ハイ! ハイ! パフィー★アミユミ

【はい はい ぱふゅーあみゆみ】

ジャンル アクションゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 D3パブリッシャー
開発元 アルトロン
発売日 2005年12月22日
価格 5,040円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所
レーティング 全年齢対象
判定 なし
ポイント アメリカ産PUFFYゲーム
パズル要素の強いアクション
キャラゲーとしての魅力に欠けている


概要

「愛のしるし」などのヒット曲で知られる女性歌手グループ「PUFFY」をモデルにした、カートゥーンネットワーク制作の同名アニメを原作とする横スクロール型アクションメインのゲーム。
登場キャラの設定はほぼそのままの形で再現されている。オートセーブ方式。

主なルール

  • ゲームの目的について。
    • メインは横スクロールアクションゲームだが、それに挟まれる形で横スクロールシューティングもプレイする形となる。
      • 全6ステージ*1構成で各ステージは3~4エリアに分かれている。ステージ2~6の初回エリアは必ずシューティングパートとなり、それ以外のエリアはアクションパートで構造されている。
      • 各ステージをクリアするとセーブがされ、本体の電源を消してもそこからの再開ができる。
  • 隠し要素について。
    • ゲーム内でとある条件を満たすと「隠し要素」が解禁されていく。
      • 要素の一部としては「隠しステージ解禁」「ステージセレクト」「サウンドテスト」などが挙げられる。

アクションパート

  • 操作系統。
    • 各キャラ共通操作。
      • 十字ボタン左右で左右移動。同じキーを2回連続で押せばダッシュ移動。
      • 十字ボタン上下を押しっぱなしでその位置のスクロールを確認できる。
      • 十字ボタン下でしゃがみ動作。十字ボタン斜め下でしゃがみ移動もできる。しゃがみ中の攻撃も可能。
      • はしごに近づいて十字ボタン上下でそれの乗り降りができる。
      • 隠れドアの近づいて十字ボタン上押しっぱなしでその中に隠れられる。
      • Aボタンでジャンプ動作。ジャンプ中の攻撃も可能。
      • Bボタンでパンチ攻撃。
      • 段差の近くにジャンプして十字ボタン左右でしがみつき、その状態でAボタンで段差上に登れる。
      • 十字ボタン下 + Rボタンで「パワーコードアタック」。
      • Lボタンで「キャラクターチェンジ」。
      • L + Rボタン同時押しで「ジャムセッション」。
    • Ami専用操作。
      • Aボタンを連続で2~3回押すと「二~三段ジャンプ」。
      • Rボタンで「マイク投げ攻撃」。
      • フックが設置されている場所でマイク投げ攻撃をすると、そこにマイクを引っ掛けてぶら下がれる「ポスト回転」(ラバーリングアクション)。
        ぶら下がり中にジャンプ、もしくは二~三段ジャンプをする事も可能。
      • ジャンプ中に十字ボタン上で落下速度が低下する「マイク浮かび」。
    • Yumi専用操作。
      • Bボタンを連続で2回押すと「コンボアタック」(連続攻撃)。
      • Rボタンで「ギターアタック」。
      • ジャンプ中にRボタンで「ギタースライドアタック」。
      • 動かせるブロックに近づいてBボタン押しっぱなしにしながら十字ボタン左右で「ブロックを押し引きする動作」。
  • キャラの使い分けについて。
    • 本作は「Ami」と「Yumi」の2キャラを使い分けるシステムを採用している。
      • 「キャラクターチェンジ」を行うと、控えていた相方キャラがプレイヤーキャラとなる。
        チェンジはプレイヤーキャラが立っている状態であればいつでも使用でき回数制限はない。
        但し、チェンジをすると画面上部にある「キャラクターメーター」が消費され、時間経過で完全回復しないとチェンジを受け付けない制限がある。
      • AmiとYumiには明確なる性能差があり、場所によってはどちらかの性能を駆使しないと先に進めない。よって、各キャラを使い分ける必要がある。
  • 各キャラの特殊性能。
    • 人型の雑魚敵はいかなる攻撃でも倒す事ができない*2。人型敵を避けて通るには「パワーコードアタック」を当ててひるませる必要がある*3
      機械型の雑魚敵にはパワーコードアタックは一切効かない。また、人型敵にパワーコードアタックとジャムセッション以外の攻撃手段を当てるとスコアダウンのペナルティとなる*4
    • 画面上にある「ジャムセッションメーター」が最大状態だと、画面内の敵にダメージ及びひるみ効果を及ぼす「ジャムセッション」が出せる。
      ジャムセッションを出すとジャムセッションメーターが消滅してしまう。パンチ攻撃などの何かの操作を繰り返し行うとメーターが徐々に回復していく。
  • Amiの特殊性能。
    • Yumiに比べると全体的に移動速度が遅い。また、ジャンプ中に独特の浮遊感がある。
    • 非力なキャラである為、ジャムセッションを除くすべての攻撃操作に一切の攻撃力がない(当てても敵をひるませるだけの攻撃に留まる)。
    • 二~三段ジャンプやポスト回転を駆使する事で、大きな穴場を乗り越えられる。
  • Yumiの特殊性能。
    • Amiに比べると全体的に移動速度が速い。
    • パワーキャラである為、パワーコードアタックを除くすべての攻撃操作に攻撃力がある。よって、実質上Yumiでなければ機械型敵やボス敵にダメージをあたえる事はできない。
    • ギタースライドアタックで短距離の直進飛行ができる。
    • ギターアタックで特定ブロックを破壊でき、破壊できないが動かせるブロックは押し引きできる。
  • エリアクリア条件について。
    • エリアは主に「ボス不在のエリア」と「ボス専用エリア」の2タイプがある。
      • ボス不在のエリアは「道中戦を攻略し、ゴール地点に設置されたアンプをゲットすれば」クリアとなる。
      • ボス戦用エリアは「ボスを倒せば」クリアとなる。なお、このエリアには道中戦はない。
      • エリアをクリアすると、残った制限時間が次のエリアから上乗せされるボーナス。
  • 仕掛け・アイテムについて。
    • 各エリア内にはクリアするのに必要不可欠な仕掛けやアイテムが配置されており、これをどの様に活用するかが攻略の鍵となる。
    • 主な仕掛けは以下の通り。
      • 「ブロック」…Yumiのギターアタックで破壊、もしくは引き押し動作で動かせる。
      • 「スイッチ」…動かせるブロックをスイッチに下へ落とすと、何かの通行止めが解除できる。
      • 「レバースイッチ」…これを攻撃すると周辺にある地形が移動する。攻撃する度に何度でも発動可能。
      • 「フック」…Amiのポスト回転でぶら下がれる。
      • 「隠れドア」…ここに隠れている間は完全無敵となる。周囲には岩などの突進系障害物が必ず転がっており、これを利用しないとダメージ確定となる。
      • 「敵」…特定の機械型敵を全滅させると、何かの通行止めが解除できる。
    • 主なアイテムは以下の通り。
      • 「音符」…各ステージ毎に必ず99個(3エリア × 33個)配置されている。多く取るほどステージクリア後のスコア結果が高くなる。すべて回収するといい事が…。
      • 「楽器」…ステージ1~5のアクションパートエリアに必ず1個配置されている。取得した楽器を入手すると二度とそれは手に入らない。すべて回収するといい事が…。
      • 「アンプ」…ボス不在のエリアのみの存在。これを取得すればエリアクリアとなる。
    • 猫に関して。
      • 各エリアには「テキライ」(白猫)と「ジャンケン」(黒猫)という猫が何匹が配置されている。
      • これらにプレイヤーキャラを近づけてしゃがんでおくと、なでなでする事ができ何かの恩威が受けられる。なお、1回なでると猫は消えてしまう。
      • テキライをなでるとライフ全回復、ジャンケンをなでると1UPの効果が得られる。
  • ミス条件について。
    • ライフ制と残機制の両方を採用している。
      • ライフゲージは5メモリ分があり、敵・攻撃・障害物などに触れる事で1メモリが消費され、すべてなくなるとミスとなる。
      • 落とし穴に落ちてしまうとライフゲージに関わらず即ミスとなる。
      • 各エリアには制限時間があり、これが0になってしまうと即ミスとなる(即ゲームオーバーではない)。
    • ミス後の復活に関して。
      • ミス後は画面が一旦暗転した状態での復活となるが、敵や制限時間などの状況は一切変わっていない為、事実上の途中復活の意味合いとなる。
    • ゲームオーバー・コンティニューに関して。
      • 残機をすべて失うとゲームオーバーとなり、コンティニュー選択となる。コンティニューは無制限だが、再開後はそのエリアの最初からのやり直しとなってしまう。

シューティングパート

  • 操作系統。
    • このパートではAmiとYumiを乗せた飛行型ツアーバス(自機)を操作する。
      • 十字ボタンでの移動操作。
      • Bボタン押しっぱなしでオートショットを放てる。
      • Rボタンでボンバー的効果の手榴弾攻撃を放てる。使用回数制限あり。
  • エリアクリア条件について。
    • 従来の強制スクロール型シューティングと全く同じ「エリアの最後に待ち構えるボスを倒せば」クリアとなる。
  • アイテムについて。
    • 特定の敵を倒すと以下のアイテムを落とす。
      • 「ライフ」…ライフゲージが1回復。
      • 「ボム」…手榴弾ストックが1増える。
  • ミス条件について。
    • 大体はアクションパートと同じなので割愛。
      • 強いていえばシューティングパートには落とし穴や制限時間の概念はないといった相違はある。

評価点

  • キャラの動きが細かい。
    • AmiとYumiを筆頭に、登場キャラの躍動感溢れる動作が素晴らしい。
      • 各キャラの動きのバリエーションはなかなか多彩であり、「キャラを動かす楽しみ」が多く詰まっている。
      • この辺は流石アニメの原作を持つゲームといった感じで、いい感じにキャラゲーらしい仕事をしているといえる。
  • 適度に頭を使うアクションパート。
    • 本作のアクションパートは「数々の仕掛けを作動させて通行止めを解除していく」というパズル色の強いゲーム性となっている。
      • この難易度が絶妙であり「ちゃんと考えれば必ず道が開ける」バランス調整がなされている。
      • ミスしてもそのままの状態での再開となるので、この手のゲームにありがちな「いちいち前地点から仕掛け作動のやり直しをしなければならない」という負担が少ないのも嬉しい。

賛否両論点

  • クセの強いキャラクターデザイン。
    • これは原作のアニメ版からしていえる点だが、あまり日本受けする様なデザインではない。
      • 有名どころでいえば「パワーパフガールズ」などと非常に近いコミカルカートゥーン的な絵柄であり、そういうのが苦手な人は拒絶感を覚えてしまうかもしれない。
      • もちろん原作を忠実再現したゲームなのでその絵柄なのは当然であり、好みが分かれるかもしれないがデザインそのものは十分に魅力的である。
    • プレイヤーキャラがあんまりPUFFYに似てない?
      • 特にYumiは男にしか見えない位にいかつい風貌でとても当人と同じキャラには見えない。とはいえ、これも原作再現なのだが…。
      • タイトル画面やセーブ中画面ではPUFFY本人の実写映像が表示される。プレイヤーキャラと比べてもあんまり似ていない様に見えるが、そこは深く気にしてはいけないのだろう。

問題点

  • キャラゲー的な演出が少ない。
    • あってない様なストーリー描写。
      • ゲーム開始時に簡易なプロローグイベントが描かれるが、その後はまともなストーリー描写がほとんどない。
      • よって、原作と同じノリのストーリーを期待すると、相当物足りなさを覚えるのは必至だと思われる。
      • 好意的に解釈すれば「余計なストーリー描写なしでゲームに集中できる」ともとれる。なお、イベントはすべてスキップ可能である。
    • PUFFYらしさに欠けるBGM周り。
      • GBAの容量的な問題もあるのかボーカル曲は一切収録されておらず、PUFFYの歌が聴けないのは寂しい。
      • ゲーム内で流れる楽曲に関しても、ファンキーなノリではあるもののPUFFYのゲームとしてはどうも地味に聞こえる。楽曲自体もあまり多くない。
  • ややボリューム不足気味。
    • フルプライス(約5,000円)のソフトとしては物足りないボリューム。
      • 表面上では「6ステージ構成 × 3~4エリア」しかなく、この手のゲームとしてはステージ(エリア)数が少ない部類。隠しステージを含めても気持ち程度の追加ボリュームでしかない。
      • 各ステージ(エリア)の道のりはさほど長い訳でもなく、その気になれば数時間でオールクリアと隠し要素解禁ができてしまう。
  • ゲームとしての問題点など。
    • 敵を倒す爽快感は少ない(アクションパート)。
      • 評価点でも述べた通り、本作はパズル色の強いゲーム性であり、「溢れる程の敵をガスガスと攻撃していく」系統の面白さは非常に薄い。
      • 敵の出現率は控えめで、敵種類も数える位にしかなく、どの敵もちまちまと攻撃するだけの地味な行動となるので、間違っても無双的な楽しさは期待してはいけない。
      • シューティングパートは敵配置が多めで、それなりに攻撃する爽快感がある。
        といっても、あくまでも「アクションパートと比べると爽快感がある」程度で、従来のシューティングに比べるとあまり面白みがある訳ではないが…。
    • 連鎖ダメージを起こしやすい。
      • ダメージ後の無敵時間が短めで、場合によってはライフがごっそり持っていかれる事態に陥りやすい。
    • 制限時間を回復させる方法がない。
      • 制限時間回復アイテムもなければ、ミス後の復活でも回復しないので、あまりにも制限時間が足りていないと時間不足で詰み(ミス)になってしまう。
      • 幸いにも制限時間は多めなので、よほど右往左往しない限りは時間不足になる心配は薄い。とはいえ、仕掛けがより複雑となる後半ステージは油断ができないが…。
    • ステージ単位でしかセーブできない。
      • 各ステージのエリアだけをクリアしても一切のセーブがされない。よって、いざという時のこまめな中断がし辛い。

総評

ボリューム不足ながらもアクションゲームとしての出来はしっかりとしており、ありがちな駄キャラゲーになっていないのは純粋に評価できる作品。
しかし、一作品としては「PUFFYのキャラを拝借しただけのアクションゲーム」に留まっており、別にノンキャラゲー路線でも事足りてしまう点は残念な次第。

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最終更新:2022年05月10日 03:57

*1 ゲーム内では「ワールド」表記だが、このページでは便宜上ステージと表記する。

*2 人型敵は全員PUFFYのファンという設定で、敵というよりは単に「PUFFYの熱心な追っかけとして邪魔してくる」という存在である為。

*3 パワーコードアタックは「人型敵をイカしたメロディーでメロメロにしてひるませる」効果があり、物理的な攻撃力は持たない。

*4 PUFFYファンを物理的に攻撃して怪我を負わせたという意味合いのペナルティとなる為。