GuitarFreaksV8 & DrumManiaV8

【ぎたーふりーくす ぶいえいと あんど どらむまにあ ぶいえいと】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2011年3月28日
判定 なし
ポイント 旧ギタドラ最終作
凄まじい手抜き
カイリキー専用譜面
盛大な締めくくり? いいえ盛大な爆死です
GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ


概要

ゲームセンターで人気のギターおよびドラムシミュレーションゲーム『GuitarFreaks(ギターフリークス)』と『DrumMania(ドラムマニア)』の初代から続くVシリーズの最終作。事実上のXG2の下位機種でもある。
前作が相当酷い出来であったため、今作は最終作という面目もあり本来なら有終の美を飾るべきところであったのだが…。

問題点

  • 全くあてにならない難易度表示
    • 難易度を元にして腕前を算出するスキルシステムや、その難易度に依ってバトルモードでの選曲制限が設定されたりと、他機種以上にシビアな難易度査定が必要になってくるが、今作では実質難易度との乖離が激しい譜面が多く、難易度表記が実質機能していない状態となっている。
    • ギタドラでは一曲につき最大で4パート・3難易度の12譜面*1を用意しなければならず、ギターとドラムとで譜面製作方法は全く異なるが、それを加味しても今作では杜撰な難易度表記が目立つ有様である。
    • それなりに低難易度な曲であるにもかかわらずオルタ*2譜面が登場したり、高難易度の曲でも目立った難所が存在しない曲があったりするなど全くあてにならない。適当につけられているのが見え見えである。
    • V6以降、難易度変更が一切行われていない。特に、V7曲は今作同様いい加減な難易度付けなのにも拘らず一切変更無しである。
    • 難易度の形態こそは違うものの、同時期にリリースされたXG2にもこの問題点は存在している。……が、まだ新規難易度形式のノウハウが確立しきっていないXGシリーズと違って、こちらは相当に息が長いはずなのだが。
      • 譜面の傾向を現すレーダーチャートが存在するので、そちらを参考にすると大幅な詐称曲を引くような事は防げる。が、チャートが現れないENCORE楽曲では譜面傾向を知ることが出来ず、そもそもチャートの見方を知っているくらいのプレーヤーならネット情報などで詐称曲も知っているという……
    • GFでは前作において難易度詐称のオンパレードだったが、今作は難易度逆詐称オンパレードに変わってしまった。
    • 代表例は「a:FANTASIA」。赤Gは94、赤Oはなんと98と版権曲最大難易度にあるにも拘らず、同レベルのover there、NEMESIS、Leaving All Behindに比べると明らかにクリア、繋ぎ共に簡単で実質80台程度の譜面。
    • EXTRA RUSH曲に関しても幻想雷神記やEXCELSIOR DIVE等、歴代シリーズと比べて難解な譜面が少なくなっている。
      • 前者はLv95(赤G)、Lv97(赤O)と謳っている割には、同作曲者のwhite tornadoやPurple stormと比べると明らかに処理しやすく、やりごたえのある譜面となっていない。
      • 後者は単色メインな上、SRAを入れるとかなり簡単になる為、PREMIUM ENCORE曲としての威厳が保たれていない。Vシリーズ最終ボスではあるが、歴代の最終ボス曲に比べると、パワーダウンしている感が否めない。
    • 他にもwhite wings(Lv90)より明らかに難しいのにIMI(Lv86)はそれより下であることと、80台でも90台の曲より難しい場合がザラである。
  • あまりにも適当なドラムの譜面
    • ドラムマニア側の新曲の高難易度譜面では通常の刻みや連打(いわゆるロール)に不自然な形でハイハットを叩かせるといった、所謂「無理押し」に近い譜面が複数存在する。
    • こんな無茶苦茶な譜面が出来た理由は、上位機種であるXGから譜面をコンバートした際に、左足で踏む「ハイハットペダル」をそのまま手で叩く「ハイハット」に割り当てた為。
      • そもそもXG譜面をV仕様に落とし込んだだけであり、どうも3ヶ所以上の同時押しが存在しなければ良しとなっていたらしい。
    • 最も顕著な例が、BPM97での32分スネアロール*3中にハイハット(HH+SN同時)が混じっている「IMI」*4で、隠し曲の「前髪」に至ってはCYを刻みながら左手でスネア→ハイハット→スネアを16分で高速移動させる無茶っぷり。
      • こういった譜面傾向が、上述の難易度設定の信憑性を余計に曇らせているといえる。
  • 新曲のクリップが汎用ムービーのみ
    • 一部汎用化は前作から始まっており、『beatmania IIDXシリーズ』の様なレイヤーを織り交ぜていたが、今作はそれすら存在しない。
    • 新規のムービーはPVが存在する版権曲とV7に登場しなかったXG曲の専用ムービー以外は、最初と最後にジャケットの一枚絵が表示されるだけで、後全て汎用ムービーとなっている。
    • V7に登場しなかったXG曲のレイヤー+汎用ムービーはなぜか搭載されておらず、全て汎用ムービーとなった。
      • ただし、「幻想花」だけはなぜか専用ムービーとなっている。
  • 版権曲の大量削除
    • 事実曲が大量削除されたGUITARFREAKS 7thMIX & drummania 6thMIXとGUITARFREAKS 9thMIX & drummania 8thMIXに比べると少ないものの、なんと36曲も削除されている。
    • その36曲はすべて版権曲であり、GITADORAが出るまでは最も多くの版権曲を削除したシリーズだった。
    • 前作のXG筐体でコストを割き過ぎたせいもあるが、V7の惨状を見る限り予算不足の為に削除したとしか考えられない。
      • 「Home Girl」、「RALLY」といった旧作から支えられた曲がばっさりと削除。VシリーズからではV4で多く収録された洋楽枠が大量に削除された。
    • この光景に旧作からのプレーヤーだけでなく、Vシリーズからのプレーヤーからも戸惑いの声が隠せなかった。
    • 一部の版権曲はコナステ版GITADORAにて再収録されており、XG化されていない曲もMASTER譜面まで新規に作られている。
  • 収録楽曲に関して
    • 前作同様にXG2にある楽曲の一部が収録されていない。漏れた楽曲はツーバスや3タムなどXGの譜面仕様を前提として作られたものが多く、V8では表現しきれない曲が多かったが…
    • 人気の出そうな『X-Plan』や『百鬼夜行』は勿論、サマーフェスタで解禁された15曲が1つも無く、CLIMAX STAGE専用曲の『Brown blizzard』も未収録。
    • XGでしか遊べなかった曲が遊べると公式で提唱されていた(?)にも拘らず、『X-treme Grade』も収録漏れ。
    • また、APPEND FESTIVALやポップン19との連動イベントにも対応しておらず、いずれの解禁曲も入っていない。
    • 更に、隠し曲でも何でもないデフォルト曲の『君の知らない物語』までも未収録。人気曲でもあったのでこれの未収録だけでかなり損をしただろう。
  • その他インターフェス等
    • 曲選択時のBGMやSE、OP楽曲等、前作の使い回しが目立つ。V7もXGの下位バージョンという位置づけではあってもちゃんと変わっていたのだが。
      • ちなみにXG2ではOP曲すら存在していない(OP画面ではBGMが流れない)。
    • スペシャルサイトもなければ復活曲もなく、挙げ句の果てに筐体ポップやポスターもない。
    • BEMANIシリーズではお馴染みとなっているゲームセンター専用電子マネー「PASELI」にも対応していない。

評価点

  • 音楽ゲームとしては普通に遊べる。
    • 新曲の譜面(特にドラム側)の無茶配置を見なかったことにすれば、という条件つきだが。
  • EXTRA RUSHの曲は良曲
    • レギュラーアーティストの泉陸奥彦は『blue moon』と『Chinese Snowy Dance』、96ちゃんは『SIX DIMENSION』と『幻想雷神記』を担当。
    • サプライズとして版権曲の『MARTIAL ARTS』がENCOREに登場したり、地獄カルテットに所属する小林信一の『ゲームより愛を込めて』など豪華ではある。
      • しかし、どれもXG2からの使い回しという事もあり注目される事はあまり無かった。
    • 『EXCELSIOR DIVE』は最後の作品のプレアンという意味では盛り上がっていたが、いかんせん他シリーズの最終ボスと比べると地味な印象が強い。
  • XGと譜面構成が違う曲が存在している
    • GFでは『紫の月』『Victory!』『Big Wave』等、XGでオートチップになっている部分が開放され、ノーツ数も増えている。
    • DMでは『憧れのボディービル!!』や『Crack』といったタムの振り分けや刻みのパターンがXGと大幅に変わっている曲が存在する。
      • この様に多少なりとはいえXG2と違う部分がある為、全てが手抜きの作品とは言えないのが救いか。
  • 過去最高収録曲数
    • 削除曲数は36曲だが、今作はXGからの移植も含め60曲以上収録されたため、実質過去最高収録曲数となった。
  • BATTLE MODE伝導イベント
    • スタッフによるBATTLE MODEを使った伝導イベント。Twitterからの情報だったためか、知らない人も多かった。何もイベントのないV7より多少はマシ、程度のものではあるが。
    • 解禁楽曲は『Right on Time(Ryu☆Remix)』と『サヨナラナミダ』の2曲。
      • Right on Timeリミックスは今までギタドラと縁の無かったRyu☆の参戦もあって、僅かながらバトルモードの活性化に繋がったが…
    • GDP楽曲やEXTRA楽曲も出尽くした状況でのイベント告知であった為、他にも楽曲追加があるかもしれないと、希望を抱いたプレーヤーも多く見られたが、この2曲の追加で覇王称号*5が出た為、コナミからの事実上のVシリーズ完全終了宣告と言われていた。
  • e-AMUSEMENTサービスの延長
    • これまでのVシリーズは稼働から1年前後でe-AMUSEMENT対応が終了していたが、今作のオンラインサービスは2年も続いていた*6
    • 資金及び筐体スペースの問題でXGシリーズの導入を見送っている店舗が多かった事や、ブランドを統一して再出発したXG3の出来が惨憺たるものだった事もあり、XGシリーズの筐体の導入を見送る店舗が続出したことによる。
    • XG3ではCLASSICモードが削除され、Vシリーズにのみ収録されていた旧曲の大半やLONG曲の全てがプレー出来なくなり、皮肉にもシリーズ最悪と評されたV8にもまだ需要が残される結果となった。
      • ちなみにプレーデータに互換性があったXG2*7及び、海外でのV8のe-AMUSEMENTサービスは一足早く終了している。
    • なお、サービスが終了した現在、本作の筐体はEXTRA LEVEL含め稼働初期の状態に戻され、隠し曲はほぼ全てプレー不可というなんとも寂しい状況になっている。
  • Vシリーズ初のe-AMUSEMENT GATE対応
    • 前作までは携帯サイトを使わないとプレーデータが確認出来なかったが、e-AMUSEMENT GATEに課金登録(月額315円)する事によってPCでも見れるようになった。

総評

シリーズ古参のファンからは「駄作」の一言で切り捨てられ、連動要素に参加させて貰えない以上、新規ユーザーも見込めなかった。
オペレータ側の評価も、稼働店舗が今までのシリーズに比べて少ないことがその暗喩であると言える。そのことは、前作であるV7をオフラインで稼働し続けている店舗が複数見受けられた事からも察せられるだろう。
EXTRA RUSHでのサプライズな展開(版権曲がアンコールに入ったこと、小林信一が描きおろし新曲を引っさげて参戦。TAGがプレアンを担当)、BATTLE MODEの連動イベントがあっても、その不満は結局解消されることはなかった。
いい加減な難易度設定・汎用だらけのムービーなどXG2と共通している問題点、またはXG2のみの不満点はあるものの、V8に限定した不満点はそれどころではなく、XGで提唱された「これからのGFDM」への不安を煽り、そして「これまでのGFDMの総決算」としても不十分という、シリーズ最終作としてはあまりにも寂しい評価となってしまった。

余談

  • スタッフのインタビューに関して
    • 今作のスタッフはインタビューで「前作の不評を受け、今作は盛大にシリーズを締めくくらせる」との自信たっぷりの発言をしていたのだが…
      • それとは裏腹に今作のあまりの手抜きっぷりに「盛大にシリーズが終わった」「盛大に爆死」などと皮肉られることになった。
    • こんな事になった原因は、XGシリーズの筐体価格が非常に高く、導入や100円設定への値下げを躊躇う店舗が多かったために、旧型筐体にも互換性が必要だったためだと思われる。この点はV7も同様。
    • 『beatmania』と『beatmania III』のようなものと言えば知っている人には分かりやすいだろうか。結局IIIは上記と似た理由で定着しなかった……と言うよりも、正式に売り出されることすらなかった。
  • 稼働前の動画ネタバレ事件
    • V8(XG2)が稼働する前、動画サイトにてまだ未稼働のはずのDrumMania V8のフライングネタバレプレー動画が上げられてしまう事件が起こった。
    • これにより、XG2に於いてもまだ発表されていない版権曲や、XGからの移植曲も一部判明してしまい、2chやSNS上で大きな騒ぎとなってしまった。
    • 無論この件で悪いのはアップロードしたユーザーであり、流石にコナミも権利者削除を要請した為、現在では元動画に関しては視聴不可となっている。
      • なお、本作以外のタイトルにおいても同様のフライングネタバレは度々発生しており、それを受けてコナミが対策を強化していく事態となった。
  • GFDM CHRONICLEによるクラシック譜面復活
    • V8稼働から8年後、GITADORA EXCHAINのイベント『GFDM CHRONICLE』にて、一部のV8譜面がクラシック譜面として復活を遂げた。
      • 解禁譜面の中にはオフラインでプレー出来ない曲もある為、(譜面の出来は兎も角)歴史的な価値はあるかもしれない。

その後

  • Vシリーズがこんな形とは言え終了し、XGシリーズに一本化されたことで、XGシリーズの次回作である XG3 のクオリティアップが期待されていたのだが… その期待は見事に裏切られた。
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最終更新:2024年01月31日 16:56

*1 他のBEMANIシリーズは最多でもDDRの9譜面だが、一部の楽曲のみに実装されている程度。

*2 オルタネイトピッキングの略称。上下交互にピッキングする奏法のこと。

*3 BPM194の16分相応

*4 『XG2』のCLASSICモードでのフルコンボは達成されている。『V8』側でもフルコンは数人存在する。

*5 新曲それぞれで1譜面以上クリアすると手に入る称号。この称号が獲得可能になったら新曲追加は打ち止めというサインになっている。

*6 2013年3月31日にサービス終了

*7 2012年5月1日10:00 に終了