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サンセットライダーズ

【さんせっとらいだーず】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミ
稼働開始日 1991年7月
プレイ人数 1~2人(2Pver.)
1~4人(4Pver.)
判定 バカゲー
ポイント 死にたくなければ走れ!
バカゲー要素は多いが西部劇のツボを心得ている
賞金首との戦いは概ねシリアス
普通に遊べる良作


概要

19世紀のアメリカ西部を舞台とした横スクロールアクションゲーム。
様々な賞金首を倒して旅をしていたスティーブら四人の賞金稼ぎ達が、ある賞金首の手から助けた酒場の娘から
「サー・リチャード・ローズ」に多額の賞金が懸けられているという情報を得て、チャンスとばかりに用心棒の賞金首を倒しながら彼の屋敷へ向かう。

全8面。リチャード・ローズの情報を聞くまでの4ステージと、リチャード・ローズ討伐までの4ステージで構成されている。
2Pver.と4Pver.が存在。日本国内で出回ったバージョンは前者の方が多い模様。

基本システム

  • 操作は基本的に同社『魂斗羅』と同様の8方向レバー+2ボタン(射撃、ジャンプ)。それに加え、レバーを上や下に入力しながらのジャンプでナムコの『ローリングサンダー』と同様の「縁を昇降するアクション」が行える。
    • また、斜め下に入力しながらのジャンプでスライディングが出来る。このスライディング導入は、本家筋にあたる『ローリングサンダー』の派生作品『アウトフォクシーズ』(1994年)よりも先んじている。
    • 「縁を昇降するアクション」の一連の動作中は、入力が成立した瞬間から完全無敵。縁を利用できる際、敵の攻撃が激しければ回避に大いに役立てる事が出来る。
  • プレイヤーは弾が集中して飛び連射力に優れる拳銃タイプの2名(スティーブ、ビリー)、広範囲に弾が飛ぶショットガンタイプ(ボブ、コルマーノ)の2名、全4名から1名を選ぶ。
    • 4Pver.では『T.M.N.T. スーパー亀忍者』同様プレイヤー席に応じて使用キャラが決められている。(1Pから順にスティーブ、ビリー、ボブ、コルマーノ)
    • 敵が運んできたり、道中に置いてあったりする袋に触れたり、酒場に入ったりするとパワーアップアイテムのバッジを獲得する事が出来る。バッジの種類は金と銀の計二つ。
      • 金のバッジの場合は武器の弾速が上昇する。弾速が上がると弾が途切れなくなる。加えて、連射装置無しでのオート連射も発動可能になる。
      • 銀のバッジの場合は銃が二丁に変化する。拳銃であれば真横と上斜めの2方向に、ショットガンであればより広角に弾を打てるようになる。さらに拳銃では、弾速が上がると弾が途切れなくなる。

評価点

  • レベルの高い演出と西部劇の雰囲気
    • 本作はおバカな点(後述)で挙げられている通り、非常にバカバカしい面がフィーチャーされているのだが、その分ゲーム内の演出も非常にド派手。
    • デモ画面からして二人の決闘から始まり(ゲーム中のキャラ絵とカットシーンの両方を使用している)、ステージの中には馬に乗っての銃撃戦や、馬車が大爆発するシーン、蒸気機関車が登場するシーンもあり、舞台である西部劇の雰囲気がよく出ている。
    • ステージも上述の内容に加えて、牧場での戦いや悪者に占領された酒場に先住民の集落とバラエティに富んだシチュエーションも特徴的。ド派手な演出の存在も相まってプレイヤーを飽きさせない。
    • 本作は選んだキャラクターにより、演出が一部異なる。キャラごとの性格を表した、なかなかニクい演出。
      • 4面では酒場を賞金首の2人組「ザ・スミス・ブラザーズ」から解放したお礼に、ショーガールによるダンスが披露されるのだが、ビリーだけは恥ずかしがって舞台の前から逃げてしまう(他3人はかぶりついて見る)。
      • 5面ボス「エル・グレコ」を倒した際、プレイヤー側のキャラにコルマーノが含まれていると、エル・グレコは最後にソンブレイロ(帽子)をコルマーノに向けて投げる。コルマーノがそれを受け取り被り直し、実際に6~8面をエル・グレコの形見のソンブレイロを被ったまま戦う。
    • 各登場キャラクターの動きも特定ステージにおけるキャラ別演出の他に、プレイヤーは銃を構えた際にクルっと一回転させたり、ボスが登場した際には英語の音声合成ボイスに合わせて口が動いたりと、アクションの種類を問わず非常に細かく動作する。
  • 登場キャラクターも特徴的
    • プレイヤーとして選択可能なキャラクターは、リーダー格のスティーブ、キザなビリー、ショットガン使いのボブ、ヒゲ面のコルマーノと個性的なメンツが揃っている。
      • 中でもコルマーノは上述のステージ演出に加えて、自身の風貌も他のキャラとは一線を画すソンブレイロとポンチョを装備したメキシカンスタイルという事から、今作のプレイヤーキャラの中でも特に大きな個性を放っている。
    • 各ステージのボスキャラとなる賞金首も早打ちの名人のホークアイ・ハンク・ハットフィールド、兄弟揃って登場し爆弾を投げてくるスミスブラザーズ、盾で身を固めつつムチで攻撃してくるエル・グレコと特徴的な顔ぶれ揃い。ステージ内容の多彩さも相まって、「次はどのような賞金首が相手になるのか」などプレイヤーへの興味を誘ってくる。
  • 良好なBGMの数々
    • 古川もとあき氏によるBGMも良好。道中は前半面の曲を後半面に使い回している物が多いが、ボスである賞金首については8ステージ分個別に用意されている為、非常に個性的。
      • 道中は使い回しと言っても、1周で三度流れる「サンセット牧場の決闘」は本作のメインテーマらしい使い方がされており、違和感が全く無い。まず1面BGMとして使用され、その次は後半最初の面である5面BGM、そして最終面である8面BGMとして使用される。
    • 全8曲のボス戦BGMは西部劇をモチーフにしたゲームの賞金首との戦いらしく、いずれの曲もボスごとの雰囲気に合ったものとなっている。ゲーム中には全く表示されないものの、曲名もまた基本的に各ボスのセリフより引用されており熱い。
      • 5面ボスであるエル・グレコ戦BGM「友よさらば」は前述した通り、撃破後のコルマーノの反応との相乗効果で最高に盛り上がる、中盤の山場にふさわしい一曲。
      • ラスボスであるサー・リチャード・ローズは、その名の通り戦闘時の演出もラスボス戦BGM「華麗なる花びら」も薔薇をあしらったもの。非常に印象深い。
    • ギターやカスタネットを利用した音楽が大半を占めており、これも演出と相まって西部劇の雰囲気を醸し出している。特に2面ボス「ホークアイ・ハンク・ハットフィールド」戦BGMである「旅人よガンを抜け!」や、前述した5面ボス戦BGMは隠れた名曲として知られている。
      • 当時のコナミお得意のオーケストラヒットもふんだんに使用されているが、西部劇らしさとのバランスが上手く取れている。オーケストラヒットを多用したインパクト絶大な曲もあれば、当時のコナミには珍しくオーケストラヒットがほとんどもしくは全く使われていない渋さ重視の曲もあるので、楽しんでみて欲しい。
    • ちなみに本作の効果音はこれがコナミ入社後の初仕事となる福井健一郎氏が担当しているが、本作の後にACで稼働したガンシューティングである『リーサルエンフォーサーズ』でコンポーザーとしてのデビューを果たしている。
  • 操作性やシステム面も優れている。
    • 基本的な操作方法は特徴欄の通り『魂斗羅』譲りのレバー+2ボタンという事もあってかシンプルで良好。特殊な操作はスライディングと縁につかまる程度なので理解しやすい。
      --また、当時リリースされていた同社の『サプライズアタック』といった『ローリングサンダー』のフォロワー作品の多くにおける攻撃範囲は横方向が多くプレイヤーの上方が死角になりがちであったが、今作は『魂斗羅』から上下斜め撃ちも受け継がれている事から、『ローリングサンダー』の系譜でありながら広範囲にショットを撃ちまくれる。
    • 使用武器はキャラ毎に設定されている関係でステージ内での武器の使い分けは不要。装備のパワーアップもアイテムを2種類取れば十分なので、ステージ内に多く配置されている点も相まってミスった後の立て直しも比較的容易。
    • 加えて、パワーアップの際にオート連射も付加される事から、基本的に連射装置は不要。一般的なSTGは連射装置の有無で難易度が変化する物が多いが、連射機能が標準搭載されているのはとても嬉しい点。

おバカな点

  • 印象深い字幕の数々
    • ゲームの進行の説明や注意を促す字幕がプレイ中に表示されるのだが、なぜかこれがいちいちアクが強く印象深いものばかり。以下に列挙する。
  • 「このなかから、えらぶんだ!」
    • ゲーム開始時のキャラクター選択。特に不自然なことは言っていないはずなのだが、なぜか全文字ひらがな、中に差し挟まれた句点など不思議な感覚がもたらされる。 アタリ社の変な日本語「コインいっこいれる」とか「ひるいなきスタンランナーズ」とかに近いものが……
  • 「死にたくなければ走れ!」
    • 1面の途中、暴走する牛が多数出てくるシーンがあるのだが、この牛の上に乗ると「死にたくなければ走れ!」(海外版だと「RUN TO AVOID GETTING KILLED」)という表示とともに、レバーを右に倒すように指示される(牛の上で立ったままだと牛の移動につられて画面外に押し出されて即死)。必死になって走っているプレイヤーの滑稽な姿が拝める。
      • この牛に乗らずに正面からぶつかってもミス、さらに復活時に上から降ってきた自キャラが牛の背中に着地した時はすぐレバー右で走らないと無敵時間中でも容赦なく即死になる。
  • 「投げ返せ!」→「やばいぜ!」
    • 敵が投げるダイナマイトは爆発前なら投げ返せるが、「投げ返せ!」と表示されたり、爆発寸前になると「やばいぜ!」と表示される。
      • 投げ返す以前に銃で撃たれることもザラにあるが、ダイナマイトの爆発や樽・岩の落下に巻き込んで敵を倒した場合、通常よりも取得点数が多くなるため、ハイスコアを狙うなら必須。
    • ちなみにこのダイナマイトの投げ返しは続編の『ミスティックウォーリアーズ』にも引き継がれているが、これらの表示は無くなっている。
  • 「こいつを狙え!!」
    • 3面ボス出現時に表示される。ボスは馬に乗っており、馬ではなく人間を撃てという指示なのだが、ボス全体(人+馬)を指して「こいつ」と言っているようにも取れてしまう。そう思ってしまうと「なに言ってるんだこれ」と戸惑うことうけあい。
  • 「ガトリングでこわせ!!」
    • 最終面のガトリングのみで破壊できるゲートで表示される。ステージギミックを活用するようにという指示であるだけだが、これも不思議なインパクトがある。
  • これらのテロップは後述のジェネシス版およびSNES版ではバッサリと削除されてしまっており、残念がるプレイヤーも少なく無い。
  • キャラクターのやられ演出
    • 炎に触れると黒焦げになって倒れたり、落石などに潰されるとぺしゃんこになったり、爆発や牛の突進に巻き込まれ吹き飛ばされたりと、敵も味方もやられる際のコミカルな演出が多い。

問題点

  • 難易度は少々高め
    • キャラクターがやや大きめで当たり判定も見た目通りの為、敵弾を回避するのが難しい。
      • 敵弾自体の弾速が遅いのはいいのだが、敵弾の数が「ライフ制を採用していない一発死にのアクションゲーム」としては多め。敵弾の弾速の遅さがかえって難しさを招いており、すぐに倒していかないと簡単に追い込まれる。
  • 協力プレイの方が厄介な仕様
    • 敵の投げるダイナマイトやランタン、落下する樽と岩、最終面でのガトリング砲、前述した牛は全て敵味方を問わずダメージを受ける。この為連携が取れないと思わぬミスに見舞われやすい。
      • 特に樽はショットを当てるだけで落下するため、多人数で打ちまくっている所に樽が...ということになりがち。
  • コンティニュー時にキャラを選べない(2Pver.のみ)
    • 本作ではコンティニュー時のキャラクター選択は実装されておらず、代わりにコインを追加投入する事で残機を増やせる『沙羅曼蛇』と同様のシステムになっている為、コンティニュー前と同じキャラを長く使用するのならコンティニューの表示前にクレジットを入れるしかない。
    • なお、4Pver.では基本システムの欄の通りあらかじめ席によってプレイヤーキャラが決められている為、コンティニュー時にプレイヤー席を変えれば事実上のキャラ選択を行う事ができる。もっとも、そもそも日本では4人用のアップライト筐体自体が希少、わざわざ汎用筐体を2台セッティングするような所もそうそう無いだろう。
    • ちなみに後述の続編や移植版ではコンティニュー時にキャラを選択できるように変更されている。

総評

西部劇ならではの硬派な演出と、ゲーム中のコミカルさが上手く融合した良作。
多数のザコ敵と戦う道中はコミカルに、賞金首との決闘を描くボス戦はシリアスに、と演出面や雰囲気そのもののメリハリも効いていて遊び応えがある。

ゲームそのものも、操作性が良く単純明快である事から気軽に遊べ、ガチガチにパターンを組まなければ進行が難しい類のゲームバランスではなく、演出の面白さから多人数での盛り上がりも良い。

どちらかと言えば海外市場向けの作品であり、日本では現在はAC実機では中々遊べないが、見かけたときは是非遊んでもらいたいと強くお勧めできる作品と言えるだろう。


余談

  • 本作の特徴的な「死にたくなければ走れ!」は自社・他社問わず同系統のアクションゲームでパロディとして使われていることが多い。
    • 例えば『ザ・グレイトバトルIV』の西部劇ステージのギミック等。
    • また、後々にコナミ内でも『魂斗羅ReBirth』(開発:エムツー)にてド直球な「死にたくなければ走れ!」パロディが登場。単純なパロディではなく、中盤と終盤の山場でゲームバランス的にも熱い場面で「死にたくなければ走れ!」が展開されるので迫力満点。
    • 意外な所では、同社の音楽ゲーム『jubeat』シリーズにおいて、ゲーム内のアバターシステムの一環であるエンブレムの絵柄として採用された。
      • シリーズ10周年を記念したエンブレムの一つで、あのクソアニメで有名な大川ぶくぶ氏が制作している。
  • コナミは本作以前にも西部劇をモチーフとした「バッドランズ」というLDゲームを制作しており、ゲーム性は大きく異なりストーリー上の繋がりもないが、「仕留め損ねた野生のサソリに髪型をモヒカンに変えられてミスになる」「洞窟に入ると一つ目のゴーレムや骸骨が襲いかかり、洞窟を抜けた先には恐竜が平然と出てくる」等々本作同様のバカゲーテイストが盛り込まれている。
  • 同社の音楽ゲーム『ポップンミュージック』シリーズに登場する西部劇のガンマンを演じるキャラクター「フォース」は本作の「スティーブ」に衣装や髪色が酷似している。
    • ついでに言うと彼が所属している4人組アイドルグループ「ミラクル☆4」のメンバーの一人「ツースト」の名前の由来は登場作の誤記なのだが、その誤記自体も過去に古川もとあきが関わった某名作シューティングから拝借している疑惑があったりする。中々な通なスタッフがいるもんである。
  • 極上パロディウス』の1面(クレーンゲームステージ)背景に『サンセットライダーズ』のタイトルを模した看板とプレイヤーキャラのスティーブがゲスト出演している。
  • 『ミスティックウォリアーズ 怒りの忍者』のステージ1のモニター看板には本作のオープニングデモを模したものを映している。

稼働時の背景及びその後の展開

  • 本作は海外で大ヒットした『クライムファイターズ』や『T.M.N.T. スーパー亀忍者』と同じく4人協力プレイ筐体を使用した作品でそれら同様海外で大ヒットし、その後コナミは90年代初期前期に海外向けの作品を連発するようになった。

続編及び流れを組む作品

  • ミスティックウォリアーズ 怒りの忍者
    • 直接的なつながりは明言されていないが、基本システムは「残機+ライフ制」になり「近接攻撃」が追加された以外はほぼ同じ。タイトル通り忍者が主人公になっており、銃の代わりに手裏剣を投げる。テストモードの設定で4人同時プレイ対応。
    • 舞台は現代に移り「勘違いした日本観」を体現したブッ飛んだ世界観とそこで繰り広げられる切なくも熱いストーリー演出が特徴。
    • 同年稼働の『メタモルフィックフォース』や『バイオレントストーム』等と同じく国内での基板の出回りが悪い上、家庭用ハードへの移植にも長らく恵まれておらず、コナミ製ゲームの中でも知名度の低い作品とされている。
    • この作品を最後にコナミのアーケードにおけるオリジナル作品での『魂斗羅』の系譜は幕を下ろし、以降は家庭用ハードにて『魂斗羅』の系譜は展開していく事になる。
    • 2023年12月21日。アーケードアーカイブスの1作品としてSwitch/PS4向けに配信開始。稼働開始30年目で初の家庭用移植が実現した。
      • 4人同時プレイモードも収録。こだわり設定にて多人数プレイ用の処理落ち軽減モードを実装している。
  • Wild West C.O.W.-Boys of Moo Mesa』(ワイルドウエスト・カウボーイズ オブ モーメサ)
    • アメリカのABCで放映されていたTVアニメ『Wild West C.O.W.-Boys of Moo Mesa』を原作にしたアクションゲームで、日本未発売。
      • 日本展開の無い海外のコミックやカートゥーンアニメが原作ということで、流石に日本国内では原作知名度が皆無。
      • 基本的に人間不在、かつ獣人のみが存在するカートゥーン特有の世界観で、牛の獣人キャラ達が主人公。あくまで版権物ゲームではあるが、舞台が現代であった『ミスティックウォリアーズ』から、本作『サンセットライダーズ』同様の西部劇に先祖帰りしている。

家庭用移植

  • ジェネシス(北米メガドライブ)版 ※国内未発売
    • プレイヤーキャラがビリーとコルマーノの2人に減少し、大幅なボスのリストラやステージ構成の違い等の仕様の変化、スコアシステムの追加や変更により「移植」というよりも、「リメイク」や「別バージョン」といった趣に仕上がっている。
      • 各ステージは二部構成となっており、前半にて町娘を救出することで賞金首の存在を知り、後半はアーケード版と同じくボスとの決着がゴールになる。
      • 全4面構成。アーケード版1面をクリアした後、いきなりアーケード版の後半に相当するサー・リチャード・ローズ一味との戦いになだれ込む。乗馬での戦闘が無くなった影響などから、アーケード版の5面にあたる列車面のボスがアーケード版7面ボスであるパコ・ロコ(マシンガンを乱射する巨漢)であるなど目新しい組み合わせもある。このためコルマーノがエル・グレコから帽子を受け取る名場面はカット。
      • 一部ボスは、攻撃内容に変更が入っている。アーケード版6面ボス「チーフ・スカルペム」(ジェネシス版では名前の綴りが若干変更されている)は投げナイフが相殺可能になり、ラスボスのサー・リチャード・ローズはアーケード版には無いダイナマイト設置攻撃が追加されている。ダイナマイトはショットを当てるだけで爆発するようになった他、アイテムの包みからも出現するようになり、トラップとしての側面が強くなっている。
      • 容量の都合のためかボスのボイスがほぼ全てカットされているが、その代わりセリフの多くは「フキダシでセリフが表示される」という形で再現されている。味のある変更点。
    • ステージ構成の変更により、一部は新規のBGMが充てられた。さらにボス戦BGMについては、アーケード版のみ知っているプレイヤーからするとサプライズの連続になっている。
      • 前述した通り大幅なボスのリストラ(具体的にはアーケード版2面~5面ボス)があるものの、なんとボス戦BGMは「リストラに遭ったボスのボス戦BGM」も1曲たりとも漏らさず形を変えて流れる。
      • 隠れた名曲と名高いアーケード版2面ボス戦BGM「旅人よガンを抜け!」は、最終面の道中後半BGMとして使用されている。アーケード版最終面の「サンセット牧場の決闘」リプライズと、甲乙付け難い。
      • ボス戦BGMの残り3曲は、おまけの対戦モードの試合中BGMとしてラウンド別に使用される。前述したアーケード版5面ボス戦BGM「友よさらば」は、対戦モードで堪能しよう。
      • ボス戦BGMに対する相当なこだわりは「ボス戦BGMリストラ無し」という英断に留まらない。なんと「容量不足で削られた要素が多い」にもかかわらず、ラスボス戦BGM「華麗なる花びら」のラスボス第二形態用アレンジバージョンがわざわざ追加されるという、当時のアーケードゲーム移植の常識では到底考えられない斬新な措置がとられている。
    • ちなみにジェネシス版は国内の『T.M.N.T.リターン・オブ・ザ・シュレッダー』に先駆けたコナミの真のメガドラ初進出作でもある。
  • SNES版 ※国内未発売
    • 一部キャラや背景の差し替えや、「死にたくなければ走れ!」等の表示の削除以外は、アーケード版を概ね忠実に移植した内容。
      • 最大表示スプライト数の限界を考慮してか、同時プレイ可能人数は2人まで。また、大きなグラフィックのキャラ(3面ボス「ダークホース」など)はサイズがアーケード版よりも大幅に縮小されている。
      • ボスがセリフを喋る際、英語版のアーケード版には無かった英語字幕も表示されるように変更された。
    • 任天堂ハードにおける海外規制の為か、一部セリフや背景の一部文言等が変更されている。
      • アーケード版5面ボス「エル・グレコ」は、登場時のボイス「Die,gringo!」(= 中南米人から欧米人への侮辱)があまりにストレートな暴力表現と差別表現である為か、登場時と退場時とで同じ「Adios amigo!」を繰り返すよう変更されている。容量節約も兼ねていると思われるが、セリフのセンスとしてはアーケード版とはまた違った形で味わい深い。
      • アーケード版6面はボス「チーフ・スカルペム」(CHIEF SCALPEM =「敵の頭皮を剥ぎ取る長」の意)に至っては名前が暴力的すぎた為か、「チーフ・ウィグワム」(CHIEF WIGWAM = 「伝統的住居の長」の意)に改名されている。加えてインディアンが一切出現せず、ゴンドラも生身でロープを渡るものへ変更されるといった、容量や表現の問題に大きく影響されたステージとなっている。
    • コンティニューした場合はステージの最初に戻される。その代わりに、この時だけキャラクターを変更できるようになっている。
  • Switch/PS4版(ハムスター、2020年6月11日配信開始、838円(Switch)/837円(PS4)) ※DL専用
    • アーケードアーカイブスシリーズとして29年越しで初めて日本国内向けハードへ移植された。ちなみに本作が両機種それぞれ同シリーズの100本目となっている。*1
      • 日本版と北米版*2、更にそれぞれの2Pver.と4Pver.の双方が収録されている。
    • 過去の移植版ではカットされていた字幕もしっかりと再現されている等、AC版にほぼ忠実な移植だが、5面ボスのセリフおよび6面ボスの名前等は前述のSNES版準拠となっている。

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最終更新:2024年04月24日 22:37

*1 アケアカNEOGEOは除く。

*2 日本版とは字幕の違い以外にもスコア、アイテム共にエクステンドが一切無く、クレジット追加でしか残機を増やす手段が無いという違いがある。この為、ハイスコアモードのオンラインランキングが日本版と別集計になっている。