注意:このページでは、『Grand Theft Auto: San Andreas』と、同PS2日本語版について紹介する。



Grand Theft Auto: San Andreas

【ぐらんどせふとおーと さんあんどれあす】

ジャンル アクション
対応機種 (海外)Windows 2000/XP,Xbox
発売・開発元 Rockstar Games
発売日 北米版 2005年6月7日
判定 良作
ポイント 究極のGTA
ゲーム業界前代未聞、米国議会から監査請求を受けた
シリーズでも最高クラスのやり込み要素
シリーズ最高傑作とも称される
Grand Theft Autoシリーズリンク

WARNING!!!!!!!
本作はESRBからM指定を受けている17歳以上対象のゲームです。


概要

通称「GTA SA」。『Grand Theft Auto』シリーズの第5作目、3Dに移行した『Grand Theft Auto III』シリーズとしては第3作目にあたる。
今回はリバティーシティ、バイスシティと続きサンアンドレアス州が舞台となり、これまでの数倍にも及ぶマップが待ち受ける。
その自由度の高さや広大さは過去最高峰を誇り、今なおシリーズ最高傑作と名高い一作。
海外ではXboxやPS2でも発売され、特にPS2版はギネス記録を持つ前作『Vice City』以上の売り上げを達成、全世界で最も売れたPS2ソフトとなった。

ストーリー

1992年、アメリカ合衆国サンアンドレアス州。5年前、弟の死をきっかけに故郷グローブストリートを離れ、東海岸のリバティーシティで暮らしていた元ギャングのカール・ジョンソン(通称CJ、シージェイ)は、母親が何者かに殺されたという一報を受け、ロスサントスへ帰郷する。

帰着早々、トラブルに巻き込まれるCJ。因縁ある汚職警官フランク・テンペニー一味に見つかり、彼らに彼らが犯した警官殺しの罪を擦り付けられ、以降その汚れ仕事を請け負うことになってしまう。 CJを待ち構えていた難題はそれだけではなかった。彼が生家に帰ると、兄のスウィートが率い、かつて自身も所属していたギャング団「グローブストリート・ファミリーズ」は、ドラッグと抗争の末に弱体化の一途を辿っていたことが明らかになる。彼の不在を責めるスウィートと仲間たち。奮起したCJは、スウィートを始め、ギャング団の古参メンバーであるビッグ・スモークやライダーと協力し、他のギャング団との抗争を経て少しずつファミリーを立て直していく。

しかし、ファミリー再建に奮闘する最中、CJはテンペニーの企みによってロスサントスを追い出されてしまうことになる。ファミリーと切り離され、見知らぬ土地で孤立無援となった彼は、兄とグローブストリートを救うため、ラスベンチュラスやサンフィエロなど、サンアンドレアス州を転々としながら協力者を確保し、成り上がっていく。(Wikipedia参照)

特徴・評価点

  • 従来作品と比べ、フィールドが劇的に広がり、各マップの移動も読み込みが入らなくなった。
    • 従来の作品では別の街に移動する際にいちいち読み込みが入ったが、今作では読み込みがなくスムーズに移動できる。車で爆走している最中でもテンポを削がれることがなくなった。
    • ただし、逆にピザ屋などの建造物内に入る際には読み込みが必要になった。
  • キャラクターのモーションが従来に比べ格段に滑らかなものになっている。
    • ぎこちなかった車への乗り降りやダッシュがかなり自然な動きになっている。
  • 従来は基本的に一つの大きな都市のみが舞台だったが、本作は都市が三つ存在する「サンアンドレアス州」が舞台で、従来のような都会以外にも山岳地帯や田舎、砂漠など多種多様な地域が用意されている。そのスケールは前作『バイスシティ』の約5倍である。
    • サンアンドレアス自体は元々リバティーシティ、バイスシティと同様に、初代『Grand Theft Auto』に登場したエリアの一つであり、当時は町の名前であった。前作、前々作で洋上の都市へと再構成された他の街とは異なり、サンアンドレアスは広大な州へ生まれ変わったという訳である。
      • マップの広大さこそ最新作『GTAV』に譲るが、様々な地域を用意して且つ複数の都市を収録しているのは、現在でもシリーズ中は本作のみである。
    • 都市は「ロスサントス」「サンフィエロ」「ラスベンチュラス」の三つで、最初はそれぞれへと渡る道路を封鎖されている。そこからストーリーを進めていくごとに行ける範囲が広がっていく。 *1
      • 本当にごくわずかだが、リバティーシティに行くこともある。
    • 各都市はロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスをそれぞれモデルとしており、実物に似たものも多いのでモデルを探すのも面白い。
    • 90年代初頭のアメリカ西海岸が舞台であり、シナリオの大筋に関わる部分から街中の細かい部分まで当時を彷彿とさせる描写は非常に評価が高い。
      • それ故にメインのストーリーも従来に比較してかなり長く濃い内容となっている。ギャングチームの抗争に始まり、仲間の裏切りによるゼロからのやり直し、協力者を得るために各地を奔走、麻薬シンジケートとの戦いやマフィアのカジノへの強盗、故郷への帰還、街中を巻き込んだ大暴動、そして宿敵との最終決戦など、ハリウッドの大作映画ばりの壮大な展開が幾つも詰め込まれている。
      • ミッションも各地域の特色を活かしたバリエーションに富んだもの多く、プレイヤーを退屈させない。
    • シリーズおなじみのカーラジオもツボを押さえた選曲。ギャングスタラップやオルタナティブロック、カントリーミュージックなど、当時の流行をしっかり網羅している。
  • 自転車、飛行機、貨物列車など、新しい乗り物が増えた。
    • それに伴い、各乗り物専用のミッションも追加されている。無論タクシー、消火、救命、処刑と言ったお馴染みのミッションも健在。
  • プレイヤーの外見はシリーズで最も自由に変えられる。服装、髪型、タトゥーに加え、体型すら変更可能。ジムでトレーニングに勤しめば格闘の強化に繋がるだけではなく外見もマッチョになっていくし、運動もしないでピザやハンバーガーばかり食べていると腹が出てくるといった具合である。
    • 服装は上半身、下半身、靴、ネックレス、時計、メガネ、帽子を組み合わせることができる。服は各所にあるショップで購入でき、また試着もできる。ショップはカジュアルからスポーツ、ブランドなど数種類で、条件を満たさないと入れないところもある。また、ミッション等で手に入るスペシャル服もある。
    • タトゥーと髪型は店ごとにメニューが違う。
    • なお、変更した外見はミッション中のムービーにもそのまま反映される。
  • アクションが大幅に強化された。
    • 本作ではぶら下がりとよじ登りが追加された。従来ではジャンプで飛び越せる程度の段差しか越えられなかったので、これによってより自由で幅広い探索が可能になった。
    • 素手攻撃についてもただ殴ったり蹴ったりするだけではなく、街にあるジムで習得すれば新たな格闘攻撃を繰り出すこともできる。
    • ナイフを装備した状態では背後から相手に気付かれず首を掻き切る「ステルス・キル」が可能となった。これを活用するステルスミッションも存在する。
    • 主人公が泳げる。揃ってカナヅチだったため、「水に入る=死亡」だった歴代主人公とは大違い。ただでさえ広大になったマップで更に行動範囲が広がっている。水中深く潜ることも可能で水中に隠されている隠しアイテムもある。
  • 主人公に明確なパラメーターが設定された。体力以外にスタミナや腕力、各種武器や乗り物のスキル、カッコ良さ、リスペクトと、主人公の強化と言う新たなやり込み要素が増えた。
    • スタミナと腕力は主にジムでトレーニングを行う事で強化できる。腕力を上げれば打撃攻撃の威力が上がり、スタミナが上がればダッシュ時間が伸びる。
    • 武器スキルを一定量上げるとギャングスター、さらに上げるとヒットマンとなり連射性能やロックオン範囲が拡大する。拳銃やサブマシンガンでは二丁拳銃も可能となる。初期状態のCJは前々作のクロードや前作のトミーに比べて銃の扱いが下手なため、ミッションを進めていく上でも強化は必要になる。
    • 水中に潜れる為、水中で行動可能な時間を示す肺活量も存在する。これは実際に水に潜って鍛えなければならない。
    • リスペクトは仲間ギャングからの尊敬度であり、高ければ高いほど仲間を多く連れて歩ける。ミッションをクリアしたり敵ギャングを倒せば上昇する。また、髪型や服装も影響する。
    • カッコ良さはガールフレンドを作れるか否か等に影響する。服装や乗っている車で上下するが、ガールフレンド以外には役に立たない。
  • 各種レース、教習所、隠しアイテム集め、物件ミッション、デートイベントと、旧作はもちろん『LCS』、『VCS』、『IV』と言ったその後のシリーズ作品すら比較にならないほどやり込み込要素が充実している。町に点在するバーなどでビリヤードができたり、自宅やコンビニのゲーム機でレトロゲーム風のミニゲームが出来たり、ダンスなど音ゲー要素があったりカジノで遊べたりと追加要素を挙げたらキリが無い。
    • 但し、殺戮ミッション(メッタ殺し)は無くなった。
  • キャラクターも魅力十分。
    • 主人公であるCJがアクションを行うごとに叫んだり喋ったりする。悪口も多くギャングスタという雰囲気がよく出ている。単純に聞いていて面白い。
      • 放置しているとラップを歌い始めたりもする。
    • 前作、前々作のキャラも多数登場する。時系列では『バイスシティ(86年)』→『サンアンドレアス(92年)』→『III(01年)』となっているので、前作のキャラのその後が判ったり、前々作のキャラの過去が明らかになったりなどシリーズファンには嬉しい演出となっている。
      • 当時は不明だった『III』の主人公クロードの名前が判明したのも本作である。

賛否両論点

  • 過激な描写も若干ながらヒートアップした事。
    • 従来作と同様に過激な描写が相変わらずあるが、なんと今作ではコンバインで人を収穫できる *2
      「銃で頭を吹き飛ばす」「チェーンソーでバラバラにする」といったものとはまた違った意味でショッキング。

問題点

  • 警察の挙動に難あり。
    • 例えば主人公が敵ギャングを攻撃した場合、警察は主人公を犯罪者と見なして手配度が上がるのは当然のこととしても、敵ギャングが主人公を攻撃するのを目撃しても警察はスルーしている。これに対し主人公が反撃した場合、一方的に警察は主人公に攻撃してくる。
    • 従来の作品では警察に追われている犯罪者に打撃攻撃を加えた場合、犯人逮捕に協力したとして報奨金が貰える上に手配度もつかなかったが、今作ではこれを行うと主人公に手配度がつく。無論警察は逮捕対象を主人公に変えてくる。
  • 一部ミッションに難易度の高いものがある。
    • 最もGTAシリーズは総じて難易度が高めのミッションが多いため、今作だけの問題ではないが。
    • シリーズ中最もレース関連のミッションが多く、かつメインストーリーの進行上必須。
      • 本作以外のシリーズではレースは寄り道要素であり、メインストーリーではあったとしても簡単なものが1回程度。カーチェイスを乗り切るくらいの腕があればクリア可能だが、本作だけはガチでレースゲームのスキルが必須。公道レースのミッションだけでも3度あり、その全てで1位を取らなければならない。
    • 問題なのが教習所。一部の乗り物を除いて教習内容全てをクリアしないとストーリーが進まず、しかもそれなりのドライビングテクニックが要求される為、普段のような自由な運転ばかりしていると行き詰ってしまう可能性もある。
      • 『グランツーリスモ』のライセンスを簡単にしたものに近い。GTAらしい破天荒な内容もあったりはするが。
      • ただし、後のミッションの過程で必要になるテクニックも含まれている。ある意味ストーリーの一環ではある。
  • 後半のミッションの移動が冗長。
    • 後半になると航空機を操縦するミッションが多くなるのだが、飛んだ後パラシュートで降下するといったものはともかく本当に飛び続けるだけといったものもあり、ムービーなどで省略できなかったのかという疑問はある。
    • 単純に飛行時間が長くなりがちで、それが連続することも拍車をかけている。

総評

シリーズ屈指の完成度を誇る「究極のGTA」と呼ぶに相応しい作品である。最新作「GTAV」が出た今なお、シリーズ最高傑作と名高い。
更に広大となったマップ、それを活かす大規模なストーリー、そして自由度。それのみならず、やり込みや遊び要素の豊富さもシリーズ全体でトップクラス。
「GTAIV」以降から入ったユーザーにとっては古臭く見えるかも知れないが、その印象を吹き飛ばす程の魅力を確かに持っており、強くお勧めできる一作と言えるだろう。

そう...本作は確かに、日本を含めた全世界で多くの人に良作と言わしめる作品だった。しかし、PC版でのたった一つの問題が、本作品のその後を大きく動かしてしまった。

HotCoffee問題

  • そのPC版について全米で話題になった問題というのが、『HotCoffee問題(Hot Coffee minigame controversy)』である。詳しくはWikipediaなりで記述されているが、簡単にまとめると以下のようになる。
  1. PC版GTA:SAの制作中にガールフレンドとの とある放送禁止行為 を模したミニゲームのプログラムを用意したのだが、アメリカにおけるゲームレイティングをMature(現在の日本のCERO:D~Zと同等。直接的な性描写は入れてはいけない)にするため封印、ゲームではそのプログラムを呼び出せないようにした(データは残っている)。
  2. 発売後、パトリック・ウィルデンボルフというオランダ人が、このプログラムを呼び出せるようにした「HotCoffee」というMOD(いわゆる改造プログラム)を公開した。
  3. 当初はウィンデンボルフ氏の責任が問われたが、自分は封印を解除しただけだと責任を否定。
  4. この問題に対し米国議会が開発会社のロックスターに調査を行った。このことや様々な集団訴訟、世論のバッシングなどもあってロックスターは色々な意味で大損害を被った。
    ちなみに、米国議会におけるこの批判の中心となったのが、当時上院議員だったあのヒラリー・クリントン氏(第42代大統領ビル・クリントン氏の妻で2008年の大統領選挙の民主党側候補者の一人)。
  5. 結果、このデータを取り除いたv2.00の販売等を余儀なくされる。
    • ちなみに、GTAIVには自由の女神をモチーフにした「幸福の女神(Statue of Happiness)」が登場するのだが、松明の代わりにホットコーヒーを持っていたり(ご丁寧なことに湯気が出てる)、顔がヒラリー氏にそっくりであったりと本問題をネタにしている。
    • また、欧州ではレイティングそのものが厳しく元からAdult only(≒18禁)になっていたのであまり問題にならず、またv2.00の修正版の販売をしなかった。

余談

  • 今でも海外PC版、特に修正前バージョンの需要が高い。カーラジオのカスタマイズやMODの導入で様々な動画も作られている。
    • 修正版はMODが使用できないといった問題があったが、その後回避手段が発見された模様。
    • 海外PC版はWindowsXPまでのサポートであり、Vistaとは相性が悪く、正常にプレイ出来ない事例も多い。7は比較的プレイしやすい模様。
    • 現在ではSteamでも配信されており、入手やプレイは容易になった。
      • ただしv3.00という扱いらしく、修正版同様にMODの利用には対策が必要。
    • 非公式ながら有志の製作した日本語化MODの導入が可能。当初は字幕全てをひらがな化する形での日本語化しか出来なかったが、現在は漢字も含む通常の字幕表示が可能なMODが公開されている。
  • 後にスマホ(iOS・Android)に移植された。
    • 高解像度化しており、グラフィックは綺麗になった。UIもスマホ向けに調整し、バーチャルパッドによる操作となっているが、MFiコントローラーにも対応している。
    • 北米版に各言語字幕を収録しているだけなので、規制は一切無し。
      • ただし日本語字幕に関しては、後述するPS2日本語版がベースになっているらしく、ポン引きミッションが「人材派遣」へと名称変更、不自然な設定もそのまま残っている。また日本語に対応する為か、地名表示などを含めたほぼ全てのフォントが専用のものから一般的なゴシック体になっている。
    • ミッション失敗時にその場でリトライが可能となっていたり、死亡時に限り武器を失わないなど、後発のシリーズに合わせた仕様変更がなされている。
+  OPとプレイ動画

グランド・セフト・オート・サンアンドレアス(PS2日本語版)

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
プレイステーション3
発売元 カプコン
Rockstar Games(ゲームアーカイブス・HD版)
開発元 Rockstar Games
発売日 2007年1月25日(PS2)
2015年12月17日(PS3)
定価 PS2:7,329円(税込)
HD版:3,499円(税込)
廉価版 Best Price!
2007年7月12日/3,140円
2009年7月23日/2,080円
ROCKSTAR CLASSICS
2012年9月29日/1,800円
配信 ゲームアーカイブス:2015年8月26日 /1,800円
HDダウンロード版:2015年12月17日 /3,499円
判定 劣化ゲー
ポイント 異常な修正によりゲーム性に傷を負った
Grand Theft Autoシリーズリンク

WARNING!!!!!!!
本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上対象のゲームです。

……が、Z指定に相当しない内容かもしれません。


概要(PS2)

GTA SAの日本語ローカライズ版。発売はIIIやVCのローカライズを担当したカプコンにより行われた。 本作は世界的にも高い評価を得た作品であり、日本国内でも日本語に対応した上で発売を求める声は当然ながらとても高いものになっていた。 しかしその一方でHotCoffee問題により米国議会までも入ってくるなど全米で話題になってしまった作品でもあるため、ローカライズによる規制については発売前からかなり危惧されていた。 そしてこの問題とほぼ同時に起きた神奈川県における『III』の有害図書指定をめぐる騒動 *3 を受け、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)といったハードメーカーが自主規制の強化を表明。2005年秋予定だった本作の日本語版発売は暗礁に乗り上げ、紆余曲折の末、2007年1月に遂に発売に至った。 しかし、その過程の末に出たPS2日本語版はあまりに悲惨なものであった...。

問題点(PS2)

後述するように、醍醐味やゲームバランスを無視した規制により、各方面に悪影響が出ている。

  • 武器を使用しただけで指名手配度が増える。
    • 特にこの変更は海外版と比べゲームバランスを大幅に崩すといった弊害が出てしまい、前述の警察の挙動も合わさって理不尽に死にやすくなっている。周囲に気づかれないはずの消音ピストルも例外ではない。
    • ミッションの殺害対象は従来通り発見されなければ指名手配の対象とならないのだが(実際には一瞬星マークが付く。これだけ消えるようにしてる模様)、殺害対象に同行している護衛や仲間に手を出すと指名手配されてしまう。
    • 指名手配規制は縄張り争い、ステルスキルなど、本作の新要素との相性が著しく悪く、バランス崩壊が更に際立つこととなった。
  • 人を殺害しても金が出なくなった。
    • 金を落とさないのは報酬の少ない序盤では深刻な問題で、これまでのシリーズに比べ金欠になりがち。
    • さらに言えば『III』以前の『2DGTA』から続く「犯罪行為そのものが収入源」という伝統の全否定である。
    • オフィシャルガイドブックの内容も規制にあわせて削られているのだが、「序盤はヤクの売人を倒して金を稼ごう」という齟齬が生じている。
  • 倒れている相手に踏み付けなどの追い打ちをかける事はできなくなった。(銃器で手動照準で狙った場合は攻撃可能)
    • のに、ある女性がある死体を踏みつけるアクションだけはそのまま。不公平である。
  • サブミッションの一つの「ポン引きミッション」もこの巻き添えを食って削除された。

ゲームバランスのみならず、描画、表現にまで容赦ない規制がかかっている。

  • 残酷描写や各種麻薬関連、性描写の表現は、差し替えるどころかただ丸々削除しているだけなので、一部ムービーでは急にシーンが飛んだように見えてしまう。
    • 性描写は音声だけなどあくまで間接的なものなのだが、それらも根こそぎ排除されている。
  • ミッションで殺害対象となる一般人はバラス(敵対ギャング)の息がかかっているという、不自然な設定が追加。 *4

評価点?(PS2)

  • 削除された要素は多いが、達成度は問題なく100%にできる。
    • もっとも、これくらいは調整していなければならない話だが。
  • 指名手配されなくなる事もできる、手配レベルを固定する(隠しコマンドとしての)チートにまで規制されていなかったのが最後の良心か。
    • このチートを使えば前述の理不尽な仕様がだいぶ改善されるため、それなりに楽しめるようになる。
    • 手配度がつかないため難易度が下がってしまうのが欠点だが、ミッションの際だけ解除すれば原作とほぼ同じ難易度で楽しめる。

総評(PS2)

できれば無事に2005年内に発売されていれば、せめて規制さえ無ければ、日本でもシリーズ屈指の完成度を誇る「究極のGTA」として歓迎されたはずである。……が、全ては永すぎた延期と異常な規制によって台無しになってしまった。
海外のゲームが日本で規制を受けるのはよくある話だが、これほどの規制を食らった著名な洋ゲーは今までに無く、CEROを改定した上でZ指定にする必要性があったのかも疑わしい。
しかも他のプラットフォームでは日本語ローカライズがされておらず、日本語版は2013年にiOS版がリリースされるまでは、問題だらけのPS2版しか存在しない有様だった。
このため、発売以前と変わらず海外PC版に日本語パッチを導入してプレイするプレイヤーが後を絶たず。日本のPS2版GTASAは「有償体験版」「コピーガードに引っかかった海賊版」と揶揄され、「いらない子」扱いされるに至った。

PS2版でもそこそこは作品の魅力を味わう事が出来るし、ゲームとして成立していない訳でもない。ただ劣化し過ぎただけである。
繰り返すが、作品そのものはクソゲーどころかシリーズ最高クラスの出来である。だからこそ、このように、騒動、延期、規制と発売前後に渡って悲劇に遭わなければならなかった事に悔やみ、理解に苦しむ。

余談(PS2)

  • ゲームラボは海外版に関して大々的に特集を組んだこともあってか、日本のPS2版に関しては常軌を逸した規制に対する怒りからわざわざ攻略記事を掲載しながら、「世界で一番つまらない仕様」と明記し、海外PC版の購入を推奨する煽り文句で記事を〆ていた。
  • 『III』の頃からカプコンによる日本語版ローカライズの問題は噴出しており、本作はその極めつきとも言える。(『GTA2』までは別会社のズーがローカライズを担当していた)
    • ただし、告知もしなかったカプコンにも非があるが、国内のゲームではこのゲームで削除された項目が普通に出てきたり *5 その他の海外のゲームでは削除しなくてもいい表現を削除させたりと線引きがおかしな規制をするCEROにも非があり、60ヶ所以上にも及ぶ修正要求を出したSCEにも非がある。
  • その後も規制が解除されないままたった6ヵ月で廉価版が発売され、PS3でもアーカイブス配信もされ、720pとトロフィーに対応した先述のスマホ版ベースのPS3版も発売された。
    • 一応、PS3版は武器の使用による手配のみ緩和された模様。
  • ゲームデザイン(ゲームバランス)を考えない規制が『LCS』『VCS』にまで及び *6倣犯も現れたどころか、ロックスターの親会社Take-twoの日本法人がローカライズを担当する事になってからは、『EFLC』でもある『IV』のDLC *7 を経て『V』でも過剰な規制が再発してしまった。