ゴジラ・ジェネレーションズ

【ごじら・じぇねれーしょんず】

ジャンル アクション
対応機種 ドリームキャスト
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 ゼネラル・エンタテイメント
発売日 1998年11月27日
価格 5,800円(税別)
判定 なし
ポイント ゴジラなりきりゲーム
映画の再現度は歴代ソフト随一
ゲーム単体としては非常に微妙
あまりにもぶっ飛んだ最終隠し要素
ゴジラシリーズ


概要

  • ドリームキャストのローンチタイトルの1つとして発売された作品。
    • ゴジラのゲームとしては初めての3Dゲーム。
  • ゴジラをはじめとする怪獣を操作して、映画と同じように日本各地の都市を破壊していく。ただそれだけのゲームなのだが、カメラワークや音楽が実に凝っており、映画の中のゴジラを操作している感覚を味わえる。

究極の「怪獣ごっこ」

  • プレイヤーは、ゴジラなどの怪獣を『バイオハザード』のようなラジコン操作で操り、リアルに再現された都市を破壊していく。
    • ステージにはそれぞれ建物を壊した量を示す「破壊率」と「制限時間」があり、制限時間が経過するか、破壊率を100%にするか、ステージ外に抜け出すと終了となり、破壊率や残り時間、残り体力などを換算して評価が下される。
    • 操作はシンプルで、スティックで移動、Aボタンで通常光線攻撃、L・Rトリガーで左右への攻撃。
    • Yボタンで怪獣が咆吼し、体力を一定量回復できる。建物に接触し続けたり自衛隊の攻撃を受けたり(後述)すると体力が減少し、0になると倒れてしまうのだが、咆吼を何回か繰り返すとすぐに回復。無尽蔵の生命力を持つゴジラに相応しいシステムといえる。
    • その他、Bボタンでガード、Xボタンでゲージを消費して放つ強力な必殺攻撃を使用できる。

ゴジラゲームとしての評価点

  • カメラワークが特撮映画のように変化する。
    • 『バイオハザード』シリーズと同様に、怪獣の位置によってそれを移すカメラアングルが変化するのだが、地面から怪獣を見上げるような視点から、遠くで暴れる怪獣を見つめるような引きの視点、バストアップをがっつり移す視点など、どれも大迫力。また、それらのすべてが、平成ゴジラシリーズをはじめとするゴジラ映画でのカメラワークに忠実である。
    • そのため、 実際のゴジラ映画で遊んでいるような快感 を味わえる。新宿の摩天楼を駆け回るアメリカ版GODZILLA、というような場面も再現できる。
  • リアルに再現された都市。
    • 登場する都市は、福岡・大阪・名古屋・横浜・東京の5か所で、それぞれ2~3ステージに分かれている。
    • いずれもその土地のランドマークの周辺を再現している。福岡ならば福岡ドームの存在するももち地区、大阪ならば大阪城公園、東京は芝公園周辺・新宿の摩天楼など。
    • さすがにランドマーク以外の建造物は適当に再現されているものも多いが、実際の都市で暴れまわっているような感覚を十分味わえる。
  • ドリームキャストの能力を活かして、グラフィックも細かく書き込まれている。
    • ドリームキャストの当初の売りであった高度なグラフィック処理能力が生かされており、前述の都市や怪獣のグラフィックは非常に美麗。ビルやタワーが崩れる描写も忠実に再現されており、破壊した方向に応じて全く違う壊れ方を見せる。
    • 多くの建造物は破壊するときちんと発火し周囲が火の海になる。また、明かりのついている建物は壊れる寸前に停電になる。*1
    • また、海外のスタジオに外注となった以降の作品と比べて、今作の怪獣のモデルは非常に実際のものに忠実。
      見た目だけでなく、鳴き声からモーションまで非常に忠実に再現されている。平成ゴジラと初代ゴジラの熱線のエフェクトが微妙に違うといった点まで再現。
      • アメリカ版GODZILLAは本作発売の半年前に劇場版が初公開されたのにもかかわらず、一定の再現度を保っている。
  • BGMも歴代映画で使用されたものを再現…というかスコアをそのまま使用しており、迫力がある。お馴染みのゴジラのテーマに始まり「自衛隊マーチ」や「L作戦マーチ」、『VSキングギドラ』の「ラドン追撃せよ」など昭和平成問わず名曲が採用されている。最終ステージ、新宿で流れる『ゴジラ(84)』のテーマは必聴。
    • メカゴジラを使用すると、ゴジラのテーマが流れるステージのBGMが「メカゴジラ 現る」に変わる。ミニラだと『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』のメインテーマに。
  • その他、破壊する怪獣に対してステージの中には自衛隊が展開しており、地上から攻撃する戦車と空中から爆撃する戦闘機の二種類がある。一発あたりのダメージは微々たるものだが、攻撃を受けると怯んで動きが止まってしまう。後半で登場するメーサー戦車に包囲されて一斉射撃を貰ったりすると、怪獣といえど一気に体力を削られて倒れるため、スリルがある。
    • ボスキャラとして、スーパーXシリーズが飛来して戦いを挑んでくる。
    • ゲーム中ではじっくり見る事ができないがそれぞれの機体も細かくモデリングされており、説明書で見る事ができる。
      • ごくたまに飛来した飛行機がそのままビルに突っ込んでビルが破壊されることもある。
  • 衝撃の隠しキャラ
    • それぞれの怪獣を使ってクリアしていくと隠しキャラが順次解放されるが、最終隠しキャラは「ジャイアント芹沢博士」という誰も予想の付かなかった衝撃のキャラである。
      • 芹沢博士とは初代『ゴジラ』で活躍した悲劇の科学者であり、自身の開発した酸素破壊剤「オキシジェン・デストロイヤー」により、ゴジラ映画史上でゴジラに完全勝利した唯一の人間である。それが文字通りなぜか怪獣サイズに巨大化したオリジナルキャラクターである。
    • 演じた平田昭彦氏をモデル*2に映画第1作ラストそのまんまの格好で歩き回る、眼帯を開いて砲身を展開しそこからビームを発射*3オキシジェンデストロイヤーの容器を振り下ろして殴る、「ダメだ、来ちゃいかん」とか言いながら天を仰いで回復する、映画での名台詞を発しながらオキシジェンデストロイヤーの容器から拡散破壊光線をぶっ放す、と言った方法で日本の各大都市を蹂躙する、などとやりたい放題である。
      • 「僕がオキシジェンデストロイヤーを使用するのは今回一回限りだ」と言いつつ、ゲージが溜まれば何回でも破壊光線を使う。
      • 最終隠し要素であるためかクリア後のエンディングも特別仕様だがこちらもかなりシュールな絵面である。ぶっちゃけゴジラ関係無い。
      • しかも担当俳優の遺族公認(後述)。

その他の評価点

  • 一部抜けている作品があるものの、『vsデストロイア』までのゴジラ映画の予告編が収録されている「ジェネレーションズシアター」。
    • ネットでの動画共有などがなかった当時としては、予告編を集めた唯一のメディアであった。
  • 別売のミニゲーム『あつめてゴジラ』と完全連動した「あつめてコロシアム」。
    • 『あつめてゴジラ ~怪獣大集合~』とは怪獣を育成・対戦させるミニゲームが内蔵された専用のビジュアルメモリ。1998年版『GODZILLA』の公開に合わせてドリームキャスト本体に先駆けて販売されており、ドリームキャスト関連作品の第1号である。要するにたまごっち。
    • 「あつめてコロシアム」は『あつめてゴジラ』で育成した怪獣を読み込ませて最大4人で対戦させることができる。
      登場怪獣は可愛らしくデフォルメされており、『あつめてゴジラ』ではドット表示だった怪獣をフルポリゴンで見る事ができる。
      後述の通り怪獣の種類が物凄いことになっており、ビジュアルメモリの連動要素としても優秀な出来となっている。

問題点

  • ゲームとしての楽しさは微妙。
    • 前述のとおり、ゴジラ映画に憧れたプレイヤーにとっては、「怪獣ごっこ」を楽しませてくれる作品として今作は良質であるといえるが、それ以外の層のプレイヤーにとってどうであるかといえば、正直なところ難点の多い作品である。
    • そもそも、前述の「怪獣ごっこ」は、それらに興味のない人間からすれば、ただ緩慢に怪獣を動かして建造物を壊すだけの単調極まるゲームである。
    • ゴジラの歩行速度なども映画(かなり緩慢だった平成ゴジラシリーズに近い)に忠実に再現してあるため、テンポよく建造物を壊していく爽快感はあまりない。
      • ステージを回る都合上「回転して向きを変える」動きが必須となるが挙動が非常に遅いためにテンポが悪い。
    • 建造物の破壊にしても、ダメージが若干ずつ減っていくのを覚悟で単純に接触していく方が気楽。減った体力は咆哮で回復するからである。残存建造物の位置が表示されるマップを見ながら、ただマップの中で怪獣をしらみつぶしに這い回らせるだけのゲームになってしまうといってもいい。破壊率が90%を越えるとどこに壊されていない建造物があるかも判別しづらいため、50%を越したあたりでさっさとエリアを離脱する方が一定の評価をもらえる。街をグルグル回って破壊していく行為は、むしろ映画での怪獣の行動パターンとはおおよそかけ離れたものである。
      • 視認が困難な非常に小さい樹木や民家も破壊対象になっているので、破壊率100%を目指そうとすると小さな木をせっせと踏みつぶし、民家ひとつ壊してなければUターンして戻るゴジラという何とも言えない図になってしまう。こんなちまちました作業を行う怪獣に「怪獣王」という称号を与えるのはいかがなものだろうか…。
      • 大阪城のステージに顕著で、唯一壊せる足場が存在する代わりにほとんどの対象が樹木である。
      • マップの建造物の表示は一度建物が大きく壊れた時点で消滅するため、完全に破壊しないまま残ってしまった建物に気付きにくい。
      • ビルやドームなどの大きな建物を壊すと瓦礫がステージ上に残る場合があるが、樹木などよりも巨大なため紛らわしい。
      • 後半のステージはエリア外に建造物が存在するものが多いので尚更全部破壊する気が失せてしまう。
    • 上記の通り適当に切り上げてエリア外に脱出するのが有効なプレイだが、脱出してからステージが終了するまで約20秒ほど警告カウントが鳴る。微妙に長く、この間も操作は可能だができる事は咆吼で体力を回復させるくらいである。*4また、警告音がビービー鳴っているので耳障り。
    • 攻撃コマンドの使い勝手がどれもすこぶる悪い。
      • 熱線は数秒吐いただけでゲージがスッカラカンになる上射程が短く、ゴジラの首を動かして制御するので真下や真横に来る自衛隊に熱線が届かないというお間抜けな光景に。カメラワークによっては遠くまで届いていない熱線の端っこを真正面から見ることができてしまう。
      • 尻尾は振り回すというより引きずるだけで、映画のように持ち上げて振り回すことはできない。範囲もこれまた狭いので、ちょうど大きい建物が真横にあった時くらいしか使い道がない。
      • 初代ゴジラは必殺攻撃を持たず身長・リーチ共々短いため単なる平成ゴジラの下位互換になってしまっている。尤もスペックを忠実に再現した結果なのだが。
      • メカゴジラに至っては熱線が両目からのスペースビーム、尻尾攻撃が指ミサイルになっているので膝下の位置への攻撃が非常に困難。戦車に対しては踏みつぶすしか有効な攻撃手段がない。
      • 一方、アメリカ版GODZILLAは原作同様高速で走り回るため非常に動きが俊敏である。さらに必殺攻撃が一定時間超高速で走り出すという技で、ものの数秒でステージの端に到達してしまう。尻尾攻撃も恐竜のような体型のため破壊には効率的。
        すなわち上記の問題点をほぼ克服した高性能キャラである。その身軽さや体型が当時ゴジラファンの批判の的となったポイントでもあるのだが…。
      • ミニラは後述の通りもともと破壊向きでないので熱線も尻尾攻撃もショボい性能だが、小回りがきくため回転の動作がやりやすい。また、咆吼による回復量が多いため総合的には扱いやすい。
      • 結果的にゴジラらしくない性質の怪獣の方がゲーム的には高性能という事になってしまっている。
    • 評価基準に「コンボ」と「バランス」という項目があるがいまいち意味を成していない。
      • 「コンボ」は「一つの建造物に対して複数回攻撃を決め、どれだけ複雑な破壊方法をとったか」というもの。しかし上記の通り怪獣が接触しただけで壊れる建造物に射程も挙動の長さもばらばらな攻撃コマンドを駆使する必要性がない。
        説明書には「尻尾でビル底辺を破壊し、ビルの上部が浮いたところで放射系攻撃で更に破壊」というコンボが紹介されているが、ただ移動させれば一発で済む作業である。
      • 一方「バランス」はエリア内で使用した技の割合を評価される。このふたつの評価を上げるためには嫌でも使いづらい攻撃コマンドを活用しなければならない。
  • 怪獣ごっことしても正直町を破壊するだけでは面白いとはいえない。各ステージボスとして他の怪獣と戦うなどの、メリハリのきいた要素がないからである。ひたすら建物を破壊するだけでは怪獣ごっこというより理由のない破壊衝動であり、飽きるのが早い。ストーリーも勿論ない。
    • 唯一敵として出てくる自衛隊などの兵器も、敵というよりは攻撃してくるオブジェクトの域を出ないし、そもそも狙いをつけることができないので攻撃力が高くなってくるとイライラして建物破壊どころじゃない。どうせならスーパーXくらい映画のようにバトルを展開してもよかったのではないだろうか?
  • 映画の怪獣たちは都市を破壊したいから破壊しているのではないので、このゲームが都市破壊を目的としているのは目的を見失っているも同然。何が目的で町を破壊しているのか、いくら怪獣とはいえ目的もなしに人間の町へ踏み込むはずがないので、理由も目的もなく町を破壊して回れ、と言われては怪獣ファンも意味がわからない。ミニラやジャイアント芹沢博士など、都市を破壊するはずのないキャラが混ざっているので余計に違和感が強い。
    • 怪獣と戦わないので、本来の意味で「怪獣ごっこ」ではない。怪獣ごっことは別に町を破壊することではなく、怪獣になりきって戦って遊ぶことであり、怪獣同士の戦いの一切ない本作は怪獣ごっこになっていない。ごっこ遊びにしても、ひたすらビルを破壊するだけではごっこ遊びにすらなっていない。
  • 通常ステージよりも短い時間でどれだけ建造物を破壊できるかというタイムアタックモードもあるにはあるが、やることは同じ。クリア目的が同じなので、やることに変わりが無いというわけである。
    • 3分間で終了するが、終わった後にすぐタイトル画面に戻されるためやり直しが面倒。
    • また、タイムアタックモードでは通常のBGMではなく「ラドン追撃せよ」をテクノ調にアレンジしたBGMで固定される。アレンジの質は高いがゴジラの雰囲気には全くそぐわないものとなっている。
      続編の『マキシマム・インパクト』ではこちらのアレンジの方向性が全面的に採用された。
  • 「あつめてコロシアム」は上記の通り専用のビジュアルメモリがなければそもそも遊ぶ事ができない。ソフトでなくビジュアルメモリそのものと連動するため、『あつめてゴジラ』本体を中古で入手するのは困難な状況である。
  • 登場する怪獣が変な面子。
    • 平成ゴジラ・初代ゴジラ・昭和メカゴジラ・アメリカ版GODZILLA*5・ミニラの5体(ジャイアント芹沢博士を含めると6体)。少ないといえば少ない。
    • ゴジラ2体と、当時話題になっていたアメリカ版GODZILLAは良いにしても、平成ゴジラシリーズが完結した後に発売されたのに、なぜ昭和メカゴジラやミニラが登場するのかはわからない。特に建造物を破壊的な怪獣ではないミニラで破壊する理由がわからない*6。一応タイトルが「ゴジラ・ジェネレーションズ」=「ゴジラの諸世代」というように、顔ぶれはゴジラ縛りのようだが。
      • ミニラは『ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃』や『ゴジラ FINAL WARS』にて人類と怪獣の橋渡し的存在として活躍した希有な怪獣である。それが顔色ひとつ変えず自衛隊を薙ぎ倒し街を火の海に変える姿は原作破壊以外の何物でもない。
      • メカゴジラは昭和版であるにもかかわらず鳴き声が93年の『ゴジラVSメカゴジラ』版のものである。忠実に再現されているようで、なぜか細かいミスが…。
    • もちろんどの怪獣に価値を感じるかは人それぞれだが、平成メカゴジラやモスラやビオランテは都市破壊にむいてないとしても、キングギドラやラドンのような平成シリーズに登場した著名な怪獣はいるわけだし、実際の顔ぶれからゴジラ縛りだとしても、平成シリーズ屈指の悪役であり人気の高いスペースゴジラを登場させなかったことについては疑問が残る*7
      • いっそリアルに破壊できる都市で怪獣が戦いあう対戦ゲームの方が面白かったかもしれない。後の『怪獣大乱闘』シリーズや『ゴジラ VS』では実際にそういうゲームになったのだが。
    • ジャイアント芹沢博士はサプライズキャラとしてはこれ以上無い程のインパクトを持っているが、ここまでくるともはや一般層には全く意味が分からない。
    • そもそも芹沢博士は自分の兵器開発が軍事利用されることを嫌って苦悩するという至極真面目な役割の人物であり、それをこのような無茶苦茶なネタにされて怪獣ファンが皆喜べるかと言われると疑問が残る。ぶっちゃけ不謹慎と言われてもおかしくはない。
      • 原作での芹沢博士は間違ってもビーム砲が生えたりしないし、オキシジェンデストロイヤーも鈍器ではない。
      • 一応怪獣の鳴き声にあたるボイスとして「ああ…こんなものさえ作らなければ」という台詞があるので、自ら望んでこの力を振るっているわけではないと思われる。…多分。
      • 初代『ゴジラ』の予告映像が見られればまだ分かりやすかったかもしれないが、ジェネレーションズシアターに肝心の初代『ゴジラ』の予告が収録されていない。
        というかジェネレーションズシアターは本作の操作キャラが登場する映画に限ってピンポイントで未収録である。一応『ゴジラの息子』と『メカゴジラの逆襲』はあるが。
    • 一方で『あつめてゴジラ』および「あつめてコロシアム」には非常に多くの怪獣が登場しており、上記のキングギドラ、モスラ、スペースゴジラなどに加えゴジラシリーズの怪獣ではないゲゾラやガイラ、『妖星ゴラス』のマグマといったとてつもなくマイナーな面子も混ざっている。ひょっとしてこちらで補完したつもりだったのだろうか。
  • 自衛隊との戦いが面倒くさい。
    • 怪獣ファンと一般層の見方の違いという以前に、システム上、足元の戦車や、飛来する戦闘機・スーパーXに狙いがつけづらい。敵キャラとの戦いは想定していなかったのか、ロックオンのように狙いをつけるシステムそのものがなく、後述のカメラワークとあわせて敵キャラを倒すのが難しい。
    • 飛行機体については熱線が届かない高さと方向から飛来する*8ので、ゴジラの正面に飛んでくるか勝手に突っ込んで自爆するかを待ってやり過ごすしかない。
      • しかしあまり放置し続けると最大で7~8機の飛行機が怪獣の周りをブンブン飛びまくる。
    • カメラワークの都合上、建造物に隠れて、怪獣の前にいるはずの戦車が見えないときがある。序盤のステージならばマップを見ながら踏みつぶせばいいのだが、自衛隊側の攻撃力が上がってくる後半になると、それもできなくなる。
      • そもそもステージによっては怪獣の姿がまるまる見えなくなるアングルも存在する。

総評

映画の再現への拘りは半端無く、特撮ファンならば一度は遊んでみるべき傑作といってよいかもしれない。
だが、一般層から見た、一つのゲームとしては非常に難点が多い。
いっそのこと、「怪獣ごっこシミュレーション」として売り出せば評価も違ったのだろうが、ローンチタイトルとして広く売り出されたために、当時の海外サイトなどでは「筋金入りのゴジラファンにとって価値はあるが、他の誰にも価値が無い」などと酷評を浴びた。
しかしそんな問題点がどうでもよくなるほどジャイアント芹沢博士のインパクトが大きい。彼の存在にどこまで価値を見いだせるかが本作を評価するポイントといえよう。
芹沢博士抜きでも、普段取り上げられない初代ゴジラや後発作品で不遇が続いているアメリカ版GODZILLA*9の勇姿を拝みたいという人には十分価値が存在するだろう。


余談

  • それなりに手ごたえはあったのか、怪獣との戦いを前面に押し出した続編『ゴジラ・ジェネレーションズ マキシマム・インパクト』が発売された。
    ただしこちらはゲームジャンルをシューティングに変更し、本作でこだわりを見せた原作再現を完全に撤廃したためにゴジラファンからもそっぽを向かれ、更に評判を落とす羽目になってしまった。
  • 後に本作と同じ「映画の映像を忠実に再現し、ゴジラを操作して街を破壊し制圧していく」というコンセプトを持つゲームとして、『ゴジラ-GODZILLA-』(PS3、バンダイナムコゲームス/ナツメ)が2014年12月に発売された。
    こちらはモスラやキングギドラ、平成版メカゴジラといったライバル怪獣もボスとして登場している。
  • ジャイアント芹沢博士の登場に関しては流石に無許可では不味いと思ったのか、スタッフは許可をもらうために芹沢博士を演じた平田昭彦氏の遺族との交渉に臨んだ。
    ちなみに交渉の際、実際にジャイアント芹沢博士が動き回る映像を見て大ウケした遺族が大喜びで快諾した、と言う逸話もある。
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最終更新:2023年12月02日 09:52

*1 実際は「建物の壊れるモデル」のテクスチャーが破片の状態のものなので、それに対応して明かりが消えたものに差し替えられていると思われる。

*2 演者が既に亡くなっている為、声は代役。

*3 単純に目からの怪光線ではなく、ガンダムのビームライフルのような砲身がにょきにょき展開する。

*4 ステージ終了直前まで全回復させておくと「体力」の項目で最高評価を貰えるので、完全に無駄な時間というわけではない。

*5 発売時期からもわかるが、2014年版(ギャレス版)の首が太いアイツではなく、エメリッヒ版。後のジラ

*6 昭和メカゴジラについては都市破壊向きだからだと思われるが、ミニラは意味がわからない。

*7 後述のようにジャイアント芹沢博士などというふざけた隠しキャラを用意するなら、スペースゴジラを隠しキャラにしたほうが良かったのでは?

*8 映画での自衛隊の行動には至極忠実ではあるが。

*9 後に『ゴジラ FINAL WARS』にて本家シリーズに初登場したが、日本版ゴジラに瞬殺され劇中の台詞ではっきりと貶されるというあんまりな役をやらされている。