涼宮ハルヒの戸惑
【すずみやはるひのとまどい】
ジャンル
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SOS団ゲーム製作アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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アクリア
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発売日
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2008年1月31日
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定価
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通常版7,140円/超限定版10,290円
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判定
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なし
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ポイント
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恒例のループ ツクールシリーズwith涼宮ハルヒ
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涼宮ハルヒシリーズ
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概要
涼宮ハルヒシリーズから派生したストーリーのひとつで、「ゲームを作りたい」というハルヒの思いつきに振り回されるという外伝的ストーリー。
ハルヒの理想とするゲームが出来るまで、何度でも同じ一ヶ月をループし続けることになる。
作成したゲームをオマケとして遊ぶことも可能。
システム
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作業
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本作でもっとも多くの時間を費やすパート。といってもプレイヤーが実際にドットを打ったりデバッグしたりするわけではなく、作業自体は自動。
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作業中に顔を上げると、同じ作業をしているキャラとの会話が発生する。逆に下を向くと作業の進捗が良くなる。
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つまりキャラに目を向けないでいると、作業がはかどるが好感度に悪い影響がある。キャラに目を向けると好感度が上がるが、作業が進まなくなる ということ。
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また、各キャラごとに好感度のあがりが違う。 朝比奈みくるは、寂しがりや。涼宮ハルヒは、怒りっぽい等。
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イベント
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特定の順番で作業を行ったり、ある時点で好感度が一定以上だったりすると発生する。
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発生条件はゲーム中に参照が可能。
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イベントでタスクが手に入ったり、選択できる作業が増えたりする。
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ゲーム
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ゲームの完成度は作業結果の累積で決まり、結果が悪いと8ビット風の物になってしまう。
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また、入手したタスクや通過イベントによって内容が変化することもある。
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期間終了時にテストプレイできるほか、タイトルメニューから遊ぶこともできる。
評価点
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作中ゲームの出来のよさ
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オマケ扱いなのでボリュームはないが、どれもしっかり作られていて楽しめる。
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というかオマケにしないで、どれかのゲーム1個を制作すればよかったのでは…?(そうすると逆にハルヒゲーっぽく無くなるが)
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完成時の状態で内容が少しずつかわり、隠しキャラが出たりボイスバグが出たりする。
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むしろ、こっちがメインのオムニバスソフトにしてもよかったと言われるほど。
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特に「SOS団クエスト」というゲームは、あれで終わってしまってはもったいないという意見が出るほど。
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レビューサイトのmk2には、「次は『SOS団クエスト(完全版)』(仮)でお願いします!」とのコメントが出たほど。
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SOS団メンバーがプレイ時に話しまくるため、ちょっとしたオーディオコメンタリー気分が味わえる。本編ではボイスのないキョンも、ここではしっかり喋ってくれる。
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その為、各キャラやゲームへのツッコミ等、色々やっていて面白い。自分で色々やってみて、試してみてはいかがだろうか。
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(オマケのゲームで)バグが起きた場合でも、発言がある。
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団員との交流
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イベントはハルヒ、長門、みくるはもちろん古泉やその他副団員のメンバーとの交流もある。
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特に主要三人のイベントは「お姫様抱っこ」や「一つのジュースをカップルで飲む」などギャルゲーのようなイベントが多く、キャラが好きなら満足できる展開も多い。また、古泉のイベントも多くBL的なイベントもある。
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真エンディングでは三人のイベントが用意されており、タイトルの戸惑の意味が分かるようになっている。
問題点
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作業パートが単調すぎる
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周回プレイを前提としていることもあり、作業パートの時間は非常に長い。が、非常に退屈。
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イベントの数もそれほどもないので、途中から苦行と化す。
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また好きなイベントを優先すると、少しでも遅れたりしてBADエンドに行きやすい。
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真エンドまで最短六周
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全種類のゲームを作ったうえで次の周回に入らないと、真エンド出現条件を満たせない。
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原作の性質上、ループは覚悟の上というプレイヤーも多いだろうが、それでも辛く感じるほど長々と続く。
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ゲームの完成度も苦労する。作業が遅れたりしたらアウト。攻略本を見ないとかなり厳しい。
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CGの回収が面倒
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真エンドの際に最も好感度が高い団員のCGがあり、ゲーム内ゲームのCGには差分がいくつか存在するため、これらを回収するためには上述の6周以上に繰り返しプレイする事になる。
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また、イベントの中にもCGがあるが、中には調整の難しい場の空気やマスクデータの疲労度が発生条件だったりするため、CGの全回収は思った以上に困難。
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出来たゲームはクリアしないと、タイトルメニューから遊ぶことが出来ない。
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その中の一つが完全な運ゲーな為、勝つだけでも苦労する事も。
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ゲーム作成の過程で発生するパネルのGETとLOSTによってゲーム内ゲームに様々なバグが発生し、中にはクリアが不可能になるものもある。
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作成したゲームをクリアした際、暗転したままフリーズすることがある。原因は不明だが、おそらく故意の演出ではないと思われる。
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システム面が粗い
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既読スキップやバックログがなく、操作性も悪い。上記の「真エンドまで六周」もあるのに、これは酷い。
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主人公のキョンが、フルボイスでない事。
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オマケゲームではフルボイスとは言うものの、やはり本編でもボイスがほしかった所である。
総評
「ハルヒにツクールシリーズを預けたらこうなる」という感じの、ちょっと異色なゲーム作成ADV。
本編の出来はあまりよくないが、オマケ要素扱いの作中ゲームと作中のイベントがカバーしている。
ただ、何回ものループを前提とするゲームなのに、周回プレイがきついのは考え物。
ハルヒ好きなら耐えられるかもしれないが、そうでないならちょっと考えたほうがいいかもしれない。
最終更新:2022年10月03日 14:50