GUILTY GEAR 2 OVERTURE
【ぎるてぃぎあつー おーう゛ぁちゅあ】
ジャンル
|
メーレーアクション
|
|
対応機種
|
Xbox360 Windows 7SP2/8.1/10
|
発売・開発元
|
アークシステムワークス
|
発売日
|
【360】2007年11月29日 ゲームオンデマンド:2010年3月9日 【Win】2016年4月1日
|
定価
|
【360】8,190円 ゲームオンデマンド:2,000マイクロソフトポイント 【Win】1,980円
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
多くのファンを持つ格闘ゲームシリーズのまさかの路線変更 奥深いが習熟に時間のかかる戦術システム スピード感や音楽、デザイン等はシリーズ名に恥じない完成度 対戦ゲームとしては荒削りながらも高評価 一方対戦ゲームとしては痛いラグ
|
GUILTY GEARシリーズリンク
|
概要
『GUILTY GEAR』(通称:PS版GG、98年5月発売)の本編としての正式な続編作。『GGX』・『XX』シリーズといった外伝作を経て9年半ぶりに登場した新章である。
今作でも石渡氏はプロデューサー、世界観総括およびキャラデザイン、作曲とマルチな活躍を見せた。特にデザイン面は3D化により格ゲー時代よりも繊細かつ凝ったものとなっている。
ストーリー
人類と生体兵器「GEAR」との戦いが収束し、世界はゆっくりとではあるが復興を果たしていた。
第二次聖騎士団選抜大会から数年の刻が流れ、物語の主人公であるソル・バッドガイと彼を取り巻く環境は大きく変わっていた。
そんな中、突如として「各国で休眠状態にあったGEARが消失していく」という事件が発生。
さらに、カイ・キスクの治めるイリュリア連王国にて、「ヴァレンタイン」なる人物に率いられた奇妙な軍勢が破壊活動を開始。
これまで彼らが使ってきた法力が通用せず、刻一刻と不利に追い込まれるカイと連王国の軍勢。彼らを救うため、そしてこの戦いの真相を掴むため、ソルは新たな戦いへと踏み出した。
新ジャンル!?「メーレーアクション」
ゲームジャンルがこれまでの格闘ゲームではなく「メーレーアクション」と呼ばれるものに変わった。
この単語は「Melee(乱戦)」と「命令」を掛けた造語であり、開発元のアークシステムワークスは「メーレーアクションは、アクションゲームとリアルタイムストラテジー(RTS)を融合させた新しいジャンルである」としている。
メーレーアクションを簡単に説明すると、「プレイヤーキャラを操って格闘やアクションをこなしつつ、AI操作の自軍ユニットを生産・指揮して相手の本陣陥落を目指す3D対戦ゲーム」となる。
<基本用語>
-
マスター…プレイヤー自身が操作するキャラクター。サーヴァントの生産・指揮を行いつつ、自身も前線に赴いて戦う。
-
体力がゼロになると「クリティカルダウン」状態となり、「しばらくの間、マスターによる戦線介入行動が行えない」「マスターゴーストの耐久力が減少する」「判定スコアでかなりの減点を受ける」といった多大なデメリットを負う。なお、マスターゴーストへのダメージはダウン回数によって大きく増え、4回(チーム戦では5回)やられた時点で即敗北となる。
-
サーヴァント…「マナ」と呼ばれる資源ポイントを消費して生産できる自軍ユニット。半自律行動で、進軍ルートこそ指定してやらねばならないが、ルート上でゴーストや敵ユニットを発見したら適切な行動を自動で行ってくれる。
-
「マスターゴーストのシールドを減少させやすい」「『装甲兵』『射撃兵』『法力兵』といった兵種と相性が設定されている」「『周囲の味方を回復・強化する』『マスターへの攻撃力が2倍』等の様々な特徴が個々に設定されている」「上級兵と呼ばれる強力なサーヴァントが用意されているが、生産可能にするためにはあらかじめ『アンロック』しておく必要がある」など、かなり細かい特徴が存在する。
-
マナ…サーヴァント生産や上級兵のアンロック、スキル・アイテム購入等で必要となるポイント。一定時間経過毎に増加し、ゴーストの所有数に応じて増加量も増える。
-
ゴースト…マップに点在する拠点。ここを占領すると、マナの増加量やマスターゴーストの防御力アップ、キャプチャーの放出、周囲の自軍ユニットの体力回復、といったメリットを得られる。
キャプチャーの攻撃に弱く、ゲージを埋めきって一定時間たつことで所有権が発生する。ただしマスターが一回攻撃するだけでも所有権は一旦消灯する。
-
キャプチャー…マスターゴーストと占領したゴーストから自動で放出される小型ユニット。近くのゴーストの支配に向かい、その途中で接触した自軍サーヴァントの体力を回復させる。一回攻撃されたり、または攻撃を行ったりすると消滅する。
-
マスターゴースト…マスターと命を共有している本拠地。これが破壊されるとそのプレイヤー+所属チームは敗北となる。耐久力はマスターゴーストを直接攻撃するだけでなく、敵マスターをクリティカルダウンさせることでも減らせる。
ただし、マスターがダウンしていない限りはここはシールドで覆われており、サーヴァントの攻撃でシールドを排除せねば他マスターからの攻撃は通らない。
<ゲームの流れ>
-
ゲーム開始時は全員それぞれのマスターゴースト前に出現する。ここで最初に持っているマナを消費し、サーヴァントの生産及び進軍ルートの指定、スキル・アイテム購入などを行っておく。
-
1.が終わったらマスターも行動開始。自軍ユニットと歩調を合わせて進軍するもよし、単騎で戦場を駆けるもよし。
-
これら一連の流れは、全て「待った無し」のリアルタイムで進行する。マスターを動かしつつ戦況を把握し、さらにサーヴァントの再生産や指示の出し直しをするなど、敵の作戦に対応した最善手を素早く打てなければ勝利は難しい。そのため対戦中は一分一秒を争う緊迫した状況が続き、息をつくヒマもないレベルで忙しい。
-
規定ラウンド内に誰か一人のマスターゴーストが破壊されると試合終了。全員健在のまま規定ラウンドを終了した場合は判定に持ち込まれる。
評価点
対戦ツールとしての質の高さ
-
高いオリジナリティを持つゲームデザイン
-
RTSのアクション性を格段に高めた事実上のオンリーワンジャンル作品であり、そのオリジナリティは近年の和製ゲームの中でも際立っている。改善の余地がある点も多いが、全くの新ジャンルの1作目ということを考慮するととても良く纏まった完成度の高い作品といえるだろう。
-
「ストラテジーと3D格闘アクションが融合した新しい楽しさ。他のゲームでは味わうことのできない面白さ」とプレイ経験者から好評である。
-
ハードルや難易度は高いが、それさえ乗り越えられば長く遊べ、深くハマれる良質な対戦ゲームである。発売から数年経過した現在でも根強い人気を誇る。
-
通信対戦機能を実装しており、システム上である程度のルール変更が可能。RTS恒例の「1on1」及び「2on2」、「ポイントマッチ」というスコア制の4人バトルロワイヤルモードが用意されている。
-
どのキャラも癖が強く、有利不利などの相性はあるのだが、性能面での格差はそこまで大きくなく、腕次第でどのキャラでも互角以上に渡り合える。これはパッチ配信によるバランス修正の実施、キャラ数は少ないが明確な差別化が図られている、格闘アクション+RTSという特殊なジャンルならではのキャラ付けができた…等が理由だろう。
-
また、オンラインルームの部屋名は自由に設定できるため、初心者向け部屋を建てる事が出来るなど、格ゲーの頃と比べると初心者の対人戦練習もしやすい環境にはなっている。とは言え悪質なプレイヤーを防げるわけではないので、そういったプレイヤーに乱入されると部屋を一度建て直す必要に迫られてはしまうが。
-
公式のサポートも好評で、2008年2月~09年8月末まで約10回に渡るバランス調整&不具合修正パッチが配信されている。また、2009年4月1日に配信されたパッチは今でもユーザーの語り草となっている(内容は発信日から察してほしい)。
-
後述するように動き出しが遅すぎた感は否めないが、公式大会の開催や公式対戦動画の録画、公開など、広報や開発者によるゲームを盛り上げようとした努力も評価されていた。
世界観設定、デザイン面、音楽は相変わらずクオリティが高い
-
個性的かつ洗練されたデザイン面、特にサーヴァントのデザインはユーザーから高い評価を受けている。
-
サーヴァントのデザインモチーフは機械兵、騎士団+ゴシック風装飾、動物をベースにした怪獣+タータンチェックの衣装、日本の妖怪、ゴシックホラー+人形と多岐に渡り、見ているだけでも楽しい。彼らのモーションも凝っている。
-
個性豊かな新キャラクター
-
新キャラクター達は良い意味で「濃い」キャラばかりであり、ユーザーの好評を博している。
-
性能面でも「自身の戦闘力は高いがRTSの面では弱い(サーヴァントが扱いにくい、など)」「逆に自身の戦闘力は最弱クラスだがRTS方面で強い(サーヴァントが強い、低コストで量産可能等)」「マスター・サーヴァントともにバランス型だが、決め手に欠ける」という風に明確に差別化されている。
-
ただし、「過去作のキャラクターがほとんど登場しない」という難点も存在する。この点については後述する。
相変わらず良曲揃いのBGM
-
BGMは良曲・名曲揃いである。特にマスターの持ちBGMの完成度は総じて高く、HR/HM系の音楽に抵抗がないのなら必聴の価値があるだろう。
-
民族音楽要素を取り入れたもの、和風テイストのもの、デスメタル調、メロディアス、和製RPG調などバラエティに富んでいる。
-
GGXXシリーズで使用されていた曲のアレンジもある。そのうちのカイの戦闘曲「Holy Orders」は「GG2のアレンジVer.が歴代最高!」と評価する声も高く、次回作の『Xrd』ではギャラリーで流すことはできないが、カイが劣勢の状態で一定条件を満たすと流れるという特別仕様で再登場した。
問題点
バグ、システムの穴が多い
度重なる修正パッチによりバランス調整が行われ、フリーズやデータ破損などの致命的なバグはほぼ無くなった。しかしそれでもいくつかのバグが残っている。ゲームバランスに影響を与えるものも多い。
-
ちなみに「バグが修正されたと思ったらまた別の場所にバグが生まれている」というパッチも多く、ファンからは最早ネタにされている。現在残っているバグの多くはそれによって生まれたバグである。
-
現在で有名かつ致命的なのは「一部の兵に経験値が入りづらくなっているバグ」と「レイヴンがごくまれに透明になり、ロックオンもできなくなる」など。他にも「ごく稀にキャプチャー兵が移動しなくなるバグ」など細かなバグもちらほら。
-
オンライン対戦ゲームであるが、同期の取り方が怪しく、頻繁にラグが発生する。回線の相性が悪いと敵が瞬間移動したり1ヒット技が2ヒットしたりはざらである。「意味不明な挙動が起こったと思ったらいつの間にか死んでいた」なんて事は珍しくもなく、理不尽な敗因が発生する事も多い。特にマスター(プレイヤーキャラ)同士の直接対決で大勢が決まりやすいゲームなのでラグは対戦ツールとしては致命的である。
-
また、「意図的にラグを発生させる」という、バランスを崩す恐れのあるテクニックも見つかっている。しかもそう難しいテクニックではなく、むしろ頻繁に行うような操作(キャラによっては多用する必要もある)で発生してしまう現象であるため、意図しなくてもこのラグ技が発生してしまう事が多々ある。よりにもよってこの意図的なラグの恩恵を受けやすいのが強キャラのソルやシンだったりする。
-
「自分の画面ではラグが起きてないように見える」という類のラグがあるのも問題。逆も然りで対戦中やリプレイでラグが起きた試合のシーンを見ても、自分の画面と相手の画面でキャラの動きが違う(ワープしてる、してない等)という点も意図的にラグを使用してるか否か等でトラブルの原因になりがち。
-
細かな誤植もちらほらある。
-
初期バージョンでは「ゲーム内解説にて、必殺技『スタンディッパー』のコマンド表記が「↑+明治」という意味不明なものになっている(最新版では修正済)」「ストーリーモード中の台詞の名前表示が間違っている(ボイスがあるので誰の台詞かは分かる)」といったものが存在した。
-
説明書には単純な名前間違いのほか、当時ゲームに収録されていなかったキャラ(のちにDLCとして配信された)の紋章が写った写真が載っていたりもした。
オフラインモードの不備
-
開発者が「筋金入りの対戦ツール」と称すように、『GG2』はオンライン対戦に主軸を据えたゲームである。そのせいかオフラインのボリュームは少なめ。
-
キャンペーンモード(ストーリーモードにあたるモード)専用のギミック、天候やステージ、敵キャラなど凝っている部分はあるものの、一方でストーリー演出などは明らかにありものを持ってきたモーションなどでやりくりしており、あまり迫力が無い。
-
また、チュートリアル的な位置付けの「キャンペーンモード」に不備が目立つ。
-
メイン操作キャラクターのソルはマスターアクションに特化しているキャラであるため、サーヴァント面に癖が強く、本作では初心者向けとは言い難い。また、ダッシュなどの基本操作練習といったシチュエーションが多く、逆にRTS部分のチュートリアルが少なめである。
-
キャンペーン終盤ではシューティング戦や対巨大ロボット戦を繰り広げることとなり、RTS要素の欠片もない只のアクションゲームと化するため、序盤~中盤で学んだ操作の殆どが終盤では役に立たない。キャンペーンモードをクリアしてもRTS部分の基礎は覚えきれず、「メーレーアクションのチュートリアル」というコンセプトがどこかへ行ってしまっている。
-
ならキャンペーンモードはクリアしなくていいかと言われるとそうではない。このモードをクリアして解禁されるカイはキャラ人気を差し引いても、後述するようにバランス良く使いやすい初心者向けとされているため、対戦への研鑽を楽しみたい人にとっては無視するわけに行かないのである。
キャラクターの性能差
-
対戦ゲーの宿命だがやはり強キャラと弱キャラの格差は存在する。パッチが当てられ続け7キャラのダイヤグラムは上下したが、最終的にはソル、カイの2人、次点ドクターとシンが強キャラと言われ、レイヴンが中堅、ヴァレンタインとイズナが弱キャラとする声が多い。ただしヴァレンタインは扱いは難しいが腕次第ではソルやカイ相手にも勝ちうる性能を秘めておりイズナよりは強いと評する声もある。
賛否両論点
-
これまでは格闘ゲームとして知られてきたGGシリーズだが、まずゲーム性自体が過去作とは全く違う。単純ながらかなり好みが分かれる点だろう。
-
当然過去作で培ったノウハウが通用しない上、新たに対戦テクニックを磨こうにもこのゲームの第一難関は「基礎」。
-
覚えなければならないことが格闘ゲームとは比べ物にならない程多く、そして、基礎を覚えた後はそれを応用したテクニック・知識・キャラ対策等を多くの事を覚えねばならない。
-
それはキャンペーンモードをクリアした程度では到底身につかず、対人戦で互角以上に渡り合おうと思ったら相当数の対戦をこなさなくてはならない。
-
発売から数年以上経過したこと、新規参入がほとんど見込めない事もあり、現在オンラインで残っているのは「筋金入りの愛好者・超上級者」ばかり。初心者と熟練者間の差が大きく開いてしまっている。
-
一見ではそもそも何をすれば有効なゲームなのかも分かりづらく、またユーザー間における戦略の煮詰まり方も独特であるため、ゲーム内の説明だけではとても間に合っていない。
-
パッと見だけなら大量の雑魚を相手に戦う「無双」系のゲームのようにも見えるが、実際にプレイしてみれば、無双系ゲームのノリの戦法はとても通用しないことが容易にわかる。雑魚であるサーヴァント下級兵ですらそれなりの強さを誇り、考えも無しに敵集団にマスター単独で突っ込むなどすれば十中八九返り討ちにあう。
-
初期バージョンではトレーニングモードや初心者救済処置さえ無く、新規参入のハードルはさらに高かった。ただしバージョンアップによってトレーニングモードやキャンペーン中のヒント機能、RTSの簡略化機能などが追加され、ある程度緩和されている。
-
また、悪質・排他的なプレイヤーばかりというわけではなく、発売前から詳細な攻略Wikiを立ち上げたり、プレイ動画を上げて盛り上げようとするなど「本作に惚れこんでいる」者も多数。
-
7人のプレイヤーキャラクターはどれも大なり小なり癖があり、「~が初心者には一番使いやすい」といったキャラが極端に少ない。これも敷居の高さに一足買ってしまっている。
-
初心者向けとしてはカイ、シンの2人が挙がっている。マスター・サーヴァントの性能がともに高く、やる事と技性能がはっきりしていて強さを引き出しやすいが、カイは上述通りキャンペーンモードのクリア特典による隠しキャラとなっている。
-
ゲーム性の変化に伴い、キャラクター数も大幅減少。旧作からのプレイアブルキャラ続投はソルとカイのみ。
-
既存キャラが殆ど登場しない理由は「主人公を中心にストーリーを進めるため」と語られている。加えて「版権問題」もこの事に関係している。
-
プレイアブルキャラクター(PC)数も7名と、最大25キャラもいた格闘ゲーム時代と比べてしまうと寂しさは否めない。ジャンルの違いを考えればやむを得ないことではあるが。
-
5種のトライブ(=サーヴァントのグループ)が存在し、これを7人のキャラに振り分けている(シンとカイ、レイヴンとヴァレンタインのサーヴァントは共通)。各トライブには10種ほどのサーヴァントが用意されており、個々のサーヴァントにも明確な個性が存在する。さらに本作はタイマンだけではなくチーム戦での組み合わせも考慮しなければならないため、キャラとトライブを増やすとバランス調整の手間が指数関数的に増加することになってしまう。
-
なお、RTSとしては、トライブ数5というのはむしろ多い方である。例を挙げると、有名なRTSである『Warcraft』『Starcraft』シリーズではトライブ数は2~4程。それでも「2on2」など、4人で対戦する事やキャラの強弱を考えると、7人5軍団というのはやや窮屈に感じるキャラ数なのは否めない。
-
やや性急なシナリオ展開と、本作だけでは完結しないストーリー
-
過去作から5年の月日が経っているという事で、続投キャラの大半が立ち位置を変化させているが、その点に関する説明は乏しい。ほとんどの疑問点は本作ゲーム内ではなく、資料集や後続作品でフォローされる形となっている。
-
過去作と見比べて整合性が取れていないおかしなストーリーというわけでもないが、不親切とは言える。
-
ゲーム自体のストーリーもいささか急展開が多く、ボリュームとしてはそれほど多くもない。
-
タイトルで「序章」というだけあって伏線を張って匂わせているだけ、という部分も目立つ。
-
これについては予め公式で「ストーリーモードは操作を覚えてもらうためのチュートリアルみたいなものです。ストーリーはおまけと思っていて下さい」と石渡氏は語っている。
-
一方で、キャラの魅力を引き出しているキャラクター描写などはメリハリが効いており、残った伏線は多いなりにまとまっている点は評価できるだろう。
-
『XX』シリーズでしばらく停滞していたストーリーを、きちんと進展させたことを評価する向きも。
総評
「ゲームジャンルの大幅な変更とそれに対するファンの反発」「既存キャラの大半が登場しないなど、ストーリー面での不満」などの点から本作はバッシングを受け、現在でも叩かれやすい。(余談にて後述)
極度にマイナーなゲームジャンル、複雑なシステム、チュートリアルの不充実に加え、初心者殺し要素が満載といった要素もその傾向に拍車をかけている。
しかし一旦システムを理解すれば良質な対戦ツールであり、実際に本作を遊んだ人からは概ね高評価を受けている。
決して万人向けの作りのゲームとは言えないが、嵌る人はとことん嵌ってしまうタイプのゲームであり、粗はあるが隠れた名作・良作だと評価する声もある。
余談
本作をめぐる風評
-
本作は発売前後にシリーズファンによるバッシングを受けたという事情がある。
-
ゲーム自体の出来が良かったこともあり現在ではバッシングは収束したが、今なお反感を抱くシリーズファンから本作が叩かれる事がある。その主だった理由を下記に挙げる。
-
唐突にも見える過去作からの方向転換
-
格闘ゲームからの大幅な方向転換は賛否両論として先述した通りだが、こういった戸惑いが本作をプレイしていないシリーズファンにも波及した結果、外野からのバッシングを受けることとなった。
-
ジャンルの変化だけでなく、登場キャラクター数の減少や、『XX』シリーズでしばらく停滞していたシナリオや世界観の展開が、本作で急に進展した事なども、こういった風評に影響を与えたと考えられる。
-
なおシナリオの内容の是非についてはほとんどが好みの問題であるので、詳細は割愛する。
-
しかし、ジャンル変更については、『初代』攻略本のインタビューにおいて既に「ギルティギアは格闘ゲームではなく対戦ツールである」と表明しており、続編が格ゲー以外のジャンルになることを本作発売の10年近くも前から示唆している。
-
また、アークシステムワークスは『GGX』以降2D格闘ゲームに注力してきたメーカーであり、本作のようにHD画質でグラフィックは3D、そして全く新しいジャンルのゲームを製作することに不安感を持つ者も発売前には見られていた。
-
一見ではゲーム内容を把握しづらい
-
RTSとアクションを掛け合わせた対戦ゲームという『GG2』(メーレーアクション)の試みは、国内での類似した前例が1989年の作品『ヘルツォーク・ツヴァイ』ぐらいしか見当たらない。
-
リアルタイムストラテジー(RTS)は海外でこそメジャージャンルだが、日本ではそれほどまでに極めてマイナーなジャンルなのだ。
-
RTSは「複雑なシステム・高難易度だが、対人戦は面白い」というゲームジャンルであるが、それ自体が日本でRTSがマイナーである理由のひとつともされている。。
-
さらに悪い事に本作は広告面がかなり疎かだった。まともなPVは発売数ヶ月後にやっと作られ、このゲームの面白みを上手く伝えられなかったため動画配信サイト等でのアピールもしづらく、そのため「実際にやってみないと分からない」状態が長く続いた。そのため、実際にプレイしなければゲーム内容を把握しづらく、発売前には「GGをメーレーアクションなんて意味不明なジャンルにしないで欲しい」といったバッシングを受けた(この辺りはジャンル名が駄洒落じみたものである点による影響も否定できないが…)。
-
本作のバランスは『無双シリーズ』や『デビルメイクライシリーズ』に似て非なるものである。しかし、本作未プレイ者からは「無双系ゲーム」と誤解されやすく、無双シリーズのパクリゲー扱いを受けて叩かれたりクソゲー扱いされたりもした。
-
XBOXのみの発売という点
-
ギルティギアシリーズのコンシューマー版はほとんどがPSでの発売であり、当時XBOX版は『#RELOAD』しか販売されておらず、主流のPSでギルティギアをプレイしていたファンが手を出せないという状態になっており、2016年にSteamで配信されるまでは長らくプレイのハードルが高かった。
-
しかしこういったバッシングとは裏腹に、購入者からの評判は高く、ダウンロード版を含めれば販売本数10万本を突破するなど現在でもジワ売れを続けており、熱い支持を受けている息の長いゲームである。
その後の展開
-
長年GGシリーズの展開は沈黙していたが、2012年9月にはバランス調整版『GUILTY GEAR XX ACCENT CORE PLUS R』が稼働開始。さらに2014年2月には本作の続編として2.5D格闘ゲーム『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』がリリースされて再起動を果たした。
-
2016年4月1日、Windows移植版がSteamにて配信開始。
予告や前兆の無い突然の配信だった事、エイプリルフールのイベント真っ最中であった事も相まって、ジョークなのではないかと目を疑ったファンも見られた。
最終更新:2024年02月16日 11:20