テトリス武闘外伝

【てとりすばとるがいでん】

ジャンル アクションパズル
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 BPS
開発元 不明
発売日 1993年12月24日
定価 8,000円(税別)
判定 なし
ポイント まさしく「外伝」
キャラクターバランスが不安定
テトリスシリーズリンク


概要

誰もが知る落ち物パズルの名作『テトリス』。現在でも安定した人気を誇るがその完成されたゲームシステム故に、基本システムを踏襲しつつ発展させた作品はなかなか見られることはなかった*1。そんなテトリスシリーズの中にあって異彩を放つのがこの『テトリス武闘外伝』である。

「武闘(バトル)」というタイトルの通り、テトリスに当時全盛であった格ゲーの要素をプラスして対戦要素を強く押し出しているのが大きな特徴であるが、それ以外にも「本作独自」の要素が非常に多く、はっきり言って基礎となるテトリス部分以外にシリーズの他作品との共通点は皆無という、異色の作品である。


特徴・ルール

  • 過去の作品にあったゲームオーバーになるまでひたすらラインを消し続ける、いわゆる「エンドレスモード」に当たる一般的なテトリスの遊ばせ方は本作では存在しない。
    • 基本的に対戦に特化しており、「CPUと対戦」「他のプレイヤーと対戦」の2つしかモードがない。
  • 妨害がメインのためにどちらかと言えば『ぷよぷよ』に近いゲーム性を持つ。
    • ラインを揃えて消すと相手フィールドのブロックがせり上がっていく。基本はこれを繰り返して最上段近くまで相手側のブロックを競り上げて追い詰めれば勝利という流れである。
  • NEXTブロックの仕様も非常に独特
    • 本作のNEXTブロックは両プレイヤーが共有する形になっており先にブロックを落とした方が表示されているブロックを獲得できる。
      • このため「欲しいブロックを奪い取り、いらないブロックを押し付ける」という本作独自の戦略が必要になってくる。
  • ラインの送り込みも独特で消したライン数に比例して相手に送り込める。つまり1ラインでも消せば、送り込めるということである。
    • お互いが送り込んだ場合は相殺が発生する。これにより送られる量を減らしたり、逆に送り返すことも可能になる。
  • 最大の特徴は選択したキャラにより異なる4種類の必殺技が使えること。
    • 必殺技の使用には通常ブロックに紛れて降ってくる(初期設定では5の倍数の順番時に出現)「クリスタルブロック」を消して貯めていく必要がある。当然貯めれば貯めるほど強力な技が使える。
      • 基本的にLv1は全キャラ共通して回復技、Lv4は一発逆転を狙える大技になっている。
    • 必殺技を使った瞬間両者の落下中のブロックが吹き飛び、NEXTブロックは使った側に来る。
    • 技の選択はできず、常に手持ちの最大の技が使われるため、わざとクリスタルブロックのある列を消さず積んでおくのも戦術である。
    • 技によっては、二回消さないと消えない「石化ブロック」(その列のそれ以外のマスを通常ブロックで列を埋めると通常ブロックが消滅し、石化ブロックが通常化する)を相手フィールドに出現させる。
  • 世界観も異質。
    • 無機的なイメージの強いテトリスシリーズの中にあって、本作のキャラクター達はどこかコミカルかつファンタジックな世界観で描かれている。
    • ファンタジー作品でお馴染みドラゴンも本作ではデフォルメされた可愛いデザインになっている。

キャラクター

+ クリックで展開
  • ハロウィン
    • イタズラとお菓子が大好きなカボチャの怪人。「ドラゴンが貯めこんだお菓子」という子供らしい目的で旅に出る。対戦前には相手を「カモーン」というセリフで挑発する。
      • Lv1フライ:自フィールドの下3ラインを強制的に揃える。クリスタルブロックもノーマルブロックに変化してしまうが、石化ブロックは変えられない。
      • Lv2ダーク:3ブロック落下の間、相手フィールドを真っ暗にする。落下するブロックが照らすスポットライトの範囲のみ視認可能。
      • Lv3バンパイア:相手側のゲージに溜まっているクリスタルを全部奪い取る。
      • Lv4ボム:相手フィールドに存在するブロックにランダムに無数の穴を開ける。クリスタルも破壊することもある。
    • 攻守共に揃った扱いやすいキャラだがどちらかと言えばアタッカー寄り。シンプルかつ強力な必殺技を持った初心者向けキャラ。
  • ミルルン
    • ピンクのうさぎ。なぜかしっぽがコンセントになっている。世界中の人と友達になるのが夢で、ドラゴンともお友達になろうとする。
      • Lv1ミルルン:自フィールドの下4ラインを消去する。
      • Lv2ハンテン:3ブロック落下の間、相手の入力操作を、コントローラーを上下逆にした状態に変化させる。
      • Lv3ペンタリス:相手フィールドを5ラインせり上げる。通常の送り込みブロックと同じく1つだけ空白ができて揃っているため場合によってはチャンスをもたらす。
      • Lv4スリトテ:相手フィールドの一番高いラインから最下段までの全ての通常ブロックの有無を逆転させる。石化ブロックとクリスタルブロックはそのまま。
    • ハロウィンと同じくバランスのとれた初心者向けキャラ。ただし、自分のレベル3技「ペンタリス」とレベル4技「スリトテ」の相性が悪いので連続使用は避けたい。
  • シャーマン
    • 巨大な仮面を被ったどこかの部族の神官。部族に伝わる秘薬を作るために必要なドラゴンを求めている。喋り方が独特…どころか「んばぼぼ」なので他人に通じず大抵怖がられる。プレイヤーにも分からない。
      • Lv1モーゼ:自フィールドのブロックを左右に詰め、中央を開ける。
      • Lv2カイテン:3ブロック落下の間、相手のブロックが回転および高速落下の操作時に高速連続回転する。
      • Lv3ノロイ:5ブロック落下の間、相手フィールドの下から1ラインずつ石化ブロックをせり上げる。送り込みも石化ブロックとなるため、シャーマンが効果時間にラインを消すとさらに強力に。
      • Lv4イノリ:他キャラのLV4技がランダムで発動。
    • 見た目に反してバランス型。レベル1技「モーゼ」はブロックを左右に分けてまとめるので粘りがきき、レベル3技「ノロイ」は相手がブロックを消さないかぎり多数の石化ブロックを送り込む。しかし、レベル4技「イノリ」は「他のキャラのレベル4技をランダムに発動」という本作最大の博打技。それだけならまだしも、たまに自分自身にメデューサが発動し、自爆する可能性まで秘めている。全く安定しないためここぞというときの逆転が難しい。
  • アラジン
    • ランプの魔神を従える少年。胸躍る冒険を探している。喋り方は丁寧だが自信過剰な性格。
      • Lv1シーソー:自フィールド下2ラインをそのまま相手フィールドに送り込む。石化ブロックとクリスタルブロックも送ってしまう他に、状況は限られるが後述のニンジャの「ダイナシ」で生じた何もない空間も範囲内であれば送り込む事も可能。
      • Lv2シールド:7ブロック落下の間、相手からブロックを送り込られてもせりあがらなくなる。
      • Lv3ファックス:自分フィールドの状態を相手フィールドに送り付けて同一にする。
      • Lv4リモコン:2ブロック落下の間、相手の落下ブロックの操作が自分と連動される。
    • 本作きっての壊れキャラその1。 理解しているプレイヤーが使えば相手は「テトリス」をさせてもらえない。
      • 低レベル技は堅実な防御技で、全キャラ中唯一相手のフィールドへ即時に影響を与えられる。
      • 高レベル技は状況が整えば問答無用で相手を葬り去る(後述)。
      • 上記2つが目立つものの、残りも十分凶悪に値する。*2
  • プリンセス
    • エルシップ王国の王女。ドラゴンにさらわれた姉を取り返すために旅に出る。
      • Lv1ソル:自フィールドの任意の縦3列分を消し去る。
      • Lv2ミラー:10ブロック落下の間、相手の必殺技の対象を逆にする。発動時の演出が静か。
      • Lv3マヒ:4ブロック落下の間、相手の操作ブロックを回転できなくする。
      • Lv4コピー:相手フィールドの状態を自分フィールドに送り付けて同一にする。
    • 格ゲーで言うならば当身キャラ。レベル2技「ミラー」で相手の技を返す(双方に影響する技の場合は効果が逆転する)カウンターがメインとなるため対人戦では警戒されて*3真価を発揮しづらいが、CPU相手ならかなり強い。
      • なお、古今東西どんな作品であろうと女性キャラというものは回復技を得手としていることが多いが、彼女のレベル1技「ソル」は 任意の連続する(上から下方向)の列を3列消し去るという癖のある効果で、全キャラクターの回復技の中でも屈指の性能を誇る。一応活かせる場面もたまにあるかもしれないが、使いにくさが目立つ。
  • ビット
    • 森に暮らす5人の小人。ドラゴンと楽しい踊りを踊りたいという動機で旅に出る。配色といい、技使用時のポーズといいどこか戦隊ものを思い起こさせる。
      • Lv1スターダスト:上からランダムで10個星が落ちてきて、落ちた所の横一ラインを消してゆく。
      • Lv2フィーバー:10ブロック落下の間、自分・相手共に発動時と同じブロックが出現し続ける。
      • Lv3ギャング:相手のフィールドにあるクリスタルブロックを奪う。奪った箇所は穴になる。
      • Lv4マンボ:相手フィールドが音楽に合わせてランダムに上下に波打つ。ラインが揃わないようにしてくれる…ようにはしてくれないが。クリスタルブロックが移動してくれることも。
    • ネタキャラ枠。場の状況と運に効果が大きく左右されるためまるで安定しない。反面、使用者にすら想像もつかない結果をもたらすこともあるためハマれば意外な強さを見せたりする。
  • ニンジャ
    • 名前の通り忍者。カエルにされた恋人を救うためドラゴンが持つ秘薬を求めている。
      • Lv1ヨセ:自フィールドのブロックを画面端に寄せ、隙間を詰める。LV1の技で唯一ブロックの数が減らない。
      • Lv2マヤカシ:4ブロック落下の間、表示されたネクストブロックと異なるブロックを落下させる。
      • Lv3ダイナシ:相手フィールドに蜘蛛の巣が張られ、5ブロック落下の間、ラインを消してもブロックが落下しなくなる。
      • Lv4メデューサ:相手フィールドのノーマルブロック全てを石化ブロックにする。1回消して色が付いた石化ブロックも元に戻してしまう。
    • 言動通りのオフェンスタイプ。忍者らしくいやらしい攻撃技が多い。レベル1「ヨセ」は全ての列を横に寄せるためテトリスチャンス、レベル4「メデューサ」は敵フィールドのブロックを全て石化ブロックにする恐ろしい技。
    • 当初はそのオフェンス力から壊れキャラと評される事も多かったが、実際はレベル1技が回復になっておらず、レベル2の妨害技も弱いため他キャラに座を譲っている。*4
  • オオカミオトコ
    • 武士道に篤い狼男。ドラゴンにさらわれた姫君を探している。
      • Lv1カット:自フィールドの一番上から4ラインを消去する。
      • Lv2ヌー:相方のヌーが登場して3ブロック落下の間、相手のドロップ速度を最低にし、高速落下も不可能にする。
      • Lv3ナカヨシ:7ブロック落下の間、相手がラインを消した数だけ、自フィールドも同じライン数消える。
      • Lv4ドトン:4ブロック落下の間、消すだけで全てのノーマルブロックが落下して連鎖するようになる。クリスタルブロックは落下しない。
    • 本作きっての壊れキャラその2。レベル2技「ヌー」の極悪さ(後述)が語り草。
  • ドラゴン
    • 様々な理由でプレイヤーキャラに狙われている。純粋にテトリス相手を欲しがっていただけで実はそこまで悪人(?)ではない…というか結構な苦労人。ストーリーモードでは自分の選んだキャラ以外の7人を倒すと出現。裏技で対戦モードに限り使用可能。
      • Lv1プレス:自フィールドを中央に寄せた後、3ライン消去する。
      • Lv2セレクト:4ブロック落下の間、セレクトボタンで落下ブロックを任意の種類に変化できる。
      • Lv3ルーレット:3ブロック落下の間、相手の入力操作をランダムに入れ替える。
      • Lv4チェンジ:お互いのフィールドの中身をそっくり入れ替える。
    • 豪快な見た目にそぐわないディフェンスキャラ。敵としては面倒な技を多く所持しており、中でもレベル3技「ルーレット」は対人戦だと非常に厄介。そして極め付けにレベル4技である「チェンジ」。相手と自分のフィールドをそっくり入れ替えるという凶悪な技であり、この技が出せる状態のドラゴンに対しては迂闊に攻めることも守ることもできない。壊れキャラの影に隠れがちだが、実は相当に強く厄介。
  • グラプリ(グランプリンセス)
    • プリンセスの姉にして本作の最終ボス。ドラゴンすら従える実力の持ち主。ドラゴン撃破後に登場、そのまま戦いとなる。同じく裏技で使用可能になる。ちなみにグラプリという略字は公式からも愛用されている。ちなみにストーリーモードと対戦ではクリスタルが溜まっていない状態でポーズをかけると台詞が異なる。
      • Lv1ハイパーフライ:下4ラインを強制的に揃える。石化ブロックも通常のブロックに戻すが、例外的にクリスタルブロックはそのまま残るため連発可能。ハロウィンの「フライ」の純粋な強化版に当たる。
      • Lv2リバース:4ブロック落下の間、相手の左右移動・回転が逆になる。
      • Lv3ダブルス:7ブロック落下の間、ラインを消した時の相手への送り込みライン数が2倍になる。テトリスで消せば何と8ラインも送り込める。
      • Lv4クリアー:自フィールドのブロック全てを消去する。
    • ラスボス特権でチートクラスの技ばかり所持している。特に最強の攻防一体技であるレベル1技「ハイパーフライ」を連打し、ネクストブロックを支配してしまう戦い方が非常に極悪。レベル4技「クリアー」は自分の場のブロックを全部消し去るという凄まじいもの。

評価点

  • 独特の面白さ。
    • 一風変わったルールのテトリスだが本作では様々な要素が全て対戦に特化させるために存在する。
    • 『ぷよぷよ』などと比べてもかなり積極的に相手を妨害できるため、「友情破壊ゲーム」などとも言われる。
  • 個性的なキャラクター。
    • 10人のキャラクターが4種類の技を持っているが、技の被りが一切存在しない*5。イメージにもよく合った技の数々は魅力的。
    • ストーリーも個性的。また対戦前の掛け合いは全キャラ異なったものが用意されている。どちらのキャラがプレイヤー側かCOM側かでも変わる。
  • オプションが充実している。
    • クリスタルがどれぐらいの頻度で出現するかといった項目や、ハンデとして技に必要なクリスタルの数を増やすこともできる。
      • 全てのブロックにクリスタルをつけるカオスな対戦や、逆にクリスタルを完全に消してストイックな対戦もできる。
    • 特筆すべきは「RENSAモード」。これを設定するとブロックを消した際、そこより上のブロックがぷよぷよのごとく落下し連鎖を狙えるようになる。通常とは全く異なる戦略が必要になる。
      • RENSAモードに設定してもクリスタルは落下しない。その列の上のブロックが全てひっかかる。このあたりも考えてプレイする必要がある。
      • 「RENSAモードでクリスタルなし」の対戦も連鎖合戦になって面白いと攻略本で推奨されていた。
  • 各キャラクターステージのBGMもイメージによく合った良曲ばかり。

賛否両論点

  • 過去のストイックな雰囲気のテトリスとは違う方向性。
    • 全体的にひらがなが多用されるなどメルヘンチックなイメージで子供向けの風情が漂っており、シリーズの中においてもかなり異質。
  • 必殺技の演出があまり派手ではない…というより地味。
    • 派手過ぎてもテンポを阻害するので難しいところではあるが。それでもレベル4技の演出ぐらいはもう少し頑張ってほしかったと思える。

問題点

  • キャラクター間のバランスが劣悪。
    • 特に指摘されるのはアラジンとオオカミオトコ。ドラゴン、グラプリも大概だが、中ボスとラスボスということもあり、本体の電源を入れてタイトルの出る前に裏技*6を入れないと使えず*7、「使わない」方針でお互いが合意することも多いため、この二人ほどは非難されない。
      • アラジンのレベル4技「リモコン」は「2ブロックの間、相手のブロックの動きが自分と同じになる」という技。つまり相手のフィールドに一定以上の高さがあり、自分自身のフィールドは積み上がることのない状況であれば、有無を言わさず葬り去ることが可能なのだ。
      • 「リモコン」は後述のように他のキャラなら回復技などで高さを低くする事である程度は対応出来るが、シャーマンの場合はブロックの高さ自体が変わらず、おまけに攻撃技も「シーソー」「ファックス」で容易に引っくり返されるなど、下手をすれば抵抗も出来ずに詰む可能性もあるほどに相性が悪い。
      • 輪をかけてひどいのがオオカミオトコのレベル2技「ヌー」。「3ブロック落下の間相手のブロック落下速度を最低にする」技なのだが、問題なのはこの「3ブロック落下の間」というのが「技をかけられた相手にとっての」時間であること。落下速度が最低になっているため3ブロック落とすまでには相当な時間がかかる。よってほかの妨害系の技に比べて効果時間が極めて長い。
      • 一度ヌーを発動させてしまえばその間に相手に渡すブロックはオオカミオトコ側が自由にコントロールできる。発動時間中にクリスタルを2個貯めて効果が切れると同時に再びヌーを発動する「ヌーハメ」はほとんど回避不可能。これを繰り返しているだけで相手はオオカミオトコがラインを消すことによる送り込みでブロック段を上げられ、追い込まれる。まともに対抗するにはオオカミオトコの「ナカヨシ」やアラジンの「シールド」と言ったフィールドに及ぼす効果を後だしで使って「ヌー」を上書き終了させるしかない。
      • リモコンはまだ「アラジンにクリスタルを4個渡さない」「ブロックを一定以上積まない」といった対処方法でなんとかならなくもないが、ヌーはレベル2なので初期設定だとクリスタル2個で容易に発動でき、発動を防ぐことすら至難。それでいてゲーム展開を圧倒的に支配されてしまうため、負け方も酷くかなり精神に悪い。友情ブレイカーになりかねない代物であるので、時と相手によっては自重すべし。
  • AIが一部の技に対応できていない。
    • 視界や操作を惑わす技は全て無効化される。具体的にはハロウィンの「ダーク」、ミルルンの「ハンテン」、ニンジャの「マヤカシ」。全てレベル2技であまり決め手ではないのが救いか。人間でも詰みそうな時を例外にするとすぐに慣れるほどの技である。
    • 一方、「ブロックを回転させてから左右位置を決定する」という思考パターン上、相手のブロック回転をできなくさせるプリンセスのレベル3技「マヒ」は左右移動どころか高速落下まで封じてしまうので対人戦以上に効いてしまう。但し、四角型のブロックは回転させても無意味なためか、普通に置いてくる。
      • レベル2カウンター技「ミラー」をほとんど警戒されないこともあり、プリンセスがCPU戦で強い理由の一つである。
    • 完全に対応できていないわけではないが、ドラゴンのレベル2技「セレクト」(自分のブロックを自由に別のブロックに変換する技)はCPUが使った場合棒ブロックにしか変化させない。
      • ただし、この技は自分で使うと状況の判断とブロックの選択がめっぽう難しく結局人間にも使いこなせない技なのだが。
  • 「必殺技を使った瞬間両者の落下中のブロックが吹き飛び、NEXTブロックは使った側に来る。」システム自体が問題ともされる。これにより逆転が難しくなっている。
  • 初期設定(RENSAなし、クリスタルは5回に1回)だとクリスタルブロックをうまく取ったもの勝ちになりやすい。しかもこのテクニックが上手い方が独占することになりやすく勝負が一方的に。
    RENSAモードにすれば通常ブロックが連鎖して下に落ちるが、クリスタルブロックの上に引っかかるようになり、クリスタルブロックを独占することが勝ちとも限らなくなる。
    このモードだと通常ブロックが連鎖するために技の有効度が変わってしまうという問題があるが。
  • 痒いところに微妙に手が届かない仕様
    • 勝利条件は「2ラウンド先取」のみで勝利ラウンド数の変更はできない。
    • 対CPUのフリー対戦ができない。
      • ストーリーモードでは自由に相手が選べるがボス級の敵は全員倒さないと出現せず、勝ったら話が進んでしまう。同キャラ対戦も2人プレイ限定の機能である。裏技で自分をボスにしてもそれでCOMと戦うことができない。
    • エンドレスモードがないため、もくもくと1人でスコアを突き詰める遊び方ができないのは、ストイックなやりこみを醍醐味とするテトリスの根本から言えば非常に物足りず、対戦の息抜きにエンドレスプレイといったこともできない。
      • クリスタルをなくすことは設定変更で可能だが常に対戦であり、NEXTブロックも奪い合いである。

総評

「対戦に特化したテトリス」というかなり異色の作品だがアイデアは非常に良い。
NEXTボックスの仕様、独特なRENSAモード、なにより魅力的なキャラクターが繰り出す必殺技の数々は地味になりがちな「対戦型パズル」を盛り上げてくれる。
それゆえにできることの少なさ、バランスの悪さなどの欠点が目についてしまう残念な面もある。
「良作」と評する人も多い作品だが現在まで移植、続編、VCでの配信などは一切なされていない。



余談

  • 本作に導入されたNEXT共有やRENSAシステムはスーパーテトリス3スーパーボンブリスには導入されているが、それきり新しいテトリスには導入されていない。それぞれのルールを採用した通常のテトリスが楽しめるのは、このゲームだけである。
    • 一風変わった戦略が試されるシステムなのでぜひ新しいテトリスに採用してほしいものであるが、現行のテトリスはワールドルールのガイドラインがガッチリと敷かれているため導入は困難であると思われる。
  • ストーリーモードにおけるエンディングのロールでは、開発スタッフのものと思われる一言メッセージが流れてくるのだが、
    その中に「 きょうもざんぎょうだ 」とのメッセージが紛れて流れてきたりする。
    かなり過酷な労働環境でのゲーム開発だったのだろうか……今となっては確かめる術はないが。

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最終更新:2022年05月16日 12:19

*1 BPSの「ボンブリス」や任天堂の「テトリスフラッシュ」は基本的な部分こそ本家テトリスを下敷きにしているものの、「ブロック消去の手段」というシステムの根本的な部分で大きく異なる。

*2 多くのキャラは1つ微妙な技を持っていたりする

*3 保持中か発動しているかはきちんと判別が付く。クリスタルが表示されていれば保持中であり、消費しているのにミラーの文字が出ていれば発動中である。そのため知っている相手だとほとんど通用しない

*4 とはいえ本作慣れしておらず、普通にテトリスしている相手には相当に強いキャラではある

*5 正確に言うならグラプリのレベル1技はハロウィンのレベル1技の完全上位だが。

*6 BBXXAYAY↑←と入力。コナミコマンドの逆向きという説もある。

*7 しかも裏技を使うとタイトルの直前に出る画面の白い文字が青い文字に変わるし裏技も長いのですぐわかる。