注意:ここではAC『北斗の拳』(不安定/賛否両論)及びそのPS2移植版『北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~』(劣化ゲー)の両方を扱います。



北斗の拳

【ほくとのけん】

ジャンル 格闘ゲーム
対応機種 アーケード(ATOMISWAVE)
販売元 セガ
開発元 アークシステムワークス
稼動開始日 2005年12月6日
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 原作にそぐわぬギルティ系コンボゲー
凄まじいコンボの発展性
演出面は良好・原作再現も十分
格ゲーなのに「バスケ」.
通称世紀末スポーツアクションゲーム
一周すれば神ゲー(異論は認める)
北斗の拳シリーズリンク

概要

『北斗の拳』を原作とする格闘ゲーム。
本作はパチスロ『北斗の拳』で大ヒットを飛ばしたサミーが、意欲的にアーケードゲームを出していた頃に企画した代物である。
開発を担当したのは、当時ゲームバランスが相当不安定なことに定評のあったアークシステムワークス。

  • 制作中に経営統合したセガに移管したためか、本作を含めたATOMISWAVE向け純正筐体であるタイトー・イーグレット3の在庫をセガが大量に抱えてしまう羽目になった。
    • その名残として、起動して最初に出るのがサミーロゴである。
  • ACのロケーションで発売される格闘ゲームとしては初めての北斗ゲー(家庭版には存在したが、出来はお察し)であり、極端すぎるゲームバランスのせいで「世紀末ゲー」と揶揄される。
    また、後述する永久コンボ用テクニック「バスケ」から転じて世紀末スポーツアクションと呼ばれる事も。

システム

  • 出場キャラクターは物語開始からラオウの昇天までに登場した10人が選ばれた。
  • ただしシステムは昨今の格闘ゲームと比較しても複雑であり、人を選ぶものになったことは否めない。「気軽に触れるキャラゲー」といった感じではない。
    他にも複雑な内部仕様やバグがてんこもりで、判断材料や覚えておくべき知識が非常に多い。
+ 登場キャラ
  • ケンシロウ
    • 使いやすい通常技に基本的な必殺技(飛び道具・無敵対空・突進技・当身など)を備え、主人公らしくスタンダードな性能であらゆる状況に対応できる。
    • 一方で、相手の動きを読んで裏に回る回数制限付きブロッキング「無想転生」や、サウザー以外の相手を約20秒後に即死させる「北斗残悔拳」、他にも「天破の構え」「醒鋭孔」などの一風変わった技も持っている。
    • 北斗残悔拳は設定上三秒後に死亡する技で、ゲーム内でも当てたときに画面右下に表示されるカウントは3.00(3秒)からカウントダウンを開始するが、ゲームバランスの問題もあるので実際には20秒程かかる。更に一部の演出の長い技を当てている・当てられている時はカウントが止まる。
  • シン
    • ケンシロウ同様使いやすい技が多く、またシステム上全てのキャラに対してガードクラッシュを狙えるパワータイプ的なキャラ。
    • その代わり小回りが利かない性能になっており、どの通常技もジャンプキャンセルが不可能。専用のジャンプ移動技で代替することは可能だが相手を固めるのは苦手。
  • レイ
    • 全キャラ唯一の3段ジャンプ(空中ジャンプ2回)が可能なのに加え、ほとんどの必殺技が空中専用、ほぼ全ての通常技をジャンプキャンセルできるなど、空中での立ち回りを重視した性能のキャラ。
    • 空中での立ち回りの多彩さは当然、地上でも空中ダッシュによる崩しを兼ねたラッシュが強力、様々な無敵技を持ち守りも堅いなど、高水準な性能を持つキャラと言える。
  • ユダ
    • 本人は必殺技の数が控えめ(通常の必殺技が原作でも使った「伝衝裂波」で性能も低め)だが、コマク・ダガールの2人の部下を呼び出す必殺技を多数持つテクニカルキャラ。体力ゲージの他に両者の専用ゲージが存在し、必殺技で呼び出す度に専用ゲージを消費する。
    • 設置系の技が多く、それらを絡めて上手くセットプレイが出来れば相手を封殺できるが、管理が忙しい上級者向けのキャラクター。
  • サウザー
    • 作中の「制圧前進あるのみ」の言葉通り、固め・崩し・起き攻めなどラッシュに特化したキャラクター。それぞれ3種類の飛び道具と突進技を揃えており、ハマった時の封殺力は断トツ。
    • 一方で被ダメージ1.2倍・対空攻撃や切り返し手段がかなり乏しいうえに全キャラからガードクラッシュをさせられるなど、一度ターンを奪われると極めて不利になる。ワンコンボの火力も低めなので、どこまでセットプレイを継続できるかが鍵。
  • ハート様
    • 見た目どおり「動きは鈍いが硬く近接火力も高い」という典型的な投げキャラの系統で、シン同様に大半の相手からガードクラッシュされない。
    • ただし全体的に素早さに対するリーチが短く、相手をガークラさせることは難しい。またブーストゲージが無い、長めの着地硬直が必ず発生する*1というとてもキツイ制約がかかっている。
      • 特定条件下でブーストに相当する代替行動は可能。専用のガードキャンセル(ガーキャン)や究極奥義の必殺投げなど、見た目相応に凄まじい威力の大技が多い。
    • なお「様」付けなのはネタではなく、本作の正式なキャラ名として統一されているため。英語表記も「Mr.HEART(ミスター・ハート)」と原則敬称込み*2である。
  • マミヤ
    • 娥媚刺・ボウガン・メット(爆弾)、ヨーヨー・バイクなど、武器を使って戦う独特の性能。娥媚刺とボウガンは有限(どちらもリロード可能だが隙が甚大)なだけあって強力であり、一方で全キャラ唯一投げ技を一切持たないため、作中ほぼ唯一の遠距離タイプとも言える。
    • 原作準拠なら正直どう頑張っても他のキャラに勝てるとは思えないキャラなので、被ダメージ1.2倍かつ攻撃力は全キャラ最低など、それ相応の調整がされていたのだが…。
  • ラオウ
    • 大柄な見た目通りのリーチと火力、そして被ダメージ0.9倍という硬さを併せ持つヘヴィータイプ。一方でゲージを消費して殆どの技の隙を打ち消す「無想陰殺」、お互いを地上に拘束する「釵(さい)」、次の必殺技をパワーアップさせる「北斗呑龍呼法」など技巧的な技も多く持つ。
    • 機動力は低い(移動速度・技の発生・硬直が総じて遅く、バックステップも低性能のその場回避)が、ケンシロウと同様の「無想転生」によって立ち回りをカバーできる。
  • トキ
    • コマンド移動・当て身といった直接攻撃しない必殺技が多く、相手への対応を軸にしたトリッキーなディフェンスタイプ……のはずだった。詳細は後述。
  • ジャギ
    • 全体的に技が大振りの割にだいぶ低火力なうえ、しゃがみガードはガードゲージに関係なくガードクラッシュすることがあるなど、意図的に弱く作られたキャラクターと見られている。原作ではケンシロウ達には劣るものの、一応北斗拳士として超人に値する能力の持ち主。
    • ガソリンを撒いて相手の移動を鈍らせたり、引火させるマッチ等の変わった技を数多く持つが、ヘヴィーストライクなど細かな原作再現度合が凄まじい。
      その他、究極奥義「北斗羅漢撃」や全キャラ屈指の空対空の強さなど、見所もいくつかある。
+ システム詳細
  • 操作はレバー+5ボタン(パンチ/キック×弱/強+ブースト)という、ある程度オーソドックスなものになっている。
    • ただ、ボタン同時押しによる特殊技が多く、まずはそれらを覚えないと勝負にならない。更にこのせいで誤爆も多く、隙が大きいへヴィーストライクが暴発してそのまま敗北と言う事を上級者もそれなりの頻度でやらかす。
  • 全キャラ共通でボタン同時押しによる特殊技が4つ存在。グレイヴ以外はヒットさせると北斗七星ゲージを奪う効果があり、攻撃面での動きのバリエーションを作り出している。
    • 弱パンチと弱キックの同時押し(A+B)は、発生が遅い代わりにガード不能であり、ヒットさせると相手をよろけ状態にするヘヴィーストライク
    • よろけ時間は目に見えるほど長いものの、よろけから一定時間後(短い)にゲージ消費で技を出せるよろけキャンセルシステムがあるので、コンボを選び放題と言うわけではない。
    • 強パンチと強キックの同時押し(C+D)は、ヒットさせると相手を画面端まで吹き飛ばす効果があるバニシングストライク。吹き飛ばした後にレバーを進行方向に入れると自動的にブーストを発動して相手を追いかけて追撃することも可能。
      • ボタン押しっぱなしで溜めることが可能で、ヘヴィーバニシングストライク(通称:溜めバニ)はガードしている相手も強制的に吹き飛ばしガード崩しとして使える。この他、バニシングストライクはゲージ増加量が非常に多いという特徴もある。
        この効果はレバガチャで復帰時間を早めることができるが、オーラガードしていた場合復帰不能なほど吹き飛び時間が長くなり、逆にアジリティガードを決めると吹き飛ばずに防ぐ事が可能。
    • 弱パンチと強パンチの同時押し(A+C)は、ヒットした相手を浮かし、自身は専用のチェイスジャンプで相手を追いかけて空中コンボに繋げることができる、いわゆるエリアル始動技のグレイヴシュート。星は取れないが、グレイブを当てた後のジャンプ中に必殺技を当てると星を1つ奪える。
      • より正確に言うと特殊技「グレイヴシュート」のみではなく、「グレイヴシュート」と同じく相手を浮かしつつ自身はチェイスジャンプでキャンセルできる通常技・必殺技が存在する。
    • 弱キックと強キックの同時押し(B+D)は、立ち状態の相手のみ掴める特殊な投げ技・つかみ投げ。通常投げ(相手の近くでレバー+強パンチ)と違い同時押しなので距離を見誤ると空振りモーションが出て隙ができるがやや前進し投げ間合いは広め。
  • ガードの亜種が2種類存在する。
    • 直前ガードのアジリティガード(通称直ガorアジガ)が成功すると、ガード硬直が短くノックバックも消せる上、ゲージ増加が大きい。溜めバニや、トキのキツい固めの対処などに重宝する。
    • ゲージを消費して行うオーラガード(通称オラガ)は体力やガードクラッシュゲージが減らない・ノックバック&ヒットバック増加・空中ガード不能技をガード可能(一部の技は無理)・ガード硬直増加する短所などの特徴がある。
      • 入力して即出るわけではないのでやや癖があるが、オラガを使い分けられないと死ぬまで固められる状況が多々存在する。
    • その他、オーラゲージを1本消費してガードキャンセル(6+CD)も搭載されている。上級者にとっても基本行動の一つとして頼りにされるが、格闘ゲームとしては珍しく絶対的な切り返し手段ではないため、読まれると狩られ時には即死コンボに御招待までされる。一時期は「ガーキャンは甘え」という言葉すら広まった。
      • ガーキャンのコマンドはバニと被っており、更に諸々の都合から早めのガーキャンが主流なせいか、ガーキャン漏れバニのせいでやられる姿もそれなりに見受けられる。逆に漏れたバニが直撃して勝つこともそれなりに多いので、へヴィー誤爆よりはプレイヤーに許容されている。
  • ダウン時に↑を押すと起き上がりが早く、↓入れで遅く起き上がる。起き攻めや固めに対して有効なので忘れてはならないテクだが、両方に対応した起き攻めもある。
  • 全キャラで空中ダッシュが可能。
    空中限定の必殺技を持っているキャラが多く、また地上スレスレでも空中ダッシュや多くの攻撃技を出せるという同社のゲームの中でも制限が緩い仕様になっており、多くのキャラで低空ダッシュからの各種攻撃(いわゆる「低ダ」)は強力な中段攻撃として機能する。
  • 本作のレバー入力はやや厳し目で、「レバーコマンドをきちんと入力し終えてからボタンを押さないと技が出ない」*3という仕様になっている。他ゲーに慣れていると、なかなか技が出ないことも。
    • その代わり、ダウン中に技コマンドを完成させそのボタンを押しっぱなしにすると、起き上がると同時(リバーサル)に技を出してくれるので、俗にいう「リバーサル無敵技」による切り返しは実行しやすくなっている。
  • 画面には「世紀末体力ゲージ(体力ゲージ)」と「オーラゲージ(いわゆるパワーゲージで200%まで溜まる)」に加え、本作独特のものとして「ブーストゲージ(300%まで溜まる)」と「北斗七星ゲージ」がある。さらに対戦する組み合わせによっては「ガードゲージ(ガードによって減少し、なくなるとガードクラッシュして無防備になる)」も出現し、画面情報は多め。
    • 体力ゲージは減った体力の一部が青色で残り、地上にいるときに一定時間攻撃を受けないでいると徐々に体力が回復していく、所謂ヴァイタルソース制を持つ。
      • 「世紀末の猛者たちは、化け物級の治癒能力を持っています。」とのこと。回復が始まるまでの時間はキャラによって異なるが、後述する北斗七星ゲージを減らされるとそれまでのヴァイタルソースが消えてしまう。
  • 本作の最大の特徴といえるのが「ブースト」と「北斗七星ゲージ」である。
    • ブーストはブーストゲージを2割消費し、前方に高速で移動するアクション。
      • ブーストゲージはオーラと同様に攻撃の命中や被弾などで増加するが、「一度消費されると次の100%(1/3ライン)までゲージがゆっくり減少し続け、その間は基本的に増加しない」「攻めている側がかなり溜まりやすいが、ブースト使用直後は溜まり具合が悪い」という変わった仕様が多い。
      • よく「コンボ時間が長くて良い」と言われるのは、(地上コンボなら)時間稼ぎで体力を回復できること以上に、何よりブーストゲージを回収しやすいことが要因。
      • 乱発こそ出来ないが、高速移動による奇襲や離脱・通常技と必殺技のキャンセルによる隙の低減(接触後キャンセル時は消費量が5割に増加)・固め・連続技の発展など汎用性が高い。本作の自由度の高さに寄与しており、その使いこなしは勝敗に直結する。
    • 北斗七星ゲージ(通称「」)は初期状態で7つ点灯しているが、必殺技のカウンターヒットや特定の必殺技・投げ・超必殺技「究極奥義」のヒットで減少。
      • 相手の星をゼロにすると原作でお馴染みの死兆星が輝いて「一撃必殺奥義」が使用可能になる。
        ヒットすると体力に関係なくそのラウンドを奪取する。失敗時にはオーラ・ブーストが全消費されるというかなりのペナルティを背負うものの、ハート様以外ならコンボに組み込むことが可能(というよりユダとハート様以外はコンボ以外ではまず使われない)。格ゲー全体でもかなり強力で実用的な一撃必殺技である。
      • 星の回復方法は基本的に無く、相手が一撃必殺奥義を空振りした時かラウンドを1つ終えるごとに1つ回復するのみ。ただし一撃必殺奥義を受けてしまった場合、*4次のラウンドで全快する。
  • ガードクラッシュに関しては、各キャラにガードランクと呼ばれている値が高中下の三段に分けられて設定されており、対戦キャラの組み合わせによって発生の有無が決まる。
    • 基本的にランクが低い側のみガードゲージが出現し、中対中以外の同ランクだと両者に出現。
      • 高ランクはシン・ハート様
      • 中ランクはケンシロウ・ラオウ・トキ・レイ・ユダ・ジャギ
      • 低ランクはサウザー・マミヤ
    • 例外としてジャギのしゃがみ防御時の石像にはガードゲージと関係の無い耐久回数が設定されており、一定回数攻撃をしゃがみガードすると石像にひびが入っていき、破壊されるとガードクラッシュされたことになる。
  • 攻撃毎にレベルが設定されており、一方的に勝ったり相殺したり、ゲージの増え具合などに関わったりする。
    • また判定レベルによってヒット時の仰け反りやガード時の硬直、そしてヒットストップが統一されている。
    • 問題は連打の効く弱ボタン通常技だから必殺技より低レベル… とは限らない 事にあり、例外的な判定レベルを持つ技を知っていないと痛い目に遭うことが多い。単純なようで地味に厄介な仕様だったりする。
    • 当然ながら、攻撃の判定と各キャラの当たり判定は別個に設定されている為、判定レベルが強くても速さで遅れたり一方的にしか当たらない位置だと当然潰される。
  • コンボ補正はダメージだけでなく、ブーストとオーラの溜まり具合等を含む、色々な要素に影響している。
    • 攻めている側の方があからさまにゲージが溜まりやすくなっているシステムだが、コンボ補正のおかげで一方的にコンボをされても極端過ぎるゲージ差が出ないような配慮が(一応)されている。
      • ブースト使用後の再度増加し始める時間にも影響しているらしく、コンボ中にブーストを使ってしまうと中々ブースト回復が始まらない。
    • だが体力の内部数値は共通で192と小さいため、ダメージに関する最低値1ポイントずつになっても最低限それなりの威力は保証される(単純計算で一発0.5%)。
      • ちなみにダウン追撃は基本的に0.5倍の補正が入るのだが、これは必殺技と超必殺技には適用されない。
      • 相手キャラによってダメージへのコンボ補正のかかりやすさは若干異なる。なお、サウザー・マミヤやラオウはコンボになっていない状態でも受けるダメージに補正がかかっている。
    • 気絶値にも補正が入っていき、10HIT以降はコンボが途切れるまで基本的に気絶値が入らない。補正を無視するのはシンの使う羽根のみ。
    • ヒットバック・ノックバック・ダウン時間にも補正は適用され、かなりコンボを繋ぎにくくなっていく。
  • 加えてラウンド補正も有り、試合が進む程防御力が上がっていく。これはラウンド数が多い設定で顕著に現れる。
    • このため3ラウンド目以降に入ると即死コンボ(詳細は後述する)が即死ではなくなったり、ただでさえ硬いラオウがより硬くなったりと無視できない影響をもたらす。
  • 着地硬直
    • ジャンプすると無条件で着地時に硬直が数Fほど挟まるのだが、この着地硬直は地上技でキャンセル可能なのでより戦いが高速化する仕組みになっている。
      • AC北斗界隈で俗に言われる「着地硬直がない」とはこの状態を指す。この硬直を狙うことは可能だが基本的に確定チャンスではない。
    • 空中通常攻撃か特定の空中技を使うとこの着地硬直が更に数F増加し、着地時の地上技キャンセルも効かなくなるので通常の格ゲーみたいな挙動になり、これが主に「着地硬直」と言われている。ブーストがあるのでここを狙えるチャンスは見た目以上に多い。
      • 多くの空中必殺技は例外で、軌道にも左右されるが地表付近で空中必殺技(昇り降り無関係)→地上技という連携がブースト未使用でも可能。
  • 挑発はメリットがほぼ無いにもかかわらず、相手のオーラとブーストを1本増やすという非常にデメリットの大きい行為で、舐めプレイ以外では滅多に使われない。正しく挑発と言える。
    • ジャギに至っては飛び道具に必要なショットガンを捨てるためより不利になる。落としたショットガンの近くでダウンすると使えるゲージ消費技もあるが、あまりにもシビアな条件とデメリットから使える技とは言い難い。

問題点

  • キャラ選及び、その内容
    • まずキャラが10人しかいない。昨今の格闘ゲームのシリーズ1作目や単発作品としては平均的だが、キャラゲーとして見ると少ない。
      • 「ラオウの昇天」までに絞ったとしても、サウザーのライバルであるシュウ(ちなみに南斗六聖拳の中で一人だけ省かれ、サウザーステージの背景にいる)、ラオウと激闘を繰り広げた南斗五車星のフドウやジュウザ、(ネタ的な意味も含め)人気敵キャラのアミバやウイグル獄長等、出せるキャラはいるのでもう少しキャラを増やして欲しかったという声は多い。
    • また、マミヤやハート様については男性キャラ主体の格闘ゲームの女性枠、特異な体系の色物枠を考えるとこの二人が妥当な人選ではあるのだが、上記のようなキャラより優先する程か?という疑問の声もある。
      • マミヤについては脱衣(KO)まで原作再現として実装されていたりと作りは凝っており、実際、彼女の人気がないわけではないが、如何せん他の野郎達が超人過ぎて浮いてしまっていて使用率も低い。
  • キャラゲーとしては寂しいED
    • アーケードモードでは誰を選んでもラスボスは拳王(原作におけるラオウの異名)で固定。EDも全キャラ共通デモなのでストーリーはあってないようなもの。キャラゲーとしてはifが楽しめる個別エンディングがないのはやや寂しい。
  • 『北斗の拳』の世界観にそぐわないスタイリッシュ感
    • 英語によるラウンドコール、相手を壁まで吹き飛ばす「バニシングストライク」や相手を浮かせる「グレイヴシュート」などのシステム名は妙にスタイリッシュなものになっている。ガード周りや後述のゲーム性も含め、ギルティギアとの関連を疑われたのもやむ無し。
      • 開始時のアナウンスは「THE TIME OF RETRIBUTION BATTLE 1 DECIDE THE DESTINY!」。「北斗の拳」の世界観自体は映画「マッドマックス」のオマージュなので、その点を考えれば納得もいくのだが、なにぶん中国拳法的な漢字表記の技ばかり登場する作品なだけに、違和感があった事も事実。どちらかというと同じくアーク開発のキャラ格ゲー『戦国BASARA X』向きのような気がするが、そちらでは普通に「ROUND 1 FIGHT!!」だったりする。
    • おなじみの千葉繁氏ナレーションもエンディングデモのみで、ラウンドコールはしてくれない。もっともこれに関してはこうなればいいな程度のものではある。
    • なぜか体力ゲージだけは「世紀末体力ゲージ」というPS版を思わせるはっちゃけたネーミングになっている。
  • 本作の印象から似たようなコンボゲーが「世紀末」と呼ばれるようになった程の、激烈なコンボゲー
    • 某格ゲー情報サイトの言葉を借りるなら「ギルティギアツクールで作られている」。それもそのはず、メインプログラマーは同社の代表作でもある初代『GUILTY GEAR』の開発に参加したメンバー。
      一部のキャラを除いて普通にやって3割~5割コンボは当たり前、即死、永久コンボも盛りだくさん。そして一撃必殺技は投げ技のハート様以外、基本仕様として「連続技に組み込める」ようになっているため、最終ラウンドの決着は非常に速い。ついでに一撃必殺準備という仕組みはない。
      • コンボ難易度が相当高いにもかかわらず、インスト冊子に基本コンボが記載されている。とてもじゃないが、格ゲー経験のない原作ファンが気軽に手を出せるゲームではない。
      • コンボ火力の苛烈さの裏でゲームテンポも絶妙に速く、ブーストも相まって低空ダッシュ中段や昇り必殺*5といった相手の攻め手が強烈。溜め時間が長いとは言え、対処が難しい溜めバニもそれに一役買っている。
      • おまけにガード入力関連の特殊な仕様やバグがますます崩しを強くしてしまっており、ガー不連携・実質上ガー不連携も他の格闘ゲームに比べるとバグと言えるレベルの多さになってしまっている。
    • 上述のバニなどによる壁バウンド時とその後地面に叩きつけられた時に一定の追加ダメージが発生する。この威力は馬鹿にできず、壁を利用したコンボの火力は異様に高い。低火力といわれるキャラですら壁コンをかなり頑張れば5割程度吹っ飛ばせるレベル。ちなみにワンコンボ中のバウンドの制限回数はない
    • 「北斗の拳」は一撃必殺を信条とした奥義技が魅力的な作品なのだが、ほぼ全てのキャラでコンボ数2桁はザラに稼げるので見事に正反対な描写となっている。もっとも2D格闘ゲームで一撃必殺技を小技の如く乱発されても微妙だが。
    • 「決して地に膝など付かぬ!」と発言していた拳王(ラオウ)様がしゃがみながら小パンをペチペチと入れる(主力コンボ)姿は原作ファンの笑いと涙を誘った。
  • コンボゲーなのに頻繁に処理落ちによるラグが発生。
    • これはキャラが何かやった場合にも発生すれば、背景処理だけで処理落ちしている場合もある。
      • 後述のPS2版ではACと比べるとほとんどラグが発生しないため、ATOMISWAVE特有の問題と言われている*7
    • 全キャラに影響があるが、その中でも何度も目押しコンを要求されるラオウは相手よりも自分との戦いになる。

賛否両論点・評価点の前置き

  • 稼働直後は原作再現部分は評価されたものの「トキ一強の糞バランス」とゲーム面では酷評された。
    • 日本における格闘ゲームのチャンピオンシップである「闘劇」の2006年度の種目にも選ばれたが、出場者の半分近くがトキを使用し、優勝者もトキという まさに「トキづくし」「どこもかしこもトキだらけ」である (全キャラ出場はしている)。 きぃぃぃぃぃぃ!!トキ!!トキ!!どいつもこいつもトキ!!
      なんとか決勝戦まで食らいついたユダも「リバーサル刹活孔→北斗有情破顔拳」という美しいテンプレ逆転劇のもとに散り、最後のトキ敗退を願っていた観客たちが沈黙したのは言うまでもない。
      • 大半のプレイヤーが「クソゲー」と判断して時間とともにこのゲームを離れ、人気も低下したことであらゆるロケーションから本作は撤去され始める。
  • その一方でやりこみプレイヤーの研究により、通称「バスケ」を筆頭とする永久コンボなどが発見されるようになると状況は変化し始める。
    • 特にコンボ研究の成果は目覚しく、最終的には全キャラが永久・即死コンボを持つようになったことが再評価の決定的要因となる。
    • その他、バグ技や細かい仕様にも試合を動かす力が様々にあるため、トキ一強状態は崩壊を始めほぼ全キャラクターにどこかしら異常な強みがあると言っても過言ではないものとなる。
    • これらの結果、「トキ一強のクソゲー」から「凄まじいプレイヤースキルさえあれば、弱キャラでも絶望的な相手から勝利をもぎ取れる(※キャラバランスは悪い)」と認知されるようになった。
  • ちなみにこのような評価の変遷は、偶然にも原作の「核戦争による文明の破滅(本作では「核の炎」に準えて「トキの炎」)→その中を生き延びた人類の暴徒化(プレイヤーたちの先鋭化)」という世界観と重なっている。

賛否両論点

  • 前置きの通り、クソゲーと言っても誰からも反論されないほどに各キャラ間のバランスが悪く、明確な問題点である。
    • その一方で、それぞれずば抜けた強さを持っていることで「何とか対戦ツールの体裁を保っている」と言う意見や、「やりすぎだ!」と言う批判もあれば「いいぞ!もっとやれ!」という賛成意見も有り、かなり混沌とした賛否両論になっている。
    • 各キャラ毎に特色が作り込まれていることは概ね評価されている。
+ トキの異常な性能の高さ

ジョインジョイントキィデデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケンK.O. イノチハナゲステルモノ バトートゥーデッサイダデステニー セッカッコーハアアアアキィーン テーレッテーホクトウジョーハガンケンハァーン FATAL K.O. セメテイタミヲシラズニヤスラカニシヌガヨイ ウィーントキィ (パーフェクト) 

(片方がトキ使いだった場合の典型的な試合風景の様子(音)。キャラ選択から約1分、その内計30秒はATOMISWAVE特有のロード時間)

  • 初期はトキを選んだだけで捨てゲーされたりリアルファイトになったりしていたほどの惨状、当然一時は使用禁止キャラにしていたゲーセンもあったとか。この「ジョインジョイントキィ*8」や「命は投げ捨てるもの*9」「激流に身を任せどうかする*10」はそのまま名(迷?)フレーズとして象徴的な単語となった。
    • その結果、トキは『MVC2』の4強、『KOF2001』のフォクシー、『ジョジョ』のペットショップに並んで「格闘ゲーム史上最強の壊れプレイヤーキャラの一人」と称されることになり、この作品以降に壊れたバランスのキャラが出てきたとき(『戦国BASARA X』の毛利元就や無印ガンガンのフリーダムガンダムなど)もネタとしてこの作品のトキが引き合いに出されることがある。
    • その強さを主に支えたのは、必殺技「 北斗無想流舞 (ほくとむそうりゅうぶ)(通称「ナギッ」*11)」。
      攻撃判定のない移動技として複数種類存在するのだが、「発動が早い上に移動速度が瞬間移動に近い」「通常技・特殊技・北斗無想流舞をキャンセルして出せる」「動作後の隙もかなり短いのに先述の技でキャンセル可」「移動中は足元以外無敵」「相手をすり抜けて裏に回れる」「地上から空中・空中から地上の行き来が可能、しかも着地硬直なし」「下斜め以外の6方向に対応というあまりに豊富なバリエーション」など至れり尽くせりの性能で、トキのみが「共通システムであるブーストに近いものをゲージ消費なしで何度でも使える」というトチ狂ったことになっている。
      • つまり、この技の使いこなし次第でコンボ火力強化・圧倒的な奇襲性・目には見えない揺さ振り・終わらない固めor適度に固めてからの投げなど、トキの立ち回りが露骨に超強化される。中には一回守勢に回ったらほぼ死亡確定なキャラも居るほど。
        具体的には(当身や投げ始動含む)壁コンならオーラのみを消費して7~9割減らして当然といった具合。ゲージをきっちり使ってコンボを決められれば即死コンボも可能だが、相手ゲージを極力増やさないためにブーストを無駄撃ちすることも多い。トッププレイヤー間で見られやすい低体力のマミヤ・サウザーに対する理想の立ち回りでは1R先取時に自身のブースト2本&相手ブースト1本未満となり、1R時に相手のブーストが1本でも溜まってしまうと冗談交じりに「安い」と言われるレベル。
      • 端に居る相手に使っても強力で、その時点でも高速中下択・ガーキャン読み当身・投げなどの択が発生するが、画面端でなければそれに高速表裏択も加わる。ちなみに起き攻めでは相手の位置に関わらず、ガードされても自分有利の目に見えない表裏択を仕掛けることも可能。付け加えて攻撃を最速前ナギキャンセルされた場合のガーキャンは一見通りそうだが、通常3F以内に入力しなければスカる(例外はガーキャンが足元に攻撃判定があるシン・マミヤ・ジャギで、猶予が長い)。
      • この北斗無想流舞を使わないと他キャラがぶっ壊れ過ぎていて相対的に弱キャラ扱いされることもあるが、実はこれを使わない立ち回り・連続技も「那戯無闘鬼(ナギ無しトキ)」というネタとして研究されており、他の超性能技の数々に加えてブーストがあれば即死コンも依然可能なので、理論上は言うほど弱くはなかったりする。
      • 補足するとナギがあればブースト要らずというわけでもなく、ブーストしながら当身やバリアを無理やり有効活用したり、空中攻撃をスカしてからの投げがやりやすかったり、空中でも高速横移動可能、裏回らずに攻撃を出せると言った独自の強みがある。空中でヒット数を稼ぎたい場合にもブーストが必要な場合が多い。もちろんナギと使い分ければより相手プレイヤーへの視認困難な択をかけることが可能。
      • このナギ、ロケテストの時点から「この移動技、やばいですよ」などと、その場にいた開発陣に対してプレイヤーからの忠告があったのだが、それを開発陣が「ガードキャンセルで余裕で対処出来ますよ」などと失笑しながら反論したというのは非常に有名な話である。実際にはガードキャンセルなどでどうにかなるようなレベルの技では無いのだが…。
    • この無想流舞以外にも、トキには「秘孔・ 刹活孔 (せっかつこう)(相手)」という文字通りの究極奥義がある。
      • 元々原作における刹活孔は「一時的に剛力を得るが、代償として自身の命をも削る非情の秘孔」である。つまり、相手のそれを突くのだから、相手の体力と引き替えに相手を強化する技…な訳が無く、
        「発生が非常に早く、暗転後はガードがまず間に合わない」「通常ヒットで星を2つ、カウンターでは星3つ+壁バウンドで追撃可能」「発生時に無敵判定がある」「ガードされてなおトキ有利、外しても硬直が少ないので反撃を受けにくい」「空中ガード不能(オラガは可)」「上にはやや薄いものの(原作に準えて)内股付近の判定が非常に大きく、潰されにくいどころか下段狩りやダウン追い打ちすら可能」という、決して派手とは言い切れない見た目にトチ狂った性能が詰まっている。
        あまりに出し得すぎるので、「ぶっ放し」で使われる(ブッパッコーと呼ばれる)ことも多々。本来の刹活孔の効果である「命を削る」部分の再現として相手体力の自動回復を一定時間停止する効果もあるが、素の攻撃性能が素敵過ぎて最早どうでも良い。
      • 一応、飛び道具で範囲外から牽制(ただし刹活空振り後に差し込もうとしてもナギで回避されたり反射などで反撃を喰らうことがある)・上からトキの後頭部辺りを狙う(キャラの攻撃判定・攻撃時の当たり判定によって異なる)・刹活の判定を潰せる数少ない技をかなり早めに出しておくなどの刹活読みの対抗手段も有るにはあるが、当然ながら他の優秀な択もあるので安定ではない。
      • 技名に「(相手)」とあるように、刹活孔には自分に突くものもある。こちらは体力自動回復が一定時間停止する代わりに攻撃力がアップし、一部の技に星取り効果が付与されるという、モーションも含め原作のそれに近いものとなっているが、相手版が強力すぎて誤爆や星3一撃コンボ以外で使われることは少ない。
      • なお相手版のモーションは明らかに相手の肩まわりを狙っており、アミバが開発した秘孔からとって「 激振孔 (げきしんこう)」と渾名されたりする。(心拍数や収縮力を心臓が破裂するほど異常に増強させる、肩にあるという秘孔。つまりトキは決して用いない殺人用の秘孔)
    • 一撃必殺奥義は原作で登場直後に、カサンドラの獄吏2人を触れずして返り討ちにした「 北斗有情破顔拳 (ほくとうじょうはがんけん)」。原作においては秘孔を突いて痛覚を快楽に変える技で、これを喰らった獄吏2人は 笑顔のまま、体があり得ない方向に曲がっていって爆発して死ぬ という恐るべき技である。
      • 他キャラの一撃と比べて出は若干遅いものの、一瞬で端まで届きかつダウン追い打ちでも当たってしまうほど太いビームを時間差で両側に放つ。これが色々な状況から確定する為、一時期は、原作において喰らった者が笑顔で死ぬという効果から「北斗の死因の七割はスマイルビーム」と揶揄された。
        他キャラの一撃必殺技はややスカりやすくリカバリーも効きにくい中、超広範囲のせいでコンボ失敗したけど当たると言う事態が稀に起きたり、あえて両方や後ろへの二段目だけを当てる舐めプに使われたりとドラマを生み出している。
    • 通常技や他の必殺技の性能も高く、しゃがみ小パン連打だけでも殺人的な圧力、硬直が大きいがやたらリーチが長い上に特殊技以上(≒ナギッ)でキャンセル可能なしゃがみD(通称カンチョー)、飛び道具の硬直がやけに短い、発生1F&コンボ可能な各種当身(成功時に完全無敵になる飛び道具反射版以外は空中でも使える)、壁バウンド&ナギのおかげで追撃が容易い投げ、ダウン追い打ち可能で威力もヒット数も申し分ない&演出が長いので体力がもりもり回復する北斗有情断迅拳、超高威力&空中オラガ不能な北斗砕覇拳などが揃っている。
      • 一応、気絶しやすい(体力は平均)・下段技の層が薄い・当身がスカることがままある(特に空中版)・対空性能がやや甘いなどの弱さはあるが、ナギや当身のおかげで当身スカ(隙が大きいわけではないが、当然確反を招くことはある。)以外は特に問題が無い。
    • さらにトキの食らい判定は全体的に他キャラよりも小さめに取られている・画面端で隠れる部分が多いせいでコンボを伸ばし辛く、トキへの高火力コンボは総じて高難度。後述する「バグ昇竜」ですらその判定の薄さにより決まりにくく、「ムテキング」も無力化できる当身技が多いというように、代表的かつ致命的なバグの影響を受けにくいキャラでもあり「バグに耐性とか、もう格闘がどうこうって次元で戦ってない」「存在自体がバグ」とも言われることもある。
    • おまけにトキは自身のステージも強い。トキステージの左側はAC版では背景の処理でラグが発生するせいでコンボが難しいが、トキはコンボよりも立ち回りで圧倒することが多いので自ずとトキ有利に働きやすい。他キャラの一撃コンボは比較的スカりやすいのに自身の一撃は超範囲で全然スカらないのも大きい。
    • 誤解のないようにフォローすると、「トキを使えば誰でもほとんどの相手に圧勝できる」と言うようなものではない。その強さを支えるのは 使いこなすのが難しい移動技であり、そして昇龍コマンド なので自在に操るにはそれなりに格ゲー慣れが必要。そして初心者相手ならナギを使えれば圧倒的だが、(本作における)中級者以降は流石にコンボを覚えなければ勝率は安定しなくなる。
    • なお、現在では他キャラの研究が進みすぎてトキ一強ではなく、レイ・ユダを含めて三強と言われている。総合的にはトキが筆頭扱いだが、火力は中堅程度に落ち着いている。
      • 実用的な即死コンは多く、投げから現実的に狙えるノーゲージ即死コンなどを持つが高難易度。そしてそれ以上に他キャラの火力増加やゲージ消費の省エネ化やゲージ回収テクの開発などが進んでいる。
      • 大会でも普通に使われており、また一強扱いされなくなったおかげで昔ほど忌避されなくなったのか使用率も高い。この事情は前述のペットショップ・オクラなどとは大いに異なる。
+ トキに次ぐ強キャラも相当な壊れっぷり
  • トキに次ぐ強キャラであるレイとユダも格ゲーの範疇を大きく超えた性能を持っており、トキに食らいつけるほど強い。他のキャラとは五分以上~大幅有利。特にレイはあからさま過ぎる優遇仕様から、ジャギとは真逆の意味で開発に愛されたキャラと言われている。
    • 仮にトキが居なくてもレイとユダの二強でクソバランスなのはまず変わらず、それどころか火力の違い等から「トキよりレイの方が強い」という意見もある。
  • レイはバランスのとれた能力でありながらあらゆる面で強い器用万能キャラで、コンボ火力が総じて高い上にバスケも比較的簡単な部類。難易度を別にすれば様々な所から攻撃を当てにいった後、そこから即死コンに繋げることが可能。しかも即死コンはゲージをあまり必要としない(コンボ中に稼いだゲージで賄う)ものも多い。
    • さらっとキャラ説明で紹介したが、ほぼ全ての通常技がジャンプキャンセル可能というのははっきり言って頭おかしいとしか言いようがない ただでさえ破格なメリット。更にジャンプキャンセルキャンセル*12を駆使したコンボも当然の如く活用される。
      • 崩し・固め性能は要所ではトキを超えており、空中攻撃→着地してから固め→ジャンプキャンセル最速空ダを繰り返された場合、高速な中下段を連続で迫られる上にガードの種類を的確に使い分けつつも的確にアジガをしないとほぼ割り込めない。それだけでも厳しいのにここからの空中攻撃スカし投げが目に見えないレベルの速度な上に追撃可能。もちろん大胆な歩き投げも普通に脅威。
    • 珍しく空中投げを持っている。元の空中性能が強烈すぎるのでやや影が薄いが、空中で安心している敵を崩せる上に平然とコンボが可能。空中投げ仕込みは打撃と投げのどちらが出ても強力な行動と地味に酷い。
    • 究極奥義の南斗凄気網波(通称キリサケ)の火力がやけに高く、これをコンボに組み込むだけで簡単に4~6割以上減る。ヒット数が多いので重要なお手軽コンボパーツにもなるし、火力面でもコンボ補正すら無視できる仕様に。技単体としても判定が大きいのでブッパもややしやすく、更にダウン追い打ちも効くので2連キリサケで一気に死ぬことも多い。
    • 空中突進技(通称ブーン)も壁バウンド&空中ジャンプキャンセル可能&空中JCCも可能という これまた頭おかしい 仕様で、理論上ここから消費0の即死ループコンも可能。最後に空中究極奥義(通称超ブーン)に繋いで星を多く奪ったり、途中で空中奇襲技(通称流星パンチ)に繋いで着地→キリサケに繋ぐことでお手軽に大ダメージを奪える(ただのブーンループより簡単で、コンボ精度が高ければ現実的な即死コンにまでなる)。
    • 自由自在なコンボ性能から地味に星取り性能も高いが、コンボの火力はその星取りペースを上回っており通常は星を取り切る前に相手が死ぬ。
      そのせいで2R制且つトッププレイヤーの場合、一撃必殺技はグダグダになった試合の最終ラウンドをとっとと終わらせるためにコンボに組み込む程度の扱い。
      • よくある光景として「開幕→低空ダッシュからのコンボを決めてバニ〆(星1)→起き攻めで崩してキリサケでラウンド奪取(星2)。2ラウンド目開幕で崩してバスケで試合終了」ラウンドの合間に1つ星が回復するので、星取り性能の高さにもかかわらず、結局星は1個しか取れてない。
    • 空中性能の高さが火力以外にも寄与しているため、トキと同様に即死コンを使わずとも一線で戦える性能で、即死コンの精度が甘くても立ち回りが上手いプレイヤーがトッププレイヤーと普通に戦って勝っている場面も多い。
      とはいえ即死コンが使えなくても立ち回りが強い上に、場合によっては2回コンボで星を6つ奪いつつ倒せることが弱いわけがない。実際に08闘劇で優勝者は緊張でコンボミスしやすいというのを自覚していたのか、決勝でバスケには行かず星を取る事を優先し一撃必殺を狙った。
      • 始動時にアーマーがあるのでガーキャン狩りに使いやすい南斗虎破龍・空中専用の飛び道具の飛燕流舞がやや対処し辛い…というより3段ジャンプとバリアのせいでほぼ全キャラ攻撃が届かないので対処不能な上に高威力・グレイブがそれなりのリーチ&飛び道具をかき消すなど、立ち回りの脇を固める技も十分。
      • 昇龍拳扱いの「 南斗撃星嚇舞 (なんとげきせいかくぶ)」は強では無敵時間&6HITもする頼れる切り返し技で、更に大きく浮かすのでブーストがあれば重要なコンボパーツにもなり、この技のおかげで楽々ガーキャン狩りが可能(そしてブーストが1.5本あればバスケへ)。弱は無敵時間がないものの2ヒットさせつつヒット時に空中必殺技でキャンセル可能と後のフォローを考慮され過ぎた仕様になっていて、ここから長々とコンボを繋げられる。
    • 弱点として食らい判定が大きめで即死コンを喰らいやすい(通称メタボ)・しゃがみ状態ののけぞり硬直が他キャラより長いのでヒット確認からのコンボ選択が楽だったり、専用即死コンも多い。
      トップレベルのプレイヤーの戦いにもなると、レイの即死コンは常識だが即死コンを喰らっている姿も日常風景。使用率の高さと相まって本作で最もコンボゲーを体現したキャラと言える。
      • 明確な弱点ではないが、絶対にしゃがみ喰らいだけはしたくないこともあいまって空中戦主体なので、体力回復の機会は少なめ。
    • 「南斗撃星嚇舞」が永遠に上昇ヒットし続ける恐怖の「バグ昇竜」まで所持。発動が比較的容易な上に喰らった時点で相手はほぼ脱出不可能・それで相手をKOするとゲームが進行しなくなるという、本作における最凶最悪のバグ。これは流石に闘劇でも使用は禁止され、ゲーセンでも大抵禁止されていたり出禁を喰らう対象だったりする。
      • このバグで「ゲームがフリーズする」という記述がネットに散見されるが、それらは正確ではなく、フリーズしない。ラウンドが終わってもバグ昇竜がヒットし続け、次のラウンドに進むことも無くあらゆる操作を受け付けなくなるため、店員による筐体リセットをして貰わなければ何もできなくなるだけである。似たようなもんだが…。
      • 相手をKOする前にレイ側がブーストゲージを使えば解除はできるので、停止さえ回避すればバグ昇竜OKな場合も極稀にある。逆に言えば成立時点でブーストが1.5未満なら停止回避不可。
        因みに、とあるゲーセンにおいては、バグ昇竜を喰らった直後にすかさず席を立ち素早く相手側の席へと向かい、勝手にブーストボタンを直接突いてバグ昇竜から脱出し、何事もなかったかのように自分の席に戻るなんて荒業(この時は『なんでもアリ』ルールであったため問題ない)を使うプレイヤーも現れたこともある (通称:リアルサイクバースト)
  • ユダは性能的には癖が強く扱いが難しいが、立ち回り面やセットプレイは数多くの異常な性能の技もあってトキやレイをも凌駕し、火力も平均以上。ガー不連携も普通に所持している。
    • 究極奥義「ダム決壊」は仕様上は時間差で持続の長い飛び道具を発射する技という扱いで、相手のガード中に相手を攻め立てられる(ガード不能技も重ねられるほど)上に発動直後に無敵時間がある・発生保証がある事もあって切り返しにも使えるなど、かなりの出し得技として機能する。
      • さらにダガールを攻撃させる技を出してすぐにこの技を出すと、「暗転中に時間停止している間にダガールが攻撃するため」暗転後のガードが不能になるという現象・通称「チートダム」が存在。この技をさらに強力なものにしている。
    • 必殺技「俺を利用したのか~!!」はダガールを身代わりにして攻撃を受け止める当て身技だが、単なる当て身技だけではなくオーラゲージを使用しないガードキャンセル技としても使えるという大きな特徴がある。
      • ガーキャン版を出した時点で通常ガードするよりも硬直が大幅減少するため、他キャラでは不可能なガードからの確定反撃チャンスが増えると言う唯一無二の長所があり、修羅勢の間では自重していないAC北斗の中でも最大級のクソ技*13とも言われるようになった。ユダ側にどの技をガーキャンすべきかの知識が必須だが、ダガールゲージを持ったユダ相手に硬直の大きい技や連ガ固めは迂闊に出来ない。
      • なお、この技で出したダガールを攻撃されると、次に出したダガール技が不発になり逆にダガールに攻撃される(リベンジ状態)というリスクがあるが、「ダガキャンからバスケや一撃」などそのまま決着直行の悪夢めいた連携が可能なのでリターンの方が明らかに大きい。しかも使い所を見極めればダガールに攻撃が当たる確率は五分に近く、当たらなければすぐにダガール使用可能という超低燃費。
      • しかしクソ要素はまだもう一つある。リベンジ状態で攻撃してきたダガールを原作通り南斗鷹爪破斬で真っ二つにすると、そのラウンドでダガールが使えなくなる代わりにオーラとブースト全回復。状況判断が難しいものの、この裏技をコンボに組み込むことまで出来てしまう。なおこの技によって増えたゲージは普通に次ラウンドに持ち越されるが、ダガールは次のラウンドで何事もなかったように復活するため、バスケであと1発まで体力を削った相手とリベンジ状態で呼んだダガールを同時に鷹爪破斬で斬り捨て、莫大なゲージ回収を行って美しいフィニッシュを飾ることも可能。
    • 設定ミスなのか、何故か唯一バニの判定持続が異常に長く、判定も大きい。原作回想シーンで修業時代にレイの技に見とれてしまった自分を認められず鏡を叩き割るシーンのモーションだが、鏡が割れ終わって手を引こうとしている所でも何故か相手が食らう。バニを振っていれば勝てるレベル…とまで言うと流石に誇張表現だが、実際に初心者ユダに対しては「とにかくバニを多めに振る」事がアドバイスされる事が多い。
      • なお当たった場合は壁コンに移行できるので当然即死コンや高火力コンボも可能で、実際に大会でトッププレイヤー相手にユダのバニを振りまくって勝っているシーンも稀にあるなど、大勢の有名プレイヤーをイラつかせた技であることは確か。
    • ブーストの増加具合に関わる『蓄積バグ』と呼ばれるものがユダだけ起き上がり時に強制リセットされるという現象がある。
      • 厳密にはユダでもリセットされない場合もある*14し、他キャラでもリセットされる場合がある*15が、意図的な行動を取らずにナチュラルに切れるのはユダだけ。
      • これは背面起き攻めになりやすいという不利要素にも関わっているが、大抵はユダ有利に働く。
    • 発生が早い上に当てやすく、コンボからブッパまで有効な最強の一撃必殺奥義「血粧嘴」も普通に脅威。油断するとCPUにすら決められる。
    • 火力面では実戦的且つ省エネで比較的低難度の即死コンを持っているため、やはり即死コンをしている姿をよく見かける。
      • その他にもコマクが相手に毒を飲ませてスリップダメージを与える技「イチコロ」があるが、これがコンボの始動や中継にも組み込める。スリップダメージ自体なかなかのものなので、即死に失敗しても大きくリードを奪える。
    • 「コマクの知略」「ダガールの知略」の両設置技を駆使して嫌がらせするユダらしい立ち回りも非常に強力で、トキですら攻めあぐねる姿も珍しくない。ユダ本体のみの性能も必殺技こそ微妙なもの多めだが、通常技は上述のバニを含めて変なモーションながらも強力なものが揃っており、地力は強いほう。
      • トキ・ジャギ・マミヤ達程ではないもののコンボ耐性も平均以上であり、ユダ相手だとつながらないバスケも多い。
    • 弱点としてはとにかくハードルが高いこと(コマクとダガールの管理の難しさ・技のモーションが独特過ぎて初見では使い道がなかなか分からない・後述する仕様の差異から家庭版での練習が難しい)と、小足の連打が効かない・原作では連打しまくっていた飛び道具の伝衝裂波が硬直が長く連打できないなど。
      • 原作でも敗北を喫したレイ相手のみ技の兼ね合いからやや不利だが、レイも当たり判定がメタボなせいで対空攻撃が変な場所に当たったりと目に見えて不利と言う訳ではない。
    • ポテンシャルはトキ・レイに劣っては居ないのだが、敷居の高さからか強さの割りには使用人口が少なめ。原作から拳法家の中でもイロモノキャラだからかもしれないが。
+ 中堅と言われるキャラ達も世紀末

上記の「三強」よりは質が落ちるものの、仮に三強が居なくても世紀末と呼ばれるゲームであることに変わりはないだろう。

  • ラオウは初期こそ下位キャラ扱いされていたものの、最終的な評価は三強に次ぐ実力者であり、TOP4を選べと言われると間違いなくその中に入る次点筆頭格。四強と一括りで呼ばれることもある。
    • 前述の通り動きが遅いので立ち回り面で明らかに三強に後れを取っているほか、座高が高いので相手の普通のジャンプ攻撃が中段になったり、しゃがみ状態では通常当たらない技がしゃがみでも当たったり、相手の空中攻撃がめくりになりやすかったり、さらにはガード移行モーション(後述)の関係で 中段が見えていて立ちガード入力が間に合っていてもガードできない 時があり、ガードという行為そのものが難しい。しかし切り返し手段は多く持っているおかげで、他キャラに防御面で劣っているわけではない…というのがこの微妙な上位評価の所以。
    • 最大の長所は圧倒的な総合火力。あまつさえ技のどれもが他キャラを余裕で上回る攻撃力の持ち主であるうえに、様々な状況からゲージが無くても即死コンが成立する。
      • ただし、2Fの目押しや端でサイを刺さない様にする為の裏回り等がゲージ状況に応じて各所で必要になるので、お手軽に即死可能と言う訳では無い。前述通り、トキステージではラグという問題も存在する。
    • 他にも丸太の様な足と揶揄されるなどの巨体からリーチが非常に大きいうえ、強化中のチョップも無敵が長くて強い。飛び道具相殺の北斗羅裂拳(通称オラオラ)も、ガードを割られるサウザー・マミヤ・ほかしゃがんでいるジャギにはかなり嫌がられる。
      • 攻撃の隙をゲージ技の無想陰殺で消せるうえ、無想陰殺の攻撃は判定が厚い上にアーマーが付いているのでまず潰されない。当てるかガードさせるかするとジャンプキャンセル可能なので、当てた場合は余裕で即死コン可能。カウンターヒット時は壁バウンドする(キャンセルに使われやすいので、割り込みを狙った相手にカウンターヒットしやすい)ので目押しコンに拘らずとも高火力になりやすい。
      • 中段特殊技の通称「踵」は発生が遅い上にガードされると大幅不利とスペック的には微妙なのだが、ラオウの巨体と足を振り上げる動作が非常に絶妙で切羽詰まっていると思わず釣られてしまいがち。ラオウのガード崩し性能は理論値では最低レベルなのだが、陰殺・ブーストとこれのおかげで実戦値はそこまで低くはない(いうほど高くもないが)ので、踵で補正切りを狙う姿も稀によく見る。
    • 地上戦主体になりがちだが空中性能も地味に高く、対空性能が低い相手には空対空ではJA・JBを使いつつ、空対地ではJBやJDを使いまくるだけでも虐待現場の様な光景が繰り広げられる。無論、そこからも即死コンに突入可。
    • 難易度は高いが、ひとたび「無想転生」を発動することで、1回の発動につき7回までだが回り込みで確反できる状況が増える(所謂ブロッキング)ためかなりのプレッシャーを掛けられる。しかも一度発動すれば永続でラウンドをまたいでも持続する。
      操作上の都合からめくりや中下段の択をガードしやすくする&成功したら裏回りからのブースト逃げに使うことも可能。一応ガーキャン狩りにも使えるが有利フレームが少ないので、連打の利く小技に対して無想で回り込むと再度固めor無想の二択になる。
    • 高火力と体力が最も多い上に中々気絶しないという長所が立ち回りの辛さを絶妙に補っているため、コンボさえ覚えれば十分実戦投入可能。おまけに弱キャラの大半はトキだけでなくラオウも苦手な場合が多いため、初心者用の台ではユダを差し置いてトキ・レイ・ラオウが禁止となっている場合もある。
      ラウンド補正の効果も強く受けるため、初心者同士の対戦且つ3R制だと最も辛い相手とされることもある。
      • ラオウ用バスケが多数あるため中堅~弱キャラとの理論上の対戦ダイヤグラムでは三強ほどの不利はついていないのだが、天地ほどの火力差と丸太の様な足に阻まれて中々固められない(立ち回り面ですら不利)などの理由から、シンとジャギは実戦値ではラオウが最も厳しく、ケンシロウもバスケを覚えるまではラオウが一番の強敵である*16。ハート様も対策が出来ていれば三強相手と大差無いが、それまでは空中剛掌波とリーチの長さなどから三強よりも封殺されやすい。
    • 短所は前述の機動力の低さや防御時の難易度に加えて、上述のように対ラオウでのみ使える/使いやすい省エネバスケが多数存在すること。他にもガーキャン狩りが難しい(特に無想転生が無い場合)という地味ながら厄介な短所もある。
      • またAC北斗の仕様の関係上、極まったプレイヤーにからは逆に体力が高いのが欠点などという前代未聞の評価が聞かれる。
        バスケが完全に決まった後は覆す手段が無いので即死が決定しており、体力の残り量は「 相手がどれだけ余分に打撃を入れてゲージを回収できるか 」にしか影響しない。要するに、体力が高いラオウ相手だと相手が死ぬ前にいっぱいゲージ回収でき、次のラウンドをより有利な状況で開始できるのだ。
        一応、体力差と残り時間の状況では「バスケを続けても体力を逆転する前に時間切れになってしまう」ケースはあり、体力の高いラオウ相手だとそれが起こりやすいのは事実だが、戦国BASARAXとは違ってコンボダメージも十分に高いものが多いため、滅多に起こらない。
  • ケンシロウもまた器用万能に属する。使いやすい各種技と、威力・気絶値・星取り・画面端追い込みを兼ね備えた基本コンボを持つため、初心者でも比較的扱いやすい。もちろん有名主人公なこともあってかサブキャラとして使っている熟練プレイヤーも多い様子で、その辺りは星3→一撃『北斗百裂拳』フィニッシュのコンボが簡単な事を高く評価されていることが物語っていると言える。
    • 通常技の使いやすさは実に主人公にぴったり。中でも遠Dの回し蹴りがリーチと発生、斜め上への判定に優れ牽制としてかなり機能する上にコンボ始動としても使えるので、プレイヤーと対戦相手のキャラによっては回し蹴りで差し合いする、どこか見覚えのあるような光景を目にする場合もある。
    • いわゆる昇龍拳のC版「北斗有情猛翔破」のおかげで切り返しはかなり強い部類。もちろん読まれたらブーストを使わない限り反確だが、珍しく攻撃判定発生後まで無敵なのでわかりやすい打開策となっており、初心者が扱いやすい所以の一つになっている。
      • しかもこの技、C版を当てて特定のタイミングでブーストキャンセルすると地上判定のまま浮き上がり、空中でグレイブやヘヴィを出せるバグを持っている。
        ここから更に連続技に繋げたり浮きつつ一撃必殺技に繋げてしまったりと、使い勝手が良い割りにリターンもネタ性もやたら大きい技に変貌できる。
      • レイに比べれば非現実的だが切り返しからバスケへの始動にも使える。(対ラオウでは狙えたら大きい)
      • 昇龍拳の隙が怖い場合、近付かれていなければ隙の少ないグレイブでの対空も強力。しかも受け身不能時間が長いのを良いことにそのまま遠Dで拾って地上コンボも可能。
    • 必殺技の醒鋭孔は当てると一定時間までガード時の削りダメが追加(通常技でも削れる)という効果があるが、ケンシロウ自身の固め性能がそこそこ良いので相性も良い。おまけに壁コンと同じ理由で威力も馬鹿にできない。
    • 当身の北斗龍撃虎は発生4Fだが下段以外の攻撃を取れるうえ飛び道具まで反射する。打撃を取った後のカウンターが当たると壁バウンドなのでブーストを使えば大ダメージチャンスと、ナギのあるトキ程ではないがリターンも大きい。
    • 究極奥義の「天破活殺」は極太ビームを発射する見た目に反しぶっぱに向かない出の遅さだが、当たればほぼ必ず7ヒット&判定が太すぎてダウン追撃も可能。しかも命中時には追撃可能なので、バスケのコンボパーツにもなる上、状況次第で二連射して当てることが可能。
    • 対空技や空対空には弱めなので地上戦主体になりがちだが、空対地では低ダJBが中段技として強い。JBから北斗七死騎兵斬で崩しをかけてみたり(当たればコンボ可能・ガードされると不利・アジガで確反)、逆に北斗七死騎兵斬をブーストでスカして着地から下段or投げをしてみたりと、中堅扱いとは思えぬ本作ならではのフリーダムな立ち回りも可能。
    • 弱点は空中での当たり判定が大きめかつ一見おかしく(実際は体に攻撃がしっかり当たっているのだが、当たった瞬間に体勢が大きく変わるせいで何もない所に当たり判定が有る様に見える)コンボを伸ばされやすい。そのせいでバスケを喰らいやすいのが難点。また、空中で攻撃を喰らった時の当たり判定が横に異様に長い為、他キャラでは喰らわないようなコンボを喰らってしまう事も多い*17
      • キャラ相性の面では前述の通り対ラオウは基本コンボのみでは対抗しづらく、そして軸となるバスケの難易度がやや高いのがネック。
        必然的に初心者の壁になるが、バスケは実戦でも十分狙える難易度に収まっているので、上級者ケンシロウはラオウよりトキやユダの方を嫌がる傾向にある。
  • マミヤは一時最弱キャラ扱いされていたが、低燃費且つ簡単に即死コンができることが判明して(バスケ発見のきっかけとなった『百裂』の発見)からは普通に戦えるようになった。
    • 全体的にパラメーターが低いので弱キャラ扱いは揺るがない…はずなのだが、オーラゲージさえあれば(そしてマミヤのオーラはブーストよりも溜まりやすい)色々な場所からバスケに移行できる一発屋で、コンボ研究が進んだこととコンボ精度と立ち回りの硬さを両立したプレイヤーの出現によってマミヤが恐れられる事態もよく見受けられるようになった。それらマミヤ使いの活躍もあり、現在は中堅扱いされることも多い程度に地位を上げた。
      • ちなみに通常コンボでオーラを半分くらい溜めつつ即死コンに移行したり、ブーストゲージがあればオーラを一本以上稼げたりするので、オーラが溜まっていないからと言って低火力とは限らず、むしろ理論上はラオウの次点につけるトップクラス火力の持ち主と言っても過言ではない。更にドリブル・低火力・独自の技を生かしたゲージ回収力も非常に高い。
      • バスケ発見後も長らく対トキのバスケは非現実的とされていたが、今では安定レシピが複数有る上に、オーラさえあればレシピ選択によっては2回続けて挑戦できたりと様変わりしている。
      • しかもバスケ中に蓄積切りと呼ばれるテクと必殺技のバインドヨーヨーを組み合わせた、自分だけ多くのゲージを稼ぐテクも持っている。その為上手いマミヤを相手にした場合は、バスケの後にマミヤ側が2ゲージ以上で相手はブーストがあまり溜まっていない絶望的な状況になることも多い。
    • 強力な娥媚刺による近距離戦と、ヨーヨーのリーチが長い上に喰らい判定がない事に加え、ボウガンを組み込んだ遠距離主体の立ち回りが光るが、バスケを使わないと低火力・実質有限の弾数に悩まされる。ここらは開発のイメージ通りだと思われる。
    • 地味にヘヴィの発生が最速でコンボに組み込みやすく、本来の用途通り不意を突く形でも使いやすい(他キャラだと発生が遅すぎて厳しい)。当てた後はこれまた全キャラ中最も後隙が短く、唯一相手が最速でレバガチャを頑張っても確定で間に合う目押し小パンから即死コンへ繋ぐことも可能。見かけより高難度だがオーラさえあればメットボムと合わせたガー不起き攻めから、即死コンも当然の如く可能。
    • 体力やガークラゲージがサウザーと同仕様なうえ切り返し手段も強くはないものの、全キャラ中最速且つ低硬直のガーキャン・上半身無敵のバックスラッシュキック・姿勢が低くなる前転・究極奥義のバイクなどがあるので、相手の打つ手が読めれば強キャラの固めから抜けてしまえる場合もある。特にマミヤのガーキャンを狩るのは非常に難しい。体格が小さいのでバスケ耐性も高め。物凄く限定的な状況だが、ガーキャンからバスケも可能。
    • キャラ相性の面ではバスケも充実したのでだいぶましになったとは言え、トキ対マミヤは今なお相性が悪い。理由としてはサウザーと同じようなもので、固めが辛いわ飛び道具はバリアが怖い、切り返しにオーラを使いたいがオーラはバスケに回さないと勝機が薄いという三重苦にある。
      • 意外とそれ以外の強キャラとの相性は悪くなく、レイ相手はやや分が悪いもののユダやラオウはさほど不得手としていない。特にラオウ・ハート様に関しては寄せ付けない立ち回りでゲージを稼ぎやすい上にこちらの方がコンボ難度も楽なので、ラオウマミヤはマミヤ有利と言われることもある。ケンシロウ相手も得意で少なくとも無想転生が付くまではあまり怖くなく、付いてもバスケでどうにでもなりやすい。これら以外のキャラに対してはやや辛いorほぼ五分。
    • 癖の強さ・対トキの辛さ・強くなるまでが大変・コンボミスが他キャラとは比べものにならないほど痛いなどの理由からか使用人口が少なく、同様にマミヤ対策が出来ているプレイヤーも少ない。
      • 極まったレベルにおいてはラウンド数とその補正両方の恩恵が最も強いキャラとされる。ゲージを溜めて百烈を狙うキャラは共通して「ゲージを溜めるまでの立ち回り」に課題を抱えているが、3R制だと1ラウンドをゲージ溜めに徹して捨てると言うリスクが2R制の時よりも低くなる上、ラウンド補正で実質以上に体力が増えるのも嬉しい。そして一旦ゲージを溜めてしまえば、確実にコンボを決め切る腕さえあれば後は何ラウンドあろうとバスケ中にゲージを回収して次に備えれば良い。要するに1ラウンドの余裕が全部メリットになるため、3R制ではより立ち位置が上がる。
  • シンは上の6人と比べるとやや低めの評価で、実力が反映されやすいキャラとされる。
    • 長所は「壁コンに移行しやすいので通常コンボの火力が高め」「固めは弱いが色々な状況に応じた技が揃っている」「星取り性能が高く星3一撃コンも簡単な上に、コマンド投げからも可能」「コマ投げが強力」とバランスの取れた性能。一度ダウンを取った後のめくり攻撃も表裏が見えづらく強力な部類。
    • キャラ相性は実戦値では極端に有利不利のある組み合わせはほとんどなく、中堅以下のキャラやトキなど幅広いキャラと好勝負を見せることが多い。
      • ただ、固めと火力の差が絶望的で空中戦主体で迎撃出来てもリターンも小さくなりがちで南斗撃星嚇舞により蓄積起き攻めも難しいレイと、コンボを何度も通さないといけない上に、固め辛いのにリーチ差が不利(ユーザーから足が短いと揶揄される具合に)と、ラオウだけはとにかく厳しい。
      • ラオウ以外とならワンコンボで比較的簡単に3~4割程度削れるので、大体3回フルコン決めれば勝てる。始動も色々な状況から可能。固めは弱いものの差し合いなら別に弱くはなく、更に強キャラ側も何だかんだで2~3回触ってラウンドを取ることの方が多いので、AC北斗に参加出来てない程に差があるわけではない。一時期「開幕だけならトキシンはシン有利(=ゲージが貯まるまでならワンチャンある)」と言われていたほど。
    • 基本的にガークラしないのでガード精度がそのまま強さに直結する。むしろガード精度が悪いと負けやすいので自然とガード精度が磨かれる。切り返しは弱い部類なのだが、システム的に手詰まりという状況は概ね回避出来ているので、アジガを狙ったり暴れタイミングの見極め(あるいは人読み)などを落ち着いて選択できる。
      他のキャラでもガード精度は大切だが、特にサウザー・マミヤ・ジャギは相手問わずガークラするせいで守勢に入った後が否応なしに辛い要因になっている。
    • 端的に言って機動力の低さ(技や動きは悪くないがジャンプキャンセルが無いのが辛い)・固め性能の悪さ・バスケ難易度が非常に高い・サザンクロス補正と呼ばれるダウン時のバウンドの高さ(シン・ハート様用の即死コンもあるが、ダウン追撃可能時間は短めなので逆に入らないコンボもある。)・バクステ硬直が他キャラより4F長い(ちなみにレイも同様)などが弱キャラ扱いの最大の原因。ある意味本作内で最も格ゲーしているのはシンと言えるだろう。
      • 立ち回りの鈍さといった諸々の都合から、他の弱キャラと比べてもブーストゲージへの依存度がかなり高くブーストが余っていることが少ない。逆にオーラゲージの使い道は究極奥義が弱い癖がかなり強いので、オーラゲージへの依存度の低さを生かしたガーキャンや止めを刺す時に星を減らしたりブーストを余らせるために使われることが大半。
      • 壁コンに移行しやすいことが売りの一つなのだが、逆に普通の空中コンボだと火力が伸び悩むのも悩みどころ。
      • バスケに関しては稼動から10年近く経ってようやく実戦的なバスケが開発・実戦投入され始めた(それでも条件や難易度などからかなり厳しい上にキャラ限)程の超高難易度を誇る。
        そのせいであまり研究が進んでいなかったが、バスケ中に高度を上げて羽根(当たると気絶値増加)を混ぜることでバスケ中に相手を気絶させることが可能という独自性もある。相手の体力が満タン付近でなければ気絶前にKOしてしまうせいでほぼネタなのが残念。
    • 特筆点として、通称「ムテキング」というバグ技を持っており、成功するとそのラウンド中無敵が永続する。解除方法はシン側が無敵時間の発生する行動を取るか、相手を投げるorシンを投げるかシンの攻撃を当身するしかないが、ブースト消費・難易度の高さなどから使用禁止になっていなかったりする。
      • 他のバグと違いゲームが止まらないため、闘劇でも許されていた。もちろん普通に禁止されている場合も多いので要確認だが、狙い過ぎて不利になったり、成功しても失敗が続いても場が白ける恐れもあるので、狙わずに勝つに越したことはないだろう。
      • この状態になるとほとんどのキャラでまともに対抗できなくなり、マミヤに至っては打撃投げしかないので解除不可とワンサイドゲームになる。しかしトキに対しては迂闊に攻めると各種高性能当身でムテキングを剥がされるのでムテキングなのにトキから逃げ回るという光景を目にしたりする。
      • この技を練習するプレイヤーは数多居るが、さらに研究していたプレイヤーも存在し、AC北斗10周年記念で投稿された出禁コンボ動画の中にやや安定しやすい(成否が分かりやすいらしい)レシピが掲載されていたりする。
+ 弱キャラでも他格ゲーではびっくりする性能
  • サウザーは弱キャラという位置付けだが、「攻めている間は最強キャラ、攻められている間は最弱キャラ」と呼ばれる。
    • 一応バスケは可能だが難易度が非常に高く、基本的に起き攻めを狙い続ける方が安定する。これが最大火力が低いと言われている主な原因。
    • 最大の武器となる起き攻めは弾速の遅い飛び道具の『極星十字衝破風』『南斗爆星波』と自身の攻撃によって相手が端に居ても目には見えない表裏×上中下段の6択をかけることができるという鬼畜仕様。また、これらは腕の方にも攻撃判定があるのでこれを使った攻撃も可能。ガードさせても有利。更にこの飛び道具部分を置いてからの溜めバニも嫌らしい。当然の如くガー不も所持。
      • 何故か前ジャンプのみジャンプ移行モーションが無く、ジャンプ時の当たり判定の都合もあり攻めている間は小足が刺さりにくい
    • 中下段の択をかけられる必殺技もあり、その中段をガードされると確反だが、ブーストがあれば更に別の択に移れたりもする。
    • 究極奥義の「 鳳凰呼闘塊天 (ほうおうことうかいてん)」は強化技で、全体的にスピードが上昇&硬直が短くなり、更に一部必殺技の強化や被ダメージのコンボ補正が独特なものになる。この状態では早すぎて見切れないどころか 下段→中段の連携が普通にガード不能になる ほど崩し性能が上がるほか、連続で対空の槍投げを当て続けると難易度こそ高いものの即死コンになる。そしてコンボ中に強化してからの起き攻めはもちろん、状況によってはそのまま槍投げ即死コンへの移行も可能。
      • 家庭版にこれに関する不具合があるためになかなか研究が進まなかったが、この強化状態では即死コンの幅が広がることになる。
        なお持続時間が短い上に攻撃を当てても空振りしてもゲージが減っていくので、二連続で強化を使うことによって更に幅が広がるだろう。待機モーションを挟まなければ強化終了しないので色々なパターンから即死可能だが、猶予1F。
    • 短所の一つとして、ラウンド数・補正による影響を悪い方に受けやすい。星取り性能は高いので自然と星を奪いながら勝ち、次のラウンドで何か攻撃を挟んで一撃コンボで2R先取というのが理想的な勝ちパターンなのだが、3R制になるとコンボ火力の低さにより起き攻めの必要回数(=読み切られて反撃を受ける可能性)が余計に増えてしまう。かと言って2R目を一撃必殺技で取ると星が全回復してしまう…と手数要求がなかなか減らないのでダイヤグラム上では明確に弱キャラ扱いになってしまうと思われる。
    • 防御性能は低体力・全キャラからガークラ対象・対空・切り返し性能が低いのでマミヤと同等…と言いたいところだが、切り返し性能がマミヤにすら劣っているせいで最弱。コンボの喰らいやすさも平均的で地味にバスケも喰らいやすい。体力の低さに関しては鳳凰呼闘塊天中は防御力低下にする予定だったのが手違いでこうなったのでは?とよく疑われているが、「わが拳にあるのは前進制圧のみ」という本人の台詞に説得力のありすぎる性能と立ちガードモーション(「南斗鳳凰拳に構えはない」の台詞通り、仁王立ちのまま攻撃をガードする)のおかげで納得されていることもある。
      • サウザーのオーラゲージはオラガやガーキャンで消耗しやすいため、攻撃・強化にオーラを使いにくいのも難点。体力が少ないのでバスケされてもゲージ回収されにくいという強み(?)はある。
      • トキとの相性はずば抜けて悪く、固められなければ普通にそのままラウンド取れたりはするが、一旦固められるとナギによってガークラ(ゲージが無く詰み)・ガーキャンや暴れに失敗(切り返し性能の低さが響く)・オラガ終了(ゲージを使って相手のミスを祈る)・投げられる・体力/火力差を割り切って当て身を狙われるなどの即死クソ択を迫られる。
        他にも飛び道具バリアの存在が一層キツく、ブーストを使って進みながら反射バリア使って攻撃&無敵時間を無理やり作られたりなど滅茶苦茶な理不尽要素がてんこ盛り。
        一応、完全に極まったレベル同士の戦いならば「先に触ったらそのまま殺せるのはどっちも同じで、違いは先に触るまでの難度の差だけで6:4トキ微有利」などと言われる事もあるが、そこにたどり着くまでの道は果てしなく遠く、そしてたどり着くまではサウザー側が一方的に辛い。
      • 他にもケンシロウとは有利不利要素がそれぞれ細かく散在するが、強有情と相打ちになった場合ケンシロウの隙を消してしまうため、サウザー最大の武器である見えない起き攻めが通用しにくい・トキと同様にブー当身で飛び道具を反射しつつ突撃される・ケンシロウの牽制の主体の遠Dが爆星波を撒こうとするサウザーにこの上なく絶妙に刺さる・そして無想転生の存在など、ケンシロウ絡みでも他キャラとは一線を画する相性の悪さだったりする。ある意味では原作再現ともいえなくもないが。
  • ジャギは技の性能が全体的にかなり弱く、理論値・実戦値共に弱キャラが不動の地位となっている。
    • だがそれゆえに研究と執念がつぎ込まれた屈指の人気キャラでも有るため、強キャラとの絶望的なキャラ差が上位プレイヤーの操るジャギの物凄い頑張りによって覆されていく場面はAC北斗屈指の見どころ。
      • 実際闘劇08でも最初のモニター試合がユダvsジャギになり、予定調和のように1ラウンド取られてからジャギが1ラウンド取り返した際は、古今東西のゲーム大会でも稀に見るほどの異常な熱狂に包まれた。
    • 凄まじい研究によって様々な始動からバスケに持ち込むことが可能になり、トッププレイヤー同士の戦いともなると、比較的バスケを決めやすいレイ(それでもバスケの難易度はシンと比べると断然マシ、ケンシロウと比べて断然難しい程度)に対しては良い勝負をしていることも多いただし空中バリアによるチキンプレイに封殺されることがあるのはご愛敬。バスケの精度がある程度の水準までくれば一発逆転も狙える様にもなる。
      • ただバスケの難易度自体は一番簡単なレシピですら大概な難度であり、そして相手キャラによって難しさが極端に跳ね上がる。ユダ・ジャギ・マミヤ相手にはとても狙えたものではなく、ブーストゲージを崩しに使って壁コン重視で戦う方が現実的。それでも決めている人外は存在するが。
      • 対ラオウはバスケそのものは楽な部類だが、無想転生の有無にかかわらず立ち回りで大幅不利なせいで実戦では中々見られない。
      • コンボルート開発自体は進んでいるがキャラ限定・状況限定がやたらと多く、立ち回りやルート判断という点でプレイヤーに大きな負担をかける点も度々指摘される。
        そうでなくとも難しいバスケレシピはとことん難しく、省エネなものはどいつもこいつも主にダブドリと呼ばれる超高難度テクを繰り返さないといけないので現実的ではない。
      • 一方で、ジャギのバスケは「浮かせた後のゲージ回収力」は全キャラ中ぶっちぎりで最強と言われる。その理由はバスケの最中に二回ガソリン撒いて着火することで一瞬で自身のオーラ・ブーストがほぼ全快するテク(通称ベホマ)によるもの。
        相手体力が残っていたらいたで、グレイヴコンボを利用して「お互いどちらもゲージが溜まらない」状態で瀕死まで体力を削っていけば同じ状況に持ち込める。他キャラだと「自分も回収するが相手もゲージが増えてしまう」「相手にゲージを与えないが自分もあまり回収できない」の2択になる事が多いが、ジャギに限っては「残り体力に関わらず相手にほぼ全くゲージを与えず、自分はほぼ満タンまで回収する」事が可能。
        他にも蓄積バグ→ダウン中にマッチから「まだまだ読みが甘いわ」(通称・超ガソ)を繋げて引火&起き上がった相手に当てることでも同じような効果がある。中々安定はしないが、成功したらゲージ回復だけでなく起き攻めも可能(これを編み出し活用した当時のジャギ使いから名前を取って、みそら式と呼ばれている)。他の着火テクとも合わせて局所的なゲージ回収力だけは最強と言われることもある。
    • 当たり判定からバスケをされにくいという数少ない長所が有り、しゃがみ中ののけぞり硬直も他キャラより短く、立ち回りの弱さに反して案外バスケされる姿は少ない(これがレイを相手にしやすい大きな理由)。それでも弱キャラ扱いなのでバスケを狙うまでもないキャラと言う証左とも言える…が、ラオウにはそんなの知ったことかとばかりにガンガン即死コンを狙われる。
    • 全体的に攻撃の発生も硬直も長い上にリーチが短いものが多い。リーチが長いものもあるが、それらは基本的に発生や硬直がもっと酷いので迂闊に使えない。しかも地上まで判定のある攻撃が少ない(2種類且つ両方共欠点有り)のでナギへの牽制やユダの地雷除去が難しい。
    • 他にもガソリン周りには多くのテクニックがあり、『ドラム缶ハメ』と呼ばれる分からん殺しも存在。また対空版ショットガンの威力がかなり高い、グレイブの発生が遅くてリーチが長い(喰らい判定も長い)代わりにグレイブ唯一の中段、JAでの空対空が最強クラス(火力は無いものの一部キャラにはここから低燃費バスケ可能)、バニを必殺技にした感じでフェイントにも使える『南斗邪狼撃』、2ゲージ使うものの発生4Fでダメージを与えつつ、選択率で最大星2つピヨりを与える投げ技*18。ゲージ一つ消費でやや低威力ながら、発生2Fととんでもなく速い『北斗羅漢撃』など、強みもそれなりにはある。
      • 相手に足枷を付けて一定時間移動速度低下&ジャンプ不能にする「良くできた弟~~~!!」や、後退した後に含み針を飛ばす『や・・やめてくれ!!た・・頼む!!』には無敵時間があり、前者は無敵時間・コマンド難度に難が有って後者は近距離戦の最中や攻撃には使いにくいと欠点が目立つのだが、稀に切り返しに使えたり確反を取れる場合がある。
      • 通常コンボは娥媚刺が強力なマミヤよりも概ね低火力(ただし、娥媚刺はバスケの重要パーツなので弾数節約していることも多い)で、かなり頑張っても3割程度しか減らない。壁コンを頑張れば5割程度まで出せるが、同条件ならやはり最低レベルの火力。
    • おまけに一撃必殺技が妙に当てづらく、そもそも繋がらないハート様を除くとコンボに組み込むのが全キャラ中最も難しい。星3一撃コンボもあるが星3コンボの時点で難易度が高めで、そこに一撃必殺技の不安定さも加わるのでこれが繋がったら周囲から拍手されたりすることもある。
    • 三強+ラオウとの相性が軒並み悪いことも致命的。対ユダに関してはマシにはなったが、対ラオウは前述の通り実戦値的に論外として、対トキに至ってはユダ対ハート様に匹敵する理論値も実戦値も一~二位を争う相性の悪さとされる(対トキ用の実戦的な省エネバスケも充実してきたが、やっぱり高難易度)。
      • 実質最弱キャラと言われている関係上、「万一にもジャギに負けたら恥」というプレッシャーから対戦を嫌がるプレイヤーは案外多い。
  • ハート様はそんなジャギすら下回るほどの理論値の低さとは裏腹に単発火力が凄まじく、荒らしキャラとしてよく大番狂わせの活躍をしているためダイヤが当てにならない存在として扱われている。
    • 難易度的にバスケの披露こそほとんどないが、オーラゲージさえあれば小技どころかガーキャンから即死コン可能。当身からも場合によっては即死コン可能。
      • 彼のガーキャンは当身(上中段対応・飛び道具反射効果有り)を兼ねた必殺技が主流で、ガーキャン版はオーラゲージを50%消費する。ブーストに相当する動きはこの当身技とバニを当てた後のみ可能。なお当身版はゲージを消費しないもののガーキャン版の方が使いやすく、また壁バウンドを誘発しないので追撃が難しいと癖がある。
      • 1P側のみ対空投げループの対応キャラが減るという一見わけの分からない仕様があるため、筐体の選択権が非常に重要。
    • 基本的には絶望的にのろい上にリーチが短いが、スーパーアーマーが付いたまま移動可能になるバグ技、地対空や空対空に対応するコマ投げ、遠方の大地を盛り上げて攻撃する『アースクラッシュ』、飛び道具&時間差攻撃の『拳法殺し』一時的にしゃがみとガードを封印し強制前進する代わりに、その間持続スーパーアーマーと特殊技が追加され空中での機動力も上がる『いてぇよ~!!』など、癖は強いながらも戦っていけるだけの技はある。
      • 『拳法殺し』は原作初登場時、自分の血を見て暴走した姿を再現したもの。モヒカン達が鉄棒をハート様に向かって投げ、それを"拳法殺しの肉体"で弾きとばしてからしばらくすると、飛んでいった鉄棒の幾つかが中段判定でハート様の左右上から降ってくる。一見お笑い技だが時間差攻撃という油断ならない技と化している。
    • 超必殺投げ『ハートのA』は非常に高火力な上に、コンボに組み込める&ダウン追い打ち可能なので、位置によっては2連続で決められる。もちろん投げ技故にガード不能なので、不意に生当てを狙っても強い。普通の格闘ゲームであればとんでもない代物だが、流石に補正の関係で即死コンボパーツとなるまでには至っていない。
      • 対空投げや空中投げからも着地点が近ければ繋げられたりする。条件は限られるものの対空投げや空中投げ自体も何度かループすることが可能と、やはり普通の格ゲーでは有り得ないような仕様。掴み投げ(対空投げ)は星取り制限が無い為、一気に星が奪えたりもする。
    • 一撃必殺技『超いてぇよ~!!』はコンボに組み込めないので一番低性能と言えるものの、投げなのでかなりブッパが決まりやすい。発生は最速クラスで暗転後の回避はほぼ不可能な上に失敗した場合も隙が少なく、おまけにブーストが無いということで失うものも少ないため、一発技ながら見かける頻度もそれなりに多い。付け加えてハート様は鈍重さおよび火力の重さとは裏腹に星取り性能も高く、立ち回りでコツコツカウンターを取る技でも毎回星が減るため、ふと気付くと死兆星を光らせていることも多い。
      また、闘劇では、 上述の『拳法殺し』を発動→ハート側が一撃必殺技をわざと出してスカらせる→暗転中でも飛び道具は止まらない仕様となっているので、発動時の暗転+演出による時間停止の間にしゃがみ状態のラオウに『拳法殺し』のこん棒が降ってきてヒット という隠し玉として使われた。
    • またこのキャラも使用人口が少なく、ハート様対策が完璧なプレイヤーはさらに少ない。対策出来ていても弱キャラ扱いされているハート様に負けるプレッシャーを嫌がり、結果的にハート様を嫌がっているプレイヤーも居る。
    • 短所は紹介のところに書いてある通り、マイナス方向の独自要素が多いことに端を発している。特にジャンプするだけで着地硬直が必ず発生する*19ために普通に固めを捌いているだけで不意にガードできなくなる場面があり、ジャンプのタイミングをしくじっただけで崩れてしまうのが辛い。実戦値ではともかく理論値での伸びしろも少ないのも逆風。
      • ケンシロウとマミヤに至っては対ハート様限定の最速ジャンプ攻撃連携による永久ループコンもある…とは言え、簡単そうな見た目の割りに難易度が非現実的なので安心。また、独特の当たり判定に加え、接近戦を忌避されやすい投げキャラのお陰で見た目よりは永久コンボを喰らいづらい。
      • 『いてぇよ~!!』中のコマンド地上投げのビッグハッグを当てると相手が空中に居ながら地上技を出せる瞬間があり(※バグ)、狙うのは難しいものの普通に脱出されたり反撃される場合がある。ビッグハッグの使用機会が少ないことが救い。
  • 本作は未だに研究が継続されており 、バスケルートの開発により「ジャギは1P側のハート様に次ぐ下から2番目」→「ジャギは2P側のハート様より上、ジャギが下から2番目でハート様が最下位」という評価も2024年1月現在では存在する。
    • キャラクターの性能評価については複雑な要素であるため、詳しく知りたい人は自分でも調べていただきたい。
  • 結論として、全員の火力や攻め手がインフレしすぎている
    • 上記の説明を読んで頂ければ分かると思うが、 本作には「極端な強キャラ」か「強キャラ」しか存在しない。 本作を未プレイの人の中には「お前は一体何を言ってるんだ」などとツッコミを入れる人もいるだろうが、 実際その通りなのだから仕方が無いのである。
    • そもそもハート様以外の全員が一撃必殺奥義をコンボに組みこめるという仕様からして稼動当初から物議を醸していたし、そうでなくともあまりにコンボや崩しネタの開発が進みすぎ、ちょっとした差で一方的な試合になることがとても多い。
    • 弱キャラだとされているジャギやハート様が相手でさえも、少しの油断で簡単に昇天させられてしまうので、本作では 例えどれだけ体力差が開いていたとしても、確実に相手を殺さないと安心出来ない。
      • 実際稼動初日に開催された大会において 「決勝戦のケンシロウVSシンの組み合わせで、2ラウンド制の試合でシンが1本先取し、2ラウンド目の開幕直後にシン側がブーストからコマンド投げ→そのまま直に一撃をあてて4秒KO」 という試合をはじめ、それ以降の大会でも「ブースト特殊技カウンターヒット(星が取れる)→一撃(2秒)」「ブースト必殺技ヒット(普通に当てても星が取れる必殺技)→一撃(1秒)」など、高速決着のネタには事欠かなかった。
      • 下位キャラは大抵圧倒的な相性の悪さでボロボロにされているが、逆に勝つときも一方的な展開で相手をボコボコにしている事が多い。
    • 一部の究極奥義(超必殺技)は単発ヒットで4~5割ほど吹っ飛ばすという、90年代前半期稼働の格ゲー作品群と肩を並べるような高火力を誇る。
      そしてブースト使用によるコンボや常識的なルートの壁コンボですら5割程度のダメージはザラという環境から、元々高火力なコンボゲーを意識してバランス調整が為されていたと見る向きは強い。
      …のだが、そこに実用的な一撃必殺奥義と種々のバグ、高難度ながら超火力~永久/即死コンボの数々が重なり、明らかに想定を上回っているような高火力が乱れ飛ぶゲームになっていった。
  • 対戦キャラ・位置・ゲージ量の違いは当然として、1P2Pや向きの違い、自分のゲージ側か否かなど、非常に細かな差異が、コンボの成立条件やレシピに影響を与える場合が多々あるため、コンボの成功率は安定しない。
    • 一見短所にしか見えないが、これによって弱キャラにもチャンスが生まれやすかったり、やり込みの度合いによって強さが大きく変動しやすかったり…と、立ち回りから勝敗までささやかに影響を与える場のゆらぎとして絶妙に機能している。
  • 初代GG以外の同社格ゲーではことごとくおまけ要素の感が否めない一撃必殺技を最も実用的かつバランスを崩さないレベルに調整して実装したことや、ブーストによる自由な立ち回りやコンボの発展性などは、ゲームとして荒々しいが魅力に溢れている最大の賛否両論要素と言える。
    • ちなみに『BLAZBLUE』や『GGXrd』など、アークオリジナル作品でもコンボなどに組み込める実用的な作品は本作以降に少しあるが、そのほとんどは共通して最終ラウンドのトドメ専用というかなり強い制限がある。
    • 「バグを含めた全体的な仕様がフリーダムな動きを許容する方面へと働いている」という要因もあるが、本作ほど"やりたい放題"できる格闘ゲームは実際少ない。
      いかに大暴れするか・どこまでコンボ構築を楽しめるかなどを求めるマニアックな層には大変好評。Webサイト「電ファミニコゲーマー」にて、稼働から13年、ずっとバグだけ研究しているプレイヤーのインタビュー記事が組まれるほど。
    • 全体として「死ななきゃ安い」とまでよく言われるほどの超攻撃的な性能に、世紀末の「腐敗と自由と暴力のまっただなか」(アニメ「北斗の拳2」OP曲「Tough Boy」のサビ歌詞より)のような刹那的フレーバーが奇跡的にマッチしていたのも、このように異常な状況を受け入れられる土壌となっているのかもしれない。
  • アニメ版準拠である点
    • OPアニメやカットインはおろか、キャラドットの原画までも東映アニメ版の作画監督である羽山淳一氏が描き下ろしているという非常に気合が入ったビジュアルで、ハイクオリティなハイレゾドットのケンシロウ達を操作できる事も嬉しい。
      • ただしアニメ版は原作とかなり変わってしまっている点も多く、原作漫画準拠ではなく東映アニメ版準拠である点は賛否両論となっている。
      • ラオウ*20とジャギ*21のみ、デフォルトで漫画版を意識したカラーが設定されており、アニメ版のカラーは別カラー扱い。それ以外のキャラクターも、別カラーとして漫画準拠版はしっかり用意されている。

評価点

  • 原作再現度が非常に高い
    • 各種モーションやボイスは原作漫画及びアニメ版で描写されたものをとにかく細かく拾って来ており、丁寧に再現している。アニメ版初出のモーションも漫画原作のモーションも違和感無く仕上がっており、原作愛が感じられる。
    • ただ、あまりにも丁寧に拾って来ているせいで「ユダが空中から鏡を出現させて割る」「ジャギがどこからともなく椅子を出現させて相手に座らせる」など、単体でネタにされるような挙動もある。そういう箇所も含めて「味」と言えなくもないが。
      • 原作には無かった、また不発で描写が無かった技のモーション(『断己相殺拳』や『血粧嘴』など)に関しても、ほぼキャラクターのイメージに合った動きに仕上がっている。
      • 原作再現のためだけに作られたようなドット絵のパターン・アクションのバリエーションなども豊富に作りこまれている。
        ジャギのヒットさせると実際に三択問題をさせる「俺の名を言ってみろ!」や対シン専用究極奥義「今は悪魔が微笑む時代なんだ!」、自分に死兆星点灯時に使えるシンの一撃自殺技「おまえの拳では、死なん!」など、非実用的ながらロマン溢れる原作再現アクションも魅力。
      • 当然ボイスの使いどころもバッチリ。ジャギの上述のアクションはもちろんのこと、ケンシロウでハート様をFATAL K.O.すると例の断末魔も聞ける。さすがに爆散はしないが。
    • 豊富かつ原作を意識したものとなっているキャラクターの別カラー(回想シーンを再現したケンシロウの緑服カラーや、漫画版を再現したラオウの銀髪カラー等)、特殊な掛け合い、特殊なやられ状態、地味ながらも細かく原作を意識したステータス調整(秘孔ダメージ硬直が他より少ないサウザーやハート様、必ず相殺する南斗獄屠拳と北斗飛衛拳、等々)など、キャラは少ないながらも原作愛の詰め込まれたゲームとして認知されている。そこに一撃必殺奥義や上述の世紀末的なバランス・仕様が加わり、原作に劣らぬほどの破天荒な仕上がりになったことは間違いない。
      • 体格のバランスに関しては原作者のチェックによるものである。当初はもう少し頭などが大きめになる予定だったとか。
    • 声優陣もほぼ東映アニメ版のオリジナルキャストを起用し、非常に気合の入った掛け声でゲームを盛り上げてくれる。
      • ケンシロウは河本邦弘氏*22、レイは千葉一伸氏*23が代役として担当しているが、キャラクターをよく理解した名演技を披露しており、評価は高い。
      • ハート様は東映アニメ版ではオカマ口調の脚色がなされていたが、本作では原作準拠の口調となっている。
      • なお、ジャギ役の戸谷公次氏はこのゲームの稼動開始から程なくして逝去。ジャギを担当した最後の作品となった。
  • 勝利画面の台詞は通常は各キャラの組み合わせによるものが表示されるのだが、対戦勝利時の表示前にレバーやボタンを入力しているとそれとは無関係に原作の台詞へと変更される(COM戦では敗北時に逆側のコンパネ操作で変化)。しかもほぼ全ての操作組み合わせに対応と言って良い程の多種多様っぷりでファンサービス旺盛。
    • 中には本作に登場していないキャラの台詞も隠し要素として大量に存在している。ただし原作が原作なだけに暴言や煽りがかなり多い。
  • 背景も前述のシュウを始めとして、細かな原作ネタが多くちりばめられている。自己主張し過ぎていて邪魔ということもなく、場所によって処理落ちすると言う問題点を除けば好評。
  • BGMも好評。ただしサントラは未発売。
    • TVアニメ版とは違った世紀末感をデスメタル調で演出しており、単品で聞いてもしっかり聴き応えがある。作曲したのは末村謙之輔氏。
    • 余談だが、トキのステージである「始まりの地」のBGM*24は、様々な意味で原作におけるトキらしさが出ていて曲自体は高評価なのだが、稼働初期にトキが暴虐を振った事もあって一種のトラウマBGMになってしまっているプレイヤーも少なくないとか。
      • 対戦ステージは後から参加したプレイヤーの選んだキャラクターのものになるため、トキで乱入されると否応なしに「始まりの地」ステージの曲を聴かされることとなる仕様によりトラウマBGMになってしまった…ということである。
    • タイトル画面のみスロット機(当時の機種のバトルボーナスBGM)の流用だが、他のギターサウンドと違和感無く溶け込んでいる。

AC北斗専門用語

自由過ぎるシステム・バグ・バグの様な仕様に加えて、研究が高じ過ぎた結果、AC北斗独自の要素(用語)が多数生まれることになった。
以下の用語の物量から一目瞭然だと思うが、初見では訳が分からない。
すなわち独特な仕様やバグが多かったりするせいで、その全てを把握している人は少ない。

+ 独特な用語の数々
  • 開始前から読み合い
    • このゲームでは対戦開始から一定時間経たないとブーストゲージが貯まらない仕様になっているが、そのカウントは対戦開始前の掛け合いデモの時点でスタートしている。
      • つまりデモを飛ばさないと開幕からゲージが増えるようになるため、対戦開始前から読み合いが発生するという仕様。
      • ただ、大抵はさっさとゲームを始めたいので大抵スキップされる。強キャラ対弱キャラでは特に強キャラ側が相手にゲージを渡したくないので尚更。
    • ハート様は1Pと2Pで即死コンボの難易度が異なるため、相手より先に2P側に座っておくというハート様対策がある。
  • 落としていいよ
    • 主に最終ラウンドでバスケされている相手が負けを認めた時に言うプレイヤー間での用語。すぐ終わるとされるAC北斗だが、体力が多く残っているうちに安定ルートのバスケでペチペチされるとさすがに長引くので、「補正を切ってさっさと殺して下さい」の意味。
      • これを言って嫌がられることはまずないが、諦めることが美徳とされているわけでもないので注意。
    • というか途中で落とすか最後までバスケを続けるかで、星の数が変わったりコンボ補正と後述の仕様により次ラウンド開始時の両者のゲージが大幅に変わってしまう。
      そのためあくまで「たくさん野試合したいのでさっさと次に行こう」程度の意味合いで、最終ラウンド以外や大会ではまず言われない。バスケの最中にミスする可能性もあるし。
      • 酷い場合は大会で主催者や相手が言ったのを真に受けて落とした後、相手側に反撃されることがあるので注意。あえて席を立って諦めたフリをしたり、相手が諦めているだろうと読んでわざと落として図々しく補正を切ったり星を多く奪うなど、世紀末幼稚園じみた駆け引きをしている場合もある。
      • これの亜種として相手に降参の意を伝える「降参ボタン」を実装したゲーセンもある。さっさと次の試合に移りたいプレイヤー側と時間短縮してよりインカムを稼ぎたいゲーセン側の双方の思惑に合致した格好だが、いかんせんそのフレーズの強烈さからか外野からは散々ネタにされてしまった。
  • 世紀末状態・ゲージが世紀末
    • 主に(お互いの)ブースト・オーラゲージがMAXの状態でラウンドが始まることを指す。
    • こうなるとブーストをフルに使った立ち回りの酷さが爆発し、何か刺されば即死コンボのチャンスが待ち構える。開幕数フレームの攻防で即死コンボの始動技が刺さって勝負あり、なんてことは日常茶飯事。
      • 散々ぶっ壊れていると言われるAC北斗だが、それでも現実的なノーゲージ即死コンは多くはないのでゲージが溜まっていない状況では「格ゲーしている」などと言われることもある。それ故に、後述する蓄積バグの活用と、各ゲージの管理は試合で大きな重みを持ってくる。
    • 現在では本作以外の格ゲーでも互いの全ゲージがMAXでラウンドを迎えた際にまれにこう呼ばれることがある。もっとも大抵の場合は「大味な展開が予想される」といった意味合いで、本作程無茶苦茶になることはない。

  • 蓄積
    • コンボ中に技を何回キャンセルして使ったかに応じて、ゲージ増加率・相手のガードゲージ減少率と気絶値の蓄積率などに上方補正がかかって特に攻め手側が有利になっていく仕組み。
    • バニコンやバスケなど、特に準永久の長いコンボ中にゲージをもりもり回復できるのはこの仕様によるものが大きい。
    • 通常であれば、この蓄積効果はコンボ補正と相殺し合うようになっているのだが、これらはリセットされるタイミングが微妙に異なる仕様だった。そのため・・・
  • 蓄積バグ
    • 上記の"蓄積"は普段は起き上がった後にリセットされるのだが、起き上がりガードで攻撃を重ねられそれを食らってしまうと蓄積がリセットされない
      • 厳密に言うと、立ち・しゃがみニュートラル状態に入ったときのみ蓄積がリセットされる仕様。これらを経由しない状況というのは意外に多く、
        リバサ暴れをカウンターヒットされるか、気絶・バクステ・バックジャンプのジャンプ移行中・ ガード入力入れっぱ の状況で攻撃を食らった場合、蓄積が維持されてしまう。例外的に防御側の暴れを無想転生で取ってカウンターヒットさせた場合はリセット。
    • 通常のコンボ補正はダウン時にはもう切れている為、これによって蓄積を持ち越されるとゲージの増加率が桁違いに増加してしまう。
      このため、逆転が難しい程の大差で瀕死になった場合は「低い逆転に賭けてガードを頑張りゲージを増やされてしまうよりは、棒立ちで死んで蓄積を切りゲージを増やさせないようにする」という択や、それを見越した図々しい補正切りなど、ラウンドとゲージを秤にかけてしまう世紀末な読み合いも発生している。
    • 細かい仕様としては、「立ち状態が挟まると蓄積がリセットされるが、起き攻めされている間はガード入力の方が優先される(起き攻めされなかった場合、必ず立ち状態が挟まって蓄積リセット)」「ガード後は立ち状態より後ろ歩きが優先されるため、攻撃が途切れても立ちガード入れっぱでは蓄積がリセットされない」「逆にしゃがみ後ろ歩きがないので、しゃがみガード後に攻撃が途切れるとしゃがみニュートラル状態に移行して蓄積がリセット」…などという性質も検証勢によって明かされた。
    • 前述しているが、ユダは起き上がり時にガード移行モーションがないせいか、リバサを潰された時以外は蓄積バグが発生しない。お陰でユダは蓄積バグにて一強の知略とも言われる。
    • 逆に蓄積バグ最大の被害者はサウザーとマミヤ。自身が利用する分には他キャラと変わらないが、全キャラからガークラ対象となるせいで、お互いにメリットデメリット双方あるゲージ増加率以外に、被害しかないガークラゲージ減少率でもこのバグの影響を受けるため、酷い時は起き上がりに重ねられた小パン2発だけでガードゲージが1本まるまる消し飛んでしまう。切り返しにオーラをよく使う・バスケを喰らう場合と違って低体力が仇になりやすい等、悪影響の方が大きい。当然ガークラした後も蓄積は切れていないので…。ちなみにジャギの石像(しゃがみガード)は回数カウントなので効果を受けない。
      • 他キャラも気絶値がえらいことになるせいで、実質2コンボで死亡確定というパターンも多い。通常はめったに気絶しないラオウですらも。
  • 空振り蓄積
    • コンボ中の蓄積は、その技が空振りしても問題なく加算されていく。
      • 通常コンボでの有効活用は難しいが、壁コンでは空振りしながらのコンボ継続が楽なので、地道に空振りを増やすことで圧倒的な蓄積値を稼ぐことが可能。
      • 空振り蓄積と蓄積バグの相乗効果の結果、起き上がりに攻撃を重ねると気絶させやすく、ガードさせるとゲージが超増加&相手のガードゲージを大きく削れる。
        一見するとほぼ全キャラ恩恵が変わらない様に見えるのだが、シンやジャギとの兼ね合いは他キャラよりも良い。両者共に壁コンが主力な上に、ジャギは「相手ダウン中のガソリン着火テクがある」シンは「全キャラをガークラさせることができる」のが理由。特にシンはこれらの発見によって下がる一方だった評価が見直され、固めの弱さからせっかくのガークラが難しいという評価も払拭。
      • バスケにも利用されており、蓄積を水増しして無理やりゲージ回収量を引き上げている場合がある。
    • 通常コンでの活用例としてはケンシロウが有名で、バランスの良い基本コンの延長で活用可能。利用可能な状況が多い上にラオウ相手は特にコンボが機能しやすいため、より重要となる。
  • 蓄積切り
    • コンボ中でも蓄積がリセットされてしまう行動のこと。これはバスケ中に相手のゲージ増加を抑える為に利用されたりする。
    • 類似例としてグレイブからのチェイスジャンプ中のコンボはゲージ増加量が少ないので同じように使われることがある。着地してからコンボを繋げると通常の増加量に戻るのでこれを利用したゲージ調整も行われている。
  • 自家発電(ゲージ溜め)
    • 本作は基本的に攻撃命中か攻撃ガードが発生しないと攻め手も受け手もゲージが溜まらないのだが、例外的に増加する技もある。これらを遠距離戦やバスケの最中に使って一方的にゲージを増やしている場合もあるが、もちろん本来の用途とは異なる。
    • 対象となる技はケンシロウの天破の構え(略称:天破)、ラオウの北斗呑龍呼法(呼法)、ジャギのマッチによるガソリン引火、マミヤのバインドヨーヨーなど、ダメージやのけぞりを与えない(せいぜい相手の速度を落とす程度の)コマンド技が該当。

  • ガードロック
    • ガード中は向きが(コマンド含めて)変わらない為、低ダなどで裏回ってから攻撃されると逆向きのままガードが続く仕様。『ストリートファイター』など他の一般的な格ゲーの「めくり」とは微妙に異なる現象。
      • 見た目も凄いが、この状態が続いているとガード入力方向が相手のいる方向になるので、プレイヤーからしても非常に厄介。この間ノックバックが逆向きになったりもする。
      • 一見条件がシビアなので中々起きにくそうな現象だが、空中技をガードされてもそのまま暴れ潰し・ないしガードロックに持ち込める攻めがとにかく多いせいで思ったより見かける。
    • 他に、後述のように「ガード中に立ち・しゃがみを切り替える事ができないタイミングがある」仕様を指すこともある。
    • この2つの現象が絡まった場合、振り向くのにかかる数フレームも相まって、普通のジャンプ攻撃→着地下段の連携がガード不能になることがある。
  • 背面起き攻め
    • 逆向きガードロックは普段はめくりから始まるが、ユダは蓄積バグが起きない代わりに起き上がりタイミングや起き攻めによってこれを誘発させられやすい。
      • サウザーは対ユダにおいて、画面端でない限り確定でこの状況に持ち込み、かつ爆星波を重ねて起き攻めできるレシピが存在するため、ユダ側が対策できていないとこれのみで削り殺される事もあり得る。
      • 他キャラも場合によっては発生する(※画面端でも)。
    • ちなみにこれが起きた時のリバサ暴れが逆向きになるAC北斗特有の読み合いが発生したり(両対応の暴れもある)、ガード入力が凄まじくややこしいことになったり、微妙な差(左右の違いや攻撃タイミングの違い)で結果が変わったりする。
      • ケンシロウの醒鋭孔を当てた後にダウンさせ、背面起き攻めをガードさせ続けることで、そのまま削り殺せる衝撃的なネタも発見されている。やや現実的ではないことが救い。
  • ガード移行モーション
    • 文字通り、ガードモーション前の動作。この状態でも攻撃は防げるが、上段・下段ガードの切り替えとガーキャンが不可能
      • このせいで座高の高いラオウは低空ダッシュによる中段攻撃が見えていてもガードできないという事態に見舞われやすい。

  • ブーストバグ
    • 主にラウンド終了時までブースト消費量が強制的にキャンセル時の50%に固定されてしまうバグを指す。ブースト消費に関するバグは他にもあるので注意が必要。
      • ブースト使用時、例えば後述のHSCを用いるときにボタンとブーストを同時押しする事があるが、この時同時押しがズレると通常技キャンセルブーストという扱いになって発生してしまう。ブーストキャンセル出来ない技では発生しない。
      • ちなみにトキは要所で使える2Cと牽制・固めの主力の2Dがブーストキャンセル不可な(というかナギッで代替できる)せいでこれにあまり悩まされない。
  • ヒットストップキャンセル(HSC)
    • 通常のコマンドにブーストボタンも同時に押すと、ヒットストップ(攻撃命中時やガードキャンセル時の一瞬の停止時間)をブーストでキャンセルできる。
      消費量が20%のまま(暗転技で成功すると消費0%)になるため、攻撃判定が当たる前にブーストでキャンセルし消費を抑える「移動ブースト」と同様、上級者の必須テクといわれる。当然、これを利用して繋げるコンボもある。
      • 性質上、ブーストが使える状況であることが前提条件。また入力をミスるとブーストバグが発生するという大きなリスクが有る。
  • バニキャン
    • バニを当てて自動ブースト発生とほぼ同時にブーストキャンセル不可能技を出すと、ブースト移動が止まりつつブーストゲージが一本溜まる。
      • ただし「ブースト減少中でない」かつ「ブーストが1本未満」でのみ使える。いわゆる発動条件を満たしていない技のコマンドで動作キャンセルできるバグ技の系譜。
        この自動ブーストの瞬間をよく見ると、ゲージが1本もない場合は一瞬ゲージが1本分貯まって減っていくという挙動を示している。なのでゲージが溜まった瞬間にブースト移動をキャンセルすると、減る行動が起こらないので溜まったままになってしまう。
        なおブーストを使い切った直後なら、ブーストがほぼ増加しない時間中にもバニキャン可能。
      • 猶予1Fと非常に難易度が高いのでまるで安定しないのだが、これを得意とするプレイヤーが居る辺り業が深い。
    • ラオウはサイによる即死コン中に無想転生を付けるついでに試すことが多い。
      成功すれば御の字、失敗してもコンボ継続可能、サイの影響か何故か猶予2F、コンボ失敗しても無想転生が付くから良い(強がり)と相性が良すぎて鬼畜。
  • 封印バグ
    • ブースト2本以下の場合、バニ命中から40Fの時だけ奥義や一撃必殺が出ない。
    • 家庭版による検証で発覚。ACにもあるかどうかは不明だが、バニの後に技が出ないことが稀にあるので操作ミスではなくこのバグが影響している可能性がある。
  • スライドバグ
    • レイの空中突進技「南斗鶴翼陣斬」を出し切って着地時にブーストキャンセルすると移動ベクトルが残ってしまい、進み続けるバグ。これを有効活用するとブースト無しでも百烈可能になる。
      • マミヤのバイクでも発生するとのこと。
    • AC北斗では珍しい、大会で禁止されやすいバグ

  • 暗転ガー不
    • 究極奥義(超必殺技)発動時の暗転中はキャラクターの操作を受け付けずキャラクター自体も動かないのだが、 ストライカーや飛び道具は通常通りに動く
      別に北斗だけではなく、同じエンジンを使っているギルティギアシリーズでも起こる現象。
      • ガード判定はキャラクターの動作に依存する仕様上、暗転前にガードポーズを取っていない時点で重なった飛び道具はガード不能になってしまう。
      • 実用的なのはユダのチートダムとハート様の鉄棒+一撃の組み合わせ程度。
        サウザーの飛び道具+鳳凰呼闘塊天でも可能でありちょくちょく見かけられるが、これは厳密には単に「飛び道具を盾にして安全に鳳凰呼闘塊天を発動している」だけであり暗転ガー不を狙うものではない。偶然刺さることはあるが。
  • 剥がし(バニ剥がし・壁剥がしなど)
    • 壁バウンド中の相手にあの手この手で、吹っ飛び状態を解除しつつコンボを継続するテク。
      • 途中までは壁コンの方が高威力になるのだが、最後の方になるとヒットバック増加で攻撃が繋ぎ難くなるため、剥がすことによって更にコンボを伸ばせる。
    • 似たテクニックとして壁バウンド中にめくり攻撃を当て、逆方向に壁バウンドさせてコンボを伸ばすというものもある(通称フォーザキーン*25)。
  • 田植え
    • しゃがみレイに対するラオウの永パ(近D>地サイを繰り返す)の俗称で、これが田植えをしているように見える。ラオウは元々どのキャラ相手にも永パを持つが、しゃがみ状態のレイに決まると食らい硬直が長くなり、かつその場から移動しなくなるので、入力操作難度的にもレシピ選択の手間という意味でも、難易度が劇的に下がる。
    • 実はバスケ発覚前に発見されていた永パ。そのため当時は物議を醸していたが、今となっては永パが普遍的なものになった上、レイラオウは元々レイ大幅有利なので問題視されることはなく、むしろ「レイでしゃがみ喰らいする方が悪い」という扱い。
  • メットバグ
    • マミヤのメットボムは低速&ラウンドを跨いでも転がり続ける為、ラウンド終了時に自分ゲージ側の端からメットボムを出すとラウンド開始前に相手に当たる(ダメージ有り)。しかもバスケを決めればローリスクで狙える
      • ダメージ的にあまり痛くはないことと、そもそも大抵は星取りを重視するのであまり見かけないが、成功すると相手は吹き飛んで距離が離れるので開幕読み合いをせずに済む&遠距離キャラと言う特性上、間合い的に自分側微有利になる。

  • 重力計算バグ
    • 永久コンボが有名な本作にもコンボゲーによくある永久コンボ防止の仕組みは存在している。「ヒット数を稼ぐと、相手の重力加速度が増加していく」仕様である。
      • この仕様によりヒット数が増えるほど相手がすぐに地面に落ち、コンボが続かなくなる……はずだったが、下記の通りこの仕様が代表的な永久コンボの原因となっているという、なんとも皮肉な結果になっている。
    • というのも地面に落ちた直後のキャラが跳ねる処理は単純に「キャラの落下速度を一定のマイナス倍率にしている」だけになっており、跳ねる高さの上限が存在しない。
      • そのため、コンボを一定以上伸ばした上である程度の高さからキャラを落とすと、重力加速度と速度が著しく大きくなったまま地面に激突し、結果としてものすごい勢いでキャラが跳ねるという事態が起こってしまった。これが後述の「バスケ」を始めとする永久コンボ絡みのテクニックの原因となっている。
    • 重力計算自体は意図的な仕様と思われるのでバグと言っていいか微妙なところではあるが、それによって明らかに意図してないであろう挙動が発生しているのでバグとして扱われる事が多い。
  • バスケ
    • ダウン追い打ち時は受身が取れないことなどを利用して81HIT程度までコンボを稼ぐと、上述した重力計算により相手がえらい勢いでバウンドし続ける様になる。そこから更に追撃することで高度を安定させて永久コンボする行為全般を差す。
    • この動きがまるでバスケの様であることから命名された。発覚初期はラオウがJA刻みで相手をバウンドさせる姿がスラムダンクの魚住に似ていることから「魚住」と呼ばれており、後述するキモズミのネーミングはその名残である。そしてこの状態でバインバイン跳ねさせられている側は「ボール(にされている)」と言われる。
    • ちなみに途中で失敗しても、起き攻めできる状況であれば蓄積バグ利用に移行できる隙を生じぬ二段構え
  • 百烈
    • バスケに移行するテクの一つで、空中で25HIT程度稼いだ後に地面に落とし、小パンなどでダウン追い打ちを入れ続けるもの。この時小パンを入れるたびに間合いが離れてしまうので、ブーストを使って距離を詰める必要がある。
    • 百烈開始までにいかにブーストを稼げるかが重要なのと、キャラ限定だったりするのが難点だが、バスケテクの中では最も単純で簡単なのでよく見かける。
    • マミヤ使いによりバスケよりも早く発見されたという経歴を持っている。そういう意味ではバスケの源流となったテクとも言える。
      • ちなみにこのテクニックの名前はケンシロウの一撃必殺技(北斗百拳)と区別するため、あえて誤字の方で書き分けている。
  • ドリブル
    • バスケ突入用のテクの一つで、空中でコンボ数を稼いだ後に地面に落としてダウン追い打ちを入れ続けるというのは百烈と同じだが、31ヒット程度と多めに稼いでさらに高めのところから落とす事で浮きを高く確保し、ブーストを使うのではなく2A>ダッシュ>2A…と刻んでいくもの。
    • ブーストを使わない関係上低コストでバスケを狙える為、ドリブル精度が高い場合はほぼキャラランク通りの活躍が期待できるのだが、その分難易度が高いのがネック。
      • ユダの場合はドリブルに使う技がかなりの高火力なので、成功すると浮いた頃には瀕死、ドリブル途中で失敗してもかなりのリードを奪える。
  • ダブドリ(ダブルドリブル)
    • 百烈の途中でドリブルに移行する場合や、攻撃二回ダッシュ一回を繰り返すテクの総称。
    • ただの百烈・ドリブル以上に活用範囲が広く、より低燃費なバスケが実現可能になるのだが、難易度は「成功する方が奇跡的」と言うレベルまで余計に跳ね上がる。
      • サウザー・シン・ジャギにおける低燃費バスケの難易度が高い所以。
  • トラベリング
    • うつぶせダウンの相手に55HIT辺りでダウン追い打ちすると相手が宙に浮く。そこからダウンさせずに攻撃を当て続けてバスケに行くテク。
    • 実戦ではほぼラオウでしか見られない。ラオウはこの状態に持ち込んだ後は、近Aが若干前に前進する挙動であるのも合わせ、相手が天高く浮くまでAをこすっていればいい場合が多く非常に楽。
      • 他キャラでも確認はされているが、高難易度且つ条件が限られていたり、そもそも百烈やドリブルの方が効率が良かったりするのでコンボムービー以外ではほぼ見られない。
  • キモズミ
    • ユダの代表的なバスケのことで、バスケの中では低燃費かつ比較的低難度。バスケ発覚初期に確立されたコンボで、○○ズミと呼ばれる複数のバリエーションのコンボのうちのひとつ。
      • 名前の由来はユダの動きが奇怪な(キモい)魚住(ウオズミ)コンボであることから。元がイロモノキャラだけあって自由なAC北斗の中でも異色扱いされているコンボであることは間違いない。特に途中で見られる2A→2Bで相手を刻む姿がそう思わせる。
    • 大まかな流れは『バニコンに入る→画面端からやや離れた場所にダガール設置&コマクのイチコロ発動→コマクがしがみついて空中停止している相手の裏に回って攻撃を当てて画面中央方向に押し、ダガールを当てて浮かせる→空中追撃をしながら運んで着地時に小技>ダム→ダム発動時のコマクの打ち上げで再度浮かして画面端へ運ぶ→百烈またはドリブルへ…』というもの。
      イチコロ中の相手の裏に回る部分、一度目の空中運搬から着地してダムに繋げる際の地上小技などの細かい部分が相手キャラによって変わるが、上記の大まかな流れは誰相手でもほぼ共通で、個々で見るとまるで応用の効かなさそうな奇妙な流れが様式化している。
      完遂条件が緩いだけあって、実戦で距離調整やヒット数に応じてアドリブでこれに持ち込んだりコンボを変更しているケースも割と見かける。
  • お手玉 or 胴上げ・リフティング(サウザーのみ)
    • コンボ中に相手を吹き飛ばしつつ自身は画面端に裏回る(相手を逆方向に向かせることもある)ことで、ノックバックを消して通常攻撃で浮かし続けることが可能になる。
      システム上大体30HITちょっと辺りが限度(事前のヒット数によっては40程度まで)の様だが、難易度を無視すれば低燃費でかなりのヒット数と時間を稼げる・色々なキャラで可能なので重要なバスケ突入パーツにもなっている。
      • 難易度はキャラの組み合わせによって大きく異なるが、共通してラオウ相手は楽な部類の模様。実際、バスケが出来ないと辛い相手なので、これぞとばかりによくラオウは餌食となっている。
    • なお、シンやサウザーのバスケはこれが基本パーツだったりする。しかもお手玉に持ち込むまで・お手玉・お手玉の後バスケまでの全てが高難度。
      • サウザーに限り連打の効く2C(手刀切り上げ)や近B(膝蹴り)など、使う技によって「胴上げ」「リフティング」と呼び方が変わる場合がある。
  • ピボット
    • 画面端以外で相手を空中ダウンさせた後、相手の下側に潜り込んだ後にお手玉などと同じ要領で、下側からめくり攻撃を当て続けて相手を浮かし続ける行為。始動を含めて大体30~40HITちょっと程度まで稼げる模様。
      • この時自身は動かずに相手だけ左右に動き回る(一発攻撃を当てる毎に両者の向きが変わる)ので、相手の体をボールに見立てるとバスケのピボットの様であることが名前の由来。
    • 見た目の凄さから超高難度テクの様に見えるが、このテクの発見によって様々な可能性が拡がり、特にトキ対ラオウにおけるトキ側の実用的なコンボとして有名になった。ピボットからのバスケ移行に失敗する姿も多いのだが、比較的お手軽な上にピポット後に失敗しても蓄積バグを利用できることが大きい。
      • 他にも使い勝手が悪く、誤爆で出てやられることが多いケンシロウの中段技の岩山両斬波は、ピボットの始動に使えることで数少ない使い道として活かされるようになった。これまた対ラオウ用コンボに使われる。

  • ザ・ワールド(ワールドバグやらストップバグとも)
    • ヒット数を稼いだ後(安定させるため)、壁吹っ飛び中にヒットストップをかけつつ最速裏回り究極奥義などで発生。吹っ飛びモーションのままキャラが停止する。そしてそのまま時間切れになるなど、対処をミスると筐体の再起動を余儀なくされる
    • 基本的には非実用的なコンボでしか発生しないが、ラオウは現実的なコンボの延長から出来てしまう。当然、自家発電ができるキャラはこれを起こすと大幅有利になる。
    • AC北斗では珍しく、大会で禁止されやすいバグの一つ。基本的に筐体リセットが必要な詰みバグは禁止される傾向にある。
  • 挑発キャンセル
    • 技の硬直を挑発でキャンセルできる仕様があり、これを利用したコンボを指すことが多い。高難度&デメリットの大きさから基本ネタだが、ロマンを感じてか稀に狙ってしまうプレイヤーも居る。
    • キャラによってタイミングはまちまちだが挑発モーションは後半部分を他の動作でキャンセルできる仕様になっているため、一部キャラはかなり限定的ではあるが即死コンボをする際に意図的にキャンセル手段として実践使用されることもある。
    • 特筆すべきはユダ。なぜか彼だけキャンセル可能タイミングが異様に早い。例えば、ラオウは「容赦はせんぞ…」という挑発セリフがあるが、挑発キャンセルを繰り返すと「容赦は…容赦は…容赦は…」というようなセリフ間隔になる(このくらいが他キャラでも普通)。しかしユダは「俺は、美しいか?」というセリフのうち、最速でキャンセルを繰り返すと「オrオrオrオrオr」くらいのペースで連打できる。
    • 当たり前だが挑発なので1回やるたびに相手のオーラ・ブーストゲージが各1本増えるため、やってると確実に相手はゲージ満タンになる。
  • グレイヴ仕込み
    • グレイヴシュートまたはグレイヴ属性を持つ通常技を、レバー上要素を仕込んで入力した必殺技でキャンセルすると、チェイスジャンプしながら地上技が出るというテクニック。
      これが成功すると必殺技のヒット時に技を出したキャラが僅かに浮く(これが後述のバグの原因となる)。
    • 本来星が取れない地上技で星を取ることができる効果もあるため、主にサウザーとシン(と稀にトキ)で星取り能力の底上げに用いられる。特にシンの代表的な星3一撃コンボはこれが組み込まれたものである。
    • 特にシンとレイはこのバグから派生する凶悪なバグ技を持っている(後述)。
  • ムテキング
    • 本作を象徴するバグ技のひとつ。シンが特定の操作をすると、当身と投げ以外に対して半永久無敵になってしまうという対戦格闘ゲームにあるまじきバグ。
    • 前述のグレイヴ仕込みを応用し、~グレイヴ>ブーキャン仕込み南斗千手斬(ここでシンが浮く)>弱南斗獄屠拳、と繋ぐと最後の獄屠拳の無敵解除処理が着地でキャンセルされるため、その無敵が持続してしまうのが原因とみられる。
    • だが獄屠拳の猶予が極めて短いうえタイミングも測りにくく、家庭用では修正されていて練習がしにくいこと、何よりも根本的な成功率が低い上に成否どちらでもただでさえ貴重なシンのブーストを消費することが大きく、研究が進んでなおガチの実戦では試されることは少ない。
    • このバグ技にも相手キャラによって難度に差があり、難しいのはトキとラオウ。この2人相手だとムテキングコンボの途中で裏回ってしまい、途中からコマンド入力を逆向きにしなければならない。それでもほぼ確実に裏回るトキはともかく、裏回るかどうかがほぼランダムと言っていいレベルで判別不能な五分の対ラオウで決めるのは至難の業。
    • 現在では大型大会での使用が禁止されることが多いバグだが、他のバグと比べて筐体や試合展開への影響が少ないこと、シンには他キャラにある実用的な即死コンボが無いことから容認されるケースもある。ちなみに当時の闘劇での使用は容認されており、その理由は筐体をフリーズさせてしまう危険がないからとのこと。
    • ちなみにマミヤは投げ判定の技を持たない(通常投げが打撃投げになっており、つかみ投げもない)ため、ムテキングされると完全に詰んでしまう。 とあるムテキングが得意なシン使いはCPUマミヤ相手にムテキング決めて飲み物を買いに行ってたとか。
  • バグ昇竜
    • 本作を象徴するバグ技のひとつ。レイが特定の操作をして強版の南斗撃星嚇舞をヒットさせると、技が永久に終わらなくなってしまうというバグ。
    • 強版の南斗撃星嚇舞は、本来上向きの速度が一定以下になると終了するように設定されている昇龍拳系の技なのだが、~グレイヴ>ブーキャン仕込み強南斗撃星嚇舞と入力すると、前述のヒット時に上方向に加速される現象が付与されてしまい、いつまでたっても「一定以下」の速度にならず、永久に技が終わらなくなってしまう。
    • このバグの恐ろしいところは、ブーストで技をキャンセルせずにKOしてしまうとそのままラウンドも終了しなくなり何の操作も受け付けなくなってしまうので、筐体を再起動させるしかなくなるのと、ブーストが1本あれば極めてお手軽にラウンドを奪える点にある。そのため、闘劇を含む多くの大会で仕様が禁止されているバグである。
      • 発動のためにブーストキャンセルが1回必要な上、技の中断にもブーストキャンセルがいるため、技に入ろうとした時点でブーストが1.5本未満だった場合、発動した時点で筐体が止まることが確定してしまう。
    • 幸いにも(?)研究が進んだ現在では普通にバスケを狙ったほうがゲージ効率面においては有効*26ではある…が、相手も中々ゲージが溜まらないのでやっぱ強い。もちろん使用して自他共に萎える恐れも普通に高いので、許可されていても使われる機会は意外と多くはない。
    • なおこのバグ技の説明として「これでKOするとフリーズする」と言われている事があるが、正確ではない。単にコンボが終わらないだけで、システムエラー的なフリーズを起こす訳ではない。ゲームが完全な操作不能に陥ってシステムメニューからリセットをかけなければならないという点で言えばフリーズも同然なのだが。

総評

以上を読んでわかるように、このゲームは非常に複雑な経緯によって長期間に渡る評価がされていった作品である。

複雑なシステムや操作性のなすハードルの高さと、圧倒的なゲームバランスの不安定さから初心者同士or修羅*27といった本当に近い実力同士でないと対戦を楽しめないうえ、同キャラ&同程度の実力者同士ですら一方的な展開になりやすい仕様などから、万人向けのゲームとは断じて言えない。

だがプレイヤーからハマればとても面白い声も少なからず有り、そして一撃必殺奥義やワンチャンスからの即死コンボによる一発逆転、バグによる奇妙な挙動、原作の再現性などエンターテイメントとしての面白さは本物なので、現状では「面白いクソゲー」「一周回って神ゲー( 異論は認める )」という評価が一般的である。
破綻しきったゲームバランスとキャラ相性が酷すぎる(クソすぎる)ゲームではあるが、プレイアブルキャラ全員が万遍なく酷いせいで逆に対戦ツールとして機能している」という非常に希有な事例であり、
そして「やりこみを重ねに重ねたプレイヤー達によって、クソゲーから良ゲーに生まれ変わった(?)タイトル」の一つと言えるかもしれない。「本当に良作なのか?」という問いに対し断言するのは誰にもできないが…


余談

  • 闘劇'06の後、再評価の追い風を受けて闘劇'08の種目に再び選ばれるという異例の事態に。ルールも「筐体に影響のあるバグ(バグ昇竜など)以外は全部使用してよし」という準世紀末レギュレーションだった。
    • 結果はキャラ差が圧倒的に大きいゲームであるにもかかわらず全キャラが再び予選を突破し、決勝は「06大会優勝者のトキVS当時全一プレイヤーのレイ」というドラマティックな組み合わせとなり、激戦の末にレイが勝利。
      • 優勝者はもちろん「前回は運勝ち」と揶揄されながらも再び決勝まで登りつめたトキ側にも惜しみない称賛が贈られ、「やり込みは裏切らない」を体現した大会となった。
    • この大会は決勝以外でもは色々と熱い逸話が残っている。
      • 例えばジャギはこのゲーム随一の不利な組み合わせの相手としてユダがいるが、唯一の闘劇出場ジャギは1回戦の相手がユダ。予定調和のように1ラウンドを先取されてしまうが、そこから1ラウンド取り返し、実況・観客ともに異常な盛り上がりを見せた。
      • 全国で最初に予選が開催された場所であり、動画投稿などにより恐らく最も北斗に関して有名であろうゲーセンでの予選は、当時中堅とされていたハート様同キャラによる決勝と言う珍しい状況に。なお最速の予選実施だったので最初の切符獲得者も勿論ハート様となった。
      • ここで負けた方のハート様も後に別店舗で切符を勝ち取っており、ハート様は合計で3人が闘劇に出場。しかも最初の予選決勝で戦った2人は共にベスト8に残るというなかなかの成績。後の闘劇覇者も含め、強豪プレイヤーの多くが張り切って参加している超激戦区ならではの快挙と言えよう。
      • だが闘劇'08の参戦作品において、唯一試合内容を収めたDVDが発売されなかった*28。後に『アルカディア』の付属DVDに収録された試合でもJASRACに払う著作物使用料をケチったせいで最後の「テーレッテー」がカットされて無音になっているなど、版権問題に泣かされた作品の一つとしても知られるようになっている。
    • 闘劇'08終了から数年経った現在でも、現役プレイヤー達の間では今なお非常にレベルの高い戦いが繰り広げられており、リバイバル稼働させているゲーセンもぽつぽつ見られる。
  • 客が離れていなければインカム率が高い*29ことや、下記移植の事情なども相まって、稼働開始から6年あたりまで業者向け専門雑誌アミューズメントジャーナルの「ビデオゲーム店舗貢献度ランキング」で20位以内の常連タイトルに踏みとどまっていた。
  • エンターテインメント性が非常に高いためか、格ゲーのお祭りの際に声がかかることもあったりする。
    • 最後の闘劇が開催された「GAME SUMMER FESTIVAL2012」のエクストラステージにてこの北斗がエキシビションの実施タイトルとして選ばれた。実質的に闘劇'12エクストラと言っていい大会、その名は「世紀末救世主再臨エキシビションマッチ」。
      • 前述の闘劇'08覇者レイや、ユダからラウンドを取り返したジャギ、ベスト8に残ったハート様などの闘劇本戦出場者が参加。当日参加枠を決めるプチ選抜予選も開かれ、そちらの参加者も数十名、中には遠方より訪れた者もいたほどであった。
      • ちなみに本選の参加キャラはサウザーと、ケンシロウ、ラオウ、トキがいないという意外な展開で、決勝戦は闘劇覇者のレイとハート様という組み合わせで再びレイが優勝。やはり非常にレベルの高い戦いが繰り広げられ、相当の盛り上がりを見せた。最も闘劇自体は初の屋外による運営管理の悪さが露呈し、これを最後に開催されなくなってしまったのだが…
    • さらに名古屋で行われる『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』の大会「夜万博」にて北斗の拳のエキシビション大会が開催された。今回は全キャラが本選に出場、ベスト4に残ったのがトキ、レイ、シン、ジャギという弱キャラ・中堅・強キャラが並び立つ結果になった。決勝はトキとレイという組み合わせになり、バスケの応酬という試合展開の末、レイが勝利した。全キャラが出場したことに加え、当日参加枠を決める予選大会でなんと新規のプレイヤーも見られ、このゲームの層の厚さが見える大会となった。
    • 2014/3/23の「第三回世紀末武闘会」では3on3の大会だったのだが、そこではハート様×3だのジャギ×3だのと言ったチームも出場。そしてそれらの弱キャラ統一チームがそれぞれオール3タテの無敗で予選ブロックを1位通過するなど、やはり話題に事欠かない大会となった。
      • なおこのジャギチームは決勝トーナメント1回戦でも3タテ勝利を成し遂げ、チームメンバー全員がそれぞれ1回ずつ3タテを達成と言う大快挙。その直後など、3タテをしたジャギ使いのプレイヤーの名前がTwitterのトレンドワードのトップに出現すると言う全国的な話題となるまでになった。
  • プレイヤー間の交流も大変盛んであり、稼動8年を過ぎてなお、プレイヤー主導で闘劇顔負けの大規模な全国大会が開かれたこともある。
  • このゲームの開発チームは後に『戦国BASARA X』という格ゲーを作った。戦国BASARAと言う素材をふんだんに活かしつつも余計にぶっ壊れたゲーム性になっており、本作とは似て非なるゲームとして、さらなる敷居の高さと高次的な駆け引きを秘めたものとなっている。
    • 援軍レベルの為にラウンドを捨てたり、永久コンボが援軍カウンターを誘う手段程度として半ば前提的に扱われるなど、ほぼ全キャラが格ゲーの常識にとらわれない有様からこのゲームもまた格ゲーの常識を逸した存在として戦国陸上と呼ばれるが、キャラ格差は更に酷くなり、最強キャラのオクラこと毛利元就はガチでどうにもならない存在に*30
  • この作品以降、ゲームバランスが崩壊している作品、またはそれを引き起こすぶっ飛んだ要素(ひときわインフレした性能を持つコンボや技)などを「世紀末」と呼ぶことが増えた(この作品より前に出た作品を含む)。
    • 色々と突き抜けた要素だらけのゲームであるため、良くも悪くもネタにされることが多い。他ゲーでも手の付けられない強キャラに対し「ジョインジョイン○○」というフレーズが使われたり、GGXXACが稼働した初期はプレイヤーからその高火力化を「北斗のXX」と皮肉られたりしたこともあった。

北斗の拳 ~審判の双蒼星 拳豪列伝~ (PS2)

【ほくとのけん しんぱんのそうそうせい けんごうれつでん】

対応機種 プレイステーション2
発売日 2007年3月29日
定価 6,800円(税別)
廉価版 SEGA THE BEST
2008年2月28日
2,800円(税別)
判定 劣化ゲー
ポイント ACからの移植としてはよくできている
一部にAC版との操作性の違いが…

概要(PS2)

紆余曲折の末、まさに一周して高い評価(?)を得ることになったAC版『北斗の拳』だが、その家庭版は一部の移植度が低いせいで一部のユーザーからの評判が良くない。
同社の他の格ゲーは大体半年程度で移植されていることと、AC版が出てから1年以上経過した後の移植なので、元々移植する予定はなかったと思われる。

評価点(PS2)

  • 下記の問題点は大きいものの、それ以外の移植具合は完璧と言っても差し支えないレベル。
    • 代表的なバグこそ取り除かれているが、バグっぽい挙動にも基本的に手を加えていないため、オリジナルさながらのピーキーな駆け引きを楽しめる。
  • 背景によるラグが基本的に無くなっていて、快適な対戦が可能。

問題点(PS2)

  • AC版との細かくも深刻な差異が多い。
    • AC版にあった致命的なバグの「バグ昇竜」と「ムテキング」が取り除かれている。おかしな話だが、 本作のAC版ではバグ利用も戦術 になっているため、特に闘劇でも使用が認められていた「ムテキング」の修正は残念だとする声も多い(一応コマンドの練習はできるが成功したかの確認ができない。ただし失敗時のデメリットが大きいのでガチ戦でムテキングを狙うことは少ない)。
    • AC版に存在した処理落ちによるラグがほとんど無いので、AC版とプレイ感覚が異なる(特に"目押し"を多用するラオウ)。
      • これはハードの違いによるものだと思われるが、前述の通りラグが無い方が基本的に好ましい。ACとプレイ感覚が異なることだけが問題
    • ユダはAC版とは部下の呼び出し位置が異なり、プレイ感覚が違うどころか性能自体が異なってしまっている。
      • 最も代表的なのが究極奥義「ダム決壊」でのコマクの出現位置だが、AC版ではユダの目の前に出ていたものが、PS2版では1キャラ分弱程度さらに前に出てしまうため、相手が密着している時に切り返しとして出してもスカる事がある。コンボも同様で、AC版と同じレシピだとコマクが相手を通り越してしまう事がある。
      • ユダの代表的かつ主力の即死コンボはダム決壊のコマク打ち上げを中継として使うので、この主力コンボの練習が非常にしづらい。これがユダがトップクラスの強キャラであるにもかかわらずAC版で使用人口が少ない原因の一つと言われている。
      • これはアーケード筐体とPS2で浮動小数点に対する処理方法が異なっていることが原因。プログラム自体はAC版からのベタ移植であり、この基板の仕様違いを考慮せず手を加えていなかったせいで差異が生まれてしまった。謎修正と言うわけではないが、移植は本来こうしたハードの違いを埋めるための作業を含むので手落ちと言わざるを得ない。
    • サウザーの「 鳳凰呼闘塊天 (ほうおうことうかいてん)」(サウザーのスピードを一定時間上げる技)も極星十字拳の1HIT毎に効果時間が短くなる仕様の違いがある。こちらはバグのようで、極星十字拳そのものにも一部違いがある。
      • これのせいで一部挙動に変化が出てしまっているが、基本的な立ち回りや塊天投げ槍コンボには影響しない。ユダと違って練習ツールとしては概ね機能しやすい。
    • なお、修正されてしまった(?)バグ技とユダ、サウザーの仕様違いは、AC版と同様の仕様に合わせる改造コードが作られていたりする。凄い執念と言うべきか、プレイヤーもプレイヤーである。
      • 通常、この手のゲームで改造コードはゲームの意味を破壊するためご法度扱いされているのだが、PS2版で撮影する事が多いコンボムービー動画などはこの改造コードでAC版準拠にするのが半ば前提となっている
        本作の場合はプログラム自体がAC版からのベタ移植だったことから、修正チートだけでAC版再現が実現できた芸当であったとも言える。
  • ステージの横幅が狭くなっているため、運び距離が長い一部のコンボで繋ぎのタイミングが変わる。
  • 原作再現要素の一部が事実上カット(ハート様の象徴「ひでぶっ」が「いてぇよ~」に変更*31など)。
  • BGM、音声の不具合。
    • 一部効果音の音量が変更されていたり、削除されていたりする。
    • SEが鳴らないことがある。これまたユダに顕著。
    • FATAL KO時のBGM(テーレッテー)がたまに音飛びする。
      • これらの現象のうち、一部はPS2のみで発生する。
    • これらの不具合はベスト版でも修正されていないため、「完全移植版を出して欲しい」という声もある。
  • トレーニングモードのリセットで気絶値がリセットされない不具合がある(一撃必殺を決めるなどして対処は可能)

AC版からの追加点、変更点など

  • 家庭版追加モード
    • 「ヒストリーモード」と呼ばれる、原作でのシチュエーションを再現するモードが追加された。ゲーム中に原作のシーンを再現すると、その画像が見られるようになる。
    • が、この再現シーンの画像がゲーム内の画像の使いまわしで構成されており、原作の絵や書き下ろしの絵を期待していたプレイヤーからは不満があがった。また特定の技を相殺させるといった、難易度とCPU運要素のかなり高い課題もある。
      • 全ての課題を成功すると、拳王(CPU専用の最終ボス性能のラオウ)が使える特典がある。ただでさえ強いラオウに「ゲージが溜まりやすい」「一部技に無敵がつく」「高性能な超必殺技の追加」などが加えられた極悪な性能だったことはこれにより判明。
    • ちなみに原作でモヒカン等の雑魚敵と戦うシーンは大体ハート様が代役を勤めている、ケンシロウvsダガールのシーンもユダが直接登場する等、やや無理やり感を感じさせるモードである。
  • 隠し要素として、オプションでTIMEとWIN POINTをそれぞれ7に設定すると、自動的に「ブーストゲージとオーラゲージがMAX、かつ七星ゲージ0(死兆星点灯)」という鎧袖一触の状態でバトルが始まる「指先一つでダウンモード」が発動する*32

総評(PS2)

当時報告されていた致命的なバグを削除しつつも処理落ちも少なく、一部を除いてきっちり移植もされているのだが、
AC版の練習として見た場合に限り劣化移植となってしまったかわいそうな作品。
これに関しては、バグ再現/バランス調整モードの有無を切り替え可能だったりしたら、もっと評価は上がっていたかもしれない。
(ただし、処理落ちによるラグだけは基板のエミュ以外で完全再現することは恐らく不可能)
ユダに関しては全くフォロー出来ないが、それ以外のキャラなら十分過ぎる練習ツールであり、ユダ・サウザー使い以外からの評価は高い。
(さらに上記に記したように外部の改造ツール導入を前提とすればユダとサウザーについても練習が可能になる)
ACでの対戦にこだわらないユーザーの場合ならば、本作の評価はAC版と同様のものに落ち着くだろう。

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最終更新:2024年01月01日 23:06
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*1 他キャラはジャンプしただけでは硬直が発生しない上に短い

*2 対戦画面のライフゲージ脇に表示される名前は「HEART」になっている。

*3 たとえばストリートファイターシリーズ等なら「236+攻撃」というコマンドは「23ボタン押し→6→ボタン離し」くらいにズレても反応してくれるが、このゲームでは「236→ボタン押し」というように順番を合わせない限り絶対に技が出ない。

*4 シンがオーラゲージ1本消費で自殺する究極奥義「お前の拳では、死なん!」によりFATAL K.O.となった場合も含む

*5 一般的に、一部の特殊技・必殺技やほとんどの空中技はしゃがみガードできない(中段技)。それを利用して相手のガードを崩すのが2D格闘ゲームの基本の一つである。

*6 さらに言えば「体力と火力に物を言わせ、サイで拘束の上小技連打で削る」というのは原作でのサイの用法(受け流しや空中戦が得意だが病気で体力の低いトキに対し、サイを足に刺して地上に拘束したうえ出血による体力の低下を強要する)にかなり近く、原作再現という捉え方もできる。

*7 動きのある背景が映っているとそこに居るだけでラグが生じる。ゲームで一番重たい処理は基本的には画像処理なので、基板の性能に対して背景を自重しなかった(考慮や工夫しなかった)と言える

*8 1P側でプレイを開始し、トキを選択するまでの効果音に由来する、トキを選択されたときの絶望感を表す言葉。ちなみに2P側だと「ジョイントキィ」になる。

*9 勝利台詞「命は投げ捨てるものではない…」を途中でキャンセルするとこうなる。

*10 この「激流に身を任せ同化する」は本来トキの柔の拳を言い表したものなのだが、本作のトキの性能が酷すぎて『頭がどうかしている』としか思えない

*11 主に使用することになる前/下版の際の「ゆくぞっ!」というボイスの空耳。動画や家庭版だと普通に「ゆくぞっ」と聞こえるのだが、どういう訳かゲーセンなどの喧騒の中だと「ナギッ」と空耳しやすいため、このように呼ばれるようになった。

*12 通称JCC。初見だと訳が分からないコマンドテクニックだが、他格ゲー(後の『Fate/unlimited codes』など)でも見かけることがある。

*13 あるトッププレイヤー曰く、北斗3大クソ技は「降りナギ」「陰殺」「ダガキャン」

*14 ユダが起き上がりにリバーサルで何か技を出してそれを潰されて攻撃を食らった場合

*15 起き上がりにレバーニュートラルでガードもせずに棒立ちしていると蓄積は途切れる

*16 逆に言えばラオウ対ケンシロウ戦は、強キャラに比べてやや珍しいケンシロウのバスケを見かけることが多い

*17 稼働初日に、シンVSケンシロウで、シンのコマ投げから直接一撃必殺技が決まったシーンは非常に有名である

*18 ただし、攻撃が決まるかどうかは三択クイズの結果次第。ピヨりと二つ目の星が取れるかどうかも、追加入力による二度目の三択クイズの結果次第=理論上成功率は半分以下と、消費に見合わない博打技。

*19 他のキャラは何か技を出しての着地でない限り発生しない

*20 漫画では銀髪、アニメ版では黒髪

*21 仮面の装飾の色が漫画では金、アニメ版では赤

*22 パチスロ・パチンコ実機では神谷明氏が担当していたが、PS2版『実践パチスロ必勝法! 北斗の拳 Plus』では声の新録がなく、DS版『実践パチスロ必勝法! 北斗の拳 DS』以降の移植版では河本氏による声に差し替えられている。ケンシロウ以外にも、神谷氏が担当したジャンプ主人公の多くが後に配役変更を経ている。

*23 アニメ版などで担当した塩沢兼人氏は2000年に死去。恐らく、2002年の初代『CR北斗の拳』から担当していると思われる。

*24 前述の通りサントラが発売されていないため、「始まりの地」のステージに限らず正式な曲名が解っていない。よって、プレイヤー間では便宜上、トレーニングモードのBGM選択肢で表示される名前を当てている。

*25 稼働初期、これを利用した左右往復ネタコンボがあるムービーで使われた曲「EMERALD SWORD」サビ歌詞より

*26 グレイヴシュートを用いたコンボではブーストゲージが貯まらないので、バグ昇竜でラウンドを取ってもほとんどゲージ回収ができない

*27 このゲームの上級プレイヤーを指す呼称。とあるゲーセンでは上級者を「修羅」、初級~中級者を「モヒカン」、初心者を「種籾」と原作のモブキャラにちなんでランク分けし専用台の設置や大会を分けるなどして初心者狩りが行われないよう配慮したのだが、それがプレイヤー間で定着し全国スラングとなった。

*28 2008年は北斗25周年だったせいか北斗の版権料が銭ゲバクラスの圧倒的高値になっており、DVDがよっぽど売れないと利益が出なかったから。似たような理由で2013年・30周年の真・北斗無双もDLCが異様に割高になっていた

*29 理想的な流れだと2ラウンド先取が短く済む

*30 逆に最弱扱いされているのは原作の主人公格・伊達政宗だが、キャラの性能的にはシンに近く通常の立ち回りが悪くないため、戦国陸上ではなく格ゲーに持ち込んだ(=グダった)時は案外強い。よくジャギと比較されているが、平均体力値が北斗の4倍な上にコンボ補正がもっときついなど環境そのものが大きく異なるせいで無理に比較するとややこしくなるのに注意。

*31 「ひでぶっ」の音声データはゲームにちゃんと入っているため、カットというより移植時のプログラムミスと思われる。

*32 但しアーケードモードでは機能しない。