パズにん ~うみにんのパズルでにむ~

【ぱずにん うみにんのぱずるでにむ】

ジャンル アクションパズルゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 メトロ・スリーディジャパン
開発元 Frame Studios
発売日 2003年11月21日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 3箇所(EEPROM)
周辺機器 GBA専用通信ケーブル対応
判定 なし
ポイント "うみにん"が主役のブロック崩しゲーム
思考性よりも瞬発性が求められるゲーム性
デススカル自重しろ


概要

  • 改造町人シュビビンマン3』(PCエンジン)でデビューし、その後も様々なメサイヤ作品に出演した謎の生物「うみにん」を主役としたゲーム。
    • 本作がリリースされた当時の"うみにん"は、クロスノーツがライセンス契約して版権管理していた時代であり、フジテレビのマスコットキャラとしても活躍し、両社のクレジットがゲーム内で表記されている。
  • ゲーム自体は海外GBA『Gem Smashers』のグラフィックまわりをうみにん関連に差し替えたものであり、元の作品は海外で4ヵ月ほど前に販売されている。
    • 後にチョコレートブランド「m&m's」のマスコットキャラクターを使ったものも発売されている。
  • 公式でのジャンルは「アクションパズルゲーム」だが、ゲーム的にはブロック崩しゲームといった方が正しい。本ページではブロック崩しゲームである事を前提とした表記をする。
  • 任意セーブ方式。

主なルール

主なモード

  • アーケードモード
    • 通常のステージクリア方式でゲームが進められるモード。1人プレイ専用。
      • ステージ開始時と特定ステージクリア時は2ルートのステージ分岐が選択でき、ルートによってステージ内容に変化が生じる。
  • ストーリーモード
    • ステージMAPから好きなステージを選びながら攻略していくモード。1人プレイ専用。
      • アーケードモードよりもステージ数が大幅に多いという理由で、特定ステージをクリアすると途中セーブが任意で行える。
  • 対戦バトルモード
    • 対戦形式によるプレイが行えるモード。二人プレイ専用。
      • このモードをプレイするにはGBA本体と本ソフトが2つづつ必要となる。
  • スペシャルモード
    • 謎のモード。1人プレイ専用。
      • ゲーム開始時では何の項目もないが、アーケードとストーリーモードでとある条件を満たすと項目が出現する。
      • 詳細に関しては割愛する。
  • ハイスコア
    • アーケードモードとストーリーモードのスコアランキングを確認できる。
  • オプション
    • 「3段階からの難易度調整」「2タイプのキーコンフィグ」「スタッフクレジットの鑑賞」ができる。

基本ルール

  • うみにんの選択について。
    • 全モードにおいてステージ開始前に、プレイヤーキャラを「うみにん(青)」「やまにん(緑)」「たににん(赤)」から選択できる。
      • 「"うみにん"は平均性能」「"やまにん"はパワー性能」「"たににん"はスピード性能」という性能差を持っている。パワーやスピードがどうゲームに影響を及ぼすのかは下記にて。
      • アーケードモードでは特定ステージクリア時のルート選択時が発生する度にキャラを選び直す事ができる。
  • 操作系統。
    • 全モード・全キャラ共通の操作となる。
      • 十字キー左右で"うみにん"達の左右調整。
      • Aボタンで"うみにん"達のスピードを一時的に低下させる。
      • Bボタンで"うみにん"達のスピードを一時的に上げる。
  • ゲームシステムについて。
    • 本作は俗にいう「ブロック崩しゲーム」のルールを採用している。
      • ボールにあたる"うみにん"達を操作して画面内にある「ジェム」というブロックを当ててすべて破壊し、開いた出口に彼らを接すればステージクリアとなる。
      • ジェムには複数の色があり、"うみにん"達と同色のジェムしか破壊できない。他の色を破壊するには、画面内にある「カラーチェンジャー」という装置に彼らを触れさせる必要がある*1
      • ストーリーモードではボスステージに遭遇する場面がある。このステージでは"うみにん"達をボスに特定回数弱点に当てると倒す事ができ、撃破後にて開いた扉へ彼らを接すればステージクリアとなる。
      • アーケードモード限定で外壁に触れずにジェムを連続で3つ以上破壊すると「コンボ」が発生する。コンボが多ければ多大なスコアを稼げるチャンスとなる。
    • "うみにん"達の移動性質に関して。
      • ステージ内の四隅は外壁に覆われており、"うみにん"達が外壁に触れると反対方向へ移動する性質がある*2
      • "うみにん"達は常に自動的に上下移動を行う為、左右調整やスピード調整のみで彼らの動きを制御しなければならない。
      • 本作には従来のブロック崩しゲームでいうところのパドルは存在しない。四隅の外壁がパドルの代用として"うみにん"達を跳ね返す形となる。
      • 使用しているキャラによって上下移動のスピードに相違がある。"たににん”が最も速く、"やまにん"が最も遅く動く。
  • ステージクリア・ミス条件について。
    • ステージクリア条件は上記でも述べた通り「画面内のジェムをすべて破壊して開いた出口に入る」か、「ボスを倒して開いた出口に入る」のいずれかとなる。
    • ミス条件は「"うみにん"達がデススカルに触れる」「各ステージに設けられた制限時間が0になる」「ボスの攻撃をもらってしまう」のいずれかとなる。
      • 残機制でミス後は即戻り復活となる。残機をすべて失うとゲームオーバー。アーケードモードでは有限のコンティニューが可能。
      • 裏技ではあるが、オプションでコマンド入力すれば残機を減らなくすることも可能。
  • ブロック・アイテムについて。
    • ステージ内に登場する主なブロックとアイテムは以下の通り。
      + ブロック・アイテムの詳細
    • ブロック
      • 「ジェム」…これに"うみにん"達を当て、すべてを破壊する事がステージクリア条件の一段階となる。複数のカラーあり。
      • 「カラーチェンジャー」…これに"うみにん"達を当てると、彼らが対応した色に変色する。複数のカラーあり。破壊不可能。
      • 「出口」…ジェムをすべて破壊、もしくはボスを撃破すると扉が開き、その中に"うみにん"達を接させるとステージクリア。
      • 「壁」(破壊物)…これに"うみにん"達を当てると破壊できる。耐久度があり、"やまにん"は少ない回数、"たににん”は多い回数を当てないと破壊できない。複数種類あり。
      • 「壁」("やまにん"対象破壊物)…プレイヤーキャラが"やまにん"でないと破壊できない壁。
      • 「壁」(破壊不可能)…どのプレイヤーキャラでも一切の破壊ができない純粋なる障害物。
      • 「ジェムウォール」…これに"うみにん"達を当てるとジェムが出現する。もちろん、このジェムもステージクリア条件の為に破壊する必要がある(すなわち、二重破壊の手間がかかる)。
      • 「デススカル」…これに"うみにん"達が当たるとミスしてしまう。破壊不可能。絶対に触れてはいけない壁。
      • 「宝箱」…これにこれに"うみにん"達が当てると、何かのアイテムが出現する。但し、はずれ(アイテムなし)の場合もある。
    • アイテム
      • 「スコアアップ系」…その名の通りスコアアップの効果。複数の種類あり。アイテムによっては特定数取得すればスコアと同時に1UPなどの恩威を受けられる場合がある。
      • 「爆弾」…周囲にあるジェムと破壊可能な壁を破壊してくれる効果。
      • 「マルチカラー」…一定時間、どの色のジェムも"うみにん"達の色に関係なく破壊できる効果。
      • 「フィールドポーション」…一定時間、デススカルに触れてもミスせずに済む効果。
      • 「ライフ」…1UPの効果。
      • 「ハードブロック」…一定時間、デススカルの周囲に鉄の檻が張られ、デススカルに触れてもミスせずに済む効果。フィールドポーションとほぼ同効果。
    • ブロックは"うみにん"達を触れさせる事で破壊(例外あり)ができ、アイテム関係は彼らを触れさせる事で取得できる。
    • アイテムはモードによって出現種類が違う。また、このページで表記していないブロックやアイテムもある。

評価点

  • "うみにん"達が可愛さが多く詰まっている。
    • "うみにん"だけではなく、その派生キャラである"やまにん"と"たににん"もメインとして出演している。この3キャラが全員出演しているゲームは今現在本作のみ。
      • ストーリーモードの怪しくもゆるいノリもなかなかの見所で、これを見たいが為にモードをこなしていく目標を持つ。
      • ジェムを破壊すると中から閉じ込められていた"うみにん"達*3が放出される演出が小気味良い。
  • ブロック崩しとしては割と熱中できる出来。
    • 上下に動く"うみにん"達を調整して、様々なブロックを破壊していく様が楽しい。
      • あまり派手な演出はなく、終始ちまちまとしたプレイスタイルとなるのは必至だが、この「ちまちまとジェムや壁を破壊していく」様が地味に熱中できる。
      • 「無理をせず確実にジェム消しを狙う」という安定感重視のプレイの他に、「コンボ狙いでジェムを連続消しする」という上級テクを目指す楽しみもある。

問題点

  • 「パズルゲーム」としての違和感。
    • 概要でも述べた通り、本作はパズルゲームというよりブロック崩しゲームとしての一面が強い。
      • 確かにブロック崩しゲームも「ボールを的確に反射させて瞬発力を要する」パズル性を持っているジャンルだが、本作はジャケットではっきりと「アクションパズルゲーム」と表記されている。
      • ジャケット裏のゲーム画面を見る限りではブロック崩しゲームにはあまり見えない外観であり、「思考型パズルだな」と期待すると大きく裏切られる事となる。
      • ジャケット裏では「ブロックを体当たりで破壊する」とは表記されているが、明確に「ブロック崩しゲーム」という表記がされていない。
  • 鬼畜気味な難易度。
    • ブロック崩しとしては無難な出来の本作だが、その難易度はおかしい位に高い。
    • 融通の利きにくい"うみにん"達の操作。
      • "うみにん"達の移動スピードがやけに速く*4、まずはこの速さを把握できないとゲーム内で何が起きているのかが理解できないという事態に陥るのは必至となる。
      • "うみにん"達はノンストップで上下移動を繰り返す為、自分の合ったペースで操作するのはほぼ不可能であり、彼らの動きのパターンを知っておかないと絶対にまともなクリアはできない
    • 最凶の敵「デススカル」。
      • 操作に慣れても順調なプレイが望める保証はない。というのは、本作にはあまりにも悪質なミス要因であるデススカルがびっしりと配置されている為である。
      • デススカルは"うみにん"達とほぼ同じ大きさで、一見するとさほど驚異的な存在には見えない。しかし、当たり判定が尋常じゃない程にでかく、避けるのは相当な困難を極める
      • どうもデススカルは接近した"うみにん"達を微小に吸い込む性質があるらしく、どうみても数ドット程度でかわしているのにミスとなる事態が多数となる
      • さらに最悪な事にデススカルは破壊不可能な壁扱いなので、存在を消す方法が一切ない。下手すると同じステージで「デススカルの脅威による連続ミス」なんて事が普通に起きる。
      • 制御がしにくい"うみにん"達の上下移動に翻弄されながらも、至るところに配置されたデススカルを必死に回避しなければ、待っているのはゲームオーバーのみである。
    • あまり当てにできないコンティニュー・セーブ。
      • こういうきつい難易度にもかかわらず、アーケードモードは有限コンティニュー、ストーリーモードは特定地点のセーブのみでコンティニューなしというスパルタ仕様となっている。
      • ストーリーモードのセーブはしっかりと「その状態の残機のままでセーブ」されるので、セーブのし方によっては残機不足でいとも簡単に詰む
    • デススカルの影に隠れがちだが、ストーリーモードのボスステージも難関が多い。
      • 「いきなり突進("うみにん"達がこれに触れるとミス)し、回避のし様がない」といった理不尽気味なミス要因に遭遇しがちである。
  • 通信対戦における問題。
    • 対戦バトルモードをプレイするには「GBA本体と本ソフトがそれぞれ2つ必要」で、経費的な意味で対戦プレイのハードルが高くなっている。
      • 1人用モードですらゲームバランスに問題があるのに、その土台で高い費用をかけて対戦する意義があるのかといわれると激しく疑問である。
  • 説明書の表記が分かり難い。
    • 何故か説明書におけるゲーム画面表記のページが少なく、文章表記メインとなっている。
      • しかも、無理やり詰め込んだ感じでびっちりと文章が書かれているので、視覚的にゲームルールの理解がしにくい。
      • これはAmazonのレビューでも指摘されており、「ちゃんとゲーム説明をする気があるのか?」と企業態度を疑ってしまう。
      • ゲーム説明は大雑把なくせに、「"うみにん"達のプロフィール情報」に4ページ、「おまけの4コマ漫画」を2ページも使っており、変なところで凝っているのも謎である。
        ちなみに説明書の総ページ数は表紙を含めて32ページある。そこそこ多いページ数だが、それでもゲーム説明が分かり難いというのはどうなのだろうか……

総評

  • ブロック崩しゲームとしては面白い素質を持っているが、完全にライトゲーマーを無視したその難易度のせいで「"うみにん"達の脱力感に浸れる余裕もない」という問題を抱えている作品。
  • 唯一の"うみにん"のゲームである本作だが、主に難易度面での不備が多い出来となっている。同時期のメサイヤ関係のゲームは微妙なものが多いが、残念ながら本作もまたそれに当てはまっている……

余談

  • 元の『Gem Smashers』は海外のみGBA以外の機種でも出ており、最新版はPS4/Switch/XB1の3機種マルチで発売されている。
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最終更新:2020年06月25日 19:46

*1 例えば、赤のジェムを破壊したければ赤のカラーチェンジャーを、緑のジェムを破壊したければ緑のカラーチェンジャーに"うみにん"達を触れさせなければならない。

*2 上の外壁に"うみにん"達が接すると、下に方向転換する。

*3 ストーリー上では「仲間の"うみにん"達がジェムの中に閉じ込められ、プレイヤーキャラの"うみにん"達が体当たりで彼らを救出する」という設定となっている。

*4 最もスピードが遅い"やまにん"ですら相当なスピードで動き回る。