本稿では『Dragon's Dogma』と、拡張版である『Dragon's Dogma Dark Arisen』を紹介しています。判定はともに「なし」です。



Dragon's Dogma

【どらごんずどぐま】【ドラゴンズドグマ】

ジャンル オープンワールドアクション

対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
発売・開発元 カプコン
発売日 2012年5月24日
定価 7,990円(税込)
プレイ人数 1人(ネットワーク機能対応)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
廉価版 PlayStation 3 the Best / プラチナコレクション
2013年2月14日/2,990円(税込)
判定 なし
ポイント 簡単アクションで派手な戦闘部分は高評価
充実したキャラクタークリエイト機能
アクションRPGとしては好評
オープンワールドとしての作り込みには難アリ


思い描いた冒険が、ここにある。



概要

日本では当時馴染みが薄かったオープンワールドゲームにカプコンが挑戦した作品。開発メンバーは伊津野英昭氏を始めとした『デビルメイクライ』シリーズのスタッフが中心となっている。
同社は次世代機で『DEAD RISING』などの箱庭を自由に行き来する作品は手掛けていたが、オープンワールドを全面に押し出したのは本作が初となる。
The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズ、『Two Worlds』シリーズなどのMMORPGライクなオープンワールドゲームが世界的な人気を博していた当時のゲーム市場へ、国内メーカーが初めて本格的に切り込んだ一作と言える。

いわゆる剣と魔法の世界を舞台とし、全体的なデザインは良く言えば馴染み深いが悪く言えば使い古されているものの、手軽で爽快な戦闘面では独自のテイストが光る。
多人数プレイはできないものの、非同期なオンラインシステムを搭載している。その交流にもSNSと連動させたりするなど、プレイヤー間の交流性は強い。


プロローグ

人と魔物が住まう、とある世界。
かつて戦士サヴァンに退けられた伝説のドラゴンが復活し、平穏な海辺の村カサディスを襲う。
勇敢な漁民の青年は剣を取ってドラゴンに挑むが、圧倒的な力の前にあえなく打ち倒される。
青年が浴びせた一太刀に目を止めたドラゴンは、何事かを呟いて倒れた青年に爪を向け、その心臓を抜き取る。
青年が意識を失う寸前に目にしたのは、己の心臓を呑み込むドラゴンの姿だった。

目覚めた青年は、ドラゴンが去り、己が心臓を失いながらも生きていることを知る。
戸惑いながら村を歩くうち、異空に繋がるという碑石「リム」から一人の男が現れ、青年に仕える意を示す。
男は、かつてサヴァンも従えた「ポーン」。人間の忠実な戦徒となる異世界の住人だった。
ポーンの導きでドラゴン討伐隊の宿営地へ向かった青年は、その地のリムから「覚者」たる資格を示すよう呼び掛けられる。
時を同じくして宿営地を魔物が襲い、それを退けた青年は、リムに覚者と認められ、自在にポーンを従える力を得る。
覚者とは何者なのか、ドラゴンとは何者なのか。
真実と世界の秘密を知る青年の旅が始まる。


基本システム

キャラクターメイキング

  • プレイヤーである「覚者」と、パートナーとなるNPC「メインポーン」を好みの容姿に作り上げることができる。
  • 顔、胴体、手足といった各パーツに多くの基本形状が用意されており、さらに筋肉量などの細かいパラメーターをスライダーで調整できる。
    • 設定した体格によって身長、体重も設定され、これらは当たり判定、攻撃のリーチ、スタミナ消費量と回復速度、所持重量など、ゲーム内で多岐にわたる影響を与える。
    • 完成したキャラクターはリアルタイムレンダによるムービーにも反映される。
    • 2012年のゲームとしてはかなり詳細なキャラメイクが可能で、若き美男美女からしなびた老人、怪物じみた大巨人まで幅広く作れる。ムービーでは表情も変化し、高品質な作り込みになっている。
  • 外見だけでなく、ボイスタイプの設定も可能。
    • メインポーンにはシーンに合わせて多彩なセリフが用意されており、他の登場人物同様フルボイスで喋る。さらに口調の設定も可能。
    • 覚者にセリフはないが、掛け声や被ダメージ時の喘ぎ、息を呑むといった声の演技がある。

ポーンシステム

  • 本作の大きな特徴の1つ。最大4人のパーティを組めるが、プレイヤーの操作キャラは主人公である「覚者」のみで、残る3人はCPUが操作するNPCの「ポーン」になる。
  • ポーンは常に覚者と行動を共にする「メインポーン」と、色々な場所で雇える「サポートポーン」の2種類がいる。
  • ポーンには外見や能力値、習得スキルの設定のほか、性格や口調の設定もある。
    • 性格は「攻撃的か守備的か」といった単純なものではなく、様々な行動の優先度の集合体。これによって戦闘時の動き方が大きく異なる。
      • 優先度が設定される行動は「覚者の安全を優先する」「弱い敵から狙う」「強い敵から敵を狙う」「積極的にアイテムを拾う」などと多岐にわたる。
      • 同じスキルを持っていても、それを活かせる性格であるか否かで、優秀さが全く異なるようなこともある。
    • 口調には「臆病」や「野蛮」などがある。性格とは関連がなく、口調は臆病なのに大物を真っ先に潰しに行くようなポーンもいる。
  • ポーンは敵やクエスト、場所への知識を持ち、それらも更新されてゆく。
    • 戦闘を重ねて敵の弱点や有効な攻め方を発見すれば、以降は戦闘中にセリフで伝えてくれるようになる。敵の攻略情報を得られる「指南書」というアイテムもある。
    • クエストを進めると進行状況に応じたヒントをくれる。場所の知識を得れば、現在地の地理や構造についてコメントするようにもなる。
    • 知識はメインポーンと全てのサポートポーンで共有される。
  • メインポーンは覚者同様にジョブの変更が可能で、さらに性格や口調も変えることができる。
    • メインポーンの性格・口調は、特定の設備やアイテムで調整することもできる。また、性格は戦闘時に実際に取った行動によって緩やかに変動する。
  • サポートポーンはジョブやスキルの変更はできず、レベルも上がらない。より優秀な者に入れ替えていくのが基本。
    • 各地の碑石「リム」にアクセスすると覚者と同程度のレベルの者が数名出現するほか、ジョブや所持スキルなどの条件で検索して呼び出すことも可能。また、フィールドや街中を歩いている者を雇うこともできる。
    • 覚者より高レベルの者を雇うこともできるが、レベル差に応じて専用通貨が必要になるため、覚者より極端にハイレベルな者は雇いにくくなっている。
    • オンライン接続時は、後述するポーン共有で他プレイヤーのメインポーンをサポートポーンとして雇用できる。
    • 装備の変更はできるが、外した装備は消えてしまう上、与えた装備も「プレゼント」になり取り返せなくなる。他プレイヤーのポーンを雇う場合、これはコミュニケーションの一つになっている。
  • ポーンは覚者と違い体力がなくなっても即死はせず、その場でダウン状態になる。
    • 蘇生はワンボタンで瞬時に可能。しかし、ダウン状態で長時間放置したり、特定の攻撃を食らったり、奈落や水に落ちたりすると「ロスト」し、パーティーから外れてしまう。
    • ロストしても大きなペナルティはなく、メインポーンならリムに近寄るだけですぐに復活し、サポートポーンでも再雇用制限などは掛からない。もっとも近くにリムがないダンジョン内などでロストした場合は厄介だが。
  • ちなみに、ポーンには「人間とほぼ同じ姿をした異世界出身の種族で、感情や主体性に乏しく、人間に護衛や兵士として使役されるためにこの世界へ来訪している」という設定がある。
    • 人間には無条件で仕える存在であり、プレイヤーである覚者を「覚者様」「マスター」などと呼ぶ。
    • 作中であまり種族の詳細が掘り下げられることはないが、老化によって死ぬことはないらしい。

所持重量

  • アイテムには重量が設定されており、キャラクターメイキングで決定されたキャラクターの体格で所持重量が決められる。
  • 所持重量の基本的な上限は高く、新たにアイテムが取れなくなるほど逼迫することは少ないが、総重量がかさむにつれてスタミナ回復速度や移動速度が低下するため、あまり低いと戦闘で不利になりやすい。
  • 装備品にも重量があり、所持重量に反映される。基本的に本作の装備品は防御力が高いほど重いため、重装備で固めると立ち回りには悪影響が出る。

戦闘

  • 同社の『モンスターハンター』と同じようにスタミナの概念がある。通常攻撃ではスタミナは消費されず、スキルを使用することで消費される。スキルには様々な武器攻撃や魔法が含まれる。
  • 魔法もスキルであり、スタミナを消費して使用する。
    • 「魔法は肉体の一部を触媒とし、それが重要な部分であるほど強力になる。大半の魔術師は肺や心臓を触媒にしており、戦士にも劣らぬほど身体に負担を掛けている」という設定が、とあるNPCとの世間話で語られる。
  • 操作系はシンプルで覚えやすい。
    • 通常攻撃は弱攻撃と強攻撃の2種類。ジャンプ中に攻撃すればジャンプ攻撃になる。
    • スキルの使用も「R1/LIボタンを押しながら各ボタンを押すことで、それぞれにセットしたものを発動」と簡単。
    • ジョブランクを上げてから習得できる特定の派生技でも、「タイミングよくボタンを入力」や、「入力のタイミングを遅らせる」だけと同じくシンプル。
  • アクションのキャンセル手段が多く、テンポの良い戦闘が可能。打ち上げからの空中追撃に繋ぐことができるジョブもある。
  • 遠隔攻撃魔法には自動照準のものが多く、ストレスが少ない。一方で弓の攻撃は大半が手動照準で、レスポンスの悪いコントローラー操作では精密な狙撃はやりにくい。
  • 大型の敵にはしがみ付いて攻撃できる。しがみ付きながら移動も可能で、足を集中攻撃して転倒させる、翼を集中攻撃して飛べなくする、装甲を破壊して弱点を露出させるなど、『モンハン』シリーズに似た部位攻撃のシステムと併用されている。
    • しがみ付き攻撃を得意とするジョブもいる。
  • 「つかむ」コマンドで人間サイズ以下の敵に羽交い絞めや押さえ込みを仕掛けられる。敵性のないポーンやNPC、小動物は抱え上げることも可能。
    • 対象は無防備になり、被ダメージが増加する。物理攻撃系のポーンは戦闘行動として羽交い絞め・押さえ込みを多用する。
    • 倒れたポーンを抱え上げて動かしたり、特にメリットはないがNPCを抱え上げて高所から落としたりすることも可能。
      • NPCへの抱え上げは好感度*1を下げ、ダメージを与えると場所によっては投獄されたりもする。

ジョブ

  • 覚者とポーンは何らかの「ジョブ」に就いてゲームを進める。
  • 片手剣と盾を使う「ファイター」や、ダガーと弓でオールレンジの戦闘に対応する「ストライダー」に加え、魔法による攻撃や支援を行なう「メイジ」などのジョブがあり、それぞれ習得できるスキルやアビリティ、レベルアップによるステータスの成長度合いが異なる。
    • ファイター、ストライダー、メイジは基本ジョブであり、プレイヤーレベル10から「上位強化職」として「ウォリアー」「レンジャー」「ソーサラー」に就ける。また、覚者のみ「ミスティックナイト」「アサシン」「マジックアーチャー」という「上級混合職」に就くこともできる。
      • どのジョブにも他ジョブにはできない仕事があり、ゲームが進んでも出番を失うジョブはない。基本ジョブでもエンドコンテンツを戦うことができる。
    • 各ジョブで最大2種類の武器を持てる。基本的に近接武器がメイン武器、遠距離又は防御用がサブ武器となっている*2。防具もジョブごとに制限があるが、前述の混合職の場合、装備できる防具の種類が多くなる傾向にある。
    • ジョブごとにプレイヤーレベルは共有で、レベルアップ時にどのジョブに就いていたかでステータスの成長度合いが変わるが、基本的にどのように育てても詰むことはないバランスに調整されている。
  • 覚者とメインポーンのジョブは、特定のNPCに話し掛けることで変更できる。
    • 1つのジョブで戦い抜くことも問題なく可能だが、最終的に目指すスタイルに向けて、計画的なジョブチェンジを行うのも楽しみ方の1つ。
      • 例えば、物理攻撃力の成長はイマイチだが高速の連撃を持つストライダーを最終ジョブとして、物理攻撃力の成長率が高いウォリアーでレベルアップを重ねるなど。
      • 6つまで装備できるパッシブ能力の「アビリティ」は、習得すればジョブ間で共有されるため、これを集めるのも最強キャラを目指す上では重要。所持重量が増えるファイターの「筋力」や、物理ダメージを軽減するウォリアーの「鉄壁」などは、どのジョブでも有用。
    • 基本職や上位強化職といった区分はあるが、ジョブチェンジルートのような制限はなく、近接系のファイターから魔法系のソーサラーへチェンジするようなことも可能。
+ 簡単なジョブ解説
  • ファイター
    • 基本職。使えるのはメイン武器が片手剣、サブ武器が盾。盾を使った直前防御や、接近戦で使い勝手のいいスキルが揃っているため、近接戦闘に優れる。一方で遠距離攻撃は持たないため飛行する敵などに対しては不利。
  • ストライダー
    • 基本職。使えるのはダガーと弓。近距離戦も遠距離戦もこなせる上、二段ジャンプや回避行動なども行うことができるため機動性が高い。
    • どちらかと言うとダガー関連のスキルが豊富なため、近接戦闘に向いている。特に空中で回転しつつ斬りつける「断頭台」というスキルは本作のスキルで屈指の高火力を誇る。
  • メイジ
    • 基本職。メイン武器は杖。様々な攻撃魔法と補助魔法を使いこなすサポート役で、すべてのジョブの中で唯一回復魔法が使える職であるため、欠かせない存在。
    • ただ、一部の強力な攻撃魔法は使えないため火力面では後述のソーサラーに劣る。また、装備できる防具は物理防御力が低めなものが多く防御面に難があり、敵の攻撃を受けない立ち回りが重要となる。
  • ウォリアー
    • 上位強化職。メイン武器は大剣とハンマー。武器の攻撃力が高くダメージを受けてもよろめきにくいため、多少の反撃は気にせずゴリ押しで敵を倒すことができる。
    • ただし、遠距離攻撃がないのはファイターと同じで機動性にも劣る。また、盾や回避行動などの防御手段を持たないため、強敵に対しては立ち回りを気にしなければあっという間にやられてしまう。
  • レンジャー
    • 上位強化職。メイン武器はダガー、サブ武器が大弓。大弓は攻撃力や射程がストライダーの弓より優れておりスキルも豊富な、遠距離戦に特化した職。その代わりにダガーのスキルは少なくなっているため接近戦はやや不得意となっている。
  • ソーサラー
    • 上位強化職。メイン武器は大杖。複数の隕石を降らせる「メテオフォール」や、巨大な竜巻を出す「ヴォルテクスレイジ」に加え、対象を即死させる「インスタントキリング」など、メイジより協力な魔法を使えるのが特徴。武器となる大杖も魔法攻撃力が杖より高く、高い火力を発揮できる。
    • ただし、強力な攻撃魔法が使える一方で回復魔法は使えない上、補助魔法も種類が減っているためサポート役には向かない。また、大魔法は詠唱にかかる時間も長く、詠唱時の時間稼ぎをできるかどうかで仕事ができるかどうかが決まる。
  • アサシン
    • ストライダーとファイターの混合職。メイン武器は片手剣とダガー、サブ武器が盾と弓。豊富な武器を扱える上、それぞれ攻撃に特化したスキルが多く、「無心斬」「流し暗殺」のようなカウンター技も持つ。固有スキルが多いのも特徴。
  • ミスティックナイト
    • ファイターとメイジの混合職。メイン武器が片手剣とメイスと杖、サブ武器が魔道盾。アサシン同様使える武器が多いのが特徴。
    • 敵を追尾する弾を発射する主要スキル「魔撃砲」で近距離、中距離とカバーでき、魔道盾も各種属性エンチャントやカウンター技の「アビスアンガー」や、攻撃のリーチを伸ばす「アビスペイン」と補助系のスキルが豊富で、様々な敵に対応できる万能型。
  • マジックアーチャー
    • ストライダーとメイジの混合職。メイン武器はダガーと杖、サブ武器が魔道弓。魔法の矢を発射する魔道弓に関するスキルが揃っている。
    • 「帯魔防」「帯魔剛」「魔導護身陣」で自身や味方の能力強化を行いつつ、複数の矢を撃ち出す「連魔弾」や跳弾を放つ「跳弾魔従」や、物理攻撃で起爆する矢を放つ「爆散魔鋲」などで攻撃役として動くことができる万能アタッカー。公式曰く最強のジョブ。

オンライン

ポーン共有

  • メインポーンはゲームサーバーで共有され、他プレイヤーとの間でサポートポーンとして貸し借りができる。
    • メインポーンが借りられている間も、自分のゲームで使えなくなることはない。
    • 他プレイヤーのポーンを雇う方法は通常のサポートポーンと同じ。リム内で検索して雇うこともできれば、フィールドを歩いていることもある。
  • 他プレイヤーのポーンはメインポーンであるため、当然、装備やスキル構成が練られている者が多い。人気ランキングもあるため、優秀なポーンを比較的容易に見付けられる。
  • 借りられたポーンが解雇されると、借り主の評価に応じて、ポーン雇用や関連アイテムの購入に必要な通貨「Rim」が得られる。また、借り主がポーンに装備やアイテムを持たせてくれていれば、それらも得られる。
    • 借りられた先で何らかの知識を得ていれば、それも自環境に反映される。自環境ではまだ戦っていない敵の攻略知識を得たりすることもある。
  • ポーン情報は宿屋に泊まることで更新され、最新状態のアップロードと、借りられた先で得たRimなどの反映が行われる。

ウルドラゴン

  • ある場所に「ウルドラゴン」と呼ばれる強力なドラゴンが出現する。
    • この敵のHPはオンライン状態では膨大なものになる一方、他プレイヤーから受けたダメージが反映される。戦闘時間に10分の制限があり、他プレイヤーのパーティが時間超過で撤退する、あるいは敗北するまでに与えたダメージが蓄積されるという仕組み。
      • 瀕死で出現することもあれば、他プレイヤーに討伐された直後のHP全快状態で出現することもある。
    • ウルドラゴンが討伐されると、自分が与えたダメージに応じて報酬が手に入る。運良く自分が討伐できれば、他では手に入らない貴重な装備が多数手に入る。
    • なお、オフライン状態でも戦うことができるが、その場合はHPがオンライン時の1/20程度に低下し、報酬のグレードも落ちる。行動パターンや制限時間、前回与えたダメージが蓄積される点はオンライン時と同じ。

評価点

グラフィック

  • 2010年代のゲームだが、グラフィックは現在の水準から見ても高品質。ムービーも滑らかで、ファンタジーならではの描写にも不自然さが少ない。
  • 作成したキャラクターも、作成画面に忠実なクオリティで動かせる。
  • セーブ中や読み込み直後などにはカクつきがあるものの、基本的には大型モンスターを含む大乱戦でも高fpsが維持される。

キャラクターメイキング

  • パーツの数はかなり多く、作れるキャラの幅は広い。
  • DLCを購入・本編中にパーツを購入するなどすればさらにパーツを増やすことも可能。

簡単かつ爽快感のある戦闘

  • 操作系がシンプルで、なおかつスキルは多彩。さらに攻撃の隙消し手段も多く、テンポの良い戦闘が楽しめる。
  • ド派手な演出やケレン味が持ち味のカプコン製アクションとしてはやや地味な作風ではあるが、攻撃時の効果音やヒット感など、爽快感の根本を支える要素はよく作り込まれている。
    • 細身のキャラが大剣を豪快に振り回すなど、キャラの動作はアクションゲームならではだが、不自然さは少なく、スピード感や力強さを感じられるものになっている。
  • 戦闘中に連携行動が発生すると、演出としてカメラがその場所を捉え、スローモーションが掛かる。
    • 敵を羽交い絞めにしたポーンが「今です!攻撃してください!」と呼び掛け、別のポーンが「トドメを刺します!」と突進技で切り込むなど、雑魚との戦いでもドラマティックな場面が見られる。
    • 操作に影響する演出であるため、オプションでOFFにもできる。
  • 敵の大群を相手取る乱戦あり、『モンハン』シリーズのような大物狩りもありで、加えて武器種やスキルが豊富なことから戦闘のバリエーションもある。

賛否両論点

低めのゲーム難度

  • プレイヤーレベルに応じてサポートポーンをマメに入れ替える、装備をグレードアップする、休息や回復アイテムの備えを怠らないといった常識的なプレイをしていれば、特に詰まることなくプレイできる。
    • 100点の立ち回りは望めずとも、ポーンは最低限すべきことは実直にこなし、蘇生も実質無限にできるので、4人パーティが全滅を喫するような場面は少ない。
    • 弱すぎるジョブもないため、少々偏った編成でも進められる。
    • フィールドからは無尽蔵に物が拾えるので、回復アイテムを調達する程度なら、やり繰りにも大して困らない。
    • 進むと戻れない場面では警告が出るため、詰みセーブを作ってしまうようなことも起こりにくい。
    • ストレスの少ない難度調整ということでもあり、必ずしも欠点ではない。思いどおりには動かないNPCを連れて戦うという内容に合わせた調整であるとも考えられる。
  • 攻略法を見出さなければ歯が立たないような大型敵や、俊敏で回避能力が高い上に集団で遠距離攻撃を連発してくる小型敵などもおり、緊張感を味わえる場面はそれなりにある。

武器強化の手順

  • 本作の装備は最大4段階まで強化できる。
    • 1~3段階目に関しては素材とお金を使って強化する。段階を飛ばして強化することもでき、その場合は途中の段階のコストが不要になる。この仕様はあまり見られないものであり、好評。
    • 一方で、4段階目の強化は店ではなく、強化したい装備を付けてドラゴン系の敵*3を討伐するという方法になっている。「竜の血を浴びることで装備が変異する」という設定に基づいており、ゲーム中でも「強化」ではなく「変異」と呼ばれている。
    • 変異は確率発生であり、装備の強化段階が3段階目で18%、2段階目で6%、1段階目で2%と、かなり渋い数値になっている。また、ドラゴン系は出現場所が限られている上にリスポーン間隔も長く、ハズレを引くとリトライに時間が掛かる。
    • 無強化を含むすべての装備が必ず変異するドラゴンは、1周で1回しか戦えない本編ボスと、狙って倒すことがほぼ不可能なオンラインのウルドラゴンの2体で、これらを回すのもあまりに効率が悪い。
      • 一応、オフラインのウルドラゴンでもLv2で10%、Lv3で30%と、変異率が高めにはなっている。
    • 総じて、この変異の仕様について不評が多い。リセット・ロード併用で野良ドラゴンをマラソンするのでもなければ、試行回数を稼ぎにくい点が不評か。

玉石混淆のDLC

  • キャラクタークリエイトの幅が広がる新しい髪型、肌色や髪色の追加パック、全身防具として装備するNPC衣装、漫画『ベルセルク』のコラボ装備などは概ね好評を得た。
  • 一方で、発売前に出版された情報誌の付録である「メダル百枚を集めるクエスト」を10分割したDLCを配信し、さらにそのシリーズが全て配信し終わった後にPart1~10まで入ったDLCを割安価格で販売するなど、カプコンの商魂を窺わせる展開も見られた。
  • 発売前から「3ヶ月連続でDLCを配信」と大々的に宣伝され、直前にアンロック式のDLCが問題になったことからも、期待と不安が入り交じった反応をされていた。
    • その後カプコンの海外役員が、本作にアンロック型のコンテンツが入っていることを話題に*4。やはりか、と落胆の声も上がったが、作品の寿命が伸びることを歓迎する声もあった。

謎の黒帯

  • プレイ中は常に画面の上下に黒い帯が配置されており、ゲーム画面を横長にしている。縦幅に対する横幅の比率がおそらく2を超えている。
    • これは16:9のディスプレイでHDMIに繋いでも起こる現象で、4:3のディスプレイでプレイすると(ハードの仕様上により)余計黒帯が広くなる。解像度対策であるとの説が有力だが、開発側から特に説明はない。
    • ちなみにこれ、予告映像などではトリミングされ、買うまで黒帯があるとはわからないようになっている。雑誌では切り取るかどうかして無理に消しているのか、スクリーンショットの比率が狂っている例も見られた。
    • 「映画みたいで格好いい!」と言う人から、「正直邪魔」「液晶が焼き付くからやめてくれ」と言う人まで様々。
    • 一応、ディスプレイによっては画面設定で解消することは可能(両端が切れるが)。

全編英語音声オンリー

  • 本作品は全編英語音声で、日本語吹き替えには対応していない。英語音声の品質自体に否定的な意見は少ないが、日本語対応を求める声はやはり多かった。
    • 「覚者」を始めとして、作中の重要な用語や固有地名の多くが日本語だが、音声では英語なので当然訳語で喋る。
      • ちなみに「覚者」は「Arisen」と訳される。これは起き上がる・立ち上がる・生じるなどを意味する「Arise」の過去分詞形で、日本語への反訳はしにくいが、「目覚めさせられた者」ほどの意味と考えられる*5
    • 拡張版では、豪華声優を起用した吹き替えが用意された。

その他の細かな点

  • クエスト進行フラグの管理が緩め。「NPCからどこへ向かうべきかを聞き出し、その場所へ向かって問題を解決する」が正規の手順でも、情報収集を省いて目的地へ直行しても進められるクエストが複数ある。
    • 開発者の「話を聞いて回らないと進まないゲームにしたくなかった」というコメントがあり、意図的な仕様である模様。味気ないとは言えるが、周回などでは手間が省けるのも確か。
    • ポーンには「クエストの知識」というパラメーターもあり、途中を飛ばす進め方では知識が完全にならないが、知識が充実することで提供してくれるのは進行のヒントなので、実害はほぼない。
  • タイトル画面で流れる曲は、B'zが1998年にリリースした『さまよえる蒼い弾丸』の英語アレンジバージョン『Into Free -Dangan-*6』であり、この選曲について賛否がある。

問題点

工夫と仕掛けに乏しい単調なオープンワールド

  • 商店や宿、リム、ストーリーに関わる重要人物などが揃った拠点が非常に少ない。具体的には、故郷の村カサディス、カサディス近くの宿営地、領都グラン・ソレンの僅か3箇所。しかもストーリー序盤でこの3箇所が出尽くす。
    • 行商人がいて宿泊・倉庫機能を使える野営地などは他に数箇所あるが、単なる補給所でありクエストなどは発生しない。
    • これら以外の砦や山賊の根城などは、NPCはいてもゲーム的な意味での「町」の機能を持っておらず、単にクエストの目的地や戦闘場所であるものが多い。
    • 家や部屋を買って整備していくような、いわゆるハウジングの機能もない。カサディスには「私室」があるが、後半で好感度の高い一部のNPCが住み着くだけ。
  • 後述の移動の問題もあって、ゲーム全編にわたってグラン・ソレンを中心に動くことになり、プレイフィールの変化に乏しい。
  • 風景のバリエーションに乏しく、フィールドの大半が野原と森と岩山。花畑や雪原といった程度の変化すらなく、どこを歩いても変わり映えしない。
    • ちなみに天候も「曇り」と「晴れ」の2種のみ。
    • 24時間制で時間の変化はあり、時間帯によるフィールドの雰囲気の変化は大きい。
  • フィールドで起こる突発イベントがほぼない。大型敵と戦闘に入ると確率で「急襲!」というクエストが発生するが、戦闘に討伐ボーナスが付くだけのもの。
  • 本筋には絡まないが個性的なNPCや敵がいる、ユニークアイテムが配置されているといった、寄り道を楽しませるためのロケーションがほとんどない。
  • モブNPCの台詞が少ない。「調子はどうだ」「厳しいご時世だよな…」などの汎用固定台詞しか喋らない者が多い。
    • 固有の事情や生活感が見えず、ゲームの雰囲気作りにとってマイナスと言える。
  • 世界観を深める情報に乏しい。書物、碑文、伝承歌などで作品世界を補完するのは有り触れた手法だが、ほとんど何も説明されない。
    • 例えば本作の世界には教会があるが、どんな神や教えを奉じているのかは明らかにならない。
    • 覚者やドラゴンがどのような存在であるのかはエンディング直前で一気に明かされるが、伏線が少なく、駆け足の感が否めない。
  • 総じて、オープンワールドの先行作品である『Skyrim』や『Fallout 3』に比べると、単調で変化に乏しく、世界を探索する・世界に関わる楽しみが薄い。
    • こちらはアクション性で勝り、異なる魅力を持っているのだが、オープンワールドというジャンルを掲げたことや、容易に『Skyrim』を想起させるドラゴンを軸としたストーリーなどによって比較されやすい。

移動が面倒

  • いわゆるファストトラベルの移動先が、デフォルトでは領都グラン・ソレンの1箇所しかない。それ以外の移動先は「戻りの礎」という有限の設置アイテムを置くことでしか増えない。
    • さらに、ファストトラベルに使用する「刹那の飛石」は2万Gという高額な消耗品。2周目からは「戻りの礎」も買えるようになるが、こちらは20万Gとさらに高額。
    • 「戻りの礎」は回収できるので、複数のクエストの目的地になる場所に置くなど、考えながらの運用が求められる。
  • 必然的にほとんど徒歩で移動することになるが、急な山や水場を突っ切ることがほぼできないマップデザインで、大抵は目的地まで迂回しながら進むことになる。
    • グラン・ソレンはマップ東側の中程にあり、西側への旅は特にしんどい。仮に端から端まで歩いて移動すると4時間かかるという。
    • ダッシュや移動スキルなどもあるが、劇的に移動時間が短縮できるものではなく、「徒歩移動」という実態は変わらない。ちなみに馬などの乗り物もない。
    • ある程度の水深へ進むと、水の魔物「ヒュージブル」に襲われるという設定で陸まで戻される。海ならともかく、ダンジョン内や陸上の水場にまで適用されるため、移動の自由度をさらに削いでいる。
  • ちなみに、オープンワールドの人気作に比べるとワールドの面積自体は狭い。
    • 移動システムが異なる他作品と比較する意味はあまりないが、本作の舞台が約6平方kmであるのに対して、『GTA:SA』は約35平方km、『Oblivion』は約40平方kmである。
    • もっとも、この移動の不便さでワールド面積が今の数倍もあったなら、ユーザーの評価は散々だったろうが。

同じ敵にばかり出会う

  • 敵の配置に工夫がなく、最弱級の雑魚敵ゴブリンとその上位種のホブゴブリンが、フィールド全域とダンジョンの多くに出現する。
    • 頻繁に通行するフィールド中部~南部にかけては特に多い。中部~南部は広さに対して敵のバリエーションも乏しく、「敵が出たら大抵ゴブリン。時点で狼と盗賊。たまにハーピー。デカイのが居たらサイクロプス」とでも言うべき有様になっている。
  • ゲーム全体では数十種類の敵が用意されているが、特定の地形の周辺や特定のダンジョン内にしか出現しないものがかなり多く、バリエーションを活かせていない。どこまで行ってもポーンの警告「ゴブリンです!」を聞くことになり、探索がダレやすい。
  • 最終盤のとあるクエストをクリアすると世界に大きな変化が起こり、一部エリアのゴブリンはより強い「グリムゴブリン」に置き換えられる。

キャラメイクを考慮していないストーリー

  • 本作のストーリーは、主人公がパッケージに採用されているような「若い男性」である前提で作成されているらしく、女性や老人のキャラでゲームを進めても変化はない。これによって不自然な展開がたびたび発生する。
    • 例えば、主人公が中年や老人であっても、村の若い娘キナとは「幼なじみ」である。
    • 主人公が女性でも、とあるクエストでは王妃と恋愛関係になる。ムービーではキスシーンもある。
      • さらに「王妃の誘いで向かった密会の場に王が現れ、王妃の言い逃れによって狼藉者として処罰される」という展開に繋がる。
      • この恋愛劇自体がロクに盛り上げのない急展開であり、イベント後も主人公が王命で動く関係は破綻しないなど、全体に取って付けたような内容であるため、性別の違和感まで加わると脱力は必至だろう。
  • 老若男女4種類でムービーの内容やNPCとの関係が変化するのであれば、周回プレイの励みになったかも知れないが。

ラストの駆け足展開

+ ネタバレ
  • 唐突に「界王」なる人物が登場し、ドラゴンが主人公の心臓を奪ったこと、それによって主人公が「覚者」となったことは、破滅に瀕した世界を維持するための摂理の一環であった、ということが判明する。
    • 界王は世界の維持者、覚者はその候補者であり、ドラゴンは覚者たりうる人間を見出すために破壊を行う必要悪、という関係性。
  • それまで影すら見せなかった界王は、いわゆる「ポッと出の」ラスボスだが、それが上のような真相を一気に語り、さらに主人公に「世界を統べる力か、希望なき平穏を選べ」と迫ってくる。これは「界王の座を継ぐか、世界の破滅を静観するかを選べ」の意。
    • ちなみに、前者を選ぶとバッドエンド風の展開を経たあとグッドエンド*7、後者を選ぶとバッドエンドとなる。
  • ドラゴンが単なる狂暴な魔獣でないことはそれまでにも断片的に示されるのだが、壮大すぎる選択をほぼ不意打ちで突き付ける形になり、ストーリーの畳み方としては拙いものと言わざるを得ない。

ステータスの振り直しができない

  • 本作ではレベルアップ時のジョブに応じてステータス成長するが、MMORPGなどによくあるステータスを振り直す仕組みがなく、ジョブ選びの自由度をやや損なっている。
    • 例えば、物理攻撃系のジョブでレベルアップを続けていると物理攻撃力が高くなるが、ステータス振り直しができないことで、魔法系ジョブで遊びたくなっても能力的に務まらない、ということになりやすい。逆も然りである。
  • ミスティックナイトやマジックアーチャーといった物理・魔法の混成職は、スキルが強力な反面、ステータス成長がバランス型。
    • 特徴的なスキルを最大ダメージで扱いたければ、物理か魔法に特化した別ジョブでレベルをカンストさせてから転職、または毎回のレベルアップ前に別ジョブに転職といったことも考える必要が出てくる。
  • セーブデータも一つしか作れないため、多様なジョブを存分に楽しもうと思うと面倒な仕様になっている。
    • 周回によるリセットもなく、いったんステータス傾向が決まってしまえば、そのデータでは大きく流れを変えられない。
  • どんなステータスであれ、本編クリア程度なら問題のないバランスではあるのだが、不満は多い。

ポーンへの個別指示が不便

  • ポーンは自律行動するが、別途、十字キーで「GO(前進して探索・戦闘)」「HELP(覚者の回復や補助)」「COME(行動を中止して覚者に追従)」の3種類の指示ができる。
    • しかし、これらが無視されることも度々あり、特に戦闘中の「COME」は一度反応しても戦いに戻ってしまうことが多いため、離脱して態勢を立て直したい場合などは指示の連発が必要になりやすい。
      • 覚者を左スティックで動かしながら十字キーを操作するのは、言うまでもなくやりにくい。
  • 十字キー左右は共に「COME」であり、指示枠としては1つ余っている。一方に「アイテムを拾え」を割り当てて欲しかったという声も。

アイテム管理が不便

  • メニュー画面のUIの使い勝手があまり良くない。アイテム移動などの動作が遅く、時間がかかってしまう。
  • アイテムショートカットやホットキーの設定がなく、つどメニューを開いて使うことになり、面倒。
    • 頻繁にON/OFFを行う照明具「ランタン」の操作が特に面倒。
    • メニューを開くと時間が止まった状態になるため、戦闘中にアイテムを安全に使うことができ、アクションゲームとしての緊張感が削がれるという弊害も生んでいる。
    • 後述の『Dragon's Dogma ONLINE』ではショートカットキーが実装され、本作のリマスター移植版でも同様のホットキー機能が実装された。ただし瞬時に大量のアイテムを使用できるのはメニュー操作と同様である。

状態異常が分かりづらい

  • 本作には多数の状態異常が用意されているが、メイン画面にはアイコンしか出ないため、どんな効果を受けているのか分かりにくい。
    • 学習したポーンが効果を知らせてくれることもあるが、完全なものではない。
    • 詳細を確認するには、メニューを開いて「Status」画面の「Condition」タブを見る必要がある。
  • アイコン自体、一見して効果が分かりにくい、一部は別のものと似ているといった問題がある。
    • 不慣れなうちは治療薬を間違えて使うといったミスもあり得る。

好感度システムの弊害

  • 本作では好感度が「会話する」「プレゼントを贈る」「護衛クエストを行う」という簡単な条件で上昇する。そして終盤に「好感度が最も高いキャラクターが主人公と親密な間柄であるかのようなイベント」が発生する。
  • これにより、意図的にプレゼントを渡すなどしていない場合、最もよく会話したNPCが該当イベントで選ばれやすくなる。通常、会話の回数が多くなりやすいのは、領都の宿屋の主人アッサラームや武器屋の店主キャクストンといったオッサン勢である。
  • しかし、該当イベントは基本的に覚者をヒーロー、好感度最高のキャラをヒロインとしているらしい演出であり、ヒロインポジションをオッサンが務めた場合、その絵面は何とも言い難いものになりやすい。
  • お目当てのキャラクターをヒロインポジションに迎えるには、贈った相手の好感度を最高にする「絆の指輪」をプレゼントするのが簡単だが、それがなければアッサラームに頻繁に武器を突き付けて好感度を下げるといった強硬手段すら必要になってくる。
    • なお、該当イベントに選ばれたキャラクターは本来の居場所から姿を消すため、アッサラームが選ばれると領都の宿屋が使用不可能になるという弊害まである。代替キャラはいるが、そのキャラでは倉庫からの引き出し機能が使えない。
  • 開発者もこの問題を重々把握していたようで、完全版となる『DA』ではアッサラームの好感度が会話では上がらなくなるように修正されている。好感度が最大になった場合の代替キャラも完全互換キャラとなった上、より利用しやすい位置に配置される。

オンラインウルドラゴンのダメージキャップ

  • チート対策として「一度の戦闘におけるダメージ上限」が設けられており、この値を超えたダメージを与えるとサーバーに情報が送られず無効になる。
  • 計画的な育成・アイテムの活用・装備の吟味などによって上記のダメージ上限は簡単に突破できてしまうため、極まったプレイヤーは「規制にひっかからないように加減しながらダメージを与えていく」という訳のわからない戦い方をすることになる。

総評

国産初のオープンワールド大作として売り出されたものの、先行のベセスダ作品などと比較すると舞台となる世界の作り込みが浅く、没入させる魅力に乏しい。
移動やUI周りにユーザビリティの低い要素も散見され、総じてあまり高い評価は得られなかった作品。

ただ、簡単操作で爽快かつ迫力ある戦闘を繰り広げられアクション性は、オープンワールドゲームの中では頭一つ抜きん出た長所と言える。
この戦闘面の魅力やノウハウは、後述の『Dark Arisen』や『ONLINE』に受け継がれていくこととなる。
不評点の改善を含めて続編を望む声も少なくはなく、2024年春には晴れてナンバリング続編がリリースされることとなった。


余談

  • 本作は元々2000年代初頭に企画がスタートしたのだが、ディレクターの伊津野氏が本作の準備中に『デビルメイクライ2』の制作に加わったため、企画が2008年まで凍結され10年近く寝かされていたという経緯がある。
  • 三浦建太郎氏の人気漫画『ベルセルク』と公式でコラボしており、作中にガッツとグリフィスの武器防具が用意されている他、ストーリーも参考にしていると思われる箇所が見られる。
  • スタッフのブレっぷり・迷走具合を窺わせるインタビュー内容が物議を醸した。
    • 「街は3つしかない*8」といったことを自慢気に語るディレクターを皮切りに「ドクロを60個集めて来いと言われるが、別の街のクエストをこなすことで、それが50個もらえる、それを僕らはそれを“わらしべクエスト”と呼んでいます。」等よくわからない物も。それはわらしべとは言わない(参照)。
  • 海外のゲームレビューサイトでは「今世代で最もがっかりしたゲーム10選」に選出された。
    • 発売時期の失敗や開発会社の倒産を理由にノミネートされる作品が多い中、「探索する価値のないオープンワールドを用意されても正直困る」と作品そのものに対して手厳しい評価を下されている。
    • とはいえ、「粗だらけでも何か1つ光るところがあればよし」な洋ゲー気質に本作のアンバランスさがマッチしたのか、総評は案外好意的だったりもする。
  • 日本国内ではPS3版が初週30万本を超えるヒットを記録した。
    • 国内メーカーの開発であるゆえに細かい部分で日本人の嗜好と合ったのか、あるいは大規模な宣伝が功を奏したか、ともあれ日本国内でのこの売り上げは、メーカーの当初の予想を上回るものだったという。
    • が、一方で既にこのジャンルに馴染みの深い海外ユーザーの眼鏡には適わなかったのか、はたまた他社の大作ゲームの発売のスケジュールに真っ向からぶつけた強気な発売スケジュールのせいか、海外での売り上げはメーカーの期待を下回る結果に終わってしまった。
    • しかし、最終的には累計100万本を超えるというヒットを記録。メーカー的にも、新規タイトルにしてこの数値は手ごたえのあるものであったらしく、早々に拡張版の発表がなされた。
      • 2020年時点では全世界累計530万本に達している。

その後の展開

  • 2015年8月31日からは本作の世界観を継承した『Dragon's Dogma ONLINE』がPS4/PS3/Winでサービス開始された。
    • 本作をベースにしつつもストーリーや舞台は一新したMMORPGで、「メインクエスト」をクリアすることでストーリーが展開されていく他、最大8人パーティでクリアを目指す「グランドミッション」「ウォーミッション」や、支給されたアイテムだけでクリアを目指す「エクストリームミッション」などの多数のゲームモードがある。
    • 発売初日で70万ダウンロードを達成するほどの話題性があったものの、「サービスの継続が困難」といった理由で2019年12月5日をもってサービス終了した。
  • 2016年1月15日には海外でWin版がSteamで配信された。内容は後述の『Dark Arisen』として配信されているため、最初から完全版となっている。
    • 字幕・インターフェイスは日本語に対応しているもののライセンスの都合により海外版には日本語音声は未収録*9
    • また、発売当初は日本のSteamストアからは購入することはできなかったが、2017年10月5日の『Dark Arisen』PS4/One版発売と併せ日本からでも購入できるようになった。日本版は日本語音声にも対応している(Steamストアページに明記されている)。
    • 加えて、現時点では外部サイトでのSteamキー購入や認証は特に制限がかかっていない模様(ただし、グローバル版のキーであることが必須条件)。
      • 2017年6月5日にGOGでも購入が可能に。DRMフリーで当初は販売地域の制限がなかったが、現在は日本からの購入は出来ない*10。また、CTDが頻発する(こちらはパッチで修正済)、音量が最大でも聞き取れないほど低いという不具合がある。
  • 2020年9月17日より動画配信サービス「NETFLIX」で本作のオリジナルアニメの配信が開始された。制作はCGアニメーション制作会社・サブリメイション。
    • 内容は本作の世界観や雰囲気を忠実に再現している一方で、本編とは比べ物にならないほどの激しい流血描写やゴア表現がある。
    • また、女性の乳房が丸出しになるシーンや全裸の娼婦と性行為をするといった濡れ場もあるため、ゲーム本編と比べてかなり大人向けな作品となっている。
  • 2022年6月17日にはシリーズ10周年を迎え、シリーズの正式ナンバリング続編『Dragon's Dogma II』が発表された。
    • その後、2023年5月25日配信の「PlayStation Showcase 2023」において、本作に引き続き王道ファンタジーであることと、新たな種族として獣人が登場することが明かされた。
      • なお、世界観は本作のパラレルワールドだとされている。対応機種はPS5/XSX/Winで、2024年3月22日に発売された。
    • ちなみに、本作の発売が2012年で『2』の発売が2024年なので、いずれも辰年に発売されたことになる。

Dragon's Dogma Dark Arisen

【どらごんずどぐま だーくありずん】

ジャンル オープンワールドアクション


対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
Windows (Steam)
プレイステーション4
Xbox One
Nintendo Switch
発売・開発元 カプコン
発売日 【PS3/360】2013年4月25日
【PS4/One/Win】2017年10月5日
【Switch】2019年4月25日
定価 パッケージ版
【PS3/360】4,990円(税込)
【PS4/Switch】3,990円(税別)
ダウンロード版
【PS3/360】3,990円(税込)
【360】2,720MSP
【PS4/Win/Switch】3,694円(税別)
【One】3,700円(税別)
プレイ人数 1人(ネットワーク機能対応)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 操作のレスポンスの上昇
プレイ時の快適さの向上
新エリア「黒呪島」と数種の武具追加
日本語ボイス追加
根本的な問題点は未改善
かなりの難易度を誇る「黒呪島」

概要(DA)

追加・改善要素を加えてほぼ1年後に発売された完全版と言える作品。
前作からデータの引継ぎが可能で、引き継ぎ特典*11も用意されている。
無印版でのDLCクエストなども収録済み。

後にPS4/One/Win/に加え、Switchでも発売された。
解像度の向上や細かい調整が行われているが基本的には従来の『Dark Arisen』収録分のソフトと変わりはない。
前述の引継ぎ特典も含めて追加要素は収録されているため、新規に遊びたい者はこちらを勧める。


黒呪島

  • 本作最大の目玉要素である「黒呪島」と呼ばれる高難度ダンジョン。
    • 難易度は本編よりも圧倒的に高く、本編クリア後にある程度装備を整えて臨む必要がある。
    • ガルム、カースドラゴン、リビングアーマーといった黒呪島でしか戦えない新たな敵が多数登場する。
    • 本編に登場した敵も出現するほか、能力や見た目の異なる上位種のような存在も出現する。
  • 本編とは違い、倒した敵の死体はグロい状態で残る。そして、その死体の数が増えると、突然エリア内に新たな敵が現れる。これを「死体沸き」と呼ぶ。
    • 死体はマップを移動してもゲーム内で一定時間が経過するまではそのまま残る。そのため、帰り道で他の敵がその死体に釣られて現れていることも珍しくない。
  • このダンジョンで手に入るアイテムの中には、そのままでは正体不明な「黒呪品」「黒呪装備」「黒呪武器」「黒呪防具」がある。
    • これはある人物にリムを消費して解呪してもらうことで正体がわかるが、どういったアイテムとなるかは基本的にランダム。
    • これら黒呪を関するアイテムにはそれぞれLv1~3が設定されており、Lvが高いほど上質なアイテムや装備になるが、その分入手は困難。
  • 強力な装備が多数追加され、アップグレードも拡張された。
    • 本編のエヴァーフォール限定の装備やウルドラゴン討伐時の装備を軽く上回る強さの装備も割と早めに手に入る。
    • また、Lv4までだった装備の強化がLv6まで行えるようになっている。特にLv6の能力強化は凄まじく、物によっては攻撃力が2倍近くになる。
    • 武器を変異成長させるために必要な「強い竜の討伐」も黒呪島では強敵に事欠かないため、比較的狙って起こすことが出来る
      • ただしLv5以上に強化するためにはLv4にする必要が有り、Lv5以降の強化は金ではなくリムが必要で、黒呪島でしか入手できないアイテムを多数要求されるため簡単には強化できない。

改善点

  • メニューのレスポンスが良くなり、プレイに関する支障は小さくはなった。
    • 具体的に挙げると、倉庫でのアイテムの移動や調合が速くなる・倉庫で直接装備変更が可能・メニューを開く際の演出の高速化といった具合。
  • 移動の面倒さがある程度改善された。
    • 「刹那の秘石」の値段が2000Gと大幅に下がったため、気軽に使えるようになっている。
      • 無印からの引継ぎ特典の「刹那の永久石」があればファストトラベルは事実上は無料となる。そして後発に発売された機種は引継ぎ特典が収録済みなので今からPS3か360版を新規で遊ぶのでない限りは飛石を買う理由はない。
    • 飛石で戻れる場所が、領都だけではなくカサディスと黒呪島の入り江にも戻れるようになった。
      • 黒呪島入り江には都の宿屋と同じ機能ができる美女のNPCとタダ宿があり、しかも都へ飛ぶより早くアクセスできるため都へ行く理由が薄くなる*12
    • また、「戻りの礎」が一度のプレイで4つ入手できるようになったため、設置場所に悩む事が少なくなった。
  • 難易度選択がデフォルトで可能になった。
    • ノーマルモードとイージーモードの変更はオプション画面でいつでも行えるため、よりライトユーザー向けになったと言える。
  • 前作での「アッサラームが生贄に選ばれることで終盤に宿屋が使えない」の対策のためか、アッサラームのみ会話で好感度が上がらないようになった。
    • そのため、プレゼントを何度もあげたり、周回プレイで護衛クエストを繰り返し行わない限りアッサラームが生贄に選ばれることはなくなっている。
  • 前作で非常に強力だったアビリティ「修羅」「孤高」が下方修正された。
    • それぞれの効果は前者が「夜だと攻撃力1.7倍、防御力+30」で、後者は「自分1人の状態だと攻撃力1.7倍、防御力+30」であり効果の高いアビリティだったが、どちらも「攻撃力1.2倍、防御力+20」と大幅に下げられた。
  • 新たな髪形の追加や各種キャラクターエディットのカラーの追加など、エディット部分での追加部分が多い。
    • 純粋にキャラクターメイキングの幅が広がっており、評価する声が多い。
    • ただし、それらはオリジナル版でも配信されたDLCのものであり、そちらでDLCを購入済みのプレイヤーにとっては目新しさはない。
  • 英語のみだった前作と違い、日本語吹き替えが用意された。声優も非常に豪華で手は抜いていない*13
    • ただ、折角の日本語音声も種類は多いが同一声にピッチを変更しただけのものも一部散見されるという手抜きな印象を受けざるを得ないものになっている。
  • 新武器や防具が多数追加された。
    • 黒呪島でのみ手に入る装備も多く、装備のバリエーションがさらに増えた。
    • しかし、オリジナルでもあった武器の色違い版というものは相変わらず存在している。
  • 前作のDLCで使えるようになったモードや装備、DLCクエストは最初から全て収録されている。
    • タイムアタックモード・ハードモードは最初から選べるようになっているが、それ以外の要素はある程度ゲームを進めなければ受注できない・入手できない物が多い。
      • タイムアタックモードはその名の通りゲームクリアまでの時間を競うモード。難易度はノーマルで固定、途中セーブ不可となっており、入手した経験値や金は一切手に入らない。
      • ハードモードは難易度をさらに上げたモード。被ダメージ・消費スタミナが増える代わりに手に入る金が多くなる。タイムアタックとは違い必ず最初から始めることになり、途中の難易度変更は不可と言う厳しいモード。
      • どちらのモードもクリア特典が用意されており、やり込み要素としては悪くない。
  • 前作で問題だった「ランタンの点火が面倒くさい」という点が、新たに追加されたアイテム「撥水のリング*14」を装備することで改善された。
    • ただし、このアイテムは黒呪島をある程度進めなければ入手できない。
  • タイトルのBGMが『さまよえる蒼い弾丸』の英語アレンジバージョン『Into Free -Dangan-』から、本作のメインテーマのボーカル版に変更された。

評価点(DA)

  • 黒呪島のマップ設計上、無印の大きな魅力である戦闘を存分に楽しめる。
    • 敵のリスポーン間隔が短く、敵が涸れても本土の宿で1、2泊するだけでまた湧いてくれる。
    • 出現する敵のパターンが非常に豊富な場所もあり、コカトリスやアークハイドラ、メタルゴーレムといった本編では数回しか戦えなかった敵とも存分に戦うことができる。
    • 死体沸きのシステムも、敵の出現位置が決まっていて緊張感に欠けた無印の欠点をある程度補完している。
  • 黒呪島内では、無印の問題点である移動の煩わしさはほぼ解消されている。
    • 拠点エリアへ戻るアイテム「帰岸の飛石」がそこそこの頻度で手に入り、安価で購入もできる。
    • ダンジョン内から拠点エリアへのショートカットも程よい階層に設けられている。
  • 変更されたタイトル曲や、哀感漂う黒呪島シナリオは概ね好評を得た。
    • タイトルで流れる本作のメインテーマ、黒呪島最終戦の演出など、静かな女性ボーカル曲が効果的に使われている。
      • 特に前述の黒呪島最終戦において、メインテーマ『Coils of Light』の穏やかな導入から戦闘に移行する怒涛の展開や、キーパーソン「オルガ」の哀切な語りが挿入される演出は評価が高い。
    • オルガを巡るストーリーは物悲しく、かつて生きた人の痕跡を留める黒呪島の雰囲気や、哀調を帯びた新たなタイトル曲によくマッチしている。

賛否両論点(DA)

新たに追加された「黒呪島」の難易度について

  • やり込み要素ではあるものの、難易度がかなり高めに設定されている。
    • 全体的に敵の攻撃力がインフレしており、同時に防御力も上がっていて弱点部分以外のダメージが通りづらい傾向があるため、ジョブによって攻略難度の偏りが強くなってしまっている。3周目だと一発食らっただけでそのまま追撃されてお陀仏になることも。
      • 敵の体力も多めに設定されているためジリ貧になりやすく、かつ敵の攻撃は苛烈なため、効率重視な戦闘になりがち。もっとも、高難易度のアクションゲームでは効率的な戦闘が求められるものだが。
  • ジョブ格差
    • 上述したように黒呪島には高火力・高耐久・高強靭の三拍子揃った敵が多く出現し、近接職はその猛攻を掻い潜りながらダメージを与えに行かなければならない。
    • ガードができるファイターやミスティックナイトならともかく、ガードがなく回避もできないウォリアーは明らかに不利となる。
      • さらに黒呪島のモンスターは接近戦に強い、特定の属性以外に耐性を持つものも多く、属性攻撃に乏しく遠隔攻撃が出来ないウォリアーはメイジやソーサラーの補助なしでは攻略が苦しい。
    • また、無印と同じく各ジョブごとの成長率格差を是正する手段が無いため、攻略しやすいジョブで進めてもレベルアップする時は違うジョブにしないとステータスで格差が開くという事態も起こる。
    • マップの各所には、弓職の二段跳躍や魔法職のフローティングなしでは行けない場所に宝箱や様々なアイテムが配置されている場合がある。これらのアクションを持たないファイター・ウォリアーはこうした場所のアイテムは取得を諦めざるを得ない。
  • 2周目までならそれなりのLvと装備さえあれば普通に突破できる難易度となっているのだが、真の悪夢は3周目から。
    • 3周目は出現する敵のパターンは2周目と同じなのだが、ただでさえ高い敵のステータスに補正がかかってさらに強くなる。
    • ドレイク凶種、エリミネーター、カースドラゴンといった元々の防御力が高い敵は、半端な攻撃力では弱点部位を攻撃しても体力ゲージが全く減らないことすら有り得る。
    • 攻撃力の方も通常の2倍以上とやりすぎなほどに強化され、どんな相手だろうと一瞬たりとも油断できなくなる。
      • 特に敵の魔法攻撃が恐ろしく強力で、「ウィルム凶種のサンダーレイン一発で1200ほどのダメージ」「リビングアーマーの魔石柱で2500近く」「汚染ソーサラーのロックビート一発で3500ほど」「ダークビショップのヴォルテクスレイジで何もできないまま死亡」と言った高威力の魔法攻撃が普通に飛んでくる。
      • かと言って通常攻撃はほどほどかと言うとそうでもなく、「そこらの雑魚に小突かれただけで200~300ダメージ」「発狂エルダーオーガの殴りやリビングアーマーの斬撃で1000近く」「カースドラゴンの噛み付き一発で1500越え」「ガルムの突き上げでダウン → 他のガルムにダウン拘束からの引き摺り → 噛み付きのコンボで脱出が間に合わず食い殺される」といったこともよくある話。
    • 2周目の最終ボスを倒した後にあることをすると、3周目に進まずに2周目の状態のまま再探索ができるが裏技めいているので気付かないで進む者も多い。
    • そして、3周目に進むとそれ以前には二度と戻せない。さらに、3周目は敵の強さが異常に跳ね上がるが得られるアイテムは2周目とまったく同じ。
    • 強敵と戦いたいやりこみ派はともかくとして、まずはじっくり武具を収集したい者にとっては罠でしかない。後戻りができない上に事前に示唆もされていないのは不親切といえよう。
      • なお、この手法はPS4/One/Switch版では修正されており実行不可能。
    • ただし、最強クラスの装備さえ整えれば決して戦えないレベルではない。大型モンスター相手では2、3発(ステータスや装備次第では1発)食らったらアウトという中でいかに敵の猛攻を掻い潜り弱点を付いて大ダメージを与えるかという、緊張感のある戦いが味わえる。
  • 乱入によるモンスターの登場タイミングもランダムなため、状況次第では「リビングアーマー+エルダーオーガ」「ドレイク凶種+カースドラゴン」のような恐ろしい配置となることも。
    • とはいえ、黒呪島では基本的に逃げることができない場面はない(ラスボスのみ例外)ため、不利だと感じたらさっさと逃げることも可能。
  • 追加された敵キャラの「デス」による攻撃は問答無用で一撃死する代わりに攻撃速度が遅く避けやすいという特徴があるが、ポーンがこの攻撃を受けると、その場で行動不能になるのではなく一発でロスト扱いとなる。
    • そのため、デスと対峙するとポーンを失う可能性が非常に高い。当然、デスによる攻撃で強制的に返却されたポーンが、知識や報酬を持ってくることはない。
    • ポーンはデスの知識も学習するのだが、ポーンは知識最大の状態でもなぜかデスの攻撃に関してはロクに避けようとしない*15のもポーンを失いやすい原因。
    • なお、デスを討伐するクエストがあるのだが、デスは「乱入でのみ登場、さらに一定時間経過または一定ダメージを受けると撤退する(ウルドラゴンと同様にダメージは蓄積される)」という性質があるため討伐が非常に困難。
      • レンジャーで、攻撃力上昇アイテム「いくさ神のお守り」を4重掛けし、一定時間スタミナ減少がなくなる「強心薬」を使用して、矢を10本まとめて集中的に撃ち込む「綴れ撃ち」スキルで高威力の「爆裂の矢」を死ぬまで撃ち込み続ける*16という攻略法はあるが…。
  • マップは広いものの、基本的に同じ部屋のデザインを変えて使いまわしているマップが多い。
    • 構造がやればやるほど把握しやすいというメリットもあるが、飽きやすいという意見もある。
  • 強力な装備は「黒呪武器Lv3」「黒呪防具Lv3」から入手できるのだが、この2つのアイテムは出現率が極端に低く、普通に島を探索していてもまず入手できない。
    • これらのアイテムが高確率で入手できる方法は「2周目以降のラスボスを倒す」であり、まともな装備が揃っていない状態ではハードルが高すぎる。
    • 僅かだがこれらが出現する宝箱があるため、「宝箱の前でセーブ → 宝箱開ける → 黒呪アイテムが出なかったらタイトルに戻りロード(もしくは自殺してコンティニュー)して出るまで粘る」という方法もある。
  • 黒呪島の黒呪アイテムで手に入る装備はいずれも強力なものばかりなのだが、そのせいで本編で手に入る装備の多くが産廃となっている問題もある(特に武器)。
    • 参考までに言うと、ダガーの場合、本編最強の「クリスナーガアーテリー」の攻撃力は1009、黒呪島で手に入る「デーモンフラメア」の攻撃力は1429となっている(どちらもLv6の数値)。

問題点(DA)

  • 基本的には無印に追加要素を施した拡張版であるため、無印の欄で述べた根本的な問題点はそのままとなっている。

総評(DA)

無印版の問題点が多数改善されており、今から遊ぶならよほどの理由がない限りこちらを購入することをお勧めする。
目玉要素である「黒呪島」の高難易には賛否が分かれるものの、3周以上に渡ってやり込もうとしない限りは「歯ごたえのある難易度」として楽しめるだろう。


余談(DA)

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最終更新:2024年04月18日 15:00

*1 一部のクエスト発生や終盤の展開、商人NPCなら品揃えにも関わるパラメータ。

*2 「メイジ」「ウォリアー」「ソーサラー」はサブ武器がない。

*3 ドレイク、ウィルム、ワイバーンなど。

*4 DLCに対する姿勢の見直しをはかる、と言った談話の中で、そういった決定が下される前に開発され、いくつかのコンテンツがアンロック式で製品の中に既に入っている作品の例として本作を提示。

*5 「覚者」は「目覚めた者」と解釈するのが自然だろうが、Arisenを反訳した「目覚めさせられた者」の方が実態には沿っていたりする。

*6 本作に合わせて歌詞や曲調をアレンジしたバージョン。

*7 内容的にはビターエンドと呼ぶべきかも知れないが。

*8 実際には「街」と言える規模のものは1つしかなく、あとは小規模な集落がポツポツあるだけである。

*9 非公式で自己責任だが、MODとして日本語音声が入手可能。ただし、すべての音声を差し替えるものなのでかなりファイルサイズがデカくなっている。

*10 日本からストアページにアクセスしようとすると、トップページに転送されてしまう。

*11 刹那の永久石(無限に使える刹那の飛石)、装備品、10万Rの3つ。

*12 街の宿の方が便利な機能もあるので使い分ける選択肢が増えている。

*13 もちろん、英語との切り替えも可能。

*14 水濡れ状態が即座に解除されるアイテム。

*15 なぜかデスが使う睡眠攻撃はしっかり回避する。

*16 デスは一定ダメージを受けると強制ダウンし、ダウン中は撤退できない。