真・三國無双6 Empires

【しん・さんごくむそうしっくす えんぱいあーず】

ジャンル タクティカルアクション
対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
発売日 パッケージ版:2012年11月8日
DL版:2012年12月6日
定価 パッケージ版:6,090円
DL版:5,400円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
コンテンツアイコン 暴力・セクシャル
備考 3D立体視対応
ボイスチャット対応
廉価版 PlayStation3 the Best:2014年1月16日/2,940円
判定 なし
ポイント 内政要素はシンプルになったが戦略性と個性付けは強まった
武器システムの自由度とエディット武将の自由度のハーモニー
意外に戦闘はハード
初動で大きく躓いたがアップデートで大幅に持ち直し
無双シリーズ



運命を 斬りひらく



概要

真・三國無双6』の派生作品。
前作の『猛将伝』までの戦闘システムと『真・三國無双5 Empires』をベースに、大幅なボリュームアップが図られている。
政略パートにおけるカード内政*1の概念が撤廃され、所属武将によって勢力の行動が制限されにくくなった。

新プレイアブルキャラとして蜀武将の「徐庶*2」が追加されている。

豊富なDLCや大規模なアップデートパッチが成されたことも特徴であり、パッチにて改善された点も含めて紹介する。


評価点

更に充実したエディットモード

  • 前作でも充実していたエディットモードを更に発展。動画サイトでは本作のこの機能を最大限に活用したストーリー動画などが一気に増加し、遊びの幅を大きく広げることに貢献。次作『7 Empires』でもこのエディット要素の発展は続いていった。
    • 顔つき、髪型、体型、声、あらゆる点を細かく設定できる。項目は少なすぎず多すぎず、初心者でもそこそこ簡単にエディット出来る。
    • そしてこの幾通りもの姿をとれるエディット武将そのものが、『6』以降の様々な武器を持ち替えられるシステムと親和性が高い。今作からは得意武器と2種の無双乱舞の設定がそれぞれ完全に独立し、ある程度好きな技構成を設定できるようになっている。
    • 防具も前作ではDLCだったものも含めてほぼ全て*3搭載し、新規の防具も追加されている。
      • DLCの配信も豊富。防具、装飾、髪、音声など多岐に渡る*4
    • 前作で不満要素として声が挙がったエディット武将のフェイスアイコンのシルエット表示は、エディット武将個人個人のフェイスパターンを読み込み表示させる仕様が実装されたことで解決を見た。
    • また、同じく前作までは、無双武将+エディット武将の最大出撃数が陣営ごとに4人までという仕様だったが、本作から上限を撤廃。出撃する武将全員をエディット武将で固めて戦闘を行うことも可能になった。
      • ただし、後述の問題点にもつながる処理の不安定さを加速させている節があるようで、エディット武将を一度に複数登場させている場合、戦闘中は各エディット武将のアイコンの表示遅延など弊害が出る場面もあるので注意も必要。
  • そして本作からは制作したエディット武将を、一般武将と入れ替えて登場させることができるようになった。一度シナリオをクリアすると無双武将も入れ替え可能になる。ちなみに性別不問
    これにより「自分が好きな武将なのに一向に無双武将化しない」という不満は、エディット武将でとりあえず解消することが可能になった。
    • ちなみにDLCで配信されたシナリオの一部には、限定登場または一般武将の入れ替えとしてエディット武将が用意されていることもある。
  • さらにオンライン機能を利用すると、公式や他プレイヤーによって公開されたエディット武将が「来訪武将」として新しく開始したシナリオに追加されるようになる。
    気に入った来訪武将がいれば、セーブデータから取り出して自分のエディット武将として保存することも可能。来訪してこない設定にすることもできる。

一部武将の得意武器変更

  • 『6 猛将伝』までに登場したDLC武器が全て収録され、短戟以外はそれぞれ得意武器がかぶっていた無双武将に新しく割り振られた。短戟に関してはエディット武将向けに新規EX攻撃が用意されている。
    • これによって甘寧のみの得意武器になった鎖分銅は性能・モーションが一新され無影脚天稟の武器に変更された。
    • また、サプライズとして夏侯覇の新得意武器である「破城槍」が追加。オーバーテクノロジー要素全開の強烈かつド派手な武器で、夏侯覇の新アクションとも相まってプレイヤー達の度肝を抜いた。
    • 得意武器が変更になったキャラのEX攻撃は殆どが一新されており、無双乱舞も一部差し替えが行われた。変更される前のEX攻撃と乱舞はエディット武将限定で選択可能になっている。

名声タイプと絶招秘計による武将の個性化

  • 本作で導入された主軸要素。
    • 戦闘での能力を直接引き上げる「武勇」・戦局を変える多彩な計略を持ち外交も有利になる「知略」・心強い回復能力をもたらす「仁愛」・兵力を引き上げ様々な増援兵を召喚できる「規律」・貴重な武器を敵から得やすくなり計略で拠点を改築できる「財産」・内政も戦闘も強力なぶん仲間が離反するリスクを伴う「悪逆」*5
      今作はこの6つの名声レベルが武将の個性化を担う重要な要素となる。
    • 戦闘をこなしたり、軍略コマンドや秘計を使用すると対応した名声に経験値が入り、名声レベルが上がると新たな絶招秘計を習得できる。
      • 絶招秘計は戦闘中や軍議中に使用し、状況を有利に展開することが出来るが、一部の強力なものは資源を消費しなければ使えない。
    • 最もレベルが高い名声が主要名声タイプとなり、その名声レベルは戦闘などでもレベルが上がり体力といった能力値に影響してくる。そしてこの主要名声タイプに応じて、NPCとしての行動傾向や追加特性も異なったものになる。
    • プレイヤーは6つ全ての名声をある程度自由に成長させることが可能だが、名声レベルの合計が15を超えると経験値がターンごとに減少を始めるため(各名声レベルの最大値は9)、全ての名声を網羅することはできなくなっている。
      • なおレベルによる戦闘アクション解禁は存在せず、最初から全てのチャージ攻撃・無双乱舞が使用できる。

歴代屈指のNPC武将の強さ

  • 『6』とは打って変わり、本作のNPC武将は強めに調整されている。画面外で拠点を次々落とす等の活躍を見せる他、 画面内では汎用武将も無双乱舞を使用するようになった
    • 秘計で仲間を積極的にサポートしたり、空いている拠点に自動的に向かったりと、指示無しでもなかなか賢く動いてくる。
    • 戦闘面でのAIも『6』系列としては最も手強くなっており、プレイヤーへの攻撃が繋がると判断した時は通常攻撃を容赦なく6段全て出し切ってくる。また、チャージ攻撃で浮かせていわゆる「お手玉」を狙ってくることも。
    • ただし画面内でのNPC間攻撃力は最低近くに抑えられたまま。複数敵との対決を肩代わりする護衛としてはまだしも、火力を頼みにする共闘はやりづらい。
    • 汎用武将の無双乱舞は1種類だけでクセも強いが、威力は無双武将のそれと同等。中でも刀タイプの乱舞は射程も長い上に的確にこちらを狙い撃ってくるため、脅威の一つとして語りぐさになった。
    • 相手NPCの名声によっては直接攻撃系の絶招秘計を使ってくる事もある。そのいずれも例外なく強力で、高難度では即死も有り得る程の威力を誇る。
  • 敵が全体的に強化されている分、味方の強さも見直されており、複数の敵軍団に囲まれる、兵站線を分断され孤立するなどよほど不利な状況でなければ簡単には敗走しない。
    • 戦況に応じての味方への指示主体で戦ういわゆる「軍師プレイ」も本作では十分可能。「プレイヤーが武器を使った攻撃を一度も行うことなく勝利する」ことで手に入るトロフィーも存在している。

プレイヤー武将に再出撃が実装

  • 『Empires』シリーズではおなじみ、兵力値による武将の再出撃システム。ただし、今回から再出撃回数は武将ごとに最大5回(兵力2000毎に1回)となった。
    • NPCは従来通り撃破から一定時間後に復活するが、今作からプレイヤーも同じ条件で、かつ瞬時に再出撃可能。つまり、プレイヤー武将も兵力が「残機」の役割を果たすようになった。
    • 上述するように汎用武将ですら強力な無双乱舞・絶招秘計を使ってくる今作の手強い戦闘を踏まえたバランス調整といえる。
    • プ撃破された武将は負傷状態*6に陥る可能性があるうえ、レイヤーが撃破された際には味方全体の士気が大幅に下がるなど相応のペナルティを受けるため、従来のように死なないための立ち回りの重要性も損なわれていない。

オンラインプレイにも対応

  • 『6』に続き、今作でもオンラインでの2人プレイが実現。
    • ゲスト側は自分で作成したエディット武将を1人選択して参戦し、ホスト側は参戦してきたゲストのエディット武将を来訪武将として保存することができる。
    • 強化されたエディット要素を活かしてエディット武将を多数集結させた部屋や、歯応えのある戦闘に重点をおいた高難易度の縛り部屋など、プレイヤーによってEmpiresシリーズならではの様々な工夫が見られ、賑わいを見せた。

実機ムービーの大量追加

  • 前作ではEDぐらいしかなかった実機ムービーが大幅に増加。
    • 名声ごとに途中経過やEDも変化し、婚儀、義兄弟、強敵遭遇など種類も豊富。
    • そして、『Empires』シリーズ恒例のムービー編集機能も実装。
      キャラクターの差し替えは原則として自由であり、今作からエディット武将を登場させることも可能になった。
      • 基本的にはあらゆるムービーを編集できるが、エンディングで流れるセピア調のダイジェスト風ムービーだけは閲覧・編集ともに不可能。
        "名声「武勇」のムービーなのに規律タイプの武将がメイン"等のツッコミどころもあるため、少々残念。

大規模なアップデート

  • 発売後、二度に渡るアップデートが行われており、発売当初に存在した不満点がかなり解消された。
    • 例を挙げると、武将の雇用限界人数が20人→40人に増加、一部秘計の調整、『4 Empires』にあった「全体指示」「青ゾーンでの一発捕縛」の復活などが挙げられる。

賛否両論点

敵の執拗なプレイヤー追跡

  • 本作の敵はプレイヤーを見たら執拗に追跡してくる。たとえ他の味方武将と交戦中でも追ってくる。
    • この仕様により、伏兵系の秘計や、青ゾーン捕縛を決めやすくなっているため、一概に悪いとは言えない。結構な数が遠くまで追ってくるので、敵を自分に引きつけておいて、味方に拠点を落とさせるという戦法も相当に有効。

名声「武勇」と強力なアイテム

  • 『猛将伝』までの印効果は今回アイテムとして存在するが、全てのアイテムの効果が重ねがけ可能。
    • 鉄甲手*7や陰陽珠*8など強力なアイテムが存在し、その全てを所持・多重装備することが可能であるため、いかに序盤で強力なアイテムを買い揃えるかが鍵となってくる。アップデートで周回プレイ時に引き継ぎポイントを消費することで、アイテムを全て所持して開始できるようになると、その傾向に拍車がかかる。
      • なお、装備の脱着は戦闘中以外ならいつでも自由に出来るので、アイテムを使って戦うのがヌルいと感じるならば、使わずにプレイすればいいだけの話である。事実、ニコニコ動画には特定のアイテム・軍略コマンドを使わないなどいった縛りの元に撮られたプレイ動画も相当数ある。
  • また名声「武勇」の恩恵は「移動速度上昇」と「無双ゲージの増加速度上昇」である。無双シリーズの主要素となる戦闘において非常に強力な効果を持つため、戦闘効率だけを考えたらプレイヤー武将は「武勇」一択になりがちである。といっても戦闘で活躍するのだから「武勇」でありこの仕様は間違っていないという声もある。
    • 「武勇」ほど顕著な快適さでないとはいえ、他の名声タイプも決して使いづらい・弱いというわけではない。各名声で習得する秘計には幾つか強力な効果を持つものが散見され、特に「規律」「財産」「悪逆」は発動条件が簡単なわりに強力なものが多い。
      • 「仁愛」は自分や配下武将の兵数回復量が大きくなるという効果を持っているため、毎月のように戦争をしても兵数で困らないというメリットがある。 それが仁愛かと言えば微妙だが。

属性有利ゲー再来か

  • 『6』は、無印では高難易度での敵将の防御力が高いこともあり特定の武器が保有する斬・雷・風属性による割合ダメージが火力の中心となる「属性ゲー」であった。
    猛将伝では武将のステータス上限が上がったことにより「将軍位」や「究極武芸」の重ねがけも含め、属性の割合ダメージよりも武将自身の基本攻撃力が火力の中心となる「攻撃力ゲー」へと近づく調整がされた。
  • 今作では「将軍位」は廃止、「究極武芸」等の効果は武器に装備するのではなくアイテムとなったため、基本的に同じ効果は1つしか持つことができず重ねがけは不可能になった。
    その結果、猛将伝の頃ほどの攻撃力は得られなくなり、無印ほどではないがやや属性による割合ダメージが有利な状況となっている。
    • つまり、斬・雷・風属性と炎・氷属性の武器では火力に大きな差が生じることになり、炎・氷しかない武器が再び不遇をかこっている。
      無印と同様、無双乱舞やEx攻撃も火力が伸び悩み、得意武器を無視してでも割合ダメージのついた武器を使うのが強いという状況。効率を重視するとどの武将でプレイしても同じ武器を使うことになりかねない。
  • ただし属性ダメージの火力は無印・猛将伝の頃ほど極端ではなく、属性重視と攻撃力重視、どちらもだいたい同じくらいの火力に落ち着いている。

武将の登用が簡単すぎる

  • 本作では内政コマンドひとつで次々と武将を登用でき、戦力を整えるのが容易になっている。在野武将であれば一度の勧誘でほぼ確実に登用でき、敵勢力の武将ですら2~3回も勧誘すれば大抵引き抜ける。
    • その一方で、戦場で捕縛した武将は滅多に登用に応じないため、従来作では重要な要素だった敵将の捕縛が完全に形骸化している。お気に入りの武将を集めるのが簡単になったと言えるが、戦略性が薄れたことを残念がる声もある。

問題点

フリーズが多い

  • 本作はゲーム自体の動作が全体的に不安定で、発売当初から再現性の低いフリーズ報告が多かった。
    • 再現性が低いということは「いつフリーズするかわからない」ということであり、プレイ中は常時フリーズに注意しなければならなかった。
      • エディット武将が絡むと発症率が高くなるなど色々言われていたが、結局はエディットが絡んでいなかろうとも戦闘中でもそうでなくても発症する時は発症する。
        ユーザーからは「未完成品を売りつけるな」「ユーザーにデバッグさせるな」などの不満意見が噴出、評価を著しく下げる要因になってしまっている。これが原因でクソゲー扱いする者も少なくない。
    • 現在はアップデートで大きく改善されたものの、根絶されたわけではない。

味方武将の絶招秘計による妨害行為

  • 味方が使用する秘計の種類・使用タイミングには、プレイヤーは一切干渉できない。そのため、思いもよらない秘計を使われ、戦闘の邪魔をされてしまう事がある。
    以下はその一例。
    • 全味方拠点を閉鎖する「拠点閉門」や、戦場の一部ルートを分断する「落石」で足止めを食らい、窮地に陥ってしまった。
    • 拠点改造系の秘計を使った直後、味方の秘計でその拠点を潰された。
    • 敵味方関係なくダメージを与える「大火計」を、範囲内にプレイヤーと味方しかいない時に使われた。
  • うち「拠点閉門」に関しては、規律レベル1とかなり早期に習得できる秘計であり、どの武将にいつ使われてもおかしくない。
    そもそもこの「拠点閉門」自体、戦闘の役に立つことは滅多に無く、存在そのものが疑問視されている。
    • この「拠点閉門」をNPCが発動する条件が「最前線の味方拠点が交戦状態」なのだが、前線の敵拠点を制圧し味方拠点に切り替わった瞬間、拠点内に残っている敵の雑兵に反応してこの条件が成立するため、ほぼ確実にプレイヤーが1分程度閉じこめられる。幸い、NPCは1回の戦闘で同じ秘計は1回ずつしか使用しないため拠点ごとに閉じこめられるということはないが、「拠点閉門」が使える武将の数が多いと…。
    • 『4』ではプレイヤーのみ使用できる脱出用の足場が拠点内に設置されていたが、本作ではそれもない。本作の拠点は通路を塞ぐ形の配置が少ない(回り道が多々ある)ので意図は理解できないこともないが…

多発するステルス

  • 一つの拠点に多数の敵味方が集まってるとステルスが頻繁に発生する。
    • 特に味方武将が消えてしまいやすく、前述の執拗な追跡も合わさって、プレイヤー武将ひとりで戦っている錯覚を覚えてしまう。
    • 一度ステルス状態になってしまった武将がそのまま復帰しない事も少なくない*9

月数経過でレベルが下がる

  • 武将のレベル・ステータスはそれぞれ対応する名声タイプの経験値を稼ぐことで上がっていく。
    経験値は戦闘で稼ぐほか、名声タイプに応じた内政(仁愛なら「施し」、規律なら「訓練」など)を行うことでも入手できる。
  • しかし名声レベルの合計が一定を越えると、この経験値が毎月少しずつ減り続けるようになってしまう。減少量以上の経験値を稼ぎ続けなければやがてレベルが下がり、ステータスが低下するのはもちろんのこと、使用できる秘計なども少なくなってしまう。
    • 支援者(毎月一定量の経験値をくれる)を雇用すれば上記の問題を解決できるが、支援者を雇うのにも一月分の行動力を消費してしまううえ、他系統の秘計を覚えるため複数の名声経験値を稼いでいる場合はそのぶんたくさんの支援者を雇う必要があり、対応する支援者を雇うためだけに何ヶ月も消費してしまう。
    • もちろん、名声レベルの合計が一定を越えないよう育成する名声を一つに絞っても良い。ただし各名声のレベルは使用できる秘計だけでなく内政で選択できる行動にも影響しているので、複数の名声レベルを上げないと行動の自由度が広がらないという欠点がある。
  • また、戦闘での経験値は操作していた武将に対してのみ入る。つまり配下武将ばかり操作しているとプレイヤー武将が全く経験値を得られず、他の武将で遊ぶことが難しい仕様になっている。
    • 配下武将等を自由に選んで戦えることも『Empires』の楽しみ方であっただけに、この仕様は過去作にあった魅力を大きく削ぐものとなっている。

拠点制圧してから支配エリアの反映まで若干のタイムラグが生じるようになった

  • 前作までは拠点を制圧するとその瞬間、拠点の周囲は自勢力の支配エリア(青色)となったが、今作では拠点制圧してから支配エリアの発生までワンテンポのタイムラグが生じるようになった。
  • また、支配エリアは周囲の拠点同士影響し合っており、一本の兵站ラインを前に進めるだけではエリアの支配力(青さ)はあまり強くならず、平行した別の兵站ラインも進めることでエリアの支配力がより強くなるようになっている。
    • 逆に言えば、まだ制圧していない敵拠点の周囲は兵站ラインが切れた状態でも自勢力の支配力が高くならない。
    • 少なくとも敵将を捕縛するためには大きく影響する要素であるだけに、制圧からのタイムラグがあることや敵の兵站ラインを切るだけでは支配力が高くならないことは武将捕縛をしづらくするものとしてプレイヤーを悩ませる仕様となっている。
      • ただし、現実的に考えれば、制圧したばかりの拠点が即座に機能し始めるのもおかしい話なので、支配エリアに関するこれらの仕様は全く理解できないものでもない。

戦闘準備画面で装備変更できない

  • 武器や軍馬の装備などは出撃武将を選ぶ時点で行わなければならず、戦闘準備画面まで進んでしまうと装備の変更ができなくなる。
    • 従来作では基本的にこの戦闘準備画面で武器・軍馬の装備を整えていただけに、タイミングの違いに戸惑ったファンは多い。
    • また、配下武将は勢力の武器開発レベルが上がっても上位の武器へ持ち変えることがないため、配下武将を操作して出撃する際は武器の装備変更が必須。もし変更し忘れるとそれだけで敗戦確定とも言える状況になってしまう。
      上記のレベル低下問題と合わせて複数の武将で遊ぶのが面倒になったと感じさせる要因の一つである。
      • あくまでこれまでの装備変更タイミングと違うというだけなので、プレイヤー自身が気を付ければ良いだけのものではある。

誰も働かない内政

  • 前作『5 Empires』の内政が非常に薄味だったせいか、今作では内政でやるべきことが非常に多い。
    高レベルの武器を購入するには「武器開発」の度合いを上げ、配下武将に支払う収入を確保するには「商業開発」を行い、また各武将の兵数上限を上げるには「訓練」を行う必要がある。
    また、従来作どおり「兵数の回復」や「武将の登用」、「他勢力との外交」などもある。
  • 自分が勢力の配下武将である場合は軍議の月ごとに君主からこれらの内政を含む任務を命じられる。
    また、自分が君主である場合は、配下武将へ具体的に指示するのではなく、「侵攻」「侵攻準備」「外交」「富国強兵」といった大まかな方針を決めることになる。
  • しかし、どちらの場合でも自分以外の武将が働くことはほとんどない。たとえ君主でも結局は自分一人で商業開発や訓練などすべての内政を進めなければ国は発展しない。
    --特に侵攻・外交などは指示したとしても配下武将が自発的に行うことは全くない。
    • 自分が配下武将の場合、兵力回復だけは君主がそれなりの頻度で実施してくれるのが救い。

不遇の軍師

  • 自分が配下武将でプレイしている場合、一定以上の功績を貯めることでその勢力内の「軍師」に就任することができる。
    軍師に就任すると軍議の際に君主に内政方針を進言することができ、実質的に君主の内政コマンドに近い状態となる。
  • しかし、その進言に対して他の配下武将が異を唱えた場合、反論は許されず君主の裁量に任せることになる。
    軍議の際、他の配下武将は自分の意見を出す際に「交渉系の秘計を発動する」ことで意見を通しやすくできるのだが、軍師の場合は交渉系秘計を発動するタイミングがない仕様になっている。
    • 本来、軍師には名声タイプが「知略」の武将が就任しやすく、また「知略」はこれら交渉計秘計を含む交渉に有利な名声タイプであるのだが、軍師に就任するとその長所たる交渉系秘計を発動できなくなるという本末転倒な状況。
    • 一応、勢力内の軍議ではなく、他勢力との外交の際には交渉系秘系を使うチャンスもあるが、当然そのためには軍議で君主に外交の進言を採択してもらう必要があり、君主の指示もなく勝手に外交に行くことはもちろんできない。
  • また、軍師という肩書でありながら戦闘中の味方武将への行動指示はできず、戦闘に関しては一般武将と同じ立場。
    • 味方武将への行動指示は君主か大将軍のみしかできない。
      • 軍師に就任しやすい「知略」タイプの武将が習得する秘計は伏兵や陥穽など特定エリアに敵を誘い込むことが条件になっているものが多いのだが、当然これらの計略は味方が計略設置エリアよりも前方に展開してしまうと発動の機会を失うことになりやすい。味方に指示を出せれば知略秘計の使い勝手も高まっただろうに、知略を活かすこともできない軍師職とは何なのだろうか。
  • 軍師に就任して得られるメリットらしいメリットと言えば秘計を1つ多く装備して出陣できることくらい。
    • と言っても軍師でなくても十分な数の秘計は装備できるため、1つ多く装備できることが劇的に戦局を変えるほど重要というわけでもない。せいぜい秘計発動でもらえる経験値が1回分増えるという程度の恩恵。

名声タイプによって行動が制限されすぎている

  • 「他勢力に寝返る」「新勢力として独立する」「玉璽を見つけて皇帝になる」「皇帝を保護する」
    前作『5 Empires』では比較的自由にできたこれらの行動が、今作では名声タイプと紐付けられており、対応する名声タイプのレベルが一定以上ないと実行できない。しかも、名声のレベル以外に大量の物資が必要となる。
  • これにより「何度も寝返りを繰り返し、やがては独立、ついには玉璽を見つけて皇帝にまで登り詰めた」などといった波乱万丈の武将人生を送ることは極めて困難になっており、プレイの自由度はかなり狭まったと言わざるをえない。
    • さらに、寝返り・独立・自ら皇帝になるなどは実行すると対応する名声タイプだけでなく名声「悪逆」にも大量の経験値が入る仕様になっている。悪逆、つまり悪い行いであると明確に表示されてしまうことも、プレイヤー自身にこれらコマンドの実行を躊躇わせる心理的プレッシャーになっているという意見がある。
      • 董卓の専横を下克上で打ち破ることも悪逆なのか、劉備が皇帝に即位し仁政を敷くことも悪逆なのか…というように、悪逆経験値の入手がそぐわない場面でのコマンド実行に違和感が生じてしまっている。
    • ちなみに「仕官」や「旗揚げ」も、名声タイプの条件こそないが、実行するには少なくはない物資が必要。
      在野武将でプレイを開始した場合、物資が貯まるまでは仕官も旗揚げもできず、これも自由度の低さとして挙げられる。
  • 名声タイプ「武勇」以外の武将では「大将軍*10」に就任するのが非常に困難。
    • 勢力内で最大の功績をあげていても武勇以外の名声タイプではほぼ就任できない。
      • 逆に「軍師」には功績さえ上げればどの名声でも就任できる。もっとも、上記のとおり就任したところでメリットは無いが。
    • 軍の指揮に長けた名声という位置づけの「規律」でさえ大将軍になれない(なりにくい)。
    • この仕様により、過去作に比べ味方を指揮する機会が少なくなっており、戦場での戦略性が低下してしまっている。

エディット武将の能力タイプ

  • 「攻撃型」「防御型」など6種類のタイプが用意されているが、タイプ毎の能力差が少なく差別化になっていない。
    • 初期防御力を例にとってみると、最も防御力に優れた「防御型」が350なのに対し、最も劣る「凡庸型」が290とごく僅かな差しかない。 更に本作のパラメータは どのタイプでも全パラメーターが均等に伸びる ため、最終的には全ての能力タイプが横並びになってしまう。初期数値の比率だけで見てみれば2割ほどの差になるのだが、絶対的な数値の小ささゆえやはり影響は少ない。
    • しかし、レベルが上がっても増加しない移動速度だけは明確な差がつけられている。とりわけ通しプレイ・高レベルでの使い勝手を考えると、最も移動が速い「俊足型」ほぼ一択になってしまう。

総評

フリーズなどの問題点があるものの、エディット関連機能が前作よりもさらに充実し、
また名声タイプによる成長システムは武将の成長を個性的なものにすると共に、どの名声をどれくらいレベルアップするかといった成長の面白さを生み出している。

しかしながら、あらゆる行動が名声レベルと紐付けされているうえ、その名声レベルを上げることも難しい仕様になっているなど、
プレイの全体的な自由度は決して高いとは言えない。

さらに、『5 Empires』から大幅に強化された内政にも、肝心のAIが全く対応していないような節がある。
プレイヤー以外の武将がほとんど働かないため空疎感は否めないし、外交に必要な「知略」名声を全く育成していない状態でも外交任務を指示され、軍師になると交渉系秘計が使えなくなるなど、調整はかなり大雑把な点がある。

一方、戦闘に関してはシンプルでありながら高い爽快感と手応えがある。
名声タイプごとに特徴的な絶唱秘計は「拠点を改築する」「援軍を呼び寄せる」など大掛かりなものもあり、過去作より大きくパワーアップした要素と言えるだろう。
ただ、問題点で述べた「拠点閉門」のような信じがたいような調整不足もあるのが惜しい。

概ね前作より順当に強化された作品となっているのは間違いないが、このように微妙に痒いところへ手が届かない調整が惜しいところであり、
また唯一、エディット要素以外の自由度に関しては前作より劣っている感があるのは残念。
良くも悪くも粗削りで、だからこそ光る長所も多々あるので従来の無双アクションが好きな層も、『Empires』シリーズが好きな層も楽しめる一作にはなっている。

アップデートでかなり改善したとはいえ、いまだ完全には解消しきれていないフリーズの発生が一番怖いところだ。


余談

テスト戦闘機能に関して

  • 当初の発売予定日から実際の発売日が延期となった事に伴い、急遽「エディットモード体験版」が無料で配信される運びとなったのたが、この体験版内に収録されていた「作成したエディット武将を実際に試用できるテスト戦闘」の機能がプレイヤー間で好評であり、製品版での削除された事を惜しむ声が多かった。
  • 後にテスト戦闘機能はアップデートによって復活。体験版→製品版で削除されたはずの機能が再実装される、という珍事となった。

エディット武将命名キャンペーン

  • 発売に先駆け、本作で強化されたエディット機能をPRする目的も兼ねて開発チームが作成した4体のエディット武将を公開。ユーザーに向けてエディット武将のイメージに見合った三国志に関連する人物の名前をそれぞれ募集し、その結果に応じて実際に命名された武将としてゲーム内に登場するという触れ込みのキャンペーンが行われていた。
    • 最終的に「馬騰」「張春華」「華雄」「荀彧」の4名が選出され、実際にゲーム内にエディット武将として収録されることとなった。また、選出された武将を命名したユーザーにはさらに抽選が行われ、当選者はエディット武将命名代表としてスタッフロールに掲載された。

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最終更新:2024年02月08日 06:37

*1 カードの概念そのものは秘計システムに引き継がれることになるが、こちらも本作ではまだ武将固有の面はかなり小さい。

*2 ちなみに、以前の本編作では魏所属扱いの一般武将であり、司馬懿に次ぐ二人目の勢力移籍を無双武将化と同時に果たした。

*3 前作『5』で一度削除され、『5 Empires』時点では再登場していなかったために代わりとしてエディット防具が存在していた一部武将の再現アイテムに関しては、『6』以降武将本人たちがそれぞれ復帰したことを受け使用できなくなり、『6』でも再登場しなかった左慈防具のみ収録された。

*4 音声に至っては製作予定されていたわけではなく、ユーザーの要望を受けて後から改めて録音することになった。

*5 なお、名声タイプが「悪逆」や「財産」に指定されている無双武将は非常に少ない。

*6 武器の適性に関わるステータスが強制的に0に下げられ、アクションの性能が大幅にダウンする。また、シナリオ開始時の設定によっては、プレイヤー武将以外は負傷した状態で戦闘に出撃し撃破されると、一定確率で死亡(ロスト)してしまう。

*7 「攻撃耐性」に相当。ダメージを受けた際に怯みにくくなる。

*8 「二刀属性」に相当。装備している2つの武器の属性が異なる場合、両方の属性が同時発動する。

*9 拡大マップを見ると自分のすぐ真後ろを敵武将が付いてきているのがわかるのだがステルスしているため攻撃できず、ステージクリアまで戦えない敵武将を引き連れ続けることになる。

*10 君主以外で唯一、戦場で味方に指示を出すことができる。