ずんずん教の野望

【ずんずんきょうのやぼう】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード(SYSTEM C2)
販売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 港技研
セガAM第1研究開発部
稼働開始日 1994年5月
プレイ人数 1人~2人
判定 バカゲー
ポイント 「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」
シャレにならない
神も仏もない
怪ゲー


概要(ずん、ずん、ずん)

スペースインベーダー』や『ギャラガ』のような形式の、半固定画面シューティング。
踊りによって世界征服を企む宗教結社「ずんずん教」の野望を、プレイヤーである金地蔵と銀地蔵が阻止するために立ち向かう…という設定。


ゲームシステム(このゲームはいかなる宗教とも関係ありません)

  • 操作は8方向レバー+2ボタン(ショット、御心ボンバー)。
    • フィールド内を8方向に自由に移動できる。ショットは画面から見て上方向にのみ発射される。
    • インベーダー形式のSTGでは珍しく、ボム(御心ボンバー)を標準装備している。ストック消費で画面全体にダメージ+敵弾消し。
  • 次々と飛来し動き回る敵を、増援も含め全滅させればステージクリア。
    全19ステージ(「4エリア×4支部」+ラスト3エリア。)。2周エンド。
  • 敵を倒すと時折アイテムを落とす。
    • ボーナス得点(名称が「お布施」)、移動速度アップ(ダウンもある)、弾速アップ、自機のパワーアップ、当たり判定縮小、画面上の敵停止、一定時間無敵、ボム数1個増加といった効果が得られる。
  • ちなみに自機の地蔵は、パワーアップにより菩薩→明王→阿修羅と変化していく。それでも○教とは関係ない。
    • ステージクリア時には正面(プレイヤーの方)に向き直って「ハハハハハッ」と高笑いする。でも○門様とも関係ない。
    • パワーアップすると撃つ弾もツイン→3WAY…と強化される。

評価点&変な点(「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」)

怪しく奇怪なテイスト。これに尽きる。
絵柄や動きはチープであるが、醸し出される独特な雰囲気に何故か引き込まれてしまう。

  • OPデモからして、「ずん、ずん、ずん」というボイスと共にタイトルロゴが流れた後、表示される奇妙な踊りの一枚絵。
    • 更には「このゲームはいかなる宗教とも関係ありません」と表示される。ゲームをプレイする前からこの調子である。
  • 「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」「ずんずん教だ!」
    • ステージ開始時のボイスがこれ。妙に耳に残る。ちなみにボイスと同時にフキダシが4回出る。
    • 場面としては「ずんずん教の布教の場に、野次馬をかき分けて乗り込んでいる」のだが、バックストーリーを知らないと地蔵がずんずん教にしか見えないだろう。
  • 話の流れとしては「日本」「亜細亜」「欧州」「米国」の4支部を好きな順番で攻略し、最後に敵本拠地に乗り込むことになる。
    …が、ステージ名も敵も弾もボスも奇妙なものばかり。ステージの例を挙げると:
    • 日本支部其ノ三「上野駅東北線乗り場 朝まで泥酔派」ステージでは、駅のホームで、寿司の折り詰めを投げてくる酔っぱらい(に扮した教団員)と戦う。
    • 亜細亜支部其ノ一「まんまんだらだらの間 今日から太極拳派」では中華服を着た男女達と、其ノ二「蛇の笹藪 子供うけパンダ派」ではパンダと戦うことになる。
  • 通常ステージでは雑魚敵が並んだ状態で現れ、移動しながら攻撃してくる。増援も順次登場する。
    しかし、どいつもこいつも常に踊っている。踊りで布教するずんずん教らしいといえばらしいのだが。
    • ちなみに、耐久2のザコ敵が一発だけ撃たれた場合、頭が膨れたふくれっ面になる等、元々の妙なデザインが更に崩れたような姿になる。
  • 通常ステージを3つ(本拠地のみ2つ)壊滅させるとボス戦となり、巨大な人型ボスとの一騎打ち。
    支部に応じて小判や張り手・餃子やナルト・「J」「U」「S」「T」「I」「C」「E」の文字など様々なものが飛んでくる。

問題点(このゲームはいかなる宗教とも関係ありません)

ゲームの難易度が非常に高い。
任意で使えるボムもあるのに、それでもなお難しい。

  • 敵の弾速は初めから速く、自機の当たり判定も大きいため避けるのが困難。
    • やられた時にはその場復活できるが、パワーアップは全て失われる。速度も初期値に戻ってしまい更に回避が辛くなる。
  • 自機は前方にしか攻撃できないのに、敵は左右や斜め後ろからワラワラと出現する。数も多いため速攻撃破を余儀なくされる。
    …なのに主要なザコ敵の耐久力は一律2。自機の弾が2連射しか出来ないこともあり、かなり敵が硬く感じられる。
    • 耐久1のザコもいるが、高速移動するため別の意味で厄介。
    • ボムでも1ダメージしか与えない為、ボム一発だけでは敵を殲滅できない。それでも画面上の敵全てにダメージを与え敵弾も消してくれるので心強いが。
  • 上記の難易度に加え、先述の通り本ゲームは2周エンドである。ラスボスを倒しても、「2周目は地獄の一丁目」と表示され、難易度の上がった2周目が始まる。
    • ちなみに2周目もクリアすればエンディングを見られるが、スタッフクレジットはない*1

総評

一言で言えば奇怪極まるゲーム、これに尽きる。
狂奔の94年、松本サリン事件やユダヤ陰謀論などで揺れた時代であるが、その時期にこのゲームを出す度胸はまさにセガ・アーケードらしい。


余談

  • どれほどの需要があったのかは不明だが、SEGA AGESから携帯電話アプリゲームとして移植されたことがある*2
  • 業務用はリリースされた日時が、オウム真理教がかのテロ事件を起こした時期と近い。狙って出したのでは?という疑惑が耐えない問題作という意見もある。 時期が近くなくても問題作ではあるが…。
  • なおゲーメストのハイスコア集計は永久パターン発覚により早々にカンストが相次いだことで打ち切られている。
  • アニメ『ハイスコアガール』にて本作が映像付きで登場した。
  • 本作の開発にはコアランドテクノロジーから移籍してきた人たちも関与している*3

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最終更新:2023年06月08日 01:09

*1 ただしネームエントリーのデフォルトネームには当時の港技研のスタッフらしき名前がエントリーされている

*2 現在はダウンロード不可能。

*3 コアランドテクノロジーがバンダイの傘下に入り「バンプレスト」となった時期に同社を辞めて移ってきている。