SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.18 ラブ★エアロビ♪

【しんぷるにせんしりーず あるてぃめっと ぼりゅーむじゅうはち らぶえあろび】

ジャンル リズムアクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 D3パブリッシャー
開発元 タムソフト、ヒューネックス
サウンドエイムス(音楽)
発売日 2004年2月26日
定価 2,000円(税抜)
判定 なし
ポイント 独自性の高さは評価できる
コスチューム・曲も良好
理保さん顔が怖いです
さあ本番…あれ?
SIMPLE2000シリーズ


概要

D3パブリッシャーの看板キャラクターである「双葉理保」を主人公とした音楽ゲーム。

  • ラブ★スマッシュ!』に端を発する双葉理保主演作品群『ラブ★○○』シリーズの1作でもある。今作はシリーズ5作目*1

ストーリー(公式より転載)

超巨乳のグラビアトップアイドル双葉理保(17)はデビュー5周年*2記念コンサートの開催に向け、マネージャーの指示でリズム感覚に磨きをかけるためエアロビを始める。
新曲発表も行われる記念すべきコンサートを無事に開催できるのか!? 歌は…、そしてダンスは間に合うのか!?
理保の不安をよそに時間は流れていく…。

システム・評価点

  • このゲームは、一般的な音楽ゲームのように音楽を自分で演奏するのではなく、曲に合わせてエアロビをしている理保の「酸素補給」をコントロールすることになる。それもあって、本作はやや独特なシステムを持つ。
  • 演奏中に使うボタンは、方向キーの上下(または左スティック)と、○×△□ボタンのいずれか1個。以上。
  • 音楽が始まると、左から右にラインが流れていく(一番右まで行くとまた左から)。ラインがところどころに置いてあるマーカーに重なったところで、それに合わせてボタンを押していく。この点は他社の音楽ゲームである『パカパカパッション』シリーズなどに近い。
    • 時間経過や押すタイミングがずれた場合に理保の酸素メーターが減っていき、うまくマーカーを押せれば回復。メーターがなくなると、理保が息切れして失敗になる。
  • もう1つの特徴が、ラインは1つではなく、4つが並走する形で配置されていること。マーカーの配置されているラインは頻繁に変わるので、方向キーで適宜切り替えていかなければならない。
    • ライン移動はいつでもできる訳ではなく、マーカーが全く置かれず細くなっている部分はライン移動が禁止されている(この部分は時間経過による酸素消費量も多い)。うっかりライン移動が遅れて細い部分にはまり込んでしまうと、そのまましばらくプレイできず、横のラインでマーカーが流れていくのを指をくわえて見ていることになる。
    • 一度に複数のラインにマーカーが置かれている場合もあり、厳密なパーフェクトは存在しない場合も多い。
  • 最初は3曲・2コスチュームしか選べないが、遊び続けていればどんどん追加されていく。
    • 新曲は曲の最後まで踊りきれば入手、コスチュームはさらに規定以上の得点取得で入手。
      • それほど厳しい条件ではなく、基本的にS・A・B・Cの4段階のランクのうちBの真ん中辺りの評価を貰える程度の点数を取り続けていればコスチュームまで全て揃う。
      • 対価はないが中盤以降の曲でSランクを取るのはかなり難しく、Sランクを目指そうと思えば独特のシステムもあって一応のやり甲斐はある。
    • 最終的な理保のコスチューム数はなかなか豊富であり、その数14種。
      • 理保のトレードマークである水色ビキニ、露出の激しいレースクイーンやバニーガール、メイド服や「正義の味方」コスチュームなどのミニスカ衣装などバリエーションも十分。
      • リプレイモードでは自由に視点が変えられ、四方八方から理保を見ることができる。
    • 曲数も12曲と、多いとは言えないが低価格作品であることを考えればまあ妥協可能な量。
      • サウンドエイムス*3が担当している曲の出来に問題はなく、曲のクオリティは一般的なリズムアクションに決して劣らない。
      • 理保が歌っている、歌詞付きの新規収録曲も4曲収録されている。

問題点

  • モデリング・モーションの出来の微妙さ。
    • 制作費の都合上しょうがないのだろうが、当時のSIMPLEシリーズ3D作品にほぼ共通して見られる問題である。
    • 一応「プロダンサーによるモーションキャプチャー」を使っているらしく*4、動きが理解を越えておかしいということはない。しかし動きには少々固さが見られ、かなり無理のある動きも散見される。何より、肝心の理保の表情があまり可愛いとは言い難い
    • 自室で理保を選択すると手を振ってくれるのだが、表情が全く変化しない上に手の動きが大変無機質で反応にかなり困る。
  • 演奏している訳ではないという理由もあってか、マーカーの位置が基本的に曖昧。
    • リズムが外れているというよりは、曲に対して「なぜマーカーがそこに配置されているか」という理由に乏しい。
  • 細かいインターフェースが悪く、一般的な音楽ゲームに大抵ある要素がない場合もままある。
    • 演奏曲やリプレイデータを選ぶ際に、CDやビデオテープのケースを開け閉めするモーションが入るのだが、これが1つ選択する際にいちいち入るため選択が面倒くさい。
    • 演奏終了後のリトライ機能がなく、一曲終わると必ず自室画面に戻ってしまう。コスチュームや曲を集める際など高スコアを狙う場合に、同じ曲を繰り返すのが面倒。
      • 曲の最後に辿りつくまでに無理だと諦めたら、曲の途中でポーズをかけリトライしてしまった方が早い。
    • スコア計算がどのように行われているのかの説明が説明書にもゲーム中にもなく直感的でもないため、リザルト画面で出る判定やコンボの定義も分かりづらい。
    • オートセーブや曲終了後のセーブがなく、自主的に自室でセーブする必要あり。セーブし忘れに注意が必要となる。
    • なんとハイスコアがセーブデータに含まれておらず、自分のスコアを記録したければ別ファイルにリプレイデータとして保存する必要がある
      • リプレイデータとして残しても、自分のハイスコアを並べて見られる訳ではないので高みを目指すモチベーションに乏しい。
  • ストーリーモードや順に色々な曲を遊ぶモードなどはなく、ただ黙々と1曲ずつ遊ぶのみ。
    • 操作キャラクターも理保以外にいないためゲームの幅が非常に狭く、飽きが早くなりやすい。
  • 理保のダンスの舞台は基本的に「スタジオ」と「自室」の2種類しか存在しない。
    • 一応「コンサートに向けて練習」というストーリーなのだが、本番であるはずのコンサートの描写は極めて乏しい。
    • エンディングは理保の「この日のために頑張って来たんだから」というセリフが入った後、イラストをバックに理保が曲に合わせて踊っているだけ
    • ましてや、プレイヤー自身がコンサートに臨む理保を操作するようなことは全くない。

総評

システムは高いオリジナリティがあり、その点でプレイする価値はある作品と言える。
曲や衣装のクオリティも廉価ソフトとしてであれば十分及第点に達しており、これら重要な点に関して問題はない。
一方でSIMPLEシリーズ特有のプレイの幅の狭さ・ボリュームの少なさ・細かい点の粗さがかなり引っかかる。
音ゲー部分はそれなりに楽しく過剰な期待をしなければ満足はできるだろうが、費用対効果にはやや難のある作品である。

+ タグ編集
  • タグ:
  • リズムゲーム
  • D3パブリッシャー
  • タムソフト
  • ヒューネックス
  • SIMPLEシリーズ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年12月22日 19:36

*1 再販作品かつ双葉理保が主演でない『ラブ★ソングス♪~アイドルがクラスメート~』は数に含めていない。

*2 双葉理保のゲームキャラクターとしてのデビューは2001年であり、したがってこの「5周年」というのはあくまで双葉理保のゲーム内時系列としての5年分であろう。後の設定と矛盾しているのはご愛敬。

*3 理保のデビュー作である『Love Songs アイドルがクラスメ~ト』の音楽を担当した会社。近年は『ドリームクラブ』や『ラブプラス』の音楽も担当している。

*4 スタッフロールには、株式会社アクワイア所有のキャプチャースタジオ『スタジオアクワイア』の名が見られる。