flowers ~ココロノハナ~

【ふらわーず こころのはな】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Windows 95/98
販売元 ビジュアルアーツ
開発元 CRAFTWORK side:B
発売日 初回版:1998年12月11日
通常版:1999年1月8日
定価 8,500円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント CRAFTWORK唯一のまともなゲーム
最初から最後までノーマル
CRAFTWORK作品
for elise ~エリーゼのために~ - flowers ~ココロノハナ~
さよならを教えて ~comment te dire adieu~ - Geminism ~げみにずむ~


概要

CRAFTWORKのもう1つのブランド「CRAFTWORK side:B」が手掛けた作品。キャッチコピーは『ココロノハナ、咲かせてください…』

タイトルが珍しく曲名に由来していない。一応、本作の主題歌は「flowers」であるが。


パッケージの特徴

前作に『エリーゼ』、次作に『さよ教』というメーカーとは思えない程明るくてまとも。このゲームのパッケージに奇妙な注意書きは書かれていない。

  • もちろん、悲惨で残酷なシーンも、狂気的なシーンも存在しない。普通のエロゲーマーも安心して遊べるゲームである。
    • あまりのギャップに、その2作の後から本作をプレイした人は「他の2作よりも緊張してプレイしている。何も信じられない」と漏らしていたそうだが……

あらすじ

主人公は、最近共学化した元女子校に通う高校2年生。悪友がいたり、密かに憧れる女の子が居たりする、ごく普通の学生である。彼は、4月からの1ヶ月間で誰と仲良くなっていくのだろうか?


キャラクター

登場キャラは以下の通り。これ以外の人物も登場はするが、シナリオに深く関与はしないので割愛。

+ ...
  • 広瀬隆成(変更可能)
    • 本作の主人公。他2作とは対照的に、割とお馬鹿で能天気。もちろん精神崩壊なんてしない。
  • 千秋みのり
    • 本作のメインヒロイン。主人公は彼女に恋心を抱いている。もちろん生首にはならないので、安心して良い。
    • 親の都合で5月には沖縄に転校する事になっている。また、バイクに何かトラウマがある模様。
  • 三船ユズ子
    • 主人公の悪友。ほぼ唯一、学校でまともに話しかけてくれる女の子である。ぶっきらぼうといえばそうなるが、気配りの出来る良い子。銭湯の娘さん。
    • ともすれば男の子に見える程、髪が短い。エンディングでは少し伸ばして、ぐっと女の子らしさが増しているが。
  • 木村ちなみ
    • 主人公の後輩。彼女が落とした定期を主人公が届けた事で、縁が生まれた。シナリオが進むと、演劇部に(主人公共々)所属する様になる。
    • 基本的には素直だが、一度こうと決めるとテコでも動かない頑固さや、物怖じせずに自分の意見を主張する大胆さも併せ持っている。
  • 加東由里絵
    • 主人公のいとこ。彼女の母親が入院したので、その間店を手伝うべく主人公がバイトする…という筋書き。とにかく声が大きい。
    • プレイすると分かるが、思いこみが激しいというか、中々にぶっ飛んだ所をお持ち。今だったら"ヤンデレ"なキャラクターになっていたかもしれない。
  • 稲葉たまき
    • ユズ子の親友。のっけから主人公にパンツを見られる役柄。お嬢様学校に通っているのだが、とかくしがらみの多い現状に嫌気がさしており…。
    • 第一印象は最悪だが、割とあっさり誤解が解ける上、以降はかなり好意的に接してくれる。何気にかなりスタイルが良い。
  • 宮口アキラ
    • 柔道部主将。主人公が彼女の妹をひき逃げからかばったのが切っ掛けで、交流が生まれる事になる。柔道一筋と噂されるが、実際にはそこまでストイックではない。
    • 先輩キャラという事もあってか、やはりスタイルが良い。ちなみに、ひき逃げした犯人は最終的に逮捕されるのだが…。
  • 志村なぎさ
    • 今年から倫理担当として着任した不良教師。とにかく破天荒な言動で、主人公を散々に振り回してくれる。他の6人をクリアしないと攻略できない。
    • 何故教師になったのか、という問いかけ自体は作中でもされるが、詳しい事は何も明かされない。おまけシナリオによると、ライターが破天荒さを表現するのに苦労したのだという。
    • 何故か家の本棚に、医学関係の専門書がある。どうも、看護婦になりたいらしいのだが…。

ストーリー

学校で1日を過ごし、ルートによってはバイト・演劇部・柔道部にも顔を出す…という、よくあるギャルゲーと同じ展開。

+ エンディングについて(ネタバレ注意)
  • 千秋みのり
    • 予定通り、沖縄に転校してしまう。主人公は彼女に会うべく、夏休みに沖縄の空港で再会する――という『南へ。』エンド。
  • 三船ユズ子
    • 実家の銭湯は、結局経営難から閉鎖されてしまう。最終的に彼らは専門学校に進む。関係は相変わらずの様である。同棲している、という一点を除いてだが――。
  • 木村ちなみ
    • 月日は流れ、主人公の卒業の日がやってきた。廃部寸前だった演劇部は、今や数十人規模に盛り返していた。主人公は、大切な彼女に制服の第2ボタンを渡して去っていく。
  • 加東由里絵
    • 彼女の実家で、ケーキ作りの練習に勤しむ主人公。どうやら、卒業した後はこのお店を継ぐ事で確定している模様である。
  • 稲葉たまき
    • 卒業と同時に彼らは同棲し、たまきの妊娠を機に結婚した。今は、親子3人で幸せに暮らしている。たまきのドジな所は相変わらずの様であるが…。
  • 宮口アキラ
    • 主人公は、アキラがスポーツ推薦で入学した大学に進んだ。柔道部に入部し、投げ飛ばされながらも充実した日々を送っている。
  • 志村なぎさ
    • なぎさの彼氏を見て「恐らく自分は肉体関係止まりだろう」と感じた主人公は、卒業と同時に疎遠になった。時は流れ、彼は車にひき逃げされた。そして入院した先には看護婦を務めるなぎさの姿が!
      • 「ひいっ! 性欲の強い看護婦…」と表示されて終わる(元ネタは『PILcaSEX』の中の一篇のタイトルより)。ギャグと言えばギャグだが、今一釈然としないルートである。

評価点

  • アダルトゲームとして
    • 実用性は、まあまあ。ただし、少しばかり無理矢理実行する展開もある為、人によっては拙速に見えてしまうかもしれない。見ようによってはCRAFTWORKらしいが。
    • 全員1回ずつだが、他2作に比べればずっと普通な為、使いやすいとは言えるだろう。いわゆる"中"は1人しかないが。
  • システム
    • 本作ではウィンドウ表示にも対応しており、更にCGギャラリー・Hシーンギャラリー・サウンドテスト・スタッフコメントも搭載されている。
    • そのどれも無かった『エリーゼ』と比較すると大きな進歩である。

問題点

  • 上記の通り、ゲームの期間は1ヶ月と定められているが、これが意味を成しているのはメインヒロインだけである。そのせいか、些か早急な展開に感じられてしまう。
  • 厄介な部分もいくつかある為、攻略サイト無しではセーブ&ロードを繰り返すハメになるかもしれない。そういう意味では、難易度は少し高い。
  • バックログと既読スキップは無い。
    • 1998年製とはいえ、そんなに搭載が難しかったのだろうか?

総評

CRAFTWORK唯一の一般向けな作品。
しかし、狂気が薄れたからなのか、それとも『To Heart』クローンな味付けが露骨だったからなのか、よくある凡作とされている。


余談

  • 初回限定版にはボーカル曲のマキシシングルが同梱。
  • 3作品中唯一プレミア価格が付いていない。
    • ただし二束三文と言うほど安くもない。長岡氏が原画を務めたゲームが遊びたい、CRAFTWORKのゲームを全て手に入れたいという人向け。
  • パラダイムノベルスで書籍化されている。
  • 「CRAFTWORK side:B」ブランドから発売されたのは本作のみ。
    • 2016年に設定資料集のDL販売用ブランドとして「CRAFTWORK side:c」が作られたが、こちらは同人サークル扱いである。

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最終更新:2020年06月29日 23:21