パワプロクンポケット13

【ぱわぷろくんぽけっとじゅうさん】

ジャンル 野球バラエティ
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)
発売日 2010年11月25日
定価 5,250円
判定 良作
ポイント 『10』の北乃と『11』の魔人と『12』などの失敗を活かし、汚名返上
高校球児がドン底から仲間達と共に逆襲する王道ストーリー
裏サクセスも残り日数が長く奥深い
DSパワポケでは(ストーリー的に)初心者向けの一作
パワプロクンポケットシリーズリンク

概要

本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの14作目*1
表サクセスは高校野球編。事故で再起不能になると思われたエリート主人公が仲間達と共に分校を搾取するマンモス高校への「逆襲」を経て甲子園を目指す王道ストーリーへ回帰している。
裏サクセスはパワポケRPGとしては最終作。次作の『14』では独自のカードバトルになっている。

キャッチコピーは「うおおおおおおお 激アツ!野球」

ストーリー

  • 『逆襲球児編』
    小学校のころから野球を行い、日本選手権に出場経験もある野球エリートの主人公。幼馴染の相棒・雨崎優輝と腐れ縁のメガネ・餅田ともに11の分校と本校で形成されるマンモス高校・混黒高校に入学した主人公は充実した野球生活を送るはずだった。
    しかし不慮の事故により利き手の握力が無くなり、『能力なし』と判断され、分校の一つである開拓分校に飛ばされてしまう。そこで見たものは、本校に豪華な設備を維持するために予算・設備を奪われ犠牲となっている分校の姿だった。
    混黒高校の歪んだ実態に疑問を持った主人公は、本校に全てを奪われながらも懸命に活動する開拓分校の姿を見て本校へ立ち向かうことを決意。開拓分校野球部のメンバーと共にその支配に対して野球で戦っていくことを誓う。
    今、開拓分校野球部の混黒高校に対する『逆襲』の物語が始まろうとしていた。
  • 『海洋冒険編』
    伝説の冒険家が隠した宝を求めて、仲間と共に世界中の大海原を自分の船で冒険する、クエスト型海戦RPG。

評価点

ゲームシステム

  • 甲子園を目指す『表サクセス』 独自のシステムを構築しているRPGの『裏サクセス』 「11」から継続的に追加された『グッピー』に加えて、新モード『センシュクラッチ』が追加。
  • 3Dと実況が更に進化。
    • 実況バリエーションが増えた。
    • 投手以外の守備と打者以外の走者も3Dになった。
  • 隠れ人気のあった『5』のミニゲーム「ハコDEグチャ」がそのまま帰ってきた。プレイヤーキャラはパワポケマスコットの「ほるひす」
  • 過去作品の選手のデータをパスワードで送った場合、能力の弱体化が投手の変化球レベルが下がるのみとなった。

王道スポ根の「表サクセス」

  • 本作の表サクセス「逆襲球児編」は王道ストーリー。
    • エリート高校「混黒高校」に親友かつライバルであるユウキ・餅田と共に入学してきた主人公。
    • 序盤で先輩の策略によって大怪我をしてしまい握力が再起不能になって「開拓分校」へ落とされる。
    • そこで「踏みつけられる者」の心境を味わった彼は、出会った気のいい仲間達と共に混黒高校への「逆襲」と甲子園進出を目指す。
    • 最大の特徴は近年のパワポケ最大の賛否両論点である「野球するしかない主人公」を全く無視して異能バトルを行う人物があまり居ない事。
      • 水面下では色々動いているのだが主人公が置いてけぼりにされる事は(比較的)少ない。
      • パワポケシリーズ全般の黒幕、世界の文明を滅ぼす危険性のある生物兵器、世界でも一二を争う戦闘力を誇る武術家のトリックスターや戦闘用ロボットなどが居るには居るものの、黒幕や生物兵器は「野球」に携わる事で人間性を得ている描写があり、暗躍するトリックスターも「一流の野球高校生」としては主人公の事を認めているため全く野球が関わらないという事は抑えられている。
    • 11』や『12』のように周回プレイで見ることが出来る過去作キャラによる「真相解明」の展開はなくなった。ストーリー的に初心者向けと呼ばれる所以である。
      • ただし冴花・千羽矢のシナリオでは一度グッドEDを見てから次の周回でBADエンドルートで甲子園で負けることで黒幕として暗躍するジオットの隠しイベントが見られる。
  • 周囲を取り巻く仲間キャラや彼女キャラも嫌味のあるキャラが少ない。
    • 主人公が元エリートという事もあるのか今作の相棒である「ツメイ」や彼女候補のマネージャー「冴花」を初めとした仲間達からの信頼も厚い。
    • 主人公自体も彼らの気持ちに応える気持ちが強く、基本的な雰囲気は明るい。
    • 仲間キャラは「勧誘」で増やすことが出来る。ミニゲームをクリアする必要はあるがターンを消費して時期が合えば必ず仲間を増やせる。仲間になったキャラは甲子園の最終戦で決意を語るため、仲間に出来るキャラ全員で挑むと熱い。
    • 遂に敵になったメガネ君である「餅田」もやや影は薄いものの主人公に絡むイベントは上手くライバル心を煽って主人公のプラスになる事が多い。スタッフからは「努力家」「敵の中では一番いい奴」と高評価される憎めない構ってちゃん。
    • 親友でライバルの「ユウキ」も2年目では主人公の仲間として頼りになるが、主人公と戦ってみたいという気持ちが芽生えて3年目では敵として立ちはだかる。捕手としても投手としてもパワポケ屈指のステータスを持つ。
    • 他にも真面目な守備の名手「杉田」、名前通りの軽薄な男だが野球に対しては誰よりも熱い「軽井」、応援団の「透」の幼なじみの「御影」、努力家で実力もあるが不器用な「下山」等その他の仲間も高い能力と熱いイベントが用意されている。
    • 本作の監督の「ムラッチ」は『4』の仲間キャラだった人物。ノリは適当だが、設備が整ってない中で利にかなった練習方法を提示したり、何気ない一言で選手たちの緊張を解いたり、一人で頑張りすぎなマネージャーを「もっと人に頼れ」と助言するなど、指揮官としては優秀。また選手のオーダーを主人公に丸投げするので無茶苦茶なオーダーで壊滅するという事もない(『8』の大地や『11』の古沢等にも言えることで、監督としては問題があるが…)。
    • 『10』では悪役寄りだった桧垣も再登場するが、本作では主人公の怪我をしあわせ草で治療する他、一部の彼女シナリオでは主人公に協力する「恩人」としての側面が強い。本人は善悪を問わず科学を邁進しているだけだが立場が変わる事で印象が変わるのはパワポケらしい。
    • 高校編パワポケとしては『1』『4』以来、久しぶりに「部員集め」の要素がある。最初からモブ部員は集まってるのでゲームオーバーにはならないが戦力が弱いので試合を安定して勝つには仲間集めをするのが重要。ただしとある彼女キャラは仲間集めすら許さないが……。
  • 練習で増える「根性値」とケガなどで増える「爆弾値」が登場。
    • 根性値は練習で増える。試合で負けてもやり直せるようになる他、彼女キャラを攻略する際の一部の選択肢にも関わってくる。
    • 爆弾値は増えすぎると怪我した後遺症が爆発して再起不能になりゲームオーバーとなる。
  • 「負けたらゲームオーバー」の試合が多く難易度は高め。
    • だが『12』から搭載されている、タイミングを合わせてボール球を見きればヒットが打てる「フルダケ」で初心者でも楽しみやすい。

彼女シナリオ

  • 相変わらず濃い。むしろ「ギャルゲー」と揶揄されるパワポケの帰着点と言ってもいい。
    • 今作での主人公はイケメンであると明確に設定しており、彼女候補も大半が主人公に好意を向ける前から好意的であり、そのうちの一人に至っては一目惚れしている他、バレンタインではモブキャラ達に大量のチョコを貰うなど、明らかに優遇されている。
    • 野球好きなだけの一般人である主人公をガン無視するシナリオはなく、どのシナリオでも主人公がある程度は関わる事が出来る。
    • なおある一人のキャラを除いて「体力が減って弾道が上がる」イベントがある。
+ 本作の彼女候補
  • 「木村冴花」は父親が元プロ野球選手の開拓分校の生徒。転校してきた主人公に付き合う形で野球部のマネージャーになる。頭の回転が速く彼女のシナリオを攻略しなくても主人公の頼れる仲間として毎回関わる。本人はいたって普通の人物。
    • 「モグラーズ・ホッパーズ」「ナマーズ」とこれまでのプロ野球編のサブ選手として登場してきた冴花の父親やメイドサイボーグのジナイダが裏社会に深く関わっており、彼女を攻略する事でパワポケ世界の過去と未来の行く末が垣間見える。彼女のルートでグッドENDを迎えるにはジナイダとの交流も鍵を握る。
    • 根性を消費する事で「実は俺、誰かに聞かれてる方が燃えてくるんだ」という気合の入った選択肢を選ぶ事が出来る。その際「体力が減って弾道が上がる」。そして超特殊能力を得られる。
  • 「雨崎千羽矢」はライバルのユウキの義妹で主人公とも幼馴染。2年目から開拓分校へ行った主人公と義兄を連れ戻すべく「混黒高校」の野球部マネージャーとして冴花と頭脳戦を繰り広げる。口先では厳しいが主人公に怪我をさせた混黒高校の先輩に報復したり、主人公・ユウキ・餅田が野球をしているのを見守ってもいる。
    • 1周目は強制BADエンド。テロメアが短いせいで短命なことが発覚。甲子園へ向かった主人公をユウキと共に応援するものの仮に甲子園に勝っても負けても死んでしまう。
    • 再度攻略する事で寿命を延ばす事の出来る「手術」を受けさせることが出来るが、そこで人工的に生み出されたアンドロイドで人を食らう生物兵器である事が発覚。記憶を失い助けを求める彼女に対して、助けられないと化け物として覚醒して記憶を失い生物兵器として利用され、残された子供も主人公ともども監視されるビターエンドになる。
    • 冴花や桧垣の協力を得て助けに行っても彼女に戦わせると人食いの化け物としての意識が出てくる。その上で彼女に戦わせない覚悟と判断力が彼女が混黒高校のマネージャーに出戻って幸せになる一つの道である。
    • なお4つのENDがあるが、とある外れENDを除けば「体力が減って弾道が上がる」イベントを経て彼女になる。死亡ルートでは寒いから温めあって「体力が減って弾道が上がる」。非救出ルートでは主人公から飛びついて「体力が減って弾道が上がる」。救出ルートでも化け物の意識が出ると弾道は上がらないが体力は減る*2。人間の意識が強いと恋人らしい事をするという約束を果たすべく心臓を抜き出した状態で主人公に飛びついて「体力が減って弾道が上がる」。
  • 「尾木靖子」は開拓分校を練習風景を見に来る謎の女性。主人公やツメイを一方的によく知っているが、本作のヒロインでも比較的普通に見える。だがその実態はタイムマシンでやって来た主人公の孫。ピースメーカー(『14』でのとある仲間キャラ)の能力が暴走して世界が半壊してしまった未来から来た。BADエンドだと未来へ帰るためにコールドスリープしようとしたところを暗殺される。
    • 唯一「体力が減って弾道が上がる」イベントがないヒロイン。だがGOODエンドでは現代に残って主人公と結ばれたらしく、エンディングに祖母と同じ名前の孫・靖子が登場する*3
  • 「二階堂真琴」は負けず嫌いの混黒本校の剣道部員。当初は分校で野球をしている主人公を小馬鹿にして対立していたが付き合う事で和解する。イベントが進むと産まれる時代を間違えたサムライ「マダラ」との一騎討ちの決闘になる。この時に選択肢を間違えるとギャグ色の強い超展開が繰り広げられ、道行く恋人に喧嘩を仕掛ける「ラブブレイカー」に仕立て上げられる。
    • マダラを普通に倒した後に遊園地でデートした際、観覧車に乗りこんで「体力が減って弾道が上がる」。
  • 「一ノ宮桜華」はツンデレお嬢様。神桜分校の理事長の孫であり、本校の支配から分校を解放しようとする人物として登場。同ライターの過去ヒロインである浅井漣と接点があり、協力してくれる。当初は混黒高校の生徒だったがイベントで開拓分校に転入する。
    • 海へ行って彼女の白い水着を見て「体力が減って弾道が上がる」。
    • 3年目の主人公の誕生日に自宅へ呼んで「野球超人伝」を渡した後、主人公が「やっぱり今日はこのまま…」桜華とずっと一緒にいたいという選択肢を選んで条件を満たすと桜華の家へ泊り込んで弾道は上がらない代わりに体力が減ってパワーヒッターが手に入る事がある。
    • 本作のヒロインでも「難易度が非常に高い代わりに強い選手を作れる」枠。大量の根性値と爆発させない爆弾、甲子園優勝がグッドエンドへの必須条件。甲子園で負けると洗脳で人格を捻じ曲げられてしまう。仲間の勧誘をほぼ諦めて練習に励んで根性を上げなければいけない。
  • 「七島麻美」は混黒高校のバスケ部の少女。シリーズおなじみの緑髪ヒロイン。本校時代から主人公と交流があり主人公が分校に移った後も出くわせば仲良く漫才をする仲。だがバスケ部で先輩からいじめに合って利き腕に怪我を負わされ再起不能。親友の由良里と共に開拓分校に移る。主人公の励ましもあって明るさを取り戻すが、自分と違って怪我から再起した主人公に嫉妬して「負けちゃえばいいんだよ!」と言い放ってしまう。彼女と和解するには彼女の親友の由良里のアドバイスが必要。
    • 主人公と和解して交際を始めた後、混黒本校と決着をつけた後に低確率で主人公と2人きりの教室に鍵をかけた後、「体力が減って弾道が上がる」。
  • 「川田由良里」は麻美の親友で掴みどころのない少女。だが彼女のルートに入ると主人公との交流を経て表情が豊かになってきてデレる。
    • 麻美ルートから派生する形で攻略可能。パワポケの緑髪ヒロインのお供キャラでは珍しく攻略可能だが、おまけ扱いなのか超特殊能力とアルバムはない。だが終盤で主人公の家に夜中に押しかけてきた後、「体力が減って弾道が上がる」。

パワポケRPGの集大成「裏サクセス」

  • 本作の裏サクセスは海を舞台にしたクエスト型RPG。『11』の『ハタ人間編』と『12』の『秘密結社編』をベースに独自進化している。
    • 今までに比べると期限が9900日と長いためレベル稼ぎをやりやすい。
    • ゲームオーバーやリセットによるペナルティは今までだと仲間がいなくなったり信頼度が下がったりと重たいものもあったが、本作では所持金が減らされるだけ。
    • 耐性や「特殊技」を付いた武器防具を粘る事も大事。特に各キャラの固有技には強力なものがあり、ジュンやエンゼルなど強力な固有技の有無で戦力が大幅に変わってくるキャラも少なくない。
      • そのため勝てない敵に対して繰り返しミッションでレベルを稼いで再挑戦するという事がやりやすくなった。
  • 戦闘は戦略性を増した。
    • 一人の敵に集中攻撃を仕掛ける「ロックオン」が出来るようになった。今までのように複数の敵に攻撃を分散して被害を増大させるという事がなくなった。
    • HPとSPとTSの三つのパラメータがある。
      • SPはまずダメージを受けると減るステータス。戦闘中の回復手段は後列へ戻る事、また後列では「励ます」で前列メンバーにSPを分け与えられる。このSP量と後列での回復量は防具で決まるため強い防具を与える事が重要になる。
      • HPはSPが削りきられた後にダメージを食らう他、強力な特殊技の代償で消費する。だが各キャラの固有技には強力なものもある。
      • TSはHPとSPを回復するためのゲージ。これが残っていれば戦略で強敵に立ち回れるので高難度ミッションは敵を回避したり煙幕で逃げるなど温存も鍵を握る。
  • 海賊や戦艦との「海戦」もある。基本は有利な位置から砲撃すれば勝てるが、それでもある程度の戦力は必要。
    • 船を改造したり、装甲を回復する「船大工」や敵船を火事にしやすくなる「メイド」などを入れるなど陸戦と海戦のバランスを考える必要がある。
  • 野球人形による選手作成は、序盤から選手が作れる上に資金稼ぎにもってこい。
    • 9900日を迎えて主人公が事故死するまではいくらでも野球人形を作れるので高ステータス選手を量産できる。また日数もレベル稼ぎに余裕がある。
  • 仲間にするまで選択肢をミスする事の出来ないキャラが多いのは相変わらず(レン、アンドウなど) ただ前述のように本作はリセットペナルティが緩和されてるので選択ミスがあってもやり直しやすい。

その他サクセス

  • 『センシュクラッチ』は最大10枚のスクラッチカードを削って選手を作る。完全にランダムでハズレやマイナス得能がつく事もあるが短時間で選手を作れる。
    • 運が良ければ手軽に選手を作れるのが強み。ただしパワポケポイントは溜まらない。
    • このモードはスマートフォンアプリ『パワフルプロ野球TOUCH2013』にも逆輸入された。
  • 『11』から登場した試合を勝ち抜く事で選手を強くしていく『グッピー』も進化。
    • オプション設定でロックオンやフルダケ、ナゲルダケ、守備セミオートなどを選択できるようになった。ただしロックオンやフルダケでは試合を進めやすくなる代わり一部の能力が下がる。
    • 各選手の成長タイプを切り替えることが出来るようになった。
    • 試合開始前のメニューにギブアップである「登録」が選べるようになった。
      • 『14』では主人公と監督・マネージャを追加してストーリー性を付加した「トツゲキ甲子園」へ進化する。本作からは監督の「ムラッチ」とマネージャーの「冴花」が参戦して主人公と掛け合いをする。

賛否両論点

  • 概ね好評な「王道ストーリー」だが、人によっては「王道過ぎてパワポケらしい毒が薄い」という意見や、逆に「裏社会の臭いがどうしても隠しきれてない」という意見もある。
    • 『12』の頃から顕著だが、黒幕ジオットの悪行を主人公がちっとも阻止出来ないという流れは本作にも通じる要素である。
      • 千羽矢の細胞から生み出されたハームレスは千羽矢本人かどの部位を使ったかという細かな際はあっても、どう足掻いても殺人兵器としてホンフーによってジオット軍まで引き渡される事になる。
    • ルートによっては『9』の彼女候補の維織に対して嫌なフラグを立てて終わっており、『9』の維織ルートで重要キャラだったマスターはジオットの部下であるマゼンダに殺されてしまった事になっている。
      • あくまで「特定彼女のグッドエンドのアルバムを出した後で、わざとその彼女ルートのバッドエンドを甲子園敗北して見る」というややこしい隠しイベントではあるものの、パワポケ末期のこういう伏線の張り方自体に拒絶感のある人からは批判意見が出ている。
  • シナリオの流れは分校を搾取する本校「混黒高校」との二度にわたる対決が燃える。二戦目はライバルのユウキとの対決に加えBGM「逆襲の時!」が高評価。
  • だが混黒との決戦で燃え尽きてしまい甲子園が流れ作業であると感じる人も居る。「靖子」「桜華」以外のヒロイン以外は別に甲子園で負けてもアルバムは見れる。
  • 甲子園ラスボスの「十三番高校」は混黒の「13番目の分校」という設定で人体実験のモルモットにされ生徒も番号で呼ばれている非人道的な学校という設定なのだが……敵の監督からこのチームが主人公とユウキより低評価されてたり、パワーアップするものの最初にこちらが1点リードした状況から始まったりとラスボスとしてちょっと弱い。勝利後は自分達に勝った開拓高校を認めたり、リハビリで復帰できる希望を見せてたりという面はあるのだが。
  • 一部ライターのキャラの扱いに疑問を持つファンも居る。
    + 本作の「他ヒロインに比べて旨味が多すぎる」ヒロイン
  • 本作では表の一ノ宮桜華と裏のレン(浅井漣)が該当する。
    • 桜華シナリオはその攻略からして多大な根性を溜めなければいけないが、裏を返すと「仲間の勧誘を諦めて自分だけ強くなっていけばいい」というライバル校のワンマン投手「国王」をバカに出来ないスタイル*4を強いられる事になる。
      • 元々「根性システム」は試合に負けてもやり直すためではなくて、「彼女と交流するだけで強くなる」という皮肉へのアンチテーゼとして練習を取り入れるためのシステムだが、結果的に「彼女キャラを救うために仲間との交流を捨てる」というのは本作の気のいい仲間達との友情とは噛み合わないという意見もある。更にバッドENDは洗脳されて人格を捻じ曲げられた桜華が主人公と別れて破滅の道を突っ走るハメになるという後味の悪すぎるもの。
      • とはいえ「強い選手を作るための高難度彼女」としては評価されている。ストーリーの流れも「弱小部をキャプテンが引っ張っていく」という流れとしては他の彼女シナリオとは違った関わり方が出来るという見方もある。ランダム要素もそれほどないため慣れればクリア自体は楽。キャラ的にもツンデレお嬢様で魅力はある。
      • 経験点と特殊能力が多くもらえる上に「野球超人伝」の所有者であり超特殊能力も自由に手に入れられるため、以前の彼女候補のように「マイナスイベントが多い」「デートでの回復・経験点があまりない」「ランダムが関わる」などのデメリットもない。このように経験点と特殊能力が優遇されてる上に超特殊能力の選択がある問題は『14』のさやかにも通じていく。
    • レンは仲間にする際と途中のイベントで永久離脱するイベントがあり攻略サイトか攻略本が必須。その上で(『11』で同ライターが担当した)シズヤとのイベントが非常に多く、超強力な船パーツや数多くのミッションはレンを冒険に連れていかないと手に入らない。あまりのイベントの多さに「ごり押し」を感じる人も居る。とはいえ人気の高いヒロインだった事もあり、表でのレンが好きな人からは好評でステータスも使いやすいため「メインヒロイン」と呼ぶ声もある。
    • 元々るりか(『ダッシュ』の縦読みヒロイン)と五十鈴(『10』の主人公の正史妻)を親友同士にするなど交流を広げる癖のあるライターだったが、『12』以降は特にその傾向が強まって「(キャラの魅力は置いといても)ごり押しが気に入らない」という意見や「正史」をややこしくしているという意見もある。
      • ただし『10』のカズと五十鈴に関しては「10主はカズの事を友人として扱っていて、五十鈴一筋だったのではないか」という意見も少なからずある。
      • シズヤとレンが主人公と自前キャラだけ依怙贔屓するような便利キャラと化してしまった所も少なからずあるのかもしれないが、本作では本筋が王道であるせいか余計に目立ってしまった節がある。
      • なお『14』の表サクセスでは同ライターの「さやか」*5、裏サクセスの札侍編では桜華が優遇されている。
    • 擁護するならば、るりかは「全国大会での優勝」、五十鈴は「野球」、シズヤは「魔人」、レンは「デウエス」、さやかは「魔球」と各作品の主人公の抱える本筋に深く関わっているため10以降の「主人公が本筋に関われない」という欠点の補完にはなっている。
      • ただ本作では主人公が本筋に深く関わっており、またライバルであるユウキとの関係性も見どころの一つであるが、桜華は冴花や千羽矢、麻美やゆらりに比べて他のヒロインに比べてユウキに対して言及する事もなく、「甲子園」も本作ではストーリー的にそれほど勝ち上がる事は重要ではないため、どこか桜華シナリオが本筋からブレてしまっている印象を与えてしまう。
  • 主人公チームの開拓分校に専門捕手が居ない。
    • 主人公のポジションによってはユウキが捕手になってくれるが彼は三年目で離脱する。ツメイに任せるか、自分が捕手を選ぶかの二択になる。
    • ライバルとして立ち位置はわからなくもないがユウキと共に甲子園へ行くルートがない事を残念がる声もある。
      • 余談だが彼は義妹の千羽矢ルートで生存させる場合、完全に「空気」と化してしまう。彼の立ち位置的にあまりパワポケらしくないから仕方ないのかもしれないが。
  • 『ダッシュ』で初登場し、『9』から『12』までサブで選べた「カード野球」が本作では廃止。初心者用システムを「フルダケ」に完全移行する事になった。
    • なお『14』では裏サクセスでカードゲーム度を増した「札侍編」が登場する事になる。『9』以来、カード野球の要素がないパワポケは本作のみ。

問題点

  • 千羽矢ルートで彼女を救出するルートの場合、先に「救出したまではいいものの化け物としての意識が覚醒する」恐怖ENDを観た後に「千羽矢が幸せになる」トゥルーENDを観るとアルバムが消失するバグがある。だが「千羽矢が幸せになるEND」を先に見ておけばいいので彼女のアルバムを出す時は注意が必要。
  • 「緑髪ヒロインのおともキャラは攻略出来ない」というバグは川田由良里で解消されているが、今度は彼女のアルバムが存在しないことに不満が出た。イベントが多いのに彼女に出来ないキャラクター、通称「バグ枠」の事である。
  • 重大なバグは少ないが、細かいバグや表記ミスは相変わらず多い。
  • お試し選手として登録されている天道と須界の能力が、鏡の物になってしまっている不具合がある。

総評

『10』『11』『12」で見え隠れした主人公置いてけぼり展開の反省として、あくまで主人公の逆襲ストーリーに焦点を当てた表サクセスと、パワポケRPGの帰着点ともいえる裏サクセスは好評。
主人公のストーリーへの関わり方は、DSパワポケでは『9』と並んで初心者向けと言われることが多い。
野球システムは概ね完成されており、初心者は「フルダケ」があるので遊びやすく、野球パートの出来も良いためパワプロファンでも遊びやすい出来になっている。


余談

  • 選手がリアル頭身になった「リアル野球」モードと、投球設定の「ナゲルダケ」が追加。
    • 「リアル野球」はただのネタモード。しかし選手のモーションは一つ一つリアルに作り込まれているので、選んでみるのも悪くはない。ちなみにサクセスでは選択不可。
    • 「ナゲルダケ」は本当にワンボタンで投げるだけで、別段打たれにくくなるわけではない。強力な「フルダケ」と違って存在意義が分からない。一応、投手視点で操作できるのはGB版『2』以来で新鮮ではある。
  • 今作でも低迷した売り上げは回復せず*6、次作の『14』で裏社会編の総決算を行って一連のシナリオが終了する事となる*7
    人によっては裏社会の要素を薄めたシナリオ、順調に進化してきた裏サクセス、魅力的な彼女キャラから『14』よりも『13』を支持するファンも多い。

その後の展開

  • パワプロアプリに雨崎優輝・餅田浩紀が登場。
    • 雨崎はパワクエで本来の混黒高校に所属する。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2010年
  • DS
  • コナミデジタルエンタテインメント
  • パワプロクンポケット

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最終更新:2023年12月21日 05:48

*1 外伝の[[ダッシュ>パワポケダッシュ]]は含み、リメイクの『[[1・2>パワプロクンポケット1・2]]』を除いてカウント

*2 要するに逆レイプ。

*3 要するに甲子園優勝後に「''体力が減って弾道が上がった''」ということ。相手が孫だと知りながら。

*4 国王の実力はあるのだが、他の選手が弱いというチーム。強い自分に甲子園へ連れて行ってもらう仲間の事をバカにしており、ツメイ達やユウキのことをバカにされた主人公が真正面から挑むという流れになっているのだが、桜華シナリオは「彼女の為に練習して根性を上げる」ことが必要なため必然的に主人公は練習で強くなるが仲間はパワーアップしてなかったりモブばかりで弱いという状況になる。強い選手を作るために仲間パワーアップをしてるヒマなんてないという理屈はわかるのだが、シナリオ的に引っかかるという意見もある。

*5 『14』では彼の担当したヒロインの大半から愛されて育った「さやか」がトゥルーヒロインのような扱いを受けている事で結実する事になる。

*6 最盛期の『10』『11』では売上が約28万本を誇っていたパワポケだが、『12』は約19万本と落としてしまい、本作に至っては約12万本とDS初代の『8』クラスまで一気に売上を落としてしまった

*7 本来は『14』の前にプロ野球編を挟む予定だった