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SIMPLE DSシリーズVol.14 THE 自動車教習所DS ~原動機付自転車・普通自動二輪・大型自動二輪・普通自動車・普通自動車二種・中型自動車・大型自動車・大型自動車二種・大型特殊自動車・けん引~

【しんぷるでぃーえすしりーず ぼりゅーむじゅうよん ざ じどうしゃきょうしゅうじょでぃーえす げんどうつきじてんしゃ ふつうじどうにりん おおがたじどうにりん ふつうじどうしゃ ふつうじどうしゃにしゅ ちゅうがたじどうしゃ おおがたじどうしゃ おおがたじどうしゃにしゅ おおがたとくしゅじどうしゃ けんいん】

ジャンル 教習所シミュレーター
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 128MbitDSカード
発売元 D3パブリッシャー
開発元 ヴァンテアンシステムズ
発売日 2007年5月31日
価格 2,800円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 クソゲー
ポイント 非常に長いゲームタイトル
運転免許取得の為の実用ソフト
実用性は皆無に等しい
SIMPLE DSシリーズ


概要

SIMPLE DSシリーズの14作品目にあたるソフト。ジャンル的には運転免許取得効果を目的とした実用ソフト(運転免許取得シミュレーター)に該当する。したがって娯楽色を持つ要素はほとんどない。「実物の教習所と同じ感覚で交通ルールを学び、それを学科や技能で試していく」というのが大まかなゲーム進行となる。

運転免許の参考書を出版している事で知られる「ナツメ出版社」の問題集から、総計4000問の出題を本作に収録している。
2007年の道路交通法改正により新設された「中型自動車免許」の種類にも対応しており、これはジャケットにも大々的にアピールされている。

対応免許の車種一覧

各種類のリンク先は運転できる免許の車種を示している(Wikipedia)。 運転免許によっては複数の車種を運転できるが、それに関しては触れないものとする。

システム

最初にセーブデータを作成するが、その際に運転免許の車種を1つ選ぶ。最終学科試験を終えるまで、そのセーブデータでは選択した免許の講習を受けることになる。
その後は「適性検査」を受けて入校となる。なお現実と同様、適性検査がいかなる結果であってもペナルティはない。

入校後は5つのモードから選んで教習を受ける。最初は第一段階のものしか選択できないが、学科と技能の仮免許試験に合格することで第二段階の教習が受けられるようになる。

  • 学科教習…クイズ形式で学科教習を受けるモード。各20問または6問が出題され、答えるたびに問題の正誤と解説がされる。合格点を得ることができれば合格マークが付く。
    • 1問毎に制限時間があり、それが過ぎるまでに解答をしなければならない。
    • 第一段階では「○×クイズ」「数字当てクイズ」「道路標識クイズ」「道路標示クイズ」、第二段階では「虫食いクイズ」「状況判断クイズ」「イラストクイズ」「危険予測クイズ」がある。
      • 第一段階に全て合格すると「仮免許学科試験」が受けられ、これに合格すると第一段階の学科は全てクリアとなる。第二段階に全て合格すると「卒業学科試験」が受験でき、これにも合格すれば「学科最終試験」を受けられる。
        試験では実際同様、制限時間内において好きな順序で問題を解き進める。30分経たなくても解き終わった時点で採点に回すことができる。
  • 技能教習…トップビュー形式で車を運転し、技能教習を受けるモード。現実同様、第一段階では教習所内のコースを、第二段階では公道を走る。上画面左上にある「好感度」が一定以上で教習を終えると合格となる。
    • プレイヤーが操作できるのは前進、後退、ブレーキ、方向指示器、ハンドルのみで、かなり簡略化されている。
    • 教習では指導員の指示に従ってコースの目印(ドット)を頼りに進んでいく。きちんとドットの上を走行すれば好感度は上がっていくが、方向指示器の使用を忘れたり脱輪したりとルール違反を犯すと下がってしまう。0になると強制的に教習終了となってしまう。
    • 学科同様、第一段階に全て合格すると仮免許試験、第二段階に全て合格すると卒業試験が受験でき、これに合格すれば最終試験を受けられる。
  • 自習室…交通標識の一覧と、一度受けた学科・技能の項目の復習ができるモード。
  • 模擬試験…学科最終試験を単体で受けられるモード。あくまでも模擬試験なので、ここで合格点を取っても学科教習のそれが合格になる事はない。
  • 成績一覧….各モードで受けた項目の成績を確認できるモード。

問題点

学科教習の問題点

  • ここまで見れば分かるように、本作の学科の内容は単なる効果測定の問題集でしかなく、これをもって教習と言い張るのは無理がある。
    • 要は「実際の教習で十分に知識を身につけている前提でその復習や試験対策をするためのモード」であり、最も重要であるその知識を身につけるための資料やテキストが用意されていないというかなり大きな問題がある。
      自習室の情報も非常に少なく、交通標識・道路標示の一覧しか閲覧できない。
    • 鉄道ゼミナール』のように、テキストを通読させてからそれに関する効果測定を実施する形式を取れば良かったのだが……
  • 第一段階と第二段階を分ける必要性がない。
    • 第一段階でも普通に第二段階の問題が出てしまうため、実際の順序で教習を受けていると戸惑うこと必至。ゲーム内の表記と現実の教習が一致しないのは実用ソフトとしてはよろしくない。
  • 第一段階における謎の短い制限時間。
    • 1問あたりの時間は「数字当てクイズ」のみ15秒だが、その他はわずか10秒
    • 路上で瞬時の判断が求められる「状況判断クイズ」(制限時間5秒、第二段階)などは妥当だろうが、運転と離れた単なるペーパーワークでしかない第一段階の学科にここまで厳しい制限時間が付くのは納得しがたいものがある。
    • 無論、現実の試験においてもここまで厳しい制限時間はない(そもそも制限時間が1問毎ではない)。
  • 学科最終試験が異様に不親切。
    • 試験を終え結果発表を迎えても点数と合否発表しかされず、どの問題が間違っているのかが一切表示されない。そんなとこまでリアルにしてどうする。
    • 他の学科教習や仮免・卒業試験では各問題の正誤や解説を表示できるだけに、問題数の多い最終試験でこれが見られないのは理不尽である。

技能教習の問題点

  • 安全確認やギアチェンジ、各種ポジションセッティング、優先通行など大切な点がことごとくカットされており、はっきり言って役立たずである。学科教習の進行を妨げる要素でしかない。
    • コンピューターゲーム、それも携帯機なのでまともな実車再現が難しいのは自明である。だが、本作はレースゲームなどではなく現実の自動車の運転を学ぶことを謳った実用ソフトである。潔く再現を諦めた方がマシだったのでは、とすら感じられる。
  • さらには、まともな運転をするのが不可能といわんばかりに操作性が壊滅的に悪い。
    • 当然実車であればハンドルやペダルは手足の動きによって自在に加減ができるのだが、DSで発売された本作の場合それら全てが1か0かのボタン操作になってしまっている。
      • そのためアクセルは、ボタンを押すとベタ踏み並みの速度で急加速する。現実のようにペダルを浅く踏み続けるといったことができず、「ベタ踏みしては放し、ベタ踏みしては放す」というあおり運転とも取られかねない走行をしなければならない。ならば高速で走り続ければいいではないか?と思われる方もいるかもしれないが、速度が上がりすぎると減点になってしまうので良い方策とはいえない。
        ブレーキも同様で、ボタンを押した瞬間に一気に減速し、公道なら急ブレーキ違反になるような運転になってしまう。
        実物の車がこんな運転だったら、日本全国の至る道で毎秒事故だらけである
    • 操作に失敗すると威厳のある教官からこっぴどく叱られてしまう。

評価点

  • 収録問題数は多い。
    • 総計4,000問を収録しているだけあって、出題のバリエーションは豊富。先述の異常な制限時間さえクリアしてしまえば、実際の効果測定や学科試験の問題集としては十分に機能する。

総評

学科は情報不足と不親切な高難度、技能は致命的なまでのリアリティのなさが祟っており、どちらも実用に使えるレベルには到底達していない。学科の問題集としては使える部分が無いわけではないが、こんな技能教習を受けなければならないなら教本の問題集を使った方が何倍も効率的である。
運転免許を取りたければ素直に教習所に通って勉強するべきだろう。

余談

  • 道路交通法は定期的に改正されるため、2007年リリースの本作の情報が必ずしも現在のそれと一致しているとは限らない。よって、問題の趣旨が今と変わっている可能性が考えられる。
    • こればかりは本作を責めるのは酷ではあるが、利用する際には注意が必要。
  • 上記のゲームタイトル表記を見てもらえば一目瞭然だが、ゲームタイトルが恐ろしく長い
    • 国産ゲームソフトにおける最長文字タイトルである。なんと、フルタイトルで108文字*1、読みがな換算だと140文字*2もある
    • 参考までに、最短文字タイトルは『』である。漢字でも読みがなでも1文字。こちらの記録が破られる事はまず無いと思われる。
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最終更新:2023年03月07日 08:53

*1 スペースはカウントせず。

*2 「Vol.」は「ぼりゅーむ」、「14」は「じゅうよん」と発音するものとしてカウント。