ドラゴンボール 神龍の謎

【どらごんぼーる しぇんろんのなぞ】

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対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1.25MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 トーセ、D&D
発売日 1986年11月27日
価格 4,500円(税抜)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント ライフ回復が運ゲー
やたら強いヤムチャと兎人参化
途中から原作完全無視
ドラゴンボールゲームリンク


概要

もはや知らない人の方が少ないであろう超有名マンガ『ドラゴンボール』を題材にしたアクションゲーム。
本作はファミコンのドラゴンボールのゲーム作品第一弾となる*1

特徴

  • 基本はトップビュー画面のアクションゲーム「大移動的遊戯場面」。
    • 所々にアイテムが置かれている隠し部屋「神隠的秘密場面」がある。
    • ボス戦など、一部のステージはサイドビューのアクション「大活劇的格闘場面」になる。
    • ステージ間にはビジュアルシーンである「漫画的会話場面」が発生する。
  • 十字キーで移動、ボタンで攻撃とジャンプ
    • アイテムを取る事によりリーチの長い如意棒攻撃や、飛び道具であるかめはめ波(回数制限付き)を放つ事も出来る。
  • ライフと制限時間が兼用
    • 画面左上に表示されている「POW」というのがそれで、時間経過とダメージで減少。0になるとゲームオーバー。
    • 最大値を増やす方法は特定ステージクリア時の神龍への願いのみ。
      • 願いの中の「パワーをUPする」を選ぶと体力上限が250になり、その際、最大値まで回復する。
  • 敵を倒すとホイポイカプセル(アイテムボックス)が出現することがある。
    • 中身は以下の通り。
      • 骨付き肉、ケーキといったPOW回復アイテム
      • 如意棒、からまん棒(一定時間棒で回転攻撃ができる)・かめはめ波を撃てるようになる甲羅・スーパーかめはめ波を撃てるようになる赤甲羅等の攻撃アイテム
      • 「?」マーク(得点アイテム)
      • コウモリ(敵キャラ、要するにハズレ)
      • 筋斗雲(ステージの先の方までワープ)
      • カプセルハウス(体力上限を上回る体力回復&貯まっているかめはめ波が全体化(パーフェクト)かめはめ波1発と交換になる)
      • ギャルのパンティ(移動速度上昇アイテム)
    • 敵を倒す以外に、隠し部屋にもホイポイカプセルは配置されている。これを取らずに出ると二度と取れない(入りなおしてもカプセルは消えている)。
  • ステージ構成は以下の通りで、後半はオリジナルとなる。
    • 第1部「孫悟空と仲間たち」(ステージ1~6):コミックスの1、2巻をなぞった流れ
    • 第2部「カンフー大会」(ステージ7~10):原作マッスルタワー編の敵を交えながらのカンフー大会編。舞台はクリリンの出身である多林寺(おおりんじ)。
    • 第3部「MB軍総攻撃」(ステージ11~14):全オリジナルで舞台は宇宙に。
      • 出現するボス敵は鳥山明氏が本作用に描き下ろしたもの。「宇宙一の殺し屋クリリアン」、インディアンのような格好をした「ジャングル王ビンボ」等。
  • セーブやパスワードによる中断機能はなし。
    • コンティニューは可能だが、ステージ11以降でゲームオーバーになった場合、ステージ11からの再開となる。

問題点

ゲームバランスの問題

運要素の強すぎるライフ制

  • POW回復手段が一部の例外を除きランダムである為、雑魚が回復アイテムを落とすことを祈りながらとにかく急いでダメージを食らわないように進むしかない。
    • 一部の例外を除き確実にカプセルが配置されている隠し部屋は体力回復の面で非常に重要で、隠し部屋でありながら場所の把握はクリアに必須レベル。なのに、運が悪いとカプセルから敵が出てくる。
      • 隠し部屋というだけあって見た目では判別がつかないため、場所を把握するまでは壁や障害物をしらみ潰しに探す羽目になる。
    • 本作の悟空は食べ続けないとすぐに空腹に見舞われる設定のため、POWは時間経過でも減少する。原作で言う「腹減って力(りき)出ねえ」危険と常に隣り合わせであり、運悪く肉やケーキが出ない状態が続けばゲームオーバーは免れない
    • さらにこのライフの問題が大きくなるのが11面以降。
      • 11面は酸素がない宇宙ゆえにPOWの減り方が2倍になる。代わりにPOWが増える酸素ボンベが配置されているが焼け石に水。加えて11面以降は敵がカプセルを落とす確率が非常に低くなる上に隠し部屋も少なくなる。おまけに肉すら出にくくなりケーキに至っては絶望的な確率。
      • コンティニューの仕様もここからきつくなり、11面以降にコンティニューすると11面からのスタートとなり、しかも道中の神龍への願いで体力の最大値を増やしていても、「POWの初期値が100、最大値150で11面の最初から」となる。ついでにこのステージ11は、ボスが面倒な兎人参化。コンティニューする度にこいつを倒さなければならない。
      • つまり、体力回復がより一層厳しくなるのに体力上限が落ちた状況で面を戻されてコンティニューという、クリアさせる気がないとしか思えない仕様なのである。行けるところまで行くのではなく最終ステージまできちんとクリアしようと思ったら、いっそ最初からやり直してライフ最大値を増やした状態を維持しつづけるのを目指す方がよっぽど早い。
  • ボスも強敵や初見殺しが多い。
    • ステージ3のボスのヤムチャは「ジャンプキック→立ちパンチ→立ちキック」というコンボの形で「狼牙風風拳」を使ってくる。
      • 何故か立ちキックの後も少しの間攻撃判定が残っている事に留意する必要がある。さらに、この一連の攻撃はなかなかダメージが大きい。
      • 更にステージ3開始と同時にドラゴンボールを奪って隠す、蜂の居る部屋に配置する、本人もステージ中に二度に渡って立ちはだかる、自分の部屋の鍵も隠す、などこれでもかと関門を与えて来る。そのため、ステージ3はクリア工程が多くステージ1、2に比べて難易度が急上昇しており、初心者の壁となっている。確かに原作では悟空が(空腹時で力が出なかったとは言え)初めて手こずった相手だが、ここまで本気で潰しに掛かってくるとは…。
    • ステージ5及びステージ11のボスは兎人参化。原作通り「触れた者が人参になる」敵のため、触れただけで一撃でゲームオーバーになる。それを知らずにジャンプキックや如意棒なしでのパンチを出すと泣きを見る。
      • ただ、いずれも対決時にボスステージ内に必ず如意棒が置かれているので、事前に用意しないと詰む心配などはない。ステージ5ではだいぶ遠い位置にあるのだが、そのステージは全ステージ最大数となる膨大な量のホイポイカプセルがあるのでそれまでに如意棒が1つも出ないことはまずない。
        ステージ11で如意棒を持っていなかった場合、「如意棒がねぇとあいつをやっつけられねぇんだ!」という台詞の後でステージのど真ん中のすぐ取れる位置にこれ見よがしに配置されているのはシュール極まりないが…。
      • ちなみに、連発はできないが如意棒がなくてもかめはめ波で倒すこともできる。もちろん上記の通りステージ5ではまずそれまでに用意できるし11でもスグ取れる位置にあるのであまり必要ないが。
    • ステージ7からのカンフー大会での対戦相手、クリリンとヤムチャはわかるが、あとの2人が、なぜかメタリック軍曹とブヨン。カンフーまるで関係無し。
      • ブヨンは画面右上の壁を破壊して、冷気を引き込んで凍らせるという原作に準じた戦い方をしないと倒せない。ゲーム中には一切ヒントもない。頭を攻撃するとダメージエフェクトが出るがこの方法では倒せないのでただのトラップである。壊す壁も見分けがつかないので、原作を知っていても分かり辛い。知らないとどうすればいいか分からない上、何故倒せたのかも意味不明。第一、そこは雪山のマッスルタワーではなく多林寺では…。
      • また、このメタリック軍曹とブヨンのみ正規のリングで戦っていないので大会としてどうかというツッコミどころもある。もちろん全て同じリングで戦えばブヨンは無敵なのでゲームにならないから仕方ないが…
    • ラスボスは一番右端まで引っ込むと悟空の攻撃が何をやっても届かなくなるというまさかの安地持ち。
      • 一応かめはめ波さえあればなんとか撃破は可能だがラスボスは攻撃を30回当てないと勝てない上、悟空と一定以上距離があると絶対に回避不可なレーザー砲3連発を飛ばしてくる

うっかりミスが即完全詰みに直結

  • ステージ5は如意棒がなくて詰むことはないが、人参のある隠し部屋に入って、人参を取らずに出てしまうとホイポイカプセルの場合同様再び入りなおしても人参は消えているので人参を4本揃えられなくなり(ボスの部屋が開かない)詰みとなる。
  • ステージ4にも詰みポイントはあり火が消えて以降は、どの隠し部屋でも入ると牛魔王の城の扉を開く鍵がランダムで出るのだが、これをうっかり取らずに出てしまうと、その後二度と鍵は現れないのでこれも詰みとなる。
    • 一応、一度出てしまってカギを逃しても同じ部屋に連続で8回入ると8回目に必ずカギが出るようにはなっている。ただしその間も体力は減るので体力がギリギリだと詰んでしまう。
  • 念のために書いておくが、上記のような難易度だが、クリア不可能なゲームではない。
    • 雑魚を限りなく無視し、ボス撃破もパターンさえ組めばそこまで難しいということはなくなる。そこまでが大変なのだが。

その他の問題点

  • ビジュアルが全体的に貧相。
    • ドラゴンボールが揃った時の「口パクと同じ周期で手足をバタバタさせて喜ぶブルマ」等は、当時のグラフィックの水準を考えても相当酷いレベルである。
    • 主人公の悟空は何故か常に半笑いを浮かべた気の抜けるグラフィック(しかも髪型がおかしい)。同じように半笑いのヤムチャと笑顔で殴りあう姿は不気味である。
    • マイは原作でも乗っていたメカに搭乗しているのだが、コクピットの中にマイの顔だけが描かれており、マイの生首が入ったメカにしか見えない。
    • ブヨンは割と細かく描かれている。何故か色が緑になっているが
    • ラスボスに至っては、「先行者」を先取りしたかのような灰色のロボットである。
      • 1996年に鳥山氏がデザインを担当した『トバルNo.1』のホムに似ているという指摘もある。
  • かめはめ波の仕様に難がある
    • 上位種を入手するとそれ以上の種類でしか弾数が増えなくなる。つまり赤甲羅を入手すると、以後、通常の甲羅では弾数が増えなくなる。超レアのカプセルハウスの場合、赤甲羅でも増えなくなる。
      • その為、うかつに強力な甲羅を入手すると、かめはめ波の弾数を増やしづらくなり、攻略が面倒になってしまう。
      • ただし入手の際には弾数を引き継げるので、通常のかめはめ波を10発撃てる状態で赤甲羅を入手すれば、スーパーかめはめ波の弾数は13になる。
    • また、強力な遠距離攻撃手段であるかめはめ波だが、ボス戦においては全ての攻撃が同一ダメージとして扱われる為、殴りにいける相手に対しては使う意味があまりなく、使いたい相手には弾数消費がつらい。
  • 神龍への願いがネタとトラップばかり
    • まずステージ6クリア時に有用なのは前述の「パワーをUPする」のみ。というか、ライフ上限を上げられるこれを選ばないと以降のプレイが非常にきつい。
      • 「みらいをみる」はステージ11以降のステージを見た後、ステージ11からスタートするワープ効果だが、体力上限を上げない状態で終盤ステージをやる破目になる。
      • 「タイトルのドラゴンをうごかす」はタイトルの神龍を動かすだけ、「ギャルのパンティーがほしい」は過去のステージ間イベントの使い回しでパンティを見るだけである。
        その為、「どれを選べばいいか分からないから取り敢えず原作再現」してみようと思って「ギャルのパンティおくれ───っ!!!!!」と願うと見事に棒に振る羽目になり、その時のピラフ並の虚脱感と怒りが味わえる事請け合い。
    • 全ステージクリア時はクリア時のデータで1面から再スタートする「ゲームをつづける」以外は、選択肢によって多少違う会話シーンが出た後エンディングに突入するだけでほぼ変化はない。
      • 全ステージクリア時に上記の「タイトルのドラゴンをうごかす」を選べば神龍が動いているタイトル画面がエンディングの代わりになる……かもしれない。
  • 原作無視の展開
    • 発売時期的*2に仕方ない面ではあるが、違和感は強い。
    • 天下一武道会ではなく「カンフー大会」。しかも上述した通りそこに無理にレッドリボン軍のキャラがねじ込まれていたり、ドラゴンボールを求めてぬぁんと宇宙にいってしまったり*3と滅茶苦茶過ぎるオリジナルストーリーがよくツッコまれる。
      • カンフー大会ではクリリンとヤムチャと戦うが、原作の天下一武道会(悟空初参加の第21回)ではこの2人は悟空と戦う事無く敗退した*4ので、ある意味本作で対決が叶えられたとも言える。だとしても後半戦のチョイスは完全に謎だが。
    • ステージ6のピラフ大王編までは(大筋は)比較的原作に忠実な内容なのだが、何故かステージ4のフライパン山編は「山の火を消すために亀仙人を呼んでくる」部分しかイベントが無い。牛魔王、チチとの絡みは全面カットで、彼等は台詞も無い敵キャラでしかない(後述)。
      • 亀仙人を呼んで来る理由も、炎が激しくて先に進めないからというだけであって、別に牛魔王親子は関係ない。
      • 従って、ステージ4は「炎を消して山を登り、牛魔王親子を倒してドラゴンボールを奪う」という原作とはかけ離れた展開となる。しかもチチは2体登場する双子か?しかしその割にブルマの身代わりにされたウーロンが亀仙人に「パフパフ」するシーンだけはしっかり再現されている。
  • キャラの扱いも雑。
    • 牛魔王、クリリン、メタリック軍曹、ブヨンはボスキャラとしては登場するがイベントシーンには一切登場しない。しかも後者2人は上述の通り何故かカンフー大会の対戦相手にねじ込まれている。
      • カンフー大会では亀仙人に「第〇回戦の相手は〇〇じゃ」と告げられるが、ストーリーに登場しているヤムチャ以外は本当に名前を言うだけ。原作未読者置いてきぼりである。メタリック軍曹とブヨンが居る時点で原作読者も置いてきぼりだが。
    • ピラフ大王は一応イベントに登場するが、戦闘後にドラゴンボールの在り処を白状するのと、エンディングのメッセージのみなので原作を知らないと誰なのかも何故戦っているのかも理解できない。
      • そもそもピラフ一味が登場するステージ6はそれまでのステージと違って、開幕イベントが無く唐突に始まるので尚更理解を妨げる。
    • チチ、シュウ*5、マイはただの雑魚敵としての登場である。登場するだけマシと言えなくもないが、元々敵のシュウとマイはともかく、原作で当初から悟空と仲が良く、しかも(当時は本当に結婚するかは分からなかったとは言え)悟空の未来の嫁でもあるチチすらその辺の雑魚と一緒というのはこれ如何に…。悟空さ…ひでえだよ…。と言うか原作でチチを殴り倒したのはヤムチャである。
      • シュウもチチ同様に2体登場する。一方、マイは1度きりの上、メカを破壊された後の生身で逃げるグラフィックが(2面の村娘と殆ど同じだが)用意されていたりと微妙に優遇されている。しかし攻撃らしい攻撃もせずうろうろするだけなので、大抵スルーされる。
    • プーアルも雑魚敵扱いだが、イベントシーンには僅かながら登場している。つまりこれらキャラはプーアル以下の扱いという事に…。
      • その一方で、原作ではすぐに退場した兎人参化は上述したように2ステージに渡ってボスとして登場するし、イベントもしっかり用意されている優遇ぶりである。
    • ゲームオリジナルキャラにしても、宇宙一の殺し屋「クリリアン」はわざわざイベントシーンで呼び出されるが、別にボスでも何でもないただの特殊な雑魚敵に過ぎない。しかも最終ステージで再出現する。
      • 名前がモロに似ているので原作ファンは「クリリンのことか───────っ!!!!!」と思うかもしれないが、その実態は4本の腕を持つ宇宙人で、頭ぐらいしか似ていない。しかも鳥山氏のイラストで持っている槍とヌンチャクはゲームに反映されていない。
      • ラスボス戦前にはM・B軍将軍という鳥山氏書き下ろしキャラが登場するがこれまた雑魚扱い。それでいてラスボスは前述の通り「先行者」を先取りしたかのような灰色のロボット…。
  • 原作を別としても適当な展開
    • 細かいシーンは端折っているもののピラフ大王編まではまだ原作に沿った展開なので理解しやすい。カンフー大会も出場者が無茶苦茶とは言え戦うだけなのでそこまで大きな問題は無い。しかし以降のオリジナル部分はイベントもそっけないものばかりになり、展開自体もいい加減になっていく。
    • ステージ12は2回あるボス戦をクリアすると何の脈絡も無くドラゴンボールが手に入る。
      • しかもこのボスのバブラーは倒さず通過するだけでクリアできる。にも拘わらず「よくあのバブラーを倒したのぉ!」と褒められる。
    • 2度目のドラゴンボール探しは悟空1人で行く訳だが、何故かいつの間にかブルマとウーロンと合流しており、悟空も何も言わず最初から同行していたかのように旅を続ける。
      • 終盤で亀仙人と再会するイベントでは「この奥に鍵がある」→「ただではやらんぞ」という理解に苦しむ展開になっている上に、フライパン山での「パフパフ」シーンがまんま使い回されている*6
    • 最終ステージ開始の時点ではドラゴンボールは4個で、残り3個は最終ステージのボスラッシュで一気に手に入ってしまう。しかもそのボスはクリリンや牛魔王と言った面々。なぜいるし。
    • 終盤の展開はレッドリボン軍ならぬ「MB軍」との戦いのはずだが、それはゲーム中では一切語られない。最終ステージ「コンペイ塔*7もブルマが唐突に「さあ!これが最後の決戦よ!」と言い出すだけで説明も無し。そしてラスボスは「先行者」を(ry。
    • 一方、1面の中盤でブルマが山賊に攫われてから救出するまでの間、時間が経つにつれてブルマに文句を言われ、時間が掛かり過ぎるとブルマにマシンガンで撃たれてライフが減るという謎要素がある。何故こんな所は作り込んであるのか…。と言うか縛られて捕まっている状態なのにどうやって撃った?
      • しかも文句を言われる画面に切り替わると、出現していたホイポイカプセルが消えてしまうという迷惑仕様。
  • あっさりとしたエンディング
    • ラスボスを倒した後は(願いが違うだけで)一度目の神龍召喚とまるで同じイベントが繰り返される。
    • そして願いを叶えた後はピラフ大王が「この次はきっと…」「これからどんな冒険が待っているか、それは鳥山先生に任せといて…」などと語るのみで、後はスタッフロールも無くタイトル画面に戻るだけ。「タイトルのドラゴンをうごかす」を選べば(ry
    • そもそも2度目の冒険は願いを叶える為ではなく、孫悟飯の形見である四星球を取り戻す為だったはずだが…*8
  • BGMは単調で曲数も少ない。
    • タイトル画面ではFC音源で再現された「魔訶不思議アドベンチャー!」が流れるも、本編はイベント、ステージ、ボスとそれぞれ決まった一曲ずつしか流れない。ステージ曲は一応、カンフー大会で別曲が用意されているがその程度。後はアイキャッチとゲームオーバーのみ。
    • どの曲も単調且つループも短いので飽きやすい。おまけに画面を切り替える度にまた最初から流れる。
    • また、処理落ちが起こるとBGMまで処理落ちする。

評価点

  • アクションゲームとしての出来自体に破綻は無い。
    • ゲームバランスが大味という問題はあるが、敵を倒しアイテムを入手し進んでいくという基礎の基礎部分は当時の標準レベルの出来ではある。
    • 操作性も悪くなく、全方向スクロールのアクションに加え、一対一の対戦型格闘、障害物を回避してゴールを目指すアスレチック型アクションなど、当時としてはアクションは多彩であり、それらを一つのゲーム内で実現出来ていたという点に関しては十分評価出来る。
    • 規模はまちまちだが、ただ敵を倒して進むだけではなくステージ毎に異なるギミックを配置し、プレイヤーを退屈させない工夫もある。
      • ウーロンやピラフと言った戦闘能力の無いキャラとのボス戦は「隠れているのを見つけ出して捕まえる」「トラップを掻い潜って追い詰める」など原作の設定を潰さない仕掛けになっているし、兎人参化の仕様も原作をしっかり再現した結果である。ブヨンに限っては中途半端に再現しようとして上記のような事になっているが…。
  • 飛び飛び且つ終盤がいい加減ではあるが、ストーリーが理解できるようにイベントシーンが用意されている。
    • 前半に限って言えば原作の大凡のストーリーは理解できる。亀仙人やウーロンとの出会い、フライパン山の火を消すシーン、兎人参化との戦いなど原作のシーンをある程度は再現している。
      • 亀仙人にパンティを見せるシーンは普通にパンティを見せるだけに変更。流石に原作のノーパン披露は無理だったか。

総評

ゲームバランスに大きな難があり、グラフィックもチープ、開発時期の関係で原作無視の無茶な展開が続く……とキャラゲーの「悪いお手本」のようなゲームである。

しかし、ドラゴンボール初のファミコンソフトだった事は大きく、操作性等のアクションゲームの基礎部分の出来は悪くなかったこと、ラストまでのクリアがそれほど重要視されていなかった時代背景*9等の影響もあって、本作はミリオンヒットタイトル(125万本売れたらしい)を達成し、ジャンプ漫画が原作のファミコンソフトのうち、最も売れた作品となった*10

並外れた原作人気の高さと共に、当時のおおらかな(?)家庭用ゲーム業界の状況が窺える。


その後の展開

  • ドラゴンボールのゲームは少し空いて1988年8月に『ドラゴンボール 大魔王復活』を発売。
    • この作品でドラゴンボール系RPGのスタイル「カードシミュレーションバトル」を確立することとなり以後の作品に引き継がれ、ある意味これが実質1作目のようなものとなる。

余談

  • 「神龍の謎」というタイトルについて
    • 神龍に会うことがこのゲームの大目的の1つとなっている。神龍の登場画面を写真に撮って送るとゲーム後半の攻略本になっている巻物を貰えるキャンペーンも行われていた。
    • とはいえ、これが大目的であるというような描写はゲーム中になく、隠し要素として遠回しに謎を明かす事すらも無い。
    • また原作まで含めても、神龍そのものに謎があったり、それを追及するとかいった展開は特に見られない*11。そのため「いったい何が謎だったんだ?」と、多くのプレイヤーたちは首をひねった。
  • ファミコンでは『ドラゴンボール』を題材としたゲームが合計7作あるが、本作を含め全ての開発がトーセ(プログラム、サウンド関連。大魔王復活以降デザイン等はD&D)である。
    • 後になって多少粗さはあるが出来のいい作品も出たため、初の『ドラゴンボール』作品となった本作で得た経験は無駄では無かったと言えるかも知れない。
  • 当時、原作では宇宙の「う」の字も無い世界観でありながら本作で「ドラゴンボールを求めて宇宙に旅立つ」というオリジナルストーリーを展開した訳だが、後のシリーズでは悟空達の戦いの舞台は宇宙まで広がっていく事になり、ある意味本作はその先駆けと言えなくもない。
    • 後の原作漫画における「フリーザ編」の物語の動機が本作と似ており、また、オリジナルアニメ作品『ドラゴンボールGT』の前半のシナリオが「宇宙に散らばったドラゴンボールを探す」という物であり、更に鳥山氏原案の続編『ドラゴンボール超』もまた「ドラゴンボールを巡って宇宙で戦いを繰り広げる」展開があるため、本作はそれらを予言していた………のかもしれない。
  • 海外でも発売されたが、当時はまだ北米でのドラゴンボールの知名度が無かった事や商標の関係から、フランス版『Dragon Ball: Le Secret du Dragon』以外は『Dragon Power』という、『ドラゴンボール』とは別作品となっている。
    • 『Dragon Power』では悟空は本物の猿に近い外見に、亀仙人はいかにも「仙人」らしいやたら荘厳な姿になっていたりと、初期構想の原点である『西遊記』でも意識したかのようなデザインに変更されている。その一方でブルマを始めとする他のキャラはそのままであり、さらに主人公の名前が「Goku」なので『西遊記』をモチーフにしたとしても中途半端だが。しかしその仙人も説明書では亀仙人その姿となっている。(参照)
      • ブルマが亀仙人にパンティを見せるシーンは、教育上の配慮か原作を知らない海外のプレイヤーには理解出来ない為か修正されている。しかしそれはひっくり返したパンティを微妙に書き換えてサンドイッチという事にしており、「サンドイッチが大好きな世捨て人」という強引な設定にされた仙人がそれに大喜びする、というなんとも微妙なシーンになっている。
      • 『ドラゴンボール』とは関係無くなったため、「魔訶不思議アドベンチャー!」も使えずタイトルとイベントシーンの曲は全く別の中華風BGMに差し替えられている。
      • 理由は定かでは無いが、7面~10面のカンフー大会編がバッサリカットされている。これは海外で唯一『ドラゴンボール』として発売されたフランス版も同様である。
  • 同じく初期を題材としたゲーム『ドラゴンボールDS』でも本作同様にフライパン山編で牛魔王とチチと戦うシーンがある。
    • しかし牛魔王は原作(アニメ版)通り、悟空を財宝を狙う盗人と勘違いして襲って来るのであってすぐに打ち解ける。勿論、悟空がドラゴンボールを奪い取るなんて事は無い。チチも「パニックに陥った所を落ち着かせるため」とちゃんと理由付けがされている。
    • ピラフの城ではシュウ、マイとも戦うが、本作のようなザコではなくしっかりボスとしての登場である。
  • 本作エンディングで「この次はきっと…」と言っていたピラフとその部下は原作ではその後、ピラフマシンで悟空に挑むも返り討ちに遭い、更に後にピッコロ大魔王を復活させるもただ利用されて飛行船から落とされる形で退場する。アニメではマジュニア編の後のオリジナルエピソードで再び登場したが「サイヤ人編」以降を描く『ドラゴンボールZ』では原作通り登場せず、いずれにせよ「この次」以降もやはり駄目であった。
    • 『ドラゴンボール超』ではようやくドラゴンボールを集める事に成功するも大分歳を重ねていた為に若返りを願った所為で3人とも子供になってしまい、その後、悟空達の仲間になる形で初登場から30年近い時を経てレギュラー化を果たしている。マイに至ってはトランクスのガールフレンドになり、「未来トランクス編」ではヒロインに抜擢されるというまさかの昇格ぶりでファンを驚かせた*12
      • その為、結果として本作はチチに加えてマイと、メインキャラの未来の嫁が2人も雑魚敵として登場している事になる。勿論、制作段階でそんな事が予測できるはずも無いが。
      • 『ドラゴンボールGT』では再登場時の設定が全く異なるが、こちらは原作や『超』と直接は繋がらないと言われているので問題無いのだろう。
  • 『ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍』では本作がおまけモードとして収録されるというサプライズが起こった。
    • こちらに収録されている本作では、ポーズ中にいわゆるカカロットコマンドを入れる事によって回数限定でライフが全快になるという裏技が追加された為に運ゲー要素が薄まっており、若干クリアしやすくなっている。
    • また、2013年発売のニンテンドー3DS用ソフト『バンダイナムコゲームス PRESENTS Jレジェンド列伝』の収録ソフトの1本としてそのまま移植され、こちらはヒント機能や中断セーブが追加されている。
    • 更には2018年に発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」の収録ソフトの1本としてそのまま移植された。
    • このように年月が経ってから移植の機会に度々恵まれており、これらは本作が単純にクソゲー扱いされている訳ではない事の証左と言えるだろう。
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最終更新:2024年04月13日 16:42

*1 初のゲーム化作品は本作同年発売のスーパーカセットビジョン用ソフト『ドラゴンボール ドラゴン大秘境』。あちらはシューティングであるため、アクションとしても本作が初。

*2 ソフト開発時にはブルー将軍すら出ていない。

*3 実際にゲーム中で「ぬぁんと」と表示される。この当時はまだギャグ漫画の色が濃かったのでそこまで違和感はないが。

*4 クリリンは第22回で悟空と対戦したが、ヤムチャは三回の出場で全て初戦敗退した為、一度も悟空と当たる事は無かった。

*5 本作では「ソバ」名義。現在では「シュウ」で確定しているが、一時期は鳥山氏の記憶違いで名前が安定しなかった。

*6 ウーロンに身代わりを頼む下りまでそのまま。

*7 MB軍の本拠地であって、原作のカリン塔は関係ない…はず。

*8 原作では桃白白に殺されたボラを生き返らせる為に神龍を呼び出したが、本作にそう言った理由は無い。

*9 パスワード等の継続手段がないゲームはどこまで行けたか等で盛り上がっていた。

*10 単純な売り上げだけを見ても、2015年の『ドラゴンボール ゼノバース』が出るまでDBシリーズにおいては1位であった。

*11 ドラゴンボールや神龍の秘密については追々明かされていくが、追及するような「謎」はこれと言って描かれていない。

*12 更に後のトランクスと悟天が主役の「スーパーヒーロー編」では"高校生の姿"で再びメインキャラを務めるという、これまたまさかの登場となった。