新世紀勇者大戦

【しんせいきゆうしゃたいせん】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
メディア CD-ROM 1枚
発売元 アトラス
販売元 タカラ
開発元 ウィンキーソフト
発売日 2005年2月17日
定価 7,329円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:全年齢対象
判定 シリーズファンから不評
ポイント 万能すぎるオリジナルキャラ全般
(技術的に)かませの勇者シリーズ
ジェイデッカーと他勇者の差
専門用語多すぎ
勇者シリーズ


概要

サンライズ制作のロボットアニメ『勇者シリーズ』を中心にキャラクターが競演する『スーパーロボット大戦(スパロボ)』に近いコンセプトを持ったゲーム。

  • 以前にこのゲームと同じく勇者シリーズが競演した『ブレイブサーガシリーズ』があるがこちらは今作の販売元でもあるタカラである。

参加作品は勇者シリーズの『勇者特急マイトガイン』『勇者警察ジェイデッカー』『勇者指令ダグオン』『勇者王ガオガイガー』とエルドランシリーズの『絶対無敵ライジンオー』の5作品に本作オリジナル作品として『量子跳躍レイゼルバー』が登場する。

2001年春の「東京ゲームショー」にて、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(KCEJ、現:コナミデジタルエンタテインメント)とタカラのコラボレーション作品としての発表が行われたが、その直後製作会社をKCEJからタカラに変更され、しばらくの間情報が途絶えた後、2005年にアトラスから発売された。

「勇者シリーズをCGで再現」という点に期待を寄せる人も多かったと思われるが…。


特徴

  • 大本と言える『スパロボ』から見て本作独自の要素として「バランス」「団結度」「勇者値」がある。
    • 「バランス」は「機体がどこまで踏ん張れるか」といったような要素で、攻撃や被弾で減少しバランスが低いと命中・回避が下がるだけでなく気力・ENが足りていても使えない武装も出てきたり、一部隠し勇者の加入にも関わってくる。敵味方両方に適用されるため、本作の重要な要素となる。
      • 威力は低いがバランスを大きく削る武装なども存在する。
    • 「団結度」は必殺技で敵を撃破した際に、敵のバランスを削った数値だけ増え、一定量以上だと敵と隣接してる味方が協力攻撃をしてくれるようになる。
    • 「勇者値」は主人公兆太のみが持つ要素で「勇者としてどう行動するか」で増減し、特に本作では『スパロボ』と違い防衛対象でなくともビルなどの建物に体力が設定されており、時には機体を犠牲にしてでも防ぐ必要がある。つまりは「街を守れない奴は勇者じゃない」という事である。勿論自分から建物を攻撃してはいけないため、敵が建物を背にしてるなど攻撃を躊躇しかねない状況などもでてくる。勇者値は合体技や一部武装の追加条件となる。
      • そのため勇者コマンド*1には「地形を破壊から守る」効果のものが存在する。
    • また強化パーツはスロットが少ない機体でも4個、最大で10個も装備可能、だがこの10個装備可能なのはダイレイザーとファイヤージェイデッカーのみで、スーパーファイヤーダグオンとガオガイガーは5個と主人公機だけでも極端に格差がある。
  • スパロボおなじみの改造システムはなく、機体ごとレベルアップする方式。
  • 勇者シリーズのキモともいえる合体はCGムービーで再現され、一部必殺技もムービーとなっている。
  • 世界観としては全て「平行世界」として扱われている。

各作品の扱いや問題点

シリーズ毎の格差が非常に大きい、というよりもジェイデッカー以外は再現率が低い。今作が黒歴史扱いされる理由の大部分を占めていると言ってもいい(残りは酷いCG)。

  • ほとんどの作品が最終回に相当する話に進まず、仲間になる勇者の数も区々である。以下は作品毎の問題点の一部である。原作再現関係の話をしてクロスオーバーを大して書いていないが、クロスオーバー自体が少なく批判点は「クロスオーバーが少ない」で済み、評価点も少なく正に特筆する点がほとんど見当たらない状態なのである。
    • 一応熱い場面のクロスオーバーもあるのだが、そういう場面に限ってクロスオーバーとは関係ない部分での不満点が存在している事も多々である。
    • たとえば終盤のジェイデッカーのビッグマザーはジェイデッカー世界の超AIを狂わせるため、舞人などは「ジェイデッカーは戦わない方が良い」と言うのを振り切り、勇太とファイヤージェイデッカーは戦いを挑む。
      • これだけ書くと評価点のようにも見えるが、問題はレイゼルバーを除いた他のシリーズのキャラは雑魚に足止めされてそのまま置いてけぼりを食らうのである(援軍に来るのはレイゼルバーとスーパービルドタイガーのみ。シャドウ丸とカゲロウはどうした? 必殺技が無いから来ても足手まといだけど )。「心を持つロボット」というマイトガインやガオガイガーなどいくらでも話が膨らむ共通点を持ちながら、ジェイデッカーとレイゼルバーのみで済ましてしまうという始末。もっともこの場面に限った話ではないが。
      • 細かいことを言うなら原作では勇太とデッカード(ジェイデッカー)の心をリンクさせることで超AIが狂わないが、デュークは他のプレイブポリス同様に超AIを停止させている。決戦中に援軍として駆けつけるが、ファイヤージェイデッカーに合体はしていない。そのため原作再現の観点でも中途半端となっている。
    • そもそもオリジナル含め僅か6作品しかないにもかかわらず、格差がある時点でおかしいのだが…。

マイトガイン

  • ライバルであるジョー(轟龍)が仲間になる一方で、原作から勇者特急隊の一員である「トライボンバー」は登場せず「バトルボンバー」「ガードダイバー」は何故かスポット参戦。「マイトガンナー」も事実上登場しない。
    • 厳密にはグレートマイトガイン・パーフェクトモード(=パーフェクトキャノン)のみの登場で台詞などは無い、登場時期も最終話一話前と極端に遅い。原作だとパーフェクトキャノンの原型の超電導砲はグレートマイトガインの初陣と同じ話で初登場したのだが。
    • 因みにグレートマイトガインとグレートマイトガイン・パーフェクトモードは別機体扱い。その割にパーフェクトキャノンのムービーで毎回パーフェクトキャノンを合体させている。
      • それ以前にマックスキャノン、無限砲、ゴルディオンハンマーはただの装備なのにパーフェクトキャノンだけ何故別機体扱いなのだろうか? マイトカイザーも原作では登場後はマイトガインと同時出撃が基本だったが、今作ではどちらかしか使えない。
  • 隠しユニットは人気も高く『ブレサガ』シリーズでも仲間になったブラックマイトガイン。原作有数の悲劇エピソードでファンも少なからずいる胡蝶*2の2名。しかし上記の勇者特急隊がゲストなのを差し置いて(隠しではあるが)レギュラー参戦する為、おかしいのではとの批判もある。結果として他の勇者シリーズに比べてユニットが少なく、隠しの二名を除けば最終的に使えるユニットはグレートマイトガイン・パーフェクトモードと轟龍の二機のみ。
    • またブラックマイトガインはルート分岐に関わり、ジェイデッカーシナリオに進みたければ、わざと救出失敗しないといけなくなる。そしてこの時点で胡蝶のフラグまで折れてしまう。
  • 浜田君がマイトカイザーに乗るファンには嬉しいエピソードがある。ただし原作と違いこれがマイトカイザーの初陣であり、舞人は入院中なので原作のようなグレートマイトガインに友情合体はしない。そもそもグレートマイトガインは完成していない。
  • 合体ムービーはマイトガイン、グレートマイトガイン。必殺技ムービーは縦一文字斬り、真っ向唐竹割り、パーフェクトキャノン。
    • 合体ソング「レッツ・マイトガイン!!」「グレート・ダッシュ!!」が流れない。マイトガインを語るには欠かせない要素でこれが無いだけで今作をクソゲー扱いするファンがいてもおかしくないくらい重要な要素である。因みにおなじみの名乗り口上は紙芝居で再現されている。…合体ムービーも少ないのだし、そこはムービーにするべきではないだろうか?

ダグオン

  • 一応全員仲間(武器になるガンキッド、ライアン除く)になり合体ムービーも多いが、スーパーライナーダグオンやスーパーファイヤーダグオンへの合体が原作とは展開が全く異なり、盛り上がりも無く合体してそれで終わりである。強化パーツの装備スロットがグレート合体しても増えないため、ガオガイガーと同数で他の主人公勇者に比べ少ない。
    • サンダーダグオンは原作でも出番は少なかったが、登場時期も遅く武装が少なく気力も必要で余程愛が無い限り使い道が無い。「トライアングルクリスマスビーム」の習得条件が非常に分かりにくく、特にイベントも無いため覚えたかどうか分かりにくい。
  • ストーリーとして主人公の炎(エン)と同じく高校生であるマイトガインの舞人との関わりが取り上げられており、ラスボスにトドメをさした主人公でトドメ演出の展開が変わるが、マイトガインとダグオンは台詞が多少異なるだけでムービーなどは使いまわしと明らかに手抜きである。
    • 原作再現率の低さからアーク星人と決着がついただけマシなほうである。もっともその後のファイヤージャンボの戦線離脱の経緯が盛り上がりの欠片もない形で大幅に異なるのだが。
  • 合体ムービーはファイヤーダグオン、スーパーファイヤーダグオン、ライナーダグオン、スーパーライナーダグオン。必殺技ムービーはファイヤーライオソード、スーパーファイヤーメガ光波、無限砲、トライアングルクリスマスビーム。

ガオガイガー

  • ゴルディマーグを除いたゾンダー編の勇者が仲間になる。勇者値に関わる地形を消滅させる事ができるディバイディングドライバーを持っていたり、基礎能力も他の勇者より高いが強化形態「スターガオガイガー」が登場せず、ウルテクエンジンも登場しないため機体性能が上がる事もない。そのため強化パーツの装備スロットが非常に少ない。
    • これはストーリーがゾンダー編で終わってしまうためで同時に「撃龍神」「ジェイアーク/キングジェイダー」も登場しない。合体ムービーが少ないためかゴルディオンハンマーが合体・必殺技両ムービーに存在する。もっともそれならビッグボルフォッグのムービーでもいれればいいだけの話なのだが…。
  • 原作でゾンダーに無機物が侵食、融合されるという要素から、Gストーンを持つガオガイガー関連の勇者以外はゾンダーと隣接すると割合ダメージを受けるという仕様が存在する。
    • SRPGとして考えるとただ単に面倒な要素なのだが、オリジナルキャラがゾンダーの技術に対抗しきれないため、シリーズ作品が唯一かませになっていない要素という無駄な評価点にすらなっている。
  • 合体ムービーはガオガイガー、超竜神、ゴルディオンハンマー(合体からの必殺技)。必殺技ムービーはヘル・アンド・ヘヴン、ゴルディオンハンマー(必殺技のみ)。

ライジンオー

  • 唯一のエルドラン作品だが原作再現の部分が他の作品より非常に少なく、ほとんどいるだけ参戦。使用できるのはライジンオーのみ。バクリュウオーとゴッドライジンオーは、ライジンオーでラスボスを倒した場合のみ登場する。当然操作できず「ハイパーサンダークラッシュ」はラスボス用トドメ演出である。
  • 合体ムービーはライジンオー、ゴッドライジンオー。必殺技ムービーはゴッドサンダークラッシュ。

ジェイデッカー

  • スタッフにファンでもいたのか非常に優遇されている。他の作品がストーリーの半分程度も原作再現されない中ほぼ最終局面まで進み、「完成!ビルドタイガー」「デッカード殉職」「合体!ファイヤージェイデッカー」などの有名エピソードは軒並み再現されている。
    • さらに言えば所謂グレート合体をしっかりと原作再現されているのはジェイデッカーのみである。
    • デッカード(ジェイデッカー)がオリジナル勇者レイザー(レイゼルバー)の親友になるなどストーリーにおける重要度も高くもう一人の主人公といっていい位に活躍する。
      • ただしその優遇も謎の改変がされており、ドリルボーイの初登場が、何故かデッカード殉職後であり、「ビルドチームがデッカードを助けるために気合で合体妨害を突破する」という場面が再現された結果、一度も会った事がないデッカードのために奮起するドリルボーイ、という意味不明な事になっている。またこのステージ、ジェイデッカー組が合体妨害に対抗している間、他作品(合体済み)やオリジナルの敵キャラは離れた位置で無言で対峙している。
  • 2号ロボのデュークファイヤーの合体ムービーがあったり、武器勇者のガンマックスアーマーが使用できるなど、他の作品より明らかに待遇がいい。
    • ただしいくつも形態を持つはずのシャドウ丸は、シャドウ丸タンクが一度登場するだけで他形態はなし。またそのタンクも、火力不足が指摘されて追加された形態なのに火力が低い。
    • 最終的に、ほぼ全員が仲間になる。ならないのは隠しのカゲロウと、マックスキャノンになるガンマックスアーマーのみ*3
    • ガオガイガーでラスボスにトドメを刺した時、凱が各主人公たちの想いを受け取るが、凱のモノローグの文章が「舞人、炎、仁、吼児、飛鳥、勇太、ファイヤージェイデッカー、兆太」と何故かファイヤージェイデッカーが平然と混ざっている。同じように心を持つ主人公勇者であるレイザー(ダイレイザー)、ガイン(グレートマイトガイン)は思い浮かべない。他の作品が中途半端な扱いのため非常に目立つ形となった。
    • 数少ないクロスオーバーで活躍するファイヤージェイデッカーのマックスキャノンではなく、僅か1ステージしか使えず特にイベントもないジェイデッカーのマックスキャノンにムービーがあったりと、変なところで不遇である。
  • 合体ムービーはジェイデッカー、デュークファイヤー、ファイヤージェイデッカー、ビルドタイガー、スーパービルドタイガー(因みにガンマックスアーマー以外全勇者)。必殺技ムービーはマックスキャノン、ファイヤーソード・ローリングサンダー、バーニングファイヤーソード。

レイゼルバー

  • このゲームオリジナルの作品なのだが、あちこちに謎を残したまま最終決戦まで進み、あげくラスボスまで死に際に伏線を張って逝く。続編でも作る気があったのだろうか?
  • レイゼルバーに関わる那由他(なゆた)一家とライバルのガリオ・ソーンブラは全員なんらかのスペシャリストのため、専門用語が異常に多く、予備知識がないと(下手したら予備知識があっても)理解できない要素が多い。
    • 因みにこの専門用語とはゲームの造語などではなく、ティプラー理論を始めとした実在の用語である。
    • この一家に限らず、ヒロインの美里、敵キャラのバリオース6騎士…要は主要のオリジナルキャラ全員が所謂「メアリー・スー」であり、他作品はガオガイガーのGストーンやゾンダーの融合等の三重連太陽系の技術を除けば那由多家やバリオース6騎士の技術に全く敵わない。
      • 一例をあげると最年少のせつな(9歳)でもGGG*4を平気でハッキングして「セキュリティが甘い」と言い切る。母親の沙織は那由多家特有の知能に加えて、ダグオンメンバーが得意分野でも敵わないほどの身体能力と技術を持つ。家族で一番技術力が無いと思われる熱血主人公タイプの兆太(13歳)でも、ハッキングや無線傍受など余裕でこなすなど、科学知識は非常に豊富。なおバリオース6騎士は那由多家と同等以上の技術力である。そして科学技術には無縁の美里(13歳)ですら「運動神経がいい*5ため、パイロット適性が高く、8G程度なら余裕で耐えられる*6」というとんでもない設定。
    • また隠しキャラ4人のうち2人のブラックマイトガインとカゲロウは、レイゼルバーのキャラの力だけで救出し、他作品はおろか原作キャラすら碌に関わらない。
  • ガリオはライバルと言う事で序盤から中盤はライバルとして出番が多かったが、仲間になる中盤以降はどんどん影が薄くなっていく。必殺技ムービーこそあるが合体ムービーも合体技も存在しない。
  • 最終機体ダイレイザーは主人公機ということで非常に強力だが、使用できるのは中盤2話と最後の二話だけであり機会が少ない。因みに最終話直前の復帰戦の時は、何をとち狂ったのか合体ムービーを流さず、それでいてムービー内に出てくる台詞を音声つきでわざわざ喋るためテンポが悪すぎる。
    • また初合体は、よりにもよってガオガイガーの機界四天王戦の時。オリジナル作品なのにガオガイガーの見せ場を奪った、ともいえる描写となっている。

その他の問題点

  • 本作のウリとされているCGムービーだが、発売された2005年当時の基準でもチープに見えるものが混じっている。開発開始が2001年で、発売までに四年のブランクがあったためか。特に合体ムービーは速度重視で「間」が短い(というよりもBGMのインストに合わせている)。カットも可能でムービープレイヤーもある事から短いという意見が多い。
    • おまけにムービーが充実しているのもジェイデッカーくらいで、それ以外の作品になると扱いが悪い。マイトカイザーやパワーダグオンなど人気勇者のムービーが無かったりする。
  • 攻撃演出はCGムービー・ポリゴン・紙芝居と三種類に分かれ、質の差が非常に大きい。メイン必殺技(主人公勇者とガリオ機のみ)はムービーだがそれ以外の技は強力な技だからポリゴン、というわけではない。
    • これの影響をモロに受けているのが、ガオガイガーシナリオでのバリア破壊のための連続攻撃。この時にマイトカイザーを使用していると、必殺技演出が紙芝居のため、熱い場面にもかかわらず演出がチープすぎて萎える。
    • 意味不明なところでは、OPデモでしか戦闘画面がないガインにポリゴンムービーが用意されている*7。それだったらマイトカイザーのドリルクラッシャーを…。
    • また攻撃にだけ力を注いだのか、敵味方含めて被ダメージ時のモーションがマップ上のものしかなく、ちょっと仰け反って爆発演出があるだけである。勿論相手を凍結させる技だろうが爆発しかしない。
  • 地形破壊
    • 地形の事を完全に無視すれば、本作の難易度はそこまで高くない。だが勇者値のために地形を気にし出すと一気に苦行となる。
    • ビーム系の攻撃は、射程内のなにかに当たるまで直進する。そのため回避に成功した場合、背後の仲間やビルに当たってしまう。
    • またビームの超過ダメージは貫通する。例えばHP1万の敵の後ろにHP2000のビルが2棟あったとして、レイゼルバーのゼロフォースで15000のダメージが発生した場合、ビル2棟まで貫通して破壊してしまう。上手くいけば敵2体を一度に破壊できたりもするが、基本的には不利益な要素である。
    • マップ兵器に至っては、防御して地形を守るという事すらできないため、地形が後ろに無い配置に立つ必要がある。
    • 味方NPCはスパロボおなじみの経験値泥棒だけでなく、地形破壊を考慮しないため、NPCの攻撃で地形が破壊されてしまう事が多発する。
  • 忍者系やマリンレイゼルバーは2回行動持ちのため、先行しがちになり敵に狙われやすくなるが、『スパロボ』によくある「反撃/回避・防御選択」は「狙われたユニットのみ選択可能」の為、大抵は先行した忍者ユニットが狙われる。彼らは「回避力が高いが防御力は低いのが特徴」の為大抵は回避を選択することになるが、回避成功の場合背後にいる仲間ユニットは「回避・防御選択」が出来ず直撃を受けてしまう。つまり、忍者ユニットが敵の攻撃を回避し続けた結果味方があっさりとやられてしまった、という事が起きる。
    • 全体的に敵の攻撃が強く、少しでもHPの減っているユニットを優先的に攻撃するAIが組まれているらしく、射程内に複数のユニットがいても特定のユニットが集中攻撃されやすい。そのため足が遅く忍者への攻撃のとばっちりを受けやすいマイトガインなどが集中攻撃されがちになる。
  • 合体技はレイゼルバー&各主人公機とグレートマイトガイン&ファイヤージェイデッカー、スーパーファイヤーダグオン&ガオガイガーだけである。
    • ENの消費などからあまり実用的なものではなく、基本的にはロマン技。合体の関係で、特定の1ステージでしか使用できないものもある。
    • グレートマイトガイン&ファイヤージェイデッカーの「フォビトンクロス」以外の技は、元からある技の使いまわしが非常に多い。
    • 上記の通りグレートマイトガインとパーフェクトモードは別機体なので、パーフェクトモードになるとファイヤージェイデッカーとの合体技は使用不可能になる。
      • ダイレイザーが復帰するステージで初参戦するグレートマイトガイン・パーフェクトモードとの合体技など、使わせる気すらあるのか怪しい。
  • 前述の団結度に関わるため必殺技を狙いたいが、どれが必殺技かは実際に敵を撃破するまではわからない。
  • 原作で語られていないロボの型番や会社などが台詞に登場することがあるなど、スタッフが原作をよく理解できていないような描写が複数ある。
    • 酷い部分では「電力で動くガインが燃料を飲む*8」という作品の根幹に関わってくる部分でのミスが見られる。特にこの場面は「レイザーがブレイブポリスのように飲むという行為に興味を持つ」という場面のため、このミスは非常に痛い。
  • グレート合体や超竜神、武器勇者は、一度合体したらインターミッション含めて任意では分離できない。シナリオ上の都合で分離していることはあるが。
  • 合体BGMは、どの作品でも主題歌のインストゥルメンタル版。原作の合体BGMは流れない。
  • フルボイスではなくパートボイス仕様。原作の名台詞はともかく、日常会話で一言だけ急に音声が流れるなど基準がかなり謎。心なしかクロスオーバーの時に音声が多い気がする。
    • スキップがあるにもかかわらず、ボイスが流れている間は文章を飛ばせず、いちいち音声をキャンセルしなければならない。
      • スパロボのDVEと異なり、本作は1ステージにつき大体10個程はボイス付きの会話が登場する。そのためキャンセルしないとスキップが出来ない事が非常に面倒になっている。
  • 中盤以降、攻撃力不足且つ必殺技を持たない勇者は足手まといになってしまう。隠しキャラであるブラックマイトガインやカゲロウがお荷物となってしまうのは非常に勿体無い。
  • シナリオ「ゾンダーメタルプラント」か「イゾルデの門」で増援の舞人が登場する前に敵を全滅させると以降登場しなくなるバグがある。
  • あまり知られていないが周回要素がある。ゲームをクリアしたデータをロードすると2周目に入れる、という条件は普通なのだが、クリアした直後にロードしなければならず、一度電源を落としたりオプションに入るとロードしても2周目に入れない。なぜそんな面倒な仕様にしたのか…

評価点

  • 主人公の兆太を始めとした那由他家とガリオ、ヒロインの美里、主人公機レイザーや敵のバリオース6騎士などのキャラは立っており他の主人公に埋もれたりはしない。
  • レイザー、レイゼルバー各種、ダイレイザーの造形も「勇者らしくない」という評価が聞かれることもあるが主人公機らしい造形である。
    • レイゼルバーは『ブレイブサーガ2』の前半主役機であるセイバーヴァリオンにシルエットが似ている、ダイレイザーはライバル、あるいはボス然としているデザイン・カラーリングのため評価が分かれる
      • またその合体も素体であるレイザーにレイゼルバー用の3種の強化パーツが直接合体し、「レイゼルバーの強化形態」ではなく「レイザーの強化形態」という勇者シリーズでは特異な合体方式を取っている。*9
  • 勇者や用語を参照できる辞典があり、意外と原作に忠実(だが、こちらでは正しいものが何故かゲーム中では間違っている事がある)。
  • ムービープレイヤーがある。ただし前述の通り、作品によって扱いの差が激しい。
  • 協力攻撃の時に追加攻撃をしてくれるキャラが音声有で台詞を言ってくれるが、その時に別作品の勇者の名前を読んでくれたり(全部ではない)とちょっとしたサービスがある。
  • 主題歌は好評。遠藤正明氏とMIQ氏が歌っており、サントラやシングルが発売されていない事を残念がる声もある。
    • イベントでフルサイズを歌った事があり、某動画サイトでその時の映像を見る事が可能である。

総評

「ブレイブサーガ以外で勇者が競演する」「CGで表現される」と言った要素から期待が高まりすぎた感がある。ゲームシステムとしてはスパロボとは違う方向性を出そうと言う努力が見られるが、「勇者・エルドランシリーズのキャラゲー」としてはエクスカイザー、ファイバード、ダ・ガーン、ゴルドランが登場しないなど物足りないつくりとなってしまった。
2005年に相応しいとは言いがたいムービーに作品毎の大きな差、多すぎる専門用語など「勇者・エルドランシリーズ」として期待していたファンとしては肩透かしを食らった形になる。なお誤解の無いように言っておくと、ゲームの部分は『スパロボ』に比べ勇者値などとっつきにくい面があるが、全滅プレイも可能など理不尽な難易度ではないため平凡といったところである。


余談

『ブレイブサーガ』に登場するオリジナル作品『勇者聖戦バーンガーン』を指していると思われる単語が登場する。


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最終更新:2024年04月05日 23:12

*1 『スパロボ』で言う所の精神コマンド。

*2 ただし彼女は2周目以降限定。

*3 マックスキャノンイベントを発生させなければガンマックスアーマーも最後まで使用可能。

*4 ガオガイガー世界の組織、今作に登場する組織ではおそらく最高峰の技術力を持つ。

*5 ルールが覚えられないため体育の成績が悪いという設定はある。

*6 対G訓練でパイロットが目の前の美里だと知らなかった兆太が、「パイロットが戻って来ないのは倒れているからでは?」と疑っていたため、実際はもっと負荷が掛かっていたと思われる。

*7 ブラックガインがスポット参戦するため、モデリング使いまわしのためかもしれないが、敵仕様のブラックガインはモーションが異なる。

*8 マイトガイン世界では「石油燃料」が枯渇しており、全て電力で賄っているためガインが飲料系の燃料を飲むはずがない。ジェイデッカーにはデッカードとガンマックスが口から燃料を飲むシーンがあったが、それと混同したのだろうか? ちなみにこの時はレイザーとジェイデッカーの勇者が勢ぞろいしているため台詞を言わせるキャラの選択がおかしい、と見るべきか…

*9 シリーズでは素体同士で合体するグレートファイバードが一番近いか。