悠久組曲 All Star Project

【ゆうきゅうくみきょくおーるすたーぷろじぇくと】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売元 メディアワークス
開発元 スターライトマリー
発売日 2000年8月24日
価格 5800円
判定 なし
ポイント シリーズファン向けのお祭りゲー
悠久幻想曲シリーズリンク


概要

悠久幻想曲シリーズ最終作。
今までのシリーズメインキャラが総登場するお祭りゲーム。
舞台となるのは現代風の世界観を持つエスカレーター式の学校。

システム

メインとなるのは目当てのキャラクターに話しかけて好感度を上げること、ミッション用にアイテムを収集すること、ミッションをクリアすることである。

  • 最初は全員との好感度が極めて低く、話しかけることで、相手の好むアイテムと交換あるいはプレゼントすることで上昇していく。
    • 初期の好感度はルシードでティセに話しかけても喜ばれない程低い。イベントでは一転して仲が良いのだが。
  • アイテムはミッションで消費される。
    • 1つのアイテムには移動と戦闘の2種類のポイントが設定されており移動力はあるが戦闘には弱いといった2面性をもつ。
    • どんなアイテムを有して臨むかで有利不利が左右される為計画的に物々交換をしてよりよいアイテムを手に入れる必要がある。
    • 所属した部活によっても定期的にアイテムがもらえる。
    • 各キャラクターごとに、数字に補正が付くアイテムがひとつ設定されている。
  • 双六形式のミッション。
    • 仮想空間と言うシミュレーターを用いて様々なシチュエーションで競争が行われる。B級映画の斜め上を行くような荒唐無稽なものやシリーズを模倣したファンサービスなものなど多岐に渡るミッションが用意されている。
      • 設定上は個人の適性を調べる特殊なシステムのテストに教員や生徒が選ばれたということになっている。
    • ターンが回ってくるごとにもアイテムがもらえる。
    • 一回ごとにアイテムを消費して移動する。そのアイテムに設定されたポイントの分だけ自由な方向にマスを移動できる。
    • 他のキャラクターと重なるとルーレットを使用した戦闘になる。選択したアイテム次第で出目にプラスされる値が変わる。負けると一回行動不能になる。
    • 勝利条件はミッションにおけるそのキャラクターの役割次第。例えば、守る側は相手を追い返し続けて通さなければよし、攻める側は相手を倒して通ればよし、追われている人間は最後まで逃げ切ればよし、追う側は相手を捕まえればよしといった具合。シナリオ次第では他のキャラと協力することにもなる。
  • ミッションで一定以上の成績を収め好感度の高いキャラがいると最後のミッションイベントが発生し、これをクリアするとEDになる。
    • ちなみにアリサやリカルドなどの中年以降のキャラとはアイテムの交換はできるが彼らとのEDを迎えることはできない。まあ学園もので40~50の男女相手にEDを迎えてもしょうがないとは思うが。ちなみに初代悠久幻想曲ではアリサとリカルドのEDは存在している。
  • ポケットステーションに対応している。

その他

  • 声優関連
    • 前作3ではルシードに声優がついていなかったが、今作では前作のCDドラマで声をあてた石田氏が声をあてている。
    • イヴの声優が天野氏から川村氏に変更になっている。
  • ほとんどのキャラはかつてのシリーズでメインキャラを務めた時の年齢になっているが、役割上変更されているキャラもいる。

評価点

  • 既存キャラを集めたファンゲームである事
    • 攻略対象を中心に多くのメインキャラクターが登場。舞台の違う3のキャラも集結しており、原作ではなかった交流も描かれている。
    • 23歳の女教師が13歳の男子生徒を喜々として買い物に誘うなどという背徳感のあるEDも可能。
  • ミッションシナリオが公募された。

問題点

  • 最大値10以上にしてしまえばルーレットの目押しが簡単
    • 通常は目押し不可能なレベルでの高速回転なのだが、出目が10を超える(二桁になる)と出目の横幅が違うために一目で二けたの場所が分かってしまう。
      • 加えて出目も1から順に並んでいるので、多少ずれてもいいように止めれば最大値近辺で止める事は簡単で、一気にミッション攻略が簡単になる。
  • 非常に頭の悪いCPU。
    • お約束通り罠に突っ込んでいく。しっかり回避されてもそれはそれで面倒だが、もう少しは対応してくれても良かっただろう。
  • ポリゴンで作られたキャラクターの出来がよくない。
  • 台詞時に表示されるキャラの顔グラフィックが完全な使い回し。
  • 選んだプレイヤーキャラクターによるシナリオの変化が全くない。
    • 選んだ途端、周囲からの扱いはモブキャラ並になる。
      • EDも誰と誰の組み合わせでもほぼ一緒。ただし相手の性別で多少台詞が違う場合や極めて近しい者同士の組み合わせだと名前の部分だけが変わる場合もある。どちらにせよ帰り際にちょっと声をかけてもらって終わるだけだが。

総評

ゲームとしての質は低い。シリーズ最終作であることからメディアミックス展開が広く行われユーザーサービスに徹したことも功を奏しリアルでのイベントや関連商品の売り上げも盛況だったが、お世辞にも有終の美を飾るに相応しいとは言えない作品である。


余談

  • 当時の流行を反映してかテーマ曲はラップをミックスしたような曲調になっている。
  • 攻略本に誤植・誤謬が多く、プレイヤーを混乱させた。
  • 開発環境について
    • 開発当時、スターライトマリーは経営破綻直前の段階にあり内部がゴタゴタしていたというのが後日明かされている。作品のクオリティを上げることが出来なかったという後悔を開発者が述べている。
      • 発売日目前にスターライトマリーの公式サイトが突然閉鎖された事でこの状況を知ったファンも多い。このような出来とはいえ、お蔵入りにならなかっただけマシかもしれない。
      • その後もゲーム業界に残ったスタッフは「ブリッジ」を立ち上げ、下請けを中心に現在でも活動中。
    • この影響の為か、本作はマルチ展開されていない
      • ちょっとした資料集レベルである『悠久の小箱』を除けばマルチ展開されてきたシリーズだが、今作はプレイステーションのみで発売されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • PS
  • ADV
  • 2000年
  • メディアワークス
  • 悠久幻想曲

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年05月08日 20:54