マリオカートDS

【まりおかーとでぃーえす】

ジャンル アクションレースゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 任天堂
発売日 2005年12月8日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 【DS】ローカル:1~8人/Wi-Fi:2~4人
【WiiU】1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年5月25日/950円(税8%込)
判定 なし
ポイント ミニターボゲー、「直ドリ」でバランス崩壊
実験的ながらWi-Fiランダム対戦を導入
バトルモードが1人でも遊べるように
国内売上本数はシリーズ2位
マリオシリーズ


概要

様々なアイテムを駆使して1位を目指す定番レースゲーム『マリオカートシリーズ』の第5作目。
携帯ゲーム機用としてリリースされる『マリオカート』としてはGBA版に次ぐ第2作目に当たる。

ニンテンドーDSの比較的初期に発売されたソフトであるが、Wi-Fiコネクションを通じたランダム対戦に対応しているのが話題となり、初のネット対戦できる『マリオカート』となった。
ただし、 2014年5月20日に任天堂がWi-Fiコネクションサービスを終了したため、現在ではオンライン対戦は不可能 になっている。


特徴・評価点

  • 豊富な登場キャラと搭乗可能マシン
    • 初期こそ選択できるキャラ・マシンに制限があるが、グランプリモードを進めていくことで最終的に12人・36台が登場する。
      • 本作ではシリーズ準レギュラーのノコノコを差し置いてカロンが参戦。異色のチョイスだが、『マリオパーティ7』で知名度を上げていたこともあって概ね好意的に受け入れられている。
      • さらにもう一人の新規キャラはなんとファミコンロボ・HVC-012。非常にサプライズの大きな人選だった。
  • 多種多彩な全32コース
    • 新規16コースの「ニトログランプリ」と、旧作から16コースを抜粋した「レトログランプリ」に分かれている。GBA版の40コース(新規20+SFC版20)には一歩及ばないものの、十分なボリューム。
      • もちろん恒例のミラー(左右反転)コースも「ニトロ」「レトロ」の全32コースで遊べる。
  • グラフィック
    • 携帯機ながら常時60fpsでスムーズな描画がなされており、オフラインはもちろんWi-Fi対戦でも安定する。発売前も「60fps」が売り文句の一つになっていた。
      • スペックの都合上、ドライバーやトゲゾーこうら*1などは3Dだが、ミドリ・アカこうら*2やバナナ、クリボーなどは2D表示となっている。
  • ローカルプレイが充実
    • 従来のグランプリやタイムアタックの他、「ミッションランモード」が新たに追加された。
      • 特定のレースコースやバトルフィールドを使用して「番号の順番通り○つのゲートをくぐりぬけろ」「○枚のコインを全部集めろ」等の様々なクリア条件を満たせるように試行錯誤しながら走行する。また、グランプリと同様に評価システムを導入している。
    • タイムアタックモードでは、下画面のマップに自分とゴーストのライン取りやドリフト、キノコの使用タイミングなどが表示され、研究のし甲斐がある仕様になった。
    • バトルゲームは今作からシリーズで初めてCPUを交えた1人でのプレイが可能になった。
      • 内容も従来の「ふうせんバトル」に新ルール「あつめてシャイン」を加えた2種類を収録している。
      • ふうせんバトルはルールが一部変更され、初期状態では1つだけ膨らませた状態になっている。風船は予備として4つ持っており、マイクに息を吹き込むかセレクトを押し続けることで膨らませる。予備の風船のストックがあっても膨らませた風船がすべて割られた時点で終了となるので、開始直後に1つは風船を膨らませるのがセオリー。また、キノコによるダッシュ状態で相手にぶつかると相手の風船を奪えるようになった。
    • GBA版から可能になった1人でCPU相手に好みのコースをレースできるモード「VS」も搭載。
      • 今作では「周回数」の設定は不可能になったものの、GBAより細かな設定をして遊べるようになっている。
    • 「VS」「バトルゲーム」は2チームに分かれて遊ぶ事が可能。
    • シリーズ初となる最大8人同時プレイが可能になった。
  • Wi-Fiランダム対戦が可能
    • マリオカートシリーズ初となるオンライン対戦が可能。フレンドコードを交換した相手だけではなく、ランダムマッチも可能で、戦績も保存される。
    • DSのWi-Fiコネクション対応ソフトとしては『おいでよ どうぶつの森』に次ぐ2作目の作品であり、初期作品ゆえの問題点も少なくない(後述)が、意欲的な仕様としてユーザーからは盛大に歓迎された。
  • サンダーの仕様変更
    • 今作からサンダーの仕様が変更。従来の全員同時に戻る仕様から、下位のプレイヤーほど戻るのが早い仕様になった。
  • マイエンブレム作成機能
    • マシンの特定部位やWi-Fiマッチング時に戦績と共に表示されたりする、自分だけの「32×32で作られるドット絵」である。
      • 予め用意されている「15色+透明色」でドット絵を自由に作成でき、色数は少ないが工夫次第で手の込んだものも作成可能。また、これらの「職人」も存在する。
      • ただし、やはり想像通りの問題点もある(後述)。
  • アイテムボックスの仕様変更
    • 前作までは、アイテムルーレットが止まる瞬間の順位に応じたアイテムが出る仕様になっていたが、今作からは、アイテムボックスを破壊した瞬間の順位に応じたアイテムが出るようになった。

賛否両論点

ゲームバランス

  • ミニターボの強力さと「直線ドリフト」
    • 後述の仕様も含め、本作ではミニターボの効果が高く、ミニターボ性能の高いカートでミニターボを連続して出すと、ミニターボ性能の低いマシンはそれだけで追いつけなくなるほど差がつけられてしまう。
      • 本作のミニターボの仕様は『スーパーマリオカート』や『マリオカートアドバンス』の一定時間ドリフトし続けると解除時にターボできるというものと異なり、『マリオカート64』や『マリオカート ダブルダッシュ!!』と同じくドリフト中に十字ボタンを左右に操作することで火花の色が変わり、ドリフトを解除するとターボする手動タイプなので、素早く操作することで、カーブ以外の直線でも、ドリフト→即ミニターボを繰り返し、蛇行しながらほぼ常にミニターボで走り続けるというプレイが可能になってしまう。
    • このテクニックは直線ドリフト(直ドリ)と呼ばれ、賛否を呼んだ。
      • 否定的意見としては、まずミニターボ性能が高く・ドリフト性能が低いカートほど恩恵の大きいテクニックであり、マシン格差がさらについてしまうという点が挙げられる。ドリフト性能が高いマシン*3では、ドリフト時に曲がりすぎて蛇行が大きいため、直ドリはやりにくく、そういったマシンに限ってミニターボの持続時間も短いためあまり恩恵を受けられない。
      • 特にWi-Fi対戦では直ドリしないと勝負にならないというような状況もしばしば起こったため、マシンやプレイスタイルが半ば強制されてしまう点が問題になった。
      • また直線をクネクネ蛇行しながら進むほうが速くなるというバランスに対する現実的な違和感や美しくなさ、ライン取りや他のプレイヤーとの干渉などのレースゲームとしての面白さを消してしまっているという批判もある。直ドリ中は常に十字ボタンを激しく動かす必要があるので、単調な作業を強いられるだけだと嫌うプレイヤーも。さらに、このような激しい操作をするプレイを続けると、DS本体の十字ボタンやRボタンを傷めやすい。ただし、3DSのスライドパッドを使用した場合は非常に快適にできる。
    • もっとも直ドリ中もライン取りなどを気にする必要はあり、ミニターボを素早く出すテクニックや判断などの戦略性は存在するため、一概に問題ばかりとは言えない。
    • 直ドリのお陰でやればやるほど慣れていき、アイテムの助け無しでCPUを抜いていくゲーム性は人によっては非常に中毒性が高く、直ドリが廃止されたマリオカートWii以降の作品より楽しめる人もいる。
      • 速さを求めてWi-Fi対戦で直ドリが横行する結果になったのは問題だが、直ドリ前提での対戦を楽しめる友人間でやる分には問題ない。
      • ちなみに通称「PRB」と呼ばれる、特定マシンを使い、完璧なタイミングで出したロケットスタートやダッシュ板での加速からミニターボをタイミングよく断続的に繋ぐことで、入力ミスするまでダートさえも無視できるほどの驚異的な速度で走行可能なバグがある。タイムアタックで圧倒的な好記録を出すことができるが、これも直ドリの派生テクニックなので同じく賛否両論。
  • マップが便利すぎる
    • 下画面はマップになっているが、飛んできたアイテムや敵の所持しているアイテムが丸わかりなため「トゲゾーこうらが来るのでブレーキして一位を譲る」「サンダーが来るので落とす前にアイテムを使う」などが容易に可能。
      • また、「にせアイテムボックス」や見えづらく置かれた「バナナ」もマップ画面だと判別が容易。
    • これにより、新アイテムの「ゲッソー」が対人戦ではほぼ死にアイテムに。
      • 相手の画面に黒い墨を吐いて視覚的に妨害すると言えば聞こえがいいが、下画面に表示されるマップは一切汚れないためそれを見ればいい話である。一方で、CPUの場合はこれを食らうとバトルモード以外では強さを問わず蛇行運転してスピードが落ちるので、CPUが相手の場合には普通に有用なアイテムとなっている。
    • ただしバトルモードのふうせんバトルにおいては後述にあるCPUの強さから、むしろ下画面のみでプレイするくらいに下画面をフル活用することが前提とも言える程に厳しい仕様となっている。
    • 続編のマリオカート7にも下画面のマップが採用されているが、そちらではアイテムこそ表示されるもののコースギミックなどは一切表記されなくなりやや下方調整されている。

その他

  • ミッションランは評価システムを導入しているものの、☆3つをコンプリートしても特典は何もない。
    • 逆にいえば、グランプリと勝手が違うため苦手でどう頑張っても高評価でクリアができないというプレイヤーにとっては優しい仕様であるといえるが。
    • ただし、ミッションの隠しレベルを出すためには全ミッションを☆1つ以上でクリアする必要がある。
  • ダウンロードプレイの制限
    • グランプリ及びVSモードで1カートリッジでダウンロードプレイする際は、キノコカップとこうらカップの8コースしか選べない
    • またカードを持っていないプレイヤーは全員キャラがヘイホー(このモード専用キャラ)+スタンダードカートに固定となる。しかしカードを持っているプレイヤーはキャラもカートも自由選択なので格差が生じることになる。
      • また、ヘイホーのみになるという点から、誰が何色のヘイホーなのか分からなくなることが頻繁に起こりやすい。
    • さらに、バトルモードではコースすら選べなくなる上、たったの3コースしか遊べない。しかもそのどれもが狭小コースである。
    • 容量的に仕方ない部分ではあるが、フルで対戦するためにその場に集まったプレイヤー全員がこのソフトを持っていなければならないというのはハードルが高い。
    • とはいえ体験版のような側面もあるので、ソフト1本でそれなりに遊べるだけでも評価できる。
  • ヘイホーがダウンロードプレイでしか使用できない。
    • 今作にはヘイホーがプレイヤーキャラとして登場するが、ダウンロードプレイでしか使用できないうえに子機側(カードを持っていないプレイヤー)のみしか使用できない。
    • また、当然ながら各プレイヤーごとに違う色のヘイホーが用意されるので全てを見るためには8人でダウンロードプレイをする必要がある。
      • ただしキャラ性能的には扱いやすいヨッシーと完全に同一のため特に問題ないというプレイヤーも多い。

問題点

  • マシン性能間の大きな格差
    • 直ドリの存在により強カートはミニターボ持続時間が長いカートが独占している。
      • よりにもよって、ミニターボ持続時間は軽量型キャラのマシンであるほど優秀な傾向がある。これにより、隠しキャラのHVC-012を除き重量級のカート軒並み不遇。ミニターボ持続時間が短く、スピード特化なのに直線ですら軽量級キャラのカートに勝てない。
    • ミニターボ性能を除いても「加速性能」が非常に重要視されており、「ダート踏破性能」も兼ねているため、軽量級のキャラのマシンが有利すぎる。おまけに、そこそこの加速性能に加えトップの最高速も兼ね備えたマシンも存在する。 これにより、加速性能の高いマシンは総じてミニターボ効果持続時間が長いダートで速度が落ちにくい攻撃されてもすぐ速度が回復すると非常に有利。加えて効果時間の長さ自体にも4倍近くの格差がある*4
      • Wi-Fi対戦においても直ドリを使うプレイヤーが増えた結果、直ドリに適した性能を持つ強カートしかほぼ使われないという事態に。
        最速なのに加速もあり使いこなせば速い「HVC-BLS」と、全体で2位のミニターボとそれなりのスピードを兼ね備えた「エッグ・ワン」が最強格。次点でダートへの耐性が凄まじい上にドリフトでも曲がれる「カロン・カノン」、ドリフト以外は平均以上でバランスが取れている「オバキューム」、これらを所有するキャラの「スタンダード」4台(YS、LG、KA、RB)が続く*5。対戦にしろタイムアタックにしろ、この8台を相手に他のマシンではまず勝ち目がないほどのタイム格差がある。
      • 逆にドリフト性能の高いマシンは全体的にミニターボの効果が低い上、ドリフト時に無駄に内側に曲がる&ハンドル力が低いためミニターボ後の軌道修正がしづらいなど扱いづらい性能になっている。一応、キラーシップの螺旋コーナーなど例外はあるが、ドリフト性能が高いマシンは「コーナーの内側に入りすぎて逆に曲がりにくい」という本末転倒な事がザラ。もっと言えばドリフトをせずにミニジャンプを連発して制御することでドリフト性能が低くても急なコーナーのインを突くテクニックもあり、キラーシップの螺旋コーナーですら優位性は薄い。
      • さらにドリフト性能が高いマシンは加速性能が低いことが多い。例えばドリフト性能が最も高いピーチの持ちカートは軽量級キャラのカートの中で加速性能が最低ランクで、同じくドリフト性能の高いクッパの持ちカート「タイラント」は全マシン中加速が最も低い。
      • 加速性能の高いマシンは上記のテクニックを使用すると常にミニターボの速度で走れてしまう。マシンによってはダートを走ってラインを縮めるほうが速いこともあり、その他のマシンで同じような操作をおこなうと半周以上程度の差がつく。
    • 「アイテム」性能がほぼ死にパラメータ。
      • 「アイテム」性能は強力な効果のスペシャルアイテムの出やすさに影響するが一位だとスペシャルアイテムが「トリプルバナナ」のみと、恩恵を受けにくい。
      • タイムアタックモードではキノコ使用回数の多さに関わっており、キノコを使うショートカットが毎周できるようになるのだが、一部マシンのミニターボ(上記参照)が優秀すぎてプレイヤーの腕があればキノコを使わずに代用できてしまう。「アイテム」が高いマシンはその分基本性能が低いのでタイムアタックでは完全に性能差を覆せなくなっている。
      • 「アイテム」が高いカートは「おもさ」も高い傾向もあるがそこも仕様と噛み合っていない。
      • 「おもさ」は他のマシンと接触した時の衝撃に影響するが悪路での減速が大きくなる。これ自体は軽いキャラを載せるメリットも生む調整だがタイムアタックモードでは敵マシンがいないので死にステータスどころか低いほうが良い
    • さらに、本作では初期状態ではキャラ毎に選べるマシンが違うという制約があるのだが、最終的にはすべてのマシンとキャラの組み合わせを選べるようになる。
      • これにより性能の低いマシンをあえて使う必要性がなくなってしまい、さらに格差が広がってしまっている。
  • COMキャラの仕様がシリーズで最も理不尽
    • プレイヤー(人間)との差を調整するために、スピードが優遇されるライバルキャラの概念がシリーズを通して存在するのだが、この補正が『64』並に極端。*6
      • ライバル2人は攻撃を受けて順位が下がっても、元々いた順位まで戻ろうと異常な加速を見せ、逆に他の5人はその2人に上位の座を露骨に譲ろうとする。終盤でトゲゾーこうらを喰らうといった大きなアクシデントが起こらない限り、序列が崩れることはまずありえない。
      • また、本作のライバルキャラには、何故かレースごとに上下関係を入れ替える補正がかかっているため、プレイヤーが同じ順位を維持し続けると、余程のことがない限り必ず同点で並ぶという不可解な現象が起こる。
    • 『64』の時はこうら系アイテムを使えない、障害物に反応できないといった点からまだ納得できなくもない範疇だったが、本作ではそれでいてあらゆるアイテムを使ってくるため、ますます手に負えない。
      • アカこうらの追尾能力が異常で、例えバナナなどで防いでいてもマシンの横から突っ込んできてクラッシュさせられてしまうことがある。ひどい場合には一旦マシンを追い抜いた後に正面から襲ってくることも。ミドリこうらなら当たる直前に前に投げて防ぐテクニックもあるがタイミングがシビア。
      • 当然これらの攻撃を受けるとぶら下げによって所持していたアイテムはドロップしてしまうため、丸腰の状態から追撃を食らいデスコンに陥ることも。
      • この仕様はバトルモードでも健在のため、COMの手にアカこうらが渡ると遠方への退避を余儀なくされてしまう。
    • 出現アイテムが全モードで明らかにCOM優遇。
      • 例えば同じ2位でも、プレイヤーよりもCOMの方がアカこうらが出やすくなる*7。これ自体は次作『Wii』も同様だが、特に本作ではアイテム性能の低いライバルが相手だと、ほぼ毎回アカこうらが来る。そのため上記の直ドリや連続ミニターボを駆使して早めにセーフティマージンを築かないと、連続で食らいまくって1位から陥落することも普通にある。
      • 基本的に強力なアイテムはCOMよりもプレイヤーの方が出やすいのだが、トゲゾーこうらは何故かその逆になっている。1レースに一回あるかないかのレベルではなく、長いコースだと2・3回、最悪の場合4回以上飛んでくるのもザラ。グランプリで高評価を狙って1位をキープしてるとイライラするだろう。
        一応、高評価を取る基準に1レース中に「トゲゾーこうら」をCOMに投げられたかどうかも入っているので、デメリットのみというわけではない。ただしこれで1位から陥落し、そのまま1位を取れなかった場合、最高ランクの★★★は取れなくなるため(★★★は4つのコースすべてで1位を取ることが最低条件)、狙う場合は最初からやり直しになる。
      • そしてバトル、特にふうせんバトルでは、ふうせん2つの時に良くみられるが、テレサがプレイヤーには1つの時にしか出ないのに、COMには低確率とはいえ出てくる、ほぼハズレアイテムであるバナナやにせアイテムボックスがプレイヤーには普通に出るのに、COMには3つの時にしか出ず、逆にミドリこうらが頻繁に出るなど、COMの強さの問題も相まって、人によっては非常に理不尽と思える仕様である。
      • ゲッソーはプレイヤー、COMに共通して風船が1、2つの時に出るようになっているがバトルではCOMに一切影響が無い。それならせめて1人プレイ時にはプレイヤーには出ないように調整すべきだろう。
      • 一応全モード共通で、プレイヤーにしか出てこない、トリプルアカこうらというアイテムもあるが、それを差し引いてもプレイヤーとCOMのアイテムの差を埋めきれていない。
    • 1人プレイのふうせんバトルにおいて、ルールを「個人戦」且つCOMを「つよい」に設定すると、COMは他のCOMには一切の自発的な攻撃を仕掛けることはなくプレイヤーを集団でリンチしてくるようになる
      • プレイヤーがCOMに近づくと、COMは一斉に所持している攻撃アイテムを使用してプレイヤーを攻撃してくる。また、COMがスターを使用した場合にはプレイヤーを撥ねようとして逃げきれないほどの速度でこちら目掛けて突っ込んでくる
      • 特にアカこうらの追尾を回避する壁や高低差がない「サザンリーフ」のコースでは袋叩きにされてしまいやすい。
      • 裏を返せばCOMが攻撃をするタイミングが非常に読みやすく、想定していないところから流れ弾が飛んでくることはほとんど無いということでもあるが…
      • 幸いにてアカこうら自体の追尾自体はプレイヤーCOM問わず平等に狙うため、間に他のCOMを挟むなどしてプレイヤーにアカこうらの追尾が及ばないような調整をして回避することは可能。
      • なおCOMには重大な弱点が存在しており、アカこうらなどの後部にぶら下げるタイプのアイテムを狙って破壊すると同じく後部にぶら下げるタイプのアイテムを入手した場合、次にダメージを受けるまで使用出来なくなる。*8この状態になったCOMは一旦放置することで次に被弾したりテレサでアイテムを奪われて別のアイテムを補充したりするまでは攻撃してこなくなる。
      • 後の作品でも「プレイヤーを狙うことが多い」という仕様は残っているが、プレイヤーしか狙わない仕様は今作のみである。
  • 特定コースのある地点でスピンターンするとフリーズするバグがある。
    • その部分は普通に走るだけで通り過ぎる事ができる場所のため、意図的にやらない限りはまず起こりえないが、 対戦相手も全員フリーズしてしまう
    • 内部データによると、存在しない音声を読み込もうとしていることが原因らしい。なぜデバッグで見つからなかったのか不思議である。
  • 制限や問題の多いWi-Fi対戦
    • Wi-Fi対戦は最大で4人までしか同時に遊べず、選択できるコースも全体の半分強。さらにバトルモードはWi-Fi対戦非対応。いずれも容量やマシンパワーの問題。
    • 一部アイテムが出ない上に、アイテムをマシン後部に装備する「ぶら下げ」ができない
      • アカこうらなどをブロックするのが難しくなるため、攻撃アイテムによる逆転要素が強まっている。
    • 接触時の「おもさ」の影響が無くなる。タイムアタック同様におもさが高いことがデメリットにしかならないため、最軽量キャラのカロン以外を乗せる意味がなくなってしまう。カートもおもさが高い傾向があるアイテム性能重視タイプが弱体化してしまう。
    • ローカルプレイのグランプリと同様に、4レースのポイント制で勝敗数を記録する形式となっている。しかし実力差があると途中のレースで負けが確定してしまい、プレイヤーの負けの数が増えるペナルティがあるにもかかわらず接続を切断するプレイヤーが非常に多い。このため最後まで4人全員が残っている機会はかなり少ない。
      • しかも上記の負け数が増えるペナルティはあくまで電源を切る、30秒放置するといった想定範囲内のものであり、Wi-Fiの回線が届かないところへ退避するなどして回線の方を切った切断をした場合は負け数が増えるどころか逆に減る。
      • 以降の作品では1レースごとにプレイヤーのレートが変動する形式となった。
    • 本作に限ったことではないが、一部の心ないプレイヤーによる迷惑行為が横行している。
      • まともにレースしようとせず、わざと逆走してアイテム(特にスター)を使い攻撃を繰り返して妨害するようなプレイヤーも見られた。
      • 間の悪いことに、Wi-Fiで選択可能なコースの中には「DKスノーマウンテン」(スターカップ第1コース。中間地点付近にキノコorトリプルキノコorスター確定のアイテムボックスがある)も含まれていたため、終盤でそこに当たってしまうと妨害狙いのプレイヤーによってレースが阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
      • チートプレイヤーの数がDSソフトの中でおそらく最多。
      • 前述のエンブレム機能を悪用した嫌がらせなども発生しやすい。そのためか、今作限りとなってしまっている。

総評

マシン性能のバランスの悪さは問題ではあるものの、カジュアルに携帯機でプレイできる『マリオカート』としては素晴らしい出来であり、DSの定番ソフトとしてロングセラーとなった。

一部のマシンでミニターボ合戦のスピードレースや特定のマシンでミニターボの使用制限付きで走ったり、特定コースにある、特定アイテムのみしか出現しない特殊アイテムボックスを使った擬似バトルゲームなど、マシン性能差が著しく激しいためにいろいろな遊び方が考案されてきた節がある。
一方で目玉のWi-Fiランダム対戦においては、このようなローカルルールは通用しないために「直ドリ」をはじめプレイヤー間で摩擦が起こりやすく、簡略化された仕様も含めて良い対戦環境だったとは言えない。
ローカル対戦もダウンロードプレイだと制限が多すぎるなど、やや残念な部分もある。


売上

  • 国内売上は約399万本(2012年時点)で、これは『スーパーマリオカート』を超えるシリーズ歴代2位の本数である(1位は『8DX』)。

ベータ版

  • 本作には、体験版のような立ち位置の「ベータ版」が存在する。
    • 日本では「キオスクデモ版」というものが存在し、BGMのほとんどが製品版と異なり、一部コースのオブジェクトも異なり、更には没ミッションも存在する。
    • それらの違いは開発が完全に終わっていなかったためだと思われる。実際にコースごとにほとんど完成しているものや、ワルイージピンボールのように半分以上が変更されているものなどばらつきがある。
      • BGMに関してはGC版から音源を抜き、製品版完成前にサウンドフォント(楽器の音源)を変更した説が有力。また、製品版には無いBGMも存在する。
  • これらは日本、海外問わず解析が進んでおり、YouTubeなど動画サイトでベータ版の内容を確認することができる。また、非常に希少だがオークションで流通することもある。
+ タグ編集
  • タグ:
  • RCG
  • マリオカート
  • マリオ
  • 任天堂

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最終更新:2023年12月31日 09:10

*1 よく見るとトゲがとがっていない。

*2 『マリオカートアドバンス』までにはあったアニメーションも省略され、一枚絵になっている。

*3 ピーチ・デイジー・ドンキー・クッパのカート

*4 最長が「カロン・カノン」の73F(1.216秒)、その下に「エッグ・ワン」の68F(1.133秒)、「スタンダードKA」の65F(1.083秒)、「オバキューム」の62F(1.033秒)が続く。最短は「ハリケーン」の19F(0.316秒)。

*5 「YS」と「LG」は「サンサンさばく」限定で最強格になり、「RB」は一部のコースで最速ラップを狙える。「KA」も3位のミニターボ性能を持つためさほど見劣りしない。

*6 ただ流石に『64』程爆走し続ける訳ではなく、時折普通に追い越せる程度にはスピードが緩むことがある。

*7 さらにCOMは1位でもアカこうらやキノコを入手することがある。

*8 にせアイテムボックスのみ使用する際後部にぶら下げず即座に使用するため不可