トップシークレット

【とっぷしーくれっと】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1987年3月
プレイ人数 1~2人(交代)
判定 なし
ポイント ジャンプができないワイヤーアクション
小回りが利きにくい操作性の苦悩
バイオニックコマンドーシリーズ

概要

1987年にてカプコンからアーケードにリリースされた横スクロールアクションゲーム。
かつての『戦場の狼』にも出演していたスーパージョー*1を操り、銃器とワイヤーを駆使して敵基地に乗り込むというストーリー設定。
1~2人交互プレイ可能。全5ステージ構成の二周END。

特徴

  • ACとしてはかなり珍しいと思われるワイヤーアクションを採用した作品である。
    • 本作のプロデューサーである藤原得郎氏はかつてコナミからリリースした、地形にワイヤーを張って進む(本作のような振り子動作は無い)『ロックンロープ』というゲームに関わっていた経歴があり、本作はロックンロープの基板スペックではできなかった要素を取り入れたという経緯があるとの事。

主なルール

  • 一般的なアクションゲームと同様に「特定地点までジョーを進ませる」というのが大方の目的となる。
    • ステージによっては特定地点まで進めばそのままクリアとなる場合と、ボスに相当する敵を倒せばクリアとなる場合がある。
    • 本作は一般的なアクションゲームに比べると上方向に地形が配置されている局面が大幅に多く、下記のワイヤー操作を使いこなすテクニックを前提とした内容になっている。
  • 使用コントローラーはレバーと2ボタン。レバーにてジョーの移動操作。ボタンは各自、ショットボタンとワイヤーボタンに使用する。
    • レバー左右で移動。レバー下でしゃがみ動作。
    • ショットボタンにてジョー前方にショットを撃つ。しゃがみ中やワイヤー使用中に撃つ事も可能。
    • ワイヤーボタンでワイヤーを放つ。レバーニュートラルかしゃがみ中でボタンを押せば前方ワイヤーが放て、レバー上か斜め上を入れながらボタンを押すとその方向にワイヤーを放てる。
      ワイヤーには以下の効果がある。
      • ジョーの上に地形があった場合、ワイヤーを上方向に放つとそれに引っ掛けられ、再度ワイヤーボタンを押せばワイヤーを巻き取って上地形に登る事ができる。
        ワイヤー巻き取り中にレバーを入れると、ワイヤーを切断して落下する事もできる。
        このゲームにはジャンプ動作というものはない。よって、ワイヤー操作を駆使しないと上地形に一切進めずにゲームが詰む事を意味する。
        ワイヤー巻き取り中は大幅な隙が発生するので、ただ闇雲にワイヤーを地形に引っ掛けるだけでは大きな危険を伴う点に要注意。
      • ワイヤーを特定の敵に当てると、ダメージは与えられないがひるませる事ができる。
      • ワイヤーをアイテムボックスに当てるとそれを破壊し、アイテムに当てると長距離から吸い込む形でそれを入手できる。
  • 時折画面上からパラシュートの付いたアイテムボックスが出現し、それをショットかワイヤーで破壊するとアイテムが出現する。
    • アイテムの種類は「スコアアップ系」と「ショット性能強化系」の2つがある。
  • 残機制の途中復活で全部なくなればゲームオーバー(途中コンティニュー可能)。
    • ミス条件は「ジョーが敵や敵弾、一部のトラップに触れる」「各ステージに表示された制限時間が0になる」「ステージ5イベントを失敗する(下記)」のいずれかとなる。
    • ミスすると以前所持していたショット性能強化アイテムの効果がなくなってしまうペナルティがある。
    • ミス後の復活時では、ジョーが画面上からパラシュートを装備した状態でゆっくりと落下する。この時にワイヤーボタンを押せばその場に復帰できる他、落下中にレバー左右にて地形に落ちきるまでは移動調整ができる。
    • ステージ5の特定場所において「カウントダウンが始まりミサイル発射台の奥にある発射装置を破壊しなければならない」イベントがあり、
      発射装置を破壊できないままカウントダウンが0になってしまうと残機1消費に加え、ステージ4に戻されるという痛いペナルティがある。

評価点

  • ワイヤーアクションによる独特なプレイ感覚の実現。
    • 本作以後、ワイヤーアクションは『スーパーメトロイド』など様々なゲームに登場し、また伸び縮みするゴム紐の要素を加えたラバーリングアクション『海腹川背』シリーズも存在する。本作はそれらに多少なりとも影響を与えた存在と言えるかもしれない。
  • グラフィックやBGMに関する評価が高い。
    • 「軍事的な兵士や兵器が多く配置された緊張感溢れる戦争らしさと、それでいてどことないコミカルさも併せ持つ」世界観の描写は優秀で、グラフィックの書き込みも繊細である。
      • ややポップ調でありながらも世界観とぴったりマッチしたBGMの数々も上質でゲームを盛り上げてくれる。

問題点

  • 小回りが利きにくい操作性故に難易度は相当高い部類。
    • まず、何といっても自力でのジャンプができないのが厄介である。
      • 他のアクションゲームではジャンプ一つで済みそうな動作でも、このゲームではそれができない為、「何て事はない雑魚敵の攻撃や、数ドット程度の地形の差の前でも死の危険性を伴う」というのが当たり前な状況。
    • ワイヤーを行うにも隙が大きく、「単に地形にワイヤーを引っ掛ければどうにでもなる」感覚での操作は自殺行為となる。
      • ワイヤーを切り離している最中は、再度ワイヤーを放つ事もショットを撃つ事もできない。その為、「空中に浮くと無防備状態」で、終始気が抜けない環境に追い込まれやすい。
      • また、ワイヤー中でも敵は遠慮なく発生し一切自重しないまま殺しにかかってくるので、その最中に襲われると抵抗するのは極めて厳しい。
    • ワイヤー以外でも、「ジョーの移動がやけに鈍足で、ショットを前方以外の方向に撃てない」という性能も難易度の高さに拍車をかけている。
      • たとえワイヤーを使わない場所でも「敵の物量攻撃に押されてミス」という状況もあり得るのが怖い。

総評

ワイヤーを使ったアクション性は意欲的で面白いのだが、いかんせん難易度が高すぎてはっきりと好みが分かれる作品。


家庭用移植

マイナー寄りなゲームな割に、家庭用によるアレンジ移植が2回もなされた稀な存在でもある。各アレンジ移植は本作の難易度を大幅に調整し、その評価は本作以上に高い。

ここでは『アーケード版』としての移植と、ゲームタイトルを変更したアレンジ移植の双方に分けて表記する。
なお、『トップシークレット』としての移植はオムニバスソフトのみである。
発売元はすべてカプコン。

  • オムニバスソフト(『アーケード版』)
    • PS2『カプコン クラシックス コレクション』(2006年3月2日発売)
      • プレイステーション2限定の収録であり、プレイステーション・ポータブル版には未収録。海外ではXbox版も発売されている。
      • タイトルは日本版だが、内容は海外版『BIONIC COMMANDO』のものが使われている。
      • 本作はCPS1以前に稼働したタイトルにもかかわらず、他のPS2版カプクラ収録タイトルの中では後発の『カプコンアーケードキャビネット』では何故か配信ラインナップに含まれていない為、家庭用かつ国内発売タイトル縛りでアーケード版をプレイするのならPS2版カプクラ一択になっていた。
      • なお、後に発売された『カプコンアーケードスタジアム』では海外版のタイトルが使用されていることから、国内カプクラ版は現時点における唯一の『トップシークレット』名義での移植になっている。
    • PSP『CAPCON CLASSICS COLLECTION Remixed』(2006年3月21日発売)
      • 日本未発売。海外タイトルである『BIONIC COMMANDO』としての収録となる。
      • 国産でのPSP本体でもプレイ可能。通常のゲームショップではまず売られていないが、通販などで容易に購入できる。
    • カプコンアーケードスタジアム』(Switch:2021年2月18日、PS4/One/Win:2021年5月25日)
      • 『pack1 すべてはここからはじまった!』に海外版の『BIONIC COMMANDO』が収録されている。
  • アレンジ移植
    • FC『ヒットラーの復活 TOP SECRET』(1988年7月20日発売)
      • アレンジ移植の筆頭。ステージ内容の一新、操作性の向上、難易度のマイルド化などの変更点がなされている。FCの隠れた名作アクションとしての評価を得ている。
    • GB『バイオニックコマンドー』(1992年7月24日発売)
      • アレンジ移植の2発目であり、国産における唯一の携帯機移植でもある。FC版のナチス設定は取り除かれている。こちらもGBの隠れた名作アクションという評価。

余談

  • 本作の知名度が低いせいか、一部では、FC移植版の『ヒットラーの復活』と間違えられる事がある。
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  • タグ:
  • ACT
  • カプコン
  • バイオニックコマンドー

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最終更新:2023年01月21日 09:49

*1 主人公が「スーパージョー」である事が明かされているのは海外版であり、国産版では無名の戦士となっていた。なお、以下は「ジョー」表記で統一する。