判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容はオムニバス作品は個別に判定をつけられるようにルール変更されたことを踏まえての判定見直しです。


デビルメイクライ HDコレクション(Devil May Cry HD Collection)

【でびるめいくらい えいちでぃーこれくしょん】

ジャンル スタイリッシュアクション

対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
発売元 カプコン
開発元 Pipeworks Studio
発売日 2012年3月22日
定価 4,800円(税込)
廉価版 【PS3】Best Price!
2012年12月6日/2,200円(税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント 一部を除き追加要素は特に無し
不完全なHD化・透明処理
『2』のプログラムミスが修正
『3SE』に致命的なバグあり
デビルメイクライシリーズ

デビルメイクライ HDコレクション(Devil May Cry HD Collection)

【でびるめいくらい えいちでぃーこれくしょん】

対応機種 プレイステーション4
Xbox One*1
Windows 7~10 (Steam)


発売元 カプコン
開発元*2 NeoBards Entertainment
発売日 2018年3月15日
定価 3,990円(税込)
判定 なし
ポイント 一部改善あり



悪魔も泣き出す



概要

3Dアクションの人気シリーズ『デビルメイクライ』の初期3作品をHD化して1つに纏めたもの。追加要素は特に無し(一部例外あり)。


変更点

体力ゲージの位置が変化

  • これはアスペクト比の問題であるとされる。PS2が3:2であったのに対しアスペクト比のワイド化(16:9)がされている為である。

評価点

解像度・フレームレートの向上

  • 解像度が480iから720pへ。フレームレートが60fps安定となった。
  • 変更点で述べたように、アスペクト比も3:2から16:9に変化した(ハードの設定で4:3にも出来る)。

『2』

  • プログラムミスが修正
    • PS2版『2』には、「ヴァンデッタとマーシレスの攻撃力がリベリオンと同じ」「オフェンスハートの効果がない」というプログラムミスが存在していた。
      • PS2版ではリーチの長いマーシレスが事実上の最強武器ということになり、ヴァンデッタとリベリオンが完全なマーシレスの下位互換となってしまっていた。
      • オフェンスハートはDTゲージの消費量を抑える目的以外、装備する意味がなかった。
    • その他、ダンテ・ルシア共にDT発動時に使用できる□+△同時押しの必殺技が無限に撃ち続けられるというバグも修正された。
    • それらが修正されたことにより、ちゃんとした仕様の下で『2』をプレイできるようになった。
      • ただし、これらの使用はプレイヤー側にとって不利なものが多い。特に必殺技連射バグが修正された影響によりルシア編で評価Sを取るのがかなり難しくなったミッションもある。
  • また、トリッシュの回避に関してはPS2版はダンテの動きそのままなのに対し、HD版では全方向前転になっている。また、格闘系の技全てに炎のエフェクトが入った(攻撃力に関しては変化無し)。
  • 修正とは少し違うが、PS2版『2』のブラッディパレスでは9999階に辿り着いても特典の解放やスコア画面等が無く、純粋に戦うことだけが目的だったが、HD版では一定の階層に辿り着くとトロフィーが取得できるため挑戦する意義が増した。
  • PS2版ではスタートとセレクトの役割が『1』や『3SE』と逆で混乱を招いたものの、本作では『1』や『3SE』に合わせられた。

『3SE』

  • 没データである挑発ボイスの追加
    • 無印『3』の体験版で採用されていた挑発ボイス(製品版では没に)が追加された。
    • ダンテでコート無しコスチューム(2種類)を装備すると、挑発ボイスが通常のものから没データのものへと変化する。
  • ロード時間の減少。および、処理落ちの軽減*3

問題点

HD化されていない部分がある

  • 特に背景に多い。具体的には、『1』のM18の鏡の世界、『2』ダンテ編のM18、『3SE』のM7のバージル戦等。
  • キャラクターや敵、建物のモデルはしっかりHD化されている。
  • システム・メニュー画面はアス比が3:2(『3SE』は4:3)のまま(HD化自体はされている)。

透明処理がされていない

  • 顕著なのが『1』のムンドゥス2戦目。
    • 半透明のカッターを飛ばす、という攻撃を仕掛けてくるのだが、そのカッターが完全に透明になってしまっている。
  • 他にも、半透明であるはずの『3SE』ダンテの前髪が透明でないといった、先述の問題とは真逆の現象も起きている。
  • この影響かは判然としないが『2』のダンテ編のボス、ザ・ディスペア・エンボディードのモーションに残像が発生している。これについては見づらいと取るか、美麗になったと取るかは個人差があると思われる。
    • 余談だが声も変わっている。元々は女性と男性の声2種類が混声されていたが、両方とも男性の声になっている。

プリレンダムービーがSD画質のまま

  • 3作品全てにおいてPS2版の流用であり、高解像度のディスプレイであるほど画質の粗さが目立つ。
  • リアルタイムレンダムービーはしっかりHD化されている。
    • そもそもリアルタイムレンダムービーとはその名の通りリアルタイムでプログラムを実行し、ムービーを流す方式。このためHD化が可能なのである。一方プリレンダムービーはプログラムをリアルタイムで動かさず、あらかじめ操作したプログラムムービーを録画して、その映像を流すだけなので、製作段階に作られたSD画質のムービーを流す他無い。この手法は、当時クオリティが高いムービーをリアルタイムで流せない弱点を持つPS2にとって非常に強力な手法だったのだが…。
  • 前述したように仕様上どうしようも無く、プリレンダムービーのHD化は不可能。ちなみに、同じカプコンから発売された『ゴッド・オブ・ウォー コレクション』や『バイオハザード リバイバルセレクション』もプリレンダムービーはSD画質のままである。

他ゲームへの移行時に本体のリセットが必須

  • 起動時に3作品のどれをプレイするかの選択画面が表示されるのだが、一度どれかを選択するとこの選択画面には戻ってこれない。
  • 『1』のプレイ中に『3SE』をプレイしたくなった場合、一旦本体をリセットしてソフトを再起動する必要がある。
  • また、スタートとセレクトボタンの同時押しでできたソフトリセットも廃止されている。

欧州版との違い

  • 欧州版は『2』にスーパーダンテモードがあるが、日本版・北米版には無い。

『1』のレッドオーブ獲得数にバグがある

  • PS2版と違い、周回時にレッドオーブ獲得数がリセットされない。この仕様変更が伝説の魔剣士・スーパーダンテのレッドオーブ獲得数バグを引き起こしている。
  • 例えば、セーブデータ新規作成→ダンテのノーマルを5万稼いでクリア→続けてハードを10万稼いでクリア→解禁された伝説の魔剣士のノーマルを20万稼いでクリアしたとする。この場合、ダンテはハードのクリア時点で15万稼いでいるが、その値がなぜか伝説の魔剣士のニューゲーム時に上乗せされ、ノーマルのクリア時点で35万稼いだことになってしまう。
  • クリアせずともセーブした時点で上乗せ値が生成される上、『1』には隠し要素の解禁コマンドが存在しない。このバグを回避するにはセーブデータを新規作成し、ノーセーブでノーマル ⇒ ハード ⇒ DMDの順にクリアし、リセット後に3キャラ全員のレッドオーブ未入手データを同時進行で作成するしかない。

『3SE』関連

『3SE』にゲームが進行不能になる致命的なバグがある

  • 原因不明。ダンテ編のほぼ全てと、バージル編のOPで発生する。
    • ムービーが流れるはずのタイミングで、音声だけ流れて画面に何も表示されない、というもの。
  • この間は何も操作できず(PSボタン等は反応する)、時間が経つと音声も途切れて完全にブラックアウトの状態へ。
  • つまり、プレイ中にいきなり進行不能になる(しかも発生のタイミングを全く読めない)という、ゲームとしてかなり致命的なバグが存在している。
    • 対処法は現状無い。バグが発生したら本体をリセットするしかなく、当然直前にセーブしていなかった場合はそれまでのデータも消える。
  • このバグはPS2版(無印・SE両方)・旧Win版には存在しなかった。移植の際、何らかの不手際でこのバグが増やされたとしか考えられない。
  • PS3/360両方で発生するらしいが、360の方に関してはバグ報告がかなり少ない為、本当になんとも言えない謎のバグである。
  • 旧Win版をベースに移植しているらしく、旧Win版で確認される不具合も散見される。それでさらに劣化移植になっていると。
    • ただし旧Win版から修正されている部分*4もある。
    • ベスト版にて修正されているとの噂があったが、実際にはベスト版でも同様のバグがある。

『3SE』の全難易度・クリア特典解放の裏技が使えない

  • 厳密には使えるのだが、使うとセーブ・ロードとトロフィー/実績取得が不可能になる。
  • 一見、不正を防ぐための処置にも見えるのだが、『2』に存在する同様の裏技は使用可能のまま(セーブ・ロードとトロフィー/実績取得も可能)である。

『3SE』で一部の技性能が劣化している

  • カリーナ=アンのGS専用技であるグラップル。
    • 本来は「銃剣を飛ばして敵に突き刺し、更に敵を引き寄せる」という個性的な性能の二段技だったが、HD版では銃剣を飛ばして当たった敵を吹き飛ばすだけの技になってしまった。
      • 公式では仕様と言っているが、ゲーム中の技説明では引き寄せるという説明がそのまま残っている。おそらく設定ミスだろう。

音響の劣化

  • PS2版では対応していたサラウンド環境に非対応となった。
    • この移植のベースとなった旧Win版でも非対応なので、それを引き継いでしまったものと思われる。

PS4/One/Win版

PS4/One/Win版ではいくつか改善点(改悪点も?)が見られる。

3作共通

  • 解像度が720pから1080pへ。60fps対応を謳ってはいるが、これは原作から変わっていない。
  • セーブ、ロード時間が短縮され、一瞬で完了するようになった。
  • タイトル画面から別のゲームに移れるようになった。

『1』

  • 何故か体力ゲージが太くなった。少々見栄えが悪い。
  • ムンドゥスの透明カッターが修正された*5
  • R3ボタンによる武器切り替えの効果音がおかしい。

『2』

  • ザ・ディスペア・エンボディードの声が男女の声二種類へと戻った。
  • DMD、またはLMDのクリアデータの用意と本体の言語を日本語と英語以外にする必要があるがコマンドを押せば日本版でもスーパーキャラが使用可能となった。ただし字幕などを日本語のままでスーパーキャラで遊ぶのは不可能。

『3SE』

  • グラップルバグの修正
  • フリーズバグの修正
  • 武器チェンジのアイコンの位置の変更

総評

ゲームそのものの評価については、それぞれのPS2版の記事を参照されたし。ここでは移植作品としての『Devil May Cry HD Collection』についての評価を述べる。

まず、本作はただの移植作品でありリメイク作品ではない。そのため、PS2版であった問題点のほとんどはそのままである(『2』は例外)。
視点の悪さ、敵が画面外から攻撃してくる仕様(『3SE』除く)、不評な敵、ガッカリゲー・黒歴史として悪名高い『2』のシステム等、全てにおいて変化無しである。よって、本作に対してこれらの点の改善を期待してはいけない。

『1』に関しては、一部の背景がSD画質のままで浮いていたり、ムンドゥス2戦目の半透明カッターが透明カッターになっている等を除けば、ゲームに直接影響するほどの問題点はない。『2』に関しては、プログラムミスが修正されている点が評価できる。

問題なのが『3SE』で、問題点で挙げた通り、ゲームとして致命的なバグが存在している。公式から対処法や修正パッチ等のアナウンスもなく、事実上カプコンはこのバグを黙認しているということになる。
もはや擁護のしようがなく、『3SE』に限って言えば劣化移植と言わざるを得ない。評判の悪いPC版の方がまだマシというレベル。『3SE』目当てで購入するのは絶対にお勧めできない。

PS4/One/Win版は移植度の低さという点は改善されていない上それどころかPS3/360版から更に劣化している部分もある*6*7
しかし、それでもPS3/360版のような致命的なバグは無いため、今から遊ぶならこちら1択だろう。


その後の展開

  • 2020年2月20日にNintendo Switchで『デビルメイクライ トリプルパック』が発売された。商品仕様は『1』のゲームカードに『2』と『3SE』のダウンロードコードが付属する形式となっている*8
    • 内容は『HDコレクション』のPS4/One/Win版に準ずるが、「ギャラリー」が『1』に関する内容のみ抜き出したもののみとなっており、ゲーム内で実績機能に対応している。
    • また、『3SE』にはSwitch版独自の要素として『4』以降のようにスタイルチェンジと武器切替とをボタン1つで行える「FREE STYLE」モードが追加され、ブラッディパレスが「おすそわけプレイ」によるダンテとバージルのCO-OPプレイに対応している。

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最終更新:2024年01月21日 20:03

*1 360版と違いダウンロード専売。

*2 Steamストアでは何故かカプコンになっている。

*3 ジェスター戦で特に恩恵を得られる。

*4 M18のボスラッシュの背景、M19のアーカムレギオンの攻撃の予兆。

*5 ただ『3』のダンテの前髪は半透明じゃないまま。

*6 『1』ではグリフォンの胸のコアが開かないバグがある、「お前を暗闇から救えなかった!」のブラー演出が消滅している等。

*7 『3SE』ではエピローグの「Devil May Cry」のネオンサインが点滅しなくなった(点滅の効果音はあるので仕様変更ではないと思われる)等。

*8 同時期に発売された『バイオハザード トリプルパック』を含め、Switchで発売されているカップリング作品は発売元を問わず全て同様の仕様となっている。