャラクター、そして機体が使える。
    • 「ボン太くん」をはじめ、小説版逆襲のシャアにのみ登場する「Hi-νガンダム」、原作では一話限りの活躍だが人気の高い、バルキリーの武装を纏った巨人サイズのクラン・クラン、通称「アーマード・クラン」やキングゲイナーのかつての姿「XAN-斬-」が使用可能。特にXANが操作できるのは現在、本作だけである。
    • そして、ラストステージではある条件を満たすことでアーマード・コアシリーズからナインボール・セラフが肩に追加パーツを装備してゲストとして登場。さらに条件を満たせばある1ステージのみだがプレイヤーがセラフを操作できる。この手のクロスオーバーゲームへの参戦を全くしてこなかったACシリーズからの予想だにしない隠しキャラは、多くのフロムファンを震撼させた。
    • セラフ自体に台詞はないが、登場時のウィンターの「行け!イレギュラー共を倒せ!」という台詞からフロムの愛が窺える。*11
    • しかも、このセラフはクリアする度に黒い「量産機」のナインボール・セラフが追加されていく。
  • ボイスが優秀。
    • 序盤しか出番のない端役ですら原作どおりの配役で登場している。声優への演技指導も行き届いているのか、気合の抜けたボイスはない。そのため異なる作品のキャラが一堂に会しているという雰囲気が強く出ている。
  • 前作のACE3では異なる版権キャラ同士が雑多な会話をする事がめっきり減り、ホランドやジャミル等による指示や事後報告が圧倒的に多かったのだが、今作ではSRプロデュースチームが制作に関わった事もあり、シナリオが大幅に増量され、インターミッションや合間のムービーでの掛け合いが増加した。
    しかし、シナリオの増量と引き換えにインターミッション時に音声が無く、前述の通り合間のムービーが長時間となってしまった問題点もある。
  • 相変わらず、実写調のOPムービーの出来は素晴らしいの一言。主題歌『Re:Birth』も重なって非常にカッコいいので、各作品のファンなら必見。
  • また、慣れればアクションゲームとして普通に楽しめる。破綻している部分はない。

総評

クソゲーではないが、駄作といわれても致し方ない作品。
過去の『A.C.E』を知らないプレイヤーからは「みんなが言うほど悪くない」という意見はちらほら出ており「出来は致命的には悪くないのだが、過去のACEのプレイヤー及びやりこみ派には物足りない出来」という評価が固まりつつある。
癖のあるシステムやNSMや周回プレイへの覚悟さえあれば、ギアスやマクロスFやアクエリオンのファンなら買って損はないかもしれない。
それらの作品以外が好き、あるいはそれらの作品にあまり良い印象を持っていない人にとってはあまり満足できる内容とは言えないかもしれないが、サプライズ参戦したナインボール・セラフのために買うという選択もあるだろう。

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最終更新:2023年08月20日 01:33

*1 一応、PS2三部作との関連を匂わせるワードがないことはない。

*2 マクロスゼロ編は鳥の人、フルメタはタクマのベヘモス。

*3 原作のシンは「鳥の人との戦闘中に行方不明」という結末を迎えている。

*4 しかもゲーム内でのウィスパードの描写は、原作ファンからすればやや疑問を感じるようなものになっている

*5 もっとも原作『DESTINY』は「ラスボスは誰か」という議論が諸々の事情で難しいため、このような形になったともとれる

*6 ちなみに、使用不可能な機体はムービーで出番があるケーニッヒモンスターのみ。ボン太くんすら使用可能

*7 スーパーパックを装備するとゴーストとミサイルが解禁され、一転して強力な機体になるが、後半~終盤の宇宙ステージでしかスーパーパック装備は使えない。

*8 当然ベクターマシンでは戦力にならない。しかもサポートも使用不可。

*9 ただし天井があるステージではムーンサルトは使えない。

*10 ファイターは操縦法が特殊、ガウォークは小回りが利くがハイパーブースト不能、バトロイドは飛行不可能で鈍重。

*11 このイレギュラーとはアーマード・コアシリーズにおいて世界のバランスを覆しかねない存在の事を指している。そして今作に登場するナインボール・セラフは、実際に主人公がイレギュラー認定されたマスターオブアリーナにおいて主人公の前に立ちはだかる敵として凄まじい存在感と共に登場した。