パワプロクンポケット12

【ぱわぷろくんぽけっとじゅうに】

ジャンル 野球バラエティ

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)
発売日 2009年12月3日
定価 5,250円
廉価版 ベストセレクション:2010年7月15日/1,980円
判定 なし
ポイント 表・裏共にバグが多い
ネトゲで野球。遂に現実で野球しなくなった
ネトゲ廃人の愉快な仲間達(彼女候補含む)
11』に引き続き過去作キャラの同窓会
やはり賛否両論のストーリー
癖のあるゲームバランス
トラウマの一つメロンパンEND
裏サクセスの世界観は相変わらず好評
パワプロクンポケットシリーズリンク

概要

  • 本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの13作目(外伝のダッシュは含み、リメイクの『1・2』を除いてカウント)。
    • キャッチコピーは「めちゃめちゃ遊べるプロ野球ゲーム!」
    • パワポケシリーズで唯一ベストセレクション(廉価版。以下ベスト版)が出ており、後述のバグが改善されている。
    • 初心者でも簡単に打撃操作が出来る「フルダケ」が登場。
      • 表サクセスは「電脳野球編」。ネット野球ゲーム「ハッピースタジアム」で敗北した人間をネットの中に引きずり込むホラー事件に立ち向かう。
      • 裏サクセスは「秘密結社編」。中世をベースにした人間と魔族の戦いと闇を描いたダークファンタジーRPG。

ストーリー

  • 表サクセス「電脳野球編」
    主人公は小学生から大学生までずっと野球をやっていたが、プロ入りはできず一般企業に就職しようとしていた。ところが内定先だった会社が倒産。就職先が見つからず、フリーターとなってしまう。
    そんな折、大学時代の先輩からとあるネットゲームを進められるがその先輩が突如失踪、またそのゲームをプレイしていたルームメイトがパソコンに取り込まれる現場を目撃してしまう。
    行方不明となった先輩と友人を探す為、主人公は現実と慣れないネットの世界を駆けずり回り、ゲームの謎を追っていくこととなる。
  • 裏「秘密結社編」
    突如謎の飛行城が現れた田舎町を舞台に、世界を守る秘密結社の戦いを描く、クエスト型ファンタジーRPG。

追加点、変更点

  • グラフィックの向上、演出強化など野球パートをより進化させようとしている。
  • 前作の「ロックオン2」がただ振るだけでミートカーソルを気にしなくていい「フルダケ」が追加。
    • 初心者でもかなり打ちやすくなったが、ストライクゾーンが非表示でボール球の見極めが難しくなっており見極めの戦略性は残っている。
    • 表サクセスでも「フルダケ」に変更可能。ただし能力値は低くなるのでストーリーを楽しむ際や初心者向けのシステムである。
  • 『10』『11』にあった野球センスが廃止された。
  • スローボールでもコントロールが影響するようになった。
  • 『11』ではパワポケポイントで伏線回収の追加イベントを購入したが、本作では3人以上選手を表サクセスで登録すると最初に「事件の真相」を知るか否か選ぶシステムとなった。
  • グッピーで全選手をアレンジチームとして登録する事が出来るようになった。その他、試合数が増えたりするなどの調整が行われた。
  • パワポケPモードが廃止されそれぞれのモードでパワポケPを使うようになった。
    • ニンテンドーDSiに搭載されているカメラを使って撮影した写真をミニ顔として使用できるようになった。
    • Wi-Fi通信で選手をダウンロードできるようになった。現在はダウンロード不可能。
  • 新しい特殊能力が追加された。
    • その中に「サブポジ○」「サブポジ△」があるが初期版には重大なバグがある(詳細は後述)

表サクセス「電脳野球編」の特徴

  • 3』『6』『9』に続いて4度目のアマチュア野球編。
    • 本作の主人公は「就職活動に失敗(面接に受かったものの大学卒業直後に会社が倒産)したフリーターの主人公がネトゲ野球でホラー事件を解決する」というもの。
  • 『3』のようにアルバイトでお金を稼いだり「信用度」を稼いでいく。
    • 現実世界と電脳世界の2箇所をうろつく事が出来る。
      • 本作の表サクセスは野球ゲームらしさをイメージしたのか、「パワプロ君」の体型が初代パワプロ'94のようにずんぐり太った体型である。
  • チームメイトが彼女候補を務める人数の数はパワポケでも歴代一位の(4名)である。
    • 厳密には『9』のミニサクセスに次いで2度目だが、本編で野球をしない表サクセスはパワポケでも本作のみ。
    • 余談だが「心」ゲージをミニサクセスから引き継いでおり、また本作の主人公はミニサクセスの主人公と同年代とも言われている。
    • 主人公本人は小学生から大学まで野球を続けており、着る必要もないのにいつものユニフォームに身にまとっている経験者で、EDの一つには「高校の野球部のコーチとして雇われる」というものもある。

問題点

バグ・仕様削除

  • 新得能「サブポジ○」を持った選手がメインポジションを守ると守備能力が激減する。
    • 不幸中の幸いで、表サクセスでは主人公以外には影響がない。
    • 8』の野手登録バグに匹敵するシリーズ最悪クラスのバグである。KONAMIはソフト交換でのバグ修正(現在は終了)を行ったほか、ベスト版でバグ修正を行われている。
  • 一部選手の登録名とウグイスコール・実況が異なる人物が居る。
  • アレンジチームでペナントを行うと数試合後に選手がCOMチームと全員入れ替わる。
  • 野球パートでのバグはどれも不具合ばかりだが、裏サクセスにも「全クエスト出現バグ」が存在するがこちらは賛否両論になっている。なおこのバグもベスト版では修正されている。
  • 初代』から任天堂据え置きハードの『パワプロ』にパスワードで選手を送れる互換性があったが、任天堂据え置きの『パワプロ』が『実況パワフルプロ野球NEXT』で打ち切りになったため、本作から『パワプロ』への選手互換性も同時に打ち切られてしまった。
    • 任天堂据え置きではないPS3やPSPの『実況パワフルプロ野球2010』には本作の選手が送れず、互換性がない。

表サクセス

  • 序盤の展開を上手く抜けないと「逮捕」されるバッドEDになるが、慣れるまで抜けるのが大変。
    • 「うろつき」で情報を集める必要があるので序盤のプレイスタイルが束縛されがち。
    • 生活費と月末の家賃代が足りないと「心」と「信用度」が大幅に下がってしまう。これらがゼロになると実家へ帰る事になる。
    • 信用度は序盤の「逮捕」を回避して渦木刑事と手を組むにはそれなりに必要な上、EDで主人公が就職できるかどうかにも関わってくる。また浅井漣のシナリオでは信用度の調整がアルバムの為に必須。
      • このため序盤はうろつきとバイトにいそしみ、予選の賞金が入る頃にようやく「(ネットで)練習」する余裕が出来る事になる。
  • 本作は実質4か月弱の出来事(4月下旬~9月1日まで)であるためか育成期間が短く感じる。
    • 更にサイデン・BARU・ウズキといった仲間達と出会って、他の仲間(彼女キャラ含む)を集めることが出来るのが6月。本格的に動けるのは実質3ヶ月という事になる。
    • 初戦のマナーの悪い「ネットセイバーズ」との試合はサイデンとBARUの助力もあるのだが、大半の仲間選手がNPCという状況から始まってしまう。それもデンノーズのNPCは「投手1」「野手2」など素っ気のないキャラ。
    • このNPCキャラは野手の仲間キャラを全員集めきらないとどこかに入り込む。
  • 序盤を切り抜けても後半になると仲間のミーナの紹介で「デウエス(敵)の敵」としてジオットという男から情報を得て、とある場所をうろつく必要がある。期間中にそこへ向かわなければ逮捕END。
    • ジオットは普通のルートだと主人公にちょっとおごらせる程度の掴みどころのない男なのだが、とある彼女キャラのBADエンドにおいてはトラウマレベルの「狂気」を見せるため周回プレイしていると彼の協力を得る事が複雑に感じる可能性もある。
    • また全体的にミニゲームの難易度は高い。イベント上、敗北が許されない強制ミニゲームが2つあるので練習が必要。
  • 「うろつき」で仲間キャラや彼女キャラのイベントが起こらず汎用イベント(ただ練習したり体力が回復したりだけで終わる)ことがやや高い。
  • 『11』のように過去作キャラの登場が多く、新規には分かりにくい部分が多い。

賛否両論点

野球のバランス

  • ミートが強い。
    • 「統一球をいち早く導入した」と揶揄されるほどボールは飛ばないがミートで打てばヒットは出る。強振が弱いがミートは強く、内野を抜けやすい。
    • これまでのパワポケシリーズのアクション野球は軒並み強振が強かったので、ミートが基本戦術となるバランス自体は悪いものではない。ただし、本作の場合はミートが強すぎる。
  • パワポケポイントのためにサクセスで作った選手を潰してポイントを多めに入手する事が出来なくなった。
    • ただし選手登録した上でもらえるポイント自体は増えている。
    • 本作は『13』『14』の裏サクセスと違って裏サクセスで選手を作るまで時間がかかる。

表サクセス「電脳野球編」

  • 野球するもののゲーム内という設定。遂に(現実で)野球をしなくなった。
    • この「遂に野球をしなくなった」設定が賛否両論の最大の原因と言われている。
    • 一方で前作で生まれた『巨悪』ツナミグループに対抗する一部彼女シナリオでの共闘、『6人組』に連なり世界の脅威になりつつあるデウエスとの戦いは流れとして熱いと評価する意見もある。
  • ゲームシステムとしても癖が強い一作である。
    • 所持金の存在がかなり関わるため『3』に近いという意見もある。
    • 課金する事によってモブや仲間キャラのステータスを上げることが出来るが、主人公のステータスは課金では上がらない。
  • また「本戦で負けたらデウエスに食われる」という設定からか野球勝負では負けられない勝負が多いため試合難易度は高い。
    • フルダケで緩和は出来るし、本作ではミート打ちが異様に強いのでなんとかなるのだがビハインドの試合も多め。
  • ラスボス・デウエスのチーム「ナイトメアーズ」との戦いは、カオルと「六人目」の犬井の援護で弱体化している事も人によっては達成感が薄いという意見もある。そのままの設定だと超絶チートなので勝ち目は確かにないのだが……。
    • 当初は「カオルが主人公の為に頑張ってナイトメアーズを弱体化してくれた」という事を信じていたが、「真相を知る」ルートを選ぶと犬井が関わってる事が判明するがそこに白けたという人も居る。
      • カオルは本作の主人公に協力的でラスボスとも因縁があるのだが、犬井には少なくとも本作の仲間チームとはそういった縁はない。『14』だと犬井の義理の姪がチームに居たりするのだが……。
      • これに限らず「真相を知りたい」ルートは後出しで「主人公の知らない裏事情」がぺらぺら明かされるためか、前作に引き続いて賛否両論となっている。新参お断り過ぎるのも人によっては批判されやすい。
    • デウエスは最終戦で「デンノーズのメンバーのアバターをリアルの外見にする」という精神攻撃で主人公達を揺さぶって来るが、試合シーンでは相変わらずアバター姿なのであまり意味をなしてない。
      • 強いていうなら1周目でパカ・レン・ピンクといった仲間キャラのリアルの姿が判明するので彼女達に興味を示しやすくなるくらいだろうか。本作は仲間にしてもルートに入らなければリアルでの姿は分からないようになっている。
  • ゲーム中という設定もあってか球場が癖のあるモノになっている。
    • 「予選」はまだ普通の球場に近いのだが、「本戦」は球場の雰囲気が暗く「最終戦」では「0」と「1」を背景にした空間になっておりボールが見づらいものになっている。
    • このせいで前述の「アバターを現実の姿に変える精神攻撃」もあってデウエスがセコく見えるという意見もある。
  • 『11』に引き続き旧作からの継続キャラが多い事は賛否両論になる。
    • 7』の頃から心境の変化を経て彼女候補キャラに昇格した「ピンク」はまだしも、『6』の和桐社長、『7』の真央、『8』の白瀬、リン、『9』の電視、准(本作では「謎のおねえさん」として登場)、『11』の甲斐、犬井などが立ち位置は様々ながら本作のストーリーに関わってくる。そのため新参バイバイの色は前作に続いて大きい。
    • 大神、犬井、甲斐、ジオットは「追加イベント」での登場がやたら多い。また今回も「悪漢」ジオットがツナミの新会長に戻るという次回作に丸投げした煮え切らないオチでもある。
    • そして『3』『8』で登場した「寺岡薫」が本作のキーパーソンとして登場。「しあわせ」を追い求め他人を食らい続けるラスボス「デウエス」と密接なかかわりがあり、アバター「カオル」として主人公に助力する。
  • 無論『10』の大江和那ことカズはピンクルートで深く関わってくる。
    • 本作からカズは「ダークスピア」と呼ばれるようになり、ツナミが開発したヒーロースーツを装着するようになった。
    • ピンクルートでは10主人公と再会するカズを真央とピンクが見守るアルバムが追加されたが、一方で漣ルートでは10主人公が天月五十鈴と結婚してる事を匂わせる発言があった。
    • ご丁寧に本作の裏サクセスで五十鈴を元にしたキャラ「イーベル」はアルバムで主人公の子供(『14』の五十鈴の娘である紗矢香に酷似)を産んだ事を示唆している。
    • カズ「知らん奴の幸せなんか関係」10主「俺は五十鈴と出会えた事がむしろ幸運だよ!(正史)」

個性溢れすぎるチームメイト(彼女候補)

+ チームメイトと彼女候補達
  • 列挙すると「荒井紀香の姪と結婚してしまった悲劇の警部」「10から皆勤賞にもかかわらず攻略出来ないジャーナリスト」「ネットではやたら紳士的な田西君」「RMTやってたBARU君」「野球超人伝くれる爺ちゃん」「新世界の神」「戦争マニアの小学生」「自称アイドルの40歳男性」「ネット弁慶の大学生」「ネトゲ廃人の人妻」「ネットでは素直クールぶるがリアルではデレデレ残念美人」「ヘタレと化したヒーロー娘」「金でネトゲ相場を破壊する世間知らず合法ロリ」である。
    • ネットでは紳士的な対応を取るがリアルではウザかったり(サイデン=田西君、EL=電視炎斬etc)、逆にネットではいけ好かない態度で接してくるもののリアルで付き合うと好意的だったり(レンetc)などの例もある。
  • 本作から相棒が「メガネ一族」ではなくなった。
    • 同居人の「開田(かいだ)」はメガネ一族か明言はされていないもののメガネ一族のような姿でオープニングで居るが、序盤で呪いのゲームに負けて行方不明となる。
    • これはこれで「マンネリ打破」と評価する声もある。
      • 裏サクセスでは「カイダ」として非戦闘員ながら存在感をアピールしている。
    • 代わりに本作では「渦木(ウズキ)刑事」が登場。呪いのゲームの真相を追っており、序盤は主人公を怪しむが誤解が解けた後はネットでもリアルでも頼れる仲間になる。
      • 右手をサイボーグ化しておりツナミの追手を返り討ちにするなど戦闘力も高いのだが、嫁が『1』『2』で多くのプレイヤーと主人公を苦しめた荒井紀香の姪でありアルバムでは「ふふふ~ん」言いながら迫りくる嫁に渦木が恐怖するモノとなっている。
  • 『7』からサブイベントで皆勤賞でウザい言動を繰り返してきた「田西君」は本作では紳士的で頼りになる「サイデン」として登場。彼の株を上げる事となった。
  • 本作の野球超人伝は彼女からもらうのではなく、仲間キャラのユウジロー(山隈虎男)からもらう。この「仲間キャラから野球超人伝をもらう」という流れは『14』でもあった。
  • 本作の彼女候補キャラは6人の内4人が仲間選手も兼ねている。野球ゲームという設定ではあるものの『ダッシュ』より多い。
    • その分、出会うには仲間にすることが必須であり出会うまで時間がかかることもしばしば。
  • 後輩の友人の口調を真似て素直クールを装う『仮面の騎士』は、就活中の女子大生『浅井漣』
    • 落とした財布を偶然主人公が拾って追いかけた事から主人公と出会い、それを「運命の出会い」と呼んで主人公に懐く。年上の主人公に敬語で接し、両手を頬に当ててデレデレする仕草をよく行う。
    • 特定のバイトを繰り返さないと出会えないため攻略本やサイトを見ない無情報での攻略は難しい。更にマニアな側面もあるためマニアポイントが溜まりやすい。本作の「難易度は高いが強い選手を育成しやすい」枠。
    • 心を持つAIを作る事が夢であり、最終戦の後にデウエスのデータ搾取を行おうとする。
      • この際主人公が選択をミスれば漣はデウエスに食われてしまい、主人公が遺されたAI「レンちゃん」を漣本人と思い込んで精神崩壊するバッドEDになる。この時、開田の「あんたの彼女は帰ってこなかったでやんす!」という呼びかけにもマトモに答えられない姿から後述のパカBADと並んで本作の鬱EDとして挙げる声も多い。
      • デウエス戦の後に漣を守りきれば主人公と同居して結ばれる。漣は『6』に出た和桐製作所に入社して共働き状態。アルバムは野球コーチにならないと出ないが生活の慣れもあって主人公を尻に敷くなど貴重な「ツン」を見せる。
      • 『13』では桜華、『14』ではさやかのシナリオで登場して助力する。その際、彼女達に「レンお姉様」と呼ばせようとしたり(小学生のさやかは実際「レンおねえさま」と呼んでいる) 「いいなぁ。私もあの時(高校・小学)にあの人と出会ってたら一緒に野球したかったな~」などデレデレしながらつぶやいたりと残念美人さを増している。だがそれがいいという声もあり人気は高い。
  • ネトゲを廃課金で潰し回った痛い廃人『パカ王子』は、ヨーロッパ大財閥カエサリオンの最後の生き残り『パカーディ・ハイネン』
    • 世間知らずで夢見がちな性格。「ドラゴンを倒して白馬に乗った王子様に迎えに来てもらう」という夢がある。子供っぽいが体型は成熟しており弾道が上がるイベントが多い。
      • その一方で執事の呉と共に、信頼していた義姉のティータの仇を討つため反ツナミグループをのたまってた小悪党のルッカに資金提供を行うが人を見る目がなかったせいで破産してしまう。
    • BADエンドがパワポケ史上、一二を争うほどエグい。
      • 終盤、立花二号のマフラーを巡っての争いで送り込まれた生物兵器「ドラコ」に呉が殺され、その後主人公がドラコに立ち向かう。
      • この時ドラコを撃破出来なければ主人公はパカの記憶を消されてしまい、パカ自身はジオット・セヴェルスに捕まる。そしてジオットはカエサリオンに妹を殺された恨みからかパカの脳髄のみを培養液の中で管理し、彼女は死を与えられる事なく永久に苦痛を味わう「地獄」へ送られる。ちなみにドラコ戦のミニゲームは練習不可。
      • この時の脳だけで生かされる状態を「メロンパン入れ」として揶揄する声もあったものの、そうでもしなければやってられないおぞましさがある。
      • 本作で初登場したジオットは本筋では主人公に和桐社長を紹介するなどの協力者でもあるのだが、パカルートでは彼が抱える狂気を垣間見る事になる。ジオットは『13』でも暗躍するほか『14』でも事実上のラスボスとして14主やレッド達の前に立ちはだかる。
      • ドラコを撃破すれば、パカがカエサリオンとの関わりが薄い事と主人公の実力を認めた事からもパカはジオットから見逃される事になる。その後はパカは主人公とささやかながら幸せな暮らしを送っている。
      • また彼女のルートをBADエンドで通らなければ最後までデンノーズの仲間で居てくれる事も救いである。
  • ファンタジーエリアで出会う『ピンク』は、『桃井百花(ももいももか)』という偽名を使う『7』で初登場したヒーローの一人。あれから芹沢真央と行動を共にしていた。当時はヒーロー体だったが「男が中に入っている」と言われることが嫌だったことから練習して人間の姿になる事が出来た。なおこの時の姿は『9』の裏サクセスと同じ。
    • 『7』の頃は勝気で善悪はどうでも良く暴れる事を楽しんでいた性格だったが、好きだったブルーとの別離、好いてくれていたオレンジとの死別、真央(ブラック)との腐れ縁、台頭する裏社会の強大さから弱気な性格になっており、窮地には泣きべそをかく事も多い。
    • 裏切って真央に重傷を負わせたカズことダークスピアにビビりまくっていたが、主人公との「合体」と奇策でダークスピアを倒す。その後、カズがヒーローを裏切っていたのは実は裏切ってなくツナミを欺くために真央と共謀しての自作自演だった事が判明。ピンクが本当の意味での「ヒーロー」として成長するシナリオが展開された。
      • 『14』でも真央・カズと共に登場。「彼氏」と共に合体してジオット軍と戦う姿が描かれた。
  • ファンタジーエリアで出会う『ゼット』はジャジメントスーパーで働く2児の子を持つ未亡人『小池雅美』
    • 子供を放置してネットゲームに向かい続ける典型的なネトゲ廃人のおばちゃん。
    • ストーリー中では「昼ドラ」のようなノリが展開される。
  • 『矢橋美保』は仲間キャラではなく、公園へ行くとランダムで出会う自称CEOの人物。本作のランダム女王。
    • 当初はかなりの毒舌で主人公の痛い所をえぐって来るが根はそれほど悪い人間ではなく終盤は可愛い所を見せる。
  • 『田村典子』はお隣に住む中学2年生の少女。仲間キャラではないが優しい少女で、当初は主人公も苦手意識があったが付き合っていく内に主人公に料理のおかずを分けてくれる。
    • 無職の父親と同居しているが、その父親は事故死した幽霊。イベントを経て自分の死に気付いて主人公に典子を託して逝く。その際、ランダムで超特殊能力をくれる。
    • 中学生なので彼女には出来ないが、グッドエンドでは数年後に結婚して幸せになった主人公と典子を幽霊の父親が笑顔で見守るアルバムがある。
  • 『10』から皆勤賞の女性ジャーナリスト「ミーナ」は今回、(ゲーム中とはいえ)野球選手として仲間になりイベントでの印象も深いが今回も攻略できない。
  • 主にEL=電視のイベントで登場する謎のおねえさん(夏目准)もドリルからクラゲみたいな髪型になったが本作では攻略できない。
  • 事実上、本作のストーリーのメインヒロインと呼んでも過言ではない「カオル」「デウエス」も攻略不可能。
    • カオル(寺岡薫)は記憶を失っても生き続けたが、『3』主人公の事は好きだったにも拘らず別の人物に譲っていた。「選ばれなかった彼女キャラ」の悲哀を感じさせつつも、自分の半身であるデウエスを止めるべく主人公に助力する。
    • デウエスも「なおらないびょうきのからだなんてぜったいにこーへいじゃない」「だってわたしはまだしあわせになってな い じ ゃ な い かぁあああああああ!」という断末魔は薫の本音そのものであり、哀愁を感じさせる。
  • ストーリー的には異色作であり、「迷走した駄作」という人も居れば「これはこれで熱い」という人も居る。

評価点

  • 問題点の多い表サクセスだが、「現実とゲーム内で(アバターの概念により)見た目が違う」などの「ゲーム内のゲーム内」という表現を気に入る人も存在し、主人公に対するシナリオ展開の薄かった『11』と比べて、何かと理不尽なシナリオを含めた「総合的なビジュアル面での評価」をする人もいる。
    • もちろん「野球してない」という絶対的な否定意見は正しいが、シリーズをまとめてみると挑戦的である作風である、と良い方向に捉えることもできる…かもしれない。

システム面

  • 結果的にバグは多くなったもののアレンジチームの保存数の増加、グッピーの調整など野球パートを改善しようとする努力の跡は見て取れる。
    • 「フルダケ」はストーリーだけ楽しみたい層や初心者に好評であり、『13』『14』でも引き続き搭載された。

裏サクセス「秘密結社編」

  • 『11』の「ハタ人間編」をベースにして、『7』の「大将冒険奇譚編」のクエストシステムを混ぜた一作。
  • 表もすごいがやはりこちらもCERO-Aとは思えないような内容で、人のような見かけの魔族の敵が人を食う描写がある(しかもその際「ばきぼきべき」などの効果音が入る)など、パワポケ全開である。
  • 中世をベースにした人間と魔族の戦いを描いたダークな世界観。
    • 敵の魔族の中に死んだ人間の慣れの果てが居たり、あるいは主人公の所属する『銀の盾』にも人間に味方する魔族(サラ・メモリー・イーベルetc)が居たりと種族を超えた複雑な争いが感じられる。
  • 本作も『第1章』と『第2章』がある。だが第1章の日数制限は厳しく、全員を仲間にするにはリセットを何度も繰り返すか後述のバグを使うしかない。基本は仲間にするキャラを厳選する事になる。
  • 仲間にも指示が出せるようになったが、CPというポイントを消費して命令する事になる。
    • このCPを上げるには仲間の信頼度を上げるといい。また一部のキャラは主人公の信頼度の量でイベントの結果が変わる。
    • 信頼度が0になってしまうと仲間が脱退して二度と復帰しなくなる。第2章以後ではリセットペナルティで下がる事も。
  • 素材のアイテムを錬金術で合成して装備品を強化出来る。
  • 第2章の「魔王城の冒険」のクエスト中で仲間がやられたらオイセレになってしまう。これを倒して脱出すると仲間が復帰する。
    • 後述のクエストバグで仲間を増やすのに必要。
  • スタートかセレクトを押しながらクエスト選択画面に入ると全てのクエストが選択できるバグがある。
    • 『7』のしあわせ草バグ並にバランス崩壊バグだが、仲間を全員集めるには有用なバグ。マトモにプレイしたい人には勧められないがいつもと違う遊び方が出来る点では好評。
    • 本作の裏サクセスは『11』『13』と違って仲間を全員集めるまでの日数ハードルが高い。そのために普通にやるとリセット地獄が必要になるが、このバグを活用すれば全員仲間もなんとかいける。
  • 主人公がヒロインにモテるのはパワポケ裏の定番だが、本作では「イーベル(『10』の天月五十鈴)」と「アマルダ(『4』の天本玲泉)」が妊娠する。しかも両立できる。
    • この二人はパワポケの表サクセスでも数少ない「正史ヒロイン」と推測されている。
    • アマルダのイベントは「子孫を遺したい」という理由でアルバムでも主人公に触れられていないのだが……。なお天本は「引退した」はずだが本作のアマルダは『4裏』『5裏』の「イル」ではなく、表の天本に近い性格をしている。
    • イーベルのアルバムでは後の『14』に出てくるさやかの原型と思われる娘が登場する。
  • 本作でも『11』と同じくスキル粘りが大きく関わってくる。
    • 特に精神異常耐性がつく「冷静」を少なくとも主人公につけられるか否かで2周目以降のラスボスの撃破難易度が大きく変わる。

総評

 新規お断りの『11』の後の異色さ加減はユーザーのパワポケ離れを引き起こす事になってしまい、『13』『14』の売り上げが大きく落ちる一端を担っているのは事実であろう。
 『11』に引き続き、世界観の肥大化によって一話完結がやりづらくなった事を「硬直化」と評する意見もある。

 しかし『3』を彷彿させるシステムやゲームバランス、『10』『11』に比べると本筋に積極的に関わろうとする主人公などを評価する意見もある。「パワポケで野球をするなんて……」という意見に対する極地であるとも言えるだろう。



余談

  • 野球バランス
    • 『14』までのほぼ全てのナンバリングで「強振>ミート」のバランスのため、ミートが強いのは本作のみであった。
    • 『3』はバント『8』は四死球を狙わないとやってられないバランスなので例外。
    • また、『ダッシュ』や『9』以降のカード野球ではバットに当てることが大切なためミートが強い。
  • 続く『13』では野球中心のストーリーに戻り、『14』でも「野球少年が世界を救う」ことをテーマに据えている。
+ タグ編集
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  • 2009年
  • DS
  • コナミデジタルエンタテインメント
  • パワプロクンポケット

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最終更新:2022年10月17日 23:40