I.Q REMIX+
【あいきゅー りみっくすぷらす】
□概要
パズルゲームの名作『I.Q』シリーズの第三作目。ハードは初代PSからPS2へと移行している。
基本的なルールは『I.Q Intelligent Qube』を参照のこと。
□モード
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I.Q REMIX+
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新モード。様々なエフェクトがかかる。このモードが原因で評価を落とすことになる。
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100 ATTACK
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選りすぐりの100問を解くモード。前作から続投。こちらは「FINAL」を正統進化させたような内容だが、BGM、エフェクトが一切無い。
□前作からの変更点
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「Survival」「Create」「Tektonics」モードの削除
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特に自分でエディット出来る「Create」や最難関問題が出題される「Tektonics」モードが無くなったことは旧来のファンを悲しませた。「Survival」モードは「I.Q REMIX+」モードに統合された為、批判されることは少ない。
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手動で早送りできなくなったフォービドゥンキューブ
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プレイヤーキャラがキューブの後ろに居なければ飛ばせなくなった。
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問題の登場の仕方が上空から降ってくるというものに変更
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それに伴い、プレイヤーがステージ上のどこに居ても問題の目の前に戻されるのでプレイしやすい。
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前作までのキューブのせり上がりに巻き込まれた時のキャラクターのアクションは削除された。
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ステージの端に長くい続けると、問題の進行状況に関わらずステージから落下しゲームオーバーになる仕様追加
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わざとやろうとしなければ滅多に落ちることは無い(問題中は基本的に走り回るためステージの端に長く留まることはほどんどない)。
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フォービドゥンキューブの大量捕獲やキューブに潰されることによるキューブ大量落下によるステージの崩落が、崩落する行数分一度に崩落するというように変更
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前作までのステージ崩落は1行ごとに2秒程度のラグがあった。そのためステージの後方でキューブに潰されても、本当に崖っぷちでない限りはステージの崩落から逃げられる。
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しかしながら前作以前のプレイヤーであれば不満を感じる細かい改悪点は少なくない。
□出題形式
□I.Q REMIX+
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前作「Survival」モードと同じになり、ゲームオーバーになるまで延々と新しいステージに挑戦していく。
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ステージ名も「1st STAGE」「2nd STAGE」といった表記から、「AWAKENING」「HYPNOSIS」など、後述するBGMにあわせた名称に変更された。
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ステージが進むごとに出題される問題の横幅が5→6→7→8→9と順番に増加し、また5に戻る。これを繰り返していく。
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横幅9の問題は、前作では隠しモードにしか登場しなかった。
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各ステージごとに2問または4問の問題が登場した後、「ForbiddenMaze」と「ForbiddenWall」という特別な問題が出現する。
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これらの問題はフォービドゥンキューブ(以下FQ)とノーマルキューブ(以下NQ)によって構成される。この2問に限り、NQを残してもペナルティが課せられないが、道を開くためにNQを捕獲することが要求される問題もある。
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「ForbiddenMaze」は、FQの迷路を通り抜ける問題。視点が自キャラにかなり近い位置に固定されており問題の全体像が把握できないため、走り回って道を探す必要がある。
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「ForbiddenWall」は、FQの壁をすり抜ける問題。前作『FINAL』のSURVIVALモードに登場した「ForbiddenGate」の発展版。
□100 ATTACK
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100問の問題を一問一問解いていくモード。
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問題が降ってくる演出が毎回入るのでテンポが悪くなっている。
□演出面
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ビジュアル
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「I.Q REMIX+」プレイ中は背景にリアルタイムで様々なエフェクトがかかる。
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前作まではステージ名や点数などが表示されていたインターフェースは、極力シンプルなものに変更。プレイ中画面に表示されるのは、自キャラとキューブ以外では模範歩数に達するまでのカウントダウンが画面上中央に表示されるのみとなっている。
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ちなみに、ゲームオーバーになるまでスコアが分からない訳では無く、問題の横幅が1周する時に現在のスコアとI.Qが表示されるようになった。また、プレイ中に現在のI.Qが分かるようになったのはこれがシリーズ初である。
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プレイヤーキャラクターは「Abel」から一新され、よりリアルな造型の人間キャラになっている。
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サウンド
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『FINAL』以前は服部隆之氏の手がけたオーケストラによるBGMが使用されていたが、今回はテクノやロック、クラブミュージックなどの現代的な音楽になっている。作曲者は『ポポロクロイス物語』の作曲に携わった石川鉄男氏。
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曲名は「awakening~覚醒」「hypnosis~催眠」など、前述のステージ名とリンクした名称になっている。
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「Perfect」等のナレーションが、男性の声から女性の声に変更。
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通常時はネイティブな発音であるため問題ないが、ステージ名がCHAOSの時のみ「ぱ~ふぇくと」などと投げやりなボイスになるので、人によっては不快感を与える。
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前作から引き継がれた100ATTACKモードでは従来の男性の声が流れる。
□その他
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2人プレイが対戦から協力に変更。EXCELLENT評価を取りやすい分、ミスもしやすい。
■賛否両論点
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BGMの路線変更
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やはり服部隆之の手がけたクラシック・オーケストラ調だった前作以前のBGMの方が合っていたという意見が多い。
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曲自体に問題はなく評価するプレイヤーも多く、本作がI.Q初体験というプレイヤーからはそこそこ受け入れられているのだが。
■問題点
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新モード「I.Q REMIX+」。様々なエフェクトがリアルタイムでかかるのだが、これが非常に画面を見づらくしている。
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基本的に画面がかすかにぼやけた状態で表示されており、背景でめまぐるしく流れる残像やエフェクトが見づらさに拍車をかけている。人によっては目が痛くなるレベル。
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プレイヤーキャラが1人のみ
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若い青年がプレイヤーキャラとなるが、前作まではキャラだけでも多彩なバリエーションがあった。
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隠し要素が一切無いためせっかくクリアしても達成感が無い。
□評価点
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ハードの性能が上がったことによる、映像面の進化。
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キューブの美しさ、カメラの動き、キューブや操作キャラの挙動などは前作と比較して向上している。
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操作性の向上
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キューブを捕獲するとキューブの進行が一時的に停止し、アドバンテージゾーンなどがある場合さらに連続で捕獲することが出来るが、初代I.Qではこの一時停止状態から連続捕獲した場合キューブが沈むまで1秒前後のラグが存在した。が、本作ではこれが解消され、アドバンテージゾーンも素早く連続で爆発させられるためストレスが溜まりにくい。
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ただし、アドバンテージゾーンを連続作動させると画面全体の色調が反転するというエフェクトも発生してしまう。
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この点自体は前作のI.Q FINALですでに解消されておりエフェクトも存在しないので、微妙な劣化点になってしまっている。
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ほか、ForbidenMazeなどの新要素は概ね受け入れられている。
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先も述べたことだが、BGMもゲームとのマッチングを旧来のファンから指摘されているだけで、曲自体は評価されている。
■総評
新しいハードウェアの実験台としてSCEIの名作パズルを"REMIX"し、新要素を"+"した結果、低評価を受けてしまった。
受け入れられた要素もあったが、多くのプレイヤーからは旧作からの大きな路線転換は受け入れられず、プレイに支障をきたしかねない激しいエフェクトも相まって黒歴史扱いされているのが現状である。
■余談
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この作品を最後に「I.Q」シリーズは新作を出していないため、「これが原因なのでは?」と一部ファンからは疑惑が上がっている。
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本作から6年後には『FINAL』の移植版『I.Q Mania』が発売されたが、こちらもオリジナルより劣化しておりマニア向けとはいえない。やはりI.Qシリーズは『FINAL』で完成していたのであろうか。
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開発元であるシュガーアンドロケッツの山元哲治氏曰く、「本流にあるI.Qに対して、ちょっと乱暴なものがあってもいいかな」とのことである。(参照)
最終更新:2024年03月29日 22:42