東京魔人學園外法帖血風録

【とうきょうまじんがくえんげほうちょうけっぷうろく】

ジャンル 學園ジュヴナイル伝奇(AVG+SRPG)
対応機種 プレイステーション2
発売元 マーベラスインタラクティブ
開発元 シャウトデザインワークス
トムキャットシステム
発売日 2004年8月12日
定価 初回生産限定版:10,479円
通常版:7,329円(税込)
廉価版 Best Collection:2005年8月4日/2,940円
判定 なし
東京魔人學園伝奇リンク


概要

2002年にPSで発売した『東京魔人學園外法帖』のPS2版リメイク。6話からなる追加シナリオ「神々の黄昏」編や、特定のキャラクターでのみ使えた方陣技を自由に作成できる「カスタム方陣」、式神イラストの追加と効果の変更、味方キャラのAIシステム「開眼」を導入、ミニゲーム『東京麻雀學園』の追加と大幅なシステム強化が図られた。


問題点

ストーリー

  • 追加シナリオが取って付けた物に感じる。物語は江戸の町を守る公儀隠密「龍閃組」を話の中心とした《陽之章》と、それと対立する江戸幕府に虐げられ倒幕を狙う「鬼道衆」を話の中心にした《陰之章》、二つの組織が共闘し真の敵に挑む《邪之章》の三部構成である。しかし追加シナリオ「神々の黄昏」編は《邪之章》の前に挿入されたため、話に割り込んで唐突に北欧の神々が攻めてきて、唐突に龍閃組と鬼道衆が共闘する展開となる。さらに「神々の黄昏」が終わった後、元々の《邪之章》が始まるので、それまでの話をなかったことにしたように龍閃組と鬼道衆の仲を取り持つための会議を開く筋書きになってしまい矛盾が生じる。
    • シリーズを通して日本や中国の神話や伝説などが物語の下地となっているが、神そのものが現れる事はない*1。よって、このシナリオはシリーズの中でも特に異質である。
      • 北欧の神々が装備している武具は「神々の黄昏」編内でしか登場しない。特殊式神の作成アイテムもあるが、入手機会は一度きり。
  • また、北欧神話関連の新キャラは「神々の黄昏」編で全員死亡するため、その後のシナリオには一切絡まない。
    • よりによって、「神々の黄昏」編のラスト付近で本作の黒幕が目を覚ますシーンが入る。そのため、夢オチ扱いされてしまうことも。

ミニゲーム

  • 『東京麻雀學園』という名前が付いていても二人打ちの『ドンジャラ』である。
    • このミニゲームでしか手に入らない装備品が一種類あり、最高ポイント獲得かつランダム取得とコレクターを泣かせた。
    • アドベンチャーパートの立ち絵を卓の向こう側にはめ込んでおり、構図が変。

式神羅写

  • 戦闘で特定条件を満たすと発動するが、男性キャラ(または女性キャラ)から攻撃を受けるなど条件の緩い物と、行動力xの時yの倍数のダメージを受けるなど条件の厳しい物があり差が大きい。その割りに、効果範囲が狭かったり効果が薄かったりと実用性に欠けコレクション要素になってしまった。
    • ちなみにPS版では発動条件も簡潔で、作成難度に応じた効果を持っていた。
  • PS版と同じく、大量に同じ式神を所持した状態で式神創生を抜けようとするとフリーズしてしまう。もちろん式神羅写の状態でも同じことがおきる。

システム

  • PS版のバグと誤植の大半がそのまま。
  • 戦闘で属性ダメージに補正を加える「天候」が導入されたが、説明書でも攻略本でも全く説明されなかった。
  • AIシステムはキャラクターの性格を反映した思考を取るが、「○○に好意を持っているので○○に隣接する行動を優先する」「戦いを好み、常に強敵に向かってゆく」などバカの一つ覚えのようであり、使えないどころか使うとピンチになる。
    • 使用すると難度が大きく上がるため「縛りプレイ用モード」などと言われることも。

評価点

ストーリー

  • 物語のキーパーソンと言える比良坂。彼女はPS版では出自や来歴が一切不明であったが、「神々の黄昏」でそれが明らかにされた。
    • 北欧の神々から盗める武器や技には有用性の高い物が多い。
  • 一部のキャラのキャライメージに合わない発言の修正。
    • 一例を挙げるとPS版で問題視された某キャラに対しての「仕方がなかった」発言はカットされるなど。

式神羅写

  • PS版では同じ画像を色だけ変えて使いまわしていたが、リメイクに伴い全キャラに専用CGがついた。

システム

  • PS版では各話ごとのインターミッションでの会話を一人しか選べなかったが、全員と会話できるようになった。全ての会話を見るためにロードを繰り返す必要がなくなった。
  • 特定のキャラクターでしか発動しない必殺技であった方陣技を、プレイヤーが自由にカスタマイズできる「カスタム方陣」は組み合わせと技名が自由に設定でき、セリフも多くのパターンから選べるためファンの妄想を刺激した。
    • 威力を重視するもよし、キャラクター同士の掛け合いを楽しむのもよし。
    • また、好感度を上げたいときにも有効。周回プレイをしていると、フラグが立っていても、前周で戦闘不能に陥らせたことなどの原因により好感度不足で加入してくれない場合があるのだが、それを防ぎやすくなっている。
    • ちなみに、特定の順番でキャラクターを並べるとEDソングである「万葉之花」をキャラクター達が歌う組み合わせになる。
  • 一枚のメモリーカードに作れるセーブデータの個数が多くなった。
  • PS版ではメモリーカードに『東京魔人學園剣風帖』のデータがあることで1周目から特殊式神を作れる特典があったが、ハードの関係上、データ引継ぎ条件がなくなった。

総評

追加シナリオが本来のストーリーと全く関係のない話となったが、PS版がPS2発売の2年後に発売され3枚組であった事と不親切なシステムの修正という事を考えると、最初からDVD一枚のこの形ならよかったと思わざるを得ない。追加要素もプレイにこだわらなければどうということもない。



余談

  • 特典
    • アニメが付いたオープニングDVDが付属する。このオープニングDVDはシリーズ初のアニメ映像化であり、ゲームイラストの再現度は高い。
      • 発売当初はアニメにすること自体がファンの反感を買ったが、その後の『東京魔人學園剣風帖 龍龍(トウ「龍龍で一文字」)』がゲームイラストを顧みないキャラクターデザインであったため、一気に血風録DVDクオリティでやってくれたら良かったという風潮に変化した。
    • 初回限定版はデスクトップアクセサリーとイラスト集、関係漫画家のコラボレーションコミック付きでボックス仕様。
  • 「學園」とタイトルについているが舞台が江戸幕末なので学園物の雰囲気は一切ない。『東京魔人學園』シリーズという意味である。
  • 移植元である外法帖まではアスミック・エース エンタテインメントが発売元であったが、この作品からシリーズの発売がマーベラスインタラクティブへ移った。
    • それが元で、アニメという火種が発生する事になるとは当時誰が予想したであろうか。
      • 更にマーベラスによりシリーズ続編の開発中止が発表される。
  • 説明書のコピーライト(著作権)表示に誤植があるという珍しいミスもある。
  • プレイヤーはバグの多さに辟易したが、この程度は我慢できるレベルだと四年後に知ることとなる。

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最終更新:2017年05月28日 09:48

*1 クトゥルフ作品に登場する邪神の眷族が登場したことはある。が、顔見せ程度である。