真・女神転生トレーディングカード カードサマナー

【しん めがみてんせいとれーでぃんぐかーど かーどさまなー】

ジャンル カードゲーム
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 エンターブレイン
発売日 2001年7月27日
定価 5,200円
判定 なし
ポイント 真・女神転生トレーディングカードのゲーム版
女神転生シリーズ


概要

  • 当時エンターブレインから発売されていた「真・女神転生トレーディングカード」をベースにした、GBCのカードゲーム。
  • 元のカードゲーム(以下TCG版)は、MTG的な要素と女神転生らしさが両立していて魅力的な一方で、管理すべき情報量が多く、コアユーザー向けのものだった。
  • 本作は、GBCという環境と対象年齢を考慮してか、全体的に簡略化されている。

特徴

ルール

  • 1対1のオーソドックスカードバトル。プレイヤーは20ポイントのHPを持つデビルサマナー(悪魔召喚師)となり、60枚のカードで構成されるデッキを用いて相手のHPを0にすれば勝利となる。
    • 本作独自の要素として、30枚のデッキによるハーフバトルも存在する。また、通常1種類3枚までデッキに入れられるカードを1種類1枚にしたハイランダー戦、ライフを先に0にした方が勝つ特殊なバトルなどもある。

カードの種類

  • 仲魔カードとアイテムカードの二種類が存在する。
    • 仲魔カードは、いわゆる「クリ―チャー」。場に召喚し、戦闘させることが出来る。
      • 通常仲魔と合体仲魔の二種類に分かれていて、合体仲魔は召喚する際に規定数の仲魔を生贄にしないと召喚できない。
      • 特技を持つものも存在するが、TCG版とは異なり1体につき最大1つまでとなっている。特技継承も仕様削除されている。
    • アイテムカードは、いわゆるサポートカード。直接ダメージを与えたり回復したりカードを引いたりできる。
      • 本作では全て1回限りの消耗品である。
  • TCG版にあったパートナーカードと魔法カードは削除された。

MAG

  • 全てのカードにはコストに当たる「MAG(マグネタイト)」が設定されていて、これを消費することで仲魔の召喚やスキルの使用、アイテムの使用が出来る。
  • MAGは、ターン初めに場の仲魔に応じて獲得できる。その際、獲得量が4未満なら4に変換される。
    • TCG版では属性ごとに細分化されていたものが一まとめになった。また、ターンをまたいで持ち越したり相手のターンに使用することが出来なくなっている。

属性の概念

  • 真・女神転生にあった「LIGHT・NEUTRAL・DARK」と「LAW・NEUTRAL・CHAOS」の2軸属性が取り入れられており、全ての仲魔はそれぞれいずれかの属性を持っている。
  • 本作ではデッキにも属性を設定できる。場の仲魔のMAG獲得量に影響するので、デッキ内のカードと合った属性にすることが重要となる。

ストーリーモード

  • 1人プレイはストーリーモードで遊べる。
    • カードゲームにありがちな、良く言えば王道なストーリー展開となっている。

評価点

  • メガテンのカードゲームが遊べる点。
    • TCG版はコアなファンがいるものの、本作発売の時点で既にニッチなカードゲームだった。一人でもそれなりに楽しめる本作はファンにとって貴重なアイテムだったといえる。
      • TCG版のシリーズ販売が終了してから10年以上たった現在では、実際にカードを揃えるのも対戦相手を探すのも尚更難しい。こちらを買った方がはるかに楽。
    • 本家よりも大分簡略化されているものの、キャラゲーとしてはソコソコ楽しめる出来である。
  • シンプルゆえに取っ付きやすいゲーム性。
    • MTGベースなので、何かしらのカードゲームをやったことのある人間ならば、すんなりとプレイ出来る。
  • レアカードの蒐集要素が整っている。
    • メガテンの強力な悪魔等がレアカードになっているのだが、難しすぎずヌルすぎずといった感じで集められる。
    • カードを合体させて別のカードにする機能があるため、ダブった要らないカードを処理しやすいのもポイント。
    • 一部の強力なカードは1データにつき1枚しか手に入らない仕様となっている。

問題点

  • 特定のCPUと対戦した後にカードデータが一部消失するという重大なバグがある。通称「マンドレイクバグ」。
    • 条件を満たしても100%発生するわけではないが、ゲーム進行上知らないと遭遇する確率は高い。
  • 主人公の歩行速度が遅い。
  • キャラのドット絵が会話ウィンドウのものとかけ離れている。一部キャラは色もあっておらず、完全に別人状態。
  • ゲームバランスが、あまり良くない。
    • バランスの良いカードゲームの方が稀だが、それにしても本作は練り込み不足な点が多い。ストーリープレイ中ならばそれほど問題ないものの、ある程度カードを揃えてゲームの全体像が見えてくると粗が目立ってくる。主な要因としては以下のものが挙げられる。
  • コスト5以上のカードの使い勝手の悪さ
    • 仕様上、MAGを5以上得るにはターンの初めに複数の仲魔が召喚済みでなければならない。しかし、仲魔は戦闘や生贄、相手のアイテムや特技等で失われることが多く、安定して5以上のMAGを得る環境を維持するのは結構難しい。
    • コスト相応に効果も強力なものが多いので逆転を狙う際に使いたいが、そういった場面ではコスト不足で使えないのも問題。
      • このゲームで追い込まれている時は、たいてい場の仲魔がやられまくった状態である。当然、5MAG以上も出せる状況ではない。
  • 先攻絶対有利
    • 上で述べたことにもかかわってくるが、先攻側は開始1ターン目に複数仲魔を召喚して5MAG以上を狙う戦略が使える。4MAG以下で複数の敵悪魔を処分できるカードは限られるので、後攻側の対処法は限られる。これだけでも先攻側は圧倒的に有利である。
  • ニュートラル優遇
    • ここまで読めば、場に大量展開できる低コスト悪魔が重要なのは想像に難くないと思うが、そういったカードの多くがNEUTRAL属性に固まっている。
    • 特にNN属性*1には、「御魂シリーズ(コスト0MAGで優秀な特技を持つ)」を筆頭に数が多い。「デッキ属性NN+NNの0MAG仲魔+低コストの合体仲魔」という仲魔構成が最安定と言われるほど。
  • 強力過ぎる一部カード
    • カードゲームの華であり罪でもある強過ぎなカードが本作にも何枚か存在する。
+ 強カードリスト

※カッコ内の数字は必要コスト。

  • 御魂 サキミタマ(0)、アラミタマ(0)
    • 先に述べた御魂シリーズの中の2体だが、かたや生贄+1MAGで2枚ドロー、かたや自爆して対象に2ダメージと、コスト0MAG悪魔でも一二を争うほど強力。
  • 魔獣 オルトロス(4)
    • コスト4MAGだが、AP(攻撃力)/HP(耐久力)が4/4と、2身合体悪魔と同等のスペックを持つ通常悪魔。特技のせいで生贄に出来ないが、する必要はない。
  • ネクロノミコン(2)、ルルイエいほん(4)
    • ライフを5点失う代わりに相手の悪魔にダメージを与えるアイテム。MAGコストが軽く、使いやすい。特にルルイエいほんは敵全員に3ダメージを与えられるため、先攻1ターン目に低コスト悪魔を大量に並べた相手への数少ない対抗策の一つ。

総評

メガテンのカードゲームという事で希少価値はあるものの、ゲーム性には少々難があると言わざるを得ない。
とはいえ、1人プレイならソコソコ楽しめる程度には練られているため、それでも充分な人には問題ないレベルである。

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最終更新:2023年03月17日 10:15

*1 両方の軸がNEUTRAL属性のこと。トゥルーニュートラルともいう。