らき☆すた ~陵桜学園 桜藤祭~

【らきすた りょうおうがくえんおうとうさい】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 角川書店
開発元 ブリッジ(本編)
ドロップウェーブ(ミニゲーム『らき☆ばと』)
発売日 2008年1月24日
定価 通常版:7,140円
DXパック版:9,240円
判定 なし
ポイント 恋愛要素に期待しなければキャラゲーとしてよくできている
ミニゲームはやっつけレベル
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概要

  • 月刊コンプティークにて連載開始、角川書店-京都アニメーションという『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じタッグでアニメ版が大ヒットした同名作品のゲーム版三作目。
    • 前2作は脳トレ物でストーリーラインは無く、声はCDドラマ版キャストが担当していた。今作はアニメ版キャストが声を担当した初めての作品である。
  • ゲームは学園祭前に転校してきた主人公が原作キャラと交友を深めつつ学園祭成功に向けて活動するがなぜか当日にタイムループが発生、その原因を探るというもの。
    • 作品の特徴として、原作には見られない「恋愛要素」があると宣伝されていた。
    • 物語のあらは少なからずあるが、キャラゲーのアドベンチャーであることを考慮すれば十分な代物ではある。

問題点

+ 恋愛要素について
  • 真っ当な恋愛話やはっきりとした描写を期待すると肩透かしをくらう可能性あり。
    • 恋愛的な雰囲気のある流れは存在するのだが、ループ要素のせいで中途半端になる。
    • メインキャラの1人であるこなた役の声優・平野綾は「キスシーンがある」などの発言をしていたが、実際には未遂。これはキスをしようとしたところでタイムループが発生するためである。そういった風なシーンがあると言えばあるが、行為は成立しない。
    • それでもメインキャラ4人にはそれらしいやり取りがあるものの、他の攻略キャラクターは学園祭準備話を中心に進行し、恋愛色はほとんど強調されない。
  • キャラクターの一人、峰岸あやののルートはなんと恋愛どころかくっつくことさえなく、彼女にフラれて終了する。
    • 理由は簡単、原作の時点であやのには「日下部みさおの兄」という恋人がいるため*1。原作の時点で恋人がいるとは言え、攻略対象に入っている以上「彼女を攻略できるかもしれない…!」という希望をかすかでも抱いていたプレイヤーも少なくはなかったため、一部で批判の対象になった。

評価点

  • メインストーリーは概要通りのものだが、クリアまでにサブシナリオがいくつもあり、それらをクリアすると次のサブシナリオが発生して…といった形で最終シナリオまでループを繰り返す一種のオムニバス形式。
    • そのパターンは多く、またサブキャラクターにあたるキャラにもある程度満遍なく見せ場を作っており、キャラゲーとしては合格点。
    • 条件を満たすと新たなサブシナリオに入るための新たな分岐が生まれる形式のため、条件さえ満たせば何度でも意中のサブシナリオへ入ることが出来る。
  • クリア後のおまけがやけに多く、サブキャラかつ男性キャラの白石みのるにすらショートシナリオがある。

総評

  • 後述するファミ通がらみの諸問題や発売の大幅な遅延と言ったゲーム外要素を抜きにすれば、キャラ物アドベンチャーでは及第点の出来と言える。らき☆すたファンであればそれなりに楽しめるとは思われる。ただし恋愛要素を期待しすぎるのは禁物。


余談

  • 発売までの延期がかなり長期にわたった。
    • 当初の発表では、発売はTVアニメ終盤の辺りを予定していたのだが、正確な発売時期はなかなか明らかにされなかった。後に2007年夏とされたが当該時期になっても続報がなく、秋口になりやっと11月29日と決定。しかしその後も延期を繰り返し、結局翌年までずれ込んだ。
    • ゲームの発売延期はよくあることではあるのだが、ネタとして延期話を多用し反省の色が薄かった。発売にあたりミニゲーム『らき☆ばと』を延期のお詫びとしてつけたのだが、内容についてはお察しくださいレベルの代物である(動画参照)。
  • 本作発売前に発表されたファミ通のレビュー記事(週刊ファミ通2月1日増刊号)に、「攻略対象はメインキャラクターの4人」「恋愛要素はあまりない」という主旨の文章が掲載された。この件について、公式ページは登場キャラクターたちの掛け合いスタイルで抗議していた。
    • 実際には、攻略対象キャラは(扱いの差はあれども)4人以上いるし、恋愛要素も無いではない。ファミ通編集部は、実際のゲーム内容と異なる誤情報であった事を認めて後に訂正しており、現在でもファミ通.comで確認できる。
  • タイトルの字面のせいでよく陵辱学園だの陵辱祭だのどこかのエロゲーみたいな言われ方をする。
  • キャラゲーとしてはよく売れた部類ではあるが、アニメ人気故に過剰出荷によってワゴン行きとなった。
    • 最早キャラゲー自体が「冬の時代」突入期であり、どんなキャラゲーもあっという間に値崩れする時代だから仕方ないといえばそこまでだが。
  • 作中で各キャラクターがコスプレをするシーンがある。ほぼすべてが角川の絡むものであるが、ひとつだけまったく絡まない「魔法少女リリカルなのは」が混ざっていた為、一部で議論を呼んだ。この作品が発売後すぐに角川系の新アニメ誌で同作の新展開が取り扱われたことから前振りだったとされている。
  • 作中様々なパロディが出てくるのだが、明らかにゲーム(及びドラマCD)版の声優にちなんだネタがある。このため途中で急遽アニメ版にあわせるよう指示が出たのではないかという説がある。
  • 2010年12月22日にPSP版が発売された。
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最終更新:2021年04月18日 16:29

*1 いわゆる「設定のみのキャラ」であり原作でもキャラクターの会話で言及されるだけの存在ではある。