PDウルトラマンインベーダー

【ぴーでぃーうるとらまんいんべーだー】

ジャンル シューティング
対応機種 プレイステーション
発売元 バンダイ
開発元 ベック
レイアップ
発売日 1995年12月22日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1ブロックの空きが必要
判定 なし
ポイント デフォルメ化されたウルトラシリーズのインベーダー
それ以上でも以下でもない普通のインベーダー
エース1面のみ鬼難易度
ウルトラマンシリーズ
スペースインベーダーシリーズ


概要

  • 歴代ウルトラシリーズの多くのキャラがデフォルメ化された形で出演するウルトラマンゲーであり、タイトー公認の『スペースインベーダーシリーズ』の一角でもあるという異色作でもある。
  • 「PD」とは「ポリゴンディメンション」の略称であり、バンダイが特許を取得している。
    • なお、本作以外に「PD」を冠を付けたゲームは他に、セガサターンソフト『PDウルトラマンリンク』とニンテンドウ64ソフト『PDウルトラマンバトルコレクション』がある。
  • ウルトラマン側を操作して怪獣を倒していくウルトラマンモードと、スーパーファミコンソフト『スペースインベーダー The Original Game』をほぼ丸ごと移植したオリジナルモードが収録されている。

特徴

登場ウルトラ作品一覧

+ 詳細

「ネオス」「21」はウルトラマンモードの「ヒストリー」には一切登場せず、「とことん」「対戦」専用作品となっている。

  • ウルトラマン
  • ウルトラセブン
  • 帰ってきたウルトラマン
  • ウルトラマンA
  • ウルトラマンタロウ
  • ウルトラマンレオ
  • ウルトラマン80
  • ウルトラマングレート
  • ウルトラマンパワード
  • ウルトラマンネオス
  • ウルトラセブン21

主なモード

ウルトラマンモード

  • ヒストリー
    • 一人プレイ専用。ウルトラシリーズの歴史を紹介しながらもゲームを進めていく。
      • 歴代のウルトラ作品の番組放送順*1でステージが進行していく。主にウルトラ戦士を操作*2してインベーダールールで敵を殲滅させるのが目的となる。
      • 上記の登場ウルトラ作品一覧の「ウルトラマン」からステージが始まり、下の順を経て「ウルトラマンパワード」のステージをクリアすればエンディングとなる。
      • ステージ開始前には番組タイトルキャッチ・CGによるウルトラ戦士の登場ムービー・簡易な作品紹介が表示され、ステージクリア後はご褒美ムービーが拝める。
      • 基本的に、1つのウルトラ作品につき2ステージで構成されている。全部で17ステージ用意されている。
        しかし、なぜか1ステージしか無い作品があるのだが・・・詳細は問題点にて。
      • ウルトラ作品によっては使用できるウルトラ戦士はもちろんの事、敵の種類も常に変わっている*3。なお、敵種類は原則として1ステージにつき3体ほどが存在する。
    • ヒストリーをクリアすると下記の「とことん」「対戦」で使用できるウルトラ戦士に、「ネオス」「21」が追加される。
  • とことん
    • 一人プレイ専用。歴代のウルトラ戦士11体*4のどれかを選び、エンドレスでステージを挑んでいく。
      • 「ヒストリー」のような演出は存在せず、プレイヤーの残機がなくなるまで延々とゲームに挑まなければならない。
      • 出現ステージはランダムとなっており、プレイするまでは何のステージが出現するかはわからない仕様となっている。
  • 対戦
    • 二人対戦プレイ専用。1P側と2P側が歴代のウルトラ戦士11体*5のどれかを選び、左右に分離されたフィールドにてゲームを行う。
    • 基本的なルールは『スペースインベーダー The Original Game』の対戦モードとほぼ同じ。
  • オプション
    • 以下の設定が可能。ただし「対戦」では一切反映されない。
      + 詳細
    • ゲーム開始時の残機数を3~6のいずれかから選べる。
    • スコアエクステンドの規定値を2種類から選べる。
    • ゲームの難易度を4種類から選べる。
    • 音声のステレオ/モノラルの切り替え。
    • ゲームデータのセーブ/ロードができる。本作にはオートセーブ機能は搭載されていない。

オリジナルモード

  • 元祖インベーダーを再現したモード。
    • オリジナル版は「アップライト」「白黒」「セロファン」「カラー」からの選択が可能。対戦モードも収録されている。
    • あくまでもSFC版『The Original Game』の移植なので、アーケード版(『DX』)の「パロディモード」や、PCエンジン版『The Original Game』の「コズミックVSモード」「おまけ」は収録されていない。

主なルール

  • 「対戦」を除くウルトラモード全般はポリゴン描写がメインの立体感あるグラフィックとなっているが、ゲーム自体は完全なる2Dのゲーム性となる。
    • ステージ中にいつでも「ポリゴンによる3D視線表示」か「原作風のトップビュー表示」のどちらかの切り替えが可能(下記の操作の項参照)。
    • 「対戦」に関してはトップビュー固定なので視線切り替えは不可である。
  • 基本的な操作方法は元祖インベーダー(以下原作)と全く同じである。
    • 方向キー左右でウルトラ戦士の左右移動。
    • ○ボタンで直線型のショットが撃てる。画面内にショットを1発づつしか撃てないのも原作尊重である。
    • L1ボタンで視線をトップビューに切り替え。R1ボタンで視線を3Dに切り替え。
  • 基本的なルールは「対戦」を除き、原作同様にショットを撃って画面内にいる敵編成を全滅させればステージクリアとなる。
    • このゲームのキャスティングを原作に変換すると、「ウルトラ戦士 =自機(砲台)」「様々な怪獣 = 敵(インベーダー)の編成」となる。
      トーチカやUFOに該当するキャラもおり、大方は原作と同じゲーム内容と思ってもらっても差し支えない。
    • ほとんどの敵編成の動きは「左右交互に動きながらも段々と下位置に下がる」という原作と同じものとなっているが、幾つかの相違点もある。以下詳細。
      • 全体的に敵編成の数が原作よりも少ない場面が多く、短期で決着が付きやすくなっている。
      • 通常の敵はウルトラ戦士のショット1発で倒せるが、敵を1体のみにすると耐久度が増しショット3発分を当てないと倒せない*6
        また、敵によっては残像分身しながら襲い掛かって来たり(バルタン星人)、姿が変わるやいなや凄まじい勢いで画面上に逃げ去る敵(イダテンラン)もいる。
      • 敵の中にはこちらのショットを吸収してダメージを無効化してしまう者がいる(ゼットン、コダラーなど)*7
      • 一部ステージは敵の動きが原作とは全く違う場面もある(ウルトラマンAステージ前半など)。
      • 最終ステージ(ウルトラマンパワードステージ後半)はボスがおり、そいつに複数のショットを当てないと倒せない上に、ボスを倒さない限りは通常敵が無限に沸いてくる。
    • ステージ中に時折画面上部に原作でいうところのUFOにあたるキャラが出現し、ショットを当てると以下の効果が発動する。
      + 詳細
    • 「バルタン円盤」…スコアアップの効果。
    • 「ウルトラの父」…必殺技アイテムを落としてくれる。取得すると15秒間ショットが通常よりも強化された必殺技状態で撃てる。ウルトラ戦士によって必殺技の性能に相違あり。
    • 「ウルトラマンキング」…無敵アイテムを落としてくれる。取得すると15秒間ウルトラ戦士が無敵になる。
    • 「ゾフィー」…ストックアイテム*8を落としてくれる。取得すると1UPできる。
  • 「ヒストリー」「とことん」では残機がすべて尽きるか、画面下部を敵に侵略されるとゲームオーバーとなる。
    • 「ヒストリー」に関しては無制限でコンティニューが可能。コンティニュー後はそのステージが一新した状態での再開となる。
      • 余談だが、コンティニュー画面では「ウルトラの母」が登場している。
    • ゲームオーバー後にてベストスコアを記録していればネームエントリーが可能。
  • 「対戦」に関するルールは以下の通り。
    • ゲーム開始前に1P側と2P側個別で「敵の強さ(3段階)」と「残機数(1~5、及び無限)」が設定できる。
    • 敵編成が原作と同じ動きで襲い掛かってくるので、やつらをショットで撃墜していく。
    • プレイ側の残機数がすべて尽きるか、画面下部を敵に侵略された側が負けとなる。
    • 以下の敵を倒すと様々な効果がある。
      + 敵および効果の詳細
    • 「ジヒビキラン」…横一列にいる敵すべてを消す。
    • 「エースキラー」…相手フィールドの敵列を1段下げる。
    • 「エレキング」…自分フィールドの敵列を1段下げる。
    • 「バルタン星人(新)」…自分と相手のフィールドの敵列を2段下げる。
    • 「ダダ」…上記4怪獣のどれかの効果がランダムで起こる。

評価点

  • 登場ウルトラ作品の多さ。
    • 「初代」から「21」までの全11作品のウルトラ作品のキャラが登場する太っ腹企画となっており、ウルトラシリーズファンにとっては必見ではないだろうか。
      • 「ネオス」「21」は「ヒストリー」に登場しないのが少々残念だが、ちゃんとプレイヤーキャラとして使用可能となっているのは嬉しい。
    • ウルトラ戦士はもちろんの事、なんと各ステージの敵キャラには使い回しは一切なく登場怪獣の種類は50を超える
      • とはいっても、違うウルトラ作品に「バルタン星人のコンパチバリエーション」といった流用怪獣は何匹かいる。といっても、それも番組通りなので仕方がないのだが…。
    • プレイヤーキャラではないが、ウルトラの父などのウルトラファミリーがサブ出演しているのも芸が細かい。
  • デフォルメされた登場キャラが可愛くて愛着が沸く。
    • 番組のウルトラ戦士や怪獣の特徴をしっかりと抑えた状態でデフォルメされたデザインであり、「可愛いけど原作尊重」という魅力を持っている。
    • 番組タイトルキャッチやウルトラ戦士の登場シーンなどの再現率もなかなか高い。
  • BGMはなかなか良さげ。
    • あまり派手さはないが、爽やかな楽曲多めでライト感覚でプレイできるインベーダーとの相性は良い。
      • 特に80ステージやグレートステージのBGMは、原作のテーマ曲を感じさせる曲調となっており、聴き応えがある。
  • 原作の裏技「ナゴヤ撃ち」「レインボー」が再現できる。
    • オリジナルモードだけではなく、ウルトラマンモードでも再現可能。但し、各モードの「対戦」ではレインボーの再現は仕様上できない。
  • SFC版『The Original Game』(オリジナルモード)が丸々収録されている。
    • ウルトラマンゲー目的以外で本作を購入する人はあまりいないと思うが、原作をプレイしたい人にとってはそれだけで購入価値はある。

賛否両論点

  • ウルトラマンゲーである必然性。
    • ゲームの関係上仕方がないとはいえ、ウルトラ作品のゲームとしては突っ込みたくなる現象がかなり多い。以下一例。
      • 格闘戦主体のウルトラ戦士が左右移動しながらショット(光線技*9)を連射している。
      • ゼットンやガルタン大王、シラリー&コダラーのような最強クラスの怪獣が何匹も編成を組み、ショット1発で倒される。
      • 人間に見世物にされたせいで暴れたゴモラやら生まれてすぐにウルトラの星に送られたミニトータス、核実験で仲間を皆殺しにされ地球に復讐に来たギエロン星獣など、ワケアリ系のキャラを何の躊躇も無く撃ちまくる。後者などセブンステージの2面(ラスト面)なので、無難に「セブン」最後の敵であるパンドンを出せばよいのではなかろうか?
      • 味方であるウルトラの父などに、平然とショットを撃ち込むウルトラ戦士たちの行動。
  • 「ヒストリー」の各ステージ前に表示される番組紹介の文章がおかしい。
    • 言っている事は間違ってはいないのだが、その紹介分のピントがずれており、ツッコミどころ満載。以下一例。
      • 「ウルトラマンA」:光線技の第一人者であるが、怪獣よりも強い超獣と戦ったためか、何度となく親兄弟の世話になったのもこの人の特徴
      • 「ウルトラマンタロウ」:怪獣より強い超獣よりも強い怪獣と戦った、ウルトラの両親の実子。倒した敵のバリエーションは宇宙一といっても過言ではない。
      • 「ウルトラマングレート」:地球の大気汚染に対応しきれず、十数回戦って去った戦士。オーストラリアでこれだから、東京だったら三日もたなかったかも
  • その他の突っ込みどころ。
    • 「ヒストリー」の「ウルトラマンタロウステージ前編」の自機が何故かZAT基地というよくわからんチョイスになっている。あれは戦闘機に入るのか…?
      • ちなみに、ZAT基地がミスするか、タロウステージ後編に進むと、ちゃんとタロウが自機として活躍してくれるので安心(?)ではある。
    • 同様に「ヒストリー」の「ウルトラマングレートステージ前編」は、本来一見するとゴーデス一体に見えるが、攻撃しようとするとブローズとデガンジャの増援が出てくるというステージ構成なのだが、ステージが開始してすぐに攻撃すると増援が発生せずにゴーデスは死亡、そのままゲームクリアとなる。
      • おそらくバグと思われるがこれはこれでれっきとした原作再現になってしまっている。
    • ゲームオーバー画面では「ウルトラ戦士たちが手足を変な方向に曲げた状態で、謎の空間に漂っている」という不気味なグラフィックが表示される。
      なかなかにインパクトのある絵面ではあるが、ある意味「怪獣に負けた」という説得力はあるかもしれない。

問題点

  • 所詮はインベーダーなのでゲームとしては古臭い。
    • ほぼ原作を忠実に再現したゲーム性なので、悪くいってしまえば「インベーダーをウルトラ作品に当てはめただけ」という安直さは否めないところ。
    • 特にこれといった新要素が搭載されている訳でもなく、基本は「原作通りに敵(インベーダー)を撃ち落すだけ」という素っ気ないプレイになりがちである。
  • ボリューム不足な面が目立つ。
    • 「ヒストリー」の全17ステージといえばそれなりに多そうに思える初見の方もいるかもしれないが、実際は「1敵編成 = 1ステージ」なので敵編成を17回全滅させればそれで終わってしまう。
      • また、このゲームの1ステージあたりに出現する敵の数は少ないので、原作と比べてもあっさりとステージクリアできてしまう。
      • 特に問題なのが80のステージで、なぜか1ステージしかない。他のシリーズは13話しかない海外組ですら2ステージ分用意されているのにもかかわらずである。敵もジヒビキランのような近接系の怪獣ばかり。素直にロボフォー*10でも出せば良かったのでは?
      • ステージのバリエーションも大して多くなく、1995年のゲームとしてはかなり物足りないゲームといわざるを得ない。
    • 「とことん」はその少ないステージが延々と続くだけでかなりの作業感に襲われる事は必至だろう。正直、途中でだれる可能性は極めて大きいと思われる。
    • ウルトラマンモードは「ヒストリー」「とことん」「対戦」、オリジナルモードは「オリジナル」「対戦」のみしかなく、ゲーム的な意味ではインベーダー以上のものを求めるのは期待してはいけない。
  • 一部の難易度が異様に高い。該当するのは「ウルトラマンAステージ前半」で、ここだけが他ステージに比べると明らかに別の難易度と化している。
    • このステージは敵が原作の動きではなく、前方に直進移動しながら襲ってくる。ショットで撃つと後ろに吹き飛ぶが、再び直進移動してくる。
      • 他のゲームで例えると、『コスモギャング・ザ・ビデオ』のボーナスステージと非常に近い内容。
    • 難しくなっている要因としては
      「敵の動きがやけに早く、ショットを撃ち漏らすだけで敵に侵略されてゲームオーバーがほぼ確定してしまう」「トーチカが敵と紙一重な場所に設置されているせいで、ショットを撃ってもトーチカにかき消されてしまう」といった点が挙げられる。
    • はっきりいって初見でクリアできる見込みは皆無な鬼畜地帯であり、多くのプレイヤーがここで行き詰まる可能性が極めて高い。
      • とはいえコンティニューは無限に可能なので、何度も死にまくってコツさえ掴めばいつかはクリアは可能である。流石に絶対に詰むという程の理不尽さではない。
    • ちなみに、他ステージの難易度はここに比べればそんなに高くはなく、難なくクリアできてしまう。

総評

デフォルメされたウルトラ戦士や怪獣を拝むだけでもファンには一見の価値があるであろう作品である。
ただしゲームとしては原作インベーダーを越えるものではないので、そこはそう割り切ってプレイするのが無難だろう。


余談

  • ファミ通クロスレビューでは40点満点中の5・4・5・5の19点という正直な点数が付けられている。
    • 「ウルトラマンが登場するアレンジ版は雑な作りが目立つ。基地の当たり判定の範囲が壊れてなくなるまで変わらないため、ただの邪魔者でしかないのも困りモノ。アレンジ版はないものとして考えた方がいい」などと書かれている始末である。
  • 同じPSにて、本作と同じレトロゲームのキャラゲー版ともいえる『SDガンダム オーバーギャラクシアン』というゲームがリリースされている。
    • もちろんナムコ公認のガンダムゲーである。

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最終更新:2022年06月07日 03:39

*1 一部TV番組ではないウルトラ作品も混ざっている。

*2 一部ステージではウルトラ戦士以外のキャラが操作対象になる場面もある。

*3 「ヒストリー」ではウルトラ戦士を選択する事はできず、必ず固定となる。

*4 「ヒストリー」をクリアしていないと9体からしか選べない。

*5 こちらも「ヒストリー」をクリアしていないと9体からしか選べない。

*6 オプションで難易度設定を最高(ハード)にしている場合は、耐久度が5発分に増強される

*7 赤いバリアは無効化されるだけで済むのだが、青いバリアは攻撃を反射されてしまう。いずれも防御してくるかどうかはランダム。

*8 説明書では「体力回復アイテム」と表記されている。

*9 それも、スペシウム光線のような必殺技レベルの技

*10 宇宙から来た悪のアンドロイドが作った戦闘円盤。外見はモロUFO