スカシカシパンマンDS 「しょこたん」こと中川翔子プロデュース

【すかしかしぱんまんでぃーえす しょこたんことなかがわしょうこぷろでゅーす】

ジャンル 貧欲ゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 インターチャネル
開発元 カムイ
発売日 2009年3月5日
価格 5,040円(税込)
判定 なし
ポイント 中川翔子考案「スカシカシパンマン」のゲーム化
激しく微妙なミニゲーム集
激しく人を選ぶギャグセンス


概要

TVタレントである「しょこたん」こと中川翔子氏が考案したキャラクター「スカシカシパンマン」のゲーム化。
ゲームタイトルが示す通り、本作はしょこたんがプロデュースを担当している事が大々的にアピールされている。

公式のゲームジャンルは「貧欲ゲーム」とあるが、形式上のジャンルとしてはミニゲーム集を中心としたバラエティゲーム。
詳細を書くと長くなるので省略するが、あらすじは「主人公のヒーローであるスカシカシパンマンと、その同行者のヒロインであるエイ子が、世界の平和を守る為にジュエル探しの冒険をする」と思ってもらえればいい。
本作はボイスによる会話シーンが頻繁に入る。スカシカシパンマン役は大御所声優である若本規夫氏が、エイ子役は中川翔子本人が担当している他、重要キャラにも声優陣が起用されている。

主なモード

  • ストーリー
    • 本作のメインモード。
    • スカシカシパンマン達を操作して数々のイベントやミニゲームなどをこなしていき、全7話構成のストーリーを進めていくのが目的となる。
    • 詳細は下記の「主なルール」の項を参照。
  • ミニゲーム
    • 「ストーリー」で登場したミニゲームを単独でプレイできるモード。
    • 全40種類。量が多いのでゲーム内容については割愛するが、以下の題材のミニゲームが用意されている。
+ ミニゲームの題材
  • 納豆まぜ!
  • ワゴンセール
  • 海底温泉
  • コマンドバトル
  • スカシバーガー
  • デコスロ!
  • 指圧師
  • からあげ味付け研究室
  • トイレにGO!
  • シューティング!
  • 合体ロボ
  • イカスミ
  • バカルタ!
  • 仕分け
  • 救急レスQ
  • シルエット当て
  • スカシ刑事
  • 格闘
  • エイ子の楽しい英語
  • 抜け殻崩し
  • 川でメシ釣り
  • 打楽器の名人
  • 雑巾がけ
  • 潮干狩り
  • Let's 毛抜き
  • リバーシ?
  • スパイ
  • からあげ暴食
  • ギガントハァハァ
  • スライドパズル
  • 不可思議なメイズ
  • ドレミでスカポン
  • 大リーガー
  • 早撃ちガンマン
  • 長ネギ白刃取り
  • どれか当てるゲーム
  • 何匹いたか当てる
  • フーフー伝票
  • セミの抜け殻ダーツ
  • ゲップを我慢
  • オプション
    • ゲーム内の音量設定とデータ消去が行えるモード。
      • 音量設定に関しては、BGMと効果音(ボイス)の音量を別々に調整でき、共に無音にする事も可能。
      • データ消去は「"ストーリー"のデータのみを消去」と「ゲーム全般のデータを完全消去」の2つの操作がある。前者は「ストーリー」以外のデータは残しておける。
  • コレクション
    • 「ストーリー」内で入手したアイテムを鑑賞できるモード。
    • 総計100種類のアイテムが用意されている。アイテムの属性には以下の3タイプが存在し、ボイス系とCG系に関しては何かしらのお楽しみが用意されている。
      • 「ボイス系」…スカシカシパンマンとエイ子のボイスが聞けるアイテム。全部で60種類存在する。
      • 「CG系」…本作の登場キャラのCGが鑑賞できるアイテム。全部で32種類存在する。
      • 「攻略系」…「ストーリー」「ミニゲーム」内で何かしらの効果を発揮するアイテム。全部で8種類存在する。
  • つうしん
    • 通信による対戦プレイが楽しめるモード。
    • プレイするにはDS本体と本ソフトが2つずつ必要となる。

主なルール

ストーリー

  • ストーリーの流れ。
    • 「ストーリー」を開始するとMAP画面が表示される。そこから選びたい場所を決定するとフィールト画面に移項する。
    • フィールド画面では「ミニゲームのノルマ」が何個か用意されているので、そのミニゲームをすべてクリアすれば「スカシイベント」が発生し、それもクリアすればその話が終了となる。
    • 前の話を終えると、再びMAP画面が表示されるので、以後は上記の流れを繰り返していけば話が進んでいく。
    • フィールドにおいては下画面にてフィールド表示、上画面にてフィールドの全体図・スカコインの残数・ミニゲームノルマの数などのステータスが表示される。
    • このゲームはマルチエンディング制を採用しており、エンディング付近の選択肢で結末が変わる仕掛けとなっている。
  • フィールドはトップビューのアクションゲーム風の内容になっている。
    • 以下の操作でスカシカシパンマンを動かす事ができる。
      • 十字キーでスカシカシパンマンの移動操作。
      • Aボタンで攻撃手段である"スカコイン投げ"。
      • Bボタンで通常よりも早く移動できる"マッハ移動"。
      • Xボタンで画面内にあるミニゲーム場所の位置を知らせてくれる"スカレーダー"。
    • 上記の移動以外の操作を行うと「スカコイン」が若干量消費されるというリスクがある(スカコインに関しては下記にて)。
    • フィールド内には無限に戦闘員の雑魚が沸いており、こいつに触れるとスカコインが多めに消費してしまうというペナルティがある。
      • 雑魚に触れたくなければ、スカコイン投げを投げて追っ払うか、上手く移動させて回避する以外に方法はない。
  • フィールド内には、ドアや洞窟などのミニゲーム場所が存在し、それに触れると専属のミニゲームが発生する。
    • ミニゲーム場所の目安は乏しい為、一見ではどこに場所があるのかがわかりにくい。スカレーダーを駆使すれば場所の特定がしやすくなるのでお勧めする。
    • ミニゲームをクリアすると、そのフィールド内に指定されたミニゲームノルマが1つ消費される、これを指定分すべて消費すれば次のステップであるスカシイベントに進める。
    • 各ミニゲーム場所で発生するミニゲームは完全固定である。同じミニゲームを繰り返しプレイする事は可能だが、それを2回以上クリアしてもノルマは消費されないので注意。
    • ミニゲームをクリアできればボーナスとしてスカコインが貰える。このゲームでは何をするにもスカコインが必要となるので何度もプレイしておきたい。
      • ミニゲームは「ストーリー」のフィールド内だけではなく、「ミニゲーム」のモードでクリアしてもこちら側にスカコインボーナスが入手できる仕様となっている。
    • ミニゲームをクリアできずに終わってしまうと、もちろんスカコインは貰えないがそれ以外でのペナルティはなく、何度でも再挑戦が可能である。
    • ミニゲーム以外でも、フィールド内にはスカコインがアイテムとして放置されている事があり、それにスカシカシパンマンを接触させるとスカコインが若干量貰える。
  • ミニゲームノルマをすべて消費すれば、ボス格のキャラチップがフィールド内に登場し、それに触れればスカシイベントが発生する。
    • スカシイベントは上下画面すべてがボスキャラ(何故か女の子多し)の全身絵で表示される。それを「スカシ穴」なる明かりにて絵を透視する感覚で拝んでいく事になる。
    • 十字キーかタッチペンのスライドにてスカシ穴を移動させ、何もせずに放置するとその部分の絵の拡大がされる。
    • 絵の拡大中に何か光るポイントが発生する場合があるので、それに上手くスカシ穴を調整してAボタンかタッチペンで突けば何かの発見ができる。
    • 何かしらの重要な発見を行えばスカシイベントはクリアとなる。この紹介を見てピンと来た方も多いと思うが、実際その通りで『どきどき魔女神判!』の神判パートとやたらと似たイベントである。
    • なお、スカシイベント中はスカコインが消費され、これがないとイベントがプレイできなくなる。但し、とあるアイテムを持っている場合はこの限りではない(下記)。
  • フィールド内にはミニゲーム場所の他に、「ガチャガチャ屋さん」という場所が1箇所ある。
    • これに入ると「100コインのガチャガチャ」と「500コインのガチャガチャ」が置かれており、その数値のスカコインを消費して無限にプレイする事ができる。
    • ガチャガチャの中には様々なアイテムがあり、それを入手する度に「コレクション」のアイテム欄が埋まっていく。
    • 500コインガチャガチャは100コインのそれよりもレアなアイテムが出現しやすい。また、100コインガチャガチャはたまに「スカ」(はずれ)が出る事もある。
    • 所詮はガチャガチャなので何のアイテムが出現するかはランダムであり、同じアイテムがダブる事態も起きる。ダブったアイテムは最大10個まで重複ストックがなされる。
    • アイテムには「ボイス系」「CG系」「攻略系」の3タイプがあるが、ここでは攻略系の関する紹介をする。
      攻略系アイテムには「ミニゲームで使用するもの」と「スカシイベントで自動発揮されるもの」があり、前者に関しては使用した分のアイテムを消費してしまう。以下攻略系アイテムの紹介。
      • 「スカシドリンク微糖」…これをミニゲームで使用すると、クリア後のスカコインボーナスが2倍増しになる。
      • 「スカシドリンクS」…これをミニゲームで使用すると、クリア後のスカコインボーナスが4倍増しになる。
      • 「イカさま塩辛」…これをミニゲームで使用すると、ゲーム結果の成否に関わらずクリアした扱いとなるチートアイテム。レアクラスで入手し辛い。
      • 「スカシ仮面の破片(5種類)」…全部で「A」「B」「C」「D」「E」の5つの破片があり、それをすべて集めるとスカシイベントで一切のスカコインが消費されなくなる。

ミニゲーム

  • ミニゲームに関する情報は以下の通り。
    • 難易度を3段階から選べるが、一度「ストーリー」をクリアしないと易しい難易度しか選べない。
    • 難易度は難しい順から「ネ申級!」「平凡」「やさしさいっぱい」がある。クリアすればスカコインボーナスがもらえるが、難しい難易度程にボーナスが多く貰えやすい。
    • 「ネ申級!」と「平凡」をクリアすると、各自、「金の紋章」と「銀の紋章」のクリアマークが付く。
    • ゲーム開始前にルール説明が挟まれるが、その状態で上記の難易度選択の他に「アイテム使用」が可能。アイテムに関しては上記のガチャガチャ屋さんの項にて。

つうしん

  • 二人対戦プレイができる。
    • 大方は単独におけるミニゲームと同じ内容を対戦形式でプレイする内容なっているが、選べるミニゲームは全4ゲームと単独よりも限られる。

評価点

  • 使い回しが一切ないミニゲーム。
    • 少し難易度を変えただけの水増しは無く、本当の意味で40種類のミニゲームが用意されている。
    • どのミニゲームもルールに差別化が図られ、グラフィックもほぼ違う素材(BGMに関してはさすがに流用はある)。
  • 快適なテンポ。
    • 各自イベントに関しては長ったらしすぎず、きりのいいところでゲームに移項してくれる。
    • フィールドアクションにしろ、ミニゲームにしろ、余計な演出は入らずに順々と進めるのも嬉しい。
  • ボイスの収録量が多め。
    • DSにしては結構喋る部類のゲームだと思われる。「ストーリー」内ではもちろんの事、ミニゲームのルール説明にすら専属のボイスが用意されているこだわり様。
    • とはいえ、流石に大方のイベントは会話文章のみに留まっており、フルボイスクラスの喋りはしない。まぁ、それは逆に解釈すればテンポの良さに繋がっているともいえるが…。
  • 女の子の絵柄が可愛い。
    • ギャルゲーでないにもかかわらず、何故か無駄に萌え萌えなキャラの割合が多い。
    • ちなみに主役ヒロインのエイ子も何だかんだで可愛い上に魔女っ娘コスプレをしてくれるサービスシーンがある。ちょっと素人っぽい「しょこたんボイス」もいい感じにキャラと合っている。

賛否両論点

  • 独特すぎる話のノリ。
    • 原作のスカシカシパンマン自体がかなり人を選ぶノリなので、ある意味ではそれを忠実に再現しているともとれる。
      • 一応はスカシカシパンマンという戦士が活躍するヒーローものという位置付けだが、一般的なヒーローものみたいな熱い展開ははっきりいってない。
      • スカシ側も敵側もやたらとゆるい連中ばかりであり、どこか悪と戦っている感じがしない。実際、ラスボスとの対決となる終盤の話になってもゆるゆる路線は変わらないほど。
      • その割には何故かエンディングの一部は微鬱という謎展開を迎える。それまでの過程がゆるすぎる故に「今更シリアスになられても…」と複雑な気分にさせられてしまう。
  • 色々と不健全で毒の強いネタの数々。
    • スカシカシパンマンとエイ子の会話が商業ゲーム内での発言とは思えぬ程に強烈な言い回しとなっており、そういうものに耐性のない方にとってはかなりきつい。
      • 若本氏のぶっとんだ口調も凄いが、しょこたんの「エイ子語」なるものは全編通して2ちゃんねる用語全開という恐ろしいもの。あまりにも強烈な口調な為か、説明書に「エイ子語ミニ辞典」なる解説が1ページ丸まるに表記されている程である。
      • その他にも「ニコニコ動画風のコメント流れネタ」「アニメ・ゲームネタ」などが頻繁に発生する他、コロコロコミックレベルの下品なネタも多く、「もうついていけない人は関わるな」といわんばかりのネタのオンパレードとなっている。
    • ちなみに、スカシイベントは明らかに『どき魔女』を意識した様なエロイベントであるが、実のところはキャラのリアクションが少なく、あまりエロくはないのが残念である。

問題点

  • フルプライスにしてはボリューム不足。
    • ストーリーは普通にプレイすれば3時間もかからずにクリア可能だと思われる。マルチエンディング制だが、それを考慮してもやっぱり内容が薄い。
    • ミニゲームは全40種類とそこそこ多そうに思えるかもしれないが、大方は1~2分位で終わり、意外とボリューム感は多くない。
      • ミニゲーム個々としてのクオリティも携帯アプリのおまけゲームレベルで、正直素直に面白いかといわれると首を傾げたくなる。
  • 存在自体が蛇足なフィールドアクション。
    • 「無数に沸いてくるだけでただの通行の邪魔でしかない敵」「いちいちフィールド内に歩きまわされる手間」「どのフィールドも似たような構造ばっかり」と、フィールドアクションが全然楽しくない有様。
    • 軽くミニゲームをクリアしただけでも稼げるスカコインがかなり多いので、「実は敵に触れても消費されるスカコインは雀の涙程度」であり、スカコイン投げとスカダッシュを使う意味はほぼ皆無。
    • スカレーダーだけはミニゲーム場所を発見するのに大いに約立つので、これさえあれば他の行動は本気でいらない。
      • よってこのゲームにおけるフィールドアクションは「適当に歩き回り、敵接触を覚悟して突進し、スカレーダーを連発すればいい」といういい加減な攻略で大体OKである。
  • ゲームバランスの悪いミニゲーム。
    • 大半のミニゲームは簡単にクリアできるが、明らかに難しいミニゲームが混じっている。その為、余裕だと思っていたら唐突に地獄を味わう。
      • 特にDSのマイクに息を吹きかけて伝票を飛ばす「フーフー伝票」は常人の肺活量ではクリアできない鬼畜難易度となっている。それでいてルール説明では「適度に息継ぎをしよう」とアドバイスがされるにもかかわらず、吹かないと伝票が段々と元の位置に戻る外道仕様となっている。説明が矛盾しとる
    • ただし、どのミニゲームもアイテムの「イカさま塩辛」を使用すれば無条件でクリアできる救済処置はあるので、詰む心配がないのは救い。
  • 作業は避けられないアイテム収集。
    • 「コレクション」を100種類全部埋めるには、「スカコインを稼ぐ為にミニゲーム ⇒ 当たるかどうかもわからないアイテムをガチャガチャで連続プレイ」を繰り返すハメになる。
      • しかも、何故かCG系のアイテムの出現率が異様に少なく、より先の見えない作業を強いられやすい。
      • 救いがあるとするならば、ミニゲームで得られるスカコインが多めで「スカシドリンク」を使用すれば入手率が倍増できるところだろうか。
  • 誰得な「つうしん」対戦。
    • DS本体とソフトが2つずつ必要、プレイできるミニゲームは4つだけ、そのミニゲームも面白くないと、これを入れた理由がよくわからない。
    • こんなものよりも他にも作り込まなければいけない部分は幾らでもあるだろうに…。

総評

純粋にゲームとしてみるとはっきりいって面白いものではなく、駄作に近い出来といわれても仕方がない。
「スカシカシパンマン達のキャラ像やネタの数々についていけるか」「しょこたんのファンアイテムとして割り切れるか」というポイントを考えてから購入するか否かを検討すべし。

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最終更新:2020年07月22日 09:07